JP6486840B2 - 煙道ガスからの水銀の除去のための、硫化第一鉄懸濁液の使用 - Google Patents

煙道ガスからの水銀の除去のための、硫化第一鉄懸濁液の使用 Download PDF

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Description

本発明は、煙道ガス中の汚染物質の浄化に関する。本発明のより具体的な実施形態は、煙道ガスから水銀を除去するための、アルカリ性の硫化第一鉄懸濁液を含む湿式ガススクラビング液、および、湿式ガススクラビング液を用いて煙道ガスから水銀を除去する方法に関する。さらに、本発明は、硫化第一鉄懸濁液の製造方法および方法に関する。
石炭燃料ボイラーからの汚染物質の排出は、大きな環境問題である。特に、水銀は、低濃度でも神経毒であるため、これらの石炭源からの大気中への水銀の排出は、人間の健康および環境への脅威としてますます注目を集めている。水銀は異なる石炭源において様々な濃度で含まれているため、石炭の燃焼により大気中に放出される水銀の総量は、施設によって大きく異なる。
石炭の燃焼中に、水銀は、元素水銀(Hg)の形で煙道ガス中に放出される。燃焼ガスが冷却されると、水銀の一部は、ガス流中においてイオンまたは酸化水銀(Hg2+)に変換される。その結果、水銀は、大気中に放出されるガス流中において、元素水銀(Hg)、イオンまたは酸化水銀(Hg2+)、あるいは、ガス流中の微粒子すなわちフライアッシュ上に結合した水銀(Hg(p))、という3つの形態をとり得る。
元素水銀(Hg)から他の形態の水銀への変換は、いくつかの要因に依存する。ガス流の冷却速度、ハロゲン種または硫黄種の存在(例えば塩素、臭素、SO 2−)、フライアッシュの組成および量、非燃焼カーボンの存在、および、設置されている大気汚染防止装置の除去効率が挙げられるが、これらには限定されない。これらの種々のパラメータの複雑な相互作用を考慮すると、最終的に大気中に放出される水銀の形態は、総水銀の10%から90%の間、5%から15%の間、および、10%から90%の間で、それぞれ、元素、イオン、および、粒子に結合した種、に変化する。
排気流に乾燥吸着剤を投入し、後続する静電集塵や布フィルタのような粒子状物質の制御装置によって、水銀および他の汚染物質を、煙道ガス流から捕獲し除去することができる。これらのシステムは、まとめて「乾式スクラバー」システムと呼ばれる。水銀除去のための公知の乾燥吸着剤のうち、活性炭及びカルシウム系吸着剤は最も活発に研究され、最も商業的に広く使用されている。
排気流に乾燥吸着剤を投入し、後続する、静電集塵や布フィルタのような粒子状物質の制御装置によって、水銀および他の汚染物質を、前記ガス流から捕獲し除去することができる。乾燥吸着剤の技術に基づくシステムは、まとめて「乾式スクラバー」システムと呼ばれている。水銀除去のための公知の乾燥吸着剤のうち、活性炭及びカルシウム系吸着剤は最も活発に研究され、最も広く商業規模で使用されている。
現在、水銀排出量削減のための乾式スクラバーシステムにおいて最も一般的に使用される吸着剤は、石炭火力および石油火力発電所の煙道ガス流に粉末活性炭(PAC)を投入することである。粉末活性炭(PAC)は、イオンまたは酸化水銀種(Hg+2)の捕獲に有効であるが、粉末活性炭は、特に亜瀝青炭石炭や亜炭の燃料源を使用する施設からの煙道ガスにおいて、水銀種の多くの割合を構成し得る元素水銀(Hg)を除去するにはあまり有効ではない。PACに臭素種を組み合わせる、または含浸させることによって、これらのシステムにおける元素水銀(Hg)の捕集効率を高めるための努力がなされてきた。
乾式スクラバーシステムにおいて水銀除去のために使用されている他の吸着剤の例としては、Biermannらによる米国公開特許第2003/0103882号明細書、及び、Lovellらによる米国特許第6,719,828号明細書に開示されているものが含まれる。これらには、例えば粘土層の間に金属硫化物が挿入された、粘土などの層状吸着剤の製造について開示されている。乾式吸着剤を投入することによる水銀捕捉のためのその他の特許は、基板上あるいは基板内に薄く化学化合物を積層することによる、吸着剤の調製に基づく。
これらのタイプの吸着剤はゾル−ゲル誘導体を含む基板を用いることが、Edmistonによる米国特許第7,790,830号明細書、Edmistonによる米国特許第8,119,759号明細書、および、Edmistonによる米国特許第8,217,131号明細書に開示されている。Pateによる米国特許第8,088,283号明細書、Shankleによる米国特許第8,412,664号明細書、および、Krogueらによる米国特許第8,197,687号明細書には、メソ多孔質支持体上の自己組織化単分子層を用いることが開示されており、Lovellらによる米国特許第7,288,499号明細書には、フィロケイ酸塩、または、その他の種々の基板を用いることが開示されている。これらの米国特許に加えて、Yangらによる米国特許7,575,629号明細書、および、Yangらによる米国特許7,704,920号明細書には、基板表面に水不溶性の金属硫化物を形成する硫化物塩に接触したときに、金属イオンを放出することができる金属塩であれば、どんな金属塩でも、水銀を除去するために効果的な乾燥吸着剤の製造に使用することができる、ということが開示されている。
煙道ガスから水銀を除去するための、乾式スクラバーに用いられるこれらの吸着剤の製造および使用は、複雑であり、かつ高価である。
水銀および他の有毒なガス状汚染物質の環境への放出を減少させるために使用されるスクラバーシステムの別のタイプは、一般に「湿式スクラバー」と呼ばれる。湿式スクラバーシステムでは、汚染物質を捕捉し除去するために、汚染ガスを液体とともに噴霧することにより、汚染ガスを液体プールを通過させることにより、あるいは、他の接触方法のいずれかによって、汚染ガスを洗浄液と接触させる。これらの湿式スクラバーで使用する液体組成物は、除去の対象となる汚染物質によって異なる。例えば、湿式排煙脱硫装置(WFGD)において、二酸化硫黄(SO)のような酸性ガスを除去する場合、石灰石(CaCO)、カルシウムもしくはマグネシウムの酸化物または水酸化物、または他の混合物を含む吸着剤スラリーが主に使用される。
元素水銀は、水にはほとんど溶けない(約50μg/L)。したがって、湿式スクラバーシステムでは、元素水銀を効果的に除去できない。したがって、湿式スクラバーの上流において煙道ガス中のHgを酸化してHg2+にすることによって、下流の湿式スクラバーシステムによる全体的な水銀除去効率を向上する。
気相酸化は、動力学的に制限されているので、いかなるHgでもHg2+に酸化し、いかなるHg2+でもHgに還元されること(時には「再変換」または「再放出」と呼ばれる)を防ぐ必要性、そして、最終的に湿式スクラバープロセスにおいてHg2+を補足することは、水銀除去のために必須である。
ガス流中の他のイオン種とスクラバー液との反応はまた、湿式スクラバーシステムのHg2+の除去能力、および、Hg2+をHgに再変換する範囲に重大な影響を有する。2006年8月28〜31日にメリーランド州ボルチモアで行われた、EPRI−DOE−EPA−AWMA複合発電所大気汚染物質コントロールメガシンポジウムにおいて、B.Ghorishiらによる「湿式スクラバーによる水銀の分離における硫化物の役割」では、ひとたびHg2+が溶液に溶解しイオン化すると、それはスクラバースラリー中の他の溶解成分と反応する可能性があることを述べた。著者らは、二価の鉄(Fe2+)のような不純物の場合、Hg2+のHgへの還元が、以下の反応によって発生する可能性がある、と理論立てた。
2Fe2++Hg2+ → Hg+2Fe3+ (1)
さらに、水性硫化物イオンの存在下で、イオン又は酸化水銀(Hg2+)はHgSとして析出し、Hg2+を以下の反応によって不溶性の固体として効果的に隔離できること、を理論立てた。
HS +Hg2+ ←→ HgS↓ +H (2)
(1)及び(2)の反応は、湿式スクラバーシステムで同時に発生する。そのため、再放出(再変換)されるHgの総量は、「水銀の還元反応間の競合」と、Hg2+のHgSとしての沈殿とに依存する。スクラバー液中のFe2+濃度が1300ppm以下の場合、全ての水銀はHgSの形態であり、したがって、Hgの再放出は生じない。Fe2+濃度が高く(1300ppm以上)、そしてpHが高い(>4)の場合、高い傾向で、水銀はHgとして再放出される。
上記の研究に基づいて、Downsらによる米国特許第6,284,199号明細書、Nolanによる米国特許第6,503,470号明細書、及び、Nolanらによる米国特許第6,855,859号明細書には、それぞれ、不純物としてスクラバー液中に存在する遷移金属によって還元される前に、気/液界面における、イオン又は酸化水銀(Hg2+)の再放出(再変換)の可能性を最小限にする方法が開示されている。
イオン化(酸化)水銀の吸着および析出のための湿式スクラバーにおいて、水性硫化物イオン源を供給して、気/液界面で酸化水銀と反応させる様々な手段は、空気と硫化水素との混合物を注入すること(Downsらによる米国特許6,284,199号明細書)、または、硫化廃水、クラフト苛性液、クラフト炭酸液、硫化カリウム及び硫化ナトリウムから選択されるスクラバー液に水性硫化種を添加することが含まれる。Hg2+のHgへの再変換をさらに抑制するために、Nolanらによる米国特許第6,855,859号明細書によれば、水性硫化物イオンによるHg2+の処理に先だって、スクラバー液に酸化剤を最初に添加することによって、煙道ガス中に存在するいかなるHgをHg2+に変換する、追加のステップが開示されている。
湿式スクラバーシステムによる酸素除去メカニズムに関する従来技術は、水性硫化物イオンによるイオンまたは酸化水銀(Hg2+)の吸着に基づいている。これらの場合、吸収は、吸収されるガス流中に存在する原子、分子、またはイオンが、バルク(液体)相の体積に(取り込まれる)現象である。一方、「吸着」とは、原子、イオン、または分子が、気体、液体、または溶解固形物から、別の固体表面へ付着(結合)する物理的な現象である。吸着による結合の正確な性質は、関連する種に依存するが、吸着プロセスは、一般に、物理吸着(弱いファンデルワールス力の特性)、化学吸着(共有結合の特性)、または他のタイプの静電気引力に分類される。換言すれば、吸着は、ある相中に元々存在する物質を、別の相(通常は液体)中に溶解させ、バルク液体や気体から固体表面上に、原子、イオン、または分子の蓄積である対向吸着することによって、その相から除去するプロセスである。
湿式スクラバーシステム内の環境は動的であるので、煙道ガス流からの水銀の除去は複雑である。有効な水銀除去方法では、煙道ガス流中の水銀と、湿式スクラバーに入る煙道ガスに含まれる他の種々のイオン、化学複合体、または化学化合物との間に存在する様々な平衡状態について考慮しなければならない。
水銀や他の種々のイオン、化学複合体、または化学化合物を含む煙道ガスは、ひとたび湿式スクラバーに入ると、煙道ガス流からの水銀の除去の達成は、排ガスを含む水銀と、湿式スクラバー内に存在する(または生成した)固体、液体、および気相との間の相互作用の結果である平衡条件を同時に制御することを前提としている。
本発明は、不溶性の硫化水銀の沈殿を形成することによって、主に吸着剤への水銀の吸着に基づく乾式スクラバーにおいて吸着剤を用いることの欠点、および、スクラバー液中の水性の硫化物イオンによる水銀の吸着に基づく湿式スクラバーシステムの欠点を解決する。
以下の説明によって明らかにされる本発明の様々な特徴、特性、および実施形態によれば、本発明は、元素と酸化水銀を含む工業用ガスから水銀を除去するための試薬を提供する。その試薬は硫化第一鉄懸濁液を含み、次の工程によって製造される。
a)少なくともNaAlOとNaOHとを含む苛性副産物を含むが、これに限定されない任意の水溶液と、FeCl,HClと水を含む酸性液を含むが、これに限定されない任意の水溶液とを反応させ、Al3+,Fe2+,Cl,Na,ClおよびHOを含む反応混合物を得る。
b)工程a)の反応混合物に硫化物源を加えて、FeSとAl(OH)とを少なくとも含む硫化第一鉄懸濁液を形成する。硫化物源はNaHSを含むがこれに限定されない。
本発明は、以下の方法を含み、水性硫化第一鉄懸濁液を含む湿式スクラバーシステム内において、元素または酸化水銀を含む工業ガスから水銀を分離する方法を、さらに提供する。
a)スクラバー内において、気−液界面を形成し、少なくとも1つの方法によって、工業ガスを、水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液と接触させる。
i)工業用ガスから、水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液中の硫化第一鉄または水酸化アルミニウムの表面に酸化またはイオン水銀を吸着する。
ii)酸化またはイオン水銀を、水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液中に初めに存在したまたは反応により生成した(水)酸化鉄上に吸着させる。
iii)気−液界面で、酸化またはイオン水銀を硫化水銀として沈殿させる。
b)これにより、工業用ガスからの水銀排出量は削減される。
本発明はさらに、湿式ガススクラバーに用いられる湿式スクラバー液組成を提供する。湿式スクラバー液は以下の工程によって生成される。
a)少なくともNaAlO及びNaOHを含む溶液と、FeCl、HClおよび水を含む酸性液とを反応させて、Fe2+、Cl、NaClおよびHOを含有する反応混合物を形成する。そして
b)工程a)の反応混合物にNaHSを加えて、少なくともFeSとAl(OH)とを含む硫化第一鉄の懸濁液を形成する。
本発明は、添付の図面を参照して説明されるが、この例のみに限定されない。
図la及び図lbは、それぞれ「単一セル」およびFeSの「シート」を表す。 図2aおよび図2bは、それぞれ「単一セル」、およびメタシナバーの「シート」(β−HgS)を表す図である。 図3は、概して、本発明の一実施形態による煙道ガスから水銀を除去する方法を示す図である。 図4は、二重の湿式FGDスクラバーシステムを有する石炭焚きボイラーの概略図である。
一実施形態によれば、本発明は、水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液、水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液を製造するための方法、および水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液を使用した、煙道ガス中に含まれる水銀の捕集および除去のための方法を提供する。
アルカリ性硫化第一鉄懸濁液は、石炭火力や油焚きボイラーで生成された煙道ガスのための湿式スクラビング液(すなわち「湿式ガススクラビング液」)として使用することができる。
一実施形態によれば、アルカリ性硫化第一鉄懸濁液は、鉄イオン源(例えばFeCl)、硫化物イオン源(例えばNaHS)及び、アルカリ源(例えばNaOH)を化学結合させることにより生成される。別の実施形態によれば、アルカリ性硫化第一鉄懸濁液は、さらに水酸化アルミニウムを含む。
本発明の硫化第一鉄懸濁液は、最小限に可溶性である。コロイド懸濁液を、トータルでの水銀除去可能性を促進するために用いることのできる湿式FGDスクラバーシステムは、これらに限定されないが、ベンチュリスクラバー、スプレースクラバー、サイクロンスプレースクラバー、オリフィススクラバー、衝突スクラバー、充填層スクラバー等を含む。
複雑な化学反応、沈殿、共沈、および表面吸着を組み合わせることによって、本発明の水酸化アルミニウムを含む硫化第一鉄懸濁液は、同時に水銀の再放出を防止しながら、ガス流から水銀を効果的に除去することができる。
酸化された(またはイオン性)水銀は、元素の形に戻って変換されるときに、湿式FGDに亘って、水銀の再放出が発生し、その後、スタック(煙突)の排出における総水銀量を増やしながら、プロセス流に戻る。
本発明の過程で、発明者らは、驚くべきことに、水酸化アルミニウムを含有し、最小限に可溶性の硫化第一鉄(FeS)を含む液体懸濁液が、Hg2+のHgへの再変換を最小限に抑えながら、吸収と吸着機構の両方で効率的かつ経済的にHg2+を除去できることを見出した。
鉄イオン源(例えばFeCl)、アルミニウムイオン源(例えばAl(OH),NaAlO)、硫化物イオン源(例えばNaHS)、およびアルカリ源(例えばNaOH)をさまざまなモル比で組み合わせることにより、結果的に得られる、FeSおよび水酸化アルミニウム粒子を含有するアルカリ懸濁液は、ガス流からの水銀の除去に好適な効率的かつ経済的な湿式スクラバー液を提供する。
鉄イオン、アルミニウムイオン、硫化物イオン、およびアルカリ源をさまざまなモル比で組み合わせることにより、結果的に得られるアルカリ懸濁液は、前述したイオンのさまざまな組み合わせを含み、このようにして生成されたFeS及び水酸化アルミニウム粒子と平衡状態にある。煙道ガスからの水銀の除去を制御する支配的なまたは主要なメカニズム(複数可)は、所望する特定の処方に基づいて異なっていてもよい。したがって、支配的なまたは主要なメカニズム(複数可)についての以下の議論は、以下に示す煙道ガスからの水銀除去を制御すると考えられ、限定されるものと考えられてはならない。
本発明において、しばしば「マッキナワイト(mackinawite)」,「不規則マッキナワイト」,「アモルファス硫化第一鉄」として言及される硫化第一鉄は、以下の反応によって別個に形成される。
FeS ←→ Fe2+ + S2− (3)
硫化第一鉄が形成されている環境に依存して、溶解度積(Ksp)が1×10−3と 1×10−5 との間になる。これはHgSの溶解度積(Ksp=3×10−52)よりも数桁大きいので、湿式スクラバーシステム内に存在する(または形成される)Hg2+の存在下で、HgSの形成が好ましく急速となる。金属硫化物が沈殿物を形成する任意の金属があれば、最小限に可溶性の硫化第一鉄の固体粒子の形態で硫化物イオンを供給することによって、Hg2+および他の金属を析出するために必要な化学量論量だけの硫化物が、湿式スクラバー液に入る。
従来技術と比較して、本発明の1つの利点は、Hg2+を沈殿させるために必要な硫化物の必要量に対して、「過剰」または「過少」投与の可能性を削減できることである。
スクラバー液中に放出される硫化物の濃度を制御する平衡メカニズムと同時に、同じ平衡メカニズムはまた、スクラバー液中のFe2+イオンの濃度の制御に貢献する。
上述した反応(3)にしたがえば、硫化物イオンの1モルがスクラバー液中に放出される(要求される)と、1モルのFe2+もまた放出されるので、Fe2+濃度は同時に制御され、特に、高い酸素排ガス濃度の存在下で、任意のHg2+から(Hg)への還元電位は、上記(1)の反応によって小さくなる。
図laおよびlbは、それぞれ、「単一セル」およびFeSの「シート」を表す。これらの図では、各鉄イオンは、各硫黄イオンに「4方向(four-way)」配位していることに留意されたい。
図2aおよび2bは、それぞれ「単一セル」と「メタシナバー(β−HgS)のシート」を表す。これらの図では、FeSと同様に、各水銀イオンが各硫黄イオンに「4方向(four-way)」配位していることに留意されたい。
図1a,1bおよび2a、2bの2つの構造が非常に似ているが、重要な違いは、FeSはシートを形成し、一方、メタシナバー(β−HgS)は「バルク沈殿物」となる傾向があり、シートは形成しない。
水銀は、メタシナバー(β−HgS)の形成中に、FeSと反応して溶解する。
このように、本発明の他の利点は水性Hg2+の除去に加えて、それらを水性硫化物イオンと組み合わせることによって不溶性のHgSを形成し、吸収して沈殿させることにある。本発明はまた、FeS粒子表面に吸着させることによってHg2+の除去を促進する。
Hoon Y. Jeongらによる「合成ナノ結晶マッキナワイト(FeS)による二価水銀イオンの収着」 Environ. Sci. Technol. 2007 (41), 7699-7705,において、著者らは、吸収に加えて、吸着機構はまた、水溶液からHg2+の除去に寄与する、と結論づけている。
除去メカニズムは、Hg2+とFeSとの相対濃度に依存する。モル比[Hg2+]/[FeS]が0.05と低い場合、吸着は、Hg2+の除去の原因となる。モル比が増加するにつれて、吸着容量が飽和し、その結果HgSが沈殿する。HgSの沈殿と同時に、FeSから放出されたFe2+は、酸性pH範囲では吸着機構、および、基本の中性pHでは鉄(水)酸化物として吸着または沈殿することによって、再吸収される。その後、基本の中性pHで形成された、鉄(水)酸化物の沈殿物は、Hg2+吸着剤として働くことができる。
従って、提案された、Hg2+をFeSに結合するためのメカニズムは、以下の反応により、メタシナバー(β−HgS)の沈殿とHg2+のFeS表面への吸着(≡FeS)に影響を与えると、考えられている。
FeS(s)+Hg2+←→β-HgS+Fe2+ (4)
≡FeS+Hg2+←→≡FeS−Hg2+ (5)
本明細書では、吸着が、表面錯体(低い表面被覆率で)および、表面沈殿(高い表面被覆率で)を含むが、これに限定されるものではなく、固−液界面でのHg2+の蓄積の原因となるすべてのプロセスを包含することを意味する。
本発明は、継続的に、リアルタイムでのスクラバー液体の水銀除去効率を最適化するために、鉄(II)イオン源、硫化物イオン源、およびアルカリ源のモル比を調整する能力を提供する。懸濁液中の不溶性のFeSの濃度を調整する能力、原料の化学量論、pH、又は両方の組み合わせを調整することにより、第一鉄イオン(または硫化物イオン)の指定された濃度のスクラバー溶液を生成する能力は、湿式煙道ガススクラバー操作に、固有の柔軟性を提供する。
湿式スクラバーにおいて硫化第一鉄によって煙道ガス流から水銀を除去するために提案された、前述のメカニズムに加えて、アルミニウム酸化物または水酸化物の存在(例えば、アモルファスAl(OH)3(s)、ギブサイト、バイヤライト)もまた、湿式スクラバーシステムでの煙道ガスから水銀を除去するのに有効である。
本発明の一実施形態によれば、硫化第一鉄懸濁液は、アルミニウム陽極酸化処理施設の苛性副産物から製造することができる。アルミニウムの陽極酸化施設におけるこの方法によれば、固体アルミニウムは、つぎのようにNaOH浴中で洗浄される。
2A1(S)+2NaOH+2HO ←→ 2NaAlO + 3H2(g) (6)
最終的に、浴はNaAlOで飽和になり、その時点で水酸化アルミニウム(Al(OH))が以下の反応に基づいて沈殿する。
2NaAlO+4HO ←→ 2Al(OH)3(s)+2NaOH (7)
この第二の反応が発生し、システムを汚損する前に、陽極酸化浴はリサイクルのために送られる。本発明の目的のための苛性副産物は、NaAlO、NaOH及びおそらくAl(OH)3(s)の飽和混合物である。
pHを最終的に約8にするために、苛性副産物に、酸性液(主にFeCl、HClおよび水の混合物)が、必要量混合されている。
[Fe2++2Cl]+[H+Cl]+[Na+Al3++2O ]+
2[Na+OH]+[H+OH] ←→
Fe2++Cl+Al(OH)3(s)+3NaCl+2OH (8)
最終的に得られた混合Al(OH)3(s)は、アモルファスAl(OH)、ギブサイトまたはバイヤライトとして沈殿する。「NaCl」は「強酸/強塩基反応」の結果として形成され、そして、第一鉄イオン(Fe2+)は、主に溶液中にある。
硫化水素ナトリウム(NaHS)は、得られた混合物に添加される。無限数の可能性があるが、本発明者らは、下記の反応が最も可能性があると考える。形成された固体生成物の水の量は、反応物の初期化学量論量および最終pHに依存する。
Fe2++Cl+Al(OH)3(s)+3NaCl+2OH+[Na+H+S2−] ←→ FeS(s)+Al(OH)3(s)+4NaCl+HO+OH
NaClの溶解度は高い(360g/L)ので、ナトリウムイオンと塩化物イオンが水相中で最も可能性がある。乾燥時には、NaClは岩塩(NaCl)として沈殿する。「水酸化アルミニウム」の一部は沈殿物の形態である(例えば、アモルファスAl(OH)3(s)、ギブサイト、バイヤライト)。先に述べたように、FeS(S)の形態は、時には「マッキナワイト」、「無秩序マッキナワイト」、「アモルファス硫化第一鉄」と呼ばれる。添加されるNaHSの化学量論量に依存して、過剰の水性硫化物(S2−)または第一鉄イオン(Fe2+)が存在するかもしれない。
個々の固相の濃度は、多くの環境要因(例えば、pH、温度、存在する他のイオンなど)に依存する。本発明に係る「水酸化アルミニウム相」について、ほとんどの湿式スクラバーはpHが5から7の間で運転されるので、任意の水酸化アルミニウムは、低い溶解度積を示す固体粒子生成物(Kspおよそ1×10−7 および1×10−8)として存在する。
Christopher S. Kimらによる「水銀(II)の、鉄およびアルミニウム−(水)酸化物への吸着についてのEXAFS研究:I.pHの影響」,コロイドおよび界面科学ジャーナル271 (2004),1-15、およびChristopher S. Kim らによる「水銀(II)の、鉄およびアルミニウム−(水)酸化物への吸着についてのEXAFS研究:II.塩化物および硫化物の影響」コロイドおよび界面科学ジャーナル270 (2004),9-20において、Hg2+はコーナー共有二座配位子、および、エッジ共有二座配位子錯体としてバイヤライト構造を構成する、Al(O,OH)八面体へ強く吸着する。Hg2+の吸着は、典型的な湿式スクラバーシステムに存在する塩化物及び硫化物イオンの存在下で、阻害されたり促進されたりする。
著者は、バイヤライトおよび塩化物濃度(Cl>10−3)の存在、およびpH6の下で、水性Hg2+の一部は、水性Hg2+のHgへの還元が促進されるバイヤライトの表面に吸着されていないこと、そして、HgCl2(S)(塩化第一水銀)またはHgCl2(aq)種の構成をとっていること、を示している。本発明によれば、このHgCl2(S)またはHgCl2(aq)種の構成は、式(1)から(4)に基づいて、Fe2+によるHg2+のHg(0)への完全還元を抑制および阻害することによって、湿式スクラバーにおける全体的な除去効率が利益を得ることができること、を示している。
さらに、著者は、硫化物イオン(SO 2−)の存在下で、バイヤライトはHg2+の吸着表面被覆率を促進することを述べている。彼らは、それは、Hg2+の吸着を静電的に阻害する、表面の正電荷を効果的に減少させることによって、バイヤライト表面に硫化物イオンが吸着または蓄積することによる効果であると想定した。
要約すると、硫化第一鉄懸濁液中のFeS部分は、HgSとしての溶解および/または再沈殿によって、またはHg2+とFeS表面のスルフヒドリル基(例えば≡FeS−Hg)との結合を介して、HgS(s)の形成を促進する。これが発生すると、硫化第一鉄と硫化水銀との酸化と溶解反応が著しく低減される。バイヤライトに関しては、硫酸イオンは、バイヤライト表面でのHg2+の直接的な吸着/蓄積を促進する傾向がある。塩化物は、Hg2+のバイヤライトへの表面取り込みを減少する傾向があるが、水相中のHgCl2(s)の形成は、Hg2+からHgへの完全還元、及び、水銀再放出のポテンシャルを最小限とすることにより、全体的に有益である。
図1は、本発明の一実施形態による、煙道ガスから水銀を除去するためのプロセスの概略図である。図1に示すように。第一鉄イオンの供給源(例えば、FeCl)4、硫化物イオンの供給源(例えば、NaHS)5、及びアルカリ源(例えば、NaOH)6は、硫化第一鉄粒子のアルカリ性懸濁液を生成するために一体に連結される。硫化第一鉄粒子のアルカリ性の液体懸濁液は、湿式ガススクラバー1において通過する煙道ガス流2を洗浄されたガス流3とするための、湿式スクラバー液として使用される。
図1に示すプロセスは、湿式スクラビング液中の、不溶性の硫化第一鉄(FeS)濃度のリアルタイムでの制御/調整が可能となるように、鉄イオン源、硫化物イオン源およびアルカリ源のモル比の制御/調整を可能にする。
本発明は、以下の非限定的な例を参照して説明される。この例は本発明の一実施例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、硫化第一鉄懸濁液について、燃焼250MWの瀝青炭の微粉炭ボイラーを有する施設で試験を行った。ボイラーは、NOを制御するSCR、粒子状物質を除去するバグハウス、及びSOの放出制御用の。湿式排煙脱硫(FGD)ユニットを利用している。試験の配置は図3に示されており、各スクラバーの作業容積は約30,000ガロンである。
この例の開始時、60ガロンの硫化第一鉄懸濁液は、各ポンプの吐出口にポンプで注入される。また、各スクラバーシステムに硫化第一鉄懸濁液を、6gpmの速度でポンプで供給した。各スクラバーシステムそれぞれの側の循環ポンプの出口に60ガロンの硫化第一鉄懸濁液を注入するために約10分かかった。
硫化第一鉄懸濁液をスクラバー塔に導入してから5分以内には、Hgの全体的な傾向としてHg CEMSから大幅に低下した。60ガロンの硫化第一鉄懸濁液を、スクラバーシステムにポンプ導入開始してから2時間後に、注入を停止した。
硫化第一鉄懸濁液を導入開始した後、試験は、メンテナンスチャージ状態で行われた。スタックHg濃度はベースライン(平均1.3lb/TBtu)値以下に下がって、導入開始後2時間の監視の間、〜0.1μg/dscmで安定した。Hg測定値がベースラインの50%まで増加するのが観測されたとき、メンテナンスチャージは、およそ0.7gpmという最も低い注入率で、硫化第一鉄懸濁液をポンプによって注入することによって始まった。懸濁剤が排出されるまで、硫化第一鉄懸濁液の注入維持を5時間続けた。EPA参照メソッド30Bを適用した、スタックHg試験は、10:45から13:20の間に3回行われた。試験結果は下記の表1に示す。
表1に示すように、煙道ガスの処理の無い、スタックHg(T)のベースラインは、平均して〜1.3 lb/TBtuであった。Hgの再放出が57.1%と算出され(Hg(0)部分は、スクラバー全体で平均して57.1%増加した)、そして、全体的なHg(T)の除去効率は平均で79.1%であった。
硫化第一鉄懸濁液を注入している間、3回のメソッド30Bは、スタックHg(T)に対し、平均して0.46 lb/TBtuになった。Hgの再放出カラムは、3つのマイナス数(−28.7%、−81.5%と−84.0%)を示した。これは、スクラバーの中のHg再放出の課題が完全に除かれたことを示す。そして、全体的なHg(T)除去効率は13%向上し、平均して92.3%と算出された。
実施例2
本実施例では、実施例1で使われたものと同じ250MWの瀝青炭の微粉炭ボイラーに、さまざまな量の硫化第一鉄懸濁液を注入した。
最初の基本的な水銀試験は以下の通りであった:
2013年7月11日には、全体的な水銀除去効率は76.5パーセントであった。FGD入口におけるHgの自然酸化が88.7%であったが、試験結果は、水銀の再放出に起因して、湿式FGDに亘るHgOの実質的な増加(56%)を示した。
2013年7月25日には、全体的な水銀除去効率は75.0パーセントであった、そして、湿式FGD入口でのHgの自然酸化は98.3パーセントであった。試験結果は、再び、湿式FGDに亘る水銀の再放出の実質的な増加(1,200%)を示した。
最終的に、2013年11月11日に、全体的な水銀除去効率は87.8パーセントであった。湿式FGD入口でのHgの自然酸化は97.0%であった。HgOは239%増加した。
湿式FGDに亘る水銀の再放出に起因するHgの大きな増加は、ユニットが、ベースライン動作条件で、来るべきMATS規制制限の1.20lb/TBtuの遵守を証明するのに十分な水銀の再放出レベルを達成するのを防いだ。
2013年11月12日に、パラメータ試験のために、硫化第一鉄懸濁液の一連の注入が実行された。試験の目的は、二つある。まず第一に、硫化第一鉄懸濁液の注入が、湿式FGDを通じてHgを安定させることができるかどうかを決定するためであり、第二に、スタックHgの定常制御を提供するための、硫化第一鉄懸濁液の必要な最小注入速度を推定するためである。
本実施例で使われる硫化第一鉄懸濁液の注入速度目標は、2台のFGDスクラバモジュールのそれぞれに、1時間につき40、20、10および5ガロン(gph)とした。各々の注入速度で定常状態が達成された後(注入開始から〜1.5時間後)、試験は、EPAメソッド30Bに従ってHgの3つの測定をした。
2013年11月12日に、硫化第一鉄懸濁液を40gph/スクラバーの速度で注入した。全体的な水銀除去効率は95.1%であった。総水銀が10.99lb/TBtuから0.59lb/TBtuに減少し、Hgの割合は0.90lb/TBtuから0.40lb/TBtuに減少した。結果として、硫化第一鉄懸濁液を注入することで、水銀再放出の問題を効果的に解決し、MATSコンプライアンス制限である、スタック(煙突)における1.2lb/TBtu以内に水銀放出レベルをもたらすことが示された。
2013年11月19日に、硫化第一鉄懸濁液を、20gph/スクラバーの速度で注入した。全体的な水銀除去効率は96.1パーセントで、総水銀は9.6lb/TBtuから0.46lb/TBtuに減少した。Hgの割合は1.08lb/TBtuから0.30lb/TBtuに減少した。ここでも、硫化第一鉄懸濁液を注入することで、20gphにおけるMATSコンプライアンス以内の排出レベルをもたらした。
さらに低い注入量でMATSコンプライアンスを達成できるかどうかを決定するために、11月19日の試験の間、硫化第一鉄懸濁液を、10gph/チャンバーの速度で注入した。この注入速度で、全体的なHg除去効率は97.3%であった、総水銀は8.55lb/TBtuから0.33lb/TBtuに減少した。そして、Hgの割合は0.93lb/TBtuから0.23lb/TBtuに減少した。MATSコンプライアンスを実証するために、10gphの速度で硫化第一鉄懸濁液の注入を続けた。
11月20日、コンプライアンスを達成するための最適速度を確立するために、硫化第一鉄懸濁液を、5gph/スクラバーの速度で注入した。全体的な水銀除去効率は95.8パーセントであり、総水銀は9.88lb/TBtuから0.50lb/TBtuに減少した。そして、Hgの割合は0.84lb/TBtuから0.31lb/TBtuに減少した。この低い注入速度であっても、硫化第一鉄懸濁液は、<1.2lb/TBtuのMATSコンプライアンス限界の範囲内で、ボイラースタックの放出をうまくもたらした。
本実施例で行った試験結果を以下の表2に示す。
これらの試験から、5gphという最も低い注入速度であっても、硫化第一鉄懸濁液が湿式FGD全体で元素水銀の見た目の増加なしで酸化水銀を安定させるように見えたと述べることができる。
そのうえ、硫化第一鉄懸濁液の注入は、システム全体の水銀除去効率を改善して、全スタック水銀をMATS限界の1.2lb/TBtuよりおよそ60%低く下げた。
これらの結果は、長期に持続的に注入することで、硫化第一鉄懸濁液の注入速度の更なる縮小が達成できるかもしれないことを示す。
これらの試験の結果は、硫化第一鉄懸濁液が、水銀スタックの排出量を低減するための費用効果が高い方法、および、来たる石炭火力施設でのUSEPA MATS限界についてのコンプライアンスの達成を提供する能力を有していることを証明する。
本発明は、特定の手段、材料および実施形態に関して説明されたが、これらの説明から、当業者は本発明の重要な特徴を容易に確かめることができる。そして、上述した説明および添付の特許請求の範囲に記載された、本発明の思想と範囲から逸脱することなく、様々な用途および特性に適応させるために、いろいろな変更及び修正を加えることが可能である。

Claims (19)

  1. 元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスから水銀を除去するための試薬であって、
    以下の工程:
    a)少なくともNaAlOおよびNaOHを含む溶液と、FeCl,HClおよび水を含む酸性液とを反応させて、Fe2+,Cl,NaClおよびHOを含む反応混合物を得る;そして
    b)a)で得られた反応混合物にNaHSを加えて、少なくともFeSおよびAl(OH) を含む硫化第一鉄懸濁液を得る、
    によって製造された硫化第一鉄懸濁液を含む、試薬。
  2. 前記工程a)で反応される、少なくともNaAlOおよびNaOHを含む前記溶液は、固体アルミニウムを洗浄するためのNaOH浴を構成する、請求項1に記載の元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスから水銀を除去するための試薬。
  3. 前記工程a)における前記反応混合物のpHは、およそ8である、請求項1に記載の元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスから水銀を除去するための試薬。
  4. 前記Al(OH)は、ギブサイト、バイヤライトおよびアモルファス水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスから水銀を除去するための試薬。
  5. 前記FeSは、マッキナワイト、無秩序マッキナワイトおよびアモルファス硫化第一鉄から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスから水銀を除去するための試薬。
  6. 少なくともFeSおよびAl(OH) を含む硫化第一鉄水懸濁液を含む湿式スクラバーシステムにおいて、元素状水銀および酸化水銀を含む産業ガスからの水銀排出を削減する方法であって、以下の工程:
    a)スクラバー内に気−液界面を作り、前記産業ガスを前記硫化第一鉄懸濁液と接触させて、以下の少なくとも1つを引き起こす:
    i)産業ガス中から、硫化第一鉄懸濁液中の硫化第一鉄上へ、酸化水銀またはイオン水銀の吸着;
    ii)(水)酸化鉄上へ酸化水銀またはイオン水銀の吸着;および
    iii)気−液界面での、酸化水銀またはイオン水銀を、硫化第二水銀として堆積させる;そして
    b)これにより産業ガスからの水銀排出を削減する、
    を含む方法
  7. 前記産業ガスは煙道ガスを含む、請求項6に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  8. 前記産業ガスは石炭燃料炉またはボイラーからの煙道ガスを含む、請求項7に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  9. 前記硫化第一鉄懸濁液は苛性である、請求項6に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  10. 前記Al(OH) は、ギブサイト、バイヤライト又はアモルファス水酸化アルミニウムを含む、請求項に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  11. 前記FeSは、マッキナワイト、無秩序マッキナワイト、またはアモルファス硫化第一鉄を含む、請求項に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  12. 前記硫化第一鉄懸濁液は、鉄イオン源、硫化物イオン源、およびアルカリ源を化学結合させることにより生成され、これらの1つあるいはそれ以上の量を調整することにより、硫化第一鉄懸濁液中の硫化第一鉄に対するイオン水銀の割合を調整する、請求項6に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  13. 前記硫化第一鉄懸濁液が、イオン性水銀または酸化水銀の元素水銀への再変換を抑制する、請求項6に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  14. 前記スクラバーシステムは、湿式排煙脱硫装置を含む、請求項6に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  15. 前記湿式排煙脱硫装置は、ベンチュリスクラバー、スプレースクラバー、サイクロンスプレースクラバー、オリフィススクラバー、衝突スクラバー、または充填層スクラバーを含む、請求項14に記載の産業ガスからの水銀排出を削減する方法。
  16. 湿式スクラバーにおいて用いられる湿式スクラバー液組成であって、
    以下の工程:
    a)少なくともNaAlOおよびNaOHを含む溶液と、FeCl,HClおよび水を含む酸性液とを反応させてFe2+,Cl,NaClおよびHOを含む反応混合物を得る;そして
    b)a)で得られた反応混合物にNaHSを加えて、少なくともFeSおよびAl(OH)を含む硫化第一鉄懸濁液を得る。
    によって製造される、湿式スクラバー液組成物。
  17. 工程a)における前記反応混合物のpHは、およそ8である、請求項16に記載の湿式スクラバーにおいて用いられる湿式スクラバー液組成
  18. 前記Al(OH) は、ギブサイト、バイヤライトおよびアモルファス水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つを含む、請求項16に記載の湿式スクラバーにおいて用いられる湿式スクラバー液組成
  19. 前記FeSは、マッキナワイト、無秩序マッキナワイト、およびアモルファス硫化第一鉄から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項16に記載の湿式スクラバーにおいて用いられる湿式スクラバー液組成
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