JP6484655B2 - 害獣対策支援システム及び害獣対策支援方法 - Google Patents
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Description
このため、果樹園や畑などの監視領域周囲に侵入する害獣をセンサにより検知し、侵入した害獣を駆除、あるいは追い払うことが考えられる。しかし、センサが検知した対象が害獣であるか否かを判定する手段がないと、駆除あるいは追い払いの処理が無駄になってしまう。例えば、害獣と、この害獣を近づけないために飼っている犬との区別を付ける必要がある。
これにより、農作物を栽培している柵内に侵入している対象物が、害獣であるか否か、あるいは害獣の種類がなにか、すなわち害獣が熊かイノシシかなどであるとの判定が行える。
農作物の被害をより低減するためには、害獣の種類の判別に加えて、監視領域内における農作物の生育状況に対応して、いずれの時期に害獣が監視領域におけるいずれの場所に侵入する可能性があるかを推定する必要がある。
データ取得装置13は、検知センサ装置12の各々から、それぞれの検知センサ装置12が検知したデータを取得する装置であり、例えば、後述する検知センサ装置12から、無線通信によるデータ取得機能を有する携帯端末あるいは小型無人飛翔体(例えば、ドローン)である。
検知センサ装置12の各々は、柵200Bの外周において、柵200Bに対してそれぞれ所定の距離を有し、かつ所定の間隔を有して配置されている。
検知センサ装置12の各々からのデータの読み込みにおいて、本実施形態においては、例えば一日のセンサデータの集計時に、小型無人飛翔体を飛ばして各検知センサ装置12から、それぞれの検知センサ装置12のセンサ識別情報とともに、センサデータを無線通信により読み込み、内部メモリ(メモリカード)に書き込んで記憶させる。
そして、小型無人飛翔体からメモリカードを外して、センサデータ入力部111のソケットに差し込み、図示しないキーボードやマウスなどの入力手段により、メモリカードからのセンサデータの読み込みを行なう。
振動強度は、害獣の体重に関連し、体重により害獣の判別を行なう。例えば、イノシシは熊よりも軽く、猿はイノシシより軽いと想定される。音声周波数は、害獣の鳴き声に多く含まれる周波数成分の周波数帯域(Hz)により、害獣の判別を行なう。音声強度は、害獣の鳴き声の最大振幅の強度(dB)により、害獣の判別を行なう。香り強度は、作物が成長過程で放出する香り(臭い)の強度(センサにおける測定に用いられている強度レベルで示される強度)を示し、成長するに従い強くなる香り成分を用いている。
害獣種類は、例えば、熊、イノシシ(猪)、サル(猿)、シカ(鹿)、タヌキ(狸)、キツネ(狐)、イタチ(鼬)、ハクビシン…など、人間が栽培する農作物を食べ、農地を荒らす害を与える動物を示している。
震動強度の欄には、検知センサ装置12の近傍を害獣が通過する際、害獣の体重により発生し、この検知センサ装置12に与える振動の強度範囲が示されている。検知センサ装置12による振動強度がこの振動強度範囲に含まれている場合、この振動強度範囲に対応する害獣である可能性が高いことを示している。
音声強度の欄には、害獣の鳴き声の最大音声強度の範囲を示す音声強度範囲が示されている。検知センサ装置12による音声強度がこの音声強度範囲に含まれている場合、この音声強度に対応する害獣である可能性が高いことを示している。
嗜好性の高い農作物は、対応する害獣が好んで食べる農作物の種類を示し、例えば農地が畑である場合サツマイモ、ジャガイモ、にんじん、トウモロコシなど、また農地が果樹園である場合、桃、リンゴ、ブドウなどが記載されている。
そのため、農作物が芋の場合、検知センサ装置12の検出した農作物(農作物P1からP4)香り強度aが香り強度第1閾値を超え、香り強度第1閾値以下である(A11<a≦A12)と、農作物の生育状態は初期期状態になったと判定される。
検知センサ装置12の検出した香り強度aが香り強度第3閾値を超える(A13<a)と、農作物の生育状態は終期状態になったと判定される。
他の農作物(桃、トマトなど)についても同様である。
また、通知情報出力部115は、危険レベルと判定された検知センサ装置12の横に、「ワナを仕掛けてください」など、害獣の被害を防止するのに適した、害獣毎に対応した対策方法を表示するように構成しても良い。
表示部116は、例えば、害獣対策支援装置に備えられた操作画面及び結果表示画面などが表示される液晶表示装置である。
ステップS1:
作業者は、小型無人飛翔体あるいは自身が携帯端末を携帯し、畑200の周りに配置された検知センサ装置12の各々から、例えば前日の1日の間に取得された検知データの収集を行なう。
そして、作業者は、収集した検知データを、図示しない入力手段(メモリカード入力部)により害獣対策支援装置11に対して入力する。
これにより、センサデータ入力部111は、上記入力手段から入力される各検知センサ装置12からの検知データから、害獣検知情報及び作物生育情報を抽出し、検知データ記憶部117の検知データテーブルに書き込んで記憶させる。
害獣種類推定部112は、検知データ記憶部117の検知データテーブルから、例えば検知センサ装置12の識別番号順にそれぞれの検知センサ装置12の検知データテーブルを参照する。そして、害獣種類推定部112は、参照した検知データテーブルから、時間範囲毎に害獣検知情報を順次読み出し、害獣データベース118における害獣種類テーブルを参照して、それぞれの時間範囲毎において検知センサ装置12近傍を通過した害獣の推定を行なう。
害獣種類推定部112は、推定した各検知センサ装置が検知した害獣の種類を通知情報記憶部120における時間範囲に対応した通知情報テーブルそれぞれに、検知センサ装置12のセンサ識別情報毎に書き込んで記憶させる。
害獣種類推定部112は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルを用いた、害獣の種類の推定処理が終了したか否かの判定を行なう。このとき、害獣種類推定部112は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルにおける害獣推定が終了した場合、処理をステップS2へ進める。一方、害獣種類推定部112は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルにおける害獣推定が終了していない場合、次の検知センサ装置12の検知データテーブルにおける害獣推定の処理を実行するため、処理をステップS2を繰り返す。
作物生育推定部113は、検知データ記憶部117の検知データテーブルから、例えば検知センサ装置12の識別番号順にそれぞれの検知センサ装置12の検知データテーブルを参照する。そして、作物生育推定部113は、参照した検知データテーブルから、時間範囲毎に農作物生育情報を順次読み出し、作物生育データベース119における作物生育テーブルを参照して、それぞれの時間範囲毎において検知センサ装置12が検知する香りの強度から、農作物の生育状態の推定を行なう。
作物生育推定部113は、推定した各検知センサ装置が検知した農作物の生育状態を通知情報記憶部120における時間範囲に対応した通知情報テーブルそれぞれに、検知センサ装置12のセンサ識別情報毎に書き込んで記憶させる。
作物生育推定部113は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルを用いた、農作物の生育状態の推定処理が終了したか否かの判定を行なう。このとき、作物生育推定部113は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルにおける農作物の生育状態の推定が終了した場合、処理をステップS6へ進める。一方、作物生育推定部113は、全ての検知センサ装置12の検知データテーブルにおける農作物の生育状態の推定が終了していない場合、次の検知センサ装置12の検知データテーブルにおける農作物の生育状態の推定を実行するため、処理をステップS4を繰り返す。
通知情報判定部115は、通知情報記憶部120に記憶されている検知データテーブルを、時間範囲毎に読み出し、例えば、第1周期、第2周期、第3周期、第4周期の順番で、第1周期、第2周期、第3周期、第4周期のいずれかを順次読み出す。
通知情報判定部115は、すでに説明した演算式に対し、害獣の種類、農作物の種類、害獣の嗜好性の高い作物、農作物の生育状態に基づき、現在の生育状態における危険度を示す演算出力値を求める。ここで、通知情報判定部115は、現在処理中の時間範囲に対応した通知情報テーブルを通知情報記憶部120に作成する。通知情報判定部115は、作成した通知情報テーブルに対し、検知センサ装置12の識別番号順に、順次、害獣の種類、演算出力値を書き込んで記憶させる。
通知情報判定部115は、通知情報記憶部120における現在処理中の通知情報テーブルを参照し、演算出力値を読み出し、この演算出力値が含まれる危険度のレベルの判定を行なう。このとき、通知情報判定部115は、演算出力値が危険レベルの数値範囲に含まれる場合、処理をステップS9へ進める。一方、通知情報判定部115は、演算出力値が注意レベルの数値範囲に含まれる場合、処理をステップS10へ進める。また、通知情報判定部115は、演算出力値が安全レベルの数値範囲に含まれる場合、処理をステップS11へ進める。
通知情報判定部115は、演算出力値が予め設定された危険度のレベルとして危険レベルと判定されたため、通知情報記憶部120における現在処理中の通知情報テーブルの対応する検知センサ装置12の判定結果の欄に、レベルとして危険レベルを書き込む。そして、通知情報判定部115は、処理をステップS12へ進める。
通知情報判定部115は、演算出力値が予め設定された危険度のレベルとして注意レベルと判定されたため、通知情報記憶部120における現在処理中の通知情報テーブルの対応する検知センサ装置12の判定結果の欄に、レベルとして注意レベルを書き込む。そして、通知情報判定部115は、処理をステップS12へ進める。
通知情報判定部115は、演算出力値が予め設定された危険度のレベルとして安全レベルと判定されたため、通知情報記憶部120における現在処理中の通知情報テーブルの対応する検知センサ装置12の判定結果の欄に、レベルとして安全レベルを書き込む。そして、通知情報判定部115は、処理をステップS12へ進める。
通知情報判定部115は、現在処理中の時間範囲における全ての検知センサ装置12の検知データの処理が終了したか否かの判定を行なう。このとき、通知情報判定部115は、現在処理中の時間範囲における全ての検知センサ装置12の検知データの処理が終了した場合、処理をステップS13へ進める。一方、通知情報判定部115は、現在処理中の時間範囲における全ての検知センサ装置12の検知データの処理が終了していない場合、処理をステップS7へ進め、次の検知センサ装置の検知データの処理を開始する。
通知情報判定部115は、判定したい判定周期(例えば、前日)において、記憶部117の検知センサ装置の各々の検知データテーブルにおける全ての時間範囲の検知データに対する処理が終了したか否かの判定を行なう。このとき、通知情報判定部115は、記憶部117の検知センサ装置の各々の検知データテーブルにおける全ての時間範囲の検知データに対する処理が終了した場合、処理をステップS14へ進める。一方、通知情報判定部115は、記憶部117の検知センサ装置の各々の検知データテーブルにおける全ての時間範囲の検知データに対する処理が終了していない場合、次の時間範囲の検知データに対する処理を行なうため、処理をステップS14へ進める。
作業者が、例えば、表示部116に表示される操作画面において、前日の第1周期の結果を表示させる処理を行なう。
これにより、通知情報出力部115は、表示部116に畑200の農作物の作付け位置と、検知センサ装置12の配置位置とが示された図2に示す地図を表示し、各検知センサ装置12の表示色を、通知情報テーブルにおいて検知センサ装置12それぞれに対応して記載されている危険度のレベルに対応した色(すでに述べたように、危険レベルは赤色、注意レベルは黄色、安全レベルは緑色)とする。また、通知情報出力部115は、検知センサ装置12の配置された横に、そこを通過したことが推定される害獣の画像あるいは害獣の種類を示す文字列を表示する。
作業者は、この地図を確認して、ワナを仕掛ける時期か否か、また柵200Bの外周のどこに、かつどの害獣に対応したワナを仕掛けるかを、容易に確認することができる。
これにより、本実施形態によれば、農地(畑200)にある農作物の被害に合う(農地に侵入する位置となる)確率が、各検知センサ装置12の配置された位置毎に判定できるため、いずれの位置が危険な状態にあるか否かの判定が、害獣対策を行なったことがない作業者にも、表示画面で各検知センサ装置12の表示色をみることにより容易に判定することができる。
すなわち、通知情報判定部115は、上記演算式に対して、害獣の種類、農作物の種類、農作物の生育状態、推定された害獣の嗜好性の高い農作物に加え、計算対象となっている検知センサ装置12における頻度の情報を与えて、危険度を示す演算出力値を求める構成としても良い。上述したように、検知センサ装置12近傍における害獣が出現する頻度を反映させることで、農作物が被害にあう危険度の判定の精度を上げることができる。
この構成の場合、害獣種類推定部112は、振動強度、音声周波数及び音声強度に臭い強度を加えた害獣検知情報により、害獣の種類の推定を行なう。また、害獣データベース118における害獣種類テーブルには、害獣の種類毎に、害獣に対応した臭い強度の範囲が示されている。
また、検知センサ装置に撮像機能を付加し、検知センサ装置の周囲を撮像し、害獣種類推定部112が、撮像された撮像画像(静止画像あるいは動画像)において、撮像画像とテンプレートとして準備された害獣の参照画像とを比較し、画像認識による撮像画像と参照画像との類似度から害獣の種類を推定する構成としても良い。本実施形態のさらに他の構成においては、害獣検知情報として、振動データ及び音声データだけでなく、振動データと音声データと検知センサ装置の撮像した撮像画像の画像認識による類似度とを用いて、害獣の種類の推定を行なうことで、推定に用いる情報が増加し、害獣の種類の推定の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態の構成において、害獣検知情報として、振動データ、音声データ、害獣の臭い及び撮像画像の各々のいずれか、あるいは組合わせ、または上述したように全てを用いる構成としても良い。同様に、本実施形態の構成において、農作物生育情報として、農作物の香り強度及び農作物の高さの各々のいずれか、または上述したように全てを用いる構成としても良い。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
11…ウェブ管理サーバ
12,12A,12B_1,12B_2,21B_3,21B_4…検知センサ装置
111…センサデータ入力部
112…害獣種類推定部
113…作物生育推定部
114…通知情報判定部
115…通知情報出力部
116…表示部
117…検知データ記憶部
118…害獣データベース
119…作物生育データベース
120…通知情報記憶部
Claims (8)
- 農作物を栽培する農地近傍に配置された複数の検知センサ装置と、
前記検知センサ装置で取得される前記農作物の生育状態を示す情報である農作物生育情報により前記農作物の生育状態を推定する作物生育推定部と、
前記検知センサ装置で取得される、当該検知センサ装置近傍を徘徊する害獣の種類を示す情報である害獣検知情報により前記害獣の種類を推定する害獣種類推定部と、
推定された生育状態及び害獣検知情報の各々を用い、前記検知センサ装置の配置された位置近傍における前記害獣による農作物に対する被害の危険度を求める通知情報判定部と
を備えることを特徴とする害獣対策支援システム。 - 前記検知センサ装置が、無線通信機能を有し、
前記検知センサ装置から、当該検知センサ装置の取得した前記農作物生育情報及び前記害獣検知情報の各々を、無線通信により収集し、前記害獣対策支援システムに入力するデータ取得装置をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の害獣対策支援システム。 - 前記通知情報判定部が、推定された前記害獣の嗜好性の高い農作物の種類及び、前記農作物の推定された生育状態を反映して、前記危険度を求める
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の害獣対策支援システム。 - 前記通知情報判定部が、過去の履歴において、前記害獣が前記検知センサ装置に検知された回数を反映して、前記危険度を求める
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の害獣対策支援システム。 - 前記農地の地図を表示部に表示させる通知情報出力部をさらに有し、
前記通知情報出力部が、
前記地図上に配置される前記検知センサ装置に対し、当該検知センサ装置近傍における前記危険度のレベルに応じた表示を行なう
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の害獣対策支援システム。 - 前記害獣検知情報が、
前記害獣が近傍を通過する際に発生する振動データ、前記害獣の発する音声データ、前記害獣の臭いの強度及び前記害獣の画像のいずれか、あるいは組合わせ、または全てである
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の害獣対策支援システム。 - 前記農作物生育情報が、
前記農作物の発生する香りの強度及び前記農作物の高さのいずれか、あるいは双方である
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の害獣対策支援システム。 - 作物生育推定部が、農作物を栽培する農地近傍に配置された検知センサ装置で取得される前記農作物の生育状態を示す情報である農作物生育情報により前記農作物の生育状態を推定する作物生育推定過程と、
害獣種類推定部が、前記検知センサ装置で取得される、当該検知センサ装置近傍を徘徊する害獣の種類を示す情報である害獣検知情報により前記害獣の種類を推定する害獣種類推定過程と、
通知情報判定部が、推定された生育状態及び害獣検知情報の各々を用い、前記検知センサ装置の配置された位置近傍における前記害獣による農作物に対する被害の危険度を求める通知情報判定過程と
を含むことを特徴とする害獣対策支援方法。
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