JP6489151B2 - 摺動構造体 - Google Patents
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Description
0.1D≦Y≦0.6D
の範囲に設定されていることが望ましい。
L1=1μm〜1mm
1μm≦L2≦L1
0.2L2≦X≦0.6L2
の範囲に設定されていることが望ましい。
0°≦α≦20°
−15°≦β≦15°
の範囲に設定されていることが望ましい。
h1=0.5μm〜2.0μm、
h2/h1=1.5〜5.0、
の範囲に設定されていることが望ましい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る摺動構造体を概略的に示す一部破断斜視図である。ここで例示する摺動構造体は、上記の第2の態様に相当する。摺動構造体は、第1部材1と、この第1部材1に対して相対移動する第2部材2とを含む。第2部材2は円柱体である。第1部材1は、第2部材2を収容する円柱型の空間を備え、その空間を区画する内周壁が第1摺動面1Sである。第2部材2の外周壁が第2摺動面2Sであり、この第2摺動面2Sは、第1摺動面1Sと所定の隙間を置いてY方向(第2部材2の径方向)に対峙している。
図2は、第1実施形態の摺動構造体における、ミクロテクスチャ構造部30の構成を示す、X方向に沿った断面図である。ここに例示しているミクロテクスチャ構造部30が備える複数の溝3は、X方向断面において大略的に鋸歯形状を形成している。溝3の各々は、第1摺動面1Sに最も近い部分である頂部31と、最も遠い部分である底部32と、頂部31と底部32との間の傾き面33と、傾き面33に形成された突起部34とを備える。傾き面33は、摺動方向H1(+X方向)の下流側(+X側)が深く、上流側(−X側)が浅くなる傾向を有する傾き面である。
ミクロテクスチャ構造部30による摺動浮揚の作用を効果的に発現させるためには、溝3のプロファイルを適正化する必要がある。このプロファイルにおいて重要となるのが、溝3の頂部31と第1摺動面1Sとの間の距離である最小隙間h1と、底部32と第1摺動面1Sとの間の距離である最大隙間h2との比である隙間比h2/h1である。また、最小隙間h1を、最適な範囲に設定することも肝要となる。この点を、図5を参照して説明する。
最小隙間h1=0.5μm〜2.0μm
隙間比m=h2/h1=1.5〜5.0
の範囲に設定することが望ましい。最大隙間h2、及び最大隙間h2と最小隙間h1との差分h2−h1である溝深さDは、h1及びmが設定されることにより、自ずと決定される。好ましい溝深さDは、(h1_min×m_min−h1_min)〜(h1_max×m_max−h1_max)より、0.25μm〜8.0μmの範囲である。
図7は、ミクロテクスチャ構造部30の溝3に備えられる突起部34の、好ましい態様を説明するための図である。ここでは、頂点341の高さ位置及び摺動方向の位置の好ましい範囲を示す。まず、頂点341の高さ位置について、摺動方向H1と直交する方向における、頂部31と底部32との間の距離をD(上述の溝深さD)、頂部31と突起部34の頂点341との間の距離をYとするとき、次の式(2)の範囲に設定されていることが望ましい。
0.1D≦Y≦0.6D ・・・(2)
L1=1μm〜1mm
1μm≦L2≦L1
0.2L2≦X≦0.6L2 ・・・(3)
図9は、第1実施形態の変形例1に係るミクロテクスチャ構造部30aを備えた摺動構造体の断面図である。上記の第1実施形態では、溝3の第1面3Aが第1摺動面1Sに対して直交する方向に延びる平面である例を示した。変形例1では、第1面3Aが前記直交する方向から傾いた面である溝3aを示す。
図10は、第1実施形態の変形例2に係るミクロテクスチャ構造部30bを備えた摺動構造体の断面図である。上記の第1実施形態では、突起部34の縦壁342は摺動方向H1と直交する方向に延び、横壁343は摺動方向H1と平行な方向に延びている例を示した。縦壁342は、前記直交する方向に対して若干の傾きを持っていても良く、また横壁343も、前記平行な方向に対して若干の傾きを持っていても良い。
0°≦α≦20°
−15°≦β≦15°
の範囲に設定されていることが望ましい。このように傾き角α、βの範囲を設定することで、突起部34の形状が適正化され、その結果として溝3bにより大きな浮揚力を生成させることができる。
図11は、第1実施形態の変形例3に係るミクロテクスチャ構造部30cを備えた摺動構造体の断面図である。上記の第1実施形態では、複数の溝3が摺動方向H1に密に連設されている例を示した。変形例3では、隣接する溝3間にプラトー(plateau)が設けられている例を示す。
第1実施形態では、X方向の断面において直線状に延びる第2摺動面2Sにミクロテクスチャ構造部30が設けられる例を示した。第2実施形態では、第2摺動面2S自体にも、マクロ的な浮揚構造が施与されている例を示す。図12(A)は、第2実施形態に係るミクロテクスチャ構造部30Aを備えた摺動構造体の断面図、図12(B)は、ミクロテクスチャ構造部30Aの拡大図である。
第3実施形態(及び第4実施形態)では、本発明に係る摺動構造体が、往復動ピストンエンジンの摺動部に適用される例を示す。図13は、往復動ピストンエンジンの、気筒軸AXに沿い且つクランク軸5と直交する方向の概略断面図である。往復動ピストンエンジンは、気筒41、クランク軸5及びコンロッド6を含む。
図15は、図13の要部拡大図であって、第4実施形態に係る摺動構造体を構成するコンロッド6の大端部62及びクランクピン52の結合部の断面図である。第4実施形態では、先に挙げた第3の態様の摺動構造体であって、大端部62がクランクピン52回りに回転摺動する摺動構造体に本発明が適用される例を示す。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、溝3の摺動方向H1の断面形状が鋸歯型のものを例示したが、傾き面33が摺動方向H1の下流側が深く上流側が浅くなる傾向を具備している限りにおいて形状を変形して良い。例えば、底部32が鋭角的なものとせず、R面としてもよい。また、傾き面33、突起部34の縦壁342及び横壁343が、緩やかな凸面又は凹面であっても良い。
1S 第1摺動面
2、21 第2部材
2S、21S 第2摺動面
30、30a、30b、30A、30B、30C ミクロテクスチャ構造部
3、3a、3b 溝
3A 第1面(下流側の溝壁)
3B 第2面
3U、3D 上流側縁部、下流側縁部
31 頂部
32 底部
33 傾き面
33A 第1傾斜面(底部を含む底壁)
34 突起部
341 頂点
342 縦壁
343 横壁
35 プラトー部
41 気筒
41A スラスト側内周壁(第1摺動面)
42 シリンダブロック(第1部材)
43 ピストン
45 スカート部(第2部材)
45SA 摺動面(第2摺動面)
5 クランク軸
52 クランクピン(第1部材)
52A 外周面(第1摺動面)
6 コンロッド
64 軸受けメタル(第2部材)
64A 内周面(第2摺動面)
F 潤滑性流体
L1 溝ピッチ
L2 溝幅
LA、LB、LC 第1部分、第2部分、第3部分
H1 摺動方向
Claims (10)
- 第1摺動面を有する第1部材と、
前記第1摺動面と対峙する第2摺動面を有し、前記第1部材に対して所定の摺動方向に相対移動する第2部材と、を備え、
前記第1摺動面と前記第2摺動面との間には潤滑性流体が介在され、
前記第2摺動面は、前記摺動方向と直交する方向に延びる複数の溝からなるミクロテクスチャ構造部を含み、
前記ミクロテクスチャ構造部の前記溝の各々は、前記摺動方向の下流側から上流側に向けて順次並ぶ、第1部分、第2部分及び第3部分を含み、
前記第1部分は、前記第1摺動面と前記第2摺動面との間を流通する前記潤滑性流体の乱流をトラップする領域、
前記第2部分は、前記流通する前記潤滑性流体の層流を確保する領域、及び、
前記第3部分は、前記潤滑性流体の前記層流を徐々に狭くなる空間に閉じ込めるための領域である、摺動構造体。 - 請求項1に記載の摺動構造体において、
前記溝は、前記摺動方向の下流側が深く上流側が浅くなる傾向を有し、
前記溝の、前記下流側と前記上流側との中間領域に、当該溝の前記第1摺動面に最も近い部分である頂部と最も遠い部分である底部とを結ぶ線よりも、前記第1摺動面の方向へ突出した突起部が形成され、
前記突起部が前記第2部分、前記溝の前記突起部よりも前記下流側の部分が前記第1部分、前記溝の前記突起部よりも前記上流側の部分が前記第3部分を各々構成する、摺動構造体。 - 請求項2に記載の摺動構造体において、
前記突起部は、前記下流側に前記摺動方向と直交する方向に延びる縦壁と、前記上流側に前記摺動方向に延びる横壁を各々有し、
前記第1部分は、前記縦壁と、前記底部を含む底壁と、前記下流側の溝壁とによって区画される領域であり、
前記第2部分は、前記横壁が存在する領域であり、
前記第3部分は、前記横壁の前記摺動方向上流端から前記第1摺動面に近づくように前記上流側へ延びる傾斜面からなる領域である、摺動構造体。 - 請求項2に記載の摺動構造体において、
前記溝は、当該溝の開口縁であって前記摺動方向の下流側縁部及び上流側縁部と、これら縁部の間に位置する最深の底部と、前記下流側縁部と前記底部との間の第1面と、前記上流側縁部と前記底部との間の第2面と、を含み、
前記第1摺動面は前記摺動方向と平行な面であり、
前記第1面は、前記第1摺動面に対する傾き角が70°〜90°の範囲の傾きを持つ面であり、
前記第2面は、前記第1面よりも緩い傾きを基調とする傾き面であって、前記突起部を有している、摺動構造体。 - 請求項4に記載の摺動構造体において、
前記摺動方向と直交する方向における、前記頂部と前記底部との間の距離をD、前記頂部と前記突起部の頂点との間の距離をYとするとき、次式
0.1D≦Y≦0.6D
の範囲に設定されている、摺動構造体。 - 請求項4に記載の摺動構造体において、
前記突起部は、当該突起部の頂点よりも前記下流側に縦壁を有し、
前記複数の溝が前記摺動方向に並ぶピッチをL1、前記摺動方向における各々の前記溝の前記下流側縁部と前記上流側縁部との間の距離をL2、前記摺動方向における前記溝の前記第1面と前記突起部の前記縦壁との間の距離をXとするとき、次式
L1=1μm〜1mm
1μm≦L2≦L1
0.2L2≦X≦0.6L2
の範囲に設定されている、摺動構造体。 - 請求項4に記載の摺動構造体において、
前記突起部は、当該突起部の頂点よりも前記下流側に縦壁を、前記上流側に横壁を各々有し、
前記摺動方向と直交する方向に対して前記縦壁がなす角をα、前記摺動方向に対して前記横壁がなす角をβとするとき、
0°≦α≦20°
−15°≦β≦15°
の範囲に設定されている、摺動構造体。 - 請求項1〜5、7のいずれか1項に記載の摺動構造体において、
前記複数の溝が前記摺動方向に並ぶピッチが、1μm〜1mmの範囲に設定されている、摺動構造体。 - 請求項2〜7のいずれか1項に記載の摺動構造体において、
前記頂部と前記第1摺動面との間の隙間を最小隙間h1とし、前記底部と前記第1摺動面との間の隙間を最大隙間h2とするとき、
h1=0.5μm〜2.0μm、
h2/h1=1.5〜5.0、
の範囲に設定されている、摺動構造体。 - 請求項9に記載の摺動構造体において、
最小隙間h1は、
前記第1摺動面の表面粗さ、若しくは、
前記第2摺動面が前記複数の溝間にプラトー部を有する場合には、前記第1摺動面及び前記プラトー部の表面粗さの合算表面粗さ
よりも大きい値に設定されている、摺動構造体。
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JP2017089415A JP6489151B2 (ja) | 2017-04-28 | 2017-04-28 | 摺動構造体 |
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JP4655609B2 (ja) * | 2004-02-05 | 2011-03-23 | 日産自動車株式会社 | 摺動部材 |
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2017
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