JP6486521B2 - 着用物品 - Google Patents

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本発明は、成人用又は乳幼児用の着用物品に関する。
従来より、排尿等を検知するセンサーを備え、例えば介護者が被介護者の排尿の有無を検知可能な成人用の使い捨ておむつが知られている(特許文献1,2)。特許文献1に記載の吸収性物品は、体液検知装置の組み込まれた吸収性物品であり、該吸収性物品には、導電不織ウエブを含んで構成された複数本の導電要素が、吸収される体液に接触する位置に配され、該複数本の導電要素にシグナル装置が接続されている。また、特許文献2に記載の使い捨ておむつは、複数の電極を列置した電極列を複数列備え、複数の電極間のインピーダンス変化に基づいて排尿を検知する検知装置を備えている。
特許第5307811号公報 特開2013-39158号公報
特許文献1に記載の吸収性物品は、シグナル装置と複数本の導電要素とによって開回路が形成されているので、吸収性物品内に体液が排泄されると開回路が閉じられ、その結果、シグナル装置が作動し、体液の排泄を知らせることができる。また、複数本の導電要素が、導電不織ウエブを含んで構成されているので、柔らかい。
しかし、特許文献1に記載の吸収性物品の備える体液検知装置は、排泄された体液の有無だけを検知するセンサーであり、排尿量等を高精度に測定するセンサーではなかった。
それに対し、特許文献2に記載の使い捨ておむつの備える検知装置は、排尿量等を高精度に測定することができ、尿の広がりも検知できる。しかし、更に精度良く排尿量等を測定したいとのニーズがあった。そして、特許文献2には、検知装置の備える複数の電極として絶縁体であるフィルム表面に電極を配置したものの記載はあるが、電極と、電極同士を結線する導線との関係について何ら記載されていない。
したがって本発明は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る着用物品を提供することにある。
本発明は、複数の電極群間のインピーダンス変化に基づいて体液の広がりを検知する着用物品であって、前記電極群は、前記着用物品を構成する複数のシートの内の1枚のシート表面に形成され、体液が広がったときに相互に絶縁された状態を維持するとともに相互に導線を介して接続された少なくとも2つの電極からなり、前記導線は、その抵抗値が、前記電極の抵抗値より低い着用物品を提供するものである。
本発明によれば、体液の広がりを更に高精度に測定することができる。
本発明の第1実施形態である着用物品の斜視図である。 図2は、図1に示す着用物品を伸長させ尿とりパッドを除いて別シートを露わにした状態を肌対向面側から見た一部破断平面図である。 図3は、図2のIII−III線断面図である。 図4は、図3に示す別シートの拡大断面図である。 図5は、データ収集手段の詳細な構成例を示すブロック図である。 図6は、情報処理手段の詳細な構成例を示すブロック図である。 図7は、本発明の第2実施形態である着用物品を伸長させ尿とりパッドを除いて別シートを露わにした状態を肌対向面側から見た一部破断平面図である(図2相当図)。 図8は、本発明の第3実施形態である着用物品を伸長させ尿とりパッドを除いて別シートを露わにした状態を肌対向面側から見た一部破断平面図である(図2相当図)。 図9は、本発明の第4実施形態である着用物品を伸長させ尿とりパッドを除いて別シートを露わにした状態を肌対向面側から見た一部破断平面図である(図2相当図)。 図10は、実施例にて、注入された生理食塩水の量と、静電容量センサ出力変化量との関係を測定した図である。
以下、本発明の着用物品を、その好ましい第1実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の着用物品は、複数の電極群間のインピーダンス変化に基づいて体液の広がりを検知するものである。本発明の好ましい第1実施形態の着用物品100Aは、図1に示すように、縦長の吸収体4を有する吸収性本体5を備えた尿とりパッド10(吸収性物品)と、尿とりパッド10の非肌対向面側に配される使い捨ておむつ30と、使い捨ておむつ30と尿とりパッド10との間に配される別個独立した別シート20とを備えている。
図1に示すように、着用物品100Aは、腹側領域A、背側領域B及び股下領域Cに区分できる。ここで、腹側領域Aは装着時に装着者の腹側に位置する部位であり、背側領域Bは装着時に装着者の背側に位置する部位であり、股下領域Cは腹側領域Aと背側領域Bとの間に配される部位である。
図に示す「Y方向」は、腹側領域Aから背側領域Bへ、或いは背側領域Bから腹側領域Aへ延びる方向であり、尿とりパッド10、別シート20又は使い捨ておむつ30の長手方向と同じ方向でもある。また図に示す「X方向」は、Y方向に直交する方向であり、尿とりパッド10、別シート20又は使い捨ておむつ30の幅方向と同じ方向でもある。また「Z方向」は、尿とりパッド10、別シート20又は使い捨ておむつ30の厚みと同じ方向でもある。
また、本明細書において、「肌対向面」とは、例えば尿とりパッド10を構成する後述する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、「非肌対向面」とは、例えば尿とりパッド10を構成する後述する表面シート2などの各部材の表裏両面のうち、着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
さらにまた、図に示す線CLは、尿とりパッド10、別シート20又は使い捨ておむつ30の、長手方向(Y方向)に延びる中心線である。
第1実施形態の着用物品100Aの尿とりパッド10は、肌対向面側に配された液透過性の表面シート2と、非肌対向面側に配された液難透過性の裏面シート3と、これら両シート2,3間に配された吸収体4とを有する縦長の吸収性本体5を備えている。尿とりパッド10について詳述すると、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、図1,図2に示すように、吸収性本体5の長手方向(Y方向)に長い長方形状を有している。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の長手方向(Y方向)に沿う左右両側縁及び長手方向(Y方向)の前後両端縁から外方に延出している。表面シート2は、図1に示すように、その長手方向(Y方向)の寸法が、裏面シート3の長手方向(Y方向)の寸法と同じであるが、図3に示すように、その幅方向(X方向)の寸法が、裏面シート3の幅方向(X方向)の寸法より小さくなっている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の周縁から外方に延出した延出部において直接的に又は他の部材(尿とりパッド10においては後述する立体ギャザー6を形成するサイドシート61)を介在させ、接着剤又は熱融着等によって互いに接合されており、吸収体4を挟持・固定している。尚、吸収体4は、図3に示すように、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コア41を、1枚のコアラップシート42で被覆して形成されている。
また、第1実施形態の着用物品100Aの尿とりパッド10は、図1,図3に示すように、吸収性本体5の肌対向面5u側において、吸収性本体5の長手方向(Y方向)に沿う両側部5s,5sそれぞれに配設固定された撥水性のサイドシート61を備え、サイドシート61の自由端部61fには、吸収性本体5の長手方向(Y方向)に伸長状態の立体ギャザー形成用の弾性部材62が配設固定されており、着用時には、立体ギャザー形成用の弾性部材62の収縮力によって、サイドシート61の自由端部61fが起立して立体ギャザー6を形成する。言い換えれば、吸収性本体5の長手方向(Y方向)に沿う両側部5s,5sそれぞれには、吸収性本体5の肌対向面5u側、即ち、表面シート2の肌対向面2uにおいて、Y方向に伸長状態で固定された弾性部材62を有するサイドシート61が、表面シート2の両側部それぞれに、吸収性本体5の長手方向(Y方向)の全長に亘って配され固定されており、これによって一対の立体ギャザー6,6が形成される。尚、尿とりパッド10の吸収性本体5の長手方向(Y方向)に沿う両側部5s,5sそれぞれに、レッグギャザー形成用のレッグ弾性部材(不図示)を長手方向(Y方向)に伸長状態に配し、該レッグ弾性部材(不図示)の収縮によりレッグギャザーが形成されるようにしてもよい。
第1実施形態の着用物品100Aの別シート20は、図1〜図3に示すように、尿とりパッド10の裏面シート3よりも非肌対向面側に配され、尿とりパッド10及び使い捨ておむつ30とは別体の独立したシートである。別シート20は、第1実施形態においては、長手方向(Y方向)に長い矩形状に形成されている。別シート20は、体液の広がりを検知する際には、少なくとも股下領域Cに亘って配されていることが好ましく、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、その外周縁が、尿とりパッド10の外周縁よりも狭く、かつ、尿とりパッド10の吸収体4の外周縁よりも狭く形成されている。詳述すると、別シート20は、長手方向(Y方向)においては、尿とりパッド10の吸収体4の長手方向(Y方向)の長さと略一致しており、幅方向(X方向)においては、尿とりパッド10の吸収体4の幅方向(X方向)の長さよりも短く形成されている。
本発明の着用物品は、電極群が、該着用物品を構成する複数のシートの内の1枚のシート表面に形成され、体液が広がったときに相互に絶縁された状態を維持するとともに相互に導線を介して接続された少なくとも2つの電極からなる。
第1実施形態の着用物品100Aにおいては、別シート20が、着用物品を構成する複数のシートの内の「1枚のシート」に該当する。詳述すると、電極群ETの各々は、体液の広がりを検知する際には、少なくとも股下領域Cに亘っており、X方向に2個〜32個形成されていることが好ましく、2個〜8個形成されていることが更に好ましい。第1実施形態の着用物品100Aにおいては、別シート20の肌対向面20uに、図2に示すように、股下領域Cの全域から腹側領域A及び背側領域Bの一部に至るまで、4個の電極群ET1〜ET4が形成されている。電極群ET1〜ET4それぞれには、複数の電極21が配され、複数の電極21相互を接続する導電体である導線22が配されている。このように各電極群ET1〜ET4は、複数の電極21による列が形成されており、該電極の列が複数列(第1実施形態においては、4個の電極群ET1〜ET4に対応して4列)形成されることで、相互に絶縁された対となる電極とその間隙とで構成されるセンサー素子が別シート20の肌対向面20uの広い範囲で複数構成されている。尚、各センサー素子により、対となる電極間のインピーダンスの変化が検知される。センサー素子には、交流あるいは正か負一方の半波、矩形波、三角波等が印加されるので正確ではないが、以下では、便宜上、対となる電極の一方を正電極、他方を負電極と呼ぶ。
第1実施形態の着用物品100Aにおいては、図4に示すように、各電極群ET1〜ET4を構成する電極21は、別シート20の肌対向面20uに、導電材料を塗布して形成されている。また、各電極群ET1〜ET4を構成する導線22は、別シート20の肌対向面20uに、導電材料を塗布して形成された導電塗布部221と、導電性糸222とを有している。導線22は、導電塗布部221に、導電性糸222を配して形成されている。具体的には、導線22は、導電塗布部221の範囲内をつなぐように導電性糸222を配して形成されており、導電性糸222は、別シート20に縫い付けられている。第1実施形態の着用物品100Aにおける電極21及び導線22の形成については、後段で詳述する。
電極21は、図2に示すように、別シート20の長手方向(Y方向)に2個〜50個配されていることが好ましく、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、8個配されている。Y方向に隣り合う電極21は、正電極、負電極、正電極・・・の順、或いは負電極、正電極、負電極・・・の順に配置されていて、7つのセンサー素子を構成している。また、電極21は、別シート20の幅方向(X方向)に1個〜16個配されていることが好ましく、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、2個配されている。このように配置されていることにより第1実施形態では、都合、14個のセンサー素子が構成されていることになる。X方向に隣り合う電極21は、正電極に対して負電極、負電極に対して正電極の関係で配置されていてもよいが、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、正電極に対して正電極、負電極に対して負電極の関係で配置されている。そして、正か負一方の半波、矩形波、三角波等が印加される場合には、一方の電極が接地されていてもよい。
詳述すると、図2に示すように、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、4個の電極群ET1〜ET4それぞれに、4個の電極21が配されている。4個の電極群ET1〜ET4それぞれの複数の電極21は、同形の矩形状に形成されており、同じ大きさに形成されている。電極群ET1〜ET4は、別シート20の幅方向(X方向)に配されている。電極群ET1の4個の電極21aは、正電極であり、股下領域Cの全域から腹側領域A及び背側領域Bの一部に至るまで、別シート20の長手方向(Y方向)に、等間隔を開けて配置されている。そして、電極群ET1の4個の電極21aは、各電極21aよりも幅方向(X方向)外側に配された直線状の導線22aを介して接続されている。導線22aは、各電極21aよりも幅方向(X方向)外側に配された直線状の導電塗布部221aの範囲内において、導電性糸222aを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。
また、電極群ET2の4個の電極21bは、負電極であり、図2に示すように、股下領域Cの全域から腹側領域A及び背側領域Bの一部に至るまで、別シート20の幅方向(X方向)においては、電極群ET1と同じ位置にて、長手方向(Y方向)においては、隣り合う電極群ET1の電極21a,21aどうしの間に配置されている。そして、電極群ET2の4個の電極21bは、各電極21bよりも幅方向(X方向)内側(中心線CL寄り)に配された直線状の導線22bを介して接続されている。導線22bは、各電極21bよりも幅方向(X方向)内側に配された直線状の導電塗布部221bの範囲内において、導電性糸222bを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。
電極群ET3の4個の電極21cは、正電極であり、図2に示すように、股下領域Cの全域から腹側領域A及び背側領域Bの一部に至るまで、別シート20の幅方向(X方向)においては、電極群ET1から間隔を空けて、長手方向(Y方向)に、等間隔を開けて配置されている。電極群ET3の4個の電極21cと電極群ET1の4個の電極21aとは、中心線CLに対して対称に配されている。そして、電極群ET3の4個の電極21cは、各電極21cよりも幅方向(X方向)外側に配された直線状の導線22cを介して接続されている。導線22cは、各電極21cよりも幅方向(X方向)外側に配された直線状の導電塗布部221cの範囲内において、導電性糸222cを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。
また、電極群ET4の4個の電極21dは、負電極であり、図2に示すように、股下領域Cの全域から腹側領域A及び背側領域Bの一部に至るまで、別シート20の幅方向(X方向)においては、電極群ET3と同じ位置にて、長手方向(Y方向)においては、隣り合う電極群ET3の電極21c,21cどうしの間に配置されている。電極群ET4の4個の電極21dと電極群ET2の4個の電極21bとは、中心線CLに対して対称に配されている。そして、電極群ET4の4個の電極21dは、各電極21dよりも幅方向(X方向)内側(中心線CL寄り)に配された直線状の導線22dを介して接続されている。導線22dは、各電極21dよりも幅方向(X方向)内側に配された直線状の導電塗布部221dの範囲内において、導電性糸222dを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。
電極群ET1の各電極21aは、複数回の排尿や多量の排尿に対する測定精度向上の観点から、その面積が、100mm2以上7000mm2以下であることが好ましく、100mm2以上2000mm2以下であることが更に好ましく、更により好ましくは400mm2以上900mm2以下が好ましい。そして、同様の観点から、各電極21aのY方向の長さは、1mm以上100mm以下であることが好ましく、5mm以上50mm以下であることが更に好ましく、また、各電極21aのX方向の長さは、3mm以上150mm以下であることが好ましく、20mm以上40mm以下であることが更に好ましい。
また、長手方向(Y方向)に隣り合う電極群ET1の電極21aと電極群ET2の電極21bとの離間距離(長手方向(Y方向)の電極間の離間距離)d(図2参照)は、複数回の排尿や多量の排尿に対する測定精度向上の観点から、1mm以上50mm以下であることが好ましく、2mm以上25mm以下であることが更に好ましい。長手方向(Y方向)に隣り合う電極群ET3の電極21cと電極群ET4の電極21dとの離間距離についても同じである。
また、長手方向(Y方向)に隣り合う電極群ET1の電極21aと電極群ET2の電極21bとの電極間隔(長手方向(Y方向)の電極間隔)d’(図2参照)は、複数回の排尿や多量の排尿に対する測定精度向上の観点から、1.5mm以上100mm以下であることが好ましく、4.5mm以上50mm以下であることが更に好ましい。電極間隔d’は、電極群ET1の電極21a及び電極群ET2の電極21bを例に挙げ説明すると、長手方向(Y方向)の電極間の離間距離dと、各電極21a,21bの面積を4等分する幅方向(X方向)に平行に延びる直線のうち互いに対向する側の電極端部に近い直線から該電極端部までの距離a1/4,b1/4との合計値と定義する。即ち、電極間隔d’(図2参照)は、以下の式(1)で表される。
d’ = d + a1/4 + b1/4 ・・・(1)

距離a1/4,b1/4は、一方の電極において幅方向(X方向)に平行に延びる直線によって該電極の面積を1/4に分割した場合に、他方側の電極に最も近接する該電極の面積を1/4に分割した直線と、他方側の電極に対向する端部との距離を意味する。第1実施形態の着用物品100Aにおいては、電極の形状が矩形状であるため、電極における長手方向(Y方向)の長さの1/4の位置と同じである。
長手方向(Y方向)に隣り合う電極群ET3の電極21cと電極群ET4の電極21dとの電極間隔についても同様に定義される。
また、電極列の全長(電極群ET1の最も外側の電極21aにおける外側の端部から電極群ET2の最も外側の電極21bにおける外側の端部までの距離)L(図2参照)は、複数回の排尿や多量の排尿に対する測定精度向上の観点から、100mm以上620mm以下であることが好ましく、180mm以上520mm以下であることが更に好ましい。電極群ET3の最も外側の電極21cにおける外側の端部から電極群ET4の最も外側の電極21dにおける外側の端部までの距離についても同じである。
また、幅方向(X方向)に隣り合う電極群ET1の導線22aを構成する導電性糸222aと電極群ET2の導線22bを構成する導電性糸222bとの間隔W(図2参照)は、複数回の排尿や多量の排尿に対する測定精度向上の観点から、5mm以上155mm以下であることが好ましく、25mm以上45mm以下であることが更に好ましい。電極群ET3の導線22cを構成する導電性糸222cと電極群ET4の導線22dを構成する導電性糸222dとの間隔についても同じである。
又、幅方向(X方向)に隣り合う電極群ET2の導線22bを構成する導電性糸222bと電極群ET4の導線22dを構成する導電性糸222dとの間隔W’(図2参照)は10mm以上30mm以下であることが好ましい。
尚、各電極21の形状(デザイン)、大きさ、配置間隔は、上記実施形態に限定されるものではない。
本発明の着用物品は、導線の抵抗値が、電極の抵抗値より低い値となっている。詳述すると、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、電極群ET1を構成する導線22aの抵抗値が、体液の広がりを更に高精度に測定する観点から、電極21aの抵抗値よりも低くなっている。具体的には、導線22aの抵抗値(R1)と電極21aの抵抗値(R2)との関係が、R1=0.001〜0.95×R2であることが好ましく、R1=0.01〜0.6×R2であることが更に好ましい。電極群ET2〜ET4を構成する導線22b〜22dの抵抗値と、電極群ET2〜ET4を構成する電極21b〜21dの抵抗値との関係についても同じである。ここで、導線の抵抗値とは、導線上の所定の2点間の抵抗値をその2点間の距離で除した値をいい、電極の抵抗値とは、電極表面上の2点間の抵抗値をその2点間の距離で除した値をいう。具体的には、後述する方法で測定される。
導線22a及び電極21aそれぞれの抵抗値R1,R2の具体的な値に関しては、以下の通りである。
電極群ET1を構成する導線22aの抵抗値(R1)は、0.05Ω/cm以上175Ω/cm以下であることが好ましく、0.05Ω/cm以上47.5Ω/cm以下であることが更に好ましく、0.05Ω/cm以上16.5Ω/cm以下であることが特に好ましい。電極群ET2〜ET4を構成する導線22b〜22dの抵抗値についても同じである。
また、電極群ET1を構成する電極21aの抵抗値(R2)は、0.05Ω/cm以上4370Ω/cm以下であることが好ましく、0.05Ω/cm以上1094Ω/cm以下であることが更に好ましく、0.05Ω/cm以上291.5Ω/cm以下であることが特に好ましい。電極群ET2〜ET4を構成する電極21b〜21dの抵抗値についても同じである。
導線22の抵抗値(R1)及び電極21の抵抗値(R2)は、株式会社カスタム製のデジタルマルチメータ(MODEL:CDM−12D)を用い、例えば、導線22の抵抗値は該デジタルマルチメータの2本のテスター棒(テストプロッド)を2cmの間隔で配置し、導線22を渡して測定するか、導電塗布部に導電性糸を縫い付けたシートの場合には、該デジタルマルチメータの2本のテスター棒(テストプロッド)を2cmの間隔で配置し測定する。2cmの長さがない場合は同じ材質で2cm以上の長さのものを用意して測定する。測定は、異なる部位で3回行い、その平均値を2で割った値(Ω/cm)を、導線22の抵抗値(R1)とする。電極21の抵抗値(R2)については、該デジタルマルチメータを用い、電極21と同様の構成で大きさが22mm〜25mm×22mm〜25mmの矩形シート3個の電極面の幅方向中央付近を2本のテスター棒を2cmの間隔で垂直に当てて測定し、その平均値を2で割った値(Ω/cm)を、電極21の抵抗値(R2)とする。
第1実施形態の着用物品100Aにおいては、電極群ET1〜ET4の各電極21a〜21dは、従来より着用物品に用いられている材質の1枚のシートに、導電材料を塗布して形成されている。即ち、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、4個の電極群ET1〜ET4それぞれの電極21a〜21dが、別シート20の肌対向面20uに、導電材料を塗布して形成されている。
また、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、電極群ET1〜ET4の各導線22a〜22dを構成する導電塗布部221a〜221dが、各電極21a〜21dが形成されるシートと同じシートに、導電材料を塗布して形成されている。即ち、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、4個の電極群ET1〜ET4それぞれの導線22a〜22dの導電塗布部221a〜221dが、別シート20の肌対向面20uに、導電材料を塗布して直線状に形成されている。
以下、第1実施形態の着用物品100Aにおける電極群ET1〜ET4の形成方法について詳述する。
先ず、図2,図4に示すように、Y方向に延びる矩形状の別シート20の肌対向面20uにおける、全電極ET1〜ET4を形成する予定領域よりも広い領域に、絶縁性インクを印刷により塗布して、Y方向に長い矩形状の下部絶縁層25を形成する。絶縁性インクとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
次に、形成された下部絶縁層25の肌対向面に、導電材料からなるインクを印刷により塗布して、導線22の導電塗布部221及び電極21を形成する。即ち、下部絶縁層25の外周縁の範囲内において、電極群ET1の4個の電極21a、電極群ET2の4個の電極21b、電極群ET3の4個の電極21c、及び電極群ET4の4個の電極21dが形成されるべき位置に導電材料からなるインクを印刷する。同時に、下部絶縁層25の外周縁の範囲内において、各電極21aよりも幅方向(X方向)外側に、及び各電極21cよりも幅方向(X方向)外側に、電極21aと電極21cに接続するように、それぞれ、直線状の導電塗布部221a,221cを印刷する。同時にまた、下部絶縁層25の外周縁の範囲内において、各電極21bよりも幅方向(X方向)内側に、及び各電極21dよりも幅方向(X方向)内側にも、電極21bと電極21dに接続するように、それぞれ、直線状の導電塗布部221b,221dを印刷する。
インクの導電材料としては、カーボン粉末を主成分とするもの、或いは銀や銅等の金属の粉末を配合したものが挙げられ、価格(安価であること)や金属ではないが故の金属探知機や防犯ゲート等の誤作動防止の観点からカーボン粉末を主成分とするものが好ましく用いられる。導電材料からなるインクとしては、カーボンナノチューブ、分散剤、バインダ、樹脂、硬化剤等を混ぜた混合物が挙げられる。尚、電極21の導電材料と導線22の導電塗布部221の導電材料とは同一であるのが好ましいが、異なっていてもよい。異なる場合は、導電材料からなるインクを印刷により塗布して電極21を形成した後、異なる導電材料からなるインクを印刷により塗布して導線22の導電塗布部221を形成したり、導電材料からなるインクを印刷により塗布して導線22の導電塗布部221を形成した後、異なる導電材料からなるインクを印刷により塗布して電極21を形成したりすることができる。導電材料が同一の場合でも同様に、部位ごとに順次印刷する方法で電極や導線を形成することができる。
導電材料からなるインクを印刷により塗布して電極21或いは導電塗布部221を形成する際には、1回だけの印刷でもよいが、体液排出検出感度の観点から、複数回重ねて印刷してもよい。重ねて印刷する回数としては、2回〜10回が好ましい。
次に、図4に示すが如く、各導電塗布部221a〜221dを覆うように、各導電塗布部221a〜221dの肌対向面に、絶縁性インクを印刷により塗布して、上部絶縁層26を形成する。上部絶縁層26の絶縁性インクとしては、下部絶縁層25の絶縁性インクと同じインクを用いることができる。第1実施形態の着用物品100Aにおいては、全電極21及び全導電塗布部221a〜221dの非肌対向面に下部絶縁層25と、全導電塗布部221a〜221dの肌対向面に上部絶縁層26とを配置している。
次いで、形成された各導電塗布部221a〜221dの中に各導電性糸222a〜222dを配するように、各導電塗布部221a〜221dの範囲内において、各導電性糸222a〜222dを、上部絶縁層26、各導電塗布部221a〜221d、下部絶縁層25及び別シート20を貫通させるように別シート20に直線状に縫い付けて、各電極群ET1〜ET4の導線22a〜22dを形成する。
導電性糸222としては、電気を通す金属或いは炭素の粒子を混ぜて作られた合成繊維、繊維表面に金属或いは炭素を被覆した繊維、ステンレス等の金属繊維等が挙げられる。具体的に導電性糸222には、株式会社ケンエー社製の商品名「スーパーα繊維」,「ステンレス繊維」,「サンダーロン・ダイナ繊維」、Statex Productions & Vertriebs GmbHのConductive Sewing Thread等が用いられる。
上述したように、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、形成された各導電塗布部221a〜221dの上に、絶縁性インクを塗布して上部絶縁層26を形成した後、各導電塗布部221a〜221dの範囲内において、各導電性糸222a〜222dを別シート20に縫い付けて、各電極群ET1〜ET4の導線22a〜22dを形成している。しかし、各導電塗布部221a〜221dの上に各導電性糸222a〜222dを配して各電極群ET1〜ET4の導線22a〜22dを形成した後、各導線22a〜22dを覆うように絶縁性インクを塗布して上部絶縁層26を形成してもよい。
また、各電極群は、電子機器に接続するための端子にそれぞれ接続されている。具体的には、図2に示すように、電極群を有する別シート20の腹側領域Aにおいて、電極群ET1の電極21a、21a・・・を接続する導線22aと電極群ET3の電極21c、21c・・・を接続する導線22cとが端子23を介して連続している。すなわち、電極群ET1及び電極群ET3が端子23に接続されている。また、電極群を有する別シート20の腹側領域Aにおいて、電極群ET2の電極21b、21b・・・を接続する導線22bと電極群ET4の電極21d、21d・・・を接続する導線22dとは端子24を介して連続している。すなわち、電極群ET2及び電極群ET4が端子24に接続されている。端子23,24としては、金属製のコネクター又は導電性を有するスナップ、ファスナー、面ファスナー(マジックテープ(登録商標)等)、ねじ、フック、噛み込み式の留め具等の任意の協働する雌雄部材が挙げられ、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、金属製のスナップが用いられている。この金属製のスナップを介して、電極群を有する別シート20の腹側領域Aには、電子機器であるデータ収集手段27が固定されるようになる。端子23又は24が雌雄部材でない場合には導電性を有する端子をクリップ、ステープラ、ひも、カニカン、ヒキワ等の留め金、導電性接着剤、導電性両面着テープ、熱、導電性繊維・糸等を用いて結ぶ、引っ掛ける、縫い付ける等の方法により接続することもできる。端子の位置は腹側に限定されるものではなく、別シート20上になくてもよい。
インクを塗布する別シート20には、従来より着用物品に用いられている材質のものを用い、具体的には、スパンボンド,スパンレース,エアースルー等の不織布、織物,編み物等の布、プラスチック製のフィルム等が挙げられる。尚、別シート20として、スパンボンド不織布を用いる際には、その坪量が、好ましくは5g/m2以上100g/m2以下、更に好ましくは10g/m2以上80g/m2以下である。
インクを塗布する印刷としては、インクジェットプリント、ロータリープリント、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等が挙げられる。
以上のように、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、別シート20の複数の電極群ET1〜ET4が、インクを塗布することで形成されているので、結果、別シート20が柔らかく形成されており、具体的には、該シートのMD方向の曲げ剛性値が、好ましくは10g以上80g以下、更に好ましくは15g以上60g以下であり、該シートのCD方向の曲げ剛性値が、好ましくは5g以上60g以下、更に好ましくは10g以上40g以下である。曲げ剛性値は、ハンドロメーター、テーバーテスター、或いはKES曲げ試験機等によっても測定することができる。尚、MD方向とは、不織布等製造時の機械方向(流れ方向)、CD方向とは、不織布等製造時の機械方向に直交する方向を意味する。測定試料は、MD方向長さ17cm、CD方向8cmから9cmで測定した。
また、複数の電極群ET1〜ET4を有する別シート20は、原料の別シート20が通気性を有している場合には、その通気度が、好ましくは10μm/Pa・s以上1500m/kPa・s以下であり、更に好ましくは20μm/Pa・s以上800m/kPa・s以下である。
通気度は、カトーテック製AUTOMATIC AIR−PERMEABILITY TESTER KES−F8−AP1(通気性試験機)により通気抵抗を測定し、その逆数として求められる。通気性の小さいものは、ガレーデンソーメーターの測定値より求めても良い。
第1実施形態の着用物品100Aにおいては、各々4個の電極21を有する4個の電極群ET1〜ET4が別シート20の肌対向面20uに形成されているので、複数のセンサー素子が別シート20の肌対向面20uに構成されるようになる。そして、各センサー素子により、電極群ET1の電極21a(正電極)と電極群ET2の電極21b(負電極)との間のインピーダンスの変化、電極群ET3の電極21c(正電極)と電極群ET4の電極21d(負電極)との間のインピーダンスの変化、電極群ET1の電極21a(正電極)と電極群ET4の電極21d(負電極)との間のインピーダンスの変化、及び電極群ET3の電極21c(正電極)と電極群ET2の電極21b(負電極)との間のインピーダンスの変化を測定し、該インピーダンスの変化に基づいて例えば尿等の体液の広がりを検知する。例えば尿等の体液の広がりは、別シート20に固定されたデータ収集手段27で収集されたデータを用いて情報処理手段28により算出される。すなわち、体液が広がると、尿とりパッド10(吸収性物品)の備える吸収体4の誘電率が変化し、結果として個々の電極21間のインピーダンスが変化する。体液が広がったことでインピーダンスが変化した電極21間と変化していない電極21間とが生じ、結果として、全体のインピーダンスを測定することで体液の広がりが検出できる。以下、データ収集手段27及び情報処理手段28について詳述する。
データ収集手段27は、図5に示すように、電圧制御手段271、加速度センサー272及びデータロガー273を備えている。
電圧制御手段271は、別シート20に形成された電極の回路全体に、例えば400kHz〜700kHzの矩形波の電圧を印加し、センサー素子を構成する電極21間のインピーダンス変化を検知する。そして、電圧制御手段271は、単位時間ごとの電極間のインピーダンス変化を電圧値の出力に変換し、データロガー273に単位時間毎に出力して保存する。単位時間は、0.1〜60秒が好ましく、0.2〜20秒がさらに好ましい。
加速度センサー272は、使用者の変位によるX方向、Y方向、Z方向の加速度をそれぞれ検出(収集)し、検出結果をデータロガー273に出力して保存する。
データロガー273は、電圧制御手段271及び加速度センサー272から取得したデータを保存する電子計測器である。データロガー273は、情報処理手段28からの要求に応じて、または、情報処理手段28に接続されたことを検知すると、保存しているデータを情報処理手段28に転送する。
情報処理手段28は、例えば、コンピューターであって、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を有しており、これらが協働することで、図6に示すように、データ取得手段281、体液排出量演算手段282、体液排出時刻演算手段283、及び体液排出速度演算手段284を構成する。
データ取得手段281は、データ収集手段27とケーブルを介して接続されると、データ収集手段27のデータロガー273に保存されているデータを取得し、体液排出量演算手段282、及び体液排出時刻演算手段283に供給し、それらの演算結果を体液排出速度演算手段284に供給する。
体液排出量演算手段282は、データ取得手段281から取得したデータに基づいて、体液排出量を計算する。体液排出時刻演算手段283は、データ取得手段281から取得したデータに基づいて、体液排出時刻を計算する。体液排出速度演算手段284は体液排出量演算手段282から取得したデータと体液排出時刻演算手段283から取得したデータに基づいて、体液排出速度を計算する。
以上のように構成された電極を有する別シート20、データ収集手段27及び情報処理手段28によれば、データ収集手段27で収集されたデータを取得し、情報処理手段28により体液の広がりの要素である体液排出量、体液排出時刻、及び体液排出速度を算出できる。
次に、尿とりパッド10の非肌対向面側に重ねて配される使い捨ておむつ30について詳述する。
使い捨ておむつ30は、図1に示すように、尿とりパッド10が取り付けられるおむつの表面シート32と、最も非肌対向面側に配されたおむつの裏面シート33と、これら両シート32,33間に配されたおむつの吸収体34とを有している。また、使い捨ておむつ30は、おむつの吸収体34の幅方向(X方向)外方に、レッグギャザー形成用のおむつレッグ弾性部材(不図示)を長手方向(Y方向)に伸長状態に配し、該おむつレッグ弾性部材(不図示)の収縮によりおむつのレッグギャザー35が形成されている。
おむつの吸収体34は、図1に示すように、例えば、使い捨ておむつ30の肌対向面(内側)に重ねて使用される尿とりパッド10よりも広く、腹側領域Aの左右両側縁及び背側領域Bの左右両側縁それぞれが股下領域Cの左右両側縁よりも幅方向(X方向)外方に延出している。そして、股下領域Cの左右両側縁が幅方向(X方向)内方に向かって円弧状に湾曲しており、全体として長手方向(Y方向)中央部が内方に括れた形状を有している。尚、おむつの吸収体34は、尿とりパッド10の吸収体4と同様に、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、1枚のコアラップシートで被覆して形成されている。
おむつの表面シート32及びおむつの裏面シート33は、それぞれ、おむつの吸収体34の長手方向(Y方向)に沿う左右両側縁及び長手方向(Y方向)の前後両端縁から外方に延出しており、おむつの吸収体34の周縁から外方に延出した延出部において直接的に接着剤又は熱融着等によって互いに接合されており、おむつの吸収体34を挟持・固定している。
以上のように形成された使い捨ておむつ30は、図1に示すように、全体として長手方向(Y方向)中央部が内方に括れた形状を有している。使い捨ておむつ30は、いわゆる展開型のおむつであり、背側領域Bの左右両側縁部に二対のファスニングテープ36,36が設けられ、腹側領域Aの外表面(非肌対向面)に、該ファスニングテープ36,36を止着させるランディングテープ(不図示)が設けられている。
第1実施形態の着用物品100Aの備える尿とりパッド10及び使い捨ておむつ30の形成材料について説明する。
尿とりパッド10の表面シート2及び使い捨ておむつ30のおむつの表面シート32、並びに尿とりパッド10の吸収体4及び使い捨ておむつ30のおむつの吸収体34としては、それぞれ、従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるもの等を、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2及びおむつの表面シート32としては、親水性且つ液透過性の不織布や立体開孔フィルム等を用いることができる。また、吸収体4を構成する吸収性コア41及びおむつの吸収体34を構成する吸収性コアとしては、パルプ繊維等の繊維の集合体に吸収ポリマーの粒子を保持させたもの等を用いることができ、吸収体4を構成するコアラップシート42及びおむつの吸収体34を構成するコアラップシートとしては、親水性シート、例えば、透水性の薄紙(ティッシュペーパー)や透水性の不織布からなるコアラップシート等を用いることができる。尚、立体ギャザー6を構成する撥水性のサイドシート61としては、不織布、織物又は不織布とフィルムの積層シート等を用いることができる。
また、尿とりパッド10の裏面シート3及び使い捨ておむつ30のおむつの裏面シート33としては、液難透過性(撥水性を含む)の樹脂フィルム、或いは該樹脂フィルムに、各種製法による不織布(例えば、エアースルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等)を積層したシート等を用いることができる。ここで、液難透過性とは、液不透過性を含む。液難透過性の裏面シートが吸収体4と電極との間にあるので、体液が広がったときも電極は相互に絶縁された状態を維持する。従来の直接体液と接することにより体液排出を検知する電極を有する電極群は、その性質上、尿とりパッドの裏面シートよりも肌対向面側の例えば吸収体内に配置せざるを得ず、該パッドと一緒に使い捨てる必要があったが、着用物品100Aの備える電極を有する別シート20は、電極が直接尿に接しなくても、電極からの電気力線は電極の面から吸収体の中を経由して他の電極に戻り、結果として体液による吸収体のインピーダンス変化を捉えることができるので、排尿を検知することができる。そのため電極を有する別シート20は、尿とりパッドの裏面シートよりも非肌対向面側に配することができ、体液で濡らし難く、衛生的に繰り返し使用が可能となる。
また、尿とりパッド10及び使い捨ておむつ30を構成する部材同士は、接着剤或いは熱融着等を利用して固定することができる。接着剤としては、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ホットメルト接着剤を用いることができる。ホットメルト接着剤としては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等のブロックコポリマー系のホットメルト接着剤が挙げられる。熱融着としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、高周波シール、超音波シールを用いることができる。
尿とりパッド10の立体ギャザー形成用の弾性部材62及び使い捨ておむつ30のレッグギャザー35形成用のおむつレッグ弾性部材(不図示)としては、天然ゴム、ポリウレタン、ポリスチレン−ポリイソプレン共重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン等のポリエチレン−αオレフィン共重合体等からなる糸状の伸縮性材料を用いることができる。
上述した本発明の第1実施形態の着用物品100Aを使用した際の作用効果について説明する。
第1実施形態の着用物品100Aは、図1に示すように、尿とりパッド10と使い捨ておむつ30との間に、電極群ET1〜ET4を有する別シート20を、電極群ET1〜ET4側が尿とりパッド10に接するように配置して使用される。このように配置されて使用されることにより、使い捨ておむつ30が電極群ET1〜ET4を有する別シート20及び尿取りパット10を押圧し、尿取りパット10が装着者に接触して、電極群ET1〜ET4を有する別シート20が、使い捨ておむつ30及び尿取りパット10の間で固定される。そして、着用物品100A内に、例えば排尿があって尿とりパッド10に体液が吸収されると、体液排出があった部位に対応する電極群ET1〜ET4を有する別シート20のセンサー素子のインピーダンスが大幅に変化する。即ち、体液排出が多量で広い範囲に広がると、電極群ET1〜ET4におけるかなりの数のセンサー素子のインピーダンスが大幅に変化する。そして、データ収集手段27の電圧制御手段271が、複数のセンサー素子のインピーダンスの総変化量(静電容量センサ出力変化量)に相当する電圧信号を出力し、情報処理手段28により体液の広がりの要素である体液排出量、体液排出時刻、及び体液排出速度を精度良く検知できる。ここで、電極群ET1〜ET4を構成する導線22a〜22dの抵抗値が、電極群ET1〜ET4を構成する電極21a〜21dの抵抗値より低い値に設定されている。その為、尿とりパッド10内の体液の広がりとともに、端子23,24に近い領域の電極からより遠い領域の電極まで、広い範囲のインピーダンスの変化量を検出することができ、体液の広がりを更に高精度に測定できる。
また、第1実施形態の着用物品100Aは、別シート20の有する複数の電極群ET1〜ET4の電極21が、インクを塗布して形成されている。また、電極群ET1〜ET4の導線22が、インクを塗布して形成された導電塗布部221に導電性糸222を配して形成されている。その為、別シート20が全体として柔らかく形成されており、尿とりパッド10と使い捨ておむつ30との間に、電極群ET1〜ET4を有する別シート20を配置して使用しても、違和感が少なく、使用感が向上する。
また、第1実施形態の着用物品100Aにおいては、別シート20の有する複数の電極群ET1〜ET4の導線22を構成する導電性糸222が、別シート20に縫い付けられている。その為、電極群ET1〜ET4の電極21と電極群ET1〜ET4の導線22とがしっかりと接しており、着用物品100Aの着用者が動いたとしても、導線22a〜22dを伝わって複数のセンサー素子のインピーダンスの総変化量(静電容量センサ出力変化量)の電圧信号を出力し易い。
また、第1実施形態の着用物品100Aの別シート20は、複数の電極群ET1〜ET4の電極21が、インクを塗布して形成されている。また、電極群ET1〜ET4の導線22を構成する導電塗布部221が、インクを塗布して形成され、導線22を構成する導電性糸222が糸で形成されているので、通気性が保持されている。その為、尿とりパッド10と使い捨ておむつ30との間に、電極群ET1〜ET4を有する別シート20を配置して使用しても、通気性が妨げられ難く、使用感が向上する。
また、第1実施形態の着用物品100Aは、電極21及び導電塗布部221が別シート20に印刷によりインクを塗布して形成されているので、電極21及び導電塗布部221の形状、デザイン、色等を、自由に設計変更することができる。
本発明の着用物品は、上述の第1実施形態の着用物品100Aに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
具体的には、第1実施形態の着用物品100Aの備える別シート20の電極群ET1〜ET4を構成する導線22は、インクを塗布して形成された導電塗布部221に導電性糸222を配して形成されているが、第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20のように、電極群ET1〜ET4を構成する導線22が、導電性糸222のみから形成されていてもよい。
以下、具体的に、第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20について説明する。
第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20については、第1実施形態の着用物品100Aの備える別シート20と異なる点について主として説明し、同様の構成要素については同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない構成要素については、第1実施形態の着用物品100Aに関する説明が適宜適用される。また、第2〜第4実施形態の着用物品100Bの効果については、第1実施形態の着用物品100Aと異なる効果について説明する。そのほかについては、着用物品100Aの効果と同様であり、着用物品100Aの効果の説明が適宜適用される。
第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20は、図7〜図9に示すように、4個の電極群ET1〜ET4それぞれに、6個の電極21が配されている。電極群ET1〜ET4それぞれの6個の電極21は、同じ大きさに形成されている。各電極21は、別シート20の肌対向面20uにインクを塗布した布を配置することにより形成されている。ここで、第2実施形態の着用物品100Bの備える別シート20の複数の電極21は、図7に示すように、それぞれ同形の長手方向(Y方向)に長い長方形状に形成されており、第3実施形態の着用物品100Bの備える別シート20の複数の電極21は、図8に示すように、それぞれ同形の幅方向(X方向)に長い長方形状に形成されており、第4実施形態の着用物品100Dの備える別シート20の複数の電極21は、図9に示すように、それぞれ同形の六角形状に形成されている。第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20の電極群ET1の6個の電極21aと、電極群ET2の6個の電極21bとは、幅方向(X方向)にずれて配されており、電極群ET3の6個の電極21cと、電極群ET4の6個の電極21dとは、幅方向(X方向)にずれて配されている。
第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20は、図7〜図9に示すように、電極群ET1の導線22aが、各電極21aにおける幅方向(X方向)外側寄りに、導電性糸222aを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。また、電極群ET2の導線22bは、各電極21bにおける幅方向(X方向)内側寄りに、導電性糸222bを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。また、電極群ET3の導線22cは、各電極21cにおける幅方向(X方向)外側寄りに、導電性糸222cを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。また、電極群ET4の導線22dは、各電極21dよりも幅方向(X方向)内側寄りに、導電性糸222dを別シート20に直線状に縫い付けることにより形成されている。第2〜第4実施形態の着用物品100B〜100Dの備える別シート20の導線22は、導電性糸のみから形成されているので、作成しやすく、安価である。尚、導線22は、導電性糸を別シート20に縫い付けて形成されているが、縫い付ける必要はなく、単に電極21上に接するように配されていてもよい。
本発明の着用物品は、上述の第1〜第4実施形態の着用物品100A〜100Dに何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。また、上述の第1〜第4実施形態の着用物品100A〜100Dにおける各構成要件は、本発明の趣旨を損なわない範囲で、適宜組み合わせて実施できる。
例えば、上述した着用物品100Aは、図1に示すように、尿とりパッド10と使い捨ておむつ30との間に、電極群ET1〜ET4を有する別シート20を配置して使用されるが、使い捨ておむつ30に換えて、ブリーフ,ショーツ、ガードル、紙パンツ、リハビリパンツ等の下着等、尿とりパッド10と別シート20を人体に固定できるものを用いてもよい。
また、上述した着用物品100Aにおいては、尿とりパッド10、別シート20及び使い捨ておむつ30の内の別シート20が、着用物品を構成する複数のシートの内の「1枚のシート」に該当するが、それに限るものではない。具体的には、着用物品を構成する複数のシートの内の「1枚のシート」としては、尿とりパッド10を構成する表面シート2、裏面シート3、吸収体4のコアラップシート42、若しくは立体ギャザー6のサイドシート61、又は、使い捨ておむつ30を構成するおむつの表面シート32、おむつの裏面シート33、おむつの吸収体34を構成するコアラップシート、若しくは立体ギャザー(不図示)のサイドシート(不図示)が挙げられる。体液に触れる場所に配置するときはシートに直接体液が触れないように肌対抗面に絶縁層や防水層を設けることが好ましい。尚、「1枚のシート」としては、電極群ETの汚れ防止の観点から、尿とりパッド10の液難透過性の裏面シート3よりも非肌対向面側に配される、別シート20、使い捨ておむつ30を構成するおむつの表面シート32、おむつの裏面シート33が好ましい。
また、上述した着用物品100Aにおいては、別シート20は矩形状に形成されているが、別シート20の形状は、矩形状に限定されるものではない。
また、上述した着用物品100Aにおいては、別シート20の肌対向面20uに電極群が形成されているが、別シート20の非肌対向面に形成されていてもよい。
また、上述した着用物品100Aにおいては、各導線22を覆うように、各導線22の肌対向面に、絶縁性インクを印刷により塗布して上部絶縁層26を形成しているが、上部絶縁層26がなくてもよい。また、絶縁性インクを印刷により塗布する範囲を電極21も覆うように広げてもよい。また、上部絶縁層26は必ずしも絶縁性インクを塗布して形成する必要はなく、絶縁シートを張り付けるなどで各導線22あるいは電極21を覆うようにしてもよいし、各導線22を、絶縁体で周囲を包んだいわゆる被覆電線とし、電極21のみを覆うように絶縁層を形成してもよい。
また、上述した着用物品100Aにおいては、尿とりパッド10、別シート20及び使い捨ておむつ30を備えているが、尿とりパッド10及び使い捨ておむつ30の替わりに、生理用ナプキン等の他の吸収性物品であってもよい。従って、本発明の着用物品は、尿以外の、例えば経血等の体液の広がりを検知することもできる。
また、本発明の着用物品は、成人用又は乳幼児の着用物品であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
図2に示す電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、先ず、Y方向に長い矩形状の布(ポリエステル100%、厚さ0.24mm、坪量140g/m2)を用意した。尚、厚さは株式会社東京精密のデジタル測長器(MODEL:E−ST−100G)を使用して測定した。該布のY方向の長さは531〜532mm、X方向の長さは88〜90mmであった。次いで、該布の一面に、カーボン粉末を主成分としたインクを印刷により塗布して、図2に示す電極及び導電塗布部を形成した。尚、電極及び導電塗布部は、重ねて3回印刷して形成した。次いで、導電性糸として、株式会社ケンエー社製の商品名「スーパーα繊維」を用い、形成した各導電塗布部の範囲内にて、図2に示すように、該導電性糸を前記布に縫い付けて導線を形成し、電極群を前記布の一面に形成した。このように形成されたシートを、図2に示すように、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、実施例1の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積が551.2mm2であり、長手方向(Y方向)の電極間の離間距離dが14.4mmであり、長手方向(Y方向)の電極間隔d’が26.1mmであり、電極列の全長Lが437.9mmであり、幅方向(X方向)に隣り合う導電性糸どうしの間隔W’が14.1mmであった。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は0.8Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)は47.5Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=0.017×R2であった。
〔実施例2〕
図7に示す電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図7に示す電極を形成した。尚、電極は、重ねて3回印刷して形成した。次いで、ポリエステル・綿混紡の布(ポリエステル65%、綿35%、厚さ0.17mm、坪量115g/m2)の上に図7の位置に電極を配置した。尚、厚さは株式会社東京精密のデジタル測長器(MODEL:DH−120)を使用して測定した。次いで、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図7に示すように、該導電性糸を前記ポリエステル・綿混紡の布に縫い付けて導線を形成し、電極群を布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、実施例2の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積が894.8mm2であり、長手方向(Y方向)の電極間の離間距離dが4.9mmであり、長手方向(Y方向)の電極間隔d’が20.8mmであり、電極列の全長Lが436.8mmであり、幅方向(X方向)に隣り合う導電性糸どうしの間隔W’が14.1mmであった。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は0.8Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)は47.5Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=0.017×R2であった。
尚、図7に示す電極群を表面に形成したシートは実施例1と同一の矩形状の布にカーボン粉末を主成分としたインクを印刷により塗布して電極を形成し、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図7に示すように、該導電性糸を電極の形成された布に縫い付けることにより形成することもできる。
〔実施例3〕
図8に示す電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図8に示す電極を形成した。尚、電極は、重ねて3回印刷して形成した。次いで、ポリエステル・綿混紡の布(ポリエステル65%、綿35%、厚さ0.17mm、坪量115g/m2)の上に図8の位置に電極を配置した。尚、厚さは株式会社東京精密のデジタル測長器(MODEL:DH−120)を使用して測定した。次いで、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図8に示すように、該導電性糸を前記ポリエステル・綿混紡の布に縫い付けて導線を形成し、電極群を布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、実施例3の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積が433.5mm2であり、長手方向(Y方向)の電極間の離間距離dが21.5mmであり、長手方向(Y方向)の電極間隔)d’が29.0mmであり、電極列の全長Lが416.5mmであり、幅方向(X方向)に隣り合う導電性糸どうしの間隔W’が13.9mmであった。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は0.8Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)は47.5Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=0.017×R2であった。
尚、図8に示す電極群を表面に形成したシートは実施例1と同一の矩形状の布にカーボン粉末を主成分としたインクを印刷により塗布して電極を形成し、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図8に示すように、該導電性糸を電極の形成された布に縫い付けることにより形成することもできる。
〔実施例4〕
図9に示す電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図9に示す電極を形成した。尚、電極は、重ねて3回印刷して形成した。次いで、ポリエステル・綿混紡の布(ポリエステル65%、綿35%、厚さ0.17mm、坪量115g/m2)の上に図9の位置に電極を配置した。尚、厚さは株式会社東京精密のデジタル測長器(MODEL:DH−120)を使用して測定した。次いで、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図9に示すように、該導電性糸を前記ポリエステル・綿混紡の布に縫い付けて導線を形成し、電極群を布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、実施例4の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積が765.8mm2であり、長手方向(Y方向)の電極間の離間距離dが4.6mmであり、長手方向(Y方向)の電極間隔d’が23.7mmであり、電極列の全長Lが435.0mmであり、幅方向(X方向)に隣り合う導電性糸どうしの間隔W’が14.0mmであった。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は0.8Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)は47.5Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=0.017×R2であった。
尚、図9に示す電極群を表面に形成したシートは実施例1と同一の矩形状の布にカーボン粉末を主成分としたインクを印刷により塗布して電極を形成し、実施例1と同一の導電性糸を用意し、図9に示すように、該導電性糸を電極の形成された布に縫い付けることにより形成することもできる。
〔比較例1〕
実施例1の着用物品の備えるシートに形成された電極群に比べ、導電性糸を用いない電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図2に示す電極及び導電塗布部を形成した。尚、電極及び導電塗布部は、1回の印刷により形成した。導電性糸は用いず、導電塗布部のみからなる導線を有する電極群を前記布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、比較例1の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積、離間距離d、電極間隔d’、電極列の全長L、及び導電性糸どうしの間隔Wは、実施例1のシートに形成された電極群と同じである。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は175Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)も同じ175Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=1.0×R2であった。
〔比較例2〕
実施例1の着用物品の備えるシートに形成された電極群に比べ、導電性糸を用いない電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図2に示す電極及び導電塗布部を形成した。尚、電極及び導電塗布部は、3回の印刷により形成した。導電性糸は用いず、導電塗布部のみからなる導線を有する電極群を前記布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、比較例2の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積、離間距離d、電極間隔d’、電極列の全長L、及び導電性糸どうしの間隔Wは、実施例1のシートに形成された電極群と同じである。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は47.5Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)も同じ47.5Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=1.0×R2であった。
〔比較例3〕
実施例1の着用物品の備えるシートに形成された電極群に比べ、導電性糸を用いない電極群を表面に形成したシートを作製した。具体的には、実施例1と同一の矩形状の布及びカーボン粉末を主成分としたインクを用意し、図2に示す電極及び導電塗布部を形成した。尚、電極及び導電塗布部は、5回の印刷により形成した。導電性糸は用いず、導電塗布部のみからなる導線を有する電極群を前記布の一面に形成した。このように形成されたシートを、実施例1と同様に、使い捨ておむつと尿とりパッドとの間に配して、比較例3の着用物品を作製した。このように形成された電極群に関して詳述すると、各電極の面積、離間距離d、電極間隔d’、電極列の全長L、及び導電性糸どうしの間隔Wは、実施例1のシートに形成された電極群と同じである。また、各電極群を構成する導線の抵抗値(R1)は18Ω/cmであり、各電極群を構成する電極の抵抗値(R2)も同じ18Ω/cmであり、導線の抵抗値(R1)と電極の抵抗値(R2)との関係が、R1=1.0×R2であった。
〔性能評価〕
実施例1〜4、比較例1〜3の着用物品を、それぞれ、人形に履かして、人間の排尿部に相当する領域に、チューブの吐出口を配置した。次いで、前記チューブを介して生理食塩水を一定量ずつ前記排尿部に相当する領域に注入して、その際の静電容量センサ出力変化量を計測し、注入された生理食塩水の量と、静電容量センサ出力変化量との関係について評価した。評価環境は室温24〜27℃、湿度31〜64%RHであった。それらの結果を下記図10に示す。
図10に示すように、比較例1〜3の着用物品の結果から、電極及び導電塗布部を形成する際、カーボン粉末を主成分としたインクの印刷回数が多くなるに従って、静電容量センサ出力変化量が高くなることが分かる。しかし、比較例1〜3の着用物品の何れも、注入する生理食塩水の量が少ない段階で、静電容量センサ出力変化量が飽和状態となってしまうことが分かる。それに対し、実施例1〜4の着用物品は、何れも、注入する生理食塩水の量に伴って、静電容量センサ出力変化量が高くなることが分かる。よって図10に示す結果から、実施例1〜4の着用物品は、比較例1〜3の着用物品に比べて、体液の広がりを更に高精度に測定することが期待できる。
100A,100B,100C,100D 着用物品
10 尿とりパッド
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
42 コアラップシート
5 吸収性本体
6 立体ギャザー
61 サイドシート
62 弾性部材
20 別シート
ET 電極群
21 電極
22 導線
221 導電塗布部
222 導電性糸
23,24 端子
25 下部絶縁層
26 上部絶縁層
27 データ収集手段
28 情報処理手段
281 データ取得手段
282 体液排出量演算手段
283 体液排出時刻演算手段
284 体液排出速度演算手段
30 使い捨ておむつ
32 おむつの表面シート
33 おむつの裏面シート
34 おむつの吸収体
36 ファスニングテープ
A 腹側領域、B 背側領域、C 股下領域

Claims (2)

  1. 導電材料を塗布して形成され、電極群を形成する複数のセンサー素子を備えた着用物品であって、
    前記電極群の複数の電極は、同形の矩形状に形成されて、着用物品を形成するシートの長手方向に、等間隔を開けて配置されるとともに、前記導電材料を塗布して形成された長手方向に直線状に延びる導線を介して接続され、
    前記シートの幅方向に隣り合う前記電極群では、一方の該電極群の電極は、他方の電極群の前記長手方向に隣り合う電極同士の間に配置されており、
    前記導線は、前記導電材料を塗布してなる導電塗布部と、該導電塗布部に配された導電性糸とを有する、着用物品。
  2. 前記電極群は4つであり、
    第1の電極群の導線及び第3の電極群の導線は、前記シートの幅方向両外側それぞれに配され、第2の電極群の導線は該第1の電極群の導線よりも該幅方向内側に配され、第4の電極群の導線は該第3の電極群の導線よりも該幅方向内側に配されており、
    前記第1の電極群の導線と前記第3の電極群の導線、および前記第2の電極群の導線と前記第4の電極群の導線が、それぞれ、電子機器に接続される端子を介して接続されている、請求項1記載の着用物品。
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