JP6489604B2 - 植物群落構造解析システム - Google Patents

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Description

本発明は、植物の群落構造を測定する植物群落構造解析システムに関する。
植物を栽培する際に、群落構造を把握することは、栽培している植物に対して適切な肥培管理や栽培環境の制御を行う上で極めて重要な項目である。しかしながら、容易に群落構造の測定や記録を行う手段は実用化されていない。このため、施設園芸分野における作物の生産現場では、植物(作物)を栽培する生産者が、栽培している植物(作物)の形状を観察することによって「葉の茂り具合」や「草勢」を経験に基づいて判断し、肥培管理や栽培環境の制御に反映している。
また、群落構造を把握する目的で求められる葉面積指数(LAI:Leaf Area Index)は、単位面積の圃場の上に存在する全ての葉面積を示す値であり、植物が利用する光の効率に関わる重要なパラメータである。しかしながら、葉面積指数を高精度に測定するための手段は限定されている。従来から行われてきた研究用途で実験的に群落構造を測定するために正確な葉面積指数を測定する手段では、葉の破壊を伴う解体調査が行われており、植物の葉を切断し、切断した葉を葉面積測定器に直接通すことによって葉面積指数を測定している。このため、葉面積指数の測定に多くの手間や時間を要することや、測定を進める上で調査対象の個体数が減少することなどが問題となっている。
一方、葉の破壊を伴わない非破壊的な葉面積指数の測定方法には、最も単純な方法として、カメラで植物群落を上方から可視光によって撮影し、撮影した画像に基づいて予め定めた範囲内を植物が覆っている割合を植被率として算出した後、この植被率から葉面積指数を推定する方法がある。
また、例えば、特許文献1で開示されている技術のような、植物の光学的な性質を利用して葉面積指数を測定する方法もある。特許文献1には、植物群落に入射した太陽放射のうち、赤色(R)の放射(波長域=650〜700nm)は葉群を通る間に減衰し、短波長側の近赤外(IR)の放射(波長域=700〜800nm)は葉群を通っても減衰する量が少ないという、葉の分光吸収特性を利用して葉面積指数を推定する方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、植物群落の下部と上部とにおける散乱光の強度から簡易的に葉面積指数を推定する手法も開示されている。その他、光学的な葉面積指数センサとして、米国のLI−COR社からプラントキャノピーアナライザーが実用化されており、非特許文献1では、青色(B)の放射(波長域=320〜490nm)センサを利用して、入射光を入射角毎に複数に分解して測定できる特殊な受光部を用いて透過した放射の空間分布を測定して葉面積指数を測定している。
また、植物の葉が効率よく受光できるかどうかの指標として、植物の受光態勢がある。この受光態勢は、植物における高さ別の葉の展開状況や生育段階による葉の態勢の変動を、植物の全ての葉が効率よく利用されること、受光できる葉面積を最大化することを目的として評価するために測定される。図4は、植物の葉の受光態勢の概念を単純化して説明する図である。
例えば、図4(a−1)および図4(a−2)に示したように、植物の生育の初期段階では、図4(a−1)に示したように葉が広がる植物は、光を受光することができる葉の面積が大きいと判断し、図4(a−2)に示したように葉が広がらない植物は、光を受光することができる葉の面積が小さいと判断することができる。また、例えば、図4(b−1)および図4(b−2)に示したように、植物の生育が進んだ段階では、図4(b−1)に示したように光が下部まで浸透しない植物は、葉面積が無駄になっていると判断し、図4(b−2)に示したように光が下部まで浸透する植物は、葉面積を有効に利用していると判断することができる。
そして、それぞれの葉の単位で受光している光の量を測定(調査)する方法として、様々な技術が開示されている。例えば、積算日射フィルムを葉に貼り付けて測定する方法(非特許文献2参照)や、微細な光量子センサを葉に貼り付けて測定する方法(非特許文献3参照)などがある。また、例えば、棒状の光センサを植物群落内に挿入し、高さ別に透過光を測った後、葉面積を解体調査によって求め、植物の葉の高さ毎に光の利用効率を推定する手法(非特許文献4参照)がある。
特開2007−171033号公報 特開2008−237161号公報
山本晴彦、"プラントキャノピーアナライザーを用いた作物個体群の葉面積指数の推定",日本作物學會紀事 1995,64(2),333−335 "積算日射計測フィルムによる果菜類の個葉の積算受光量の評価",独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構,[平成26年8月8日検索],インターネット,<http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/vegetea/1998/vegetea98−10.html> "小型光量子センサーを用いた葉面受光量の直接連続測定法",独立行政法人 農業環境技術研究所,[平成26年8月8日検索],インターネット,<http://www.niaes.affrc.go.jp/sinfo/result/result15/result15_15.html> "第5回 植物の生育状態の計測と診断(2) 1)層別刈り取り法",山口大学 メディア基盤センター,[平成26年8月8日検索],インターネット,<http://web.cc.yamaguchi−u.ac.jp/〜yamaharu/syokukei5.htm>
葉の破壊を伴う解体調査によって葉面積指数の測定を行うと、上述したように、測定を進める上で調査対象の個体数が減少してしまうという問題がある。しかも、この解体調査による葉面積指数の測定は、人的な労力の負担が大きく、商業的な栽培の現場で利用することは困難である。また、葉の破壊を伴わずに、可視光の撮影を行うカメラを利用し、植被率から葉面積指数を推定する方法では、カメラによって撮影する地面が完全に植物によって覆われていると、植被率の値が飽和してしまい、相関がとれずに葉面積指数を推定することができない。特に、植物が人為的に整えられた群落となる、例えば、ビニールハウスなどの温室内での植物の栽培では、正確な相関が得られない可能性が高い。
また、特許文献1で開示されている技術のように、葉群を通過した赤色の放射と近赤外線の放射とにおける放射強度比に基づいて葉面積指数を推定する方法では、例えば、太陽の高さや葉による放射の散乱などを抑えるために、直上からの放射を狭角な指向性を持ったセンサを使用して測定を行う必要があり、曇天時などでは測定が難しくなる。さらに、狭角な指向性を持ったセンサは、放射量(放射強度)が不足して低感度になってしまうことが避けることができない。また、特許文献1でも開示されているように、(近赤外放射の(空間的な)積算値)/(赤色放射の(空間的な)積算値)を計算して相対日射量の比を計算したとしても、葉が茂っていない部分(葉群の少ない部位)の放射量の重みが相対的に高くなり、葉が茂っている部分(葉群の多い部位)の放射量の重みが低くなるため、葉面積指数を推定する精度が低下してしまうものと考えられる。また、特許文献2で開示されている技術のように、植物群落の下部と上部とにおける散乱光の強度から簡易的に葉面積指数を推定する方法でも、指向性を持つ必要があるため、同様であると考えられる。
また、非特許文献1のように、プラントキャノピーアナライザーによって入射光を複数に分解して広範囲の測定を行う方法では、入射光の指向性が強すぎる晴天時に葉面積指数の測定精度が低下してしまう。
このように、従来の非破壊的な葉面積指数の測定方法では、天候の影響や植物の状態によって、葉面積指数を正しく推定することができない。そして、たとえ、非特許文献2や非特許文献3のように、積算日射フィルムや光量子センサを葉に貼り付けて、植物の受光態勢に応じた受光量を測定したとしても、これらのセンサは、ピンポイントで測定点(センサを貼り付けた部分)の受光量が測定されるのみであり、より複雑に重なり合っている実際の葉群においては、植物全体の光の利用効率の評価を正しく行うことができない。
また、非特許文献4のように、棒状の光センサを植物群落内に挿入する方法においても、継続的な測定を行うためには手間が多くかかり、さらには、葉面積を求めるためには解体調査が必要であることから、上述した破壊的な葉面積指数の測定方法と同様に、測定を進める上で調査対象の個体数が減少してしまうという問題がある。
このように、従来の葉面積指数の測定方法では、いずれの方法によっても容易に葉面積指数を測定することができず、商業的な栽培の現場での利用は困難である。
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、葉の破壊を伴わず、天候の影響を受けることなく、植物の群落構造を測定することができる植物群落構造解析システムを提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、この発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の植物群落構造解析システムは、植物を撮影し、該撮影した前記植物を含む被写体との距離を表す距離情報が関連付けられた距離画像を出力する距離画像取得手段と、前記距離画像に基づいて、前記被写体との距離に応じた前記植物の群落構造を示す値を算出する群落構造解析手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記群落構造解析手段は、前記距離画像に基づいて、単位面積あたりに存在する葉面積を示す葉面積指数を前記植物の群落構造を示す値として算出する、ことを特徴する。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記群落構造解析手段は、前記距離画像に含まれる前記植物の領域を抽出する植物領域抽出部と、抽出された前記植物の領域の面積を前記植物の葉面積として算出する葉面積算出部と、前記葉面積に基づいて算出した群落構造の情報を出力する群落構造情報出力部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記葉面積算出部は、前記距離画像に含まれる前記植物の領域に関連付けられた前記距離情報に基づいて、前記距離画像取得手段と前記植物との距離毎に、前記葉面積を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記距離画像は、それぞれの画素毎、または予め定めた組み合わせの複数の画素毎に、前記距離情報が関連付けられている、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記葉面積算出部は、前記植物を側面から撮影した前記距離画像に基づいて前記葉面積を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記葉面積算出部は、前記植物を上方から撮影した前記距離画像に基づいて前記葉面積を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムにおける前記葉面積算出部は、前記距離画像に含まれる前記距離画像取得手段と前記植物との距離を表す前記距離情報に基づいて前記植物の茎頂部の位置を検出し、該検出した前記植物の茎頂部の位置の高さから、距離画像取得手段と前記植物との距離毎に前記葉面積を算出する、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムは、前記植物を栽培する環境を調節する環境調節手段、をさらに備え、前記環境調節手段は、前記群落構造解析手段が算出した前記植物の群落構造の情報に基づいて、前記植物を栽培する環境を調節する、ことを特徴とする。
また、本発明の植物群落構造解析システムは、植物を撮影し、該撮影した前記植物を含む被写体との距離を表す距離情報が関連付けられた距離画像を出力する距離画像取得手段と、前記距離画像に基づいて前記植物の群落構造を示す値を算出する群落構造解析手段と、を備え、前記群落構造解析手段は、前記距離画像に含まれる前記植物の領域を抽出する植物領域抽出部と、抽出された前記植物の領域の面積を前記植物の葉面積として算出する葉面積算出部と、前記葉面積に基づいて算出した群落構造の情報を出力する群落構造情報出力部と、を備え、前記葉面積算出部は、前記距離画像に含まれる前記植物の領域に関連付けられた前記距離情報に基づいて、前記距離画像取得手段と前記植物との距離毎に、前記葉面積を算出する、ことを特徴とする。
本発明によれば、葉の破壊を伴わず、天候の影響を受けることなく、植物の群落構造を測定することができる植物群落構造解析システムを提供することができるという効果が得られる。
本発明の実施形態における植物群落構造解析システムの概略構成を示した図である。 本実施形態の植物群落構造解析システムにおいて葉面積を算出するための画像の一例を示した図である。 本実施形態の植物群落構造解析システムにおいて測定した葉面積と、実測した葉面積指数との関係を示した図である。 植物の葉の受光態勢の概念を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における植物群落構造解析システムの概略構成を示した図である。植物群落構造解析システム1は、カメラ装置10と、群落構造解析装置20とを含んで構成される。
植物群落構造解析システム1は、例えば、ビニールハウスなどの温室に設置され、栽培している植物の群落構造を測定する。より具体的には、植物群落構造解析システム1は、カメラ装置10が撮影した画像に基づいて植物の葉面積を算出し、算出した葉面積に基づいて算出した葉面積指数を、測定した群落構造の情報として出力する。植物群落構造解析システム1が測定した群落構造の情報は、例えば、植物を栽培する環境の制御に利用することができる。
なお、図1には、植物群落構造解析システム1が出力した群落構造の情報に基づいて、植物を栽培する環境の制御を行う環境調節装置30も併せて示している。図1に示した植物群落構造解析システム1では、1つの環境調節装置30を示しているが、環境調節装置30は、複数の装置で構成されていてもよい。例えば、環境調節装置30には、温室内の温度を変更するための暖房機、温室に備えた天窓やカーテンの開閉を制御するための制御装置、植物に水や液肥を与えるための潅水制御装置や液肥混入器など、様々な装置が含まれる。
なお、実際の栽培環境の制御においては、植物群落構造解析システム1が出力する群落構造の情報のみではなく、温室内の環境も考慮して行うことが望ましい。このため、環境調節装置30が、植物群落構造解析システム1が出力した群落構造の情報に基づいて植物を栽培する環境の制御を行う際に、測定した温室内の様々な環境に応じて、制御量を調節することもできる。図1には、温室内の環境を制御する環境センサ40も併せて示している。図1に示した植物群落構造解析システム1では、1つの環境センサ40を示しているが、環境センサ40は、複数のセンサで構成されていてもよい。例えば、環境センサ40には、温室内の温度や湿度を検出する温湿度センサ、温室に対する日差しの強弱などを含めた日射量を検出する日射センサなど、様々なセンサが含まれる。
カメラ装置10は、例えば、温室の壁に、群落構造を測定する植物の側面を撮影することができる位置に設置され、予め定めた時間の間隔で、温室内で栽培している植物を撮影する。カメラ装置10は、可視光による撮影と、例えば、赤外光による撮影とを行う機能を備えている。そして、カメラ装置10は、可視光によって撮影した画像に、赤外光による撮影によって得られる被写体(植物を含む)との距離を表す情報を関連付けた撮影画像(以下、「距離画像」という)を、予め定めた時間の間隔で撮影を行う毎に、群落構造解析装置20に出力する。
なお、カメラ装置10での赤外光による撮影は、植物に影響が少ない波長領域を使うことが望ましい。また、赤外光が植物の生育を撹乱してしまう懸念がある場合には、撮影する瞬間だけ赤外光を照射するなど、赤外光による植物への影響を最小限にする必要がある。
ここで、距離画像に含まれる被写体(植物を含む)との距離を表す情報(以下、「距離情報」という)は、可視光によって撮影した画像(以下、「可視光画像」という)に含まれるそれぞれの画素に対して1つずつ関連付けられている。この距離画像によって、群落構造解析装置20は、入力された距離画像のそれぞれの画素毎に、植物やその他の被写体との距離を判定することができる。
なお、カメラ装置10における可視光の撮影機能の解像度と、赤外光の撮影機能の解像度とは、必ずしも同様である構成に限定されるものではない。このため、距離情報は、可視光画像に含まれるそれぞれの画素に対して1つずつ関連付けられている構成のみではなく、予め定めた組み合わせの複数の画素毎に1つずつ関連付けられている構成であってもよい。例えば、1つの距離情報が、可視光画像に含まれる水平方向および垂直方向にそれぞれ2画素ずつ、つまり、4画素に関連付けられている構成であってもよい。
なお、可視光画像は、必ずしも色の情報を含む画像ではない。つまり、可視光画像は、色の情報と輝度の情報とを含んだカラー画像であってもよいし、輝度の情報のみを含んだ白黒画像であってもよい。また、距離画像は、上述したような、可視光画像に含まれる画素に距離情報が関連付けられた構成のみではなく、画像内における位置と、その位置の被写体との距離情報とが関連付けたれた構成であってもよい。つまり、距離画像は、カメラ装置10から被写体までの距離情報が二次元的に配列された構成であれば、必ずしも可視光画像を含む構成に限定されるものではない。しかし、以下の説明において距離画像は、距離情報が、可視光画像に含まれる画素に関連付けられている構成であるものとして説明する。
なお、植物群落構造解析システム1は、複数のカメラ装置10を温室内に設置することによって、温室内で栽培している全ての植物の距離画像を撮影する構成であってもよい。また、植物群落構造解析システム1は、カメラ装置10が設置される位置や距離画像を撮影する方向を変更する機構を備えることによって、1台のカメラ装置10で、温室内で栽培している全ての植物の距離画像を順次撮影する構成にしてもよい。例えば、カメラ装置10を温室の上部にある遮光・保温カーテンなどに取り付けることによって、カーテンの開閉に合わせてカメラ装置10を移動させることができ、より広い範囲の植物の距離画像を撮影することができる。
また、植物群落構造解析システム1は、カメラ装置10を植物の側面を撮影する位置に設置するのみではなく、カメラ装置10を、例えば、温室の天井に、植物の茎の頂点部分(茎頂部)を撮影することができる位置に設置して、温室内で栽培している植物を上方から撮影する構成にしてもよい。さらに、植物群落構造解析システム1は、植物を側面と上方から撮影するように、複数のカメラ装置10を設置した構成にしてもよい。
以下の説明においては、説明を容易にするため、1台のカメラ装置10が植物の側面を撮影する構成の植物群落構造解析システム1について説明する。なお、植物群落構造解析システム1において複数のカメラ装置10が設置されている場合においても、それぞれのカメラ装置10が植物を撮影する方向が変わるのみで、その処理方法は同様である。
群落構造解析装置20は、カメラ装置10から入力されたそれぞれの距離画像に対して、予め定めた処理を行って、植物群落の葉の空間分布を検出し、検出した空間分布の情報に基づいて、栽培している植物の葉面積を算出する。そして、群落構造解析装置20は、算出した植物の葉面積の情報に基づいて、栽培している植物の葉面積指数を算出する。群落構造解析装置20は、画像取得部210と、植物領域抽出部220と、葉面積算出部230と、群落構造情報出力部240とを備えている。
画像取得部210は、カメラ装置10から予め定めた時間の間隔で入力されたそれぞれの距離画像を取得する。そして、画像取得部210は、取得したそれぞれの距離画像を、植物領域抽出部220に出力する。
植物領域抽出部220は、画像取得部210から入力されたそれぞれの距離画像に対して、予め定めた処理を施し、距離画像に含まれる植物の領域を抽出する。すなわち、植物領域抽出部220は、距離画像に含まれている、栽培している植物の葉面積の算出に不要な遠景の領域を除去する。そして、植物領域抽出部220は、抽出した植物の領域を表す情報(以下、「植物領域情報」という)を距離画像に付加して、葉面積算出部230に出力する。
葉面積算出部230は、植物領域抽出部220から入力された、植物領域情報が付加されたそれぞれの距離画像に含まれる距離情報に基づいて、距離画像に含まれる植物群落の葉の空間分布を検出する。そして、葉面積算出部230は、検出した空間分布の情報に基づいて、距離画像に含まれる植物群落の葉面積を算出する。葉面積算出部230は、算出した植物群落の葉面積を、群落構造情報出力部240に出力する。
群落構造情報出力部240は、葉面積算出部230から入力された植物群落の葉面積に基づいた葉面積指数を群落構造の情報として、植物群落構造解析システム1の使用者、つまり、温室で植物(作物)を栽培する生産者に提示する。
なお、植物群落構造解析システム1が出力した群落構造の情報に基づいて環境調節装置30が植物を栽培する環境の制御を行う場合には、群落構造情報出力部240は、環境調節装置30が植物を栽培する環境の制御を行うための制御信号を環境調節装置30に出力する構成にしてもよい。
このような構成によって、植物群落構造解析システム1は、設置された温室内で栽培されている植物を予め定めた時間の間隔で撮影して、植物群落の葉面積を算出する。そして、植物群落構造解析システム1は、算出した葉面積に基づいた葉面積指数を群落構造の情報として提示する。これにより、生産者は、提示された群落構造の情報に基づいて、植物の栽培環境を調節することができる。なお、植物群落構造解析システム1が測定した群落構造の情報に基づいて、例えば、環境調節装置30が自動で植物の栽培環境を調節する構成にしてもよい。
なお、図1に示した植物群落構造解析システム1において群落構造解析装置20は、例えば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)で構成されたサーバー装置上で、群落構造解析装置20のそれぞれの機能が動作する構成であってもよい。そして、図1に示した植物群落構造解析システム1に備えたカメラ装置10と群落構造解析装置20とは、有線LAN(Local Area Network)などのネットワークインターフェースによって接続される構成であってもよい。また、図1に示した環境調節装置30も、有線LANによって接続される構成であってもよい。なお、群落構造解析装置20とその他の装置(カメラ装置10や環境調節装置30)との接続は、有線LANによる接続に限定されるものではなく、例えば、一部または全ての装置が、無線LANなどのネットワークインターフェースによって接続される構成であってもよい。
ここで、群落構造解析装置20における植物の葉面積指数の測定方法について説明する。群落構造解析装置20では、まず、葉面積算出部230が、植物領域抽出部220によって距離画像に付加された植物領域情報に基づいて、距離画像に含まれる植物群落における葉の領域の投影面積(以下、「投影葉面積」という)を算出する。より具体的には、葉面積算出部230は、距離画像に含まれるそれぞれの画素の植物領域情報を確認し、植物領域情報が植物の領域であることを表している画素の大きさを面積に変換する。そして、葉面積算出部230は、変換した植物の領域の画素の面積を積算して、投影葉面積とする。
このとき、カメラ装置10が群落構造解析装置20に出力する距離画像には、撮影した植物とカメラ装置10との間の距離情報が含まれている。このため、葉面積算出部230は、植物とカメラ装置10との間の距離を考慮した、つまり、植物とカメラ装置10との間の距離毎に、投影葉面積(葉面積)を算出することができる。図2は、本実施形態の植物群落構造解析システム1において葉面積(投影葉面積)を算出するための画像の一例を示した図である。図2には、カメラ装置10が赤外光によって撮影した植物群落の距離画像に含まれるそれぞれの画素に対して関連付けられている距離情報を画像で表した一例を示している。なお、図2(a)〜図2(c)は、同じ位置に設置されたカメラ装置10が撮影した植物群落を、距離情報に基づいてカメラ装置10との間の距離が異なる3種類の画像として示している。図2(a)が植物群落とカメラ装置10との距離が短い場合、図2(c)が植物群落とカメラ装置10との距離が長い場合の画像である。より具体的には、図2(a)は、植物群落の奥行き方向において手前の葉に注目した画像、図2(b)は、植物群落の奥行き方向において中央付近の葉に注目した画像、図2(c)は、植物群落の奥行き方向において奥側の葉に注目した画像である。
葉面積算出部230は、図2(a)〜図2(c)に示したそれぞれの画像毎に、すなわち、植物群落の奥行き方向に注目した投影葉面積を算出することができる。そして、葉面積算出部230は、このようにして算出した投影葉面積を、植物群落の葉面積として群落構造情報出力部240に出力する。これにより、群落構造情報出力部240は、植物群落の奥行き方向に注目した投影葉面積に基づいた葉面積指数を群落構造の情報として出力することができる。
図3は、本実施形態の植物群落構造解析システム1において測定した葉面積(投影葉面積)と、実測した葉面積指数(LAI)との関係を示した図である。図3に示したように、植物群落構造解析システム1において測定した投影葉面積と、実測した葉面積指数とは比例している。このため、群落構造情報出力部240は、葉面積算出部230が算出した投影葉面積に基づいて、実測した葉面積指数に近い葉面積指数を、植物(作物)を栽培する生産者に提示することができる。
次に、葉面積算出部230が葉面積を算出する別の方法について説明する。この算出方法は、植物領域抽出部220によって距離画像に付加された植物領域情報と、距離画像に含まれる距離情報にもとづいて、距離画像に含まれる植物群落内のそれぞれの葉の葉面積を算出して積算する方法である。より具体的には、葉面積算出部230は、距離画像に含まれるそれぞれの画素の植物領域情報を確認し、植物領域情報が植物の領域であることを表している領域内のそれぞれの葉の形状を、複数の三角形の組み合わせで表す。そして、葉面積算出部230は、複数の三角形で表されたそれぞれの葉の面積を算出する。その後、葉面積算出部230は、算出したそれぞれの葉の面積を積算して、植物群落の葉面積とする。
そして、葉面積算出部230は、この複数の三角形の組み合わせで葉の形状を表して算出した葉面積(以下、「形状分割葉面積」という)を、植物群落の葉面積として群落構造情報出力部240に出力する。これにより、群落構造情報出力部240は、図3に示した投影葉面積と実測した葉面積指数との関係と同様にして求めた実測した葉面積指数に近い葉面積指数を、植物(作物)を栽培する生産者に提示する。
なお、形状分割葉面積を算出する方法においても、投影葉面積を算出する方法と同様に、植物群落の奥行き方向に注目した葉面積を算出することができる。そして、群落構造情報出力部240は、投影葉面積を算出する方法と同様に、植物群落の奥行き方向に注目した形状分割葉面積に基づいた実測した葉面積指数に近い葉面積指数を、群落構造の情報として出力することができる。
なお、葉面積算出部230が葉面積を算出する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。また、例えば、距離画像内に複数の植物が含まれる、つまり、1枚の距離画像内に複数の植物が撮影されている場合において、距離情報に基づいてそれぞれの植物、つまり、一本一本の植物に分けることができる。この場合、葉面積算出部230は、距離画像に含まれる植物群落の領域内において、隣接する画素の距離情報の値の変化を確認し、例えば、距離情報の値が最も高い値を示している場所(つまり、画素の位置)を区切りの位置として、それぞれの植物の領域に分けることができる。そして、分けた領域毎に葉面積(投影葉面積や形状分割葉面積)を算出することによって、葉面積算出部230は、それぞれの植物毎の葉面積を算出することができる。なお、カメラ装置10が植物を側面から撮影している場合には、距離情報の値が最も高い値の場所が、植物群落の奥行き方向に、カメラ装置10と最も遠い距離を表している場所である。
このように、本実施形態の植物群落構造解析システム1では、実測した葉面積指数に近い葉面積指数を、群落構造の情報として、植物(作物)を栽培する生産者に提示することができる。しかも、植物群落構造解析システム1では、距離情報を利用して植物群落の奥行き方向のそれぞれの距離に注目した葉面積(投影葉面積や形状分割葉面積)を算出することによって、植物群落の奥行き方向のそれぞれの距離毎の葉面積指数を、群落構造の情報として提示することができる。
なお、植物群落構造解析システム1では、カメラ装置10が植物を撮影する時間の間隔を狭くすることによって、植物の距離画像をリアルタイムに撮影して群落構造解析装置20に送信することができる。つまり、植物群落構造解析システム1では、群落構造解析装置20が、リアルタイムに距離画像を取得することができる。これにより、植物群落構造解析システム1では、群落構造解析装置20が、距離画像に基づいた葉面積指数を逐次算出することができる。このため、植物群落構造解析システム1では、群落構造解析装置20が算出した葉面積指数の変化を時間毎にまとめて、生産者に提示することもできる。この構成の場合、生産者は、温室内で栽培する植物の葉が成長する速度や葉の運動をリアルタイムに観察することができる。しかも、植物群落構造解析システム1では、群落構造解析装置20がサーバー装置に構成され、植物群落構造解析システム1に備えたそれぞれの装置がネットワークインターフェースによって接続されているため、生産者は、自身が温室に出向いていない場合でも、群落構造の情報を得ることができる。そして、環境調節装置30もネットワークインターフェースによって接続されている構成である場合には、生産者は、植物群落構造解析システム1から提示された群落構造の情報に基づいた判断によって、温室内で栽培する植物の栽培環境の調整をすることができる。これにより、植物群落構造解析システム1を利用している生産者は、植物の栽培環境の調整をリアルタイムに行うことができる。
次に、植物群落構造解析システム1を、植物の葉が効率よく光を受光できるかどうかの評価に用いる場合について説明する。上述したように、植物群落構造解析システム1では、カメラ装置10を、例えば、温室の天井に設置し、温室内で栽培している植物を上方から撮影する構成にすることもできる。
以下の説明においては、説明を容易にするため、1台のカメラ装置10が植物を上方から撮影する構成の植物群落構造解析システム1について説明する。なお、植物群落構造解析システム1において複数のカメラ装置10が設置されている場合においても、それぞれのカメラ装置10が植物を撮影する方向が変わるのみで、その処理方法は同様である。
カメラ装置10を植物群落の上方に設置して撮影した場合、カメラ装置10が撮影したそれぞれの距離画像に対して、予め定めた処理を施すことによって、上方からの光を受ける葉の位置を測定することができる。また、カメラ装置10を太陽の方向から植物群落を撮影するように設置した場合には、太陽からの光が直接的に植物に到達する場所を測定することができる。
葉面積算出部230は、植物領域情報が付加されたそれぞれの距離画像に含まれる植物領域情報が植物の領域であることを表している画素に関連付けられたそれぞれの距離情報の値のヒストグラムを作成する。このヒストグラムは、距離画像に基づいて、太陽から直接的に到達する光(以下、「直達光」という)を葉が受ける面積(以下、「到達葉面積」という)を算出し、この到達葉面積を、植物の茎の頂点部分(茎頂部)から地上(例えば、植物が植えられている土壌や栽培ベッドの上の培地)に向かって順次集計したものである。また、このヒストグラムは、到達葉面積を、光源に近い側から遠い側に向かって順次集計したものであってもよい。
なお、到達葉面積は、上述した、距離情報を利用して植物群落の奥行き方向のそれぞれの距離に注目した葉面積(投影葉面積や形状分割葉面積)を算出する方法によって算出することができる。
なお、植物の茎頂部の位置の検出は、それぞれの距離画像に含まれる距離情報に基づいて行うことができる。例えば、距離画像内に一本の植物が含まれる、つまり、1枚の距離画像内に一本の植物が撮影されている場合には、距離画像に含まれる植物の領域内において距離情報の値が最も高い値を示している場所(つまり、画素の位置)を、植物の茎頂部の位置として検出することができる。ここでは、カメラ装置10が植物を上方から撮影しているため、距離情報の値が最も高い場所とは、カメラ装置10と植物との距離が最も近い距離を表している場所である。ただし、距離画像に含まれる距離情報の値が、地上の位置を基準とした値である場合、つまり、地上高からの高さの値である場合には、距離情報の値が最も高い場所とは、単純に最も遠い距離を表している場所である。
なお、葉面積算出部230が植物の茎頂部の位置を検出する方法は、上述した距離情報の値が最も高い場所を検出する方法に限定されるものではなく、様々な方法が考えられる。例えば、過去に撮影した複数枚の距離画像に含まれる同じ場所(画素)の距離情報の値同士の差分を算出し、この差分が最も大きい場所を茎頂部の位置として検出してもよい。また、例えば、距離画像に含まれる地上の位置(画素)の距離情報の値を基準とした、つまり、地上高を基準とした距離情報の値のヒストグラムを作成し、作成したヒストグラムにおいて値が高い方から予め定めた範囲(数%)内の距離情報の値が分布している場所を茎頂部の位置として検出してもよい。また、例えば、距離画像に対して画像処理を施し、最も小さい葉が生えている場所(つまり、画素の領域)を抽出するなどによって植物の茎の位置を検出し、その場所を茎頂部の位置として検出してもよい。また、例えば、植物の茎を予め定めた方向に向かわせるための誘引線が垂直方向に設置されている場合には、距離画像に対して画像処理を施して誘引線の画素を抽出し、その周辺の予め定めた範囲内の画素で距離情報の値が最も高い値を示している場所を茎頂部の位置として検出してもよい。
なお、葉面積算出部230は、距離画像内に複数の植物が含まれる、つまり、1枚の距離画像内に複数の植物が撮影されている場合には、複数の植物をまとめて処理してもよいし、それぞれの植物毎に茎頂部の位置を検出して1株毎に分離して処理してもよい。この場合には、植物の茎頂部あるいは、群落の最も高い位置から地上に向かって到達葉面積を順次集計したヒストグラムを作成する。また、光の到達葉面積を光源、つまり、太陽に近い側から遠い側に向かって順次集計する場合、上述したように、太陽の方向から直接撮影した距離画像を用いて、太陽に近い側から地上に向かって到達葉面積を順次集計したヒストグラムを作成してもよい。また、太陽の位置を計算によって求め、距離画像から得られた3次元の葉の分布の情報に対してレイトレーシング手法を用いて光の当たる部分を計算し、太陽に近い側から地上に向かって到達葉面積を順次集計したヒストグラムを作成してもよい。
そして、葉面積算出部230は、算出した光を受光している葉の分布の情報を、群落構造情報出力部240に出力する。群落構造情報出力部240は、葉面積算出部230から入力された植物群落内のそれぞれの植物が光を受光している葉の分布の情報を、群落構造の情報として生産者に提示する。
なお、植物群落構造解析システム1では、さらに、カメラ装置10によって植物を別の角度(側面など)からも撮影している場合には、この別の角度の距離画像に対して、予め定めた処理を施すことによって、実際の葉の面積に対して光を受光することができている葉の面積の割合を求めることもできる。
この場合、葉面積算出部230は、別の角度の距離画像から、植物領域情報が植物の領域であることを表している画素に関連付けられたそれぞれの距離情報の値のヒストグラムを作成する。このヒストグラムも、到達葉面積を、植物の茎頂部から地上、または光源に近い側から遠い側に向かって順次集計したものである。
そして、葉面積算出部230は、上方から撮影した距離画像から求めた葉の分布の情報と、別の角度(側面など)から撮影した距離画像から求めた葉の分布の情報とを組み合わせた葉の分布の情報を、群落構造情報出力部240に出力する。これにより、群落構造情報出力部240は、葉面積算出部230から入力された植物群落内のそれぞれの植物が複数の方向から光を受光している葉の分布の情報を、実際の葉の面積に対して光を受光することができている葉の面積の割合の情報(群落構造の情報)として生産者に提示する。
なお、植物群落構造解析システム1では、葉の分布に関する3次元の情報を利用することができる。このため、葉面積算出部230は、3次元の情報から葉の受光面の法線ベクトルを計算し、さらに、想定される入射光の角度、葉の反射率、屈折率、透過率などから葉の内部で利用される光量を推定して示すこともできる。このとき、葉面積算出部230が推定した葉の内部で利用される光量は、植物全体の総量として示してもよいし、1株毎に分離して計算した光量を数値として示してもよい。また、葉面積算出部230は、植物におけるどの位置の葉が光合成に貢献しているかを色分けして表した画像や、格子点上に示した数値またはグラフとして示してもよい。これらの方法によって、葉面積算出部230は、植物における葉の光の利用状況(利用効率)を生産者に提示することができる。
このように、本実施形態の植物群落構造解析システム1では、カメラ装置10が撮影した距離画像を、植物の葉が効率よく光を受光できているかを評価するためにも用いる。そして、植物群落構造解析システム1は、葉の分布の情報や葉の面積の割合の情報を群落構造の情報として提示する。これにより、生産者は、提示された葉の分布の情報や葉の面積の割合の情報に基づいても、植物の栽培環境を調節することができる。なお、植物群落構造解析システム1が測定した群落構造の情報に基づいて、例えば、環境調節装置30が自動で植物の栽培環境を調節する構成にしてもよい。
なお、植物群落構造解析システム1が群落構造の情報として生産者に提示する葉の分布の情報や葉の面積の割合の情報は、直達光を受ける葉のみを測定している。この測定方法による植物全体の光の利用効率の評価(植物の葉が効率よく光を受光できるかどうかの評価)は、従来から行われている評価方法とは異なるものである。これは、従来の方法による評価では、散乱光も含めて評価するのに対して、植物群落構造解析システム1では、直達光を受ける葉のみによる評価となるからである。しかし、一般的には、植物が利用する光の内、直達光の割合は75%程度であるといわれている。このことを考慮すると、植物群落構造解析システム1は、植物が利用する光の75%がどの葉に当たっているかという受光態勢の情報を、葉の破壊を伴わずに非破壊で容易に測定することができるシステムであり、有効な測定方法であると考えられる。また、必要に応じて、直達光を受ける葉のみを評価に利用した新たな評価基準の検討をすることもできる。
上記に述べたとおり、本発明を実施するための形態によれば、栽培している植物をカメラ装置で撮影すると共に、植物との距離を表す情報(距離情報)を関連付けた撮影画像(距離画像)を取得する。これにより、本発明を実施するための形態では、距離画像に基づいて、植物群落の奥行き方向に注目した群落構造を測定することができる。しかも、本発明を実施するための形態では、非破壊的な測定であるにもかかわらず、従来の非破壊的な測定のように、植物の光学的な性質を利用した測定ではない。このため、本実施形態では、天候の影響を受けることがない。そして、植物の葉が複雑に重なり合っている場合であっても、植物全体の光の利用効率の評価を正しく行うことができる。
また、本実施形態の植物群落構造解析システムでは、設置したカメラ装置による撮影を自動で行うことによって、長期間にわたって群落構造の測定を自動で行うことができる。これにより、本実施形態の植物群落構造解析システムを利用した植物の栽培では、測定した群落構造の情報を、植物を栽培する環境の管理、つまり、植物の栽培環境の自動的な制御に利用することができる。
なお、本実施形態においては、1台のカメラ装置10が撮影した距離画像に基づいて測定する構成について説明したが、複数台のカメラ装置のそれぞれが撮影した距離画像に基づいて、群落構造の測定を行う構成であってもよい。
また、本実施形態においては、赤外光による撮影によって、被写体(植物を含む)との距離を表す情報を得る構成について説明したが、植物を含む被写体との距離を表す情報(距離情報)を得る方法は、本実施形態において説明した方法に限定されるものではない。例えば、可視光によって撮影する2つのカメラ装置間の距離に応じた視差を利用して、植物やその他の被写体との距離を表す情報(距離情報)を得る構成であってもよい。
また、本実施形態においては、本発明の植物群落構造解析システム1を、温室で栽培する植物の群落構造の測定に利用した場合について説明した。しかし、本発明の植物群落構造解析システム1を、屋外の圃場で栽培する植物の群落構造の測定に利用することもできる。この場合、例えば、カメラ装置に防水機能を備えるなど、屋外の気象環境に適合させるための装備が必要になると考えられる。
また、本実施形態においては、本発明の植物群落構造解析システム1を構成する群落構造解析装置20の機能が、サーバー装置上で動作する構成について説明した。しかし、群落構造解析装置20の機能が動作する構成は、本実施形態において説明した構成に限定されるものではない。例えば、群落構造解析装置20の機能をカメラ装置10に備えた構成であってもよい。また、群落構造解析装置20の機能を環境調節装置30に備える構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
1・・・植物群落構造解析システム
10・・・カメラ装置(距離画像取得手段)
20・・・群落構造解析装置(群落構造解析手段)
210・・・画像取得部(群落構造解析手段)
220・・・植物領域抽出部(群落構造解析手段,植物領域抽出部)
230・・・葉面積算出部(群落構造解析手段,葉面積算出部)
240・・・群落構造情報出力部(群落構造解析手段,群落構造情報出力部)
30・・・環境調節装置(環境調節手段)
40・・・環境センサ

Claims (10)

  1. 植物を撮影し、該撮影した前記植物を含む被写体との距離を表す距離情報が関連付けられた距離画像を出力する距離画像取得手段と、
    前記距離画像に基づいて、前記被写体との距離に応じた前記植物の群落構造を示す値を算出する群落構造解析手段と、
    を備えることを特徴とする植物群落構造解析システム。
  2. 前記群落構造解析手段は、前記距離画像に基づいて、単位面積あたりに存在する葉面積を示す葉面積指数を前記植物の群落構造を示す値として算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の植物群落構造解析システム。
  3. 前記群落構造解析手段は、
    前記距離画像に含まれる前記植物の領域を抽出する植物領域抽出部と、
    抽出された前記植物の領域の面積を前記植物の葉面積として算出する葉面積算出部と、
    前記葉面積に基づいて算出した群落構造の情報を出力する群落構造情報出力部と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の植物群落構造解析システム。
  4. 前記葉面積算出部は、
    前記距離画像に含まれる前記植物の領域に関連付けられた前記距離情報に基づいて、前記距離画像取得手段と前記植物との距離毎に、前記葉面積を算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載の植物群落構造解析システム。
  5. 前記距離画像は、
    それぞれの画素毎、または予め定めた組み合わせの複数の画素毎に、前記距離情報が関連付けられている、
    ことを特徴とする請求項に記載の植物群落構造解析システム。
  6. 前記葉面積算出部は、
    前記植物を側面から撮影した前記距離画像に基づいて前記葉面積を算出する、
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の植物群落構造解析システム。
  7. 前記葉面積算出部は、
    前記植物を上方から撮影した前記距離画像に基づいて前記葉面積を算出する、
    ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1の項に記載の植物群落構造解析システム。
  8. 前記葉面積算出部は、
    前記距離画像に含まれる前記距離画像取得手段と前記植物との距離を表す前記距離情報に基づいて前記植物の茎頂部の位置を検出し、該検出した前記植物の茎頂部の位置の高さから、距離画像取得手段と前記植物との距離毎に前記葉面積を算出する、
    ことを特徴とする請求項に記載の植物群落構造解析システム。
  9. 前記植物を栽培する環境を調節する環境調節手段、
    をさらに備え、
    前記環境調節手段は、
    前記群落構造解析手段が算出した前記植物の群落構造の情報に基づいて、前記植物を栽培する環境を調節する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1の項に記載の植物群落構造解析システム。
  10. 植物を撮影し、該撮影した前記植物を含む被写体との距離を表す距離情報が関連付けられた距離画像を出力する距離画像取得手段と、
    前記距離画像に基づいて前記植物の群落構造を示す値を算出する群落構造解析手段と、を備え、
    前記群落構造解析手段は、
    前記距離画像に含まれる前記植物の領域を抽出する植物領域抽出部と、
    抽出された前記植物の領域の面積を前記植物の葉面積として算出する葉面積算出部と、
    前記葉面積に基づいて算出した群落構造の情報を出力する群落構造情報出力部と、
    を備え、
    前記葉面積算出部は、
    前記距離画像に含まれる前記植物の領域に関連付けられた前記距離情報に基づいて、前記距離画像取得手段と前記植物との距離毎に、前記葉面積を算出する、
    ことを特徴とする植物群落構造解析システム。
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