JP6478784B2 - 電波伝搬シミュレーション装置 - Google Patents
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Description
1−1. レイジャンピング法の概略
図3に、本実施形態のレイジャンピング法を概略的に示す。レイジャンピング法は、レイを追跡して電界強度を推定するレイトレーシング法の一種である。本実施形態のレイジャンピング法では、波源Oを中心とする複数のレイヤL(L1,L2,…)が設定される。1つのレイヤLは、波源Oからの距離が等しい点の集合である。
d=r・Δθ ……(1)
図5は、本実施形態の電波伝搬シミュレーション装置SAの構成図である。電波伝搬シミュレーション装置SAは、例えばサーバ、ワークステーション、デスクトップ型コンピュータ、またはラップトップ型コンピュータなどの情報処理装置であり、プロセッサ12と記憶部14とマンマシンインタフェース16とを備える。
図7は、本実施形態の電波伝搬シミュレーションの動作フローである。
電波伝搬シミュレーションが開始すると、ユーザは、一部のパラメータ(ユーザ設定パラメータ)をマンマシンインタフェース16を介して電波伝搬シミュレーション装置SA(パラメータ処理部22)に入力する(S100)。ユーザ設定パラメータには、領域サイズD、誤差許容範囲d、及び波源Oからの最大距離MLNが含まれる。
N=(logMLN−log2d)/log2 ……(2)
N’=ceil(N)+1 ……(3)
なお、以上の数式(3)において、ceil(・)は、カッコ内の数値を小数点以下繰り上げる天井関数を意味する。
M=2N’−1・π ……(4)
M’=floor(M) ……(5)
なお、以上の数式(5)において、floor(・)は、カッコ内の数値を小数点以下繰り下げる床関数を意味する。
d’=π・MLN/M’ ……(6)
Lr(n)=MLN/2N’−n (n=1〜N’) ……(7)
以上の数式(7)から明らかなように、最も外側に設定されるレイヤLN’の半径Lr(N’)は、波源からの最大距離MLNに等しい。
Δθ(n)=d/Lr(n) (n=1〜N’) ……(8)
以上のように設定及び算出されたパラメータに基づいて、レイヤ設定部24によりレイヤLが配置され(S120)、レイ処理部26により波源OからレイRが出射される(S130)。出射されたレイRには、それぞれ、出射角度、伝搬距離(通路長)、及び伝搬損などを含む伝搬パラメータがレイ処理部26により設定される。
図14は、所望解像度を一定にした場合の出射レイ数の比値(レイジャンピング法/従来法)をレイヤLの数ごとに示す図である。図示されるように、レイヤLの数が増加するほど、出射されるレイRの数は従来法よりもレイジャンピング法の方が相対的に少なくなる。レイヤLの数を増加させていくと、出射レイ数の比値は0.5(50%)に漸近する。
以上の本実施形態の構成によれば、波源Oから遠いレイヤLほど、そのレイヤLから出射されるレイRの数が増大する。結果として、波源Oの近傍でレイRが過密になることがなく、かつ、波源Oの遠方でレイRが過疎になることもない。そのため、波源の近傍における計算量が抑制され、かつ、波源の遠方における計算精度が向上する。
以上の実施形態は多様に変形される。具体的な変形の態様を以下に例示する。以上の実施の形態および以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない限り適宜に併合され得る。
以上の実施形態及び図面では、レイRやレイヤL等の構成が2次元的に表現されているが、本実施形態の構成が3次元空間にも適用可能であることは当然に理解される。
電波伝搬シミュレーション装置SAは、スタンドアロン型のコンピュータ装置であってもよいし、ネットワーク型のコンピュータ装置であってもよい。電波伝搬シミュレーション装置SAがネットワーク型のコンピュータ装置である場合、電波伝搬シミュレーション装置SAがマンマシンインタフェース16に代えて又は加えてネットワークインタフェースを備え、他のコンピュータ装置からユーザ設定パラメータが入力されてもよい。
以上の実施形態において、推定対象領域TAは矩形メッシュであるが、推定対象領域TAの形状は任意である。例えば、六角形のメッシュが推定対象領域TAとして採用されてもよいし、他の形状のメッシュが対象領域TAとして採用されてもよい。
Claims (6)
- レイトレーシング法に基づき電波の受信電界強度を推定する電波伝搬シミュレーション装置であって、
波源を中心とする複数のレイヤを設定するレイヤ設定部と、
レイを出射するレイ処理部と、
推定対象領域に到達するレイに基づいて当該推定対象領域における受信電界強度を推定する電界強度推定部とを備え、
前記レイ処理部は、
前記波源から第1レイを出射し、
第mレイ(mは1以上の整数)がレイヤに到達すると、前記第mレイが前記レイヤを通過するとともに、前記第mレイが前記レイヤを通過する通過点とは異なる前記レイヤ上の出射点から第(m+1)レイを出射する
電波伝搬シミュレーション装置。 - 前記レイ処理部は、
前記第mレイが前記レイヤに到達すると、前記通過点から所定距離だけ離れた前記出射点から1つの前記第(m+1)レイを出射する
請求項1の電波伝搬シミュレーション装置。 - 前記第mレイと前記第(m+1)レイとがなす角の大きさは、前記波源からの距離が大きくなる程に小さくなる
請求項1または2の電波伝搬シミュレーション装置。 - 前記第mレイに基づいて出射される前記第(m+1)レイは、前記第mレイが有する伝搬パラメータを承継する
請求項1から3のいずれかの電波伝搬シミュレーション装置。 - 前記レイヤ設定部は、
散乱体によってレイが反射すると、当該レイについては前記散乱体上の反射点に対する前記波源のイメージを波源として前記複数のレイヤを再設定する
請求項1から4のいずれかの電波伝搬シミュレーション装置。 - 前記レイヤ設定部は、
散乱体によってレイが回折すると、当該レイについては前記散乱体上の回折点を新たな波源として新たなレイヤを設定する
請求項1から4のいずれかの電波伝搬シミュレーション装置。
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