JP6493980B2 - 電気集塵機の極室内補修装置 - Google Patents
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電気集塵機において、集塵極が接地され、放電極に負の高電圧が印加されると、放電極から旺盛なコロナ放電が発生し、電気集塵機内の空間は負イオンと電子によって満たされる。この状態で、電気集塵機内の空間をミストやダスト等の微粒子を含んだガスが通過すると、ガス中の微粒子は負に帯電し、静電凝集作用を伴いながら、クーロン力によって集塵極に向かって移動し、集塵極上に付着され、集塵される。
しかし、電機集塵機の極室内は、非常に狭く、例えば一般的な角筒型の場合、通常内径350mm×350mm程度の広さであり、また、電気集塵機の極室の筒の長手方向は長い(深い)ことから、人による補修作業は危険を伴う。
複数の極室により構成された集塵極と、前記極室の内部を略垂直方向に貫通するように配設された放電極と、を備える電気集塵機の前記極室の内部を補修する極室内補修装置であって、
前記極室の内部を略垂直方向に沿って移動可能に配置され、補修装置本体を、略水平に前記極室の内部の任意の場所に固定する本体固定具と、
を備えることを特徴とする。
ことを特徴とする極室内補修装置。
前記本体固定具が、
底面端部に、長手方向の長い棒状の部材であって長手方向の一端が回動自在に軸着された稼働脚を複数備え、
前記稼働脚が、
前記稼働脚が回動することにより、極室の内壁と前記稼働脚の端部とが圧接されるときに、前記稼働脚の長手方向の上面を基準とした前記極室の内壁までの角度が所定の角度以上の角度を保持し、
前記極室の内壁と前記稼働脚の端部とが圧接された状態において、前記本体固定具の自重により生じる前記極室の内壁に対する突っ張り力と、前記稼働脚の端部と前記極室の内壁との摩擦力と、を利用して、前記本体固定具を前記極室の内部に固定する、
ことを特徴とする極室内補修装置。
前記集塵極を構成する前記極室の開口部の形状がN角形(Nは3以上の整数値)の角筒である、
ことを特徴とする極室内補修装置。
図1は、本発明の一実施形態に係る極室内補修装置の補修対象となる湿式電気集塵機1の概略構成を示す断面図である。
具体的には、図1(A)及び図1(B)は、湿式電気集塵機1の外観の概略構成を示す断面図であり、相互に略垂直の別々の方向からみた断面図である。
上部ケーシング11と、集塵極22と、下部ケーシング13とが上方からその順番で組み合わされることによって、湿式電気集塵機1の筺体が構成される。湿式電気集塵機1の筺体は、架構14により、地上から所定距離だけ上方に離間して固定されている。湿式電気集塵機1の筺体の材質は、本実施形態では導電性のFRP(繊維強化プラスチック:Fiber Reinforced Plastics)が採用されている。
図3は、湿式電気集塵機1の筺体内部の概略構成を示す上面図である。
具体的には、以下、略水平方向のうち、一方向を「縦方向」と呼び、縦方向に直角な方向を「横方向」と呼ぶ。この場合、縦方向にN個の単位を繰り返し連続して配置させ、横方向にM個の単位を繰り返し連続して配置させること(以下、「N×M」と表現する)によって、集塵極22が構成される。
なお、図2及び図3において、集塵極22の極室の個数がN×M=3×3個とされているのは、単なる説明の便宜上のためである。換言すると、図2乃至図3においては、説明の便宜上、集塵極22を構成する9×9個の極室のうち、中央の3×3個の極室のみが図示されている。
なお、集塵極22の材質は、本実施形態では、導電性のFRPが採用されている。
電極ロッド24は、図2に示すように、集塵極22の所定の極室の中央内部を略垂直方向に貫通するように配設され、上端部が上部グリッド21に固定され、下端部が下部グリッド23に固定される。
ここで、「霧」とは、ミクロンオーダーの直径を有する水滴が、1cm3の空間中に数個乃至数100個程度含まれている状態をいう。本実施形態では、洗浄水が、直径が約200〜800ミクロンの水滴として、上向きスプレーノズル27から略垂直上向き方向に噴出される。
極室内補修装置41は、昇降装置51と、補修装置本体52と、制御装置53と、電源装置54と、を備える。
撮像装置71は、光学レンズ部(図示せず)と、イメージセンサ(図示せず)と、を備え、光学レンズ部から入射された被写体像をイメージセンサから撮像データとして出力して制御装置53に供給する。また、撮像装置71は、モニタ装置81を介して電源装置54からの電力の供給を受けている。
また、撮像装置71と、照明装置72と、は夫々単独で設置できるが、本実施形態のように、撮像装置71と、照明装置72と、を一つの筐体にまとめることもできる。
具体的には、例えば、スライダ、シリンダ等により位置決め機構を持つ、グラインダ、リューター等の電動工具と、ステッピングモータ等によりXY軸方向の停止位置を制御できる旋盤の工具台様の工具台と、によって構成することができる。
補修工具73及びノズル74は、操作制御装置84を介して電源装置54からの電力の供給を受けている。
モニタ装置81は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、撮像装置71から供給された撮像データにより表わされる撮像画像を、逐次表示する。
照明点灯スイッチ82は、電源装置54から供給される電力を照明装置72に供給するように、照明装置72に接続される。
操作装置84は、昇降装置51と、補修装置本体52自体の移動と、補修工具73及びノズル74の駆動と、を操作する。なお、本実施形態では、操作装置84は、昇降装置51を自動的に駆動するように操作するが、特にこれは必須ではない。即ち、補修作業者が手作業で、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させたり上昇させてもよい。
記録端子83は、モニタ装置81に接続され、モニタ装置81に表示対象となっている撮像データの内容を記録媒体に記録するためのインターフェースとして機能する。
補修作業者は、モニタ装置81に逐次表示される撮像画像を目視確認しながら、操作装置84を操作することにより、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させ、補修が必要な場所に到達したら、本体固定具104(後述の図5参照)により、補修装置本体52を極室内に固定する。なお、上述した様に、補修作業者が手作業で、昇降装置51で補修装置本体52を極室内に降下させてもよい。
その後、補修工具73及びノズル74を駆動させることにより、補修箇所に対する補修作業(研削、洗浄、樹脂塗布)を行う。
図5は、本発明の一実施形態に係る補修装置本体52の上面図である。
垂直移動台車101は、撮像装置71と、照明装置72と、補修工具73と、ノズル74と、を上面に固定させている。
なお、撮像装置71と、照明装置72とは、垂直移動台車101上に夫々単独で固定できるが、本実施形態のように、撮像装置71と、照明装置72とを一つの筐体にまとめた状態で固定することもできる。
平行移動台車102は、上面に垂直移動レール103を備える。垂直移動レール103は、垂直移動台車101が、平行移動台車102の上面を垂直移動できるように敷設されている。
本体固定具104は、上面に平行移動レール105と、底面端部に複数の稼働脚111と、を備える。本体固定具104の寸法は、特に図5の例に限定されず、集塵極22を構成する極室の寸法よりも小さい寸法に形成されていれば足りる。
なお、垂直移動台車101及び平行移動台車102の移動については、後述の図6を参照して詳細に説明する。
なお、稼働脚111の稼働については、後述の図9を参照して詳細に説明する。
さらに、平行移動台車102は、本体固定具104の上面に敷設された平行移動レール105の上に固定されている。
具体的には、補修工具73の位置を初期状態とした場合において、平行移動台車102を、平行レール105の上で、補修面に対し平行に移動させることにより、補修工具73を、補修工具73aと補修工具73bとの範囲内で、補修面に対し平行に移動させる。
図8は、本発明の一実施形態に係る補修装置本体52の側面図である。
また、稼働脚111は、昇降用ウインチ61を備える昇降装置51から、極室の内部へ下ろされた固定用チェーン115に接続されている。
具体的には、補修装置本体52が、補修が必要となる場所に到達したら、昇降用ウインチの動作を停止し、昇降用チェーン116が張った状態で固定用チェーン115を巻き取り、稼働脚111を回動させ、極室の内壁22aと稼働脚111の端部とを圧接させる。
なお、稼働脚111の稼働については、後述の図9を参照して詳細に説明する。
このとき、固定用チェーンは緩んだままの状態になるため、稼働脚111とストッパー113は、自重による回動によって極室の内壁22aを離れる。
これにより、本体固定具104は、極室の内部を移動するとき、弾性体117によって稼働脚111を内側に引き込むため、極室の内部をスムーズに移動することができる。なお、弾性体117としては、具体的には例えばバネ等を用いることができる。
即ち、ストッパー113の表面のうち、極室の内壁22aと向かい合う面は、稼働脚111と自らの回動により、極室の内壁22aに圧接される。
具体的には例えば、角筒型集塵極を構成する各極室の開口部の形状は、正方形である必要は特に無く、N角形(Nは3以上の整数値)であれば足りる。
ここで、開口部の形状がN角形の角筒を極室とする角筒型集塵極の場合、複数の極室に囲まれて形成される領域とは、複数の極室の交点、即ち、各極室のN個の角の各々を意味する。
Claims (3)
- 複数の極室により構成された集塵極と、前記極室の内部を略垂直方向に貫通するように配設された放電極と、を備える電気集塵機の前記極室の内部を補修する極室内補修装置であって、
前記極室の内部を略垂直方向に沿って移動可能に配置され、補修装置本体を、略水平に前記極室の内部の任意の場所に固定する本体固定具と、
を備える極室内補修装置。 - 前記本体固定具は、
底面端部に、長手方向の長い棒状の部材であって、長手方向の一端が回動自在に軸着された稼働脚を複数備え、
前記稼働脚は、
昇降装置から前記極室の内部に下ろされている固定用チェーンに接続されていて、該固定用チェーンの上昇によって、前記極室の内壁と前記稼働脚の端部とが圧接する方向に前記稼働脚が回動することにより、前記回動後の前記稼働脚の端部が前記極室の内壁に圧接された状態において、前記本体固定具の自重により生じる前記極室の内壁に対する突っ張り力と、前記稼働脚の端部と前記極室の内壁との摩擦力と、を利用して、前記本体固定具を前記極室の内部に固定する、
請求項1に記載の極室内補修装置。 - 前記集塵極を構成する前記極室の開口部の形状がN角形(Nは3以上の整数値)の角筒である
請求項1又は2に記載の極室内補修装置。
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