<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図8を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、図1ないし図3を用いて説明する。
[画像形成装置]
本実施形態の画像形成装置100は、転写方式電子写真プロセス、接触帯電方式、反転現像方式を用いた、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、装置本体と通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ、画像読み取り装置などの外部ホスト装置からの画像情報に応じて、記録材(例えば、用紙、OHPシートなどのシート材)にカラー画像を形成して出力する。
このような画像形成装置100は、図1に示すように、中間転写ベルト(中間転写体)91の移動方向に沿って複数の画像形成部を並べて配置した、所謂、タンデム型の画像形成装置である。即ち、画像形成装置100は、複数個のプロセスカートリッジ8を有し、各プロセスカートリッジ8により、一旦、移動可能な中間転写ベルト91に連続的にトナー像を多重転写する。その後、中間転写ベルト91から記録材Sにトナー像を一括して転写することによりカラー画像を形成する。本実施形態では、プロセスカートリッジ8は、中間転写ベルト91の移動方向において直列にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に4個配置されている。以下、更に詳しく説明する。
画像形成装置100は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための、第1、第2、第3、第4の画像形成部PY、PM、PC、PBkを有する。4個の画像形成部PY、PM、PC、PBkは、使用する現像剤の色が異なる他は同一の構成とされるので、以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成部の要素であることを示す符号の添え字Y、M、C、Bkは省略し、総括的に説明する。
例えば、4色カラー画像を形成する場合の全体動作を説明すると、画像形成装置100と通信可能に接続された外部ホスト装置からの信号に従って、色分解された画像信号が生成される。この信号に応じて、各画像形成部PY、PM、PC、PBkの各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8BKにおいて各色のトナー像の形成が行われる。
各プロセスカートリッジ8Y、8M、8C、8BKは、像担持体として導電性支持体上に有機物質の感光層を持つ回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、帯電手段としての帯電部材である帯電ローラ2に所定の帯電電圧が印加されることによって、その表面を帯電電位に帯電される。その一様帯電面を、露光手段としての露光装置(レーザービームスキャナ)3によって走査露光することで、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)を形成する。そして、この静電潜像に現像手段としての現像装置4によって現像剤であるトナーを供給することにより、感光ドラム1上にトナー像を形成する。
各感光ドラム1に形成された各色のトナー像は、各1次転写部d(図2)において、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト91上に順次重ね合わせて転写(1次転写)される。中間転写ベルト91の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、1次転写手段としての1次転写部材である1次転写ローラ92が設けられている。この1次転写ローラ92の作用により感光ドラム1から中間転写ベルト91へのトナー像の転写(1次転写)が行われる。そして、中間転写ベルト91上に形成されたカラーのトナー像は、中間転写ベルト91と2次転写手段としての2次転写部材である2次転写ローラ10とが対向する2次転写部Nに搬送されてきた記録材S上に一括して転写(2次転写)される。次いで、トナー像が転写された記録材Sは、定着手段としての定着器13に搬送され、ここでトナー像の定着を受けた後、機外に排出される。本実施例では、定着器13は、定着ローラ対によって記録材Sに熱及び圧力を適用して、トナー像を記録材Sに溶融定着させる。
次に、図2を参照して、各画像形成部Pの各要素についてより詳細に説明する。以下、各画像形成部Pがそれぞれ有する各要素について、特に区別を要する場合は、例えば、第1、第2、第3、第4の感光ドラム1PY、1PM、1PC、1Bkというように、それぞれ「第1」、「第2」、「第3」、「第4」のものとして記載する。
本実施形態の場合、感光ドラム1は、有機光導電体(OPC)ドラムであり、その外径は30mmである。また、感光ドラム1は、中心支軸を中心に240mm/secのプロセススピード(周速度)で図示矢印R1方向(反時計方向)に回転駆動される。
帯電ローラ2は、ローラ状に形成された接触帯電部材である。帯電ローラ2に所定の条件の帯電電圧を印加することで、感光ドラム1を一様に負極性の帯電電位に帯電させる。本実施形態では、帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)の長さは320mmであり、芯金(支持部材)の外回りに、基層の上に表面層を塗工して構成されている。更に説明すると、帯電ローラ2は、芯金として直径6mmのステンレス丸棒を用い、表層としてフッ素樹脂にカーボンを分散させたものを用いており、ローラとしての外径は14mm、ローラとしての電気抵抗は104Ω〜107Ωである。帯電ローラ2は、芯金の両端部がそれぞれ軸受け部材により回転自在に保持されると共に、押圧ばねによって感光ドラム1の方向に付勢されて、感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接されている。また、帯電ローラ2は、感光ドラム1の回転に従動して回転する。
そして、帯電ローラ2には、帯電電圧印加手段(バイアス印加手段)としての帯電電源(高圧電源)V1から、直流電圧(Vdc)に所定の周波数の交流電圧(Vac)を重畳した所定の振動電圧(Vdc+Vac)が、芯金を介して印加される。これにより、回転する感光ドラム1の周面が所定の電位(帯電電位)に帯電処理される。帯電ローラ2と感光ドラム1との接触部が帯電位置aである。本実施形態では、画像形成時に、帯電ローラ2に印加する電圧(帯電バイアス)は、−500Vの直流電圧と、周波数=1500Hz、ピーク間電圧Vpp=1700V、正弦波の交流電圧と、を重畳した振動電圧である。斯かる帯電電圧により、感光ドラム1の周面は−500V(帯電電位、暗部電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
また、帯電ローラ2に対して、帯電ローラクリーニング部材2fが設けられている。本実施形態では、帯電ローラクリーニング部材2fは、可撓性を持つクリーニングフィルムである。この帯電ローラクリーニング部材2fは、帯電ローラ2の長手方向(回転軸線方向)に対し平行に配置される。また、この帯電ローラクリーニング部材2fは、長手方向に対し一定量の往復運動をする支持部材2gに一端を固定され、自由端側近傍の面において帯電ローラ2と接触するよう配置されている。支持部材2gが、画像形成装置100の駆動モータによりギア列を介して駆動され、長手方向に一定量の往復運動をすることで、帯電ローラ2の表層が帯電ローラクリーニング部材2fで摺擦される。これにより、帯電ローラ2の表層の付着汚染物(微粉トナー、外添剤など)の除去がなされる。
感光ドラム1は、帯電ローラ2により所定の極性・電位に一様に帯電処理された後、露光装置3による画像露光(レーザー光L)を受ける。本実施形態では、露光装置3は、カラー原稿画像の色分解・結像露光光学系、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザービームを出力するレーザースキャンによる走査露光系などを有する。露光装置3によって、目的のカラー画像の各画像形成部PY、PM、PC、PBkに対応した色成分の静電潜像が、各感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk上に形成される。
また、本実施形態では、露光装置3として半導体レーザーを用いたレーザービームスキャナを用いた。レーザービームスキャナは、外部ホスト装置から画像形成装置100側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して、回転する感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザー走査露光(イメージ露光)する。このレーザー走査露光により、感光ドラム1上のレーザー光Lで照射された部分の電位が低下することで、回転する感光ドラム1上には、走査露光した画像情報に対応した静電潜像が形成される。本実施形態では、露光部電位Vlは−150Vである。感光ドラム1における画像露光(レーザー光L)の照射位置が露光位置bである。
感光ドラム1に形成された静電潜像は、現像装置4でトナーにより現像される。本実施形態では、現像装置4は2成分接触現像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である。現像装置4は、現像容器40、内部に固定配置されたマグネットローラを有する現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤規制ブレード42、現像容器40内の底部側に配設した現像剤攪拌部材としてのスクリュー43、44などを有する。現像容器40内には、主に樹脂トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)との混合物である2成分現像剤(現像剤)46が収容されている。
現像スリーブ41は、その外周面の一部を現像容器40の外部に露呈させて、現像容器40内に回転可能に配設されている。そして、スクリュー43、44により攪拌しつつ搬送される現像剤を担持して回転する。現像剤は、スクリュー43、44により攪拌されることで、トナーが負極性に、キャリアが正極性にそれぞれ帯電する。
現像スリーブ41には、所定間隙を有して現像剤規制ブレード42が対向されており、現像スリーブ41の図示矢印R2方向(時計方向)の回転に伴い、現像スリーブ41上に現像剤薄層を形成する。本実施形態では、現像スリーブ41は、感光ドラム1との最近接距離(S−Dgap)を350μmに保たせて、感光ドラム1に近接させて対向配設されている。感光ドラム1と現像スリーブ41とが対向する位置が現像位置cである。また、現像スリーブ41は、現像位置cにおいてその表面が感光ドラム1の表面の進行方向と同一方向に移動するように回転駆動される。
現像スリーブ41上の現像剤薄層は、現像位置cにおいて感光ドラム1の面に対して接触して、感光ドラム1を適度に摺擦する。現像スリーブ41には、現像電圧印加手段(バイアス印加手段)としての現像電源(高圧電源)V2から、直流成分を有する所定の現像電圧(現像バイアス)が印加される。本実施形態では、現像スリーブ41に印加する現像電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した電圧である。より具体的には、−350Vの直流電圧と、ピーク間電圧Vpp=1800V、周波数=11kHzの交流電圧と、を重畳した振動電圧である。
回転する現像スリーブ41上に薄層としてコーティングされ、現像位置cに搬送された現像剤中のトナーが、現像電圧による電界によって感光ドラム1に形成された静電潜像に対応して選択的に付着する。これにより、感光ドラム1上の静電潜像がトナー像として現像される。本実施形態では、感光ドラム1上の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
現像位置cを通過した現像スリーブ41上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に伴い現像容器40内の現像剤溜り部に戻される。現像装置4内には、スクリュー43、44が設けられている。スクリュー43、44は、現像スリーブ41の回転と同期して回転し、補給されたトナーをキャリアと攪拌・混合して、トナーに所定の帯電電荷を与える機能を有する。また、スクリュー43、44は、それぞれ長手方向において反対方向に現像剤を搬送し、現像剤を現像スリーブ41に供給する。それと共に、スクリュー43、44は、現像工程によりトナー濃度(現像剤中のトナーの割合)の薄くなった現像剤をトナー補給部に搬送し、現像剤を現像容器40内で循環させる機能を有する。
現像装置4のスクリュー44の上流側壁面には、現像剤の透磁率変化を検出して現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知手段としての濃度センサ45が設けられている。現像剤の循環方向において濃度センサ45のやや下流側には、トナー補給開口47が設けられている。現像動作を行った後に、現像剤は濃度センサ45の検知部に運ばれ、ここでトナー濃度が検知される。その検知結果に応じて、適宜、現像装置4に接続された現像剤補給容器(トナー補給ユニット)5が備える補給スクリュー51の回転により、トナー補給ユニット5から、現像装置4のトナー補給開口47を通してトナー補給が行われる。これにより、現像剤中のトナー濃度を一定に維持するようになっている。
補給されたトナーは、スクリュー44により搬送され、キャリアと混ざり合い、適度な帯電電荷を付与された後に、現像スリーブ41の近傍に運ばれ、現像スリーブ41上で薄層形成され現像に供される。本実施形態では、トナーとして、平均粒径5.5μmの負帯電性のトナーを用い、キャリアとしては、飽和磁化が205emu/cm3、平均粒径35μmの磁性キャリアを用いた。また、本実施形態では、トナーとキャリアを重量比10:90で混合したものを現像剤として用いた。
1次転写部dで中間転写ベルト91に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(転写残トナー)は、感光体清掃手段としてのクリーニング装置7によって感光ドラム1上から除去される。クリーニング装置7は、感光ドラム1に当接して設けられたクリーニング部材としてのクリーニングブレード7aによって感光ドラム1上の転写残トナーを除去する。表面が清掃された感光ドラム1は、次の作像工程に供される。クリーニングブレード7aの材料としては、ウレタンゴム系の材料が広く用いられている。
なお、本実施形態では、露光装置3と現像装置4とで、帯電ローラ2によって帯電された感光ドラム1にトナー像を形成するトナー像形成手段が構成される。また、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング装置7と、は一体的にカートリッジ化されて、装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ8を構成する。
このように構成される画像形成装置100は、図3に示すように、画像形成動作を制御する制御手段としての制御部101を有する。制御部101は、CPU102と、記憶部103とを備え、画像情報や各種センサの入力などに基づいて、各種モータや電源を制御する。即ち、制御部101は、感光ドラム1や中間転写ベルト91の駆動手段の駆動・停止の指示の動作の指示、帯電電源V1や現像電源V2の電圧印加の開始・停止の指示及び印加電圧条件の設定などを含む画像形成装置100の動作を統括的に制御する。
また、上述のように2成分現像システムの現像剤は、トナーとキャリアから構成されており、その摩擦帯電によりトナーとキャリアが帯電量を得る。ここで、長期的に装置を使用した場合、即ち、現像装置内の現像剤の使用が開始されてから所定時間経過後(例えば、10万〜20万枚以上の画像形成を行った場合)のトナーの帯電量の変化について説明する。トナーとキャリアの帯電量は上述のように摩擦帯電により帯電するが、長期的な使用により現像剤中のキャリアの表面にトナーやトナーの成分である外添剤が付着したり、キャリアの表面が削れたりすることにより、キャリアの帯電能力が低下してしまう。
このようにキャリアの帯電能力が低下した場合に、キャリアに対するトナーの濃度を低下させることにより、トナーのキャリアに対する接触率を上げて、トナーの帯電量を維持する方法がある。但し、本実施形態では、キャリアに対するトナー濃度を一定に固定した制御を行うことを前提としている。なお、キャリアに対するトナーの濃度を変化させる制御を用いた場合でも、例えば長期に亙って使用した状態において、トナー濃度を下げていって、トナー濃度が所定の下限値に設定されている場合も含む。この所定の下限値は、キャリア付着などの他の要因から規定される。
何れにしても、現像装置内のトナーの帯電量が低下した場合には、現像電圧と露光装置により露光された感光ドラム表面の電位(露光部電位)との差である現像コントラストを低く設定する。一方、トナーの帯電量が上昇した場合には、現像コントラストを高く設定する。これにより、現像されるトナー量を維持するようにしている。
このために本実施形態の画像形成装置100では、制御部101の指令により、所定の間隔(例えば、所定の画像形成枚数毎など)で、中間転写ベルト91上に所定のトナー画像(テストパターン)を形成するようにしている。そして、このテストパターンのトナー載り量を検知することで、トナーの帯電量を検知するようにしている。即ち、図1に示すように、中間転写ベルト91の各画像形成部Pの下流側には、トナー載り量を検知する帯電量検知手段としてのトナー載り量検知センサ97を配置している。トナー載り量検知センサ97は、光学反射式のセンサである。そして、トナー載り量検知センサ97により検知した、トナーが無い領域の中間転写ベルト91の反射光量と、トナーがある場合の反射光量の差分から、制御部101が中間転写ベルト91上のトナー載り量を算出する。
また、制御部101は、このトナー載り量から、例えば、記憶部103に記憶されたトナー載り量とトナーの帯電量との関係(関係式又はテーブル)により、現像装置内(現像容器40内)のトナーの帯電量を求める。ここで、中間転写ベルト91上にトナーが多く載っている場合にはトナーの帯電量が低く、逆に中間転写ベルト91上に載っているトナー量が少ない場合にはトナーの帯電量が高くなる。
[現像スリーブへのトナー付着]
次に、前述したような現像スリーブへのトナー付着のメカニズムについて、図4(a)を用いて詳細に説明する。現像スリーブへのトナー付着は、画像形成終了に伴う立ち下げ(電圧の印加停止)時の現像スリーブと感光ドラムの電位差によって生じるが、その発生状況はその時の現像剤の状態、特にトナー帯電量に大きく起因している。
ここで、トナーの帯電量が低い場合にはキャリアと引き付けあう静電気力が小さくなるため、トナーがキャリア表面から離れ、現像スリーブ41と感光ドラム1間の電界によって移動し易い。そして、図4(a)に示すように、トナー48を現像スリーブ41側に引きつける電界すなわちVbackがかかっている時には、帯電量の低いトナー48は現像スリーブ41表面へ付着する現象が発生し易くなる。即ち、現像スリーブ41表面に担持され、感光ドラム1に接触するキャリア49の表面に付着しているトナー48のうち、特に帯電量の低いトナー48が、Vbackにより現像スリーブ41の表面に付着する。
例えば、感光ドラム1の表面電位(帯電電位)が−500Vで、現像スリーブ41に−350Vの現像電圧が印加されている場合、特に帯電量の低いトナーが、150VのVbackにより現像スリーブ41の表面に引き寄せられる。そして、現像スリーブへのトナー付着となる。特に、画像形成終了に伴う後回転動作などで、現像スリーブ41の回転を停止させたときにVbackがかかっていると、感光ドラム1に対向する現像スリーブ41の表面の部分に特に顕著にトナー付着が発生する。
その後、次の画像形成動作において、現像スリーブ41の表面にトナー付着が発生している箇所は、付着しているトナーの電荷により、現像スリーブ41と感光ドラム1の間の電界が異なり、その領域だけ画像濃度が濃くなる現象が生じる。例えば、感光ドラム1の露光部電位Vlが−150Vで現像スリーブ41に−350Vが印加されている場合、その電位差200Vによりネガ帯電したトナーが現像される。但し、現像スリーブ41の表面にトナー付着が発生している箇所は、トナーの電荷によりその電位差が200Vよりもやや高い状態となり、その領域だけ濃度が濃くなってしまう。以上説明したように、トナーの帯電量が低い状態では、現像スリーブ41へのトナー付着が発生し易い。逆に、トナーの帯電量が高い状態では、現像スリーブ41へのトナー付着は発生しにくくなる。
[立ち下げ制御]
以上のことから、本実施形態では、トナー帯電量に影響を与える情報としてトナーの帯電量を検知し、それに応じて帯電及び現像電圧の立ち下げの制御を切り替えるようにしている。そして、現像スリーブ41へのトナー付着を抑制しつつ、無駄なトナーの消費を抑制するようにしている。即ち、トナーの帯電量が低く、現像スリーブ41へのトナー付着が発生し易い条件では、現像スリーブ41の停止のタイミングにおいて、帯電電圧を先に立ち下げて、その後に現像電圧を立ち下げる。これにより、VdとVdcの電位関係を画像形成時とは逆転させ、現像スリーブ41と感光ドラム1との間をかぶり側の電位に設定する。このような立ち下げ制御を行うことで、図4(b)に示すように、現像スリーブ41の停止時の現像スリーブ41の表面にトナー48が付着することなく、キャリア49に均一にトナー48が付着した状態を保つことができる。一方、トナーの帯電量が高く、現像スリーブ41へのトナー付着が発生しにくい条件では、現像スリーブ41の停止のタイミングにおいて、現像位置cで帯電電圧(ドラム電位)と現像電圧とが略同時に立ち下がるようにする。このような立ち下げ制御を行うことにより、かぶりトナーの発生を抑制でき、無駄なトナーの消費を抑制し、トナー飛散などの現象も回避することができる。
このような本実施形態の立ち下げ制御について、図5ないし図8を用いて詳細に説明する。本実施形態では、上述のように現像容器40内のトナーの帯電量を検知し、それに応じて画像形成動作終了時から本体停止(各部の動作停止)までの動作(後回転)での現像電圧及び帯電電圧の印加停止(立ち下げ)方法を変更させる。
図5に示すように、画像形成終了に伴い後回転の動作が開始されると(S1)、制御部101は、トナーの帯電量が所定の帯電量(本実施形態では20μc/g)よりも低いか否かを判断する(S2)。このトナーの帯電量は、例えば、直近に検知した帯電量とする。そして、この検知したトナーの帯電量と予め記憶部103に記憶されている所定の帯電量とを比較して後回転のモードを決定する。即ち、制御部101は、第1モードとしての後回転モード1と第2モードとしての後回転モード2とを実行可能である。そして、トナー帯電量に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替える。
本実施形態では、検知したトナーの帯電量が所定の帯電量よりも低い(20μC/gよりも低い)場合(S2のY)には、トナーのスリーブ付着が発生しやすいと判断し、S3に進む(後回転モード1)。逆に、検知したトナーの帯電量が所定の帯電量以上(20μC/g以上)の場合(S2のN)には、トナーのスリーブ付着が発生しにくいと判断し、S6に進む(後回転モード2)。なお、上述の所定の帯電量については、使用する現像剤によって決まってくる値なので、この値自体は実施する機械に応じて変わってくる。
次に、S3及びS6以降の後回転時の電界の設定方法について説明する。本実施形態では、上述のようにS2で識別したトナーの状態に応じて、S3以降とS6以降とで、後回転時の現像電圧と帯電電圧の立ち下げ時のタイミングを変えている。
[後回転モード1]
まず、第1モードである後回転モード1(S3以降)について、図6(a)及び図7(a)を参照しつつ説明する。なお、図6は、現像スリーブ41の回転駆動の停止(現像スリーブ駆動OFF)、帯電ローラ2による帯電電圧の印加停止(帯電電圧OFF)、現像装置4による現像電圧の印加停止(現像電圧OFF)のタイミングチャートである。即ち、各部の立ち下げのタイミングチャートである。また、図7は、このような各部の立ち下げのタイミングを現像位置c(図2)で示したタイミングチャートである。なお、図7は、現像位置における状態を示しているため、図6の帯電電圧をドラム電位(帯電電位)に置き換えている。即ち、現像位置における感光ドラム1の帯電電位の状態を示している。
後回転モード1では、帯電ローラ2による帯電を停止した感光ドラム1上(像担持体上)の帯電停止位置が現像スリーブ41と対向する現像位置cに到達する前若しくは同時に現像スリーブ41の回転を停止させる(駆動入力を停止させる)。そして、その後に、現像電圧の印加を停止させる。本実施形態では、図5及び図6(a)に示すように、まず、帯電電圧の印加を停止し(S3)、その100mmsec後に現像スリーブ41の駆動を停止し(S4)、最後に現像電圧の印加を停止する(S5)。なお、図6(a)に示すように、現像スリーブ41の駆動は、後回転動作開始から400msec後に停止する。
ここで図2に示す帯電位置aから現像位置cまでは距離が24mmあり、感光ドラム1の回転速度が240mm/secであるため、そのタイムラグは100msecに相当する。即ち、感光ドラム1上の帯電位置aが現像位置cまで移動する時間が100msecとなる。したがって、図6(a)のタイミングを現像位置で示した場合、図7(a)に示すようになる。即ち、現像位置では、帯電電圧の印加を停止した帯電停止位置(帯電電圧OFFとした位置)が現像位置に到達するタイミング(ドラム電位OFF)と、現像スリーブ41が停止するタイミングとが同時になる。また、このタイミングの所定時間(ここでは100msec)後に現像電圧がOFFになる。つまり、後回転モード1では、帯電停止位置が現像位置に到達してから所定時間経過したタイミングで現像電圧の印加を停止する。
このように後回転モード1では、現像スリーブ41の回転駆動停止のタイミングで現像位置におけるドラム電位がOFFになり、その後に現像電圧をOFFとしている。このため、ドラム電位OFFから現像電圧がOFFになるまでの所定時間(100msec)の間、現像スリーブ41上のトナーを感光ドラム1に移動させるように電界(即ち、かぶり側の電圧)がかかる。すると、図4(b)に示すように、現像スリーブ停止時の現像スリーブ41表面にトナー48が付着することなく、キャリア49に均一にトナー48が付着した状態を保つことができ、現像スリーブ41上にトナー付着が発生するのを抑制できる。
なお、本実施形態では、現像位置で、ドラム電位がOFFになるタイミングと現像スリーブ41の停止タイミングとが同時になる例を示した。但し、これらのタイミングは必ずしも同じである必要はなく、ドラム電位がOFFになるよりも前に現像スリーブ41が停止するタイミングを取ることも可能である。即ち、帯電停止位置が現像位置に到達する前に現像スリーブ41の回転を停止させるようにしても良い。また、現像スリーブ41を停止するタイミングは、画像形成が終了した時点(後回転開始の時点)であっても良い。したがって、現像スリーブ41の停止タイミングは、画像形成が終了した時点からドラム電位がOFFになるまでの間であれば良い。
この場合、現像スリーブ41が停止してからドラム電位がOFFになるまでの間、現像スリーブ41の特定の位置にVbackが印加されてしまうため、現像スリーブ41に若干トナー付着が生じる状況となる。但し、その後、ドラム電位と現像電圧との電位関係が逆転する(かぶり側の電位がかかる)ことで、現像スリーブ41へのトナー付着は解消される。逆に、ドラム電位がOFFになった後にも現像スリーブ41を回転させた場合、現像スリーブ41が回転しながらかぶり側の電位がかかり、多くのトナーを消費してしまうため、好ましくない。
[後回転モード2]
次に、第2モードである後回転モード2(S6以降)について、図6(b)及び図7(b)を参照しつつ説明する。後回転モード2では、帯電ローラ2による帯電を停止した感光ドラム1上(像担持体上)の帯電停止位置が現像スリーブ41と対向する現像位置cに到達するのと略同時に現像電圧の印加を停止させる。また、帯電停止位置が現像位置cに到達する前若しくは同時に現像スリーブ41の回転を停止させる(駆動入力を停止させる)。本実施形態では、図5及び図6(b)に示すように、後回転動作開始から400msec後に現像スリーブ41の駆動が停止し(S6)、その100msec後に帯電電圧の印加を停止する(S7)。そして、更に100msec後に現像電圧の印加を停止する(S8)。この図6(b)のタイミングを現像位置で示した場合、図7(b)に示すようになる。即ち、現像位置では、現像スリーブ41の駆動停止の200msec後に、ドラム電位と現像電圧が略同時にOFFになる。
このように後回転モード2では、現像スリーブ41の回転駆動停止から帯電電圧及び現像電圧がOFFになるまでの間は、現像スリーブ41上のトナーがVbackにより現像スリーブ41側に移動するような電界がかかる。このため、トナーが消費されるのを抑制することができる。
なお、現像位置cにおいて、ドラム電位と現像電圧がOFFになるタイミングは、キャリア付着やかぶりを回避する目的から、まったく同時であることが好ましい。但し、制御信号のばらつきや高圧電源の高圧出力の特性のばらつき等を考慮すると、若干(例えば約50msec以下ほど)、現像電圧が遅めにOFFになるよう制御タイミング設定しておく方が好ましい。これにより、転写やクリーナー等へ影響が大きいキャリア付着を回避することができる。この場合、若干のかぶりが発生するが、僅かな時間程度であればその間に生じるかぶりの程度は軽微であるため、略同一であるとしてとらえて差し支えない。但し、後回転モード2では、帯電停止位置が現像位置に到達してから後回転モード1よりもはやいタイミング(所定時間内)で現像電圧の印加を停止させて、後回転モード1に比べトナー消費を抑制する。
また、上述の説明では、現像位置cにおいて、現像スリーブ41の回転駆動停止後にドラム電位と現像電圧が同時にOFFになる例を示した。但し、現像位置cにおいて、現像スリーブ41の回転駆動停止とドラム電位及び現像電圧のOFFが同時であっても良い。更に、現像スリーブ41の回転駆動停止のタイミングは、現像位置cにおいて、ドラム電位と現像電圧が略同時にOFFした後でも良い。これは、ドラム電位と現像電圧がOFFした状態では、現像スリーブ41と感光ドラム1との間に電界が作用していないため、現像スリーブ41を回転させてもかぶりが発生しないからである。但し、現像位置cにおいて、現像電圧をOFFするタイミングをドラム電位をOFFするタイミングに対して若干遅らせるように制御する場合には、現像電圧及びドラム電位をOFFする前に現像スリーブ41の駆動を停止することが好ましい。
また、実際の装置の動作としては、図8(a)に示すように、駆動を停止しても、現像スリーブ41が慣性で若干回り続ける現象が発生する。また、電圧の印加を停止しても、高圧電源の静電容量等の影響により帯電電圧(ドラム電位)や現像電圧の立ち下がりに時間がかかる現象が発生する。特に高圧電源の立ち下げについては、ドラム電位と現像電圧の関係の安定が保証されない。
そこで、図8(b)に示すように、帯電電圧(ドラム電位)、現像電圧、現像スリーブ駆動を制御しながら立ち下げる方法をとることも可能である。例えば、ドラム電位と現像電圧との関係が上述のようになるように維持しつつ所定電位ずつ(例えば5Vずつ)下げていく制御を行う。また、現像スリーブの駆動停止については、モータの回路に逆電流を印加したり回路をショートさせたりすることで電気的にブレーキをかける制御を行う。このような制御を用いれば、特にドラム電位と現像電圧の電位差Vbackが安定するため、立ち下げ時のキャリア付着の回避やかぶり量の制御を安定的に行うことが可能となる。なお、図8では、後回転モード2について示しているが、後回転モード1でも同様である。
本実施形態の場合、現像スリーブ41へのトナー付着が発生しにくい後回転モード1と、かぶりによる無駄なトナーの消費を抑制できる後回転モード2とを、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて切り替えている。具体的には、現像容器40内のトナーの帯電量に応じて、後回転の動作を変化させている。このため、現像スリーブ41へのトナー付着による帯状の画像が発生することの抑制と、無駄なトナーの消費の抑制との両立を図ることができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図1ないし図3を参照しつつ、図9を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、トナーの帯電量に応じて後回転モード1と後回転モード2との切り替えを行っていたが、本実施形態では、トナー帯電量に影響を与える情報として現像スリーブ41の回転量に応じてこの切り替えを行う。特に本実施形態では、現像スリーブ41の回転数に応じて切り替えを行うようにしている。なお、現像スリーブ41の回転量としては、このような回転数以外に、例えば、回転時間であっても良い。また、キャリアの劣化状況を判断できれば良いので、現像装置4内のスクリュー43、44の回転量(回転数、回転時間)に応じて切り替えを行うようにしても良い。何れにしても、現像スリーブ41の回転量に応じて画像形成動作終了時から本体停止までの動作(後回転)での現像電圧および帯電電圧の停止(立ち下げ)方法を変更させる。
前述のように、トナーとキャリアの帯電量は摩擦帯電により帯電するが、長期の使用により、キャリアの帯電能力が低下してしまう。そこで本実施形態では、現像剤の使用状態に応じて現像電圧と帯電電圧の立ち下げのタイミングを変化させている。長期使用によるキャリアの劣化状況は、現像スリーブ41の回転量(ここでは通算回転数)から把握することが可能である。即ち、現像スリーブ41の回転量(通算回転数)が所定の回転量(所定の回転数)よりも大きい場合は、現像剤の帯電特性が低下しているため、現像スリーブ41へのトナー付着が発生しやすいと判断する。一方、現像スリーブ41の回転量(通算回転数)が所定の回転量以下(所定の回転数以下)の場合には、現像剤の帯電特性は維持されており、現像スリーブ41へのトナー付着は発生しにくいと判断する。
このために本実施形態では、図3に示す、記憶手段としての記憶部103が、現像スリーブ41の回転量を積算して(通算回転数を)記憶する。そして、制御部101が、記憶部103に記憶した通算回転数に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替える。即ち、現像スリーブ41の通算回転数が所定の回転数よりも大きい場合は後回転モード1を、現像スリーブ41の通算回転数が所定の回転数以下の場合は後回転モード2を実行する。
以下、本実施形態の立ち下げ制御について具体的に説明する。本実施形態では、現像容器40内の現像剤の劣化状況を現像スリーブ41の回転量から類推し、それに応じて画像形成動作終了時から本体停止までの動作(後回転)での現像電圧および帯電電圧の立ち下げ方法を変更させている。
図9に示すように、画像形成終了に伴い後回転の動作が開始されると(S21)、制御部101は、現像スリーブ41の通算回転数(カウンタ)を記憶部103から取得する(現像カウンタ確認)。そして、カウンタが予め記憶部103に記憶されている所定の回転数よりも大きいか否かを判断して後回転のモードを決定する(S22)。本実施形態では、所定の回転数を、例えば、A4横サイズの用紙で200000枚相当の画像形成を行った場合としている。次いで、カウンタが所定の回転数よりも大きい(200000枚相当よりも大きい)場合(S22のY)には、トナーのスリーブ付着が発生しやすいと判断し、S23に進む(後回転モード1)。逆に、カウンタが所定の回転量以下(200000枚相当以下)の場合(S22のN)には、トナーのスリーブ付着が発生しにくいと判断し、S26に進む(後回転モード2)。
なお、ここで使用している現像剤劣化基準の200000枚相当という値については、使用する現像剤によって決まってくる値なので、この値自体は実施する機械に応じて変わってくる。また、S23以降及びS26以降の制御については、第1の実施形態の図5に示すS3以降及びS6以降とそれぞれ同様であるため、詳細は省略する。
このような本実施形態の場合、現像スリーブ41の通算回転数に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替えるようにしている。このため、第1の実施形態と同様に、現像スリーブ41へのトナー付着による帯状の画像が発生することの抑制と、無駄なトナーの消費の抑制との両立を図ることができる。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様である。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図1ないし図3を参照しつつ、図10を用いて説明する。上述の第1の実施形態では、トナーの帯電量に応じて後回転モード1と後回転モード2との切り替えを行っていたが、本実施形態では、トナー帯電量に影響を与える情報として現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量に応じてこの切り替えを行う。特に本実施形態では、現像装置4の周辺の相対湿度に応じて切り替えを行うようにしている。
現像スリーブ41へのトナー付着は、前述のようにトナーの帯電量に影響を受けているが、トナーの帯電量は現像装置4が設置してある環境の相対湿度の影響を受ける。トナーの帯電は、キャリアとトナーの摩擦帯電によるものであるため、湿度が高いとトナーの帯電量が低くなる傾向がある。したがって、本実施形態では、現像装置4の周辺の相対湿度を検知することで、それに応じて現像電圧と帯電電圧の立ち下げを変化させている。そして、スリーブ付着が発生し易い高湿環境では、立ち下げ時にかぶり側の電圧に変化させる。逆にスリーブ付着が発生しにくい低湿環境では、かぶりが生じにくい立ち下げ条件に設定することで、無駄なトナーの消費を抑制している。
このために本実施形態では、図1に示すように、湿度検知手段としての温湿度センサ50を画像形成装置100の装置本体内に配置している。そして、制御部101が、温湿度センサ50により検知した相対湿度に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替える。即ち、相対湿度(湿度若しくは水分量)が所定の相対湿度(所定の湿度若しくは水分量)よりも高い場合には後回転モード1を、相対湿度が所定の相対湿度以下(所定の湿度若しくは水分量以下)の場合には後回転モード2を実行する。
以下、本実施形態の立ち下げ制御について具体的に説明する。本実施形態では、現像装置4の周辺の相対湿度を検知することで現像装置4内のトナーの帯電量を類推し、それに応じて画像形成動作終了時から本体停止までの動作(後回転)での現像電圧および帯電電圧の立ち下げ方法を変更させている。
図10に示すように、画像形成終了に伴い後回転の動作が開始されると(S31)、制御部101は、温湿度センサ50により現像装置4の周辺の相対湿度を検知する。そして、検知した相対湿度が所定の相対湿度(本実施形態では70%)よりも高いか否かを判断して後回転のモードを決定する(S32)。次いで、検知した相対湿度が所定の相対湿度よりも高い(70%よりも高い)場合(S32のY)には、トナーのスリーブ付着が発生しやすいと判断し、S33に進む(後回転モード1)。逆に、検知した相対湿度が所定の相対湿度以下(70%以下)の場合(S32のN)には、トナーのスリーブ付着が発生しにくいと判断し、S36に進む(後回転モード2)。
なお、本実施形態では相対湿度70%を境に後回転の動作を切り替えているが、この切り替えの湿度の値は使用する現像剤によっても変わるため、その現像剤に応じて最適な値は変わってくる。また、現像剤によっては相対湿度ではなく、環境の水分量に応じて帯電量が変わるものもあり、そのときは相対湿度ではなく水分量に応じて切り替えることで同様の効果を得ることができる。また、S33以降及びS36以降の制御については、第1の実施形態の図5に示すS3以降及びS6以降とそれぞれ同様であるため、詳細は省略する。
このような本実施形態の場合、現像装置4の周辺の環境に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替えるようにしている。このため、第1の実施形態と同様に、現像スリーブ41へのトナー付着による帯状の画像が発生することの抑制と、無駄なトナーの消費の抑制との両立を図ることができる。その他の構成及び作用は、第1の実施形態と同様である。
<第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態について、図1ないし図3を参照しつつ、図11を用いて説明する。上述の第2の実施形態では現像スリーブ41の回転量に応じて、上述の第3の実施形態では現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量に応じて、それぞれ後回転モード1と後回転モード2との切り替えを行った例を示した。これに対して本実施形態では、現像スリーブ41の回転量と現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量との両方に応じてこの切り替えを行う。
このために本実施形態の場合も、第2の実施形態と同様に、記憶手段としての記憶部103が、現像スリーブ41の回転量を積算して(通算回転数を)記憶する。また、第3の実施形態と同様に、湿度検知手段としての温湿度センサ50を画像形成装置100の装置本体内に配置している。そして、制御部101が、記憶部103に記憶した回転量(通算回転数)、及び、温湿度センサ50により検知した湿度若しくは水分量(相対湿度)に応じて後回転モード1と後回転モード2とを切り替える。即ち、記憶部103に記憶した回転量が所定の回転量よりも大きく、且つ、温湿度センサ50により検知した湿度若しくは水分量が所定の湿度若しくは水分量よりも高い場合には後回転モード1を実行する。一方、これ以外の場合には後回転モード2を実行する。
以下、本実施形態の立ち下げ制御について具体的に説明する。図11に示すように、画像形成終了に伴い後回転の動作が開始されると(S41)、制御部101は、現像スリーブ41の通算回転数(カウンタ)を記憶部103から取得する(現像カウンタ確認)。また、制御部101は、温湿度センサ50により現像装置4の周辺の相対湿度を検知する。そして、カウンタ(回転量)が予め記憶部103に記憶されている所定の回転数(所定の回転量)よりも大きいか否かを判断する。また、これと共に、検知した相対湿度(湿度若しくは水分量)が所定の相対湿度(所定の湿度若しくは水分量)よりも高いか否かを判断して後回転のモードを決定する(S42)。本実施形態でも、所定の回転数を、例えば、A4横サイズの用紙で200000枚相当の画像形成を行った場合としている。また、所定の相対湿度を70%としている。
次いで、カウンタが所定の回転数よりも大きく(200000枚相当よりも大きく、且つ、検知した相対湿度が所定の相対湿度よりも高い(70%よりも高い)場合(S42のY)には、S43に進む(後回転モード1)。これらの条件を1つでも満たさない場合(S42のN)には、S46に進む(後回転モード2)。なお、S43以降及びS46以降の制御については、第1の実施形態の図5に示すS3以降及びS6以降とそれぞれ同様であるため、詳細は省略する。
このような本実施形態の場合、現像スリーブ41の通算回転数と現像装置4の周辺の環境によって、トナーのスリーブ付着の発生する状態をさらに限定することが可能である。この結果、トナーの吐き出しを行う後回転モード1を実行する頻度が減るため、トナーの消費量をさらに抑制することができる。その他の構成及び作用は、第2の実施形態及び第3の実施形態と同様である。
<第5の実施形態>
本発明の第5の実施形態について、図1ないし図3を参照しつつ、図12ないし図14を用いて説明する。上述の第1ないし第4の実施形態では、後回転時の立ち下げ方法を変化させることで、トナーのスリーブ付着の抑制と無駄なトナー消費の抑制との両立を図った。これに対して本実施形態では、前回転時の帯電電圧と現像電圧の立ち上げ方法を変化させることで、同様の効果を得るようにしている。
即ち、現像スリーブへのトナー付着は、画像形成開始に伴う立ち上げ(電圧の印加開始)時の現像スリーブと感光ドラムの電位差によっても生じる。そして、その発生状況はその時のトナー帯電量に大きく起因する。このために、制御部101は、第1モードとしての前回転モード1と第2モードとしての前回転モード2とを実行可能である。そして、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて、前回転モード1と前回転モード2を切り替えるようにしている。
具体的には、現像スリーブ41へのトナー付着が発生し易い条件では、現像スリーブ41の回転開始時の現像位置cにおいて、現像電圧を先に立ち上げて、その後に帯電電圧(ドラム電位)を立ち上げる前回転モード1を実行する。これにより、VdとVdcの電位関係を画像形成時とは逆転させ、現像スリーブ41と感光ドラム1との間をかぶり側の電位に設定する。このような立ち上げ制御を行うことで、図4(b)に示すように、現像スリーブ41の回転開始時の現像スリーブ41の表面にトナー48が付着することなく、キャリア49に均一にトナー48が付着した状態を保つことができる。
一方、現像スリーブ41へのトナー付着が発生しにくい条件では、現像スリーブ41の回転開始時の現像位置cにおいて、帯電電圧(ドラム電位)と現像電圧とが略同時に立ち上がる前回転モード2を実行する。このような立ち上げ制御を行うことにより、かぶりトナーの発生を抑制でき、無駄なトナーの消費を抑制し、トナー飛散などの現象も回避することができる。
このような本実施形態の立ち上げ制御について詳細に説明する。本実施形態では、現像スリーブ41の回転量と現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量との両方に応じて、各部の動作開始から画像形成開始時までの動作(前回転)での現像電圧及び帯電電圧の印加開始(立ち上げ)方法を変更させる。
このために本実施形態の場合も、第2の実施形態と同様に、記憶手段としての記憶部103が、現像スリーブ41の回転量を積算して(通算回転数を)記憶する。また、第3の実施形態と同様に、湿度検知手段としての温湿度センサ50を画像形成装置100の装置本体内に配置している。そして、制御部101が、記憶部103に記憶した回転量(通算回転数)、及び、温湿度センサ50により検知した湿度若しくは水分量(相対湿度)に応じて前回転モード1と前回転モード2とを切り替える。即ち、記憶部103に記憶した回転量が所定の回転量よりも大きく、且つ、温湿度センサ50により検知した湿度若しくは水分量が所定の湿度若しくは水分量よりも高い場合には前回転モード1を実行する。一方、これ以外の場合には前回転モード2を実行する。
以下、本実施形態の立ち上げ制御について具体的に説明する。図12に示すように、画像形成開始に伴い前回転の動作が開始されると(S51)、制御部101は、現像スリーブ41の通算回転数(カウンタ)を記憶部103から取得する(現像カウンタ確認)。また、制御部101は、温湿度センサ50により現像装置4の周辺の相対湿度を検知する。そして、カウンタ(回転量)が予め記憶部103に記憶されている所定の回転数(所定の回転量)よりも大きいか否かを判断する。また、これと共に、検知した相対湿度(湿度若しくは水分量)が所定の相対湿度(所定の湿度若しくは水分量)よりも高いか否かを判断して前回転のモードを決定する(S52)。本実施形態でも、所定の回転数を、例えば、A4横サイズの用紙で200000枚相当の画像形成を行った場合としている。また、所定の相対湿度を70%としている。
次いで、カウンタが所定の回転数よりも大きく(200000枚相当よりも大きく、且つ、検知した相対湿度が所定の相対湿度よりも高い(70%よりも高い)場合(S52のY)には、S53に進む(前回転モード1)。これらの条件を1つでも満たさない場合(S52のN)には、S55に進む(前回転モード2)。
次に、S53及びS55以降の前回転時の電界の設定方法について説明する。本実施形態では、上述のようにS52で識別したトナーの状態に応じて、S53以降とS55以降とで、前回転時の現像電圧と帯電電圧の立ち上げ時のタイミングを変えている。
[前回転モード1]
まず、第1モードである前回転モード1(S53以降)について、図13(a)及び図14(a)を参照しつつ説明する。なお、図13は、現像スリーブ41の回転駆動の開始(現像スリーブ駆動ON)、帯電ローラ2による帯電電圧の印加開始(帯電電圧ON)、現像装置4による現像電圧の印加開始(現像電圧ON)のタイミングチャートである。即ち、各部の立ち上げのタイミングチャートである。また、図14は、このような各部の立ち上げのタイミングを現像位置c(図2)で示したタイミングチャートである。なお、図14は、現像位置における状態を示しているため、図13の帯電電圧をドラム電位(帯電電位)に置き換えている。即ち、現像位置における感光ドラム1の帯電電位の状態を示している。
前回転モード1では、帯電ローラ2による帯電を開始した感光ドラム1上(像担持体上)の帯電開始位置が現像スリーブ41と対向する現像位置cに到達する前に現像電圧の印加を開始させる。また、帯電開始位置が現像位置cに到達するのと同時若しくは到達した後に現像スリーブ41の回転を開始させる。本実施形態では、図12及び図13(a)に示すように、まず、帯電電圧及び現像電圧の印加を開始し(S53)、その100msec後に現像スリーブ41の駆動を開始する(S54)。
ここで、感光ドラム1上の帯電位置aが現像位置cまで移動する時間が100msecとなるため、図13(a)のタイミングを現像位置で示した場合、図14(a)に示すようになる。即ち、現像位置では、現像電圧がONの状態になってから100msec後に、帯電電圧の印加を開始した帯電開始位置(帯電電圧ONとした位置)が現像位置に到達する(ドラム電位ONとなる)と共に、現像スリーブ41が駆動開始する。
このように前回転モード1では、現像スリーブ41の回転駆動開始のタイミングで現像位置における現像電圧がONになり、その後にドラム電位をONとしている。このため、現像電圧ONからドラム電位ONまでの100msecの間、現像スリーブ41上のトナーを感光ドラム1に移動させるように電界(即ち、かぶり側の電圧)がかかる。すると、図4(b)に示すように、現像スリーブ停止時の現像スリーブ41表面にトナー48が付着することなく、キャリア49に均一にトナー48が付着した状態を保つことができ、現像スリーブ41上にトナー付着が発生するのを抑制できる。
なお、本実施形態では、現像位置で、ドラム電位がONになるタイミングと現像スリーブ41の回転駆動開始のタイミングとが同時になる例を示した。但し、これらのタイミングは必ずしも同じである必要はなく、現像スリーブ41の回転駆動開始はドラム電位ONの後でも良い。即ち、帯電開始位置が現像位置に到達した後に現像スリーブ41の回転を開始させるようにしても良い。また、現像スリーブ41は、画像形成を開始して静電潜像が現像位置に到達するまでに現像スリーブ41の回転が安定するように回転を開始すれば良い。したがって、現像スリーブ41の回転開始タイミングは、ドラム電位ONの時点から回転の安定を考慮して静電潜像が現像位置に到達するまでの間であれば良い。
[前回転モード2]
次に、第2モードである前回転モード2(S55以降)について、図13(b)及び図14(b)を参照しつつ説明する。前回転モード2では、帯電ローラ2による帯電を開始した感光ドラム1上(像担持体上)の帯電開始位置が現像スリーブ41と対向する現像位置cに到達するのと略同時に現像電圧の印加を開始させる。また、帯電開始位置が現像位置cに到達するのと同時若しくは到達した後に現像スリーブ41の回転を開始させる。本実施形態では、図12及び図13(b)に示すように、まず、帯電電圧の印加を開始し(S55)、その100msec後に現像電圧の印加を開始し(S56)、更に100msec後に現像スリーブ41の回転を開始する(S57)。この図13(b)のタイミングを現像位置で示した場合、図14(b)に示すようになる。即ち、現像位置では、ドラム電位と現像電圧が略同時にONになり、その100msec後に現像スリーブ41の回転が開始される。
このように前回転モード2では、ドラム電位及び現像電圧がONとなってから現像スリーブ41の回転駆動が開始されるまでの間は、現像スリーブ41上のトナーがVbackにより現像スリーブ41側に移動するような電界がかかる。このため、トナーが消費されるのを抑制することができる。
なお、現像位置cにおいて、ドラム電位と現像電圧がONになるタイミングは、キャリア付着やかぶりを回避する目的から、まったく同時であることが好ましい。但し、制御信号のばらつきや高圧電源の高圧出力の特性のばらつき等を考慮すると、若干(例えば約50msec以下ほど)、現像電圧が早めにONになるよう制御タイミングを設定しておく方が好ましい。これにより、転写やクリーナー等へ影響が大きいキャリア付着を回避することができる。この場合、若干のかぶりが発生するが、僅かな時間程度であればその間に生じるかぶりの程度は軽微であるため、略同一であるとしてとらえて差し支えない。但し、前回転モード2では、帯電開始位置が現像位置に到達するタイミング若しくは帯電開始位置が現像位置に到達する前の前回転モード1よりも遅いタイミングで現像電圧の印加を開始させて、前回転モード1に比べトナー消費を抑制する。
また、上述の説明では、現像位置cにおいて、ドラム電圧ONの後に現像スリーブ41の回転駆動を開始しているが、現像スリーブ41の回転開始はドラム電圧ONと同時でも構わない。更に、現像スリーブ41の回転駆動開始のタイミングは、現像位置cにおいて、ドラム電位と現像電圧が略同時にONする前でも良い。これは、ドラム電位と現像電圧がOFFした状態では、現像スリーブ41と感光ドラム1との間に電界が作用していないため、現像スリーブ41を回転させてもかぶりが発生しないからである。但し、現像位置cにおいて、現像電圧をONするタイミングをドラム電位をONするタイミングに対して若干遅らせるように制御する場合には、現像電圧及びドラム電位をONした後に現像スリーブ41の駆動を開始することが好ましい。
また、上述の説明では、トナー帯電量に影響を与える情報として、第4の実施形態と同様に、現像スリーブ41の回転量と現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量との両方を使用している。但し、本実施形態のように前回転時の立ち上げ方法を切り替える構成でも、第1ないし第3の実施形態と同様の情報に応じて前回転時のモードを切り替えるようにしても良い。即ち、第1の実施形態のようなトナーの帯電量、第2の実施形態のような現像スリーブ41の回転量、第3の実施形態のような現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量のそれぞれに応じて、前回転時のモードを切り替えるようにしても良い。
本実施形態の場合、現像スリーブ41へのトナー付着が発生しにくい前回転モード1と、かぶりによる無駄なトナーの消費を抑制できる前回転モード2とを、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて切り替えている。このため、第1ないし第4の実施形態と同様に、現像スリーブ41へのトナー付着による帯状の画像が発生することの抑制と、無駄なトナーの消費の抑制との両立を図ることができる。その他の構成及び作用は、第1ないし第4の実施形態と同様である。
<第6の実施形態>
本発明の第6の実施形態について説明する。上述の各実施形態では、長期的に装置を使用した場合、即ち、現像装置内の現像剤の使用が開始されてから所定時間経過後(例えば、10万〜20万枚以上の画像形成を行った場合)について説明した。即ち、長期的に装置を使用した場合、キャリアの劣化によりトナーの帯電量が低下し易く、現像スリーブの回転量が多い場合や、環境の湿度が高い場合などに特にトナーの帯電量が低くなり、トナーのスリーブ付着が生じ易くなる。但し、このようなトナーのスリーブ付着は、現像装置内の現像剤の使用が開始された現像剤の初期状態(例えば、10万〜20万枚未満の画像形成を行った場合)でも生じ得る。このようなトナーのスリーブ付着について説明する。
上述のように2成分現像システムの現像剤はトナーとキャリアから構成されており、その摩擦帯電によりトナーとキャリアが帯電量を得る。ここで、環境の湿度等の条件により、トナーの帯電量が高くなり易い場合には、トナーは感光ドラムへ現像されにくくなり、所望の画像濃度を得られなくなるため、トナーの帯電量を抑制する制御を行う。このために本実施形態では、トナー濃度を増やすことにより、トナーのキャリアに対する接触率を下げ、トナーの帯電量を抑制するようにしている。具体的には、前述したように、濃度センサ45を用いて現像剤中のトナー濃度を検知する。そして、ターゲットのトナー濃度になるように補給スクリュー51の回転を制御することによって行う(図2参照)。
但し、現像剤中のトナー濃度が高くなりすぎるとキャリアに対するトナーの接触率が低くなりすぎてしまうため、現像剤中のトナーの中に帯電量にムラができ、帯電量の高いトナーと帯電量の低いトナーが生じてしまう。このうち帯電量の低いトナーはキャリアと引き付けあう静電気力が小さくなるため、キャリア表面から離れ、現像スリーブと感光ドラム間の電界によって移動しやすくなる。よって、トナーをスリーブ側に引きつける電界すなわちVbackがかかっている時には、帯電量の低いトナーはスリーブ表面へ付着する現象が発生し易い。
そこで、本実施形態では、現像装置内の現像剤の使用が開始された現像剤の初期状態においても、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて、第1モードと第2モードとを切り替えるようにしている。この第1モードは、第1ないし第4の実施形態の後回転モード1及び第5の実施形態の前回転モード1と、第2モードは、第1ないし第4の実施形態の後回転モード2及び第5の実施形態の前回転モード2と、それぞれ同じである。但し、初期状態においては、このモードの切り替えを行う基準が、第1ないし第5の実施形態のような長期的に装置を使用した場合と異なる。
即ち、初期状態の場合、上述のように、トナーの帯電量が高い場合にトナーが補給されてトナー濃度が高くなり、現像剤中のトナーの帯電量にムラができ、そのうちの帯電量の低いトナーによりスリーブ付着が生じる。したがって、初期状態では、トナー濃度を検知して、検知したトナー濃度が所定の濃度よりも高い場合に第1モードを、検知したトナー濃度が所定の濃度以下の場合には第2モードを実行する。この所定の濃度は、例えば10%とする。
また、現像スリーブの回転量を積算して記憶し、記憶した回転量が所定の回転量よりも小さい場合には、現像剤が初期状態であるとして第1モードを実行し、記憶した回転量が所定の回転量以上の場合には第2モードを実行するようにしても良い。更には、現像装置の周辺の湿度若しくは水分量を検知し、これが所定の値よりも低い場合にはトナーの帯電量が高くスリーブ付着が生じ易いとして第1モードを実行し、これが所定の値以上であれば第2モードを実行するようにしても良い。また、これらを適宜組み合わせて判断するようにしても良い。なお、初期状態における所定の回転量は、第2の実施形態の所定の回転量よりも小さく、例えば、A4横サイズの用紙で100000枚相当の画像形成を行った場合とする。また、初期状態における湿度若しくは水分量に対する所定の値は、第3の実施形態の所定の湿度若しくは水分量よりも小さく、例えば、相対湿度40%とする。
また、本実施形態においても、第1ないし第5の実施形態と同様に、装置の長期的な使用状態においても、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて、第1モードと第2モードとを切り替えるようにする。
このように本実施形態の場合、装置の長期的な使用状態に加えて、現像剤の初期状態においても、トナー帯電量に影響を与える情報に基づいて、第1モードと第2モードとを切り替えるようにしている。このため、何れの状態においても、現像スリーブ41へのトナー付着による帯状の画像が発生することの抑制と、無駄なトナーの消費の抑制との両立を図ることができる。
<他の実施形態>
上述の第1ないし第4の実施形態では後回転時の立ち下げ方法を、第5の実施形態では前回転時の立ち上げ方法を、それぞれトナー帯電量に影響を与える情報に基づいて切り替えた。これらの後回転時の動作と前回転時の動作とは、両方実施するようにしても良い。上述の第6の実施形態についても、同様に両方実施するようにしても良い。例えば、後回転では図11に示した制御を行い、前回転では図12に示した制御を使用する。これにより、よりリニアな状態でスリーブ付着の抑制及び吐き出しによるトナー消費の抑制を行うことができる。
なお、上述の第4、第5の実施形態では、現像スリーブ41の回転量と現像装置4の周辺の湿度若しくは水分量との両方に応じてモードの切り替えを行った。但し、第1の実施形態に記載のトナー濃度の条件によって、後回転の立ち下げおよび前回転の立ち上げ動作を選択することも可能である。更には、各実施形態を適宜組み合わせて実施しても良い。