(第1の実施形態)
図1は、第1実施形態のエレベータの乗りかごと多光軸ドアセンサとを例示した図である。図1は、エレベータの乗りかご50を上面方向から見た図である。図1に示されるように、乗りかご50と、乗りかごを支持する上梁40とが設けられている。
発光ユニット群100及び受光ユニット群120は、乗りかご50に設けられた支持部材30A、30Bを介して取り付けられている。
発光ユニット群100は、複数の発光ユニットで構成されている。発光ユニットは、複数の発光素子を有している。
受光ユニット群120は、複数の受光ユニットで構成されている。受光ユニットは、複数の受光素子を有している。受光素子は、発光素子から出力された光を受光可能とする。
つまり、本実施形態においては、発光器及び受光器を単体として用いるのではなく、それぞれ複数のユニットで構成されているものとする。
発光ユニット群100、及び受光ユニット群120は、エレベータの乗りかご50のドアと、ホール側のドアとの間に存在する隙間に、発光ユニット群100が有する発光素子から出力された光の光軸150が通るように設けられている。これにより、ドアの移動経路上に、物体が存在するか否かを検知できる。
図2は、本実施形態の発光ユニット群100を例示した図である。図2に示されるように、発光ユニット群100は、少なくとも、複数の発光ユニット100_1、100_2、100_3を含んでいる。
ユニット間固定アダプタ200_1、200_2は、2個の発光ユニットを接続するための着脱機構を有している。具体的には、ユニット間固定アダプタ200_1、200_2は、発光ユニット100_1、100_2、100_3を接続する際に、接続端子210を発光ユニット100_1、100_2、100_3に差し込むことで、発光ユニット間で信号の送受信を可能としている。接続端子210で送受信される信号としては、例えば電源や、発光制御する発光ユニットを特定するためのセレクト信号が含まれている。
なお、図2に示される例は、発光ユニット群100の場合について説明したが、受光ユニット群120も同様とする。具体的には、受光ユニット群120は、複数の受光ユニットを接続するための着脱機構を有するユニット間固定アダプタを備え、ユニット間固定アダプタで複数の受光ユニットを接続することで、複数の受光ユニット間で信号の送受信が可能となる。
図3は、発光ユニット100_2の外観を例示した図である。図3に示される発光ユニット100_2は、後述する第1の中間発光ユニット100_2に相当し、ユニット間固定アダプタ200_1、200_2の接続端子210を挿入するための穴部301、302が設けられている。ユニット間固定アダプタ200_1、200_2が接続された場合に、接続端子210から出力される信号が、基板上の信号線を通って、制御部310_2(後述する第1の中間制御部310_2に相当する)に出力される。
また、発光ユニット100_2は、発光素子352_1、352_2、352_3、352_4、352_5、352_6、352_7、352_8を備えている。
そして、制御部310_2が、発光素子352_1〜352_8の点灯制御を行う。これにより、発光ユニット群100と受光ユニット群120との間の物体の検知が可能となる。
また、受光ユニットも、発光ユニットとほぼ同様の外観を有する。つまり、受光ユニットは、ユニット間固定アダプタ220_1、220_2の接続端子210を挿入するための穴部が設けられているとともに、受光素子を備えている。
図4は、発光ユニット群100及び受光ユニット群120の配置例を示した図である。図4に示される例では、発光ユニット群100として、5個の発光ユニット100_1、100_2、100_3、100_4、100_5を備えているものとする。そして、発光ユニット100_1〜100_5の間には、ユニット間固定アダプタ200_1、200_2、200_3、200_4が設けられている。
図4に示されるように、発光ユニット群100において、ユニット間固定アダプタが複数備えた場合に、3個以上の発光ユニットを接続可能となる。
図4に示される例では、受光ユニット群120として、5個の受光ユニット120_1、120_2、120_3、120_4、120_5を備えているものとする。そして、受光ユニット120_1〜120_5の間には、ユニット間固定アダプタ220_1、220_2、220_3、220_4が設けられている。
受光ユニット群120において、ユニット間固定アダプタが複数備えた場合に、3個以上の受光ユニットを接続可能となる。
そして、発光ユニット100_1〜100_5から出力された光を、受光ユニット120_1〜120_5が受光するか否かに応じて、発光ユニット100_1〜100_5と受光ユニット120_1〜120_5との間に存在する物体を検知できる。
図5は、本実施形態のドアの検知システムのブロック構成を例示した図である。図5に示されるように、ドアの検知システムは、エレベータ制御部500と、発光ユニット群100と、受光ユニット群120とで構成されている。
図5に示されるように、発光ユニット群100は、上端発光ユニット100_1と、第1の中間発光ユニット100_2と、第2の中間発光ユニット100_3と、第3の中間発光ユニット100_4と、下端発光ユニット100_5と、を備える。また、発光ユニット群100は、ユニット間固定アダプタ200_1〜200_4を介して、発光ユニット100_1〜100_5が接続されている。
同様に、受光ユニット群120は、上端受光ユニット120_1と、第1の中間受光ユニット120_2と、第2の中間受光ユニット120_3と、第3の中間受光ユニット120_4と、下端受光ユニット120_5と、を備える。また、受光ユニット群120は、ユニット間固定アダプタ220_1〜220_4を介して、受光ユニット120_1〜120_5が接続されている。
本実施形態のドアの検知システムは、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5との間に設置する中間発光ユニット、及び上端受光ユニット120_1と下端受光ユニット120_5との間に設置する中間受光ユニットの数に応じて、物体の検知範囲を調整できる。
つまり、図5に示す発光ユニット群100及び受光ユニット群120は一例として示したものである。例えば、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5との間に中間発光ユニット100_2を1個のみ設けると共に、上端受光ユニット120_1と下端受光ユニット120_5との間に中間受光ユニット120_2を1個のみ設けるようにしてもよい。
さらには、中間発光ユニットと中間受光ユニットとを設ける例に制限するものではない。例えば、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5とで発光ユニット群を構成すると共に、上端受光ユニット120_1と下端受光ユニット120_5とで受光ユニット群を構成しても良い。さらには、上端発光ユニット100_1単独と、上端受光ユニット120_1単独で、物体の検知を行っても良い。
上端発光ユニット100_1は、全体制御部310_1と、発光素子351と、を備えている。
全体制御部310_1は、発光素子351の発光を制御すると共に、発光ユニット群100として設けられた発光ユニットの数を認識し、当該発光ユニットの数に応じた発光制御を行う。具体的には、全体制御部310_1は、発光素子351の点灯制御を行った後、接続されている発光ユニットの制御部に対して、発光素子の制御を指示する。
このために、全体制御部310_1は、アンサーバック信号を要求するアンサーバック要求信号を、他の発光ユニット100_2〜100_5に送信する。なお、アンサーバック信号とは、ユニット間固定アダプタ200_1、200_2、200_3、200_4を介して接続されているか否かの回答を示した信号とする。
発光ユニットの数に応じた発光制御とは、例えば、発光ユニットの数に従って、発光制御を行う発光ユニットを特定するセレクト信号を送信することが考えられる。
つまり、全体制御部310_1は、他の複数の発光ユニット100_2〜100_5からのアンサーバック信号を受信した数に応じて、発光制御を切り替える。
発光素子351は、全体制御部310_1による制御に従って発光する素子とする。本実施形態においては、上端発光ユニット100_1に4個の発光素子351を設けるものとする。
第1の中間発光ユニット100_2は、第1の中間制御部310_2と、発光素子352と、を備えている。
第1の中間制御部310_2は、発光素子352の発光を制御する。また、第1の中間制御部310_2は、全体制御部310_1からアンサーバック要求信号を受信した場合に、接続されていることを示したアンサーバック信号を全体制御部310_1に送信する。
発光素子352は、第1の中間制御部310_2による制御に従って発光する素子とする。本実施形態においては、第1の中間発光ユニット100_2に8個の発光素子352を設けた例について説明するが、発光ユニットに設ける発光素子の数を制限するものではない。発光素子352から出力された光550は、発光素子352から離れるに従って広がっていくため、複数の受光素子362で受光可能となる。
第2の中間発光ユニット100_3は、第2の中間制御部310_3と、発光素子353と、を備えている。第2の中間発光ユニット100_3は、第1の中間発光ユニット100_2と同様の構成(第2の中間制御部310_3が第1の中間制御部310_2に相当し、発光素子353が発光素子352に相当する)として説明を省略する。
第3の中間発光ユニット100_4は、第3の中間制御部310_4と、発光素子354と、を備えている。第3の中間発光ユニット100_4は、第1の中間発光ユニット100_2と同様の構成(第3の中間制御部310_4が第1の中間制御部310_2に相当し、発光素子354が発光素子352に相当する)として説明を省略する。
下端発光ユニット100_5は、下端制御部310_5と、発光素子355と、を備えている。
下端制御部310_5は、発光素子355の発光を制御する。また、下端制御部310_5は、全体制御部310_1から下端発光ユニット100_5に対するアンサーバック要求信号を受信した場合に、アンサーバック信号を全体制御部310_1に出力する。
発光素子355は、下端制御部310_5による制御に従って発光する素子とする。
次に、受光ユニット群120について説明する。上端受光ユニット120_1は、全体制御部320_1と、受光素子361と、検知制御部371と、を備えている。
受光素子361は、発光素子から出力された光を受光可能な受光素子とする。本実施形態においては、上端受光ユニット120_1に4個の受光素子361を設けるものとする。
検知制御部371は、発光素子351からの光を受光素子361が受光したか否かに応じて、物体が存在するか否かの検知を行う。
全体制御部320_1は、受光素子361の制御を行うと共に、検知制御部371による検知結果を検知信号として、エレベータ制御部500に出力する。また、全体制御部320_1は、受光ユニット群120として設けられた受光ユニットの数を認識し、当該受光ユニットの数に応じた受光制御を行う。具体的には、全体制御部320_1は、検知制御部371の検知結果を確認した後、接続されている受光ユニットの制御部に対して、受光素子の制御を指示する。
このために、全体制御部320_1は、アンサーバック信号を要求するアンサーバック要求信号を、他の受光ユニット120_2〜120_5に送信する。なお、アンサーバック信号とは、ユニット間固定アダプタ220_1、220_2、220_3、220_4を介して接続されているか否かの回答を示した信号とする。
受光ユニットの数に応じた受光制御とは、例えば、受光ユニットの数に従って、受光制御を行う受光ユニットを特定するセレクト信号を送信することが考えられる。
つまり、全体制御部320_1は、他の複数の受光ユニット120_2〜120_5からのアンサーバック信号を受信した数に応じて、受光制御を切り替える。
第1の中間受光ユニット120_2は、第1の中間制御部320_2と、受光素子362と、検知制御部372と、を備えている。
受光素子362は、発光素子から出力された光を受光可能な受光素子とする。本実施形態においては、第1の中間受光ユニット120_2に8個の受光素子362を設けるものとする。
検知制御部372は、発光素子352からの光を受光素子362が受光したか否かに応じて、物体が存在するか否かの検知を行う。
第1の中間制御部320_2は、受光素子362の制御を行うと共に、検知制御部372による検知結果を検知信号として、全体制御部320_1を介して、エレベータ制御部500に出力する。
また、第1の中間制御部320_2は、全体制御部320_1からアンサーバック要求信号を受信した場合に、接続されていることを示したアンサーバック信号を全体制御部320_1に送信する。
第2の中間受光ユニット120_3は、第2の中間制御部320_3と、受光素子363と、検知制御部373と、を備えている。第2の中間受光ユニット120_3は、第1の中間受光ユニット120_2と同様の構成(第2の中間制御部320_3は、第1の中間制御部320_2に相当し、受光素子363が受光素子362に相当し、検知制御部373が検知制御部372に相当する)として説明を省略する。
第3の中間受光ユニット120_4は、第3の中間制御部320_4と、受光素子364と、検知制御部374と、を備えている。第3の中間受光ユニット120_4は、第1の中間受光ユニット120_2と同様の構成(第3の中間制御部320_4は、第1の中間制御部320_2に相当し、受光素子364が受光素子362に相当し、検知制御部374が検知制御部372に相当する)として説明を省略する。
下端受光ユニット120_5は、下端制御部320_5と、受光素子365と、検知制御部375と、を備えている。
受光素子365は、発光素子から出力された光を受光可能な受光素子とする。
検知制御部375は、発光素子355からの光を受光素子365が受光したか否かに応じて、物体が存在するか否かの検知を行う。
下端制御部320_5は、受光素子365の受光を制御する。また、下端制御部320_5は、全体制御部320_1から、下端受光ユニット120_5に対するアンサーバック要求信号を受信した場合に、アンサーバック信号を全体制御部320_1に出力する。
本実施形態のドアの検知システムは、上述した構成を備えることで、発光素子や受光素子が故障した場合に、ユニット単位で交換することができる。本実施形態のドアの検知システムにおいては、検知範囲に応じてユニットの数を調整できる。本実施形態においては、ユニットの数を調整可能とするため、全体制御部310_1、320_1が接続されているユニットの数の確認を行う。
次に、本実施形態の上端発光ユニット100_1の全体制御部310_1におけるユニットの確認処理について説明する。図6は、本実施形態の全体制御部310_1における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、全体制御部310_1は、第1の中間発光ユニット100_2の第1の中間制御部310_2に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S601)。
第1の中間制御部310_2が存在する場合、アンサーバック要求信号を受信した第1の中間制御部310_2から、アンサーバック信号が送信される。なお、第2の中間制御部310_3、第3の中間制御部310_4、下端制御部310_5も、同様にアンサーバック要求信号を受信した場合には、アンサーバック信号の送信を行うものとする。
そして、全体制御部310_1は、第1の中間制御部310_2から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S602)。
全体制御部310_1が、第1の中間制御部310_2から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S602:No)、下端制御部310_5に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S603)。
そして、全体制御部310_1は、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S604)。
全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S604:No)、上端発光ユニット100_1のみで発光を行う単独モードによる動作を開始し(S606)、処理を終了する。
一方、全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信した場合(S604:Yes)、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5とによる最小の組み合わせモードによる動作を開始し(S605)、処理を終了する。
S602において、全体制御部310_1が、第1の中間制御部310_2から、アンサーバック信号を受信した場合(S602:Yes)、第2の中間制御部310_3に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S607)。
そして、全体制御部310_1は、第2の中間制御部310_3から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S608)。
全体制御部310_1が、第2の中間制御部310_3から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S608:No)、第2の中間制御部310_3が設けられていないものと判断し、下端制御部310_5に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S609)。
そして、全体制御部310_1は、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S610)。
全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S610:No)、下端制御部310_5が設けられていないためエラーと判定し、エレベータ制御部500に対してエラーを出力し(S611)、処理を終了する。
一方、全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信した場合(S610:Yes)、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5の他に、中間発光ユニット1個による組み合わせモードによる動作を開始し(S612)、処理を終了する。
S608において、全体制御部310_1が、第2の中間制御部310_3から、アンサーバック信号を受信した場合(S608:Yes)、第3の中間制御部310_4に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S613)。
そして、全体制御部310_1は、第3の中間制御部310_4から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S614)。
全体制御部310_1が、第3の中間制御部310_4から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S614:No)、第3の中間制御部310_4が設けられていないものと判断し、下端制御部310_5に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S615)。
そして、全体制御部310_1は、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S616)。
全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S616:No)、下端制御部310_5が設けられていないためエラーと判定し、エレベータ制御部500に対してエラーを出力し(S617)、処理を終了する。
一方、全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信した場合(S616:Yes)、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5の他に、中間発光ユニット2個による組み合わせモードによる動作を開始し(S618)、処理を終了する。
S614において、全体制御部310_1が、第3の中間制御部310_4から、アンサーバック信号を受信した場合(S614:Yes)、下端制御部310_5に対して、アンサーバック要求信号を送信する(S619)。
本実施形態は、発光ユニットを5個まで接続可能な例のため、中間発光ユニットは最大3個まで接続可能とする。このため、中間発光ユニットが3個接続されている場合には、下端発光ユニット100_5が接続されているか否かの判定となる。なお、本実施形態は接続可能な発光ユニットの数を最大5個に制限するものではなく、5個以上であっても良い。
そして、全体制御部310_1は、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信したか否かを判定する(S620)。
全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信しなかった場合(S620:No)、下端制御部310_5が設けられていないためエラーと判定し、エレベータ制御部500に対してエラーを出力し(S617)、処理を終了する。
一方、全体制御部310_1が、下端制御部310_5から、アンサーバック信号を受信した場合(S620:Yes)、上端発光ユニット100_1と下端発光ユニット100_5の他に、中間発光ユニット3個による最大組み合わせモードによる動作を開始し(S621)、処理を終了する。
上述したフローチャートは、発光ユニット100_1〜100_5の場合について説明したが、受光ユニット120_1〜120_5についても同様の処理を行うものとして説明を省略する。
本実施形態のドアの検知システムにおいては、受光ユニット及び発光ユニットの数を調整することで、検知領域の広さに応じた検知を実現できる。さらに、上述した制御を行うことで、受光ユニット及び発光ユニットの数を設定することなく、検知範囲の広さに応じた検知を実現できるので、保守員による取り付け及び交換の負担を軽減できる。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態は、ユニット間固定アダプタの形状を制限するものではなく、他の形状のアダプタを用いても良い。そこで、第1の実施形態の変形例においては、ユニット間固定アダプタの変形例について説明する。
図7は、第1の実施形態の変形例のユニット間固定アダプタを例示した図である。図7に示される例では、発光ユニット群700は、発光ユニット100_1、100_2、100_5と、ユニット間固定アダプタ700_1、700_2と、で構成されている。受光ユニット群720は、受光ユニット120_1、120_2、120_5と、ユニット間固定アダプタ720_1、720_2と、で構成されている。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を割り当て、説明を省略する。
ユニット間固定アダプタ700_1は、発光ユニット100_1と接続するための接続端子を有する着脱機構と、発光ユニット100_2と接続するための接続端子を有する着脱機構との間を、信号を送受信するためのフラットケーブルで接続されている。ユニット間固定アダプタ700_2も同様に、発光ユニット100_2と接続するための接続端子を有する着脱機構と、発光ユニット100_5と接続するための接続端子を有する着脱機構と、の間を、信号を送受信するためのフラットケーブルで接続されている。これにより、発光ユニット間の間隔を広げることができる。
また、ユニット間固定アダプタ720_1、720_2も、一方の受光ユニットと接続するための接続端子を有する着脱機構と、他方の受光ユニットと接続するための接続端子を有する着脱機構と、の間を、信号を送受信するためのフラットケーブルで接続されている。
本変形例においては、ユニット間固定アダプタ700_1、700_2、720_1、720_2が上述した形状とすることで、第1の実施形態の場合と比べて少ない数の発光ユニット及び受光ユニットで広い範囲の検知を行うことができる。このように、本変形例のユニット間固定アダプタ700_1、700_2、720_1、720_2を適用することで、検知範囲の設定の自由度を向上させることができる。なお、本実施形態は、接続にフラットケーブルを用いる手法に制限するものではなく、他のケーブルを用いても良い。
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、発光ユニット100_1〜100_5、及び受光ユニット120_1〜120_5の交換を容易にする手法について説明した。第2の実施形態においては、発光ユニット及び受光ユニットにおいて交換対象を特定する手法について説明する。
図8は、本実施形態のドアの検知システムのブロック構成を例示した図である。図8に示されるように、ドアの検知システムは、エレベータ制御部500と、発光ユニット群800と、受光ユニット群820とで構成されている。なお、第1の実施形態と同様の構成については、同一符号を割り当て、説明を省略する。
図8に示されるように、発光ユニット群800は、上端発光ユニット800_1と、第1の中間発光ユニット800_2と、第2の中間発光ユニット800_3と、第3の中間発光ユニット800_4と、下端発光ユニット800_5と、を備える。
同様に、受光ユニット群820は、上端受光ユニット820_1と、第1の中間受光ユニット820_2と、第2の中間受光ユニット820_3と、第3の中間受光ユニット820_4と、下端受光ユニット820_5と、を備える。
上端発光ユニット800_1は、全体制御部810_1と、発光素子351と、異常検出部811_1と、LED812_1と、を備えている。
本実施形態において、LED812_1〜812_5、832_1〜832_5は、保守員が識別可能な可視光を出力可能とする。
異常検出部811_1は、4個の発光素子351について異常の検出を行う。異常の検出手法は、どのような手法を用いても良いが、例えば、発光素子351を流れる電流値に基づいて、異常が生じたか否かを判定しても良い。
全体制御部810_1は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部811_1の検出結果に応じて、LED812_1の点灯制御を行う。具体的には、全体制御部810_1は、異常が生じていない場合には、LED812_1を点灯させず、異常が生じた場合には、LED812_1の点灯制御を行う。
これにより、保守員は、エレベータの戸開時に、ドアの隙間をのぞき込み、LED812_1が点灯しているか否かによって、上端発光ユニット800_1に異常が生じているか否かを確認できる。
さらに、全体制御部810_1は、異常度合いに応じて、LED812_1の発光する色を変更する。例えば、軽微な異常の場合には、LED812_1を黄色で点灯させ、重度の異常の場合には、LED812_1を赤色で点灯させる。重度の異常と判定する条件としては、例えば所定の数以上発光素子に異常が生じている、又は隣接する発光素子に異常が生じている等が考えられる。
さらに、全体制御部810_1は、重度の異常と判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。これにより、エレベータ制御部500は、生じた異常に対応するエレベータの制御を行う。
第1の中間発光ユニット800_2は、第1の中間制御部810_2と、発光素子352と、異常検出部811_2と、LED812_2と、を備えている。
異常検出部811_2は、8個の発光素子352について異常の検出を行う。
第1の中間制御部810_2は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部811_2の検出結果に応じて、LED812_2の点灯制御を行う。LED812_2の点灯制御は、上述したLED812_1と同様の点灯制御が行われるものとする。また、第1の中間制御部810_2は、発光素子352で重度の異常が生じたと判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。
第2の中間発光ユニット800_3は、第2の中間制御部810_3と、発光素子353と、異常検出部811_3と、LED812_3と、を備えている。第2の中間発光ユニット800_3は、第1の中間発光ユニット800_2と同様の構成(第2の中間制御部810_3が第1の中間制御部810_2に相当し、異常検出部811_3が異常検出部811_2に相当する)として説明を省略する。
第3の中間発光ユニット800_4は、第3の中間制御部810_4と、発光素子354と、異常検出部811_4と、LED812_4と、を備えている。第3の中間発光ユニット800_4は、第1の中間発光ユニット800_2と同様の構成(第3の中間制御部810_4が第1の中間制御部810_2に相当し、異常検出部811_4が異常検出部811_2に相当する)として説明を省略する。
下端発光ユニット800_5は、下端制御部810_5と、発光素子355と、異常検出部811_5と、LED812_5と、を備えている。
異常検出部811_5は、8個の発光素子355について異常の検出を行う。
下端制御部810_5は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部811_5の検出結果に応じて、LED812_5の点灯制御を行う。LED812_5の点灯制御は、上述したLED812_1と同様の点灯制御が行われるものとする。また、下端制御部810_5は、発光素子355で重度の異常が生じたと判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。
次に、受光ユニット群820について説明する。上端受光ユニット820_1は、全体制御部830_1と、受光素子361と、検知制御部371と、異常検出部831_1と、LED832_1と、を備えている。
異常検出部831_1は、4個の受光素子361について異常の検出を行う。異常の検出手法は、どのような手法を用いても良いが、例えば、受光素子361が受光したか否かに基づいて、異常が生じたか否かを判定しても良い。
全体制御部830_1は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部831_1の検出結果に応じて、LED832_1の点灯制御を行う。具体的には、全体制御部830_1は、受光素子361に異常が生じていない場合には、LED832_1を点灯させず、異常が生じた場合には、LED832_1の点灯制御を行う。これにより、保守員は、エレベータの戸開時に、上端受光ユニット820_1に異常が生じているか否かを確認できる。
全体制御部830_1によるLED832_1の点灯制御は、上述したLED812_1と同様の点灯制御が行われるものとする。また、全体制御部830_1は、受光素子361で重度の異常が生じたと判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。
第1の中間受光ユニット820_2は、第1の中間制御部830_2と、受光素子362と、検知制御部372と、異常検出部831_2と、LED832_2と、を備えている。
異常検出部831_2は、8個の受光素子362について異常の検出を行う。
第1の中間制御部830_2は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部831_2の検出結果に応じて、LED832_2の点灯制御を行う。LED832_2の点灯制御は、上述したLED812_1と同様の点灯制御が行われるものとする。また、第1の中間制御部830_2は、受光素子362で重度の異常が生じたと判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。
第2の中間受光ユニット820_3は、第2の中間制御部830_3と、受光素子363と、検知制御部373と、異常検出部831_3と、LED832_3と、を備えている。第2の中間受光ユニット820_3は、第1の中間受光ユニット820_2と同様の構成(第2の中間制御部830_3が第1の中間制御部830_2に相当し、異常検出部831_3が異常検出部831_2に相当する)として説明を省略する。
第3の中間受光ユニット820_4は、第3の中間制御部830_4と、受光素子364と、検知制御部374と、異常検出部831_4と、LED832_4と、を備えている。第3の中間受光ユニット820_4は、第1の中間受光ユニット820_2と同様の構成(第3の中間制御部830_4が第1の中間制御部830_2に相当し、異常検出部831_4が異常検出部831_2に相当する)として説明を省略する。
下端受光ユニット820_5は、下端制御部830_5と、受光素子365と、検知制御部375と、異常検出部831_5と、LED832_5と、を備えている。
異常検出部831_5は、8個の受光素子365について異常の検出を行う。
下端制御部830_5は、第1の実施形態と同様の処理を行うほかに、異常検出部831_5の検出結果に応じて、LED832_5の点灯制御を行う。LED832_5の点灯制御は、上述したLED812_1と同様の点灯制御が行われるものとする。また、下端制御部830_5は、受光素子365で重度の異常が生じたと判定した場合、エレベータ制御部500に異常が生じた旨を通知する。
次に、本実施形態の上端発光ユニット800_1の全体制御部810_1における発光素子351の異常検出処理について説明する。図9は、本実施形態の全体制御部810_1における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、全体制御部810_1は、異常検出部811_1によって自ユニット(上端発光ユニット800_1)内の発光素子351で異常を検出したか否かを判定する(S901)。
全体制御部810_1は、異常を検出していないと判定した場合(S901:No)、通常制御を開始する(S904)。
一方、全体制御部810_1は、異常を検出したと判定した場合(S901:Yes)、異常が生じた発光素子351は1個か否かを判定する(S902)。
全体制御部810_1は、異常が生じた発光素子351は1個と判定した場合(S902:Yes)、LED812_1を黄色による点灯制御を行い(S903)、通常制御を開始する(S904)。
一方、全体制御部810_1は、異常が生じた発光素子351は1個ではないと判定した場合(S902:No)、異常が生じた発光素子351が5個以上か否かを判定する(S905)。
全体制御部810_1は、異常が生じた発光素子351が5個以上ではない(5個より少ない)と判定した場合(S905:No)、異常が生じた発光素子351は隣り合っているか否かを判定する(S906)。
全体制御部810_1は、異常が生じた発光素子351は隣り合っていないと判定した場合(S906:No)、LED812_1を黄色による点灯制御を行い(S903)、通常制御を開始する(S904)。
そして、S905において、異常が生じた発光素子351が5個以上であると判定した場合(S905:Yes)、及びS906において、異常が生じた発光素子351は隣り合っていると判定した場合(S906:Yes)、全体制御部810_1は、LED812_1を赤色による点灯制御を行い(S907)、エレベータ制御部500に異常が生じている旨を通知する(S908)。
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、保守員が、LED812_1を視認することで、上端発光ユニット800_1を交換すべきか否かを判断できる。なお、図9に示す例では、上端発光ユニット800_1について説明したが、中間発光ユニット800_2〜800_4、下端発光ユニット800_5についても同様の処理を行うものとして説明を省略する。
次に、本実施形態の上端受光ユニット820_1の全体制御部830_1における受光素子361の異常検出処理について説明する。図10は、本実施形態の全体制御部830_1における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、全体制御部830_1は、異常検出部831_1によって自ユニット(上端受光ユニット820_1)内の受光素子361で異常を検出したか否かを判定する(S1001)。
全体制御部830_1は、異常を検出したと判定した場合(S1001:Yes)、異常が生じた受光素子361は1個か否かを判定する(S1002)。
全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361は1個ではないと判定した場合(S1002:No)、異常が生じた受光素子361が5個以上か否かを判定する(S1003)。
全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361が5個以上であると判定した場合(S1003:Yes)、LED832_1を赤色による点灯制御を行い(S1015)、エレベータ制御部500に異常が生じている旨を通知する(S1016)。
一方、全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361が5個以上ではないと判定した場合(S1003:No)、異常が生じた受光素子361は隣り合っているか否かを判定する(S1004)。
全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361は隣り合っていると判定した場合(S1004:Yes)、全体制御部830_1は、LED832_1を赤色による点灯制御を行い(S1015)、エレベータ制御部500に異常が生じている旨を通知する(S1016)。
一方、全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361は隣り合っていないと判定した場合(S1004:No)、LED832_1を黄色による点灯制御を行い(S1005)、通常制御を開始する(S1006)。
また、S1002において、全体制御部830_1は、異常が生じた受光素子361は1個と判定した場合(S1002:Yes)、LED832_1を黄色による点灯制御を行い(S1005)、通常制御を開始する(S1006)。
また、S1001において、全体制御部830_1は、異常を検出していないと判定した場合(S1001:No)、通常制御を開始する(S1006)。
S1006において通常制御が開始された後、全体制御部830_1は、自ユニット(上端受光ユニット820_1)内の受光素子361全てが受光しているか否かを判定する(S1007)。全てが受光していると判定した場合(S1007:Yes)、S1006の通常制御を継続する。
一方、全体制御部830_1は、自ユニット(上端受光ユニット820_1)内の受光素子361のいずれか一つ以上が受光していないと判定した場合(S1007:No)、エレベータ制御部500に、物が存在することを示す検知信号を出力する(S1008)。
その後、全体制御部830_1は、遮光されていた(S1007で受光していないと判定された)受光素子361が受光したか否かを判定する(S1009)。
全体制御部830_1は、遮光されていた受光素子361が受光したと判定した場合(S1009:Yes)、検知信号の出力を停止し(S1014)、S1007から再び処理を行う。
一方、全体制御部830_1は、遮光されていた受光素子361が受光していないと判定した場合(S1009:No)、遮光状態が45秒以上継続しているか否かを判定する(S1010)。本実施形態は、遮光状態の判断の基準値の例として45秒を用いた例とするが、45秒に制限するものではない。
全体制御部830_1は、遮光状態が45秒以上継続していないと判定した場合(S1010:No)、S1009から再び処理を行う。
一方、全体制御部830_1は、遮光状態が45秒以上継続していると判定した場合(S1010:Yes)、隣り合う受光素子361が遮光状態か否かを判定する(S1011)。
全体制御部830_1は、隣り合う受光素子が遮光状態ではないと判定した場合(S1011:No)、LED832_1を黄色による点灯制御を行い(S1012)、遮光状態が継続している受光素子361のマスク制御、換言すれば、遮光状態が継続している受光素子361を用いた検知を行わないよう制御する(S1013)。その後、全体制御部830_1は、検知信号の出力を停止し(S1014)、S1007から再び処理を行う。
一方、全体制御部830_1は、隣り合う受光素子が遮光状態であると判定した場合(S1011:Yes)、全体制御部830_1は、LED832_1を赤色による点灯制御を行い(S1015)、エレベータ制御部500に異常が生じている旨を通知する(S1016)。
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、保守員が、LED832_1を視認することで、上端受光ユニット820_1を交換すべきか否かを判断できる。なお、図10に示す例では、上端受光ユニット820_1について説明したが、中間受光ユニット820_2〜820_4、下端受光ユニット820_5についても同様の処理を行うものとして説明を省略する。
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、異常が生じている発光素子を含む発光ユニット、又は受光素子を含む受光ユニットを特定できるので、交換作業の負担を軽減できる。
(第3の実施形態)
従来の多光軸ドアセンサにおいては、発光素子又は受光素子が複数使用不能となった場合、使用不能となった複数の発光素子又は受光素子が隣り合わない限り、設定された個数まで使用不能となった発光素子又は受光素子を制御対象から取り除くことで、多光軸ドアセンサを継続利用している。この場合、使用不能となった素子で行われていた検知範囲において検知ができなくなっていた。
これに対して、第3の実施形態においては、発光素子に異常が生じた場合に、発光ユニットを交換するまでの間、異常が生じた発光素子近傍の発光素子を用いて、異常が生じた発光素子が検知していた領域の検知を行う例とする。
図11は、第3の実施形態の発光ユニット及び受光ユニットにおける検知領域の切り替え制御を例示した図である。
図11の(A)に示されるように、第3の実施形態においては、発光ユニット1100に12個の発光素子1101_1〜1101_12が設けられ、受光ユニット1120に12個の受光素子1121_1〜1121_12が設けられている。なお、発光素子1101_1〜1101_12、及び受光素子1121_1〜1121_12以外の構成は、第2の実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態においては、発光ユニット1100の制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)が、発光素子1101_1〜1101_12を、順番に点灯制御を行う。そして、受光ユニット1120の制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)は、受光素子1121_1〜1121_12が受光したタイミングで、どの発光素子からの光を受光したか特定できる。これにより、検知領域毎に物体が存在するか否かを検知できる。
図11の(B)に示されるように、発光ユニット1100のうち、発光素子1101_7に異常が生じたものとする。このような場合に、発光素子1101_7を用いて検知を行っていた検知領域1150の検知が行えなくなる。
そこで、本実施形態の発光ユニット1100に設けられた制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、受光ユニット1120に設けられた制御部(例えば全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、が以下に示す制御を行うことで、検知領域1150の検知を行う。
具体的には、図11の(C)に示されるように、発光素子1101_6に異常が生じた場合に、発光ユニット1100に設けられた制御部が、発光素子1101_7の代わりに、発光素子1101_6、1101_8を発光させる。
そして、発光素子1101_7に異常が生じた際には、受光ユニット1120に設けられた制御部が、発光素子1101_6が発光されたタイミングで、受光素子1121_10、1121_12が受光したか否かの判定を行うと共に、発光素子1101_8が発光されたタイミングで、受光素子1121_2、1121_4が受光したか否かの判定を行う。
つまり、発光素子1101_6が発光した光を、受光素子1121_10、1121_12が受光するか否かを判定すると共に、発光素子1101_8が発光した光を、受光素子1121_2、1121_4が受光するか否かによって、検知領域1150に物が存在するか否かの検知を実現できる。
このように、発光ユニット1100に設けられた制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、受光ユニット1120に設けられた制御部(例えば全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)は、異常検出部811_1〜811_5により発光素子(例えば発光素子1101_7)の異常を検出された場合に、異常が検出された発光素子が検知を行っていた検知領域(例えば、検知領域1150)を通る光で検知する、発光素子及び受光素子の組み合わせ(例えば、発光素子1101_6、1101_8、及び受光素子1121_2、1121_4、1121_10、1121_12の組み合わせ)を用いて検知を行うよう制御する。
本実施形態で示される他の発光素子を用いた異常検出処理を行うタイミングは、例えば、図9のS903のLEDを黄色による点灯制御を行った後が考えられるが、どのタイミングで開始しても良い。
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、発光素子に異常が生じた場合でも、通常と同等の検知性能を維持することができる。
本実施形態においては、12個の発光素子1101_1〜1101_12、及び12個の受光素子1121_1〜1121_12を用いた例について説明したが、発光ユニットに設けられる発光素子の数、及び受光ユニットに設けられる受光素子の数を制限するものではない。
(第4の実施形態)
従来の多光軸ドアセンサにおいては、発光素子又は受光素子が複数使用不能となった場合、使用不能となった複数の発光素子又は受光素子が隣り合わない限り、設定された個数まで使用不能となった発光素子又は受光素子を制御対象から取り除くことで、多光軸ドアセンサを継続利用している。この場合、使用不能となった素子で行われていた検知範囲において検知ができなくなっていた。
第3の実施形態においては、発光素子に異常が生じた場合について説明した。しかしながら、発光素子の異常が生じた場合に制限するものではなく、受光素子に異常が生じた場合にも、第3の実施形態と同様の制御を行っても良い。
そこで、第4の実施形態においては、受光素子に異常が生じた場合に、受光ユニットを交換するまでの間、異常が生じた受光素子近傍の受光素子を用いて、異常が生じた受光素子が検知していた領域の検知を行う例とする。
図12は、第4の実施形態の発光ユニット及び受光ユニットにおける検知領域の切り替え制御を例示した図である。
図12の(A)に示されるように、第4の実施形態においては、発光ユニット1200に12個の発光素子1201_1〜1201_12が設けられ、受光ユニット1220に12個の受光素子1221_1〜1221_12が設けられている。なお、発光素子1201_1〜1201_12、及び受光素子1221_1〜1221_12以外の構成は、第3の実施形態と同様として説明を省略する。
本実施形態においては、発光ユニット1200の制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)が、発光素子1201_1〜1201_12を、順番に点灯制御を行う。そして、受光ユニット1220の制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)は、受光素子1221_1〜1221_12が受光したタイミングで、どの発光素子からの光を受光したか特定できる。これにより、検知領域毎に物体が存在するか否かを検知できる。
図12の(B)に示されるように、受光ユニット1220のうち、受光素子1221_7に異常が生じたものとする。このような場合に、受光素子1221_7を用いて検知を行っていた検知領域1250の検知が行えなくなる。
そこで、本実施形態の発光ユニット1200に設けられた制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、受光ユニット1220に設けられた制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、が以下に示す制御を行うことで、検知領域1250の検知を行う。
図12の(C)に示されるように、受光素子1221_7に異常が生じた際に、受光ユニット1220に設けられた制御部が、受光素子1221_7の代わりに、受光素子1221_6、1221_8を用いた受光制御を行う。
具体的には、受光ユニット1220に設けられた制御部が、発光素子1201_2が発光されたタイミングで、受光素子1221_8が受光したか否か、及び発光素子1201_4が発光されたタイミングで、受光素子1221_8が受光したか否かを判定する。
さらに、受光ユニット1220に設けられた制御部が、発光素子1201_10が発光されたタイミングで、受光素子1221_6が受光したか否か、及び発光素子1201_12が発光されたタイミングで、受光素子1221_6が受光したか否かを判定する。
つまり、発光素子1201_2、1201_4が発光した光を、受光素子1221_8が受光するか否かを判定すると共に、発光素子1201_10、1201_12が発光した光を、受光素子1221_6が受光するか否かによって、検知領域1250に物が存在するか否かの検知を実現できる。
このように、発光ユニット1200に設けられた制御部(例えば、全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)と、受光ユニット1220に設けられた制御部(例えば全体制御部、中間制御部、及び下端制御部)は、異常検出部831_1〜831_5により受光素子(例えば受光素子1221_7)の異常を検出された場合に、異常が検出された受光素子が検知を行っていた検知領域(例えば、検知領域1250)を通る光で検知する、発光素子及び受光素子の組み合わせ(例えば、発光素子1201_2、1201_4、1201_10、1201_12、及び受光素子1221_6、1221_8の組み合わせ)を用いて検知を行うよう制御する。
本実施形態で示される他の受光素子を用いた異常検出処理を行うタイミングは、例えば、図10のS1005、S1012のLEDを黄色による点灯制御を行った後が考えられるが、どのタイミングで開始しても良い。
本実施形態においては、上述した制御を行うことで、受光素子に異常が生じた場合でも、通常と同等の検知性能を維持することができる。
本実施形態においては、12個の発光素子1201_1〜1201_12、及び12個の受光素子1221_1〜1221_12を用いた例について説明したが、発光ユニットに設けられる発光素子の数、及び受光ユニットに設けられる受光素子の数を制限するものではない。
上述した実施形態においては、複数の受光ユニット及び複数の発光ユニットの各々を交換可能としたことで、従来の受光器及び発光器と比べて交換負担を軽減できる。
上述した実施形態においては、接続されている受光ユニットの数及び発光ユニットの数を検知し、検知した数に応じて発光制御及び受光制御を行うことで、接続された数を設定する必要が無いため、作業負担を軽減できる。これにより、ドアシステムの安全性を保つことができる。上述した実施形態においては、エレベータのドアシステムに適用した例について説明したが、エレベータのドアシステムに適用することに制限するものではなく、様々なシステムに適用できる。例えば、エスカレータの入口に検知システムとして設けても良い。
上述した実施形態においては、アンサーバック信号の送受信で接続されている受光ユニット及び発光ユニットを確認できるので、保守員が設定作業をすることなく、接続されている受光ユニット及び発光ユニットに応じた制御が可能なため、作業負担を軽減できる。また、複数の受光ユニット及び複数の発光ユニットを用いた検査を容易に実現できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。