<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<情報処理システムが行う処理の概要>
まず、情報処理システム1が行う処理の概要について説明する。
情報処理システム1は、収穫前の果菜の収穫日を予測するシステムである。ここで、収穫前の果菜の収穫日は、当該果菜が出荷可能となる日のことである。なお、収穫後の果菜の収穫日は、当該果菜が収穫された日のことである。以下では、収穫後の果菜の収穫日と区別するため、収穫前の果菜の収穫日を予測収穫日と称して説明する。また、以下では、果菜の種類が、トマトである場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、情報処理システム1が予測収穫日を予測する対象の果菜であって収穫前の果菜を第1果菜F1と称して説明する。なお、果菜の種類は、トマトに代えて、茄子、胡瓜等の他の種類であってもよい。
情報処理システム1は、第1果菜F1の予測収穫日を予測する場合、撮像部に第1果菜F1を撮像させる。当該撮像部は、複数の波長の強度を含む撮像画像を撮像可能な撮像部である。以下では、一例として、当該複数の波長のそれぞれは、紫外領域〜赤外領域の範囲内に含まれる波長である場合について説明する。ここで、当該複数の波長の強度は、当該撮像部により撮像可能な範囲から当該撮像部に入射した光を構成する互いに波長の異なる複数の単色光それぞれの強度のことである。すなわち、当該撮像部により撮像された撮像画像上の各位置には、それぞれの当該位置に対応する受光素子であって当該撮像部が有する撮像素子上の受光素子が受光した光を構成する互いに波長が異なる複数の単色光それぞれの強度が対応付けられる。なお、当該複数の波長のそれぞれは、当該範囲内に含まれる波長に代えて、他の波長帯に含まれる波長であってもよい。
情報処理システム1は、当該撮像部により第1果菜F1が撮像された撮像画像を第1撮像画像として当該撮像部から取得する。情報処理システム1は、取得した第1撮像画像に基づいて、第1領域における各位置に対応付けられた複数の波長の強度を特定する。第1領域は、第1撮像画像の領域のうち第1果菜F1に対応する領域のことである。すなわち、第1領域における各位置に対応付けられた複数の波長の強度は、第1果菜の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度のことである。情報処理システム1は、複数の波長のそれぞれ毎に、当該各位置における強度の平均値を算出する。ここで、ある波長についての当該平均値は、当該各位置のそれぞれに対応付けられた当該波長の強度の合計を当該各位置の数(又は第1領域の面積)で除することによって算出される平均値のことである。情報処理システム1は、複数の波長のそれぞれ毎に算出した当該各位置における強度の平均値に基づいて、複数の波長の強度を示す分光スペクトルを第1分光スペクトルとして生成する。情報処理システム1は、生成した第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜F1の生育状態を示す指標値を第1指標値として算出する。
ここで、果菜の育成開始日から収穫日までの期間が果菜の生育環境に応じて変化しない場合、情報処理システム1は、算出した第1指標値が示す育成状態に基づいて、第1果菜F1の予想収穫日を予測することができる。例えば、稲作のように1年に1回しか収穫が行われない場合、ある1つの地域において1年に1回のみ行われる複数の果菜S1の育成では、当該地域内における気温差等の生育環境の違いをほぼ無視できるため、情報処理システム1は、算出した第1指標値が示す育成状態に基づいて、果菜S1の予想収穫日を予測することができる。果菜S1は、ある種類の果菜である。しかしながら、果菜は、1年において互いに異なる複数の時期のそれぞれ毎に繰り返し収穫が行われる場合がある。このような場合、果菜S1の育成開始日から収穫日までの期間は、果菜S1の育成時期毎の生育環境に応じて変化してしまう。例えば、ある1つの地域において複数の互いに異なる時期毎に繰り返し果菜を育成する場合、当該時期毎に当該地域の平均気温が変化してしまう。このため、果菜S1の生育環境における平均気温と、果菜S1の種類と同じ種類の果菜であって果菜S1を育成した時期と異なる時期に育成した果菜S2の生育環境における平均気温とが異なり、果菜S1の育成開始日から収穫日までの期間と、果菜S2の育成開始日から収穫日までの期間とは、異なる(一致しない)。ここで、情報処理システム1と異なる情報処理システムX(例えば、従来の情報処理システム)は、稲作のように1年に1回しか収穫が行われない状況を利用状況として想定しており、このような果菜の生育環境の違いについて考慮されておらず、収穫前の果菜の予測収穫日を精度よく予測することが困難な場合があった。
そこで、情報処理システム1は、第1果菜F1の生育環境を示す第1環境情報と、第1果菜F1の種類と同じ種類の第2果菜F2の生育状態を示す指標値であって経過時間に応じた第2指標値と当該経過時間との関係を表す予測情報であって第2果菜F2の生育環境を示す第2環境情報が対応付けられた予測情報と、算出した第1指標値とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する。第2果菜F2は、この一例において、第1果菜F1の育成を開始し始めるよりも前に収穫された果菜(すなわち、収穫後の果菜)のことである。また、この一例における第1果菜F1の種類がトマトであるため、第2果菜F2の種類は、トマトである。これにより、情報処理システム1は、第1果菜F1の生育環境が第2果菜F2の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜F1の予測収穫日を精度よく予測することができる。ここで、当該経過時間は、第2果菜F2の育成開始日から収穫日までの間における経過時間のことである。なお、当該育成開始日は、第2果菜F2の苗を植え付けた日であってもよく、第2果菜F2の生育状態が予め決められた状態になったとユーザーが判定した日であってもよく、第2果菜F2の観察を開始した日であってもよく、第2果菜F2に基づく第2果菜F2の収穫日よりも前の他の日であってもよい。
なお、情報処理システム1は、予測情報を生成する場合、撮像部に第2果菜F2を撮像させる。当該撮像部は、上記において説明した撮像部のことであり、複数の波長の強度を含む撮像画像を撮像可能である。情報処理システム1は、当該撮像部により第2果菜F2が撮像された撮像画像を第2撮像画像として当該撮像部から取得する。情報処理システム1は、取得した第2撮像画像に基づいて、第2領域における各位置に対応付けられた複数の波長の強度を特定する。第2領域は、第2撮像画像の領域のうち第2果菜F2に対応する領域のことである。すなわち、第2領域における各位置に対応付けられた複数の波長の強度は、第2果菜の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度のことである。情報処理システム1は、複数の波長のそれぞれ毎に、当該各位置における強度の平均値を算出する。ある波長についての当該平均値は、当該各位置のそれぞれに対応付けられた当該波長の強度の合計を当該各位置の数で除することによって算出される平均値のことである。情報処理システム1は、複数の波長のそれぞれ毎に算出した当該各位置における強度の平均値に基づいて、複数の波長の強度を示す分光スペクトルを第2分光スペクトルとして生成する。情報処理システム1は、生成した第2分光スペクトルに基づいて、第2果菜F2の生育状態を示す指標値を第2指標値として算出する。情報処理システム1は、このような第2撮像画像の撮像から第2指標値の算出までの処理を、第2果菜F2の育成開始日から第2果菜F2の収穫日までの間、予め決められた期間が経過する毎に繰り返し行う。当該期間は、24時間である。また、情報処理システム1は、当該間において当該期間が経過する毎に、前述の第2果菜の生育環境を示す第2環境情報を取得する。情報処理システム1は、取得した第2環境情報と、当該間において当該期間が経過する毎に算出された複数の第2指標値とに基づいて、第2指標値と前述の経過時間(すなわち、当該間における経過時間)との関係を表す情報である予測情報であって当該第2環境情報が対応付けられた予測情報を生成する。なお、当該期間は、24時間よりも短い期間であってもよく、24時間よりも長い期間であってもよい。
本実施形態では、上記において概要を説明した2つの処理である情報処理システム1が予測情報を生成する処理、及び情報処理システム1が第1果菜F1の予測収穫日を予測する処理について詳しく説明する。
<情報処理システムの構成>
以下、情報処理システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、撮像部11と、検出部12と、情報処理装置30と、入力装置33と、表示装置35を備える。また、情報処理装置30は、記憶装置32と、制御装置36を備える。なお、この一例における情報処理システム1では、それぞれが別体の記憶装置32と制御装置36とによって情報処理装置30が構成されているが、これに代えて、一体の記憶装置32と制御装置36とによって情報処理装置30が構成されてもよい。また、情報処理システム1では、情報処理装置30と、入力装置33と、表示装置35とのそれぞれが別体に構成されているが、これに代えて、情報処理装置30と、入力装置33と、表示装置35とのうちの一部又は全部が一体に構成されてもよい。
また、情報処理システム1では、撮像部11と検出部12とのそれぞれが、ネットワークNWを介して制御装置36と相互に通信可能に接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信網、専用線通信網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。なお、情報処理システム1では、撮像部11と検出部12とのうちいずれか一方又は両方が、ネットワークNWを介さずに情報処理システム1と無線又は有線によって相互に通信可能に接続される構成であってもよい。
撮像部11は、複数の波長の強度を含む撮像画像を撮像可能な前述の撮像部の一例であり、例えば、スペクトルカメラである。すなわち、撮像部11により撮像される撮像画像は、光スペクトル画像である。撮像部11は、撮像した撮像画像を制御装置36に出力する。ここで、当該撮像画像には、撮影日時を示す第1日時情報が対応付けられている。なお、当該撮像画像には、第1日時情報に加えて、他の撮像に関する情報等が対応付けられる構成であってもよい。また、撮像部11は、後述するスペクトル生成部365と同様の機能を有する構成であってもよい。この場合、撮像部11は、撮像した撮像画像に基づく分光スペクトルを生成し、生成した分光スペクトルを示す情報を制御装置36に出力する。
撮像部11は、収穫前の果菜を含む領域を撮像可能な位置に設置される。なお、撮像部11は、当該果菜が有する面のうちヘタを有する面を上面とし、当該上面と反対側の面を底面とした場合において、当該果菜の底面又は第1果菜F1の側面を撮像可能な位置に設置されることが望ましい。例えば、撮像部11が第1果菜F1を含む領域を撮像可能な位置に設置された場合、撮像部11は、制御装置36からの要求に応じて、当該領域を撮像する。そして、撮像部11は、当該領域が撮像された撮像画像、すなわち第1果菜F1が撮像された撮像画像を第1撮像画像として制御装置36に出力する。また、撮像部11が収穫前の第2果菜F2を含む領域を撮像可能な位置に設置された場合、撮像部11は、制御装置36からの要求に応じて、当該領域を撮像する。そして、撮像部11は、当該領域が撮像された撮像画像、すなわち第2果菜F2が撮像された撮像画像を第2撮像画像として制御装置36に出力する。なお、撮像部11は、1台のスペクトルカメラに代えて、複数のスペクトルカメラによって構成されてもよい。この場合、撮像部11は、複数のスペクトルカメラのそれぞれによって果菜(第1果菜F1又は第2果菜F2)の全面を撮像した複数の撮像画像を制御装置36に出力する。
検出部12は、検出部12が設置された位置の環境を示す環境情報を検出する。より具体的には、検出部12は、当該環境を示す物理量を当該環境情報として検出する。なお、検出部12は、当該環境を示す物理量を当該環境情報として検出する構成に代えて、当該環境を示す他の量を当該環境情報として検出する構成であってもよい。以下では、一例として、検出部12が、当該環境の気温を、当該環境情報として検出する場合について説明する。すなわち、検出部12は、この一例において、気温センサー(温度センサー)である。検出部12は、検出した気温を環境情報として制御装置36に出力する。この際、検出部12は、当該環境情報に、当該気温を検出した日時を示す第2日時情報を対応付ける。なお、検出部12は、当該環境の気温を検出する気温センサーに代えて、当該環境を示す他の物理量を検出する何らかのセンサーであってもよい。当該他の物理量は、例えば、湿度、日光の照射量等である。
検出部12は、収穫前の果菜の生育環境における気温を検出可能な位置に設置される。例えば、検出部12が第1果菜F1の生育環境における第1気温を検出可能な位置に設置された場合、検出部12は、第1果菜F1の生育環境における第1気温を、前述の第1環境情報として検出する。そして、検出部12は、検出した第1環境情報を制御装置36に出力する。また、検出部12が第2果菜F2の生育環境における第2気温を検出可能な位置に設置された場合、検出部12は、第2果菜F2の生育環境における第2気温を、前述の第2環境情報として検出する。そして、検出部12は、検出した第2環境情報を制御装置36に出力する。
記憶装置32は、この一例のように制御装置36と別体の場合、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。また、記憶装置32は、制御装置36と一体の場合、HDD、SSD、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。記憶装置32は、制御装置36が処理する各種情報や画像、各種のプログラム、各種のデータベース等を記憶する。
記憶装置32は、ケーブルによって制御装置36と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格によって行われる。なお、記憶装置32は、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって制御装置36と接続される構成であってもよい。
制御装置36は、例えば、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレットPC、ワークステーション、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)等である。なお、制御装置36は、これらに代えて、他の情報処理装置であってもよい。制御装置36は、情報処理システム1の全体を制御する。
制御装置36は、第1果菜F1の収穫日を予測する場合、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、撮像部11が撮像可能な範囲を撮像部11に撮像させる。ここで、当該場合、撮像部11は、第1果菜F1を含む領域を撮像可能な位置に設置されている。制御装置36は、撮像部11により第1果菜F1が撮像された第1撮像画像を撮像部11から取得する。制御装置36は、取得した第1撮像画像に基づいて、前述の第1領域における各位置に対応付けられた複数の波長の強度を特定する。制御装置36は、複数の波長のそれぞれ毎に、当該各位置における強度の平均値を算出する。制御装置36は、複数の波長のそれぞれ毎に算出した当該各位置における強度の平均値に基づいて、複数の波長の強度を示す分光スペクトルを第1分光スペクトルとして生成する。また、制御装置36は、検出部12が設置された位置における気温を環境情報として検出部12に検出させる。ここで、当該場合、検出部12は、第1果菜F1の生育環境における第1気温を検出可能な位置に設置されている。制御装置36は、検出部12により検出された第1環境情報を検出部12から取得する。
制御装置36は、生成した第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜F1の生育状態を示す第1指標値を算出する。また、制御装置36は、検出部12から取得した第1環境情報が示す第1気温と、第2果菜F2の生育状態を示す指標値であって経過時間に応じた第2指標値と当該経過時間との関係を表す予測情報であり、第2果菜F2の生育環境における第2気温が対応付けられた予測情報と、算出した第1指標値とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する。これにより、制御装置36は、第1果菜F1の生育環境が第2果菜F2の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜F1の予測収穫日を精度よく予測することができる。以下では、一例として、予測情報が、予測情報を表す関数、すなわち、当該経過時間の変化に応じた第2指標値の変化を表す関数である場合について説明する。なお、予測情報は、これに代えて、当該経過時間に応じた第2指標値と当該経過時間とを対応付けたテーブル等の当該経過時間に応じた第2指標値と当該経過時間との関係を表す他の情報であってもよい。
入力装置33は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド等である。なお、入力装置33は、これらに代えて、他の入力装置であってもよい。また、入力装置33は、表示装置35と一体に構成されたタッチパネルであってもよい。
入力装置33は、ケーブルによって制御装置36と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格によって行われる。なお、入力装置33は、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって制御装置36と接続される構成であってもよい。
表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイパネル、あるいは、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルを表示部として備えたディスプレイである。表示装置35は、制御装置36から取得した各種の画像を当該表示部に表示する。
表示装置35は、ケーブルによって制御装置36と通信可能に接続されている。ケーブルを介した有線通信は、例えば、イーサネット(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格によって行われる。なお、表示装置35は、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格により行われる無線通信によって制御装置36と接続される構成であってもよい。
<制御装置の機能構成>
以下、図2を参照し、制御装置36の機能構成について説明する。図2は、制御装置36の機能構成の一例を示す図である。
制御装置36は、撮像部制御部361と、検出部制御部362と、表示制御部363と、撮像画像取得部364と、スペクトル生成部365と、環境情報取得部366と、予測情報生成部367と、予測情報補正部368と、算出部369と、収穫日予測部370を備える。制御装置36が備えるこれらの機能部は、例えば、図示しないCPUが、制御装置36が内蔵する図示しないHDDやSSD等である記憶部又は記憶装置32に記憶された図示しない各種プログラムを実行することにより実現される。また、当該機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
撮像部制御部361は、撮像部11を制御し、撮像部11が撮像可能な範囲を撮像部11に撮像させる。
検出部制御部362は、検出部12を制御し、検出部12に気温を環境情報として検出させる。
表示制御部363は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、各種の画像を生成する。表示制御部363は、生成した画像を表示装置35の表示部に表示させる。
撮像画像取得部364は、撮像部11が撮像した撮像画像を撮像部11から取得する。そして、撮像画像取得部364は、取得した撮像画像を記憶装置32の記憶領域内に生成されたスペクトルDB321に格納する。撮像画像取得部364は、当該記憶領域内にスペクトルDB321が存在しない場合、スペクトルDB321を当該記憶領域内に生成する。図2に示した例では、撮像画像取得部364がスペクトルDB321に格納した撮像画像のうち、第1撮像画像を第1予測用データD11として示している。また、当該例では、撮像画像取得部364がスペクトルDB321に格納した画像のうち、第2撮像画像を第1予測情報生成用データD12として示している。
スペクトルDB321は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、スペクトルDB321に第1予測用データD11として格納された第1撮像画像上の領域のうち第1果菜F1に対応する第1領域の少なくとも一部における複数の波長の強度を示す第1分光スペクトルを生成する。また、スペクトルDB321は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、スペクトルDB321に第1予測情報生成用データD12として格納された第2撮像画像上の領域のうち第2果菜F2に対応する第2領域の少なくとも一部における複数の波長の強度を示す第2分光スペクトルを生成する。
環境情報取得部366は、検出部12が検出した環境情報を検出部12から取得する。そして、環境情報取得部366は、取得した環境情報を記憶装置32の記憶領域内に生成された環境情報DB322に格納する。図2に示した例では、環境情報取得部366が環境情報DB322に格納した環境情報のうち、第1気温を示す第1環境情報を第2予測用データD21として示している。また、当該例では、環境情報取得部366が環境情報DB322に格納した情報のうち、第2気温を示す第2環境情報を第2予測情報生成用データD22として示している。
予測情報生成部367は、後述する算出部369が算出した第2指標値であって経過時間に応じた第2指標値と、環境情報DB322に第2予測情報生成用データD22として格納された第2環境情報が示す第2気温とに基づいて、予測情報を生成する。
予測情報補正部368は、環境情報DB322に第2予測用データD21として格納された第1環境情報が示す第1気温に基づいて、予測情報生成部367が生成した予測情報を補正する。
算出部369は、スペクトル生成部365により生成された第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜F1の生育状態を示す第1指標値を算出する。また、算出部369は、スペクトル生成部365により生成された第2分光スペクトルに基づいて、第2果菜F2の生育状態を示す指標値であって経過時間に応じた第2指標値を算出する。
収穫日予測部370は、算出部369が算出した第1指標値と、予測情報補正部368が補正した予測情報とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する。
<制御装置が予測情報を生成する処理>
以下、図3を参照し、制御装置36が予測情報を生成する処理について説明する。図3は、制御装置36が予測情報を生成する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、撮像部11が第2果菜F2を含む領域を撮像可能な位置に設置済みであり、検出部12が第2果菜F2の生育環境における気温を検出可能な位置に設置済みである場合について説明する。また、以下では、制御装置36が、予測情報の生成処理を開始する操作をユーザーから受け付け済みである場合について説明する。
撮像部制御部361及び検出部制御部362は、前述の予め決められた期間が経過するまで待機する(ステップS110)。ここで、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、1回目のステップS110の処理において、例えば、予測情報の生成処理を開始する操作をユーザーから受け付けた時刻から当該期間が経過するまで待機する。また、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、2回目以降のステップS110の処理において、前回のステップS110の処理において当該期間が経過したと判定した時刻から当該期間が経過するまで待機する。当該期間が経過したと判定した場合(ステップS120−YES)、撮像部制御部361は、撮像部11が撮像可能な範囲を撮像部11に撮像させ、検出部制御部362は、検出部12が設置された位置における第2気温を第2環境情報として検出部12に検出させる(ステップS120)。そして、撮像部制御部361は、撮像部11が撮像した撮像画像を第2撮像画像として制御装置36に出力する。また、検出部制御部362は、検出部12が検出した第2環境情報を制御装置36に出力する。
次に、撮像画像取得部364及び環境情報取得部366は、第2取得処理を行う(ステップS130)。具体的には、撮像画像取得部364は、第2取得処理において、ステップS110において撮像部11が制御装置36に出力した第2撮像画像を撮像部11から取得する。また、環境情報取得部366は、第2取得処理において、ステップS110において検出部12が制御装置36に出力した第2環境情報を検出部12から取得する。
次に、撮像画像取得部364及び環境情報取得部366は、第2格納処理を行う(ステップS140)。具体的には、撮像画像取得部364は、第2格納処理において、ステップS130において撮像部11から取得した第2撮像画像をスペクトルDB321に第1予測情報生成用データD12として格納する。また、環境情報取得部366は、第2格納処理において、ステップS130において検出部12から取得した第2環境情報を環境情報DB322に第2予測情報生成用データD22として格納する。ここで、前述した通り、当該第2撮像画像には、第1日時情報が対応付けられている。このため、ステップS140では、撮像部制御部361は、時系列順に第2撮像画像をスペクトルDB321に第1予測情報生成用データD12として格納する。また、前述した通り、当該第2気温を示す情報には、第2日時情報が対応付けられている。このため、ステップS140では、環境情報取得部366は、時系列順に第2気温を示す情報を環境情報DB322に第2予測情報生成用データD22として格納する。
次に、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、本日が第2果菜F2の収穫日であるか否かを判定する(ステップS150)。ここで、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、本日が収穫日であることを示す情報をユーザーから受け付けることにより、本日が第2果菜F2の収穫日であると判定する。すなわち、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、ユーザーから本日が収穫日であることを示す情報を受け付けるまでの間、本日が第2果菜F2の収穫日ではないと判定する。本日が第2果菜F2の収穫日ではないと判定した場合(ステップS150−NO)、撮像部制御部361及び検出部制御部362は、ステップS110に遷移し、前述の予め決められた期間が経過するまで再び待機する。一方、本日が第2果菜F2の収穫日であると撮像部制御部361及び検出部制御部362が判定した場合(ステップS150−YES)、スペクトル生成部365及び算出部369は、スペクトルDB321に第1予測情報生成用データD12として時系列順に格納された複数の第2撮像画像のそれぞれ毎に、ステップS170〜ステップS190の処理を繰り返し行う(ステップS160)。以下では、説明の便宜上、ステップS160において選択された第2撮像画像を対象第2撮像画像と称して説明する。
ステップS160において対象第2撮像画像が選択された後、スペクトル生成部365は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、対象第2撮像画像上の領域のうち第2果菜F2に対応する第2領域においてユーザーが指定した領域である指定領域を特定する(ステップS170)。指定領域は、ユーザーにより指定される領域であって、第2領域における各位置のうち第2分光スペクトルを生成するために用いる複数の波長の強度が対応付けられた位置を含む領域のことである。ここで、ステップS170の処理について説明する。
例えば、ステップS160において対象第2撮像画像が選択された後、表示制御部363は、ユーザーから操作を受け付ける操作画面を生成し、生成した操作画面を表示装置35の表示部に表示させる。この際、表示制御部363は、操作画面に対象第2撮像画像を表示させる。図4は、操作画面に表示された対象第2撮像画像であってあるタイミングT1において撮像された対象第2撮像画像の一例を示す図である。以下では、一例として、タイミングT1が、ステップS110〜ステップS150の繰り返し処理が行われている間のうちの1回目のステップS120の処理が行われたタイミングである場合について説明する。図4に示した画像G1は、対象第2撮像画像の一例である。画像G1においてハッチングされた領域C1は、画像G1の領域のうち第2果菜F2に対応する第2領域を示す。ここで、ユーザーは、領域C1における所望の領域を前述の指定領域として指定することができる。表示制御部363は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、ユーザーが指定する指定領域を示す情報を領域C1上に表示させる。図4に示した枠WDは、指定領域を示す情報の一例である。すなわち、図4に示した例では、第2分光スペクトルを生成するために用いる複数の波長の強度は、領域C1における各位置のうち枠WDの内側に含まれる位置に対応付けられた複数の波長の強度である。なお、枠WDの形状は、長方形状であるが、円形状、楕円形状等の他の形状であってもよい。また、表示制御部363は、パターンマッチング等によって画像G1の領域のうち第2果菜F2に対応する第2領域を検出し、検出した第2領域内において白飛び又は黒潰れしていない領域を、ユーザーからの操作を受け付けることなく指定領域として決定する構成であってもよい。この際、指定領域の大きさ、形状等は、予め決められている構成であってもよく、当該領域に応じて変化する構成であってもよい。表示制御部363が枠WDを領域C1上に表示させた後、スペクトル生成部365は、領域C1のうち枠WDの内側に含まれる領域を指定領域として特定する。なお、指定領域は、領域C1の全体であってもよい。また、指定領域は、領域C1とともに画像G1の領域のうち領域C1以外の領域の少なくとも一部を含むことが可能な構成であってもよい。
ステップS170の処理が行われた後、スペクトル生成部365は、領域C1における各位置のうち表示制御部363が特定した指定領域における各位置のそれぞれに対応付けられた複数の波長の強度を特定する。スペクトル生成部365は、複数の波長のそれぞれ毎に、当該各位置における強度の平均値を算出する。スペクトル生成部365は、複数の波長のそれぞれ毎に算出した当該各位置における強度の平均値に基づいて、複数の波長の強度を示す分光スペクトルを第2分光スペクトルとして生成する(ステップS180)。そして、表示制御部363は、スペクトル生成部365が生成した第2分光スペクトルを前述の操作画面に表示させる。図5は、操作画面に表示された第2分光スペクトルの一例を示す図である。
図5に示した通り、タイミングT1において撮像された画像G1に基づいて生成された第2分光スペクトルは、波長が550nm程度に可視光のピークを有する。波長が550nm程度の可視光は、黄緑色として人間に認識される光である。すなわち、当該第2分光スペクトルからは、画像G1に含まれる第2果菜F2がまだ熟しておらず、タイミングT1が第2果菜F2の収穫時期ではないことが分かる。このような第2分光スペクトルは、第2果菜F2の生育状態に応じて変化する。また、当該生育状態は、前述の経過時間に応じて変化する。すなわち、第2分光スペクトルは、経過時間に応じて変化する。
例えば、図6は、タイミングT1よりも後のタイミングであるタイミングT2において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルの一例を示す図である。また、図7は、タイミングT2よりも後のタイミングであるタイミングT3において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルの一例を示す図である。図5〜図7を比較することにより、第2分光スペクトルにおける可視光の領域では、ピークが時間の経過とともに黄緑色に対応する波長から赤色に対応する波長の方へとシフトしていることが分かる。これは、第2果菜F2が経過時間に応じて熟していく過程を表している。
ここで、図5に示した強度C11は、タイミングT1において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が680nmの近赤外線の強度を示している。また、図5に示した強度C12は、タイミングT1において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が780nmの近赤外線の強度を示している。また、図6に示した強度C21は、タイミングT2において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が680nmの近赤外線の強度を示している。また、図6に示した強度C22は、タイミングT2において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が780nmの近赤外線の強度を示している。また、図7に示した強度C31は、タイミングT3において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が680nmの近赤外線の強度を示している。また、図7に示した強度C32は、タイミングT3において撮像された対象第2撮像画像に基づいて生成された第2分光スペクトルにおける波長が780nmの近赤外線の強度を示している。
図5〜図7それぞれの第2分光スペクトルにおける近赤外領域を見た場合、波長が680nm程度の近赤外線の強度は、経過時間に応じて大きく変化していることが分かる。また、当該場合、波長が780nm程度の近赤外線の強度は、経過時間に応じてほとんど変化していないことが分かる。これは、ユーザーが、当該近赤外領域の波長のうちの基準となる2つの波長として680nm程度の第1波長と780nm程度の第2波長を選択し、選択した第1波長及び第2波長に基づいた値を第2果菜F2の生育状態を示す指標値として用いることができることを意味している。制御装置36は、このような当該近赤外領域における第1波長と第2波長とに基づいて、第2果菜F2の生育状態を示す指標値を第2指標値として算出する。以下では、一例として、制御装置36では、第1波長として680nmが用いられ、第2波長として780nmが用いられる場合について説明する。なお、第1波長及び第2波長のそれぞれは、第2果菜F2の生育状態を示す値を算出可能な波長であれば第2分光スペクトルの全領域における他の波長であってもよい。
ステップS180の処理が行われた後、算出部369は、ステップS170においてスペクトル生成部365が算出した第2分光スペクトルに基づいて、上記の第2指標値を算出する(ステップS190)。具体的には、算出部369は、当該第2分光スペクトルにおける第1波長の強度と、当該第2分光スペクトルにおける第2波長の強度とに基づく正規化植生指数を第2指標値として算出する。ここで、当該第1波長の強度をV1、当該第2波長の強度をV2と表した場合、V1とV2に基づく正規化植生指数は、(V2−V1)/(V2+V1)によって算出される。なお、第2指標値は、正規化植生指数に代えて、V1とV2に基づく他の値であってもよい。この正規化植生指数は、時間の経過とともにV2がほぼ変化せずにV1が大きくなるため、第2果菜F2の生育状態が進むほど小さくなる。図8は、第2分光スペクトルにおける第1波長及び第2波長それぞれの強度に基づく正規化植生指数の時間的変化を表すグラフの一例を示す図である。当該グラフの縦軸は、第2指標値である正規化植生指数を示す。また、当該グラフの横軸は、前述の経過時間を示す。図8に示した曲線FC1は、当該時間的変化を表している。図8からは、第2指標値として用いる当該正規化植生指数が時間の経過とともに単調減少し、経過時間と一対一に対応付いていることが分かる。このため、第2指標値は、第2果菜F2の生育状態を示す値として望ましい。
ステップS190の処理が行われた後、スペクトル生成部365及び算出部369は、ステップS160に遷移し、未選択の第2撮像画像の中から次の対象第2撮像画像を選択する。なお、ステップS160において未選択の第2撮像画像が存在しない場合、予測情報生成部367は、ステップS200に遷移する。
以上のようなステップS160〜ステップS190の繰り返し処理により、制御装置36は、記憶装置32に第1予測情報生成用データD12として時系列順に格納された第2撮像画像のそれぞれ毎の第2指標値、すなわち、当該第2撮像画像のそれぞれに対応付けられた第1日時情報が示す日時毎の第2指標値を算出することができる。ステップS160〜ステップS190の繰り返し処理が行われた後、予測情報生成部367は、当該繰り返し処理によって算出された第2指標値であって当該日時毎の第2指標値に基づいて、当該日時毎の第2指標値の時間的変化を表す関数、すなわち経過時間の変化に応じた第2指標値の変化を表す関数を予測情報として生成する(ステップS200)。具体的には、予測情報生成部367は、図8に示した曲線FC1にフィッティングする関数を予測情報として生成する。この際、予測情報生成部367は、予測情報における経過時間を、収穫日までの残日数(又は残時間)に変換してもよく、変換しなくてもよい。以下では、一例として、予測情報生成部367が、予測情報における経過時間を、収穫日までの残日数に変換しない場合について説明する。また、予測情報生成部367は、環境情報DB322に第2予測情報生成用データD22として格納された複数の第2環境情報を記憶装置32から読み出す。そして、予測情報生成部367は、読み出した当該複数の第2環境情報のそれぞれが示す第2気温の平均値を算出する。予測情報生成部367は、算出した当該平均値を、生成した予想情報に対応付ける。なお、予測情報生成部367は、記憶装置32から読み出した当該複数の第2環境情報のうちの一部の第2環境情報のそれぞれが示す第2気温に基づく平均値等の当該複数の第2環境情報の少なくとも一部の第2環境情報のそれぞれに基づく他の値を、予測情報に対応付ける第2気温として用いる構成であってもよい。このようにして予測情報を生成した後、予測情報生成部367は、生成した予測情報を記憶装置32に記憶させ、処理を終了する。
以上のように、制御装置36は、予測情報を生成する。これにより、制御装置36は、生成した予測情報に基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測することができる。
<制御装置が第1果菜の収穫日を予測する処理>
以下、図9を参照し、制御装置36が第1果菜F1の予測収穫日を予測する処理について説明する。図9は、制御装置36が第1果菜F1の予測収穫日を予測する処理の流れの一例を示す図である。なお、以下では、撮像部11が第1果菜F1を含む領域を撮像可能な位置に設置済みであり、検出部12が第1果菜F1の生育環境における第1気温を第1環境情報として検出可能な位置に設置済みである場合について説明する。また、以下では、制御装置36が、第1果菜F1の予測収穫日の予測処理を開始する操作をユーザーから受け付け済みである場合について説明する。
撮像部制御部361は、撮像部11が撮像可能な範囲を撮像部11に撮像させ、検出部制御部362は、検出部12が設置された位置における第1気温を第1環境情報として検出部12に検出させる(ステップS210)。そして、撮像部制御部361は、撮像部11が撮像した撮像画像を第1撮像画像として制御装置36に出力する。また、検出部制御部362は、検出部12が検出した第1環境情報を制御装置36に出力する。
次に、撮像画像取得部364及び環境情報取得部366は、第1取得処理を行う(ステップS220)。具体的には、撮像画像取得部364は、第1取得処理において、ステップS110において撮像部11が制御装置36に出力した第1撮像画像を撮像部11から取得する。また、環境情報取得部366は、第1取得処理において、ステップS110において検出部12が制御装置36に出力した第1環境情報を検出部12から取得する。
次に、撮像画像取得部364及び環境情報取得部366は、第1格納処理を行う(ステップS230)。具体的には、撮像画像取得部364は、第1格納処理において、ステップS220において撮像部11から取得した第1撮像画像をスペクトルDB321に第1予測用データD11として格納する。また、環境情報取得部366は、第1格納処理において、ステップS220において検出部12から取得した第2環境情報を環境情報DB322に第2予測用データD21として格納する。
次に、スペクトル生成部365は、ユーザーから受け付けた操作に基づいて、スペクトルDB321に第1予測用データD11として格納された第1撮像画像上の領域のうち第1果菜F1に対応する第1領域において前述の指定領域を特定する(ステップS240)。ここで、ステップS240において指定領域を特定する処理は、ステップS170において指定領域を特定する処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、スペクトル生成部365は、ステップS240において特定した指定領域における各位置のそれぞれに対応付けられた複数の波長の強度を特定する。スペクトル生成部365は、複数の波長のそれぞれ毎に、当該各位置における強度の平均値を算出する。スペクトル生成部365は、複数の波長のそれぞれ毎に算出した当該各位置における強度の平均値に基づいて、複数の波長の強度を示す分光スペクトルを第1分光スペクトルとして生成する(ステップS250)。
次に、算出部369は、ステップS250においてスペクトル生成部365が算出した第1分光スペクトルに基づいて、上記の第1指標値を算出する(ステップS260)。ここで、ステップS260において第1指標値を算出する処理は、ステップS190において第2指標値を算出する処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、予測情報補正部368は、記憶装置32に予め記憶された予測情報を読み出す。予測情報補正部368は、読み出した予測情報を、環境情報DB322に第2予測用データD21として格納された第1環境情報が示す第1気温に基づいて補正する(ステップS270)。ここで、ステップS270の処理について説明する。
予測情報補正部368は、読み出した予測情報に対応付けられた第2気温の平均値を、環境情報DB322に第2予測用データD21として格納された情報が示す第1気温によって除した値を算出する。予測情報補正部368は、算出した当該値を、予測情報における経過時間(又は残日数に変換されている場合、残日数)に乗算することにより、予測情報を補正する。具体的には、第1気温をTP1とし、第2気温をTP2とし、予測情報を表す関数の横軸におけるある値をXとし、当該関数の縦軸における当該Xに応じた値をYとした場合、補正後の予測情報では、Yは、当該関数の縦軸における(TP2/TP1)×Xに応じた値となる。すなわち、この補正は、第2気温であるTP2に対して第1気温であるTP1が高い場合、第1撮像画像に対応付けられた第1日時情報が示す日時から第1果菜F1の予測収穫日までの残日数が短くなり、第2気温であるTP2に対して第1気温であるTP1が低い場合、当該日時から第1果菜F1の予測収穫日までの残日数が長くなることを反映している。
ステップS270の処理が行われた後、収穫日予測部370は、ステップS270において補正された予測情報における経過時間を、第2果菜F2の収穫日までの残日数に変換する(ステップS280)。具体的には、収穫日予測部370は、当該予測情報における経過時間の最大値を、当該予測情報における経過時間から差し引いて正の値にすることにより、当該経過時間を当該残日数に変換する。
次に、収穫日予測部370は、ステップS260において算出部369により算出された第1指標値と、ステップS280において変換された予測情報とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する(ステップS290)。ここで、図10を参照し、ステップS290の処理について説明する。
図10は、ステップS280の処理によって変換された予測情報における第2指標値の時間的変化を表すグラフの一例を示す図である。当該グラフの縦軸は、第2指標値である正規化植生指数を示す。また、当該グラフの横軸は、第2果菜F2の収穫日までの残日数を示す。図10に示した曲線FC2は、当該時間的変化を表している。収穫日予測部370は、ステップS260において算出部369により算出された第1指標値と同じ値の第2指標値に応じた当該残日数を、当該予測情報に基づいて特定する。図10に示した値Y1は、ステップS260において算出部369により算出された第1指標値と同じ値の第2指標値の一例である。収穫日予測部370は、値Y1に応じた当該残日数である残日数X1を、当該予測情報に基づいて特定し、残日数X1と本日の日付とに基づいて第1果菜F1の予測収穫日を特定する(すなわち、予測する)。
ステップS290の処理が行われた後、表示制御部363は、ステップS290において収穫日予測部370により予測された第1果菜F1の予測収穫日を表示装置35の表示部に表示させ(ステップS300)、処理を終了する。
なお、収穫日予測部370は、本日を含む期間であって本日から将来に向かう期間における日毎の予想気温を含む気象予測データを、ネットワークNWを介して当該気象予測データを記憶しているサーバーから取得可能な場合、当該期間における日毎の予想気温と、記憶装置32から読み出した予測情報とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する構成であってもよい。この場合、予測情報補正部368による予測情報の補正は、行われない。当該場合、収穫日予測部370は、記憶装置32から読み出した予測情報における経過時間を、第2果菜F2の収穫日までの残日数に変換する。収穫日予測部370は、変換した予測情報と、ステップS260において算出部369により算出された第1指標値とに基づいて、第1果菜F1の収穫日までの残日数を仮残日数として特定する。当該仮残日数を特定する方法は、ステップS290における第1果菜F1の収穫日までの残日数を特定する方法と同様の方法であるため、説明を省略する。以下では、一例として、仮残日数が10日である場合について説明する。収穫日予測部370は、特定した仮残日数である10日と、当該予測情報に対応付けられた第2気温とを乗算した値を第1閾値として算出する。ここで、環境情報取得部366は、特定した仮残日数よりも長い日数が本日から経過するまでの期間における日毎の予想気温を含む気象予測データを当該サーバーから第1環境情報として取得する。当該期間は、例えば、仮残日数の2倍の期間(2倍の期間よりも短い期間であってもよく、2倍の期間よりも長い期間であってもよい)であり、この一例において、20日である。そして、収穫日予測部370は、当該第1環境情報に基づいて、本日から当該20日が経過するまでの期間における日毎の予想気温を本日の予想気温から20日後の予想気温まで順に積算する過程において、前述の第1閾値を超える日を特定する。そして、収穫日予測部370は、当該日までの本日からの日数を、第1果菜F1の収穫日までの残日数として改めて算出する。収穫日予測部370は、算出した当該残日数と、本日の日付とに基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を特定する(すなわち、予測する)。これにより、制御装置36は、予測情報補正部368による予測情報の補正を行う場合よりも高い精度で第1果菜F1の収穫日を予測することができる。
以上のように、制御装置36は、予測情報に基づいて、第1果菜F1の予測収穫日を予測する。これにより、制御装置36は、第1果菜F1の生育環境が第2果菜F2の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜F1の予測収穫日を精度よく予測することができる。なお、上記において説明した制御装置36は、第1分光スペクトルと第2分光スペクトルとのうちいずれか一方又は両方を、他の装置から取得する構成であってもよい。
以上説明したように、上記の実施形態に係る情報処理装置30は、第1果菜(この一例において、第1果菜F1)の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度を示す第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜の生育状態を示す第1指標値を算出し、第1果菜の生育環境を示す第1環境情報と、第1果菜の種類と同じ種類の第2果菜の生育状態を示す指標値であって経過時間に応じた第2指標値と経過時間との関係を表す予測情報であり、第2果菜の生育環境を示す第2環境情報が対応付けられた予測情報と、算出した第1指標値とに基づいて、第1果菜の収穫日(この一例において、予測収穫日)を予測する。これにより、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30では、予測情報は、経過時間の変化に応じた第2指標値の変化を表す関数である。これにより、情報処理装置30は、経過時間の変化に応じた第2指標値の変化を表す関数である予測情報に基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30は、補正した予測情報と、算出した第1指標値とに基づいて、第1果菜の収穫日を予測する。これにより、情報処理装置30は、補正した予測情報と、算出した第1指標値とに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30は、第2気温を第1気温によって除した値を予測情報における経過時間に乗算することにより、予測情報を補正する。これにより、情報処理装置30は、第2気温を第1気温によって除した値を予測情報における経過時間に乗算することにより補正した予測情報に基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30では、第1指標値は、第1分光スペクトルに含まれる強度のうち基準となる2つの波長である第1波長と第2波長とのそれぞれの強度に基づく値であり、第2指標値は、第1果菜の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度を示す第2分光スペクトルに含まれる強度のうち第1波長と第2波長とのそれぞれの強度に基づく値である。これにより、情報処理装置30は、第1分光スペクトルに含まれる強度のうち基準となる2つの波長である第1波長と第2波長とのそれぞれの強度に基づく値である第1指標値と、第1果菜の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度を示す第2分光スペクトルに含まれる強度のうち第1波長と第2波長とのそれぞれの強度に基づく値である第2指標値とに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30では、第1指標値は、第1分光スペクトルに含まれる強度のうちの第1波長の強度と第2波長の強度とに基づく正規化植生指数であり、第2指標値は、第2分光スペクトルに含まれる強度のうちの第1波長の強度と第2波長の強度とに基づく正規化植生指数である。これにより、情報処理装置30は、第1分光スペクトルに含まれる強度のうちの第1波長の強度と第2波長の強度とに基づく正規化植生指数である第1指標値と、第2分光スペクトルに含まれる強度のうちの第1波長の強度と第2波長の強度とに基づく正規化植生指数である第2指標値とに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30では、第1波長と第2波長のうちの少なくとも一方は、近赤外領域の波長である。これにより、情報処理装置30は、少なくとも一方が近赤外波長である第1波長と第2波長とに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30は、撮像部(この一例において、撮像部11)が撮像した第1撮像画像に基づいて、第1分光スペクトルを生成する。これにより、情報処理装置30は、撮像部が撮像した第1撮像画像に基づいて生成された第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30では、撮像部は、スペクトルカメラであり、第1撮像画像は、光スペクトル画像である。これにより、情報処理装置30は、スペクトルカメラである撮像部が撮像した光スペクトル画像である第1撮像画像に基づいて生成された第1分光スペクトルに基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
また、情報処理装置30は、第2果菜の表面の少なくとも一部において反射された反射光を構成する複数の波長それぞれの単色光の強度を示す第2分光スペクトルに基づいて、第2果菜の生育状態を示す指標値であって経過時間に応じた第2指標値を算出し、第2果菜の生育環境を示す第2環境情報と、算出した第2指標値であって経過時間に応じた第2指標値とに基づいて、第2指標値と経過時間との関係を表す情報である予測情報であって第2環境情報が対応付けられた予測情報を生成する。これにより、情報処理装置30は、生成した予測情報に基づいて、第1果菜の生育環境が第2果菜の生育環境と異なる場合であっても、第1果菜の収穫日を精度よく予測することができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
また、以上に説明した装置(例えば、情報処理装置30)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。