JP6484696B2 - 箱型車載制御装置 - Google Patents
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Description
上記した以外の、課題、構成、及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
図1〜図11は、本発明に係る箱型車載制御装置の実施形態(実施例1〜9)の説明に供される図であり、各図において、同一構成部分、同一機能部分、あるいは、対応関係にある部分には共通の符号ないし関連した符号が付されている。なお、本発明を理解しやすくするため、図1〜図11において、各部の厚み等(特に熱放射性コーティング層の膜厚)は誇張して描かれている。
図1は、実施例1(〜9)の箱型車載制御装置1の主要構成を示す分解斜視図、図2は、実施例1の断面図である。
各実施例(1〜9)においては、特定の部位に熱放射性コーティング層(31、32、33、34)が形成される。
この場合、回路基板12には、電子部品11及びコネクタ15が実装された後に、その一方の面及び/又は他方の面に熱放射性コーティング層31が形成(塗布)され、また、ベース13及びカバー14には、それらが所定寸法形状に作製された後に、それらの内面及び/又は外面に熱放射性コーティング層32、33が形成(塗布)され、また、コネクタ15のピン端子15aには、回路基板12側の連結接合部15fからコネクタハウジング15bまでの間の部分に熱放射性コーティング層34が形成(塗布)される。
次に、実施例1〜9を順次詳細に説明する。
実施例1は、図2に示される如くに、電子部品11が実装してある回路基板12の下面(ベース13側)における電子部品11及び高熱伝導層20以外の部分に、放射率0.80以上の第一の熱放射性コーティング層31が形成されるとともに、ベース13の内面(詳しくは、第一の熱放射性コーティング層31に対向している面)側に放射率0.80以上の第二の熱放射性コーティング層32が形成されている。また、回路基板12の下面側に実装された電子部品11の外周にも熱放射性コーティング層31(32)が形成されている。
実施例2においては、図3に示される如くに、回路基板12における、熱源50(例えば車載エンジン)に対向していない側(ベース13側)の面に放射率0.80以上の第一の熱放射性コーティング層31が形成されるとともに、ベース13における内面(詳しくは、第一の熱放射性コーティング層31に対向している上面)に、放射率0.80以上の第二の熱放射性コーティング層32が形成され、さらに、第二の熱放射性コーティング層32が内面側に形成されたベース13の外面(下面)側に、放射率0.80以上の第三の熱放射性コーティング層33が形成されている。
第三の熱放射性コーティング層33の表面状態を粗くすること(微細な凸凹を形成すること等)で、コーティング層33の表面積が増加し、放熱性が一層向上する。
実施例3においては、図4に示される如くに、電子部品11が実装された回路基板12のカバー14側の面(上面)に放射率0.80以上の第一の熱放射性コーティング層31が形成されるとともに、カバー14の内面(詳しくは、第一の熱放射性コーティング層31に対向している下面)側に放射率0.80以上の第二の熱放射性コーティング層32が形成されている。ここでは、第一の熱放射性コーティング層31は、回路基板12の上面側に実装されている電子部品11、11、11を覆うように形成されている。
また、回路基板12との間に隙間が形成されている、右端に位置している電子部品11については、第一の熱放射性コーティング層31が前記隙間を埋めるように形成されている。
実施例4においては、図5に示される如くに、回路基板12における、熱源50(例えば車載エンジン)に対向していない側(カバー14側)の面に放射率0.80以上の第一の熱放射性コーティング層31が形成されるとともに、カバー14における内面(詳しくは、第一の熱放射性コーティング層31に対向している下面)に、放射率0.80以上の第二の熱放射性コーティング層32が形成され、さらに、第二の熱放射性コーティング層32が内面側に形成されたカバー14の外面(上面)側に、放射率0.80以上の第三の熱放射性コーティング層33が形成されている。
実施例5について、実施例1〜4と異なる部分について説明する。本実施例5では、図6、図7に示される如くに、実施例1と同様に第一の熱放射性コーティング層31、第二の熱放射性コーティング層32が形成されるとともに、コネクタ15のピン端子15aにおける回路基板12側の連結接合部15fからコネクタハウジング15bまでの間の部分の全周を覆うように、放射率0.80以上の第四の熱放射性コーティング層34が形成されている。
また、第四の熱放射性コーティング層34の表面状態を粗くすること(微細な凸凹を形成すること等)で、コーティング層34の表面積が増加し、熱吸収性が向上する。
実施例6、7、8、9は、それぞれ図8、図9、図10、図11に示される如くに、実施例2、実施例3、実施例4、実施例1+実施例3、の構成に加えて、コネクタ15のピン端子15aにおける回路基板12との連結接合部15fからコネクタハウジング15bまでの間の部分を覆うように、放射率0.80以上の第四の熱放射性コーティング層34が形成されている。
各熱放射性コーティング層31、32、33、34の仕様等は、前述した実施例1〜5と同じであるので省略する。
比較例1は、図12に示される如くに、箱型車載制御装置1に熱放射性コーティング層31、32、33、34のいずれもが形成されていない構成である。このため、発熱素子を含んだ電子部品11からの発熱及び回路基板12に伝導した熱の熱移動量が小さく、放熱性が不十分である。
比較例2は、図13に示される如くに、箱型車載制御装置1の回路基板12の片面(下面)のみに第一の熱放射性コーティング層31が形成された構成である。このため、発熱素子を含んだ電子部品11からの発熱及び回路基板12に伝導した熱は熱放射されるが、対向面による熱吸収は望めない。
10 筐体
11 電子部品
12 回路基板
13 ベース
14 カバー
15 コネクタ
15a ピン端子
15b ハウジング
15c 通し孔
19 サーマルビア
20 高熱伝導層
31 第一の熱放射性コーティング層
32 第二の熱放射性コーティング層
33 第三の熱放射性コーティング層
34 第四の熱放射性コーティング層
50 熱源
Claims (16)
- 電子部品が実装された回路基板と、
第一の部材と第二の部材で構成され、当該第一の部材と当該第二の部材を接続することによってできた空間に前記回路基板を格納する筐体と、
前記回路基板と外部とを電気的に接続するための接続端子と、
前記接続端子を保持するコネクタハウジングと、を備えた箱型車載制御装置であって、
前記第一の部材の前記回路基板と対向する面には、第一の熱放射性コーティング層が形成され、
前記第一の熱放射性コーティング層と対向する前記回路基板の面には第二の熱放射性コーティング層が形成され、前記回路基板の前記第二の熱放射性コーティング層が設けられた面とは反対側の面には熱放射性コーティング層が形成されておらず、
前記第一の部材は、前記第一の熱放射性コーティング層が設けられた側とは反対側に放熱フィンを有し、
前記第二の部材の前記回路基板と対向する面には熱放射性コーティング層が形成されていないことを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記第二の部材は外部の熱源と対向することを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記各熱放射性コーティング層の膜厚は、1μm〜200μmとされていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記第一の熱放射性コーティング層が内面側に形成された前記第一の部材の外面側には第三の熱放射性コーティング層が形成されていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記回路基板における電子部品が実装されている部分にサーマルビアが設けられていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記第二の熱放射性コーティング層は、前記回路基板とそれに浮かせた状態で実装された電子部品との間に形成された隙間部分にも形成されていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記各熱放射性コーティング層の表面状態が粗くされていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記各熱放射性コーティング層を形成する材料として、有機樹脂に無機粒子を配合してなる複合材料が用いられていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項8に記載の箱型車載制御装置において、
前記無機粒子として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、ジルコニア、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化リチウム、酸化亜鉛、二酸化珪素等のセラミックス粉末のうちの少なくとも一つが用いられることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項9に記載の箱型車載制御装置において、
前記セラミックス粉末は、平均粒子径が0.01〜200μmであることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項8に記載の箱型車載制御装置において、
前記有機樹脂として、合成樹脂又は水系エマルション樹脂が用いられていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項11に記載の箱型車載制御装置において、
前記合成樹脂として、フェノール樹脂、アルキド樹脂、メラミン尿素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、塩化ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、及びフッ素樹脂のうちのいずれかが用いられていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項11に記載の箱型車載制御装置において、
前記水系エマルション樹脂として、シリコンアクリルエマルション、ウレタンエマルション、アクリルエマルションのうちのいずれかが用いられていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記接続端子は、前記コネクタハウジングに設けられた通し孔に挿着され、
前記接続端子における前記回路基板側の連結接合部から前記コネクタハウジングまでの間の部分の一部ないし全部を覆うように第四の熱放射性コーティング層が形成されていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項14に記載の箱型車載制御装置において、
前記第四の熱放射性コーティング層は、前記接続端子と前記通し孔との間に形成される微小隙間部分を封止するように形成されていることを特徴とする箱型車載制御装置。 - 請求項1に記載の箱型車載制御装置において、
前記回路基板の前記第二の熱放射性コーティング層が形成された面は、外部の熱源に対向していないことを特徴とする箱型車載制御装置。
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