JP6478814B2 - 蠕動式輸液ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、輸液チューブに蠕動運動を付与することにより強制的に液体を送る蠕動式輸液ポンプに関する。
医療分野において、輸液ラインにより血液成分や薬液等の輸液剤を人体内(患者の体内)に送る場合、一定量を正確に送るために輸液ポンプが用いられている。輸液ポンプとしては、蠕動式(ペリスタルティックフィンガー方式)を採用したものが挙げられる。
蠕動式輸液ポンプは、可撓性を有する輸液チューブの一側に複数の圧接フィンガーを圧接して、各圧接フィンガーを順次進退させることにより輸液チューブの上流側から下流側に向かって蠕動運動を付与する。各圧接フィンガーは、輸液チューブの一側を押さえる押さえ板に向かって進出することにより輸液チューブの他側に圧接する。
各圧接フィンガーは、輸液チューブに沿って隣接して配列され、複数のカムによって各別に進退される。各カムは、モータ等の回転駆動手段に接続されたカムシャフトが挿通され、該カムシャフトの回転方向に向かって所定角度ずつ変位してカムシャフトに固定されている。
カムシャフトの回転によって各カムが順次進角し、各カムの回転に伴って各圧接フィンガーがその上流側から下流側にかけて順次進退される。これにより、各圧接フィンガーに当接された輸液チューブに蠕動運動が付与される。
ところで、この種の蠕動式輸液ポンプには、輸液ラインの閉塞を検出する閉塞検出器や、輸液チューブの内部に混入した気泡を検出する気泡検出器が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
閉塞検出器は、輸液チューブの内圧を検出する圧力センサを備えている。例えば、輸液ライン終端の注射針が血栓で詰まったり、輸液ラインの途中の折れ曲がり(キンク)等したりすると輸液の流れが阻害され、行き場を無くした輸液剤が輸液ライン内の圧力を上昇させる。この圧力上昇を圧力センサにより検出することで、輸液ラインの閉塞を検出する。
一方、気泡検出器は、一般に超音波センサが用いられ、空気と水とでは超音波の減衰率が大きく異なることを利用して、輸液ライン中に空気が混入したことを検知する。
実開平1−170248号公報
閉塞検出器と気泡検出器は、検出対象も検出方法も異なる。このために、従来の輸液ポンプは、閉塞検出器と気泡検出器との両者を輸液ポンプに内蔵することが行われている。しかしながら、高価な検出器が2つも必要な上に、2つの検出器を輸液ポンプの筐体内に収容しなければならず、輸液ポンプが大型化する不都合があった。
また、超音波センサを採用した気泡検出器は、気泡検出器の検出面(超音波発生面)と輸液チューブとを密着させる必要がある。しかしながら、気泡検出器の検出面と輸液チューブとの間に塵埃等の異物が侵入したり、気泡検出器の検出面と輸液チューブの間に隙間が生じると、輸液チューブの気泡混入を誤検出するおそれがある。
また、超音波センサを採用した気泡検出器によると、輸液チューブの材質の影響で正確な気泡の検出が行えない場合もある。即ち、輸液チューブが硬すぎると気泡検出器の検出面の形状に倣って輸液チューブが変形できずに検出面と輸液チューブとの間に隙間が生じ、気泡混入を誤検出するおそれがある。逆に、輸液チューブが柔らか過ぎると輸液チューブの復元力が少ないために検出面に輸液チューブを押し付ける圧力が不足し隙間が生じ、気泡混入を誤検出するおそれがある。更に、軟質塩化ビニールを材料とする輸液チューブにおいては、その表面に微細な凹凸(エンボス)を設けることで、未使用保管状態での輸液チューブ同士の癒着(自己融着)を防止しているが、輸液チューブの表面の微細な凹凸が検出面との密着が阻害され、気泡混入を誤検出するおそれがある。
本発明は、上記の点に鑑み、超音波センサを用いることなく簡単な構成で輸液チューブ内への気泡の混入を精度よく検出することができる蠕動式輸液ポンプを提供することを目的とする。
[1]上記の目的を達成するために、本発明は、
液体が収容された医療用容器と人体とを繋ぐ輸液ラインに設けられた可撓性を有する輸液チューブの一側面に当接する平坦面を有して該輸液チューブを押さえる押さえ部と、前記押さえ部に前記輸液チューブを介して対向して該輸液チューブを圧接する方向に進退自在とされ且つ該輸液チューブの長手方向に沿って隣接して配列された複数の圧接フィンガーと、各圧接フィンガーを順次進退させる進退機構とを備え、前記進退機構により各圧接フィンガーが順次前記輸液チューブに圧接することにより、前記輸液チューブに上流側から下流側に向かう蠕動運動を付与して、前記輸液チューブ内の液体を強制的に流動させる蠕動式輸液ポンプであって、
各圧接フィンガーにより前記輸液チューブに蠕動運動が付与される2つの領域の間の所定位置に配置され、且つ該輸液チューブの内部の圧力を検出する圧力検出器と、
該圧力検出器を介して上流側と下流側とを解除自在に押し潰すことにより該輸液チューブの一部に閉止領域を形成する閉止手段と、
前記圧力検出器により検出される前記輸液チューブの内圧の変化に基づいて該輸液チューブの内部の気泡を検出する気泡検出手段と
備えることを特徴とする。
本発明の蠕動式輸液ポンプによれば、超音波センサを用いることなく、圧接フィンガーと圧力検出器によって簡単な構成で輸液チューブ内への気泡の混入を精度よく検出することができる。
[2]また、本発明においては、圧力検出器は、圧接フィンガーのうち互いに隣接する何れか2つの間に配置され、閉止手段は、圧力検出器に隣接する2つの圧接フィンガーによって輸液チューブを解除自在に押し潰すことにより閉止領域を形成することが好ましい。
閉止領域は、圧接フィンガーのうち輸液チューブの最も上流側に位置する圧接フィンガーと最も下流側に位置する圧接フィンガーとの2つの圧接フィンガーによって輸液チューブを解除自在に押し潰すことにより形成することも可能である。
しかしながら、閉止領域の範囲が大きいほど気泡の混入に伴う圧力値の変化が小さくなり、圧力検出器での検出が困難となる。また、輸液チューブには、柔軟性が異なる様々な種類のものがあり、輸液チューブの柔軟性の変化の方が気泡混入により変わる圧力値よりも大きくなると気泡混入の検出が困難となる。従って、この場合には、本発明の蠕動式輸液ポンプ専用の輸液チューブを用いる必要があり、蠕動式輸液ポンプの汎用性が低下する。
そこで、上述の如く、閉止手段が、圧力検出器に隣接する2つの圧接フィンガーによって輸液チューブを解除自在に押し潰すことにより閉止領域を形成するように構成すれば、閉止領域の範囲が小さくなり、輸液チューブの柔軟性の変化による影響が圧力値に影響し難くなり、柔軟性が大きく異なる様々な輸液チューブに本発明の蠕動式輸液ポンプを適用可能となり、汎用性を向上させることができる。
[3]また、本発明においては、各圧接フィンガーが輸液チューブに圧接しているときに圧力検出器によって検出される圧力に基づいて、輸液ラインの閉塞を検出する閉塞検出手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、気泡検出手段による気泡の検出や、閉塞検出手段による閉塞の検出を、共に1つの圧力検出器を用いて行うことができる。従って、複数のセンサを用いることなく簡単な構成で輸液ラインの閉塞及び輸液チューブ内への気泡の混入を検出することができる。
[4]また、本発明において、押さえ部のチューブ圧接面は、弾性部材で構成することができる。かかる構成によれば、圧接フィンガーによる必要以上の輸液チューブの押し潰しを防止することができる。
[5]また、本発明においては、押さえ部のチューブ圧接面よりも圧接フィンガー側に圧接フィンガーが突き当たる面を設置することができる。かかる構成によっても、圧接フィンガーによる必要以上の輸液チューブの押し潰しを防止することができる。
[6]また、本発明においては、圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーとの間に送液動作に伴い輸液チューブが動かないように保持する保持機構を設けることが好ましい。かかる構成によれば、圧力検出器が輸液チューブの内圧を検出するときに、保持機構によって輸液チューブがしっかりと保持されるため、輸液チューブの内圧を正確に検出することができ、気泡混入の有無を精度よく検出することができる。
[7]また、本発明においては、送液動作に伴い輸液チューブが動かないように圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーとの間に所定の離隔距離を設けることが好ましい。圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーとの間に所定の離隔距離を設けることにより、圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーによる輸液チューブの押し潰しが、圧力検出器の検出ノイズとなることを防止することができる。
[8]また、本発明において、圧力検出器は、輸液チューブの内部の圧力により輸液チューブが膨張しようとする力を検出する荷重センサを用いることができる。
[9]また、本発明において、圧力検出器として荷重センサを用いる場合には、半導体ストレインゲージ・ブリッジをワンチップ上に形成したものを採用することにより、高い検出速度を得ることができる。
[10]また、本発明においては、前記荷重センサを前記輸液チューブから離隔させるセンサ移動手段と、荷重センサが輸液チューブから離隔しているときの荷重センサの出力を記憶する記憶手段と、輸液チューブから検出される値を記憶手段に記憶された荷重センサの出力により補正する補正手段とを備えることが好ましい。これによれば、荷重センサの検出精度を向上させることができる。
[11]また、本発明においては、各圧接フィンガーが輸液チューブに圧接しているときに圧力検出器によって検出される圧力に基づいて、医療用容器及び人体に対する高さ位置の良否を判定する位置関係判定手段を設けることもできる。これによれば、位置関係判定手段を気泡検出手段による気泡の検出に用いた圧力検出器を用いて行うことができる。従って、センサを追加することなく医療用容器及び人体に対する高さ位置の良否判定を行うことができ、信頼性の高い小型な蠕動式輸液ポンプを得ることができる。
蠕動式輸液ポンプの要部を模式的に示す構成図。 圧接フィンガー及びカムの形状を示す図。 図3Aから図3Dは、ポンプ機構による送液動作を示す図。 輸液チューブが押し潰される状態を示す一部拡大図。 図5A〜図5Dは、荷重センサにより検出される圧力を示す図。 図6A〜図6Dは、荷重センサにより検出される圧力を示す図。 図7A及び図7Bは、センサ移動手段の概略を示す図。 センサによるチューブ保持構造を示す図。 輸液チューブが押し潰された状態の断面形状を示す図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の蠕動式輸液ポンプは、医療分野において体液や血液成分或いは薬液等の液体を人体に送る際に使用されるものであり、薬液などの液体を収容する医療用容器(輸液剤容器)と人体とを繋ぐ輸液ラインに設けられた可撓性を有する輸液チューブ1に蠕動運動を付与することによって、輸液チューブ1内の液体を下流方向に強制的に送る装置である。
本実施形態の蠕動式輸液ポンプは、図1に模式的に示すように、輸液チューブ1の一側に当接する押さえ板2(押さえ部)と、該押さえ板2に対向して輸液チューブ1の他側に当接するポンプ機構3と、マイクロコンピュータからなる制御手段4とを備えている。
押さえ板2は金属や合成樹脂等によって形成された硬質の厚板であり、一側の平坦面2aが輸液チューブ1に当接される。押さえ板2は、バネ2b(付勢手段)により輸液チューブ1に当接する方向に付勢されている。
ポンプ機構3は、押さえ板2の平坦面2aに輸液チューブ1を介して対向する12枚の圧接フィンガーf1〜f12と、各圧接フィンガーf1〜f12を水平方向に進退させる12個のカムm1〜m12と、各カムm1〜m12を支持する回転自在のカムシャフト5と、このカムシャフト5を回転駆動する駆動モータ6(駆動源)とを備えている。
各圧接フィンガーf1〜f12は、輸液チューブ1の上流から下流に対応する上下方向に互いに隣接して配列されている。第1圧接フィンガーf1は最上流側に位置し、第12圧接フィンガーf12は最下流側に位置している。
圧接フィンガーf1〜f12は、図2に示すように、輸液チューブ1に圧接する圧接部7を先端に備え、カムm1〜m12に係合するカム係合部8を後端側に備えている。
各カムm1〜m12は、略円盤状に形成されており、各圧接フィンガーf1〜f12の配列に対応して上下方向に互いに隣接して配列されている。各カムm1〜m12には、カムシャフト5が偏心位置に貫通固定されている。各カムm1〜m12は、カムシャフト5に偏心して支持されていることにより、外周面の一部が実質的に径方向に突出する押圧面9を備える。換言すれば、各カムm1〜m12のカムシャフト5に対する偏心方向に突出する部分が押圧面9を備える部分となる。
カムシャフト5は、図1に示すように、その一方端側に従動プーリ10が設けられており、駆動モータ6から延出する駆動軸11の上端側に設けられた駆動プーリ12からベルト13を介して回転が伝達される。
カムシャフト5が回転し、各カムm1〜m12が圧接フィンガーf1〜f12のカム係合部8内で回転することにより、図3A〜図3Dに示すように、各圧接フィンガーf1〜f12が順次進退し、押さえ板2との間で輸液チューブ1の押し潰しと開放とが行われる。このとき、各圧接フィンガーf1〜f12と押さえ板2との間に介在する輸液チューブ1に蠕動運動が付与され、輸液チューブ1内の輸液剤は上流から下流へと送られる。
カムシャフト5の回転角度は、角度検出手段により検出される。角度検出手段として、エンコーダ、或いは、駆動モータ6としてステッピングモータを採用する。駆動モータ6としてステッピングモータを採用した場合、駆動モータ6のステップ数でカムシャフト5の角度を知ることができる。そして、駆動モータ6のステップ数を計数することで各圧接フィンガーf1〜f12の進退位置を確認することができる。
第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間には、荷重センサ14(圧力検出器)が配設されている。本実施形態で採用する荷重センサ14はフォースセンサ或いはロードセルといった力学的な作用の大きさを検出するためのセンサである。
ここで本実施形態で採用する荷重センサ14について説明する。12枚の圧接フィンガーf1〜f12を用いたカムシャフト5の回転では、最低でも角度5度以内の範囲を通過する間に輸液チューブ1の圧力を検出する。この場合、角度についての高い検出精度が必要であると共に、圧接フィンガーf1〜f12の動作サイクルが速いときにはそれに応じて高速で圧力を検出できるだけの応答速度が必要となる。
具体的には、最大流量999mL/hにて運転する場合に、1秒間に約2サイクルの割合で送液動作を繰り返している。1回転360度のうち5度の範囲を回転通過する時間は1÷2×5÷360=0.00694s(6.94ms)となるので、荷重センサ14の応答時間は遅くとも約7ms以内であり、この間に正確な圧力の検出を行う必要がある。このため、荷重センサ14として、ストレインゲージを採用したセンサや、感圧導電ゴムを用いた感圧素子等を採用することが好ましい。
特に好適な荷重センサ14としては、ストレインゲージを採用したセンサのなかでも、集積回路と同様な製造プロセスであるフォトエッチング法によって製造される半導体ストレインゲージ・ブリッジを形成した極小シリコンダイヤフラム構造によるセンサ(フォースセンサ)が挙げられる。センサに加わる荷重が変化しても、ダイヤフラムの変形は極小であるので、荷重を伝達するために必要な容積変化は相対的に極小である。結果的に高速な検出応答速度が得られる。
図8に示すように、荷重センサ14(圧力検出器)と第6圧接フィンガーf6及び第7圧接フィンガーf7の間には、輸液チューブ1を保持する保持機構が設けられる。保持機構は、第6圧接フィンガーf6及び第7圧接フィンガーf7の送液動作に伴って輸液チューブ1を圧迫又は解放する際に荷重センサ14(圧力検出器)が接触している輸液チューブ1の部分が移動しないように保持する。
また、保持機構は、必要に応じて荷重センサ14(圧力検出器)と第6圧接フィンガーf6及び第7圧接フィンガーf7の間を離隔させて、送液動作による荷重センサ14(圧力検出器)の電気出力変動を防止する。
換言すれば、荷重センサ14(圧力検出器)と隣り合う第6圧接フィンガーf6及び第7圧接フィンガーf7の間に所定の離隔距離を設けることにより、荷重センサ14(圧力検出器)と隣り合う第6圧接フィンガーf6及び第7圧接フィンガーf7による輸液チューブ1の押し潰しが、荷重センサ14(圧力検出器)の検出ノイズとなることを防止することができる。
本実施形態においては、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間の距離を所定の離隔距離として定義し、所定の離隔距離を輸液チューブ1の外直径の2倍に設定している。
また保持機構は荷重センサ14(圧力検出器)に加わる輸液チューブ1の内圧が変化したときに保持機構で保持する輸液チューブ1内の容積が膨張又は収縮しないように剛性の高い構造を採用することが望ましい。
本実施形態では、図8に示すように、荷重センサ14(圧力検出器)を取り付ける筐体が輸液チューブ1を保持する機能を担っており、輸液チューブ1を装着する部分は略長方形状断面を有する溝形状となっている。装着された輸液チューブ1は長円形に潰れた状態で長方形断面の溝の中で固定された状態で保持される。
制御手段4は、CPUやメモリ等により構成された電子ユニットで構成され、メモリなどの記憶装置に保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、駆動源を制御する。制御手段4は、輸液ラインの閉塞を検出する閉塞検出手段、輸液チューブ1への気泡の混入を検出する気泡検出手段、及び医療用容器及び人体に対する高さ位置の良否を判定する位置関係判定手段を機能的に備えている。そして、これらの機能を有する制御手段4は、後述するが、荷重センサ14からの出力を用いて閉塞検出、気泡検出、及び位置関係判定を行う。また、制御手段4は、閉塞検出、気泡検出、及び位置関係判定により異常と判断された場合には、図示しない警報等の報知手段を駆動して使用者に異常報知を行うと同時に、ポンプ機構3による送液を中止する。
輸液ラインの閉塞状態は、ある程度押し潰した輸液チューブ1の復元力を荷重センサ14により検出する。第2圧接フィンガーf2から第5圧接フィンガーf5の何れかが輸液チューブ1を押し潰しているとき(図3B参照)、輸液ラインにおいて荷重センサ14の下流側が閉塞して圧力が高まると、輸液チューブ1内の圧力上昇によって荷重センサ14に加わっている輸液チューブ1の復元力が増大する。それに比例して荷重センサ14の電気出力も上昇し、荷重センサ14の下流側で閉塞が発生したことが制御手段4の閉塞検出手段の機能により検出される。
一方、第8圧接フィンガーf8から第11圧接フィンガーf11の何れかが輸液チューブ1を押し潰しているとき(図3D参照)、輸液ラインの上流側が閉塞して輸液ライン内の圧力が低くなると、輸液チューブ1内の圧力降下によって荷重センサ14に加わっている輸液チューブ1の復元力が減少する。それに比例して荷重センサ14の電気出力も低下し、荷重センサ14の上流側で閉塞が発生したことが制御手段4の閉塞検出手段の機能により検出される。
輸液チューブ1に混入した気泡の検出は、送液動作の1サイクルの中間で行われるものであり、荷重センサ14の上流側の第6圧接フィンガーf6と下流側の第7圧接フィンガーf7との2箇所で輸液チューブ1を閉止し、この閉止領域に輸液剤を閉じ込めた状態とする。これにより、輸液チューブ1の内部に圧力変化が生じる。この圧力変化を荷重センサ14で検出する。即ち、圧力上昇が大きければ、閉止領域の内部が非圧縮性流体(即ち、輸液剤等の液体)で満たされている。圧力上昇が小さければ内部に圧縮性流体(即ち空気)が混入している。
本実施形態においては、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7とを用いて閉止領域を形成する(閉止手段)。即ち、第6圧接フィンガーf6(上流圧接フィンガー)と第7圧接フィンガーf7(下流圧接フィンガー)とは、夫々第6カムm6(上流カム)及び第7カムm7(下流カム)の作動により送液動作が1サイクル動作する間(全部の圧接フィンガーf1〜f12について1回の進退動作が完了する間)に、荷重センサ14の上流側と下流側とで輸液チューブ1を同時に押し潰す。
送液動作においては、上流側の第1圧接フィンガーf1から順次輸液チューブ1を押し潰していくだけでなく、第12圧接フィンガーf12まで押し潰し終わった後にこれを離し、再び第1圧接フィンガーf1から順次押し潰し動作が繰り返される。
そして、第12圧接フィンガーf12を輸液チューブ1から離して、第1圧接フィンガーf1を輸液チューブに押し付ける際に、フリーフロー状態による急激な送液が発生しないように、第1圧接フィンガーf1が輸液チューブ1を押し潰してから第12圧接フィンガーf12を輸液チューブ1から離すという順序で作動する。これにより、送液動作が1サイクル行われる間に、荷重センサ14の上流側と下流側との2箇所で輸液チューブ1が同時に閉止されるようになっている(図3A参照)。
送液動作が1サイクル行われる間に送液できる量は、2箇所で輸液チューブ1が閉止される瞬間に輸液チューブ1内に存在する液量と同一になる。輸液チューブ1の閉止領域内の容積Qは、輸液チューブ1が2箇所で潰される前の輸液チューブ1の容積Qよりも潰された分だけ少ない容積となる。容積Qは、Q=πR×L(Rは輸液チューブ1の内半径)で計算できる。輸液に使用される輸液チューブ1の内径は大きくても直径4mmを超えないので、最上流に位置する第1圧接フィンガーf1と最下流に位置する第12圧接フィンガーf12とが2カ所で輸液チューブ1を挟む長さLがL=50mmだとすると、輸液チューブ1の閉止領域内の容積Qは、潰される前の輸液チューブ1の容積Q、即ちQ=πR×L=π×(4/2)×50=0.628mLよりも潰された分だけ少ない値となる。
これに対して、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7とで挟まれる部分の容積は少ないため、小さな気泡は見逃してしまうことも考えられる。但し、輸液ポンプの国際規格で基準が示されているように、15分間に1mLを超えない量の空気は静脈注射しても患者の健康被害は発生しないとされている。
従って、患者の安全性を考慮しつつ、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との距離、又は第1圧接フィンガーf1から第12圧接フィンガーf12までの距離を設定する必要がある。このようにして、1サイクルにつき1回の気泡検出動作を行うことで、気泡の素通りが防止できる。
押え板2は、輸液チューブ1と接触するチューブ圧接面としての平坦面2aを備える。チューブ圧接面としての平坦面2aには弾性部材が設けられている。
本実施形態の蠕動式輸液ポンプは、各圧接フィンガーf1〜f12による輸液チューブ1の押し潰しを交代するたびに、図4に示すように、押さえ板2の弾性部材が部分的に細かく進退して、各圧接フィンガーf1〜f12が輸液チューブ1を押し潰す量が変化するので、輸液チューブ1の閉止領域に容量変化を生み出している。この容積変化は、第6圧接フィンガーf6から第7圧接フィンガーf7へと切り替わる際にも発生する。
本実施形態では、圧力検出器としての荷重センサ14を第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7の間に設置している。荷重センサ14が配置された部分に位置する輸液チューブ1の部分は、圧接フィンガーf1〜f12の進退や輸液チューブ1の中の容積の変化に伴う圧力変化によって輸液チューブ1が動いたり、輸液チューブ1が膨らんだりしないように、図9示すように、押さえ板2の溝の中に嵌められて、断面形状が長円形(楕円形)になるように押し潰されている。
このように輸液チューブ1を押し潰しておくことで、輸液チューブ1の復元力が荷重センサ14に作用して荷重センサ14が出力する電気信号をプラス側に押し上げるため、輸液チューブ1の上流側が閉塞して輸液チューブ1の中の圧力が減少したとしても、荷重センサ14が適切に輸液チューブ1の内圧の低下を検出することができる。
また、気泡検出を確実に行うためにも、荷重センサ14の位置に対応する輸液チューブ1の部分をしっかりと保持機構で保持することは、輸液チューブ1内の微小な容積変化を確実に検出するために必要である。
カムシャフト5に組み付けられたカムm1〜m12は、真円の外形を有している。カムm1〜m12は、圧接フィンガーf1〜f12と同じ数だけ設けられ、一定角度(圧接フィンガーが12枚の場合角度30度)ずつずらしてカムシャフト5に組み付けられている。
本実施形態の蠕動式輸液ポンプにおいては、各圧接フィンガーf1〜f12による輸液チューブ1を押し潰している圧接フィンガーf1〜f12の数は、常時2個から3個であり、2個または3個の圧接フィンガーf1〜f12が輸液チューブ1を押し潰して薬液の流れを閉止している。
この閉止状態のときの輸液チューブ1の潰れ形状を図4A及び図4Bに断面で示す。図4Aは第1から第3圧接フィンガーf1〜f3の3箇所で輸液チューブ1を潰して閉止している状態を示している。第2圧接フィンガーf2が突出していて輸液チューブ1の肉厚部分まで潰して埋没している状態となっている。第1圧接フィンガーf1及び第3圧接フィンガーf3は輸液チューブ1を閉止してはいるが、第2圧接フィンガーf2ほどは突出していない。
次に、カムシャフト5が図4Aの状態から15°だけ回転した状態を図4Bに示す。図4Bでは第2圧接フィンガーf2及び第3圧接フィンガーf3が均等に輸液チューブ1を押し潰している。輸液チューブ1に一般的に用いられる可撓性チューブの素材である塩化ビニールは、粘弾性という特性を備えている。即ち、強く押し潰された直後に解放されても直ぐには復元せずにそのままの形状を維持しようとする性質を持っている。
そのため、カムシャフト5が更に回転して第2圧接フィンガーf2が後退しても、第2圧接フィンガーf2で押し潰されていた輸液チューブ1の部分は元の形状に戻り切らないまま、第3圧接フィンガーf3が閉止した輸液チューブ1を更に押し潰すことになる。そして、更にカムシャフト5を回転させていくと、第3圧接フィンガーf3も輸液チューブ1の肉厚部分まで押し潰して埋没する状態となる。
同様の現象は、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間でも起きる。第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間には、荷重センサ14(圧力検出器)が設けられているため、同様の現象が起きると、第6圧接フィンガーf6の位置の輸液チューブ1の部分は元の形状に戻り切らないまま、第7圧接フィンガーf7が輸液チューブ1を更に押し潰すこととなる。
その結果、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間に位置する輸液チューブ1の部分の内容積は縮小するので、内容物が非圧縮性流体だけならば、荷重センサ14(圧力検出器)が圧力上昇を検知して、出力電圧を上昇させることとなる。
次に、送液動作によって発生する輸液チューブ1の内部の容積変化を利用したときの荷重センサ14からの出力信号(電圧)及び圧力と、それによる各異常の判断について図5及び図6を参照して説明する。図5及び図6において、時間順序は左から右へ経過してゆく。図中の下段の数字は輸液チューブ1を押し潰している圧接フィンガーの番号を示している。
区間Aは、第1圧接フィンガーf1と第12圧接フィンガーf12とが荷重センサ14の上下を閉止している区間である(図3A参照)。この区間で得られる荷重センサ14の出力信号の波形は、1サイクル分の容積である閉止領域の容積変化に伴う圧力に対応する。
区間Bは、第1圧接フィンガーf1から第6圧接フィンガーf6までの何れかが輸液チューブ1を押し潰している区間である(図3B参照)。この区間で得られる荷重センサ14の出力信号の波形は、荷重センサ14の下流側の圧力に対応する。
区間Cは、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7とが荷重センサ14の直近の上下を閉止している区間である(図3C参照)。この区間で得られる荷重センサ14の出力信号の波形は、極めて小さな内容積での容積変化に伴う圧力に対応する。
区間Dは、第7圧接フィンガーf7から第12圧接フィンガーf12までの何れかが輸液チューブ1を押し潰している区間である(図3D参照)。この区間で得られる荷重センサ14の出力信号の波形は、荷重センサ14の上流側の圧力に対応する。
これらの波形に示されている荷重センサ14の出力信号は、制御手段4に入力され、閉塞検出手段、気泡検出手段、及び位置関係判定手段の機能により良否が判断される。
図5Aに示す波形は、正常に輸液が行われていることを示している。本実施形態においては、医療用容器から輸液チューブ1を介して人体までの落差を1.2mに設定しており、本実施形態の蠕動式輸液ポンプは、その中間の高さ位置に設置されている。本実施形態の輸液ラインに充填されている輸液剤液体の主成分は殆ど水であり、比重はほぼ水と同じである。蠕動式輸液ポンプから人体までの落差は0.6mであるから水柱圧は−6kPaに相当する。人体は蠕動式輸液ポンプより低い位置にいるので、正常であれば下流側の圧力は陰圧となり、区間Bの出力信号も負の値を示している。また、蠕動式輸液ポンプから医療用容器までの落差は0.6mであり、水柱圧は+6kPaに相当する。医療用容器は蠕動式輸液ポンプより高い位置にあるので、正常であれば上流側の圧力は陽圧となり、区間Dの出力信号も正の値を示している。区間Cでは、内部容積が極度に小さいために、正常な輸液状態(気泡の混入がない状態)のときには、輸液剤で満たされている小さな容積の部分に減少方向に変化が加えられるので検出圧力は大きくなり、正常な区間Cの出力信号は極度に大きな値を示す。区間Aでは、閉止されているときの容積が大きくなり、送液動作の1サイクル分の内容積であるため、区間Cよりも容積の変化量は大きくなるが、圧力の上昇を示す信号は相対的に小さい値に留まる。
図5Bに示す波形は、医療用容器と蠕動式輸液ポンプとが同じ高さにあることを示している。図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形と比較すると、区間Dにおいて出力信号(圧力)がほぼ0となっている。荷重センサ14よりも上流側で圧力がほぼ0であるから、医療用容器と蠕動式輸液ポンプとが同じ高さにあることがわかる。
図5Cに示す波形は、人体(患者)と蠕動式輸液ポンプとが同じ高さであることを示している。図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形と比較すると、区間Bにおいて出力信号(圧力)がほぼ0となっている。荷重センサ14よりも下流側で圧力がほぼ0であるから、人体(患者)と蠕動式輸液ポンプとが同じ高さにあることがわかる。
図5Dに示す波形は、逆方向に送液又は医療用容器と人体の位置関係異常を示している。この波形は、図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形に対して全く逆になっている。この場合には、駆動モータ6が逆転している、輸液チューブ1の装着方向が上下逆になっている、又は、医療用容器−蠕動式輸液ポンプ−人体(患者)の順で位置が高くなっている等の異常が考えられる。制御手段4は、このような波形により異常と判断したとき、ポンプ機構3を停止させて異常報知を行う。
図6Aに示す波形は、荷重センサ14の下流側の輸液ラインに閉塞が生じていることを示している。図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形と比較すると、区間Bの出力信号が極度に高くなっている。これは、蠕動式輸液ポンプから下流側に向かって輸液剤が円滑に流れないために圧力が高まったことを示しており、荷重センサ14の下流側の輸液ラインに閉塞が生じていると判断できる。制御手段4は、このような波形により下流閉塞と判断し、ポンプ機構3を停止させて異常報知を行う。
図6Bに示す波形は、荷重センサ14の上流側の輸液ラインに閉塞が生じていることを示している。図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形と比較すると、区間Dの出力信号が極度に低くなっている。これは、蠕動式輸液ポンプの送液動作により、上流側の輸液チューブ1の内部が陰圧になったことを示しており、荷重センサ14の上流側の輸液ラインに閉塞が生じていると判断できる。制御手段4は、このような波形により上流閉塞と判断し、ポンプ機構3を停止させて異常報知を行う。
図6Cに示す波形は、輸液チューブ1の内部が空気のみで輸液剤が全くないことを示している。図5Aに示す正常な輸液が行われているときの波形と比較すると、区間Cや区間Aの出力信号が極度に低くなっている。この波形は、ポンプ機構3が空転しており、輸液チューブ1の内部が空気のみであることを示しており、医療用容器が空になったと判断できる。制御手段4は、このような波形を採取したときにも、ポンプ機構3を停止させて使用者への報知を行う。
図6Dに示す波形は、輸液チューブ1の内部の輸液剤に気泡が混入していることを示している。この波形は、区間Aと区間Cにおいて、図5Aに示す正常な輸液が行われているときと、図6Cに示す輸液チューブ1の内部が空気のみで輸液剤が全くないときとの中間の圧力を示すものとなっている。制御手段4は、このような波形により気泡混入と判断し、ポンプ機構3を停止させて異常報知を行う。
以上のように、送液動作に伴って荷重センサ14の上下で輸液チューブ1を閉止し、この閉止領域の輸液チューブ1に発生する容量変化によって生じる圧力の変化を検出することで、輸液ラインの閉塞だけでなく、気泡混入や、その他の複数の異常を容易に検出することができる。そして、検出器として超音波センサを用いることなく1つの荷重センサ14を用いて複数の異常検出が行えるので、蠕動式輸液ポンプのコストアップや大型化を防止することができる。
ところで、輸液チューブ1の内部の圧力と荷重センサ14の出力信号との相関を改善すべく検出信号の補正を行うと、荷重センサ14の精度を一層向上させることができて好ましい。即ち、図7Aに示すように、荷重センサ14を先端に取り付けたセンサ支持部材15を、カムシャフトに支持させたセンサカム16により移動させる(センサ移動手段)。これにより、カムシャフトの所定の回転角度(具体的には、図3Aの状態と同じ回転角度270度)となったときのみ荷重センサ14を一時的に輸液チューブ1から離反させる。その他の回転角度では、図7Bに示すように、荷重センサ14が輸液チューブ1に当接させた状態を維持する。
荷重センサ14が輸液チューブ1から離間しているとき、荷重センサ14の出力信号を制御手段4で採取する。このとき荷重センサ14から出力される信号は、荷重センサ14に力が作用していない状態での誤差となる出力信号である。次いで、制御手段4が備える記憶手段にこのときの出力信号を補正値として記憶する。そして、制御手段4が機能として備える補正手段により、この補正値を用いて圧力検出時の出力信号を補正する。これにより、荷重センサ14の検出精度が向上する。
以上説明した構成においては、可撓性を有する輸液チューブは十分なゴム弾性を備えているという前提で説明を行った。しかしながら、市販されている輸液チューブの弾性力は千差万別であり、硬くて肉薄の輸液チューブも存在する。そのような場合には、押さえ板2のフィンガー圧接面をゴム弾性を有するシート状の素材で構成することによって、送液動作に伴う圧接フィンガー間に挟まれた微小部分の容積変化が大きくなり、それにより圧力変化も大きくなって、荷重センサから大きな電気信号出力を得ることができるようになる。
また、逆に、輸液チューブ1の肉厚が厚く且つ軟らか過ぎる場合には圧接フィンガー間に挟まれた微小部分の容積が小さくなり過ぎて輸液チューブ1内の液体が殆ど残らない状態となる。すると、容積変化を起こす部分が無くなるため、荷重センサもほとんど電気出力の変化を得られない状態となる。
このような場合には、押さえ板2の輸液チューブ1の装着部分の両側を圧接フィンガーf1〜f12側に一段突出させる突出部を設けて、この突出部に圧接フィンガーf1〜f12の先端が突き当ることによって、必要以上に輸液チューブ1を押し潰さないように構成することにより、肉厚が厚く且つ軟らかい輸液チューブ1であっても本実施形態の輸液ポンプを適切に用いることができる。
なお、本実施形態においては、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7との間に圧力検出器を設置して、第6圧接フィンガーf6と第7圧接フィンガーf7とで閉止領域を画成する蠕動式輸液ポンプを説明したが、本発明の圧力検出器の配置はこれに限らない。例えば、本実施形態と比較して、輸液チューブの汎用性が低下する虞があるものの、第1から第12の圧接フィンガーf1〜f12の何れか2つの間に圧力検出器を設置して、当該2つの圧接フィンガーで閉止領域を画成しても本発明の圧力検出器によって気泡混入の有無を精度よく検出できるという格別の効果を得ることができる。
1 輸液チューブ
2 押さえ板(押さえ部)
2a 平坦面
2b バネ(付勢手段)
3 ポンプ機構
4 制御手段(気泡検出手段,閉塞検出手段,位置関係判定手段)
5 カムシャフト
6 駆動モータ(回転駆動手段,角度検出手段)
7 圧接部
8 カム係合部
9 押圧面
10 従動プーリ
11 駆動軸
12 駆動プーリ
13 ベルト
14 荷重センサ(圧力検出器)
15 センサ支持部材
16 センサカム(センサ移動手段)
17 後退面
18 アクチュエータ
f1〜f12 圧接フィンガー
m1〜m12 カム
f1 第1圧接フィンガー(上流圧接フィンガー)
f12 第12圧接フィンガー(下流圧接フィンガー)
m1 第1カム(上流カム)
m2 第2カム(他のカム)
m12 第12カム(下流カム)

Claims (11)

  1. 液体が収容された医療用容器と人体とを繋ぐ輸液ラインに設けられた可撓性を有する輸液チューブの一側面に当接する平坦面を有して該輸液チューブを押さえる押さえ部と、前記押さえ部に前記輸液チューブを介して対向して該輸液チューブを圧接する方向に進退自在とされ且つ該輸液チューブの長手方向に沿って隣接して配列された複数の圧接フィンガーと、各圧接フィンガーを順次進退させる進退機構とを備え、前記進退機構により各圧接フィンガーが順次前記輸液チューブに圧接することにより、前記輸液チューブに上流側から下流側に向かう蠕動運動を付与して、前記輸液チューブ内の液体を強制的に流動させる蠕動式輸液ポンプであって、
    各圧接フィンガーにより前記輸液チューブに蠕動運動が付与される2つの領域の間の所定位置に配置され、且つ該輸液チューブの内部の圧力を検出する圧力検出器と、
    該圧力検出器を介して上流側と下流側とを解除自在に押し潰すことにより該輸液チューブの一部に閉止領域を形成する閉止手段と、
    前記圧力検出器により検出される前記輸液チューブの内圧の変化に基づいて該輸液チューブの内部の気泡を検出する気泡検出手段と
    備えることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  2. 請求項1に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記圧力検出器は、前記圧接フィンガーのうち互いに隣接する何れか2つの間に配置され、
    前記閉止手段は、前記圧力検出器に隣接する2つの前記圧接フィンガーによって前記輸液チューブを解除自在に押し潰すことにより前記閉止領域を形成することを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記各圧接フィンガーが前記輸液チューブに圧接しているときに前記圧力検出器によって検出される圧力に基づいて、前記輸液ラインの閉塞を検出する閉塞検出手段を備えることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記押さえ部のチューブ圧接面は、弾性部材で構成されることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記押さえ部のチューブ圧接面よりも圧接フィンガー側に前記圧接フィンガーが突き当たる面を設置することを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーとの間に送液動作に伴い前記輸液チューブが動かないように保持する保持機構を備えることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  7. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    送液動作に伴い前記輸液チューブが動かないように前記圧力検出器と隣り合う圧接フィンガーとの間に所定の離隔距離を設けることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記圧力検出器は、前記輸液チューブの内部の圧力により輸液チューブが膨張しようとする力を検出する荷重センサであることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  9. 請求項8に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記荷重センサは、半導体ストレインゲージ・ブリッジを採用したセンサであることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記荷重センサを前記輸液チューブから離隔させるセンサ移動手段と、
    荷重センサが輸液チューブから離隔しているときの荷重センサの出力を記憶する記憶手段と、
    輸液チューブから検出される値を記憶手段に記憶された荷重センサの出力により補正する補正手段とを備えることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の蠕動式輸液ポンプであって、
    前記各圧接フィンガーが前記輸液チューブに圧接しているときに前記圧力検出器によって検出される圧力に基づいて、医療用容器及び人体に対する高さ位置の良否を判定する位置関係判定手段を備えることを特徴とする蠕動式輸液ポンプ。
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