JP6489555B2 - センタリングピンの炉心格子への接続方法 - Google Patents

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Description

本発明は、加圧水型原子炉の原子炉圧力容器の炉心格子において核燃料要素のセンタリングのために使用されるセンタリングピンの接続アセンブリに関し、およびセンタリングピンの炉心格子への接続方法に関する。上記方式の原子炉は上部と下部の炉心格子を含み、その間に原子炉の核燃料要素が嵌め込まれる。下部炉心格子は、例えば水平に延びる多数のプレート、いわゆる置台プレートを含み、そこに核燃料要素が支持され、かつそこに一般的に2本のセンタリングピンが固定される。
センタリングピンはそれぞれ上記プレートの取付孔内に固定され、その場合、核燃料要素のセンタリングのために使用されるセンタリングピンの第1軸部分は、水平に延びて原子炉圧力容器の中心に向いているプレートの内側から垂直に突き出る。この軸部分は、最終組立状態において、すなわち例えば運転準備ができた原子炉において、核燃料要素脚部もしくは核燃料頭部にある開口部の中に突き出る。センタリングピンの第2軸部分は、プレートにセンタリングピンを固定するために使用され、その目的のためにプレートの取付孔内に挿入される。第2軸部分はその自由端末において半径方向に外側へ変形可能な固定部分に移行し、この固定部分は最終組立状態において孔から突き出て拡大された突出部を用いて、原子炉圧力容器の中心に向かう軸方向に形状接続を形成しながら、プレート内側の反対に向いた外側に後向きにかみ合わされる。
米国特許第5089215号によって知られている炉心格子において、炉心格子への取付のために、その長手方向中心軸に対して同軸に延びて、固定部分の領域に狭窄部を備えた孔が貫通するセンタリングピンが存在する。固定部分の拡大のために第1軸部分の側からマンドレル棒が孔内に差し込まれ、マンドレル棒は狭窄部を通過する際に固定部分の突出部を拡大し、その結果、センタリングピンは取付孔内に軸方向に固定される。半径方向に外へ向いた変形をマンドレル棒を用いて生じさせることができるように、狭くされた孔領域から半径方向に外側へ延びる切込溝および固定領域の外面から半径方向に内側へ延びる切込溝の形状による材料弱体部が設けられる。したがって周知のセンタリングピンは全体として非常に複雑で、高い製造費用でのみ実現可能な形状を備える。さらなる欠点は、固定部分の拡大のためにマンドレル棒を大きな力でセンタリングピンの狭窄部に差し込まなければならないことである。これはしばしば、マンドレル棒がセンタリングピン内に挟まれて動かなくなるか、または完全に折れてしまう事態をもたらす。
周知の炉心格子において、センタリングピンの固定領域は円周方向に延びる切込溝を備える。この切込溝は、その拡大の際に取付孔の方に向いた上記切込溝の壁がフック方式に基づいて取付孔の周縁に後向きにかみ合わされ、その際に孔周縁に押し付けられるような固定部分の軸方向位置に配置される。この措置態様において、切込溝の壁の軸方向位置は置台プレートの厚さに合わせなければならず、その結果として、異なる厚さを有するプレートに対応して設計されたセンタリングピンを作成しなければならないことは不利である。
周知の炉心格子のさらなる欠点は、センタリングピンを交換する場合、取付孔の周縁にフック状に後向きにかみ合わされた固定部分のために取付孔から取り外すことが困難でしかないことである。
本発明の課題は、上記の欠点に関して改善された、加圧水型原子炉の原子炉圧力容器の炉心格子において核燃料要素のセンタリングのために使用されるセンタリングピンの接続アセンブリを提示し、およびセンタリングピンの炉心格子への接続方法を提示することである。
この課題は、接続アセンブリに関して請求項1に記載の接続アセンブリによって解決され、および方法に関して請求項12に記載の方法によって解決される。
本発明に基づく接続アセンブリにおいて、軸方向に有効な形状接続がまだ存在しない予備組立状態において、固定部分は、その全長において単一外径を有する円筒の包絡面上に延びる外周面を備える中空円筒である。最終組立状態において、突出部は拡大工具を用いる拡大の結果として軸方向に有効な形状接続を形成して拡大される。
最初に中空円筒状に形成される固定部分の壁厚は、一方で半径方向の拡大が小さな力で可能であるように選択することができるが、それでもなおセンタリングピンがプレートの取付孔に確実に保持されるように配慮しなければならない。薄い壁厚は、拡大工具がセンタリングピンの中心孔を介して固定部分に通されず、その結果として固定部分に対して高コストで形成される中心チャネルの狭窄部と材料を弱体化する切込溝とを備える形状が必要でなくなる、という事実から得られる。本発明において、固定部分を形成するためにセンタリングピンの第2軸部分に正面側の軸方向孔のみが採用されるが、これは僅かな製作費で達成可能である。
固定部分がその全長において単一の外径を有する円筒の包絡面上に延びる外周面、または少なくとも対応する円周部分を備えることによって、センタリングピンは異なる厚みを有する置台プレートに問題なく固定することができる。プレートの厚さが増すことによって、突出部もしくはそれから拡大によって形成される円錐部の大きさが小さくなるだけである。
上述の形態の別の利点は、簡単な態様において、押圧具を使用して第1軸部分の方に向いた力を突出部に加えることによって欠陥のあるセンタリングピンを取付孔から取り外すことができることである。力を加えられた結果として突き出ている円錐部は、予備組当状態において持っていた元の形状に狭まりつつ取付孔の中に押し込まれ、最終的にこの取付孔から押し出される。このような措置は、センタリングピンとプレートとの間の周知の接続形態においては、ほぼ不可能である。
上述した利点は請求項12に記載の方法に関しても発生する。
本発明を添付図面に関連付けて詳細に説明する。
下部炉心格子が配置された加圧水型原子炉の下部の模式的な断面図を示す。 図1の部分IIを斜め上から見た斜視図を示す。 図2のIII−III線に対応する断面図を示す。 図3の部分IVを縦断面図において示し、同図はプレートの取付孔に軸方向に固定されたセンタリングピンを示す。 図4に対応する図であり、センタリングピンがまだ取付孔内で軸方向に固定されていない予備組立状態に該当する。 部分的に変更された固定部分を有するセンタリングピンの側面図を示す。 プレートの取付孔へのセンタリングピンの固定を明確にする部分的に断面図で表した模式図を示す。 プレートに固定されたセンタリングピンを図5の矢印VIIIの方向に見た底面図を示す。
加圧水型原子炉の原子炉は、中に垂直に延伸してかつ互いに平行に配置された多数の核燃料要素2が配置されている原子炉圧力容器1を含む(図1)。核燃料要素2はその下端もしくはその脚部が下部の炉心格子3によって支持され、その上端もしくはその頭部が上部の炉心格子(図示していない)によって支持される。以下の説明に関しては下部の炉心格子3が引用される。
特に図2および図3から分かるように、原子炉圧力容器1の中心に向いた下部の炉心格子3の内側に、以下略してプレート4と称する多数の置台プレートが配置される。プレート4は、互いに垂直に延伸する格子壁5a、5bによって構成される基礎格子6に対して垂直距離9を有して配置される。格子壁5a、5bはそれぞれセルもしくは流路7を取り囲み、その場合、それぞれの流路7は1つの核燃料要素2に割り当てられる。基本的に正方形のプレート4はそれぞれ格子壁5a、5bの交点に配置され、かつ脚部8を使用してこれらの格子壁に固定される。プレート4に2つのセンタリングピン10が固定される。
センタリングピン10は第1軸部分13と第2軸部分14に細分され、その場合、2つの部分間の過渡部は第2の部分に向いた半径方向の肩部15によって構成される。第1軸部分13は原子炉圧力容器1の中心に向いたプレート4の内側11から突き出て、核燃料要素2の固定もしくはセンタリングのために使用される。この目的のために第1軸部分13は核燃料要素脚部にある孔(図示していない)に係合される。上部の炉心格子(図示していない)においても状況は同様である。第2軸部分はプレート4を垂直に貫通する取付孔16の中に組み込まれる。その自由端17は半径方向の外側へ変形可能な固定部分18によって構成される。
第2軸部分14の長さはプレート4の厚さよりも大きい。したがって取付孔16に完全に組み込まれたセンタリングピン10において、突出部19を有する軸部分14もしくは固定部分18は、取付孔16もしくは原子炉圧力容器1の中心の反対側に向いたプレート4の外側20から突き出る。最終組立状態において、突出部19は半径方向の外側へ拡大され、それによって突出部19はほぼ切頭円錐の形状を呈し、およびそれによってセンタリングピン10は軸方向の形状接続によって取付孔16内に保持される。その場合、上記の形状接続は原子炉圧力容器1の中心に向いた軸方向23(図4)に効力を生じる。対向する軸方向24において、センタリングピン10はプレート4の内側11に接触する半径方向の肩部15に基づいて形状接続的に保持される。
固定部分18がまだ半径方向に外側へ拡大されていない予備組立状態において(図5)、固定部分18は、その全長において単一の外径26を有する円筒の外套面に延びる外周面27を備える中空円筒21である。これは優先的に第2軸部分14に該当する。外径26は取付孔16の直径28よりも僅かに小さく、その結果、第2軸部分14は優先的に取付孔16を遊びなしに貫通する。
突出部19の拡大は、さらに下に詳細に説明するように、プレート4の外側20から円錐体29として形成された拡大工具を用いて、拡大工具が中空円筒21内にもしくは中空円筒によって限定される挿入開口部32内に押し込まれることによって行われる。その際に必要な拡大工具の送り方向への力は、中空円筒21の壁22の小さい厚さに基づいて同様に小さい。拡大力または拡大の結果として生じる円錐部の強度を調整するために、壁の厚さを変更することができる。別の可能性は、壁22内を軸方向に延びて、場合によっては壁22を貫通する切込溝31を採用することである。
センタリングピン10は、一方が固定部分18の内部空間33に、他方が第1軸部分13の表面に開口している孔34を備える。孔34は優先的にセンタリングピン10の長手方向中心軸30に対して同軸に延伸し、かつ垂直方向に上へ流れる原子炉冷却媒体によって内部空間33が貫流されること、すなわち内部空間33が如何なるデッドスペースも構成しないことを生じさせる。それに比べて、孔34は固定部分18の突出部19の拡大に対して特別な意味も持たない。このことは、孔34の直径41が基本的に半径方向に外へ変形される固定部分18もしくは中空円筒21の内径42よりも小さいことからすでに明らかである。
突出部19’の拡大は、センタリングピン10の突出部19’が少なくとも1つの円周位置Uへ拡大され、およびそれによってセンタリングピン10とプレート4との間の形状接続が作り出されることによって行うこともできる。その場合、突出部は図8から察知されるような円形とは異なる断面形状を備える。上記の実施例において、元来の円形の突出部19’は側方に圧縮され、その際、突出部は少なくとも近似的に楕円形の断面形状を備える。
上述の接続アセンブリを形成するために、もしくはセンタリングピン10をプレート4に固定するために、センタリングピンは例えば遠隔操作装置を使用してその第2軸部分14を用いて予めプレート4の取付孔16に差し込まれる。固定部分18もしくはプレート4の外側20から突き出た突出部19の拡大は、例えば図7に極めて単純化して示した装置35を用いて行われる。この装置35は垂直に移動可能な昇降部36、例えば油圧シリンダを含み、それの下端に水平に延伸するブラケット37が固定される。昇降部36は、ブラケット37がプレート4を支持する2つの脚部8の間を通って延びるように移動される。次にプレート4の下部にあるブラケット37の自由端に、上側に拡大工具、すなわちすでに言及した円錐体29が配置される。昇降部36が上に移動した場合(矢印38)、円錐体29は固定部分18の挿入開口部32の中に差し込まれ、突出部19は円錐形状に拡大される。この拡大の過程でセンタリングピン10は上から対向保持具39を用いてプレート4の取付孔16の中に保持される。センタリングピン10を半径方向にガイドするためにプレート4の内側11の上に、垂直に延伸する孔43が貫通しているプレート状の桁板40が置かれる。孔43の直径は、センタリングピン10の第1軸部分13がその中に基本的に遊びなしに保持されるように寸法決めされる。
センタリングピン10の第1軸部分13は先細の円錐状端末部44を備え、この端末部44は、固定部分18の拡大の間、対向保持具39の垂直方向に下へ開口して相補的に形成されている収容部45の中に入る。桁板40の厚さは、センタリングピン10の第1軸部分13が完全に、または少なくとも部分的に孔43の内部に存在するように寸法決めされる。対向保持具39の収容部45を支える部分46は、この部分を基本的に孔43の中に遊びなしに差し込むことができるように形成される。センタリングピン10の炉心構脚3への取付は周知のように水の存在下で行われるので、センタリングピン10の円錐状端末部上に対向保持具39を乗せる際に収容部45の中に存在する水がこのプロセスを妨げないように配慮しなければならない。そのために対向保持具39の中に収容部45に開口する排水孔47が存在する。
図8に示した例において、上述の方法を同様に使用することができる。しかし、拡大工具は円錐体ではなく、例えばプライヤ工具(図示していない)として形成され、これを用いて予備組立状態において円形の突出部19’は側方に圧縮される。したがって最終組立状態において突出部19’は少なくとも近似的に楕円形の断面形状を呈し、その際、突出部19’は正反対にある2つの周囲位置U1、U2に拡大される。上記の位置において突出部19’はプレート4を貫通する開口部16の周縁に後向きにかみ合わされる。それによって、センタリングピン10はプレート4もしくは開口部16に形状接続的に固定される。

Claims (6)

  1. センタリングピン(10)が炉心格子(3)に存在するプレート(4)の取付孔(16)に固定される、加圧水型原子炉の原子炉圧力容器(1)の炉心格子(3)にセンタリングピン(10)を接続するための方法であって、
    a)第1軸部分(13)と第2軸部分(14)を有するセンタリングピン(10)が用意されるステップを含み、
    ・前記第1軸部分(13)は核燃料要素(2)をセンタリングするために使用され、
    ・前記第2軸部分(14)はその自由端(17)において半径方向に外側へ変形可能な固定部分(18)に移行し、
    ・前記第2軸部分(14)の長さは前記プレート(4)の厚さより大きく、
    前記方法はさらに
    b)前記センタリングピン(10)は、前記第1軸部分(13)が水平に延伸して前記原子炉圧力容器(1)の中心に向いた前記プレート(4)の内側(11)から突き出し、かつ突出部(19)を有する前記固定部分(18)が前記プレート(4)の前記内側(11)の反対に向いた外側(20)から突き出すように、その前記第2軸部分(14)を用いて前記取付孔(16)に垂直に挿入されるステップと、
    c)前記プレート(4)の前記外側(20)から前記突出部(19)に拡大工具が近づけられ、前記突出部(19)は前記拡大工具を用いて、前記突出部(19)が前記原子炉圧力容器(1)の中心に向いた軸方向(23)において形状接続を形成しながら、プレート(4)の前記外側(20)に後向きにかみ合わされるように拡大されるステップと、
    d)前記固定部分(18)の前記突出部(19)の拡大の間、センタリングピン(10)は対向保持具(39)を用いて前記取付孔(16)内に保持されるステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. その固定部分(18)が中空円筒(21)として形成されるセンタリングピン(10)が使用される、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  3. 前記中空円筒(21)の壁(22)は、前記突出部(19)を半径方向に拡大するための前記拡大工具が挿入される挿入開口部(32)を限定する、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  4. 拡大工具として円錐体(29)が前記挿入開口部(32)内に押し込まれる、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 前記突出部(19)は前記拡大工具を使用して少なくとも1つの円周位置に拡大される、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記突出部(19)は前記拡大工具を使用して側方に圧縮される、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
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