JP6483250B2 - エルゴチオネインおよび関連化合物の合成方法 - Google Patents

エルゴチオネインおよび関連化合物の合成方法 Download PDF

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Description

エルゴチオネインおよび式Vの関連化合物の合成方法を記載する。
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)などのグラム陽性細菌の多くは、保護小分子チオールとしてエルゴチオネイン(ESH)を産生する。1、2、3 ESHは、イミダゾール環のC2原子(ε位)にチオール基を有するチオヒスチジンベタイン誘導体である(スキーム1)。近年、ESHはスメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)によって培地中に活発に分泌されることが見出され、現在の知識によると、ESHがマイコバクテリアのin vivoおよびin vitro生存に重要な役割を果たす可能性があることが示されている。
ESHの構造変異体であるオボチオールAも、ウニ卵中であっても、病原体であるLeishmania majorおよびTrypanosoma cruziにおいても抗酸化物質として作用する。
ヒトはESHを合成しないが、能動輸送系、すなわちその食物源からの摂取に対して高い特異性を有するカチオントランスポーター(OCTN1)を有する。6、7
1956年に、Heathらは、麦角菌(Claviceps purpurea)におけるESHの生合成を解明した。Heathは、ヒスチジンまたはヒスチジンと密接に関連した化合物がESHの前駆体である可能性があることを実証し、その後の出版物には、放射性同位体標識(14Cおよび35S)を用いて、アカパンカビ(Neurospora crassa)およびMycobacterium smegmatisなどの生物を利用したESHの生合成集合が開示された。8、9、10
Melvilleらはさらに、OおよびFe2+の存在下でNeurospora crassaの無細胞抽出物中でヘルシニンをインキュベートすることにより、ESH合成における中間体としてのS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシドの関与を立証した。11
このスルホキシドは、マイコバクテリア酵素EgtEに対する基質である。しかし、このスルホキシドの絶対キラリティーは、天然基質または合成基質についてはわかっていない。中間体(II)の事前合成は1974年に報告されたが、手が込んでいて再現性がなく、得られた全収率は8.5%と低かった。15 著者らは芳香族プロトン共鳴の位置のみを報告し、それ以上の構造確定を行わなかった。旋光度[α]+74.4(c=0.5、HO)が報告されたが、本物の天然物[α]+9.1(c=0.5、HO)と一致させることはできなかった。しかし、天然物と合成物の両方とも融点は188〜190℃であると記録された。それにもかかわらず、合成S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)が、Neurospora Crassaの粗無細胞抽出物によってESHへと広範囲に切断されたと主張された。
現在では、ESHは、遺伝子egtA、egtB、egtC、egtDおよびegtEによってコードされる5つの酵素の逐次作用によって合成されることが立証されている(スキーム1)。12 EgtAはγ−グルタミルシステインリガーゼであると考えられ、γ−グルタミルシステインの形成を触媒する。ヒスチジンは、S−アデノシルメチオニン(SAM)依存性メチルトランスフェラーゼであるEgtDによってメチル化されて、トリメチルアンモニウムベタイン、すなわちヘルシニンを生じる。次いで、ヘルシニンは、γ−グルタミルシステイニルヘルシニン(I)を産生するために酸素およびγ−グルタミルシステインを必要とする鉄(II)依存性オキシダーゼ(EgtB)を介して、S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)に変換される。後者の変換、特にスルホキシド形成の正確な性質は、依然として研究中である。続いて、クラスIIのグルタミンアミドトランスアミダーゼであると想定されるEgtCは、N末端グルタミン酸の加水分解を媒介し、S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)を生じる。最後に、EgtE、すなわちピリドキサール5−リン酸(PLP)依存性β−リアーゼが最終生成物であるESHを生じる。
近年、これらのメルカプトヒスチジンに関する研究は、イミダゾール環のδ位またはε位におけるC−S結合形成の機序に焦点を当ててきた。13 OvoAは、オボチオールA合成の第1工程を触媒する鉄(II)依存性スルホキシドシンターゼであり、EgtBの相同体である。興味深いことに、EgtBとOvoAは、C−S結合形成を成し遂げる上で基質特異性が著しく異なる。OvoAはその硫黄供与体基質に対して非常に選択的であり、L−システインを受容するだけである一方で、補助基質としてヒスチジンを好む。しかしながら、EgtBは、硫黄供与体としてγ−グルタミル−L−システインを必要とする。さらに、EgtBは、ヒスチジンのα−N,N,N−メチル化、すなわち補助基質としてのヘルシニンに対して選択的である。驚くべきことに、OvoAは、α−N−メチル化のレベルに応じて、ヒスチジン環の硫化パターンをδ−炭素からε−炭素に切り替える。14 このように、OvoAは、α−N,N−ジメチルヒスチジンを補助基質として使用する場合には、ヘルシニンをS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)に直接変換し、δ−スルホキシド(オボチオール置換パターン)を少量しか産生しない(スキーム1)。
Figure 0006483250
酵素EgtBおよびEgtCは機能的な形で発現されているが、EgtEは依然として分かりにくく、容易に入手可能な基質中間体がないために、これらの酵素はいずれも十分には研究されていない。
スーパーアンチオキシダント分子としてのESHに対する最近の商業的関心により、この分子の合成方法の開発の価値がさらに高くなっている。しかし、既知のESHの合成方法は、非常に高コストで低〜中程度の収率しか達成することができなかった。したがって、ESHを合成的に製造する方法を改善する必要が依然として存在する。
本発明の第1の実施形態によれば、式V
Figure 0006483250
(式中、
nは0、1または2であり、
RはHまたは
Figure 0006483250
である)の化合物、
またはその生理学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物の合成方法であって、
a)式11のN−ベンジル保護ヒスチジンを脱保護して式12のN−ベンジルヒスチジンを形成する工程、
Figure 0006483250
b)化合物12を式13の(S)−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−(ジメチルアミノ)プロパン酸に変換する工程、
Figure 0006483250
c)化合物13を式14の(2S)−N,N,N−2−トリメチルエタンアミニウム−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸に変換する工程、
Figure 0006483250
d)式14の化合物のイミダゾール環を臭素化して5−ブロモへルシニンラクトンを形成する工程、および
Figure 0006483250
e)工程(d)の5−ブロモへルシニンラクトンを式15の(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィドに変換する工程を含み、
Figure 0006483250
要すれば、工程(f)〜(h):
f)式15の化合物を式IIのスルホキシドに変換する工程
Figure 0006483250
、または
g)式15の化合物を式IIIのスルホンに変換する工程
Figure 0006483250
、または
h)式15の化合物を式IVのエルゴチオネイン(ESH)に変換する工程、
Figure 0006483250
のいずれか1工程をさらに含む方法が提供される。
例えば、
nが0の場合、
Rは
Figure 0006483250
であってよく、または
nが1の場合、
Rは
Figure 0006483250
であってよく、または
nが2の場合、
Rは
Figure 0006483250
であってよく、または
nが0の場合、
RはHであってよい。
式Vの化合物は、以下からなる群から選択され得る:
Figure 0006483250
Figure 0006483250
Figure 0006483250
、および
Figure 0006483250
式11の化合物は、Nα−Boc−N(im)−ベンジル保護L−ヒスチジンであってよい。
工程(d)において、ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−ブロモスクシンイミド(NBS)を使用して5−ブロモへルシニンラクトンを形成することができる。化合物14に対して少なくとも2モル当量、好ましくは少なくとも2.5モル当量のNBSを使用することができる。工程(e)を実施する前に、工程(d)で形成された他の生成物、例えば2,5−ブロモヘルシニンから5−ブロモへルシニンラクトンを単離することができる。
工程(e)では、システインまたはチオ酢酸を使用して式15の化合物を形成することができる。
工程(d)および(e)は、ワンポット合成で一緒に実施することができる。
工程(h)において、ピリドキサール−5リン酸(PLP)を使用して式IVのエルゴチオネインを形成することができる。
工程(f)の後、式IIのスルホキシドをさらに式IVのエルゴチオネインに変換することができる。式IIのスルホキシドをegtE遺伝子によってコードされる酵素、好ましくはEgtE酵素と接触させて式IVのエルゴチオネインを形成することができる。
工程(e)で形成された式15のスルフィド、または上記方法で形成された中間体化合物のいずれか1つ、例えば5−ブロモヘルシニンラクトンは、安定同位体、例えば重水素で標識されていてよい。標識された化合物または中間体は、エルゴチオネインの生合成経路の研究や、外部刺激または薬物治療中の経路代謝産物の定量における内部標準として使用することができる。

本発明の第2の実施形態によれば、式IVのエルゴチオネイン(ESH)、またはその生理学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物の合成方法であって、
Figure 0006483250
式15の化合物をegtE遺伝子によってコードされる酵素と接触させる工程を含む、方法が提供される
Figure 0006483250
例えば、式15の化合物をM.smegmatisの粗酵素抽出物またはEgtEと接触させることができる。
本発明の第3の実施形態によれば、式IVのエルゴチオネイン(ESH)、またはその生理学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物の合成方法であって、
Figure 0006483250
式15の化合物をピリドキサールリン酸と接触させる工程を含む、方法が提供される
Figure 0006483250
ESHのin vitro再構築;20mMのTris HCl(pH=7.4)、20mMのNaCl、0.2MmのFeSO・7HO、0.5mMのメルカプトエタノール、83μlの粗M.smeg酵素、および50mMの(a)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)、(b)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)および(c)対照のいずれかを含む100μlの反応物。粗酵素反応物を37℃で1日間インキュベートした後、LC/MSで分析した。 PLPによって触媒されるESHの非酵素的産生。S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)、S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)およびS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)を使用してESHおよびPLPについて抽出されたTIC。S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)のみがかなりの量のESH(96.34ng/mL)を産生したが、スルホキシド(II)およびスルホン(III)はESHを全く産生しなかった。 ESHの非酵素的産生のグラフには、それぞれ20mMのTris HCl(pH=7.4)、20mMのNaCl、50mMの(1)スルフィド(15)プラスPLP、(2)スルホキシド(II)プラスPLP、(3)スルホン(III)プラスPLPのいずれかを含む100μlの反応物を含む。反応時間:24時間。 400MHzにおけるDMSO中の(12)のH NMRスペクトル。 101MHzにおけるDMSO中の(12)の13C NMRスペクトル。 400MHzにおけるDO中の(14)のH NMRスペクトル。 101MHzにおけるDO中の(14)の13C NMRスペクトル。 300MHzにおけるDO中の(A)のH NMRスペクトル。 300MHzにおけるDO中の(B)のH NMRスペクトル。 400MHzにおけるDO中の(15)のH NMRスペクトル。 300MHzにおけるDO中の(II)のH NMRスペクトル。 300MHzにおけるDO中の(III)のH NMRスペクトル。 Bradfordタンパク質濃度検量線。 S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)のTIC。 正イオンモードにおけるS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)のESI/QTOF質量スペクトル。 S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)のTIC。 正イオンモードにおけるS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)のESI/QTOF質量スペクトル。 S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)のTIC。 正イオンモードにおけるS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)のESI/QTOF質量スペクトル。 ESHの検量線。 エルゴチオネインのオーバーレイTIC。1.5分の保持時間。 正イオンモードにおけるESH標準のESI/QTOF質量スペクトル。 基質:(a)基質としてのS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)、(b)基質としてのS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)、および(c)基質としてのS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)を使用したESHのin vitro再構築実験について抽出されたTIC。 400MHzにおけるDMSO中の(13)のH NMRスペクトル。
発明の詳細な説明
本発明は、式V
Figure 0006483250
(式中、
nは0、1または2であり、
RはHまたは
Figure 0006483250
である(式中、波線は、式Vの分子の残りの部分へのRの結合点を示す))の化合物、
またはその生理学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物の合成方法を提供する。
この方法は、式Vの化合物、例えばエルゴチオネイン、(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド、(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド、および(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホンを形成するための既知の方法によって使用される保護されていない形態のヒスチジンではなく、N−ベンジル保護ヒスチジンを利用する。
本発明の方法は、
a)式11のN−ベンジル保護ヒスチジンを脱保護して式12のN−ベンジルヒスチジンを形成する工程、
Figure 0006483250
b)化合物12を式13の(S)−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−(ジメチルアミノ)プロパン酸に変換する工程、
Figure 0006483250
c)化合物13を式14の(2S)−N,N,N−2−トリメチルエタンアミニウム−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸に変換する工程、
Figure 0006483250
d)式14の化合物のイミダゾール環を臭素化して反応性中間体としての5−ブロモへルシニンラクトンを形成し、この5−ブロモへルシニン誘導体(この反応の主要生成物)を2,5−ブロモヘルシニンから単離する工程、および
Figure 0006483250
e)工程(d)の5−ブロモへルシニンラクトンを式15の(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィドに変換する工程を含み、
Figure 0006483250
要すれば、工程(f)〜(h):
f)式15の化合物を式IIのスルホキシドに変換する工程
Figure 0006483250
、または
g)式15の化合物を式IIIのスルホンに変換する工程
Figure 0006483250
、または
h)式15の化合物を式IVのエルゴチオネイン(ESH)に変換する工程、
Figure 0006483250
のいずれか1工程をさらに含む。
適切なN−ベンジル保護ヒスチジンは、Nα−Boc−N(im)−ベンジル−L−ヒスチジンの商品名でSigma−Aldrichから市販されている。あるいは、この方法は、適切にブロックされたヒスチジンを形成する工程を含み得る。
合成されたS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィドまたはS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)から酵素的にエルゴチオネインを産生するために、細菌、特にマイコバクテリア(またはその酵素抽出物)を使用することができる。適切な細菌はEgtE酵素を産生するものであり、Claviceps purpurea、Neurospora crassaおよびMycobacterium smegmatisが挙げられる。
本発明の方法に従って製造されたエルゴチオネインは、栄養補助食品、薬用化粧品、ヘアケア製品、スポーツ後の回復を補助する製品などとして使用することができる。この製品は、局所適用または経口投与用に製剤化することができる。式IIIのスルホンは、エルゴチオネイン合成の阻害剤として、またはエルゴチオネイン合成経路における阻害剤の同定または設計において使用され得る。
本出願人は、本発明の方法を思いつく前に、目的化合物であるS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)に至る2つの異なる経路を試みた。第1のアプローチでは、S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)の逆合成切断により、β−クロロ−アラニンメチルエステルおよびESHが得られた(スキーム2、S1)。したがって、セリンに由来する保護されたクロロメチルアラニンエステル(2)のS−アルキル化により、コア構造(3)が得られた。得られたスルフィド(3)をmCPBAまたはHのいずれかを使用して酸化した。
Ishikawaらは、この反応が、β−クロロアラニン(2)の分子内S2反応によって生じた環状エチレンイミンカルボン酸中間体の形成と、その後のESHの硫黄原子の求核攻撃によって引き起こされる開環によって起こる可能性があり、主要生成物N−Bocメチルエステル(3a)が生じることを示唆した。
Ishikawaらによって以前に研究されたHを用いたスルホキシド化反応条件は、本出願人の実験においてスルホン(III)に対する過酸化をもたらし、分析的証拠は提供されなかった。スルホキシドの過酸化を防止するために、mCPBAを用いた。過酸化水素と比較して、その穏やかな性質や制御されたスルホキシド化の能力は有利である。1当量のmCPBAを使用してスルフィドメチルエステル(3a)をS酸化させてスルホキシドメチルエステル(4a)を得た。合成生成物は、RジアステレオマーとRジアステレオマーとの混合物である可能性が最も高い。スルフィドメチルエステル(3a)の立体エネルギーが最も低い配座(全エネルギー:34.37kcal/mol)は、スルホキシド化に対する潜在的な面選択性を示し、これにより主にSジアステレオ異性体スルホキシド誘導体に至る可能性があった。スルホキシドメチルエステル(4b)のH NMRスペクトルは、ジアステレオ選択性の証拠を示した(約3:1の比)。しかしながら、CD(円二色性)スペクトルによって裏付けられた結晶構造のみが、主要なキラルスルホキシドおよび天然スルホキシド(II)の絶対配置を確立するのに役立つであろう。スルフィド(3b)、(4b)またはスルホキシド(5a)のスルホン(III)への意図的な酸化は過剰の酸化剤で成し遂げられた。
最後に、Boc基の全体的な脱保護、および水性酸性条件下でのメチルエステルの加水分解を試みることにより、(3a)および(4a)からそれぞれメチルエステルスルフィド(3b)またはメチルエステルスルホキシド(4b)のみが得られた。酸、塩基またはエステラーゼが媒介したエステル加水分解が成功しなかったことから、合成経路を再考せざるを得なかった。安定なアミノ酸メチルエステルは、以前に報告されている。17、18 β−クロロセリンのアリルエステル誘導体は、S−アルキル化後にN−Bocアリルエステルスルフィド(3c)を生じた。スルホキシド化に続いて緩やかなRhCl(PPhが触媒するアリルエステル切断19および酸によるBoc保護基の除去を行うことにより、63%という適度な全収率で目的のS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)が得られた。
第2の逆合成アプローチでは、S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(3)のヒスチジン部分の切断により、システインおよびブロモへルシニン誘導体が得られた(スキーム2)。この経路は、ヒスチジンの必要な硫化を提供して商業的に重要なESHを提供するので、最も注目を集めてきた。S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(5a)を、わずかに変更したErdelmeier法によって合成した20(スキーム2)。しかしながら、多量の塩副生成物を除去しなければならず、それにより精製が妨げられた。S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(5a)を3−メルカプトプロピオン酸で90℃で18時間処理するとESHが得られた。スルフィド(5a)のビス−ベンジルオキシN−Boc保護エステル(5b)への変換により、有機抽出および塩の除去が可能となり、清浄なベンジルエステル(5b)が得られた。N−Bocベンジルエステル(5b)の全体的な脱保護は、50psiの水素圧下でTFAの存在下での水素化(Pd/C)によって成し遂げられ、純粋なS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(5a)が得られた。DCM/水混合物中でのmCPBAを用いたスルフィド(5a)の二相性スルホキシド化により、36%の低い全収率でS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)が得られた。
Figure 0006483250
スキーム2
試薬および条件:(i)EtN/HO 30℃で5時間、(3a);(ii)N−Boc脱保護:TFA、DCM/HO、0〜5℃ (3b)、(4b)または(II) (iii)a)RhCl(PPh、EtOH/HO(1:1)還流 b)TFA、DCM/HO、0〜5℃(5a);(iv)mCPBA、HO/DCM 1:1、25℃で5時間 (4a)または(II) (v)a)BocO/NaOH、HO/CHCN、室温で一晩 b)BnBr/DMF、室温で一晩 (vi)Pd/C、3当量のTFA、H 50psi、室温で12時間;H、室温で3時間 (vii)a)CHO、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム/CHCN、室温で18〜24時間(6)、b)NHOH、CHIまたはCDI/MeOH、室温で24時間、(7);(viii)a)t−BuOH/HCl、3〜4時間還流、S−t−ブチルメルカプトヒスチジン;b)CHO、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム/THF、10℃で6〜8時間、(9);(ix)a)NH4OH、CDI/MeOH 24時間、室温;b)HCl、2−メルカプトプロピオン酸 21時間還流(定量的);(x)Br、システインHCl、HO 0℃で1時間、(5a);(xi)3−メルカプトプロピオン酸、HCl/HO、19時間還流。
本発明によるESHの合成方法
本出願人は、N−ベンジル保護ヘルシニン中間体を1当量のN−ブロモスクシンイミド(NBS)で臭素化することにより、溶媒としてDMFを使用して、より安定なN−ベンジル脱保護5−ブロモへルシニンラクトン誘導体が収率90%(w/w)で得られることを見出した。この方法の成功は、他の既知の方法と比較して、位置選択的C−5臭素化にある。しかしながら、さらに驚くべきことに、反応物に対して2モル当量のNBS試薬を使用すると、N−ベンジル基の前例のない脱保護が起こり、その結果、N−ベンジル基の新たなin situ脱保護が起こる。その後の方法工程は、この後者の中間体を介して進行する場合、ほぼ定量的であり、比較的簡単であり、すべて室温で、短縮され、80%(w/w)の全合成収率が可能になる。したがって、本発明の方法は、以前に公開されたいずれの方法よりも少なくとも2倍優れた全収率を提供することができる。最終工程は、化学的、生合成的または微生物的手段のいずれかで成し遂げることができる。化学変換は熱分解C−S切断を伴う。20 あるいは、スルフィド基質またはスルホキシド基質の生体模倣ピリドキサールリン酸(PLP)媒介切断や、M.smegmatisの粗酵素抽出物によってもESHが得られた。(スキーム3および4)。
Figure 0006483250
スキーム3。スルホキシド(II)、スルホン(III)およびESHの改善された合成:(i)TFA、DCM、室温で一晩;(ii)CHO、NaBH(OAc)、CHCN、室温で24時間;(iii)MeI、THF、室温で24時間;(iv)(a)NBS(2.5当量)、DMF、室温で暗所、b)L−システインHCl。HO(2.5当量)、DMF、室温で24時間;(v)p−トルエンスルホン酸(cat)、H(2.4当量);(vi)ホウ酸(cat)、H(4.8当量);(vii)C−S酵素リアーゼまたはPLP非酵素的切断。
Figure 0006483250
スキーム4:システインの代わりにチオ酢酸を用いる本発明の方法
合成スルホキシド(II)からのESHの酵素的および非酵素的PLP媒介合成を比較した。この目的のために、M.smegmatis細胞を含まない粗抽出物を、高い酵素活性を特徴とする、増殖して後期指数期に採取された培養物から単離した。10
ESH生合成経路前駆体(異種のスルフィドおよびスルホキシドを含む)の粗酵素変換を、LCMSによって決定された基礎レベルを超えるESHの同時産生によって評価した。ESH前駆体代謝産物(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)および(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)を37℃、pH=7.4で1日間、粗無細胞抽出物でインキュベートし、LCMSにより分析した。
M.smegmatis細胞を含まない粗抽出物のみを含有する対照反応物も、代謝産物と同じ条件下で処理した。このようにして得られたESHの濃度は5.70(±0.30)ng/mlであり、これは内因性ESHのものと同等であるとみなされた。この濃度は検出限界(0.78ng/ml)を超えており、したがって、実験において1ng/mlを超えるESHの濃度増加がみられれば、基礎レベルであるか、またはESH経路の粗内因性酵素による、各基質の生体内変換であるとみなすのに十分顕著であると考えられる。
(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)は、ESHを最も高い濃度(22.6ng/ml)で生合成的に産生した(図1)。(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)は、(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)とほぼ同程度に良好な基質であるようであった(19.2ng/ml ESH)。PLP依存性の変換は、はるかに遅い速度と特異性を有するものの、酵素なしで変換することができることがよく知られている。22 したがって、37℃で50mMのPLPを用いたスルフィド(15)の非酵素処理により、効率的にESH(96.3ng/ml)が形成された(図2)。しかし、同じ条件下で、スルホキシド(II)はESHを全く産生しなかった(図3)。
本発明の方法によって得られる収率の増加により、同位体標識のために回収される中間体の量も増加するであろう。また、中間生成物の収率が高いことにより、実行可能な同位体標識工程を実施することが可能になる。同位体は、通常、非常に高価であるため、高収率の変換は有利である。
以前は、ESHの生合成経路を解明するために、放射標識された中間体が使用されてきた。本出願人は、安定同位体を組み込んだ同じ中間体を合成することが可能であることを見出し、重水素化ヘルシニンからのESH−d(10)の合成を以下にさらに詳細に記載する。
安定同位体標識を有するこれらの中間体は、例えば、ESH経路のさらなる研究のために、または外部刺激もしくは薬物治療中の経路代謝産物の定量における内部標準として使用することができる。
先に言及したようにEgtE酵素の媒介によるC−S切断に対して安定であるS−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホンは、ESH合成の阻害剤として機能し得るか、またはESH経路における酵素(特にEgtE)の他の阻害剤の設計もしくはスクリーニングにおいて有用であり得ると考えられる。ESH生合成酵素の阻害剤は、新たな目的タンパク質の開発、および治療計画に対する結核菌の感受性を高めるための薬物の開発につながる可能性がある。
本発明を以下の非限定的な実施例によってさらに詳細に説明する。
1.一般手順
すべての溶媒は適切な技法によって乾燥させ、使用前に新たに蒸留した。市販の試薬はすべてSigma−AldrichおよびMerckから購入し、さらに精製することなく使用した。
別途明記しない限り、反応はオーブン乾燥したガラス容器中で窒素の不活性雰囲気下で行い、Merckシリカゲル60−F254シート(0.2mm層)で予めコーティングしたプレート上で行った薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニタリングし、生成物を254nmのUV光下で、またはニンヒドリンのエタノール溶液(2%v/v)をプレートに噴霧し、続いて加熱することによって可視化した。
カラムクロマトグラフィーは、Merck Kieselgelシリカゲル60(0.040〜0.063mm)を使用して行い、適切な溶媒混合物で溶離した。すべての化合物を真空下で乾燥してから収率を測定した。
核磁気共鳴スペクトル(Hおよび13C)を、Varian Mercury 300MHz(13Cでは75MHz)、Varian Unity 400MHz(13Cでは101MHz)、Bruker unity 400MHz(13Cでは101MHz)、またはBruker unity 600MHz(13Cでは151MHz)で記録し、別途明記しない限り、溶媒としてCDCl、DMSO−dおよびDO中で実施した。化学シフトは、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS、δ=0.00ppm)に対してppm単位で得られる。必要に応じて、帰属をCOSY、APTおよびHSQC分析によって確認した。カップリング定数(J)はヘルツ(Hz)単位で報告される。スピン多重度は、記号s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、m(多重線)、q(四重線)およびbr(幅広)で示される。
旋光度は、Perking Elmer 141旋光計を使用して20℃で得た。濃度cはg/100mlを意味する。
融点はReichert−Jung Thermovarホットプレート顕微鏡を使用して測定し、補正していない。赤外線スペクトルは、4000cm−1から450cm−1までPerkin−Elmer FT−IR分光計(cm−1単位)で記録した。
質量スペクトルは、JEOL GC MATE II磁気セクター質量分析計で記録し、基準ピークを得た、University of Cape Town。
LCMS分析は、UHPLC Agilent 1290 Infinity Series(ドイツ)、すなわちAgilentジェット流イオン化源(正イオン化モード)(ESI)およびカラム(Eclipse+C18 RRHD 1.8μm 2.1×50、Agilent、ドイツ)を備えた正確な質量分析計Agilent 6530 Qradrupole Time Of Flight(QTOF)で行った。
酵素反応物をNuaireインキュベーター(DH Autoflow CO Air−jarcketed Incubator)中でインキュベートさせ、Eppendhorf遠心分離機(Model 5810R、ドイツ)で遠心分離した、Tygerberg Stellenbosch University、ケープタウン、南アフリカ。
2.エルゴチオネイン基質とスルホンの合成
Figure 0006483250
スキーム5:スルホキシド(II)とスルホン(III)の合成
N−ベンジル−L−ヒスチジン(12)
Figure 0006483250
Nα−Boc−N(im)−ベンジル−L−ヒスチジン11(Sigma−Aldrich)(750mg、2.17mmol)をジクロロメタン(10mL)に懸濁させ、続いて氷浴で冷却しながらトリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。得られた均質溶液を、完全に脱保護されたことが薄層クロマトグラフィーで示されるまで室温で撹拌させた。溶媒を除去し、EtO(15mL)で粉砕し、乾燥して、生成物12を白色結晶(700mg、定量的)として得た。Mp: 230-233 °C, (Lit. 240 °C)1; 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.01 (s, 1H, H-2'), 7.50 (s, 1H, H-5'), 7.39 (m, 5H, フェニル), 5.37 (s, 2H, H-1''), 4.22 (t, J = 7.0 Hz, 1H, H-2), 3.22 (dd, J = 15.6, 7.0 Hz, 1H, H-3a), 3.14 (dd, J = 15.6, 7.0 Hz, 1H, H-3b); 13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 170.1 (C-1), 136.3 (C-2''), 135.8 (C-2'), 130.0 (C-4'), 129.4 (C-5'' C-6''), 129.0 (C-7''), 128.6 (C-3''C-4''), 120.6 (C-5'), 51.7 (C-1''), 51.6 (C-2), 26.3 (C-3)(図4および図5)。
(S)−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−(ジメチルアミノ)プロパン酸(13)
Figure 0006483250
CHCN(20mL)に12(1.31g、5.34mmol)を懸濁させ、続いてホルムアルデヒド(1.2mL、15.5mmol、37%)を加えた。得られた均質溶液にNaBH(OAc)(3.2g、15.5mmol)を加え、溶液を室温で24時間撹拌させた。望ましくない塩をセライトを通してろ過し、溶媒を蒸発させ、乾固して粗ジメチル生成物13を黄色油状物(1.80g、定量的)として得た。液液抽出法でこの生成物を単離しようとしたが、分子の双性イオン性の性質のために成功しなかった。しかしながら、この生成物は十分に純粋であり、それ以上精製することなく次の工程で使用した(図21)。
(2S)−N,N,N−2−トリメチルエタンアミニウム−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸(14)
Figure 0006483250
乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中に粗ジメチル生成物13(870mg、3.16mmol)を溶解し、続いてMeI(0.41mL、942mg、6.64mmol)を加えた。得られた溶液を室温で暗所で1〜2日間撹拌させた。溶媒を除去して、生成物14を黄色油状物(822mg、93%)として得た。無水エタノール中での結晶化により、生成物14を白色固体として得た。Mp: 156 °C (dec), 1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.65 (d, J = 1.6 Hz, 1H, H-2'), 7.39 - 7.29 (m, 5H, Ph), 7.28 - 7.24 (m, 1H, H-5'), 5.27 (s, 2H, H-1'), 4.26 (dd, J = 9.7, 4.7 Hz, 1H, H-2), 3.47 - 3.36 (m, 2H, H-3), 2.88 (s, 9H, H-1''H-2''H-3''); 13C NMR (101 MHz, D2O) δ 169.0 (C-1), 134.9 (C-2'), 134.7 (C-2''), 133.5 (C-4'), 129.3 (C-3'' C-4''), 128.4 (C-5'' C-6''), 127.5 (C-7''), 121.0 (C-5'), 81.8 (C-2), 65.4 (C-1''), 52.7 (C-1'''C-2'''C-3'''), 21.8 (C-3); LRMS (EI+) m/z C16H21N3O2について計算 287.2 [M-1]+ 実測値287.1 ([M]+, 1 %), C14H17N3 +について計算 227.1 [M-CO2および-CH3]+ 実測値227.1 ([M-CO2および-CH3]+, 100 %)(図6および図7)。
イミダゾール環の選択的かつ穏やかな臭素化
Figure 0006483250
スキーム6:イミダゾール環の選択的かつ穏やかな臭素化
臭素化条件を非常に選択的であるように最適化した。2つの臭素化中間体が、逆相C18クロマトグラフィーによって単離するのに十分安定であることが見出されている。モノ臭素化中間体である5−ブロモヘルシニン(A)(図8)は非常に高収率(90%)で単離されたが、2,−5ジブロモヘルシニン中間体(B)(図9)は10%の低い収率で単離された。
ヘルシニルシステインチオエーテル(15)(ワンポット合成)
Figure 0006483250
ジメチルホルムアミド(8mL)に14(700mg、2.43mmol)を溶解し、続いてN−ブロモスクシンイミド(1.8g、6.08mmol)を加えた。得られた溶液を、出発材料が完全に消失するまで室温で撹拌させたところ(薄層クロマトグラフィーによるモニタリング)、溶液は赤橙色になった。これは、良好に臭素化されたことを示している。
良好な臭素化の後、システインHCl。HO(1.07g、6.08mmol)を一度に加え、得られた溶液を室温で24時間撹拌させた。逆相クロマトグラフィーC18により、酢酸塩形態の黄色の吸湿性固体(695mg、90%)として単離された生成物15を得た。1H NMR (400 MHz, D2O) δ 7.41 (m, 1H), 4.54 (dd, J = 7.7, 4.4 Hz, 1H, H-2''), 4.42 (t, J = 5.0 Hz, 1H, H-2), 3.50 (dd, J = 15.2, 4.4 Hz, 1H, H-3a''), 3.36 (dd, J = 15.2, 7.7 Hz, 1H, H-3b''), 3.19 (m, 2H, H-3), 2.80 (s, 9H, H-1''H-2''H-3''), 2.75 (s, 3H,アセテート); 13C NMR (101 MHz, D2O) δ 170.3 (C-1''), 170.0 (C-1), 129.4 (C-2'), 128.9 (C-4'), 120.9 (C-5'), 61.0 (C-2), 54.4 (C-2''), 51.7 (C-1'''C-2'''C-3'''), 36.3 (C-3''), 23.9 (C-3); HRMS (ESI+): m/z 317.1284 [M]+. C12H21N4O4S+についての計算値は317.1277 [M]+であった(図10)。
ヘルシニルシステインスルホキシド(II)およびスルホン(III)の合成
S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシドまたは(2S)−N,N,N−2−トリメチルアンモニウム−3−[2−((2R)−2−アミノ−2−ヒドロキシカルボニル)エチルスルフィニル)−1H−イミダゾール−4−イル]プロパン酸(II)26
Figure 0006483250
(30%、224mg、6.58mmol、2.4当量)の溶液に15(870mg、2.74mmol)およびパラトルエンスルホン酸(15mg、0.08mmol)を加えた。得られた反応混合物を室温で24時間撹拌させた。最後に、HO(10mL)の添加により反応を停止させ、高真空下で蒸発させて粗生成物を得、これをC18逆相により精製して、生成物IIを黄色固体(640mg、70%)として得た。1H NMR (300 MHz, D2O) δ 8.01 (s, 1H, H-5'), 4.49 (dd, J = 8.6, 3.3 Hz, 1H, H-2''), 3.90 (dd, J = 16.1, 9.3 Hz, 1H, H-2), 3.65 (dd, J = 15.0, 3.3 Hz, 2H, H-1''), 3.52 (dd, J = 9.3, 4.9 Hz, 1H, H-3a), 3.44 (dd, J = 9.3, 4.9 Hz, 1H, H-3b), 2.86 (s, 9H, NMe3), 2.79 (s, 3H,アセテート); 13C NMR (101 MHz, D2O) δ 171.8 (C-3''), 170.1 (C-1), 156.6 (C-2'), 129.5 (C-4'), 125.5 (C-5'), 72.5 (C-2), 49.5 (NMe3), 49.1 (C-1''), 43.5 (C-2''), 20.8 (C-3); HRMS (ESI+): m/z 334.1306 [MH]+. C12H22N4O5S2+についての計算値は334.1321 [MH]+であった(図11)。
S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホンまたは(2S)−N,N,N−2−トリメチルアンモニウム−3−[2−((2R)−2−アミノ−2−ヒドロキシカルボニル)エチルスルホニル)−1H−イミダゾール−4−イル]プロパン酸(III)27
Figure 0006483250
(30%、416mg、12.24mmol、4.8当量)とホウ酸(5mg、0.08mmol)との溶液に15(810mg、2.55mmol)を加え、反応混合物を室温で24時間撹拌させた。最後に、HO(10mL)の添加により反応を停止させ、高真空下で蒸発させて粗生成物を得、これをC18逆相により精製して、生成物IIIを黄色固体(545mg、61%)として得た。1H NMR (300 MHz, D2O) δ 8.01 (s, 1H, H-5'), 4.52 (dd, J = 8.3, 3.1 Hz, 1H, H-2''), 3.89 (dd, J = 16.1, 9.3 Hz, 1H, H-2), 3.65 (dd, J = 15.0, 2.8 Hz, 2H, H-1''), 3.59 - 3.43 (m, 2H. H-3), 2.85 (s, 9H, NMe3), 2.79 (s, 3H,アセテート); 13C NMR (101 MHz, D2O) δ 171.7 (C-3''), 170.0 (C-1), 159.8 (C-2'), 156.6 (C-4'), 132.9 (C-5'), 64.3 (C-2), 56.7 (C-1''), 49.4 (NMe3), 49.1 (C-2''), 34.7 (C-3); HRMS (ESI+): m/z 349.1177 [M]+. C12H21N4O6S+についての計算値は349.1192 [M]+であった(図12)。
3.Mycobacterium smegmatisからの総タンパク質の抽出および精製
Mc155(M.smegmatis)の増殖条件
M.smeg培養液(800ml)を指数期まで増殖させた後、乾燥させて乾燥菌体10gを得た。得られたM.smeg細胞のペレットを、その後、必要になるまで−80℃で保存した。
総タンパク質の抽出
M.smeg細胞を4℃で35分間超音波処理し(25台のパルサー)、続いてリン酸カリウム緩衝液(60ml;pH7)を加えた。この溶液を4℃で10分間撹拌させ、その後3000rpmで20分間遠心分離した。上清を回収し、測定し、次いで適切な量の硫酸アンモニウムを4℃で一晩撹拌しながら徐々に加えて60〜70%飽和させた。28
総タンパク質が沈殿した後、懸濁液を4℃で3000rpmで20分間遠心分離し、−20℃で保存した。
総タンパク質の精製
ピリドキサールリン酸(10ml;20μM)、リン酸カリウム緩衝液(8ml;50mM;pH7)および(2ml;1mM EDTA)を含有する緩衝液混合物(20ml;pH7)に、複合総タンパク質アンモニウム塩沈殿物を再懸濁させた。
タンパク質検量線
総タンパク質濃度を決定するために、タンパク質DcアッセイおよびBradfordアッセイを使用した。Bradfordの検量線は、この場合にはタンパク質Dcよりも正確であることが判明した(図13)。
計算されたM.Smeg総タンパク質濃度は10.33μg/μlであることが判明した。
4.HPLC−ESI/MS(QTOF)分析
材料および方法
分析は、UHPLC Agilent 1290 Infinity Series(ドイツ)、すなわちAgilentジェット流イオン化源(正イオン化モード)(ESI)およびカラム(Polaris 3 C18 Ether 100×2mm、粒子サイズ3μm、Agilent、ドイツ)を備えた正確な質量分析計Agilent 6530 Qradrupole Time Of Flight(QTOF)で行った。
15μLの濃縮試料をLCMSに注入した。分析物の分離を、0.1%ギ酸ミリQ水(溶媒A)溶液、および90%のアセトニトリル、0.1%のギ酸、10%のミリQ水(溶媒B)の混合物を移動相として、イソクラティック流速0.3mL/分で試みた。
システムは、Mass Hunterワークステーションソフトウェア(QualitativeおよびQuantitativeバージョンB.05.00;Build 5.0.519.0、Agilent 2011、ドイツ)のソフトウェアパッケージで制御した。
実験用LCMS
すべての代謝産物中に存在する第四級アンモニウム基の極性および電荷のために、UHPLC(Eclipse+C18 RRHD 1.8μm、2.1×50)カラム上でESHが良好に保持されないことが観察された(保持時間=0.8分)。これ以降の分析はすべて、セクションS3.1に記載されているように、改善されたカラムを使用して行った(保持時間=1.5分)(図14〜図16)。
Mycobacteria smegmatisにおけるエルゴチオネインのin vitroで再構築した生合成12
実験を三連で行い、数回(4回以上)繰り返したところ、これらの結果は再現可能であることが判明した。
ESHの検量線
ESHの定量のための検量線を作成するために、8つの異なる濃度(0.78、1.56、3.125、6.25、12.5、25、50、100ng/ml)のESHを三連調製し、ESHについて0.78ng/mlの定量限界(LOQ)を得た。これは、L−Z Wangらが見出したものと同様であった。15 ESHの検出限界(LOD)は9pg/mLであった。ESHの保持時間は1.5分であった。良好な対称ピークが、ESH標準試料および分析された反応試料の両方で得られた(図17〜図19)。
M.smegmatisの粗酵素調製物を用いた基質のエルゴチオネインへの生体内変換
20mMのTris HCl(pH=7.4)、20mMのNaCl、0.2MmのFeSO・7HO、0.5mMのメルカプトエタノール、83μlの粗酵素、および50mMの(1)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)、(2)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)、(3)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)または(4)対照(粗酵素のみ基質なし)のいずれかを含む100μlの反応物(1〜4)3セット。粗酵素反応物を37℃で1日間インキュベートした。混合物を90℃で2分間加熱することによって反応を停止させ、続いて凍結乾燥し、その後LC緩衝液中で再構築してからLC/MSによる分析を行った(図20)。
PLPによって触媒されるC−S結合の非酵素的切断
20mMのTris HCl(pH=7.4)、ならびに50mMの(1)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィド(15)およびPLP、(2)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホキシド(II)およびPLP、または(3)S−(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルホン(III)およびPLPのいずれかを含む100μlの反応物(1〜3)3セット。非酵素反応物を37℃で1日間インキュベートし、続いて凍結乾燥し、その後LC緩衝液中で再構築してからLC/MSによる分析を行った(図2および図3)。
5.同位体標識
ヘルシニン−d(7)は、市販のL−ヒスチジンから出発する2段階反応で合成した(スキーム2)。第1段階は、ホルムアルデヒド水溶液およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを使用してN,N−ジメチルヒスチジン(6)を得る還元的アミノ化を含んだ。第2段階は、塩基性条件下でdヨウ化メチルを使用して粗N,N−ジメチルヒスチジン(6)を四級化してヘルシニン−d(7)を得ることを含んだ。
ESH−d(10)は、メルカプトヒスチジン(8)に由来するS−tert−ブチル保護2−メルカプト−ヒスチジン(9)から出発して連続した2つの反応工程で合成した。21ヨウ化メチルを用いた選択的N−メチル化、続いて2−メルカプトプロピオン酸(tert−ブチルスカベンジャー)のHCl溶液を用いたS−tert−ブチル脱保護を行うことによりESH−d(10)を得た。
Figure 0006483250
参考文献
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Claims (19)

  1. 式V
    Figure 0006483250
    (式中、
    nは0、1または2であり、
    RはHまたは
    Figure 0006483250
    である)の化合物、
    またはその生理学的に許容される塩、互変異性体、立体異性体、もしくは立体異性体の混合物の合成方法であって、
    a)式11のN−ベンジル保護ヒスチジンを脱保護して式12のN−ベンジルヒスチジンを形成する工程、
    Figure 0006483250
    b)化合物12を式13の(S)−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)−2−(ジメチルアミノ)プロパン酸に変換する工程、
    Figure 0006483250
    c)化合物13を式14の(2S)−N,N,N−2−トリメチルエタンアミニウム−3−(1−ベンジル−1H−イミダゾール−4−イル)プロパン酸に変換する工程、
    Figure 0006483250
    d)式14の化合物のイミダゾール環を臭素化して5−ブロモへルシニンラクトンを形成する工程、および
    Figure 0006483250
    e)工程(d)の5−ブロモへルシニンラクトンを式15の(β−アミノ−β−カルボキシエチル)エルゴチオネインスルフィドに変換する工程を含み、
    Figure 0006483250

    要すれば、工程(f)〜(h):
    f)式15の化合物を式IIのスルホキシドに変換する工程
    Figure 0006483250
    、または
    g)式15の化合物を式IIIのスルホンに変換する工程
    Figure 0006483250
    、または
    h)式15の化合物を式IVのエルゴチオネイン(ESH)に変換する工程、
    Figure 0006483250
    のいずれか1工程をさらに含む、方法。
  2. nは0であり、
    Rは
    Figure 0006483250
    である、請求項1に記載の方法。
  3. nは1であり、
    Rは
    Figure 0006483250

    である、請求項1に記載の方法。
  4. nは2であり、
    Rは
    Figure 0006483250
    である、請求項1に記載の方法。
  5. nは0であり、
    RはHである、請求項1に記載の方法。
  6. 式Vの化合物が、以下からなる群から選択される、請求項1に記載の方法:
    Figure 0006483250

    Figure 0006483250

    Figure 0006483250
    、および
    Figure 0006483250
  7. 式11の化合物が、Nα−Boc−N(im)−ベンジル保護L−ヒスチジンである、請求項1に記載の方法。
  8. 工程(d)において、ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−ブロモスクシンイミド(NBS)を使用して5−ブロモへルシニンラクトンを形成する、請求項1に記載の方法。
  9. 工程(d)において、化合物14に対して少なくとも2モル当量のNBSを使用する、請求項8に記載の方法。
  10. 5−ブロモへルシニンラクトンが、工程(e)を実施する前に、工程(d)の間に形成される反応性中間体である、請求項1に記載の方法。
  11. 工程(e)において、システインを使用して式15の化合物を形成する、請求項1に記載の方法。
  12. 工程(d)および(e)がワンポット合成で行われる、請求項1に記載の方法。
  13. 工程(h)において、ピリドキサール−5リン酸(PLP)を使用して式IVのエルゴチオネインを形成する、請求項1に記載の方法。
  14. 工程(f)で形成された式IIのスルホキシドをさらに式IVのエルゴチオネインに変換する、請求項1に記載の方法。
  15. 式IIのスルホキシドをegtE遺伝子によってコードされる酵素と接触させて式IVのエルゴチオネインを形成する、請求項14に記載の方法。
  16. 式IIのスルホキシドをEgtE酵素と接触させて式IVのエルゴチオネインを形成する、請求項14に記載の方法。
  17. 工程(e)で形成された式15のスルフィド、または工程(a)〜(d)で形成された化合物のいずれか1つが、安定同位体で標識されている、請求項1に記載の方法。
  18. 前記同位体が重水素である、請求項17に記載の方法。
  19. 標識されている化合物が5−ブロモヘルシニンラクトンである、請求項17に記載の方法。
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