JP6485720B1 - 補強部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示の一つの局面は、ブロックの外部に補強支持具等を設置するスペースを必要とせず、また、太さが異なる複数の鉄筋部材を用意する必要無く、鉄筋部材が配設されたブロック塀の外力に対する耐性を向上させることにある。
て適用される補強部材(10,30,50)であって、鉄筋部材を構成する互いに非平行な位置関係にある複数の棒状部分をそれぞれ挟持する複数の挟持部(11,31,12,51,52)と複数の挟持部の間に配設され、複数の挟持部を互いの間の相対的な位置関係が保持されるように一体となって連結する連結部(13,53)と、を有する。
[1.第一実施形態]
[1−1.構成]
図1に示すように、本実施形態のブロック塀は、補強部材10と、基礎100と、複数の本体ブロック200と、L字鉄筋Lと、ロッククリップ20とを有する。
本体ブロック200は、地面に対して積み上げる方向に沿って内部に貫通する空洞を有する建築用のコンクリートブロックである。また、本体ブロック200は、側面部分の端部に地面に対して積み上げる方向に沿って高さ方向を有する略半円筒形状の凹部を有してもよい。ここで本体ブロック200の側面部分とは、本体ブロック200により積み上げる際に他の本体ブロック200と当接する面をいう。
れる。
第一挟持部11及び第二挟持部12は、いずれも棒状の鉄筋部材を挟持することが可能な断面形状を有する長尺状の部位である。連結部13は、第一挟持部11及び第二挟持部12が交差した位置関係となり全体としてL字形状となるように連結する部位である。連結部13は、第一挟持部11及び第二挟持部12のそれぞれの長尺状の部位の長手方向が属する仮想平面上において、当該長尺状の部位の長手方向同士のなす角度が小さい側に設けられる。
一方、第二挟持部12の長手方向の長さは、第一挟持部11よりも短く、例えば、第一挟持部11の半分程度の長さに設定される。
第一挟持部11は、第一保持部111及び第一挿入部112を備える。
第一挟持部11は、第一保持部111の略円筒形状の周面の一部が、あらかじめ決められた幅だけ、上下方向に沿って第一挟持部11の上端部分から下端部分まで切り取られた間隙を有する。当該間隙の幅の大きさは、例えば、L字鉄筋Lの棒状部分の直径よりも小さく形成される。
第二挟持部12は図5に示すように第一挟持部11と同様の形状の第二保持部121、第二挿入部122を有する。ここで、第二保持部121は第一保持部111と、第二挿入部122は第一挿入部112と同様の形状に形成される。
連結部13は、第一連結部131及び第二連結部132を備える。
第一連結部131及び第二連結部132は、第一挟持部11及び第二挟持部12が交わる付近にて一体化される。
補強部材10を構成する第一挟持部11、第二挟持部12及び連結部13は、例えば、鉄を一体成形することにより製造される。
図1に示すように補強部材10は、第一挟持部11及び第二挟持部12によりL字鉄筋Lが挟持された状態で基礎100及び本体ブロック200に埋め込まれる。
補強部材10によるL字鉄筋Lの挟持は、L字鉄筋Lを構成する棒状部分をそれぞれ第一挿入部112及び第二挿入部122に差し込むことにより行われる。具体的には、第一挟持部11の第一挿入部112を左側、第二挟持部12の第二挿入部122が下側を向くようにして、補強部材10の左下から右上に向かって、差し込むことにより実現される。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)L字鉄筋Lは補強部材10により補強された結果、L字鉄筋Lにかかる力が補強部材10に分散するため、L字鉄筋Lが補強部材10を備えない場合に比べ、補強部材10を備えるL字鉄筋Lは曲げに対して強くなる。また、L字鉄筋Lを構成する棒状部分同士の位置関係を保持するように補強部材10は設けられるため、L字鉄筋Lは曲げに対して強くなる。
(3)上記第一実施形態によれば、補強部材10は、ブロック塀の内部に配設されている。このため、ブロック塀の倒壊を防ぐための補強する部材を、ブロック塀の外部に必要とすることない。これにより、ブロック塀の周囲の歩行者の通行を妨げず、ブロック塀を補強することができる。
するため、一段目と二段目の本体ブロック200同士がずれることを抑制する。
なお、一段目と二段目とに限らず、補強部材10が内部で連通する複数の本体ブロック200が存在する場合、境界部分で本体ブロック200同士がずれることを抑制することができる。
第二実施形態は、基本的な構成は第一実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第一実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。また、上下方向、左右方向及び奥行き方向に関しても、第一実施形態と同様の基準で説明する。
図7に示すように、第二実施形態の補強部材30を備えたブロック塀は、補強部材30の他、巾留クリップ40と、基礎100と、複数の本体ブロック200と、L字鉄筋Lと、追加鉄筋Mとを有する。
図7に示すように、ロッククリップ20は、第一保持部311と挿入部314との間を挟持する位置に設けられる。但し、第二実施形態においても、ロッククリップ20は配設される位置は、第一保持部311と挿入部314との間に限定されるものではなく、第一実施形態と同様、L字鉄筋Lの長辺部分の外側に第一挿入部112に相当する第一挿入部312の突出部を外側から挟持するようにロッククリップ20が設けられてもよい。
プ先端部44を有する。
第二実施形態の補強部材30によれば、第一実施形態の作用に加えて、複数の鉄筋部材を補強部材30に縦方向に配設することができる。これにより、補強部材30により複数の鉄筋部材を保持することができるため、第二実施形態の補強部材30によれば、第一実施形態の効果に加えて、ブロック塀をより強固に補強することができるという効果が生じる。
[3−1.構成]
第三実施形態は、第一実施形態との相違点について以下に説明する。なお、第一実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。また、上下方向、左右方向及び奥行き方向に関しても、第一実施形態と同様の基準で説明する。
横挟持部51は、補強部材50の上下方向の中央部分に奥行き方向に沿って設けられる挟持部である。横挟持部51は、第一挟持部11と同様の長尺形状に形成され、長手方向が奥行き方向を向き、下方向に第一挿入部112に相当する第一挿入部512が向くように形成される。すなわち、下方向から横鉄筋Yが挿入できるように形成される。なお、横鉄筋Yが第一鉄筋に相当し、横挟持部51が主挟持部に相当する。また、図9中点線Tが横鉄筋Yと横挟持部51とが接する壁面を表しており、図9の点線同士で挟まれた位置に存在する点線が奥側に突出した第一挿入部512を表している。
図9に示すように控鉄筋HのL字形状は、L字形状を形成する棒状部分の一方が左右方向沿って延び、他方の棒状部分が上下方向に沿って延びるような向きに配置される。控鉄筋Hの左右方向に延びる棒状部分は横鉄筋Yと直交するように配置され、控挿入部52の挿入口に挿入される。なお、控鉄筋Hが第二鉄筋に相当し、控挿入部52が交差挟持部に相当する。
縦挿入部53aは、交差連結部53の奥行き方向の中央部分に上下方向に沿って貫通する。ここで、縦挿入部53aの円筒状の開口の直径は、L字鉄筋Lの棒状部分の直径と比べ同一又はより大きく形成され、L字鉄筋Lが挿入できるように形成される。なお、本実施形態のL字鉄筋Lが直交鉄筋に相当する。
補強部材50が有する横挟持部51及び控挿入部52に横鉄筋Y及び控鉄筋Hがそれぞれ挿入され、縦挿入部53aにL字鉄筋Lが挿入されることにより、補強部材50を介してL字鉄筋L、横鉄筋Y及び控鉄筋Hが固定される。その結果、補強部材50によりブロック塀の本体部分と、控壁の連結が強固になる。
(1)ブロック塀の本体部分と控壁の連結が補強部材50を介して強固になることにより、倒壊させる向きに係る外力に対への耐性を向上させることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(9)上記各実施形態及び請求項等における「直交」、「近傍」との記載は、厳密な意味に限られるものではなく、上記それぞれと同様の効果を奏するのであれば、厳密に「直交」、「近傍」でなくてもよい。例えば、「近傍」は、補強部材50により連結される位置が、補強部材50により連結し補強できる程度に近ければよい。
Claims (2)
- ブロック塀の内部に配設される鉄筋部材(L,M,Y,H)に対して適用される補強部材(10,30,50)であって、
前記鉄筋部材を構成する互いに非平行な位置関係にある複数の棒状部分をそれぞれ挟持する複数の挟持部(11,31,12,51,52)と、
前記複数の挟持部の間に配設され、前記複数の挟持部を互いの間の相対的な位置関係が保持されるように一体となって連結する連結部(13,53)と、
を有し、
前記複数の挟持部は、
L字形状に曲折された前記鉄筋部材であるL字鉄筋(L)の曲折部分から一方の端部までの棒状部分の少なくとも一部を挟持する長尺状の部位である第一挟持部(11)と、
前記鉄筋部材の前記曲折部分から他方の端部までの棒状部分の少なくとも一部を挟持する長尺状の部位である第二挟持部(12)と、を有し、
前記連結部は、前記第一挟持部及び前記第二挟持部を、それぞれの長尺状の部位の長手方向が交差する位置関係となるように連結させ、
前記第一挟持部及び前記第二挟持部の少なくとも一方は、挿入部(314)を有し、
前記挿入部は、当該挿入部が備えられた前記挟持部の長手方向に沿って、当該挟持部により挟持される鉄筋部材とは異なる鉄筋部材である追加鉄筋(M)を挿入可能に構成される、補強部材。 - ブロック塀の内部に配設される鉄筋部材(L,M,Y,H)に対して適用される補強部材(10,30,50)であって、
前記鉄筋部材を構成する互いに非平行な位置関係にある複数の棒状部分をそれぞれ挟持する複数の挟持部(11,31,12,51,52)と、
前記複数の挟持部の間に配設され、前記複数の挟持部を互いの間の相対的な位置関係が保持されるように一体となって連結する連結部(13,53)と、
を有し、
前記複数の挟持部は、それぞれ異なる鉄筋部材における棒状部分を挟持し、
前記複数の挟持部により挟持される鉄筋部材のうちの一つの鉄筋部材を第一鉄筋(Y)として、当該第一鉄筋とは異なる鉄筋部材を第二鉄筋(H)として、
当該第一鉄筋の長手方向に沿って挟持する主挟持部(51)と、
前記第二鉄筋の棒状部分を挟持する交差挟持部(52)と、
前記主挟持部と前記交差挟持部との間に配置され、前記交差挟持部により挟持される前記第二鉄筋の棒状部分の長手方向と、前記主挟持部により挟持される前記第一鉄筋の棒状部分の長手方向とが直交する位置関係を保持するように前記主挟持部と前記交差挟持部とを直交する位置の近傍で連結させる交差連結部(53)と、
を有し、
前記交差連結部には、前記主挟持部により挟持される前記第一鉄筋の棒状部分の長手方向及び前記交差挟持部により挟持される前記第二鉄筋の棒状部分の長手方向に対して直交する方向を向く向きに鉄筋部材の棒状部分を挿入するように形成された開口である縦挿入部(53a)が形成され、
前記交差連結部は、前記縦挿入部に挿入された前記鉄筋部材である直交鉄筋の挿入された棒状部分と前記第一鉄筋及び前記第二鉄筋との位置関係を保持する、補強部材。
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