JP6478829B2 - 回転トルクの伝達機構および回転トルクの伝達方法、並びに摩擦振動の抑制方法 - Google Patents
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Description
クラッチは、エンジンのトルクを無駄なくタイヤに伝えるために設けられている自動変速機(Automatic Transmission) に不可欠な機械要素であり、トルクの伝達と遮断を行う。自動車に採用されている湿式クラッチでは、環状プレートの摩擦板と相手鋼板に垂直荷重を加えることで生じる摩擦力を利用している。トルクの伝達を開始する係合の際、振動が発生する場合があり、その振動はジャダ(摩擦振動)と呼ばれている。ジャダはトルクを遮断するすべり状態への遷移際や定常すべり中に外乱が加わった場合にも発生することが知られている。
ジャダの発生原因は、図7に示すように、混合潤滑における動摩擦係数の速度弱化(μ―V 特性が負勾配)の特性であるとされている。振動の発生原因とされている摩擦特性は、ペーパ摩擦材の組成、 気孔性、材料物性、表面性状、ATF 添加剤とクラッチ摺動材との相互作用に依存する。 振動の抑制のために、境界潤滑における摩擦係数μc を低下させることで動摩擦係数の速度強化の特性を得ようと上記のインターフェースの改良が試行錯誤されている。ただし、μc の低下はクラッチの1次性能であるトルク伝達の能力の低下につながる。トルク伝達能力を高めるための高摩擦係数化と、ジャダを抑制するための摩擦特性の適正化の両立が求められている。 高摩擦係数化する方法としては、ペーパ摩擦材の低弾性化や接触部の平坦化によって真実接触面積を増大させ、固体摩擦成分の占める割合を大きくすることが有効との指針が示されている。
インターフェースの変更による対処に頼る要因として、(1)機械システムの構成を改める対処法に明確な指針がないこと、(2)設計の変更による構造の複雑化やコストの増大が見込まれること、(3)機械製品における設計の細分化と縦割りの設計フローが柔軟な設計変更を妨げていること、が挙げられる。もちろん、インターフェースの変更で対応が可能であれば問題はない。
しかしながら、「振動を抑制する(機械製品の2次性能を向上する)ための摩擦特性の改善」と「機械製品の1次性能を向上するための摩擦特性の改善」は、トレードオフの関係にあることが多い。例えば、トルク伝達や制動の場面では、高摩擦係数の材質は1次性能を向上させるが、μ-V 特性が負勾配となりやすいことから敬遠されがちである。本来、 機械製品の1次性能として理想とされる摩擦特性があり、それを実現することが望ましい。すなわち、製品性能として、理想的な摩擦特性を実現させた上で、そこに生じうる振動は機械システム(系)の構成要素を利用して抑制することが問題の解決方法として望ましい。機械システムの構成要素によって振動が抑制できれば、優れた摩擦摩耗特性を示す材料を選択できるので、1次と2次の両性能を高い次元で両立した製品の実現が可能となる。なお、速度弱化特性は、材料および摺動面の潤滑剤により影響を受けることは判明しているが、現状、このような材料、潤滑剤の選択により、所望の速度弱化特性、さらには速度強化特性を得るには至っていない。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、単純な構成を用いて簡易なやり方により、摩擦振動を抑制することが可能な摩擦振動の抑制方法を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、単純な構成を用いて簡易なやり方により、摩擦振動を抑制しつつ所望の回転トルクの伝達を可能とする摩擦振動の抑制方法を提供することにある。
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられる、構成としている。
その際、回転体が、所定の押付力で押付けられた状態で、駆動面または該従動面に沿う回転軸線を中心に回転することにより、それに応じて、回転体に対する従動面または駆動面の相対速度が変動し、それにより、従動面または駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力が変動する。
このような有効摩擦力の変動に応じて、駆動面から従動面への回転トルクの伝達は円滑に変動し、特に、回転体と従動面または駆動面との関係が速度弱化特性を示す場合には、有効摩擦力が低減するように変動すれば、摩擦振動を抑制することが可能である。
前記有効摩擦力調整手段は、該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦を介して該第1軸線を中心とする回転トルクを該従動ディスクに伝達する回転トルク伝達体を形成し、
さらに、前記回転トルク伝達体の回転軸線を中心とする回転速度を調整する回転速度調整手段が設けられ、
前記回転速度調整手段により、前記回転トルク伝達体の前記回転軸線を中心とする回転速度を調整することにより、前記回転トルク伝達体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きを変動させ、それにより、有効摩擦力を調整するのがよい。
より詳細には、回転トルク伝達体が回転体として、たとえば、その回転軸線が従動面に沿って、従動ディスクに回転可能に設けられ、駆動面に対して、所定の押付力で押付けられる場合、回転トルク伝達体と駆動面との間のすべり摩擦を通じて、所定の押付力、回転トルク伝達体と駆動面との間の動摩擦係数、および回転トルク伝達体の駆動面への接触部位の第1軸線からの距離に応じて、従動ディスクへ回転トルクが伝達される。
その際、回転速度調整手段により、回転トルク伝達体の回転軸線を中心とする回転速度を調整することにより、駆動面の回転トルク伝達体に対する相対速度差の変動が引き起こされ、それにより、回転トルク伝達体の駆動面に対する摩擦力の回転方向接線成分(回転トルク伝達体に回転トルクを伝達する有効摩擦力)が調整され、以って、駆動面と回転トルク伝達体との間の押付力が一定の状態で、回転トルク伝達体と駆動面とを非接触とする必要なく、有効摩擦力を摩擦力の0%から100%の範囲で可変制御して、単純な構成を用いて簡易なやり方により、滑らかかつ連続的な回転トルクの伝達が可能となる。
この場合、回転トルク伝達体の回転速度の調整のみで回転トルクの円滑かつ連続的な伝達が可能となるので、駆動面と従動面との間で係合関係と非係合関係とを繰り返すことにより、回転トルクを伝達する場合には、係合のたびに駆動面と従動面との間に衝撃力が引き起こされるのに対して、このような衝撃力を生じることなく、回転トルクの円滑かつ連続的な伝達が可能である。
前記有効摩擦力調整手段は、前記駆動ディスクまたは従動ディスクの摩擦振動を抑制する摩擦振動抑制体を形成し、
さらに、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動する回転駆動手段が設けられ、
前記回転駆動手段により、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動することにより、前記摩擦振動抑制体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きおよび大きさを変動させ、それにより、前記駆動面または従動面の摩擦振動を抑制するのがよい。
さらに、前記円柱体は、クラウン部を有し、該クラウン部が前記従動面または前記駆動面に接触するのでもよい。
さらにまた、前記有効摩擦力調整手段は、球体であり、該従動面または該駆動面に対して点接触するのでもよい。
加えて、前記有効摩擦力調整手段は、少なくとも一対設けられ、前記第1軸線または前記第2軸線を中心とする直径方向の反対側にそれぞれ設けられ、前記回転速度調整手段または前記回転駆動手段により、互いに逆方向に回転するのでもよい。
また、前記回転軸線は、前記有効摩擦力調整手段が前記駆動面の回転により前記回転軸線を中心に自己回転駆動可能なように、前記駆動面の回転に対する接線方向に対して、所定傾斜角度を以って配置されるのがよい。
さらにまた、前記所定傾斜角度は、調整可能であるのがよい。
加えて、前記回転トルク伝達機構は、前記駆動面をフライホイール面とし、前記従動面をクラッチディスク面とするクラッチ機構でもよい。
さらにまた、前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクのどちらか一方に設けるのでもよい。
また、前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクと前記従動ディスクの両方に設けるのでもよい。
加えて、前記有効摩擦力調整手段を前記回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該回転トルク伝達体を設けたディスク側に設けるのでもよい。
また、前記有効摩擦力調整手段は複数設けられ、前記第1軸線または前記第2軸線のまわりに等角度間隔を隔てて同心円状に配置されるのでもよい。
さらにまた、前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクに開口が設けられ、前記回転体は、その最拡径部が該駆動面または該従動面から突出するように、該開口内で回転可能に支持されるのでもよい。
面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面から、該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面へ、滑り摩擦を介して回転トルクを伝達する方法において、
前記従動面または前記駆動面に対する滑り摩擦を介して、前記第1軸線を中心とする回転トルクを前記従動面に伝達する回転トルク伝達体を設け、該回転トルク伝達体の前記従動面または前記駆動面に対する接触部位における前記回転トルク伝達体の周速を変動させることにより、摩擦力の回転方向に対する接線方向成分を調整し、それにより、前記従動面に回転トルクを伝達する有効摩擦力を摩擦力の0%ないし100%の間で連続的に変化可能に回転トルクを伝達する、構成としている。
また、前記回転トルク伝達体の前記従動面または前記駆動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を変動させつつ、前記回転トルク伝達体の該従動面または該駆動面に対する押付力を調整するのがよい。
上記回転トルク伝達機構を用いて、前記従動面または前記駆動面と前記回転トルク伝達体との間のすべり摩擦を介して前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ回転トルクを伝達する際、前記駆動面または前記従動面と前記回転トルク伝達体との間で発生する摩擦力が速度弱化特性を示す場合において、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心に回転させることにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整して、前記従動面に回転トルクを伝達する有効摩擦力を減じる、構成としている。
以上のように、回転トルク伝達体の回転によって、相対速度と擾乱速度の間にヨー軸まわりのミスアライメントを与え、摩擦力の方向の変化が生み出す見掛け上の粘性減衰効果を利用できるようにすることにより、単純な構成を用いて簡易なやり方により、摩擦振動の抑制による摺動面の省エネルギー化を達成しつつ回転トルクの伝達が可能となる。
さらに、所望回転トルクが前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ伝達されるまで、前記回転トルク伝達体の駆動面または従動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を漸次増大するとともに、所定の押付力を漸次増大するのでもよい。
さらにまた、所望回転トルクが前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ伝達されるまで、前記回転トルク伝達体の駆動面または従動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を漸次低減するとともに、所定の押付力を漸次低減するのでもよい。
ローラ22の個数は任意であり、すべてのローラ22を駆動ディスク15に組み込んでもよい。また、摩擦力の速度弱化特性(相対速度の増加により摩擦力が減少する特性)により生じるジャダは、細い従動軸14のねじり振動として現れるものとする。ローラ22の回転軸線X2からの距離は、駆動面16から従動ディスク13へ伝達すべき回転トルクに応じて、適宜設定すればよい。回転トルクの円滑かつ連続的な伝達、および摩擦振動の抑制にとって、駆動ディスクの回転軸線X1を中心とする回転方向と、ローラの回転軸線X3を中心とする回転方向とに技術的関連性はなく、それぞれ任意に定めればよい。
なお、変形例として、駆動ディスク15に、ローラ22を収容する凹部が設けられ、ローラ22は、その最拡径部(クラウン部)が駆動面16から突出するように、凹部の縁部より回転可能に支持されるのでもよい。
以後、両者の原理を図式的に解説する。
まず、スピンなしの状況を描いた図3(a)では、ローラ22に対する駆動面の相対速度VrelはVdrive と一致する。従って、Fの方向は上向きとなり、従動ディスク13にトルクを伝達する有効摩擦力Feff(Fのcos成分)はFの絶対値と一致する。(これらの状況は、一般的なトルク伝達機構と同じである。)
すなわち、接触部におけるローラ22のスピンの周速Vspinが左向きに加わることにより、Vrelの方向が右斜め上に変化する。ここで、摩擦力Fの方向は常に相対速度Vrelの方向と一致することに注意すると、Fの方向も右斜め上となるので、Fのcos成分として与えられるFeffは、図3(a)よりも減少することがわかる。さらに、図3(b)よりもスピンの速度を増加させると、図3(c)および(d)のように状況が変化する。いずれも接触部に作用するFの絶対値に変化はないが、Vspinの増加にともないFの方向が右回りに変化することにより、Feffが連続的に減少する。
このとき、図5下段に示した速度の関係によると、相対速度Vrelは、絶対値が減少するだけではなく、ローラ22のスピンの周速Vspinの影響を受けて、方向が右回りに変化する。ここで、Vrelの絶対値の減少は、図5の場合と同様に、摩擦力Fの絶対値を増加させるので、これが有効摩擦力Feffの増加(ひいては摩擦トルクの増加)を招き、平衡点を不安定化させる。しかし、Vrelの方向の右回りの変化は、Fの方向の右回りの変化を招き、Feffを減少(ひいては摩擦トルクを減少)させるので、平衡点を安定させる。図5では、両者の競合の結果として、(b)のFeffが(a)よりも(わずかながら)下回っている様子が描かれている。この場合、従動軸14が正方向にねじれると、正方向の摩擦トルクが減少するので、平衡点はむしろ安定化され、ジャダは発生しない。
この場合の見掛け上の粘性減衰効果は、すべり摩擦を利用するトルク伝達であるが、線形的な摩擦減衰でなく、指数関数的な大きな粘性減衰効果となる。
より詳細には、ローラ22が回転体として、たとえば、その回転軸線X3が従動面17に沿って、従動ディスク13に回転可能に設けられ、駆動面16に対して、所定の押付力で押付けられる場合、ローラ22と駆動面16との間のすべり摩擦を通じて、所定の押付力、ローラ22と駆動面16との間の動摩擦係数、およびローラ22の駆動面16への接触部位の第2軸線X2からの距離に応じて、従動ディスク13へ回転トルクが伝達される。
その際、回転速度調整手段により、ローラ22の回転軸線X3を中心とする回転速度を調整することにより、駆動面16のローラ22に対する相対速度差の変動が引き起こされ、それにより、ローラ22の駆動面16に対する摩擦力の回転方向接線成分(従動ディスク13に回転トルクを伝達する有効摩擦力)が調整され、以って、駆動面16と従動ディスク13のローラ22との間の押付力が一定の状態で、ローラ22と駆動面16とを非接触とする必要なく、有効摩擦力を摩擦力の0%から100%の範囲で可変制御して、単純な構成を用いて簡易なやり方により、滑らかかつ連続的な回転トルクの伝達が可能となる。
以上のように、ローラ22の回転によって、相対速度と擾乱速度の間にヨー軸まわりのミスアライメントを与え、摩擦力の方向の変化が生み出す見掛け上の粘性減衰効果を利用できるようにすることにより、単純な構成を用いて簡易なやり方により、摩擦振動の抑制による摺動面の省エネルギー化を達成しつつ回転トルクの伝達が可能となる。
ローラ22を回転軸線X3を中心に回転させずに、ローラ22と駆動面16との間の押付力一定のもとで、駆動面16の回転軸線X1を中心とする回転により、すべり摩擦を介して従動ディスク13に回転トルクを伝達し、従動ディスク13を回転軸線X2を中心として回転させる際に、従動側に摩擦振動が発生した場合において、伝達される回転トルク値よりも摩擦振動の抑制を優先するのであれば、ローラ22を回転軸線X3を中心に回転させることにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整し、有効摩擦力を低減することにより、伝達される回転トルクは減少するが、少なくとも摩擦振動の抑制効果を奏することが可能である。
特に、静止従動ディスク13をローラ22を介して、回転中の駆動ディスク15 に所定の押付力で押し付けることにより、駆動ディスク15 から従動ディスク13へ所望回転トルクを伝達するまでに摩擦振動が発生し始めたら、ローラ22の駆動面16に対する接触部におけるローラ22の周速(回転速度)を増大させることにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整して、従動面17に回転トルクを伝達する有効摩擦力を減じるのがよい。
ケース1は、ローラ22の回転速度を上げるとともに、押付力を減少する場合である。
ケース2は、ローラ22の回転速度を上げるとともに、押付力を増大する場合である。
ケース3は、ローラ22の回転速度を下げるとともに、押付力を減少する場合である。
ケース4は、ローラ22の回転速度を下げるとともに、押付力を増大する場合である。
なお、図8において、右上がりの矢印および右下がりの矢印それぞれは、増大および減少を意味し、右上がりの矢印においては、その傾きが大きい場合、小さい場合があり、前者のほうが後者より増大が大きいことを定性的に示す。
ケース2は、ケース1に比べ、摩擦振動の抑制効果は低いが伝達される回転トルクが増大する場合である。
ケース3は、ケース4に比べ、伝達される回転トルクは低いが、摩擦振動の抑制効果が奏される場合である。
ケース2およびケース3について、以下に示すように、摩擦力の速度弱化特性曲線の負の傾きのどの部分に係わるかによって、使い分けることが考えられる。
一方において、有効摩擦力は、上述のように、ローラ22の回転速度に対して三角関数的に定まるのに対して、押付力に対しては、線形的に定まるので、ローラ22の回転速度の増大に対する有効摩擦力の低減割合と、押付力の低減に対する有効摩擦力の低減割合とは異なる。
よって、図7に示すように、速度弱化特性の負の傾きが緩やかである相対速度が比較的大きい領域では、ケース2のように、ローラ22の回転速度の増大とともに押付力の増大を行って、ケース3に比べて、回転トルクの増大を図り、一方、速度弱化特性の負の傾きが急である相対速度が比較的小さい領域では、ケース3のように、ローラ22の回転速度の低減とともに押付力の低減を行って、ケース2に比べて、摩擦振動抑制効果を奏するのが好ましい。
本発明の第2実施形態の特徴は、ローラ22の駆動方式にある。すなわち、第1実施形態においては、機能の発現に必要不可欠なローラ22のスピンは、外部の駆動装置により与えるとの設定で議論を進めたが、図6(B)のように、ローラ22を斜めに設置しておけば、駆動面16から受ける摩擦力により、ローラ22を自己駆動させることもできる。
より詳細には、図6(A)に示すように、ローラ22が4つ、互いに第1軸線X1のまわりに90度の等角度間隔を隔てて、同心円状に配置され、駆動面16の回転に対する接線方向に対して、90度を以って配置されている場合には、図1および図2と同様に、それぞれのローラ22が駆動面16の回転により第3軸線X3を中心に自己回転駆動可能とならないが、図6(B)に示すように、ローラ22が4つ、互いに第1軸線X1のまわりに90度の等角度間隔を隔てて、同心円状に配置され、駆動面16の回転に対する接線方向に対して、所定傾斜角度θを以って配置されている場合には、それぞれのローラ22が駆動面16の回転により第3軸線X3を中心に自己回転駆動可能となる。所定傾斜角度θは、たとえば、ローラ22の第3軸線X3を中心とする要求回転速度に応じて、調整可能としてもよい。なお、ローラ22ごとに所定傾斜角度θを変えてもよい。
このように、システム全体のデザインとオペレーション次第では、ローラ22のスピンのための駆動装置を用いることなく、なめらかなトルク伝達を実現する自律的な機構が可能である。
たとえば、本実施形態において、回転トルク伝達体は、従動ディスク13側に設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、回転トルク伝達体がすべり摩擦を利用して駆動ディスク15から従動ディスク13へ回転トルクを伝達することが可能である限り、駆動ディスク15側に設けてもよいし、回転トルク伝達体を複数設ける場合において、一部を従動ディスク13側、残りを駆動ディスク15側に設けてもよい。
たとえば、本実施形態において、複数の回転トルク伝達体を回転軸線のまわりに同心状に等角度間隔を隔てて配置するものとして説明したが、それに限定されることなく、回転トルク伝達体がすべり摩擦を利用して駆動ディスク15から従動ディスク13へ回転トルクを伝達することが可能である限り、複数の回転トルク伝達体を回転軸線のまわりに非同心状に非等角度間隔を隔てて配置してもよい。回転トルク伝達体の数は、回転トルク伝達体が接触する駆動面または従動面の摩耗の観点から定めればよく、押圧力一定のもとで、数を増やせば面圧が低減するので、摩耗の観点から有利である。
たとえば、第1実施形態において、回転トルク伝達体は、回転トルク伝達体を設ける駆動ディスク15または従動ディスク13上の回転駆動モーターにより回転駆動させるものとして説明したが、それに限定されることなく、別途回転駆動モーターを設けることなく、駆動ディスク15の回転力を利用して回転トルク伝達体を回転させてもよい。
X2 第2軸線
X3 第3軸線
θ 傾斜角度
F 摩擦力
C 摩擦力ベクトルFにより描いた円
Feff 従動面17にトルクを伝達する有効摩擦力
Vdrive 接触部における駆動面の周速
Vspin 接触部におけるローラ22のスピンの周速
Vrel ローラ22に対する駆動面の相対速度
Vdist 従動軸14のねじりによるローラ22に加わる擾乱速度
10 トルク伝達機構
13 従動ディスク13
14 従動軸
15 駆動ディスク15
16 駆動面
17 従動面
18 駆動軸
20 開口
22 ローラ
24 下端
26 側周面
28 端面
29 支持シャフト
Claims (23)
- 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面と、
該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面と、
該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力を調整する有効摩擦力調整手段とを有し、
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられ、
前記駆動面を一方の面に具備する駆動ディスクと、前記従動面を一方の面に具備する従動ディスクとが設けられ、
前記有効摩擦力調整手段は、該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦を介して該第1軸線を中心とする回転トルクを該従動ディスクに伝達する回転トルク伝達体を形成し、
さらに、前記回転トルク伝達体の回転軸線を中心とする回転速度を調整する回転速度調整手段が設けられ、
前記回転速度調整手段により、前記回転トルク伝達体の前記回転軸線を中心とする回転速度を調整することにより、前記回転トルク伝達体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きを変動させ、それにより、有効摩擦力を調整し、
前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクのどちらか一方に設け、
前記有効摩擦力調整手段を前記回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該回転トルク伝達体を設けたディスク側に設ける、ことを特徴とする回転トルク伝達機構。 - 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面と、
該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面と、
該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力を調整する有効摩擦力調整手段とを有し、
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられ、
前記駆動面を一方の面に具備する駆動ディスクと、前記従動面を一方の面に具備する従動ディスクとが設けられ、
前記有効摩擦力調整手段は、該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦を介して該第1軸線を中心とする回転トルクを該従動ディスクに伝達する回転トルク伝達体を形成し、
さらに、前記回転トルク伝達体の回転軸線を中心とする回転速度を調整する回転速度調整手段が設けられ、
前記回転速度調整手段により、前記回転トルク伝達体の前記回転軸線を中心とする回転速度を調整することにより、前記回転トルク伝達体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きを変動させ、それにより、有効摩擦力を調整し、
前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクと前記従動ディスクの両方に設け、
前記有効摩擦力調整手段を前記回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該回転トルク伝達体を設けたディスク側に設ける、ことを特徴とする回転トルク伝達機構。 - 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面と、
該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面と、
該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力を調整する有効摩擦力調整手段とを有し、
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられ、
前記駆動面を一方の面に具備する駆動ディスクと、前記従動面を一方の面に具備する従動ディスクとが設けられ、
前記有効摩擦力調整手段は、前記駆動ディスクまたは従動ディスクの摩擦振動を抑制する摩擦振動抑制体を形成し、
さらに、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動する回転駆動手段が設けられ、
前記回転駆動手段により、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動することにより、前記摩擦振動抑制体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きおよび大きさを変動させ、それにより、前記駆動面または従動面の摩擦振動を抑制し、
前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクのどちらか一方に設け、
前記有効摩擦力調整手段を前記回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該摩擦振動抑制体を設けたディスク側に設ける、ことを特徴とする回転トルク伝達機構。 - 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面と、
該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面と、
該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力を調整する有効摩擦力調整手段とを有し、
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられ、
前記駆動面を一方の面に具備する駆動ディスクと、前記従動面を一方の面に具備する従動ディスクとが設けられ、
前記有効摩擦力調整手段は、前記駆動ディスクまたは従動ディスクの摩擦振動を抑制する摩擦振動抑制体を形成し、
さらに、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動する回転駆動手段が設けられ、
前記回転駆動手段により、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動することにより、前記摩擦振動抑制体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きおよび大きさを変動させ、それにより、前記駆動面または従動面の摩擦振動を抑制し、
前記有効摩擦力調整手段を前記駆動ディスクと前記従動ディスクの両方に設け、
前記有効摩擦力調整手段を前記回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該摩擦振動抑制体を設けたディスク側に設ける、ことを特徴とする回転トルク伝達機構。 - 前記有効摩擦力調整手段は、円柱体であり、該従動面または該駆動面に対して前記回転軸線に沿って線接触する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記円柱体は、クラウン部を有し、該クラウン部が前記従動面または前記駆動面に接触する、請求項5に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記有効摩擦力調整手段は、球体であり、該従動面または該駆動面に対して点接触する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記有効摩擦力調整手段は、少なくとも一対設けられ、前記第1軸線または前記第2軸線を中心とする直径方向の反対側にそれぞれ設けられ、前記回転速度調整手段または前記回転駆動手段により、互いに逆方向に回転する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記第1軸線と前記第2軸線とは、1直線上に位置決めされる、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記回転軸線は、前記有効摩擦力調整手段が前記駆動面の回転により前記回転軸線を中心に自己回転駆動可能なように、前記駆動面の回転に対する接線方向に対して、所定傾斜角度を以って配置される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記所定傾斜角度は、調整可能である、請求項10に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記回転トルク伝達機構は、前記駆動面をフライホイール面とし、前記従動面をクラッチディスク面とするクラッチ機構である、請求項1ないし請求項11いずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記回転トルク伝達機構は、前記駆動面をブレーキローター面とし、前記従動面をブレーキパッド面とするブレーキ機構である、請求項1ないし請求項11いずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記有効摩擦力調整手段は複数設けられ、前記第1軸線または前記第2軸線のまわりに等角度間隔を隔てて同心円状に配置される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクに、前記回転体を収容する凹部が設けられ、前記回転体は、その最拡径部が該駆動面または該従動面から突出するように、該凹部の縁部より回転可能に支持される、請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 前記駆動ディスクまたは前記従動ディスクに開口が設けられ、前記回転体は、その最拡径部が該駆動面または該従動面から突出するように、該開口内で回転可能に支持される、請求項1ないし請求項4いずれか1項に記載の回転トルク伝達機構。
- 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面から、該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面へ、滑り摩擦を介して回転トルクを伝達する方法において、
前記従動面または前記駆動面に対する滑り摩擦を介して、前記第1軸線を中心とする回転トルクを前記従動面に伝達する回転トルク伝達体を設けるとともに、該回転トルク伝達体をその回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該回転トルク伝達体を設けた前記駆動面または前記従動面側に設け、該回転トルク伝達体の前記従動面または前記駆動面に対する接触部位における前記回転トルク伝達体の周速を変動させることにより、摩擦力の回転方向に対する接線方向成分を調整し、それにより、前記従動面に回転トルクを伝達する有効摩擦力を摩擦力の0%ないし100%の間で連続的に変化可能に回転トルクを伝達することを特徴とする回転トルク伝達方法。 - 前記回転トルク伝達体の前記従動面または前記駆動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を変動させつつ、前記回転トルク伝達体の該従動面または該駆動面に対する押付力を調整する、請求項17に記載の回転トルク伝達方法。
- 面に垂直な第1軸線を中心に回転可能な駆動面と、
該駆動面に対向して配置され、面に垂直な第2軸線を中心に回転可能な従動面と、
該従動面または該駆動面に対する滑り摩擦力の回転方向に対する接線方向成分である有効摩擦力を調整する有効摩擦力調整手段とを有し、
該有効摩擦力調整手段は、回転体をなし、その回転軸線が該駆動面または該従動面に沿って回転可能に設けられ、該駆動面または該従動面に対して突出して、該従動面または該駆動面に対して、所定の押付力で押付けられ、
前記駆動面を一方の面に具備する駆動ディスクと、前記従動面を一方の面に具備する従動ディスクとが設けられ、
前記有効摩擦力調整手段は、前記駆動ディスクまたは従動ディスクの摩擦振動を抑制する摩擦振動抑制体を形成し、
さらに、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動する回転駆動手段が設けられ、
前記回転駆動手段により、前記摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心として回転駆動することにより、前記摩擦振動抑制体に対する該従動面または該駆動面の相対速度の向きおよび大きさを変動させ、それにより、前記駆動面または従動面の摩擦振動を抑制し、該摩擦振動抑制体をその回転軸線を中心に回転するための駆動モーターを、該摩擦振動抑制体を設けた前記駆動ディスク側または前記従動ディスク側に設ける、回転トルク伝達機構を用いて、前記従動面または前記駆動面と前記回転トルク伝達体との間のすべり摩擦を介して前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ回転トルクを伝達する際、前記駆動面または前記従動面と前記回転トルク伝達体との間で発生する摩擦力が速度弱化特性を示す場合において、前記摩擦振動抑制体を前記駆動モーターによりその回転軸線を中心に回転させることにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整して、前記従動面に回転トルクを伝達する有効摩擦力を減じる、ことを特徴とする摩擦振動の抑制方法。 - 静止従動ディスクを前記回転トルク伝達体を介して、回転中の駆動面に所定の押付力で押し付けることにより、前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ所望回転トルクを伝達するまでに摩擦振動が発生し始めたら、前記回転トルク伝達体の従動面または駆動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を増大させることにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整して、前記従動面に回転トルクを伝達する有効摩擦力を減じる、請求項19に記載の摩擦振動の抑制方法。
- 静止従動ディスクを前記回転トルク伝達体を介して、回転中の駆動面に所定の押付力で押し付けることにより、前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ所望回転トルクを伝達するまでに摩擦振動が発生し始めたら、前記回転トルク伝達体の駆動面または従動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を増大するとともに、所定の押付力を調整することにより、摩擦力の増大を打ち消すように摩擦力の方向を調整して、前記従動ディスクに回転トルクを伝達する有効摩擦力を減じる、請求項19に記載の摩擦振動の抑制方法。
- 所望回転トルクが前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ伝達されるまで、前記回転トルク伝達体の駆動面または従動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を漸次増大するとともに、所定の押付力を漸次増大する、請求項21に記載の摩擦振動の抑制方法。
- 所望回転トルクが前記駆動ディスクから前記従動ディスクへ伝達されるまで、前記回転トルク伝達体の駆動面または従動面に対する接触部における前記回転トルク伝達体の周速を漸次低減するとともに、所定の押付力を漸次低減する、請求項21に記載の摩擦振動の抑制方法。
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