JP6491011B2 - 医用画像処理装置および医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置および医用画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医用画像を補正する医用画像処理装置および医用画像処理方法に関する。
脳磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)において、T1W、T2Wなどの脳の3次元のVolume dataに対して、SPM(Statistical Parametric Mapping)などの統計解析ツールを用いたVoxel−Based Morphometry (VBM)と称する分野がある。VBMでは、位置合わせ後に個人脳の標準脳への解剖学的標準化が行われるが、一般に強いスムージングを施し微細な変化を消すようにしている。すなわち、VBMでは、対象画像を意図的にぼかすことで、標準脳への解剖学的標準化(位置合わせ)が実行される。
このVBMという分野では、時間経過に伴う形態の微細な変化を追跡する必要がある認知症や精神神経疾患に応用されてきている。例として、アルツハイマー(Alzheimer:AD)など痴呆症の診断などでは、皮質の厚さをサブmmのオーダーで、また海馬などの脳容積を数%のオーダーで、MRIを用いて、経時的な微小な変化を、1〜数ヶ月単位で数年間〜生涯に亘って随時追跡する必要がある。
また、VBMと類似の解析手法は、構造データのみならず、拡散画像、機能的(functional)MRI(fMRI)、脳血流(Arterial Spin Labeling:ASL)などの機能データでも広く応用されてきている。モダリティ別ではMRI装置に限定されず単光子放出コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography:SPECT)装置、陽電子放出コンピュータ断層撮影(Positiron Emission Computed Tomography:PET)装置、X線CT(X線コンピュータ断層撮影)装置などでの応用も多い。
胸部X線画像では、ある期間毎に撮像した画像を用いて、計時差分をおこなって、以前との変化分を把握しやすくする方法が実用化されている。この場合、骨などの情報を用いて、平面内での2次元的な撮像位置に加え、透過画像特有の奥行き方向の患者撮像体位の補正などが行われている。また、X線CT、SPECT、PET、MRIなどの断面像を取得可能な撮像装置においても、以前の断面に切りなおすre−slicing程度のことは行われている。
しかしながら、撮像時刻が異なる複数の医用画像において、装置の違いや撮像および画像処理に関するフィルターやマトリクスサイズの違いがあると、患者由来の経時変化因子による正しい経時的変化の追跡が難しい問題がある。また、同一装置条件(撮像条件)であっても、撮像体位の変化を補正する場合、画像の補間を行う必要がある。たとえフィルターが等価であったとしても、例えば、補間回数の相違により、ボケなどの効果が現れてしまうことがあり、現在それらの影響は考慮されていない問題がある。
特許第4022587号公報 特許第5532730号公報 特開2014−042684号公報 特開2010−046103号公報
目的は、対象物の解剖学的変化を精度よく追跡可能にするために、医用画像を補正可能な医用画像処理装置と医用画像処理方法とを提供することにある。
本実施形態に係る医用画像処理装置は、第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、を具備し、前記領域設定部は、前記第1画像の画素値に基づいて、前記第1領域を設定し、前記第2画像の画素値に基づいて、前記第2領域を設定することを特徴とする。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示す構成図である。 図2は、第1の実施形態に係り、第1補間画像および第2補間画像において、第1領域または第2領域の設定の一例を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係り、第1領域または第2領域において、位置(例えば、空気部分)に対する画素値の変化(ノイズプロファイル)の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係り、ノイズプロファイルの逆フーリエ変換を用いて発生された第1領域周波数分布に対応するパワースペクトル、第2領域周波数分布に対応するパワースペクトル、およびこれらのパワースペクトルをそれぞれ平滑化した第1平滑スペクトル、第2平滑スペクトルの一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係り、第1平滑スペクトルを第2平滑スペクトルに変換する変換関数の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係り、変換関数を用いて補正された第1周波数分布に対応するパワースペクトルの一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係り、周波数分布補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示す構成図である。 図9は、第2の実施形態に係り、第1補間画像および第2補間画像において、第1領域または第2領域の設定の一例を示す図である。 図10は、第2の実施形態に係り、図9における線分ee’上の画素値の変化(実信号プロファイル)の一例を示す図である。 図11は、第2の実施形態に係り、図9における線分dd’または図10における抽出部分(ff’)上の画素値の変化(経時不変プロファイル)の一例を示す図である。 図12は、第2の実施形態に係り、経時不変プロファイルの逆フーリエ変換の絶対値の正規化により発生された第1正規化周波数分布と第2正規化周波数分布との一例を示す図である。 図13は、第2の実施形態に係り、第1正規化周波数分布を第2正規化周波数分布に変換する変換関数の一例を示す図である。 図14は、第2の実施形態に係り、変換関数を用いて補正された第1周波数分布の絶対値の一例を示す図である。 図15は、第2の実施形態に係り、周波数分布補正処理の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本実施形態に係る医用画像処理装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能および構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合に行う。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置1の構成を示すブロック図である。医用画像処理装置1は、補間処理部11と、領域設定部13と、周波数分布発生部15と、補正部17と、画像発生部19と、表示部21と、インターフェース部23と、入力部25と、記憶部27と、制御部29とを有する。図1におけるAは、本医用画像処理装置1におけるインターフェース部23を介して、外部の各種モダリティ、医用画像保管装置などと接続するネットワークを表している。
入力部25を介した操作者の指示により、第1画像と第2画像とが選択されると、補間処理部11は、第1画像と第2画像とに対して(補間関数を用いた)補間処理を実行する。補間処理とは、例えば、第1画像と第2画像とにおいて、ボクセル(またはピクセル)サイズの統一、空間位置補正、位置合わせなどである。第1画像は、第2画像に対して、比較対象となる医用画像(最新または現在の医用画像)である。第2画像は、第1画像に対して基準(Base)となる医用画像である。具体的には、第2画像は、通常は現在(第1画像)と比較され、第1画像よりも過去に取得された医用画像、または過去に収集されたボリュームデータを基準断面に対して再スライス(re−slice)された医用画像(例えば、MPR(Multi−Planar Reconstruction)画像)である。
第1画像および第2画像は、被検体に関する同一の解剖学的領域を有する医用画像である。以下、第1画像および第2画像は、脳画像として説明する。なお、第1画像および第2画像は、脳画像に限定されず、任意の解剖学的領域を有する画像であってもよい。第1画像と第2画像とは、例えば、癌に対応する領域を有する医用画像、骨粗鬆症に関する医用画像、癌の進行の評価(浸潤度)として用いられる医用画像、フォローアップ検査に関する医用画像などである。また、第1画像および第2画像は、同一モダリティにより発生された医用画像である。
具体的には、第2画像の選択の後に、補間処理部11は、例えば、第2画像に基づいて、基準(Base)となる画像条件を決定する。画像条件とは、例えば、マトリクスサイズ(matrix size)、撮像視野(Field of view:FOV)に基づくボクセル(voxel)サイズ、患者の撮像体位などである。なお、基準となる画像条件は、第1画像の付帯情報に基づいて決定されてもよい。また、基準となる画像条件は、第2画像の付帯情報と第1画像の付帯情報とに基づいて決定されてもよい。
例えば、第1画像および第2画像における空間位置の相違に対する補間処理は、第1画像および第2画像が2次元画像なら面内での位置の補正、第1画像および第2画像が3次元画像ならスライス断面の補正に相当する。また、ボクセルサイズおよび空間位置の相違に対する処理は「補間」であるため、第1画像および第2画像に対して同様な処理(同様な補間関数を用いた補間処理)を実行することが望ましい。
なお、基準画像(第2画像)に対して対象画像(第1画像)を位置合わせする場合の補間処理は、極力高精度の周波数劣化の小さな手法で行うことが重要であると同時にその補間処理時のパワースペクトルの劣化を加味して変換フィルター特性を決める必要がある。
領域設定部13は、補間処理後の第1画像(以下、第1補間画像と呼ぶ)の一部分に対応する第1領域を設定する。領域設定部13は、補間処理後の第2画像(以下、第2補間画像と呼ぶ)に対応する第2領域を設定する。第1領域は、第1補間画像において、空間的に均一な領域である。第2領域は、第2補間画像において、空間的に均一である。
すなわち、第1部域および第2領域は、例えば、ノイズ部分に関する領域であって、無信号部分(空気領域)および構造がない(非構造であって)空間的に均一な部分に関する領域である。第1領域および第2領域は、例えば、脳画像において、空気に対応する領域および脳室に対応する領域などである。以下、第1領域および第2領域は、非構造であって空間的に均一な部分(無信号部分、ノイズ部分)に関する領域、すなわち空気領域とする。なお、第1領域および第2領域が経時的に変化の小さい領域(経時的に不変な領域)である場合については、第2の実施形態で詳述する。
図2は、第1補間画像および第2補間画像において、第1領域または第2領域の設定の一例を示す図である。図2におけるaは、補間画像における空気の領域を示している。図2におけるbは、補間画像における骨の領域を示している。図2におけるcは、補間画像における頭皮の領域を示している。図2におけるGMは、補間画像における灰白質(Gray Matter)の領域を示している。図2におけるWMは、補間画像における白質(White Matter)の領域を示している。図2におけるCSFは、補間画像における脳脊髄液(CerebroSpinal Fluid:CSF)を有する領域を示している。図2において、左右対称であって画像中心部分のCSFは、脳室に対応する。図2におけるNは、例えば、第1領域および第2領域が設定される領域に対応する。
領域設定部13は、第1補間画像の画素値に基づいて第1領域を設定し、第2補間画像の画素値に基づいて前記第2領域を設定する。領域設定部13は、例えば、第1補間画像における複数の画素値に対する閾値により、第1領域を第1補間画像に設定する。領域設定部13は、第2補間画像における複数の画素値に対する閾値により、第2領域を第2補間画像に設定する。上記閾値とは、例えば、空気を抽出可能な画素値である。この\閾値は、記憶部27に記憶される。
以下、説明を簡単にするために、第1領域と第2領域との形状は、矩形であるものとする。なお、第1領域と第2領域との形状は、矩形に限定されず、円形、楕円形等の任意の形状であってもよい。また、第1領域および第2領域は、空気の領域またはCSFの領域であってもよい。なお、第1領域または第2領域を空気の領域に設定できない場合、領域設定部13は、例えば、CSFの領域に第1領域と第2領域とを設定してもよい。
第1領域の大きさと第2領域の大きさとは、同一の大きさが好ましい。なお、第1領域の大きさと第2領域の大きさとは、異なっていてもよい。第1領域および第2領域の形状および大きさは、予め設定されているものとする。なお、第1領域および第2領域の形状および大きさは、入力部25を介した操作者の指示により、適宜変更可能である。なお、第1領域と第2領域とは、入力部25を介した操作者の指示により、設定されてもよい。第1領域の大きさと第2領域の大きさとは、例えば、数百の画素を有する。
なお、第1補間画像および第2補間画像が振幅画像である場合、信号対雑音比(Signal−Noise Ratio:SNR)は十分大きい(SNR>5)ため、非空気領域(信号部)の複数の信号値は、ガウシアン(Gaussian)分布を有する。一方、空気領域(無信号部)における複数の信号値(noise)は、例えば、負値がない(非負の)ライシアン(Rician)分布となる。このため、第1領域(および第2領域)の設定後の処理において、信号部と無信号部とを別々に扱うか、第1補間画像(第2補間画像)から第1補間画像(第2補間画像)のDC(Direct Curent:直流)成分(平均画素値)を差分した差分画像において(DC成分除去後)、絶対値化(magnitude化)することにより、第1領域(および第2領域)における無信号部分をライシアンノイズに変換する必要がある。
以下、第1補間画像に設定された第1領域に含まれる複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値を、Iorig(x)とする。また、第2補間画像に設定された第2領域に含まれる複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値を、Ibase(x)とする。説明を簡単にするために、第1領域に含まれる複数の画素の位置と、第2領域に含まれる複数の画素の位置とは同じであるものとする。このとき、第1補間画像と第2補間画像とは、補間処理部11により、予め位置合わせされる。また、第1領域と第2領域とのうち一方が設定されると、他方が自動的に設定されてもよい。Iorig(x)とIbase(x)とにおける引数xは、第1領域および第2領域に含まれる画素の位置を示す。また、引数xが含まれる範囲は同一となる。なお、一般的に、第1領域と第2領域とが異なる位置および異なる大きさで設定された場合、引数はそれぞれ異なる文字(例えば、Iorig(x)とIbase(y)など)により規定され、引数の範囲も異なる。
図3は、第1領域(または第2領域)において、位置(例えば、空気部分)に対する画素値の変化(ノイズプロファイル)の一例を示す図である。図3の縦軸は、画素値を示している。図3の縦軸におけるaveは、第1領域(または第2領域)の平均画素値(DC成分)に相当する。
第1領域および第2領域が2次元の場合、図3に対応するノイズプロファイルは、3次元的なグラフ(x軸及びy軸は画素の位置、z軸はノイズの大きさ)となる。また、第1画像および第2画像がボリュームデータである場合、図3に対応するノイズプロファイルは、4次元的なグラフ(x軸、y軸、z軸は画素の位置、w軸はノイズの大きさ)となる。
周波数分布発生部15は、第1領域に含まれる複数の画素値に基づいて、第1領域の周波数分布の大きさの平方を示す第1パワースペクトルを発生し、第2領域における複数の画素値に基づいて、第2領域の周波数分布の大きさの平方を示す第2パワースペクトルを発生する。具体的には、周波数分布発生部15は、第1領域および第2領域各々に含まれる複数の画素値に対して、逆フーリエ変換を実行する。次いで、周波数分布発生部15は、逆フーリエ変換の結果に対して、絶対値および平方をそれぞれ適用することにより、第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとを発生する。
第1パワースペクトルをPorig(f)、第2パワースペクトルをPbase(f)と表記すると、周波数分布発生部15において実行される計算は、例えば、以下のように表すことができる。ここで、fは、周波数であり第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとにおける引数である。
orig(f)=|IFT[Iorig(x)]|
base(f)=|IFT[Ibase(x)]| ・・・(1)
上式におけるIFTは、逆フーリエ変換を示している。
すなわち、周波数分布発生部15は、第1領域および第2領域各々における複数の画素値(画像データ)に対して、第1(補間)画像の次元に応じた2次元または3次元の逆フーリエ変換を実行する。逆フーリエ変換に対する絶対値演算及び平方演算により、第1領域及び第2領域にそれぞれ対応する第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとを発生する。
一般に、画像化時のゲインに依存して、第1画像と第2画像とにおける画素値のスケーリング(scaling)は異なる。このため、周波数分布発生部15は、第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとを、基準となるパワースペクトルの最大値(通常はDC(f=0)成分)で正規化(normalize)する。説明を簡単にするために、基準となるパワースペクトルは、第2パワースペクトルの最大値Pbase(0)であるものとする。なお、基準となるパワースペクトルが第1パワースペクトルである場合、および所定の周波数分布に対応するパワースペクトルである場合については、後ほど変形例で説明する。
具体的には、周波数分布発生部15は、第1パワースペクトルPorig(f)を第2パワースペクトルの最大値Pbase(0)で除することにより、第1パワースペクトルを正規化する。また、周波数分布発生部15は、第2パワースペクトルPbase(f)を第2パワースペクトルの最大値Pbase(0)で除することにより、第2パワースペクトルを正規化する。
すなわち、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)は、Porig(f)/Pbase(0)として計算される。正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)は、Pbase(f)/Pbase(0)として計算される。周波数分布発生部15は、正規化(normalize)係数αを計算する。正規化係数αは、例えば、以下に示す式のように、計算される。
α=Pbase(0)/Porig(0)・・・(2)
なお、第1領域および第2領域が脳室などのノイズ以外の信号成分を有する場合、第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとにおいて、DC成分が発生する。このため、第1領域と第2領域とが同一部分(同位置)であれば、正規化係数αは、上式(2)と同一の式で計算される。また、第1領域および第2領域において、f=0における信号成分の有無にかかわらず正規化係数αを上式(2)で計算する場合、Pbase(0)とPorig(0)とは、f>0におけるPbase(f)とPorig(f)とからそれぞれ外挿により生成する。
周波数分布発生部15は、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)と正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)とに対して、強いスムージング(平滑化)を実行する。このスムージングにより、周波数分布発生部15は、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)を平滑化した第1平滑スペクトルPn_estorig(f)と、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)を平滑化した第2平滑スペクトルPn_estbase(f)とを発生する。なお、周波数分布発生部15は、スムージングの代わりに、所定の関数の多項式、ガウシアン(Gaussian)関数、またはライシアン(Rician)関数などを用いた曲線近似により、第1平滑スペクトルと第2平滑スペクトルとを発生してもよい。
また、周波数分布発生部15は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)と、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)との発生において、カットオフ周波数を設けてもよい。第1画像(第1補間画像)および第2画像(第2補間画像)がデジタル画像である場合、一般に高周波成分は、有限なサンプリング(sampling)周波数の制約などから、折り返し歪(エイリアジングによる歪み)を含みやすい。このため、周波数分布発生部15は、ナイキスト(Nyquist)周波数fn以下にカットオフ周波数fcを設定し(fn≧fc)、過剰な高周波(f>fn≧fc)をカットする。
周波数分布発生部15は、通常、第1画像と第2画像とのうちサンプリング周波数の低い側にカットオフ周波数を合わせる。サンプリング周波数が低いのは過去画像であるbase画像(第2画像)である場合が多いため、周波数分布発生部15は、第2画像のサンプリング周波数fn以下に、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)におけるカットオフ周波数を決定する。
図4は、例えば、第1領域および第2領域にそれぞれ対応する図3に示すノイズプロファイルの逆フーリエ変換を用いて発生され、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)、および第1、第2パワースペクトルをそれぞれ平滑化した第1平滑スペクトルPn_estorig(f)、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)の一例を示す図である。図4に示すように、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)は、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)を平滑化したパワースペクトルである。第2平滑スペクトルPn_estbase(f)は、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)を平滑化したパワースペクトルである。図4におけるfcは、カットオフ(cut off)周波数を示している。
周波数分布発生部15は、第1画像に対応する第1周波数分布Sorig(f)を発生する。具体的には、周波数分布発生部15は、第1補間画像または第1画像の画素値Iorig(x)に対して逆フーリエ変換することにより、第1周波数分布Sorig(f)を発生する。すなわち、上記記載によれば、周波数分布発生部15は、例えば以下に示す式で、第1周波数分布Sorig(f)を計算する。
orig(f)=IFT[Iorig(x)]
周波数分布発生部15は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)と、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)と、第1周波数分布Sorig(f)とを、補正部17に出力する。なお、周波数分布発生部15は、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)と、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)と、第1周波数分布Sorig(f)とを、補正部17に出力してもよい。このとき、周波数分布発生部15において、関数近似は実行されない。
補正部17は、近似関数であるPn_estorig(f)とPn_estbase(f)との比により、第1領域におけるノイズレベル(例えば、ノイズの標準偏差)を第2領域におけるノイズレベルに合わせるための関数PNR(f)を決定する。具体的には、補正部17は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)を、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)に変換する(合わせるまたは一致させる)変換関数PNR(f)を決定する。
すなわち、補正部17は、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)を第1平滑スペクトルPn_estorig(f)で除することで、変換関数PNR(f)を決定する。変換関数PNR(f)は、例えば、ノイズのパワーの比(Power Noise Ratio)に相当する。以下に示す式により、変換関数PNR(f)は決定される。なお、変換関数PNR(f)の高周波側は、カットオフ周波数fc以下に滑らかに低減される。
PNR(f)=Pn_estbase(f)/Pn_estorig(f)・・・(3)
上式(3)において、ゼロによる除算が生じないように工夫する必要がある。例えば、周波数分布発生部15および図4では、カットオフ周波数fcがナイキスト周波数fnより大きいため、Pn_estorig(f)は、非ゼロとなる。
なお、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)と、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)とに対して関数近似が実行されない場合、補正部17は、例えば、以下のようにして、変換関数PNR(f)を決定することができる。補正部17は、L1、L2ノルム最適化などの最適化問題を解くためのアルゴリズム(最適化アルゴリズムなど)を適用した繰り返し演算(逐次近似などの演算)により、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)と、正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)とを比較しながら、変換関数PNR(f)を決定する。
図5は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)を、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)に変換する変換関数の一例を示す図である。図5に示すfcは、カットオフ周波数である。図4に対応するPNR(f)では、図5におけるPNR(f)の最大値未満とPNR(f)がαより大きい値との間において、PNR(f)=1の直線が存在する。
補正部17は、変換関数PNR(f)を用いて、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、補正した第1周波数分布Scor(f)を画像発生部19に出力する。具体的には、補正部17は、第1周波数分布Sorig(f)に変換関数PNR(f)を乗ずることにより、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、例えば、以下に示す式に従って第1周波数分布Sorig(f)を補正する。
cor(f)=Sorig(f)×PNR(f)・・・(4)
図6は、変換関数を用いて補正された第1周波数分布のパワースペクトルPnorig_cor(f)の一例を示す図である。なお、図6におけるPnorig_cor(f)は、第2パワースペクトルの最大値Pbase(0)で正規化されている。このため、図6に示すように、グラフの縦軸とPnorig_cor(f)との交点は、1となる。
画像発生部19は、補正された第1周波数分布Scor(f)に対してフーリエ変換FTを適用することで、第1画像(第1補間画像)を補正した画像Icor(x)(以下、補正第1画像と呼ぶ)を発生する。具体的には、画像発生部19は、以下に示す式に従って、補正第1画像を発生する。
cor(x)=FT[Scor(f)]・・・(5)
上式(1)乃至(5)は説明を簡単にするため、1次元の式として示したが、補正対象の第1画像(または第2画像)は、2次元画像または3次元画像である。このため、上式(1)乃至(5)は画像の次元に対応する式となる。例えば、補正対象の次元が2次元である場合、本補正は、x、y方向ごとに実行される。また、補正対象の次元が3次元である場合、本補正は、x、y、z方向ごとに実行されるため、高次元の方がより高精度な補正として実行される。
画像発生部19は、発生した補正第1画像を、表示部21に出力する。画像発生部19は、補正第1画像を記憶部27に出力してもよい。なお、画像発生部19は、補正第1画像と第2画像とに基づいて、第2画像に対する補正第1画像の経時的変化を示す画像(以下、経時的変化画像と呼ぶ)を発生してもよい。画像発生部19は、経時的変化画像を、表示部21および記憶部27に出力する。
表示部21は、画像発生部19により発生された各種医用画像、記憶部27に記憶された医用画像を表示する。表示部21は、入力操作に係る各種入力画面を表示する。
インターフェース部23は、ネットワークA、図示していない外部記憶装置などに関するインターフェースである。インターフェース部23は、図示していない医用画像撮影装置および医用画像保管装置に対して電子的通信回線、典型的にはローカルエリアネットワーク(Local Area Network:以下LANと呼ぶ)などを介して接続される。医用画像撮影装置で発生されたボリュームデータおよび画像データ、または医用画像保管装置で保管されたボリュームデータおよび画像データは、インターフェース部23を介して、記憶部27に記憶される。また、本医用画像処理装置1で補正された医用画像のデータ、ボリュームデータなどは、ネットワークを介して図示していない医用画像保管装置などの他の装置に転送可能である。
入力部25は、操作者などからの各種指示・命令・情報・選択・設定などを制御部29に入力する。具体的には、入力部25は、上記各種指示・命令・情報・選択・設定などを入力するためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、マウス・ホイール、キーボード等の入力デバイスを有する。なお、入力デバイスは、表示部21における表示画面を覆うタッチパネルでもよい。入力部25は、入力デバイスを介して、補正対象の第1画像と、第1画像より過去に同種のモダリティにより収集され第2画像との選択操作を入力する。なお、入力部25は、第1領域および第2領域の位置、形状および大きさを入力することも可能である。
記憶部27は、インターフェース部23を介して転送された第1画像および第2画像、周波数分布発生部15により発生された各種周波数分布、パワースペクトル、補正部17により決定された変換関数、画像発生部19により発生された各種医用画像などを記憶する。なお、記憶部27は、領域設定部13で用いられる第1領域および第2領域の形状および大きさを記憶してもよい。記憶部27は、制御部29により用いられる各種制御プログラムを記憶する。また、記憶部27は、後述する周波数分布補正処理に関する補正プログラム、例えば、補間処理、第1、第2領域の設定、周波数分布および各種パワースペクトルの発生、パワースペクトルの正規化および平滑化、変換関数の決定、周波数分布の補正、補正画像の発生等に関する少なくとも一つ以上のプログラムを記憶する。
制御部29は、図示していない中央処理装置(Central Processing Unit:以下、CPUと呼ぶ)、メモリ等を有する。制御部29は、本医用画像処理装置1の中枢として機能する。具体的には、制御部29は、入力部25を介して入力された入力操作に応じて、記憶部27から各種プログラムなどを読み出して自身のメモリ上に展開する。制御部29は、展開したプログラムを実行することにより、本医用画像処理装置1の各部を制御する。また、例えば、制御部29は、記憶部27から補正プログラムを読み出して実行することにより、補間処理部11、領域設定部13、周波数分布発生部15、補正部17、画像発生部19などの各部を制御する。
なお、本医用画像処理装置1は、各種モダリティ、例えば、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置、X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置、単光子放出コンピュータ断層撮影(Single Photon Emission Computed Tomography:SPECT)装置、陽電子放出コンピュータ断層撮影(Positiron Emission Computed Tomography:PET)装置、X線診断装置などのコンソール(操作卓等)に搭載されてもよい。また、本医用画像処理装置1は、ワークステーションとして実現することも可能である。また、医用画像処理装置1は、例えば、シンクライアント(Thin Client)およびクラウドシステムにおけるサーバとして実現されてもよい。
(周波数分布補正機能)
周波数分布補正機能とは、補正対象の医用画像(第1画像)のノイズレベルと、基準となる医用画像(第2画像)のノイズレベルとを一致させるように、補正対象の医用画像の周波数分布を補正する機能である。以下、周波数分布補正機能に関する処理(以下、周波数分布補正処理と呼ぶ)について説明する。
図7は、周波数分布補正処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
入力部25を介した操作者の指示により、選択された第1画像と第2画像とが、記憶部27から読み出される。なお、選択された第1画像および第2画像は、インターフェース部23とネットワークとを介して、図示していない医用画像保管装置、各種モダリティ等から読み出されてもよい。
読み出された第1画像における複数の画素値に基づいて、空間的に均一な第1領域が設定される(ステップSa1)。読み出された第2画像における複数の画素値に基づいて、空間的に均一な第2領域が設定される(ステップSa2)。
第1領域における複数の画素値に基づいて、第1領域周波数分布に対応する第1パワースペクトルが発生される(ステップSa3)。第2領域における複数の画素値に基づいて、第2領域周波数分布に対応する第2パワースペクトルが発生される(ステップSa3)。第2パワースペクトルの最大値を用いて、第1、第2パワースペクトル各々が正規化される(ステップSa4)。
正規化された第1パワースペクトルを平滑化することにより、第1平滑スペクトルが発生される(ステップSa5)。正規化された第2パワースペクトルを平滑化することにより、第2平滑スペクトルが発生される(ステップSa5)。第1平滑スペクトルを第2平滑スペクトルに変換する変換関数が決定される(ステップSa6)。
第1画像(第1補間画像)の全域における複数の画素値に基づいて、第1周波数分布が発生される(ステップSa7)。変換関数を用いて、第1周波数分布が補正される(ステップSa8)。補正された第1周波数分布に基づいて、第1画像を補正した補正第1画像が発生される(ステップSa9)。
(第1の変形例)
第1の実施形態との相違は、基準として第1パワースペクトルを用いることにある。
周波数分布発生部15は、第1パワースペクトルPorig(f)を第1パワースペクトルの最大値Porig(0)で除することにより、第1パワースペクトルを正規化する。また、周波数分布発生部15は、第2パワースペクトルPbase(f)を第1パワースペクトルの最大値Porig(0)で除することにより、第2パワースペクトルを正規化する。
すなわち、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)は、Porig(f)/Porig(0)として計算される。正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)は、Pbase(f)/Porig(0)として計算される。周波数分布発生部15は、正規化(normalize)係数αを計算する。正規化係数αは、例えば、以下に示す式のように、計算される。
α=Porig(0)/Pbase(0)
周波数分布発生部15は、第2画像に対応する第2周波数分布Sbase(f)を発生する。具体的には、周波数分布発生部15は、第2補間画像または第2画像の画素値Ibase(x)に対して逆フーリエ変換することにより、第2周波数分布Sbase(f)を発生する。すなわち、上記記載によれば、周波数分布発生部15は、例えば以下に示す式で、第2周波数分布Sbase(f)を計算する。
base(f)=IFT[Ibase(x)]
補正部17は、近似関数であるPn_estorig(f)とPn_estbase(f)との比により、第2領域におけるノイズレベルを第1領域におけるノイズレベルに合わせるための関数PNR(f)を決定する。具体的には、補正部17は、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)を第1平滑スペクトルPn_estorig(f)に変換する(合わせるまたは一致させる)変換関数PNR(f)を決定する。
すなわち、補正部17は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)を第2平滑スペクトルPn_estbase(f)で除することで、変換関数PNR(f)を決定する。変換関数PNR(f)は、例えば、ノイズのパワーの比(Power Noise Ratio)に相当する。以下に示す式により、変換関数PNR(f)は決定される。
PNR(f)=Pn_estorig(f)/Pn_estbase(f)
上式において、ゼロによる除算が生じないように、例えば、周波数分布発生部15において、カットオフ周波数fcを決定してもよい。なお、変換関数は、第1画像および第2画像の発生時における補間の周波数分布、補間回数、補間アルゴリズム、補間サイズ、適応されたフィルターの種類及び形状等の各種情報が既知であれば、補間の周波数分布、補間回数、適応されたフィルター等を用いて変換関数を決定してもよい。
補正部17は、変換関数PNR(f)を用いて、第2周波数分布Sbase(f)を補正する。補正部17は、補正した第2周波数分布Scor2(f)を画像発生部19に出力する。具体的には、補正部17は、第2周波数分布Sbase(f)に変換関数PNR(f)を乗ずることにより、第2周波数分布Sbase(f)を補正する。補正部17は、例えば、以下に示す式に従って第2周波数分布Sbase(f)を補正する。
cor2(f)=Sbase(f)×PNR(f)
画像発生部19は、補正された第2周波数分布Scor2(f)に対してフーリエ変換FTを適用することで、第2画像(第2補間画像)を補正した画像Icor2(x)(以下、補正第2画像と呼ぶ)を発生する。具体的には、画像発生部19は、以下に示す式に従って、補正第2画像を発生する。
cor2(x)=FT[Scor2(f)]
画像発生部19は、発生した補正第2画像を、表示部21に出力する。画像発生部19は、補正第2画像を記憶部27に出力してもよい。なお、画像発生部19は、補正第2画像と第1画像とに基づいて、第1画像に対する補正第2画像の経時的変化を示す画像を発生してもよい。
(第2の変形例)
第1の実施形態および第1の変形例との相違は、基準として所定の周波数分布に対応するパワースペクトルを用いることにある。
記憶部27は、所定の周波数分布に対応するパワースペクトル(以下、所定のパワースペクトルと呼ぶ)Ppredet(f)を記憶する。所定の周波数分布とは、例えば、ホワイトノイズに対応する周波数分布、または固定パターンノイズに対応する周波数分布などである。また、記憶部27は、正規化された所定のパワースペクトル(以下、正規化パワースペクトルPnpredet(f)を記憶する。記憶された所定のパワースペクトルPpredet(f)は、周波数分布発生部15により、記憶部27から周波数分布発生部15に読み出される。記憶された正規化パワースペクトルPnpredet(f)は、補正部17により、記憶部27から補正部17に読み出される。
周波数分布発生部15は、第1周波数分布Sorig(f)と、第2周波数分布Sbase(f)を発生する。周波数分布発生部15は、第1パワースペクトルPorig(f)を所定のパワースペクトルの最大値Ppredet(0)で除することにより、第1パワースペクトルを正規化する。周波数分布発生部15は、第2パワースペクトルPbase(f)を所定のパワースペクトルの最大値Ppredet(0)で除することにより、第2パワースペクトルを正規化する。正規化された第1パワースペクトルと、正規化された第2パワースペクトルとは、補正部17に出力される。
具体的には、すなわち、正規化された第1パワースペクトルPnorig(f)は、Porig(f)/Ppredet(0)として計算される。正規化された第2パワースペクトルPnbase(f)は、Pbase(f)/Ppredet(0)として計算される。周波数分布発生部15は、第1パワースペクトルに対応する正規化(normalize)係数α1を計算する。周波数分布発生部15は、第2パワースペクトルに対応する正規化(normalize)係数α2を計算する。正規化係数α1は、例えば、以下に示す式のように、計算される。
α1=Ppredet(0)/Porig(0)
また、正規化係数α2は、例えば、以下に示す式のように、計算される。
α2=Ppredet(0)/Pbase(0)
補正部17は、正規化された第1パワースペクトルPn_estorig(f)と正規化パワースペクトルPnpredet(f)との比により、第1領域におけるノイズレベルを、所定の周波数分布に関するノイズレベル(以下、所定のノイズレベルと呼ぶ)に合わせるための第1変換関数PNR1(f)を決定する。補正部17は、正規化された第2パワースペクトルPn_estbase(f)と正規化パワースペクトルPnpredet(f)との比により、第2領域におけるノイズレベルを、所定のノイズレベルに合わせるための第2変換関数PNR2(f)を決定する。
具体的には、補正部17は、第1平滑スペクトルPn_estorig(f)を正規化パワースペクトルPnpredet(f)に変換する(合わせるまたは一致させる)第1変換関数PNR(f)を決定する。すなわち、補正部17は、正規化パワースペクトルPnpredet(f)を第1平滑スペクトルPn_estorig(f)で除することで、第1変換関数PNR1(f)を決定する。補正部17は、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)を正規化パワースペクトルPnpredet(f)に変換する(合わせるまたは一致させる)第2変換関数PNR(f)を決定する。すなわち、補正部17は、正規化パワースペクトルPnpredet(f)を第2平滑スペクトルPn_estbase(f)で除することで、第2変換関数PNR(f)を決定する。
第1変換関数PNR1(f)および第2変換関数PNR2(f)は、例えば、ノイズのパワーの比(Power Noise Ratio)に相当する。以下に示す2式により、第1変換関数PNR1(f)と第2変換関数PNR2(f)とは、それぞれ決定される。
PNR1(f)=Pnpredet(f)/Pn_estorig(f)
PNR2(f)=Pnpredet(f)/Pn_estbase(f)
補正部17は、第1変換関数PNR1(f)を用いて、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、第2変換関数PNR2(f)を用いて、第2周波数分布Sbase(f)を補正する。補正部17は、補正した第1周波数分布Scor1(f)と、補正した第2周波数分布Scor2(f)とを画像発生部19に出力する。
具体的には、補正部17は、第1周波数分布Sorig(f)に第1変換関数PNR1(f)を乗ずることにより、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、例えば、以下に示す式に従って第1周波数分布Sorig(f)を補正する。
cor1(f)=Sorig(f)×PNR1(f)
また、補正部17は、第2周波数分布Sbase(f)に第2変換関数PNR2(f)を乗ずることにより、第2周波数分布Sbase(f)を補正する。補正部17は、例えば、以下に示す式に従って第2周波数分布Sbase(f)を補正する。
cor2(f)=Sbase(f)×PNR2(f)
画像発生部19は、補正された第1周波数分布Scor1(f)に対してフーリエ変換FTを適用することで、第1画像(第1補間画像)を補正した補正第1画像Icor1(x)を発生する。具体的には、画像発生部19は、以下に示す式に従って、補正第1画像を発生する。
cor1(x)=FT[Scor1(f)]
画像発生部19は、補正された第2周波数分布Scor2(f)に対してフーリエ変換FTを適用することで、第2画像(第2補間画像)を補正した補正第2画像Icor2(x)を発生する。具体的には、画像発生部19は、以下に示す式に従って、補正第2画像を発生する。
cor2(x)=FT[Scor2(f)]
画像発生部19は、補正第1画像と補正第2画像とを、表示部21に出力する。画像発生部19は、補正第1画像と補正第2画像とを記憶部27に出力してもよい。なお、画像発生部19は、補正第1画像と補正第2画像とに基づいて、補正第2画像に対する補正第1画像の経時的変化を示す画像を発生してもよい。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る医用画像処理装置1によれば、非構造的であって空間的に均一な領域である第1領域と第2領域とを、第1画像と第2画像とにそれぞれ設定し、設定された第1領域における第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとに基づいて第2画像のノイズレベルに第1画像のノイズレベルを合わせた補正第1画像を発生することができる。特に、本実施形態に係る周波数分布補正処理は、画像再構成手法やフィルターが線形アルゴリズムの場合に有効である。
また、本実施形態に係る第1の変形例によれば、第1パワースペクトルと第2パワースペクトルとに基づいて第1画像のノイズレベルに第2画像のノイズレベルを合わせた補正第2画像を発生することができる。
また、本実施形態に係る第2の変形例によれば、第1パワースペクトルと第2パワースペクトルと所定の周波数分布に関するパワースペクトルに基づいて、所定のノイズレベルに第1画像のノイズレベルと第2画像のノイズレベルとをそれぞれ合わせた補正第1画像と補正第2画像とを発生することができる。
すなわち、本医用画像処理装置1によれば、第1画像および第2画像の収集装置(モダリティ)、および収集条件のパラメータなどの装置由来の画像の変化の影響を除外した補正画像を、画像以外の情報がなくても発生することができる。これにより、意図的に医用画像をぼかすことなく、被検体の経時的な解剖学的・機能的変化、すなわち、本質的な経時変化を表示することができる。
以上のことから、本医用画像処理装置1によれば、VBMなどの分野を含んで広く、経時的な画像変化を追跡する場合において、撮像装置由来の因子を除外し患者本来の因子による経時変化を追跡することができる。これにより、操作者は、被検体に関する医用画像において、本来の経時的変化を、より詳細に追跡することが可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態との相違は、第1領域および第2領域が、経時的に変化の小さい領域または経時的に不変な領域(以下、経時的不変領域と呼ぶ)であって、ノイズ以外の信号成分を有することにある。
図8は、本実施形態に係る医用画像処理装置1の構成を示す構成図である。図1との相違は、エッジ検出部10を有することにある。
エッジ検出部10は、第1画像(または第1補間画像)において、所定のエッジ検出処理により、複数の第1エッジを検出する。エッジ検出部10は、第2画像(または第2補間画像)において、所定のエッジ検出処理により、複数の第2エッジを検出する。
記憶部27は、所定の閾値を記憶する、所定の閾値とは、第1画像および第2画像において、経時的不変領域を規定するエッジに対応する画素値である。経時的不変領域は、二つのエッジで挟まれた略一定(平坦)の画素値を有する領域であって、例えば、第1画像および第2画像において、被検体とともに撮影された所定のファントムを示す領域、骨の形状を示す領域(例えば、脳画像において頭蓋骨に対応する領域)、主として水を示す領域(例えば、脳画像におけるCSFなど)などである。以下、説明を簡単にするために、経時的不変領域は、ファントムに対応する領域またはCSFに対応する領域であるものとする。
領域設定部13は、第1領域における対向する2辺が第1エッジに直交し、かつ所定の閾値で挟まれた画素値範囲を、第1領域として、第1補間画像に設定する。領域設定部13は、第2領域における対向する2辺が第2エッジに直交し、かつ所定の閾値で挟まれた画素値範囲を、第2領域として、第2補間画像に設定する。第1領域と第2領域とは、画素値範囲が同じ領域(例えば、ファントム、骨、CSF、水など)が好ましい。なお、第1領域および第2領域としてファントムを用いる場合、安定した周波数分布補正を実行するため、第1画像および第2画像各々の収集時と同時に、またはできるだけ小さい時間差で、ファントム画像を収集した方が好ましい。なお、第1領域および第2領域は、経時的変化が小さい骨、水抽出などにより、設定されてもよい。また、第1領域および第2領域は、入力部25を介した操作者の指示により設定されてもよい。
図9は、第1補間画像および第2補間画像において、第1領域または第2領域の設定の一例を示す図である。図9におけるfはファントムを示している。図9における線分dd’は、ファントムfに対して設定される第1領域または第2領域の一例を示している。図9における線分ee’は、頭蓋骨に対応する領域およびCSFに対応する領域に対して設定される第1領域または第2領域の一例を示している。
図10は、図9における線分ee’上において一次元に配列した複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値による画素値の変化(実信号プロファイル)の一例を示す図である。図10の横軸は、画素の位置xを示している。図10の縦軸は、画像Iにおける画素の位置xの画素値I(x)を示している。図10において、第1領域および第2領域は、例えば、線分ff’で挟まれた領域として設定される。
図11は、図9における線分dd’または図10における抽出部分(ff’)上の画素値の変化(経時不変プロファイル)の一例を示す図である。図11の横軸は、画素の位置xを示している。図11の縦軸は、画像Iにおける画素の位置xの画素値I(x)を示している。図11におけるIorig(x)は、第1画像において線分dd’または線分ff’に位置する複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値のプロファイルを示している。図11におけるIbase(x)は、第2画像において線分dd’または線分ff’に位置する複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素値のプロファイルを示している。図9乃至図11において、第1領域および第2領域は1次元プロファイルとして説明しているが、2次元または3次元プロファイルであってもよい。
周波数分布発生部15は、第1領域に対応する第1領域周波数分布S1orig(f)の絶対値|S1orig(f)|を発生する。具体的には、周波数分布発生部15は、第1領域における複数の画素値I1orig(x)に対して逆フーリエ変換を実行して絶対値をとることにより、第1領域周波数分布の絶対値|S1orig(f)|を発生する。すなわち、上記記載によれば、周波数分布発生部15は、例えば以下に示す式で、第1領域周波数分布の絶対値|S1orig(f)|を計算する。
|S1orig(f)|=|IFT[I1orig(x)]|
周波数分布発生部15は、第2領域に対応する第2領域周波数分布S2base(f)の絶対値|S2base(f)|を発生する。具体的には、周波数分布発生部15は、第2領域における複数の画素値I2base(x)に対して逆フーリエ変換を実行して絶対値をとることにより、第2領域周波数分布の絶対値|S2base(f)|を発生する。すなわち、上記記載によれば、周波数分布発生部15は、例えば以下に示す式で、第2領域周波数分布の絶対値の|S2base(f)|を計算する。
|S2base(f)|=|IFT[I2base(x)]|
周波数分布発生部15は、第1領域周波数分布の絶対値を、第2領域周波数分布の絶対値の最大値|S2base(0)|で除することにより、第1領域周波数分布の絶対値を正規化する。また、周波数分布発生部15は、第2領域周波数分布の絶対値を第2領域周波数分布の絶対値の最大値|S2base(0)|で除することにより、第2領域周波数分布の絶対値を正規化する。
すなわち、正規化された第1領域周波数分布の絶対値(以下、第1正規化周波数分布と呼ぶ)|Sn1orig(f)|は、|S1orig(f)|/|S2base(0)|として計算される。正規化された第2領域周波数分布の絶対値(以下、第2正規化周波数分布と呼ぶ)|Sn2base(f)|は、|S2base(f)|/|S2base(0)|として計算される。周波数分布発生部15は、正規化(normalize)係数αを計算する。正規化係数αは、例えば、以下に示す式のように、計算される。
α=|S2base(0)|/|S1orig(0)|
周波数分布発生部15は、第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|と第2正規化周波数分布|Sn2base(f)|とを、補正部17に出力する。
図12は、経時不変プロファイルの逆フーリエ変換の絶対値の正規化により発生された第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|と第2正規化周波数分布|Sn2base(f)|との一例を示す図である。図12における第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|と第2正規化周波数分布|Sn2base(f)|とにおいて、ノイズの影響は実施形態1に比べて比較的小さいため、実施形態1におけるスムージングや関数近似のコストは、実施形態1に比べて小さい。説明を簡単にするため、本実施形態ではスムージングまたは関数近似の処理について言及していないが、|S1orig(f)|と|S2base(f)|とに対して、スムージングまたは関数近似が適宜実行されてもよい。
補正部17は、第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|と第2正規化周波数分布|Sn2base(f)|との比により、第1領域におけるノイズレベルを第2領域におけるノイズレベルに合わせるための関数Fcor(f)を決定する。具体的には、補正部17は、第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|を、第2平滑スペクトルPn_estbase(f)に変換する(合わせるまたは一致させる)変換関数Fcor(f)を決定する。
すなわち、補正部17は、第2正規化周波数分布|Sn2base(f)|を第1正規化周波数分布|Sn1orig(f)|で除することで、変換関数Fcor(f)を決定する。具体的には、以下に示す式により、変換関数Fcor(f)は決定される。なお、変換関数Fcor(f)の高周波側は、カットオフ周波数fc以下に滑らかに低減される。
cor(f)=|Sn2base(f)|/|Sn1orig(f)|
上式において、ゼロによる除算が生じないように工夫する必要がある。例えば、周波数分布発生部15および図12乃至図13では、カットオフ周波数fcがナイキスト周波数fnより大きいため、|Sn1orig(f)|は、非ゼロとなる。
図13は、第1正規化周波数分布を第2正規化周波数分布に変換する変換関数Fcor(f)の一例を示す図である。図13に示すfcは、カットオフ周波数である。
補正部17は、変換関数Fcor(f)を用いて、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、補正した第1周波数分布Scor(f)を画像発生部19に出力する。具体的には、補正部17は、第1周波数分布Sorig(f)に変換関数Fcor(f)を乗ずることにより、第1周波数分布Sorig(f)を補正する。補正部17は、例えば、以下に示す式に従って第1周波数分布Sorig(f)を補正する。
cor(f)=Sorig(f)×Fcor(f)
図14は、変換関数Fcor(f)を用いて補正された第1周波数分布の絶対値|Scor(f)|の一例を示す図である。図14に示すfcは、カットオフ周波数である。
(周波数分布補正機能)
図15は、周波数分布補正処理に関する手順の一例を示すフローチャートである。
第1画像において、複数の第1エッジが検出される(ステップSb1)。第2画像において、複数の第2エッジが検出される(ステップSb2)。第1領域の対辺が第1エッジに直交し、経時的に変化の小さい領域が、第1画像に第1領域として設定される(ステップSb3)。第2領域の対辺が第2エッジに直交し、経時的に変化の小さい領域が、第2画像に第2領域として設定される(ステップSb3)。
第1領域における複数の画素値に基づいて、第1領域周波数分布の絶対値が発生される(ステップSb4)。第2領域における複数の画素値に基づいて、第2領域周波数分布の絶対値が発生される(ステップSb4)。第2領域周波数分布の絶対値の最大値を用いて、第1、第2領域周波数分布の絶対値各々が正規化される(ステップSb5)。
第1正規化周波数分布を第2正規化周波数分布に変換する変換関数が決定される(ステップSb7)。第1画像の全域における複数の画素値に基づいて、第1周波数分布が発生される(ステップSb8)。変換関数を用いて、第1周波数分布が補正される(ステップSb9)。補正された第1周波数分布に基づいて、第1画像を補正した補正第1画像が発生される(ステップSb10)。
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態に係る医用画像処理装置1によれば、非構造的であって経時的に不変な領域である第1領域と第2領域とを、第1画像と第2画像とにそれぞれ設定し、第1領域における第1領域周波数分布と第2領域における第2領域周波数分布とに基づいて第2画像のノイズレベルに第1画像のノイズレベルを合わせた補正第1画像を発生することができる。
本実施形態による周波数分布補正処理は、ノイズの特性と画像構造部分の特性との類推が困難となる場合、具体的には、例えば構造の複雑な部分を除外して、画素値が平坦な部分だけを強く平滑化するような非線形のアルゴリズムを使用している場合において、第1の実施形態に係る周波数分布補正処理に比べて有効となる。
なお、第1の実施形態に係る周波数分布補正処理と第2の実施形態に係る周波数分布補正処理とは、組み合わせて用いることができる。例えば、通常は、対象画像(第1画像)に対して過去に取得されたbase画像(第2画像)が従来の医用画像発生装置で生成されている場合、線形のアルゴリズムを用いて画像生成が実行されている可能性が大きい。また対象画像となりうる最近の装置による画像では、空気部分をマスクしている場合も多いため、第1の実施形態に係る周波数分布補正処理ではパワースペクトルの取得は困難となる。このような場合、第1の実施形態に係る周波数分布補正処理を用いて、base画像(第2画像)からパワースペクトルを取得し、第2の実施形態に係る周波数分布補正処理を用いて、対象画像(第1画像)からパワースペクトルを取得することで、第1周波数分布を補正することが可能である。
以上のことから、第1、第2の実施形態に係る医用画像処理装置1によれば、経時的な変化を過去画像と比較する場合に、装置依存の変動を除外するため、すなわち経時変化における撮像装置に由来する因子を除外するために、周波数分布を補正することができる。これにより、本医用画像処理装置1によれば、操作者は、患者本来の因子による解剖学的な経時変化の追跡を、高精度で実行することができる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態と第2実施形態との相違は、第1画像および第2画像のパワースペクトル特性に関係するフィルター関数や補間処理に関する補間関数と、補間回数とに関する各種情報が既知であるならば、この各種情報を用いて、補正部17で用いられる変換関数Fcor(f)、第1変換関数PNR1(f)、または第2変換関数PNR2(f)などの補正関数を生成して、補正することにある。
記憶部27は、第1画像および第2画像のパワースペクトル特性に関係するフィルター関数や補間処理に関する補間関数と、補間回数とに関する各種情報を記憶する。
補正部17は、記憶部27から上記各種情報を読み出して、上記各種情報に基づいて、変換関数Fcor(f)、第1変換関数PNR1(f)、または第2変換関数PNR2(f)などの補正関数を決定する。例えば、補正部17は、第1領域周波数分布および第2領域周波数分布に関するフィルター関数と補間関数と補間回数等とに基づいて補正関数を決定する。次いで、補正部17は、決定した補正関数を用いて、第1周波数分布と第2周波数分布とのうち少なくとも一方等を補正する。
以上のことから、第3の実施形態に係る医用画像処理装置1によれば、第1、第2の実施形態に係る効果に加えて、以下に示す効果を更に有する。第3の実施形態に係る医用画像処理装置1は、第1、第2の実施形態に比べて、周波数分布発生部15等における各種パワースペクトルの特性に係る各種計算(パワースペクトル特性測定)は、不要となり、より高精度に、周波数分布、パワースペクトル等を補正することができる。
加えて、実施形態に係る各機能は、当該処理を実行するプログラムをワークステーション等のコンピュータにインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…医用画像処理装置、10…エッジ検出部、11…補間処理部、13…領域設定部、15…周波数分布発生部、17…補正部、19…画像発生部、21…表示部、23…インターフェース部、25…入力部、27…記憶部、29…制御部。

Claims (9)

  1. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記領域設定部は、
    前記第1画像の画素値に基づいて、前記第1領域を設定し、
    前記第2画像の画素値に基づいて、前記第2領域を設定すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  2. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記周波数分布発生部は、
    前記第1領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第1平滑スペクトルを発生し、
    前記第2領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第2平滑スペクトルを発生し、
    前記補正部は、
    前記第1平滑スペクトルを前記第2平滑スペクトルに変換する変換関数を決定し、
    前記変換関数を用いて、前記第1周波数分布を補正すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  3. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記周波数分布発生部は、
    前記第1領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第1平滑スペクトルを発生し、
    前記第2領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第2平滑スペクトルを発生し、
    前記補正部は、
    前記第2平滑スペクトルを前記第1平滑スペクトルに変換する変換関数を決定し、
    前記変換関数を用いて、前記第2周波数分布を補正すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  4. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記周波数分布発生部は、
    前記第1領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第1平滑スペクトルを発生し、
    前記第2領域周波数分布に対応するパワースペクトルを平滑化することにより第2平滑スペクトルを発生し、
    前記補正部は、
    前記第1平滑スペクトルを前記所定の周波数分布に対応するパワースペクトルに変換する第1変換関数を決定し、
    前記第2平滑スペクトルを前記所定の周波数分布に対応するパワースペクトルに変換する第2変換関数を決定し、
    前記第1変換関数を用いて前記第1周波数分布を補正し、
    前記第2変換関数を用いて前記第2周波数分布を補正すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  5. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記周波数分布発生部は、
    前記第1領域周波数分布に対応する第1パワースペクトルの最大値と前記第2領域周波数分布に対応する第2パワースペクトルの最大値とを用いて、前記第1パワースペクトルと前記第2パワースペクトルとを正規化し、
    前記補正部は、
    前記第1パワースペクトル、前記第2パワースペクトル、または前記所定の周波数分布に対応するパワースペクトルを基準として、前記第1周波数分布と前記第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  6. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記第1画像において複数の第1エッジを検出し、前記第2画像において複数の第2エッジを検出するエッジ検出部を更に具備し、
    前記領域設定部は、
    前記第1領域における対向する2辺が前記第1エッジに直交し、かつ所定の閾値により規定される画素値範囲に対応する領域を、前記第1領域として設定し、
    前記第2領域における前記2辺が前記第2エッジに直交し、かつ前記画素値範囲に対応する領域を、前記第2領域として設定すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  7. 第1画像の一部分に対応する第1領域と、前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域とを設定する領域設定部と、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生する周波数分布発生部と、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正する補正部と、
    を具備し、
    前記補正部は、
    前記第1領域周波数分布および前記第2領域周波数分布に関するフィルター関数と補間関数と補間回数とに基づいて補正関数を決定し、決定した補正関数を用いて、前記第1周波数分布と前記第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正すること、
    を特徴とする医用画像処理装置。
  8. 前記領域設定部は、
    前記第1画像における空間的に均一な領域または経時的に不変な領域を、前記第1領域として設定し、
    前記第2画像における空間的に均一な領域、または経時的に不変な領域を、前記第2領域として設定すること、
    を特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
  9. 第1画像の一部分に対応する第1領域を前記第1画像の画素値に基づいて設定し、
    前記第1画像より過去に収集された第2画像の一部分に対応する第2領域を前記第2画像の画素値に基づいて設定し、
    前記第1領域における複数の画素値に基づいて第1領域周波数分布を発生し、
    前記第2領域における複数の画素値に基づいて第2領域周波数分布を発生し、
    前記第1領域周波数分布、前記第2領域周波数分布、または所定の周波数分布を基準として、前記第1画像に対応する第1周波数分布と前記第2画像に対応する第2周波数分布とのうち少なくとも一方を補正すること、
    を具備することを特徴とする医用画像処理方法。
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