JP6477880B2 - 機械的接合装置及び機械的接合方法 - Google Patents

機械的接合装置及び機械的接合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6477880B2
JP6477880B2 JP2017526462A JP2017526462A JP6477880B2 JP 6477880 B2 JP6477880 B2 JP 6477880B2 JP 2017526462 A JP2017526462 A JP 2017526462A JP 2017526462 A JP2017526462 A JP 2017526462A JP 6477880 B2 JP6477880 B2 JP 6477880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rivet
punch
plate
die
metal plates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017526462A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017002976A1 (ja
Inventor
古迫 誠司
誠司 古迫
岡田 徹
徹 岡田
康信 宮▲崎▼
康信 宮▲崎▼
史徳 渡辺
史徳 渡辺
嘉明 中澤
嘉明 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Publication of JPWO2017002976A1 publication Critical patent/JPWO2017002976A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6477880B2 publication Critical patent/JP6477880B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/02Riveting procedures
    • B21J15/025Setting self-piercing rivets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/02Riveting procedures
    • B21J15/08Riveting by applying heat, e.g. to the end parts of the rivets to enable heads to be formed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/10Riveting machines
    • B21J15/28Control devices specially adapted to riveting machines not restricted to one of the preceding subgroups
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J15/00Riveting
    • B21J15/10Riveting machines
    • B21J15/36Rivet sets, i.e. tools for forming heads; Mandrels for expanding parts of hollow rivets
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B5/00Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them
    • F16B5/04Joining sheets or plates, e.g. panels, to one another or to strips or bars parallel to them by means of riveting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Insertion Pins And Rivets (AREA)

Description

本開示は、機械的接合装置に関し、特に、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板を接合する機械的接合装置に関するものである。
近年、自動車分野では、低燃費化やCO2排出量の削減のため、車体を軽量にしつつ、衝突安全性の向上のため、車体部材を高強度にすることが求められている。これらの要求を満たすためには、車体や部品などに高強度鋼板を使用することが有効である。そのため、高強度鋼板に対する需要が高まっている。車体や部品などに高強度鋼板を使用するためには、高強度鋼板と他の金属板とを接合する必要があるが、この接合において、以下のような問題がある。
従来、車体の組立や部品の取付けなどは、主として、スポット溶接で行われており、高強度鋼板を含む複数枚の金属板の接合も、スポット溶接で行われる。このような、複数枚の金属板を重ね合わせて、スポット溶接して形成した継手において、引張強度は重要な特性である。引張強度には、せん断方向に引張荷重を負荷して測定する引張せん断強度(TSS)と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張強度(CTS)とがある。
270〜600MPaの引張強度を有する複数枚の鋼板により形成されるスポット溶接継手のCTSは、鋼板の強度の増加に伴い増加する。したがって、270〜600MPaの引張強度を有する鋼板により形成されるスポット溶接継手では、継手強度に関する問題は生じ難い。
しかし、780MPa以上の引張強度を有する鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板により形成されるスポット溶接継手では、鋼板の引張強度が増加しても、CTSが、増加しないか、又は減少する。これは、変形能の低下により溶接部への応力集中が高まること及び合金元素を多く含有することに起因して、溶接部に焼きが入ること及び凝固偏析により、溶接部の靱性が低下することが、その理由である。
このため、780MPa以上の引張強度を有する鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板の接合において、CTSを向上させる技術が求められている。それを解決する技術の一つとして、母材を溶融させることなく機械的に接合する技術がある。具体的には、被接合材である複数枚の金属板同士を重ね合わせ、パンチの外周を金属板のはね上がりを防止する板押えで押さえながら、パンチでリベットを打ち込み、複数枚の金属板同士を機械的に接合する技術がある。
しかしながら、この技術では、リベットを打ち込むため、ダイ側の金属板の変形が非常に大きくなり、延性不足又は変形局所化により、ダイ側の金属板で割れが発生するという問題、せん断方向及び剥離方向に引張応力がかかった場合、リベットが抜けて破壊が生じ、せん断方向及び剥離方向の引張強度について十分な値が得られないという問題、並びに同じリベット打ち込み方式の高強度鋼板の継手及び軟鋼板の継手について、両者の疲労強度を比べると、ほとんど差がないという問題があった。
このような問題を解決する技術として、特許文献1には、重ね合わせた引張強度が430〜1000MPaの高強度鋼板に、リベットを打ち込んで貫通させ、貫通させたリベットの先端を変形させて、機械的に接合して、引張特性と疲労特性に優れた高強度鋼板を得る接合技術が開示されている。
特許文献1に開示の技術は、複数枚の鋼板を接合する技術として有効であり、引張強度が619MPaまでの高強度鋼板に対して検討されている。しかしながら、特許文献1では、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板を含む複数枚の鋼板に対して、上記技術の適用は検討されていなかった。
また、非特許文献1には、高強度鋼板とアルミニウム合金板との接合において、リベットを打ち込んで機械的に接合する際に、引張強度が590MPa程度の高強度鋼板を含む複数枚の金属板までは、欠陥なく接合できるが、引張強度が980MPaの高強度鋼板を含む複数枚の金属板では、リベットが高強度鋼板を貫通できないと記載されている。
このように金属板にリベットを打ち込んで機械的に接合する技術では、通常、接合前に被接合材に穴加工はせず、リベット自身で被接合材を打ち抜く必要があり、強度の高い鋼板、例えば、780MPa以上の引張強度を有する鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板にリベットを打ち込んで機械的に接合することは、困難とされていた。
これに対して、特許文献2には、高強度を有する又は高加工硬化された接合薄板を、リベットを用いて接合する方法において、接合プロセスの開始またはその直前に、押さえ付け部材及びダイス、又は押さえ付け部材及びダイスのそばに配置された構成要素、若しくは前に配置された構成要素によって、接合薄板の局所的かつ時間的に制限された加熱を、電気的な抵抗加熱によって行う機械的接合方法が開示されている。
特開2000−202563号公報 特表2004−516140号公報 特開2007−254775号公報
ふぇらむ,Vol.16(2011)No.9,p.32−38
特許文献2では、高強度を有する又は高加工硬化された鋼板に適用できる技術とされている。しかしながら、特許文献2に開示の技術を用いて、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板をリベットで接合し、得られた接合継手の継手強度試験を実施すると、リベットを含む周辺が破損することがあった。
本開示は、上記の従来技術の現状に鑑みて、引張強度が大きい高強度鋼板を1枚以上含む複数枚の金属板をリベット接合する場合でも、得られる接合継手のリベットを含む周辺の破損を低減できる機械的接合装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した。780MPa以上の引張強度を有する鋼板(以下、「高強度鋼板」ともいう)を1枚以上含む重ね合わせた複数枚の金属板(以下、「板組」ともいう)と、高強度でない汎用品のリベットとを接合すると、強度の低いリベットに応力が集中して、リベットを含む周辺の破損が生じることを知見した。
そこで、本発明者らは、リベットの強度を高くする手段について検討した。その結果、リベットを打ち込むパンチとダイとを電極体材料から構成し、板組に打ち込んだ後のリベットに電流を流して通電加熱して、リベットを熱処理することで、リベットの強度が高くなり、リベットを含む周辺の破損が低減することを見出した。
本開示の機械的接合装置及び機械的接合方法は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合装置であって、
パンチ及びダイと、
板押えと、
第1の電源装置と、
第2の電源装置と、
冷却装置と、
を備え、
前記パンチ及びダイは、重ね合わせた複数枚の金属板を間に挟むことができるように、対向して配置され、
前記板押えは、前記パンチを内部に挿入可能な筒状体であり、前記板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に接触させて、前記複数枚の金属板を押し付け可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記パンチは、リベットを打ち込み可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記ダイは、前記複数枚の金属板を支持可能且つ前記リベットを通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記第1の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込む前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを通電するように構成され、
前記第2の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に前記リベットを通電して熱処理するように、前記パンチ及び前記ダイを通電するように構成され、
前記冷却装置は、前記パンチに接続されており、前記リベットの熱処理後に前記リベットを冷却するように構成されている、
機械的接合装置。
(2)前記冷却装置がさらに、前記リベットの打ち込み開始から打ち込み終了までの間、前記リベットを冷却するように構成されている、前記(1)に記載の機械的接合装置。
(3)前記ダイのうち、少なくとも前記複数枚の金属板を間に挟んで前記リベットと対向する部分の材質が工具鋼であり、前記工具鋼の外周部分の材質が銅又は銅合金である、前記(1)または(2)に記載の機械的接合装置。
(4)複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合方法であって、
複数枚の金属板を準備すること、
対向して配置されたパンチ及びダイの間に、前記複数枚の金属板を重ね合わせて配置すること、
前記パンチを内部に挿入可能な筒状体である板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に押し付けること、
前記板押えにより押さえられた前記複数枚の金属板に、前記パンチによりリベットを打ち込むこと、
前記リベットの打ち込み前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを介して、前記複数枚の金属板への通電加熱を行うこと、並びに
前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に、前記パンチ及び前記ダイを介して前記リベットを通電加熱し、次いで前記リベットを冷却すること、
を含む、機械的接合方法。
(5)前記リベットの打ち込み開始から打ち込み終了までの間、前記パンチを介して前記リベットを冷却することをさらに含む、前記(4)に記載の機械的接合方法。
(6)前記ダイのうち、少なくとも前記複数枚の金属板を間に挟んで前記リベットと対向する部分の材質が工具鋼であり、前記工具鋼の外周部分の材質が銅又は銅合金である、前記(4)または(5)に記載の機械的接合方法。
本開示の機械的接合装置及び機械的接合方法によれば、複数枚の金属板にリベットを打ち込んだ後に、リベットが熱処理されて高強度になるため、接合継手のリベットを含む周辺の破損を低減することができる。
図1は、機械的接合の形態を表す断面模式図である。図1(a)は、リベットの打ち込み前に板組の通電加熱を行っている状態を表す断面模式図であり、図1(b)は、リベットの打ち込み後にリベットを通電加熱している状態を表す断面模式図である。 図2は、ダイの一部に工具鋼を用いた場合の機械的接合の形態を表す断面模式図である。図2(a)は、ダイの一部に工具鋼を用いた場合に、リベットの打ち込み前に板組を通電加熱している状態を表す断面模式図であり、図2(b)は、ダイの一部に工具鋼を用いた場合に、リベットの打ち込み後にリベットを通電加熱している状態を表す断面模式図である。
本発明者らは、リベット接合して得られた接合継手の継手強度試験において、リベットを含む周辺に生じる破損について調査した。その結果、リベットを含む周辺の破損は、高強度鋼板を含む板組と、高強度でない汎用品のリベットとを接合するときに生じることを知見した。これは、強度の低いリベットに応力が集中し、リベット接合して得られた接合継手が破損するものであると考えた。
そこで、本発明者らは、リベットの強度を高くする手段について検討した。リベットの強度を高くする方法としては、成分組成を調整し、焼入れなどの熱処理を施す技術が知られている(特許文献3)。しかし、この技術では、リベットの成分組成が制限され、熱処理のための熱処理炉が必要となり、コストの上昇を生じる。更に、熱処理炉での熱処理工程が必要となり、リベットの生産時間の増加を招く問題があった。
そのため、熱処理炉を用いることなく、機械的接合装置でリベットの熱処理を実現する手段を検討したところ、リベットを打ち込むパンチ及びダイを電極体材料で構成し、板組に打ち込んだ後のリベットに電流を流して通電加熱して、リベットを熱処理することに着想した。つまり、鋼材製の汎用品のリベットをオーステナイト域になる温度まで加熱し、冷却してマルテンサイト組織にして、リベットを高強度化することを着想した。
本開示は、複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合装置であって、
パンチ及びダイと、
板押えと、
第1の電源装置と、
第2の電源装置と、
冷却装置と、
を備え、
前記パンチ及びダイは、重ね合わせた複数枚の金属板を間に挟むことができるように、対向して配置され、
前記板押えは、前記パンチを内部に挿入可能な筒状体であり、前記板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に接触させて、前記複数枚の金属板を押し付け可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記パンチは、リベットを打ち込み可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記ダイは、前記複数枚の金属板を支持可能且つ前記リベットを通電加熱可能な電極体材料で構成され、
前記第1の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込む前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを通電するように構成され、
前記第2の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に前記リベットを通電して熱処理するように、前記パンチ及び前記ダイを通電するように構成され、
前記冷却装置は、前記パンチに接続されており、前記リベットの熱処理後に前記リベットを冷却するように構成されている、
機械的接合装置を対象とする。
以下、図面を参照しながら、本開示の機械的接合装置(以下、「接合装置」ともいう)について、説明する。説明の便宜上、パンチ側を上側、ダイ側を下側として、パンチ側の金属板を上側金属板、ダイ側の金属板を下側金属板というが、接合装置は、固定することができればよく、縦置き、横置き等の方向は問わない。
(実施形態1)
図1に、本開示の機械的接合装置を用いた機械的接合の形態を表す断面模式図を示す。図1(a)は、リベットの打ち込み前に板組を通電加熱している状態を表す断面模式図であり、図1(b)は、リベットの打ち込み後にリベットを通電加熱している状態を表す断面模式図である。
図1(a)に示すように、機械的接合装置1においては、上側金属板2及び下側金属板3が重ねられた板組4を間に挟むことができるように、対向してパンチ5及びダイ6が配置されている。パンチ5の外周に、板押え7が配置される。
機械的接合装置1は、パンチ5によりリベット8を打ち込む前に、板組4の温度を上げるように、板押え7とダイ6とを通電する第1の電源装置(図示せず)及び、パンチ5により打ち込まれたリベット8が熱処理されるように、パンチ5とダイ6とを通電する第2の電源装置(図示せず)を備える。
リベット8を打ち込む前とは、パンチ5により打ち込まれるリベット8が板組4のパンチ側の金属板と接触する前を意味する。
リベット8を打ち込む前に板組4の温度を上げることによって、金属板が軟化してリベット8の打ち込みが容易となり、特に板組4が780MPa以上の高強度鋼板を含む場合でも、金属板の割れ、リベット破損、及びリベット未貫通を生じることなく接合継手を得ることができる。
第1の電源装置は、板押え7及びダイ6に接続され、板組4を通電加熱するように構成されている。第1の電源装置は、板押え7及びダイ6に通電する電気量(電流値及び通電時間)を制御する第1の制御装置(図示せず)を備え、板組4を所望の温度に加熱することができる。
第1の制御装置は、リベット8の打ち込み前に板組4を昇温するように板押え7及びダイ6を通電し、さらにリベット8の打ち込み終了まで、板組4を所定の温度に加熱するように、板押え7及びダイ6を通電することを制御する。
板組4の通電加熱は、リベット8の打ち込み前に開始し、リベット8の打ち込み終了後も継続し、その後停止してもよいが、好ましくは、リベット8の打ち込み終了と実質的に同時に停止する。
リベット8の打ち込み終了とは、パンチの打ち込み方向への移動が実質的に停止した時点をいい、パンチの位置を検知して検出することができる。パンチの位置の検知方法は特に限定されるものではなく、例えば、非接触式のレーザ変位計やパンチを押し込むボールねじの回転数から位置を検知する装置を用いて行うことができる。
板組4の加熱温度は、板組の延性が向上して、鋼板等の金属板の割れ、リベット破損、及びリベット未貫通を抑制しつつ、リベットを打ち込むことができる温度範囲であればよい。すなわち、板組4の加熱温度の下限は、金属板の割れ、リベット破損、及びリベット未貫通を抑制できる温度とすればよい。板組4の加熱温度の上限は、板組4のうち最も融点が低い金属板の融点未満の温度にすればよい。
板組4の加熱温度の下限は、好ましくは400℃以上、より好ましくは500℃以上、さらに好ましくは600℃以上である。板組4の加熱温度の上限は、好ましくは900℃以下、より好ましくは800℃以下である。打ち込み開始時点で上記温度範囲より低くてもよいが、好ましくは打ち込み終了までに上記温度範囲に加熱され、より好ましくは、打ち込み開始より前または打ち込み開始時点で板組4は上記温度範囲に加熱され、打ち込み終了まで板組4の温度は上記温度範囲に維持される。板組4の温度の測定個所は、板押え7に囲まれた領域内にある上側金属板の表面のリベット打ち込み位置である。上側金属板の表面温度は、例えば、熱電対を用いて測定することができる。上側金属板の表面温度測定は、リベットを準備する前に、事前に行ってもよい。事前に上側金属板の表面温度測定を行う場合、パンチにリベットを保持させて打ち込む際に、温度測定を省くことができる。
板組4を通電加熱する電流値は、板組4を上記温度範囲内に加熱するように、第1の制御装置で制御することができる。第1の制御装置は、板組4を流れる電流値を、例えば8〜14KAまたは10〜12kAに制御することができる。
第2の電源装置は、パンチ5及びダイ6に接続され、パンチ5によりリベット8を打ち込んだ後に、パンチ5及びダイ6を介してリベット8を通電して熱処理するように構成されている。第2の電源装置は、パンチ5及びダイ6に通電する電気量(電流値及び通電時間)を制御する第2の制御装置(図示せず)を備え、リベット8を所望の温度に加熱することができる。
機械的接合装置1は、冷却装置(図示せず)を備えている。冷却装置は、パンチ5に接続されており、パンチ5を介して、リベットの熱処理後にリベットを冷却するように構成されている。
第2の電源装置及び冷却装置を用いて、リベット8の打ち込み終了後に、リベットをオーステナイト域に加熱する熱処理を行い、次いで冷却することができる。これにより、リベット8がマルテンサイト組織を有することができ、リベット8の強度向上を図ることができる。
リベット8の熱処理における加熱温度は、リベット8をオーステナイト域まで加熱することができるものであれば特に限定されないが、好ましくはA3点〜リベットの融点未満の温度に加熱する。リベット8の最高温度までの加熱における電流値及び時間は、例えば、電流値は8〜10kA、時間は0.1〜1.0秒であることができる。
リベット8の通電加熱は、リベット8の打ち込み終了と同時にまたはリベット8の打ち込み終了から所定時間経過後に開始することができる。第2の制御装置が、リベット8の打ち込み終了と同時にまたはリベット8の打ち込み終了から所定時間経過後に、リベット8の通電加熱を行うように、第2の電源装置を制御することができる。
冷却装置は、パンチ5を介してリベット8を冷却することができるものであれば特に限定されないが、パンチ5は、その内部に冷却管9を有してもよい。図1(a)に、パンチ5の内部に配置され、冷却装置に接続された冷却管9を例示する。
冷却管9は、例えば矢印で示す方向に、冷媒を供給することができる管である。リベット8が接触するパンチ5の端部とは反対側の他端部側に、冷却管9に接続される冷却装置が設けられ得る。冷却管9の材質は、冷媒を内部に流通させて、パンチ5を介してリベットを冷却することができるものであれば特に限定されないが、例えば銅または銅合金であることができる。この場合、パンチ5を熱伝導率の高い銅又は銅合金とすることが好ましい。
冷媒は、特に限定されるものでなく、公知の冷媒液または冷媒ガスとすることができるが、経済面及び扱い易さなど考慮して、水が好ましい。
パンチ5の内部に冷却管9を設けずに、リベット8が接触するパンチ5の端部とは反対側の他端部に接するように冷却装置を配置し、パンチ5を冷却し、パンチ5の熱伝導により、リベット8を冷却してもよい。この場合も、パンチ5を熱伝導率の高い銅又は銅合金とすることが好ましい。
冷却装置は制御装置を備えており、制御装置は、冷却温度及び冷却速度並びに冷却開始及び終了のタイミングを制御することができる。
リベット8をオーステナイト域に加熱した後の冷却条件は、マルテンサイト組織が得られる範囲であれば特に限定されないが、冷却装置に備えられた制御装置は、リベット8をオーステナイト域に加熱した後に、好ましくは10℃/秒以上の冷却速度で、リベット材のマルテンサイト変態終了温度以下、一般には約200℃以下までリベット8を冷却するように、冷却装置を制御することができる。
第1の電源装置及び第2の電源装置は、特に限定されるものでなく、従来用いられている電源、例えば直流電源装置又は交流電源装置であることができる。
第1の制御装置、第2の制御装置、及び冷却装置に備えられた制御装置は、特に限定されるものでなく、公知の温度調節器を含むことができる。
第1の制御装置は、板組4の温度を計測する温度計を含む温度調節器を用いて、板押え7とダイ6とを通電する電気量を制御することができる。板組4の金属板の組合せに応じて所定の温度になる電流値と時間との関係を予め求めておき、第1の制御装置が、当該電流値及び時間となるように第1の電源装置を制御してもよい。
第2の制御装置は、リベット8の温度を計測する温度計を含む温度調節器を用いて、パンチ5とダイ6とを通電する電気量を制御することができる。リベット8が所定の温度になる電流値と時間との関係を予め求めておき、第2の制御装置が、当該電流値及び時間となるように第2の電源装置を制御してもよい。
冷却装置に備えられた制御装置は、温度調節器を用いて、リベット8の冷却速度及び冷却温度を制御することができる。
第1の電源装置及び第2の電源装置は、別々の電源装置でもよく、一体の電源装置でもよく、または第1の電源装置が第2の電源装置の機能をも有してもよい。
第1の電源装置及び第2の電源装置が一体の電源装置である場合、または第1の電源装置が第2の電源装置の機能をも有する場合、当該電源装置は、板押え7及びダイ6と、パンチ5及びダイ6との両方に接続される。
パンチ5は棒状であることができ、パンチ5の長手方向に垂直方向の断面形状は、特に限定されるものではなく、円状、楕円状、矩形状などであることができる。パンチ5は、長さ方向に異なる断面形状を有してもよい。
パンチ5は、リベット8を打ち込むことができ且つ通電加熱することができる機械的強度及び電気伝導率を有する電極体材料で構成されるものではあれば、その材質は特に限定されず、所望の材料から選択することができる。パンチ5は、好ましくは、ビッカース硬度Hvが300〜510であり、電気電導率が高い銅又は銅合金から構成される。
ダイ6は、複数枚の金属板を支持することができ且つ板組4及びリベット8を通電加熱することができる機械的強度及び電気伝導率を有する電極体材料で構成されるものではあれば、その材質は特に限定されず、所望の材料から選択することができる。ダイ6は、好ましくは、銅又は銅合金である。
パンチ5の外周に、板押え7が配置される。板押え7は、一方の端部を板組4のパンチ5側の金属板に接触して板組4をダイ6に押し付けることができる部材であり、パンチ5の長手軸に沿って、相対的に移動することができる。板押え7の形状は、パンチ4が内部に挿入される円筒などの筒状体である。
板押え7は、ダイ6に複数枚の金属板を押し付けることができ且つ通電加熱することができる機械的強度及び電気伝導率を有する電極体材料で構成されるものではあれば、その材質は特に限定されず、所望の材料から選択することができる。板押え7は、好ましくは銅又は銅合金である。
パンチ5、ダイ6、板押え7、及び冷却管9を構成する材料として用いられ得る銅合金は、好ましくはクロム銅またはアルミナ分散銅である。クロム銅合金の組成は、好ましくは0.4〜1.6%Cr−Cu、より好ましくは0.8〜1.2%Cr−Cu、例えば1.0%Cr−Cuであり、アルミナ分散銅合金の組成は、好ましくは0.2〜1.0%Al―Cu、より好ましくは0.3〜0.7%Al―Cu、例えば0.5%Al―Cuである。
パンチ5の先端には、リベット8が配置される。このリベット8は、パンチ5により板組4に打ち込まれるものであり、汎用品のリベットでよく、フルチューブラリベットなどを用いることができる。リベット8の材質は、板組4に打ち込んで接合可能且つ打ち込み後の熱処理及び冷却によりマルテンサイト組織を得ることができるものであれば特に限定されるものでなく、例えば機械構造用鋼、高硬度鋼等であることができる。
打ち込み前において、リベット8は、パンチ5に支持された状態または適宜の支持部材により支持された状態で、板組4の上方に配置され得る。
パンチ5をリベット8または適宜の支持部材に指示させる方法は特に限定されないが、例えば、機械的に保持してもよく、パンチ5及び支持部材を、磁力を有する材料で構成して、リベット8を磁気的に付着させて保持してもよい。
パンチ5と対向して配置されるダイ6は、打ち込むリベット8の脚部の形状及び大きさに応じた皿状又は凹状の押付け拘束面12を有し、その中央部に略円錐台形状の突出部13を有してもよい。突出部13の頂部は、ダイ6の上面よりもわずかに低くてもよい。突出部13の根元部側は、押付け拘束面12の底面に連続するように滑らかな円弧状面を有してもよい。
本開示の装置を用いてリベットを打ち込まれる板組4は、2枚の上側金属板2と下側金属板3とで構成されてもよく、3枚以上の複数の金属板を含んでもよい。金属板は、少なくとも一部に板状部を有し、板状部が互いに積み重ね可能な部分を有するものであればよく、全体が板状でなくてもよい。また、板組4は、別々の金属板から構成されるものに限定されず、1枚の金属板を管状などの所定の形状に成形したものを重ね合わせたものでもよい。
複数の金属板は、同一種類の金属板であってもよいし、異なる種類の金属板であってもよい。金属板は、高強度を有する金属板であることができ、鋼板、アルミニウム板、マグネシウム等であることができる。鋼板は、好ましくは高強度鋼板、より好ましくは780MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板であることができる。複数の金属板は、鋼板を1枚以上含んでもよく、780MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板を1枚以上含んでもよい。例えば、板組4は、板組4の全ての金属板を鋼板とする板組、上側金属板又は下側金属板を高強度鋼板とし、他の金属板を引張強度が780MPa未満の鋼板とする板組、上側金属板をアルミニウム板とし、下側金属板を高強度鋼板とする板組、又は板組4の全ての金属板をアルミニウム板とする板組でもよい。本開示の装置を用いれば、780MPa以上の引張強度を有する高強度鋼板を少なくとも1枚以上含む板組も良好に接合することができる。
金属板の厚さは、特に限定されるものでなく、例えば0.5〜3.0mmとすることができる。また、板組の厚さも、特に限定されるものでなく、例えば1.0〜6.0mmとすることができる。また、めっきの有無、成分組成なども、特に限定されるものでない。
図1には、板押え7からダイ6に向かう電流の流れを点線矢印で例示しているが、板組4を通電加熱できればよく、ダイ6から板押え7に向かう電流の流れとしてもよい。また、パンチ5からダイ6に向かう電流の流れを実線矢印で例示しているが、リベット8を通電加熱できればよく、ダイ6からパンチ5に向かう電流の流れとしてもよい。図2においても同様である。
(実施形態2)
図1を参照しながら、好ましい実施形態である実施形態2を説明する。
冷却装置はまた、好ましくは、パンチ5を介して、リベットの打ち込み開始から打ち込み終了までの間、リベットを冷却するように構成されている。板組4の通電加熱を行いつつ、パンチ5に接続された冷却装置でリベット8を冷却しながら、パンチ5でリベット8を打ち込んで板組4を接合することができる。
板押え7とダイ6との間で板組4を通電加熱しながらリベット8を打ち込む際に、パンチ5を介してリベット8を冷却することで、板組4の熱によるリベット8の軟化を抑制することができ、より安定してリベット接合を行うことができる。リベット8を冷却することによって、特に、リベット8を打ち込む際の板組4の温度が高い場合にも、リベット8の軟化を抑制して、リベット8が未貫通となることを防止して、より安定して接合を行うことができる。
リベット8の冷却は、リベット8の打ち込み開始から打ち込み終了までの間に行えばよい。すなわち、リベット8の冷却は、リベット8の打ち込み前から開始してもよく、打ち込み開始と同時に開始してもよいが、好ましくはリベット8の冷却は、打ち込み前から開始する。リベット8の冷却は、打ち込み終了と同時に終了してもよく、打ち込み終了後も継続して行ってもよいが、好ましくは打ち込み終了と実質的に同時に終了する。
冷却装置に備えられた制御装置は、冷却温度並びに冷却開始及び終了のタイミングを制御することができる。制御装置は、好ましくは打ち込み終了時点において、より好ましくは打ち込み開始から打ち込み終了まで、リベット8の温度が、好ましくは3〜50℃、より好ましくは5〜30℃となるように、冷却装置を制御することができる。リベット8の温度は、例えば、実際に接合を行う前に、事前にリベットの温度測定用の予備試験を行い、熱電対を用いてリベットの温度を測定しておくことができる。
リベット8の熱処理を行う間、パンチ5を介したリベット8の冷却を継続してもよいが、好ましくは冷却装置の冷却量を低減させ、より好ましくは冷却装置を停止する。
(実施形態3)
図2を参照しながら、好ましい実施形態である実施形態3を説明する。図2に、ダイの一部に工具鋼を備える機械的接合装置を用いた機械的接合の形態を表す断面模式図を示す。図2(a)は、ダイの一部に工具鋼を用いた場合に、リベットの打ち込み前に板組を通電加熱している状態を表す断面模式図であり、図2(b)は、ダイの一部に工具鋼を用いた場合に、リベットの打ち込み後にリベットを通電加熱している状態を表す断面模式図である。図2の機械的接合装置は、ダイ6が工具鋼製のダイ6aと銅又は銅合金製のダイ6bで構成されること以外は、図1の機械的接合装置と同様の構成を有する。
ダイの変形を抑制するためには、ダイのうち、板組4を間に挟んでリベットと対向する部分(リベット8が打ち込まれる部分の下方部分)の強度を強くすることが効果的である。そのため、図2に示すように、ダイ6のうち、リベット8が打ち込まれることで変形し得る下側金属板3を拘束する部分を工具鋼製のダイ6aとすることで、ダイ6の強度を大きくすることができ、ダイ6の変形を抑制できる。
板組にリベットを打ち込むときに、板押えとダイとの間で通電すると、又は打ち込んだリベットの熱処理をするときにパンチとダイとの間で通電すると、ダイは加熱される。このとき、ダイの材質が全て工具鋼であると、ダイが軟化しやすい。そのため、好ましくは、工具鋼製のダイ6aの外周部分を、電流を流れ易くする観点から、銅又は銅合金で構成する。
工具鋼製のダイ6aの外周部分を取り囲むように、電気抵抗の低い銅又は銅合金製のダイ6bを配置することによって、板押え7とダイ6との間で通電するときに、又はパンチ5とダイ6との間で通電するときに、電流が電気抵抗の低い外周部分に優先的に流れるので、工具鋼製のダイ6aが加熱され難くなり、軟化を防止することができる。
ダイ6の一部を工具鋼で構成する場合、ダイ6のうち、少なくとも板組4を間に挟んでリベット8と対向する部分を工具鋼で構成すればよいが、板組4を間に挟んで板押え7と対向する部分の一部も工具鋼で構成してもよい。ただし、ダイ6のうち、銅又は銅合金で構成される部分の割合が少なくなるにつれて、電流が工具鋼を流れて工具鋼が軟化しやすくなるため、板押え7とダイ6との間又はパンチ5とダイ6との間の通電量に応じて、工具鋼で構成される部分と銅又は銅合金で構成される部分との割合を調整することができる。
本開示はまた、複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合方法であって、
複数枚の金属板を準備すること、
対向して配置されたパンチ及びダイの間に、前記複数枚の金属板を重ね合わせて配置すること、
前記パンチを内部に挿入可能な筒状体である板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に押し付けること、
前記板押えにより押さえられた前記複数枚の金属板に、前記パンチによりリベットを打ち込むこと、
前記リベットの打ち込み前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを介して、前記複数枚の金属板への通電加熱を行うこと、並びに
前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に、前記パンチ及び前記ダイを介して前記リベットを通電加熱し、次いで前記リベットを冷却すること、
を含む、機械的接合方法を対象とする。
本開示の接合方法について、図1を参照しながら説明する。
複数枚の金属板の板組4を準備する。板組4は、引張強度が780MPa以上の高強度鋼板を少なくとも1枚含んでもよく、引張強度が780MPa未満の金属板のみを含んでもよい。
板組4をダイ6の上に載置し、筒状体である板押え7の一方の端部を、板組4のパンチ5側の金属板に押し付け、板押え7により押さえられた板組4に、パンチ5によりリベット8を打ち込む。
リベットの打ち込み前に、板組4の温度を上げるように、板押え7及びダイ6を介して、板組4への通電加熱を開始し、リベット8の打ち込み終了まで板組4を通電加熱する。
リベットの打ち込み後、パンチ及びダイを介して、リベットを通電してオーステナイト域になる温度まで加熱し、次いで冷却してマルテンサイト組織にして、リベットを高強度化する。
好ましくは、リベット8の打ち込み開始から打ち込み終了までの間、パンチ5を介してリベット8を冷却する。
好ましくは、ダイのうち、少なくとも複数枚の金属板を間に挟んでリベットと対向する部分の材質が工具鋼であり、工具鋼の外周部分の材質が銅又は銅合金である。
本開示の接合方法の構成について、上記機械的接合装置にて説明した構成を適用することができる。
(実施例1)
図1に示す機械的接合装置1を用いて、板組にリベットを用いた機械的接合を行い、接合継手の継手強度試験を行った。
引張強度が780MPa以上の高強度鋼板として980MPaの引張強度を有する厚み1.2mmの鋼板を上側金属板とし、引張強度が780MPa未満の鋼板として440MPaの引張強度を有する厚み1.6mmの鋼板を上側金属板とする板組4を準備した。
図1(a)に示すように、板組4を銅製のダイ6の上に載置し、銅製の板押え7で板組4を押さえて密着させた。高硬度鋼製で直径6mmのフルチューブラリベットを用意してパンチ5に保持させた。
板押え7及びダイ6に、温度調節器を備えた第1の電源装置を用いて10kAの電流を1秒間流し、750℃に到達したところで、1.0%Cr−Cu製のパンチ5でリベット8を打ち込んで接合を行った。
打ち込み終了後、リベット8の冷却及び板組4の加熱を停止し、パンチ5及びダイ6に、温度調節器を備えた第2の電源装置を用いて8kAの電流を0.5秒間流し、リベット8がオーステナイト域の900℃になるまで加熱し、次いで30℃/秒の冷却速度で150℃まで、温度調節器を備えた冷却装置を用いて急冷した。
熱処理後のリベットを調査したところ、マルテンサイト組織を有していることが確認できた。そして、接合継手の継手強度試験を実施したところ、リベットを熱処理しない場合に比べて、リベットを含む周辺の破損が低減したことが分かった。
(実施例2)
温度調節器を備えた冷却装置に接続され図1に示す冷却管9を内部に備えたパンチ5を用いて、パンチ5を介してリベット8を30℃に冷却しながら、パンチ5でリベット8を打ち込んだこと、及び板組4を780℃まで加熱したこと以外は、実施例1と同様の条件で接合試験を行った。リベット破損を生じることなく、板組の接合を行うことができた。
(実施例3)
図2に示す機械的接合装置1を用いて、板組4を間に挟んでリベット8と対向する部分を工具鋼製のダイ6aとし、ダイ6aの外周部分に銅製のダイ6bを配置したこと以外は、実施例1と同様の条件で接合試験を行った。ダイ6の変形を抑制することができ、且つ金属板の割れ、リベット破損、及びリベット未貫通を生じることなく、板組の接合を行うことができた。
1 機械的接合装置
2 上側金属板
3 下側金属板
4 板組
5 パンチ
5a パンチの大径部
5b パンチの小径部
6 ダイ
6a 工具鋼製のダイ
6b 銅又は銅合金製のダイ
7 板押え
8 リベット
9 冷却管
10 貫通孔
11 絶縁層
12 押付け拘束面
13 突出部
14 可動板
15 ホルダ
16 圧縮コイルバネ
17 保持板
18 樹脂成形体
19 ガイドボルト

Claims (6)

  1. 複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合装置であって、
    パンチ及びダイと、
    板押えと、
    第1の電源装置と、
    第2の電源装置と、
    冷却装置と、
    を備え、
    前記パンチ及びダイは、重ね合わせた複数枚の金属板を間に挟むことができるように、対向して配置され、
    前記板押えは、前記パンチを内部に挿入可能な筒状体であり、前記板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に接触させて、前記複数枚の金属板を押し付け可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
    前記パンチは、リベットを打ち込み可能且つ通電加熱可能な電極体材料で構成され、
    前記ダイは、前記複数枚の金属板を支持可能且つ前記リベットを通電加熱可能な電極体材料で構成され、
    前記第1の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込む前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを通電するように構成され、
    前記第2の電源装置は、前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に前記リベットを通電して熱処理するように、前記パンチ及び前記ダイを通電するように構成され、
    前記冷却装置は、前記パンチに接続されており、前記リベットの熱処理後に前記リベットを冷却するように構成されている、
    機械的接合装置。
  2. 前記冷却装置がさらに、前記リベットの打ち込み開始から打ち込み終了までの間、前記リベットを冷却するように構成されている、請求項1に記載の機械的接合装置。
  3. 前記ダイのうち、少なくとも前記複数枚の金属板を間に挟んで前記リベットと対向する部分の材質が工具鋼であり、前記工具鋼の外周部分の材質が銅又は銅合金である、請求項1または2に記載の機械的接合装置。
  4. 複数枚の金属板にパンチによりリベットを打ち込む機械的接合方法であって、
    複数枚の金属板を準備すること、
    対向して配置されたパンチ及びダイの間に、前記複数枚の金属板を重ね合わせて配置すること、
    前記パンチを内部に挿入可能な筒状体である板押えの一方の端部を、前記複数枚の金属板の前記パンチ側の金属板に押し付けること、
    前記板押えにより押さえられた前記複数枚の金属板に、前記パンチによりリベットを打ち込むこと、
    前記リベットの打ち込み前に、前記複数枚の金属板の温度を上げるように、前記板押え及び前記ダイを介して、前記複数枚の金属板への通電加熱を行うこと、並びに
    前記パンチにより前記リベットを打ち込んだ後に、前記パンチ及び前記ダイを介して前記リベットを通電加熱し、次いで前記リベットを冷却すること、
    を含む、機械的接合方法。
  5. 前記リベットの打ち込み開始から打ち込み終了までの間、前記パンチを介して前記リベットを冷却することをさらに含む、請求項4に記載の機械的接合方法。
  6. 前記ダイのうち、少なくとも前記複数枚の金属板を間に挟んで前記リベットと対向する部分の材質が工具鋼であり、前記工具鋼の外周部分の材質が銅又は銅合金である、請求項4または5に記載の機械的接合方法。
JP2017526462A 2015-07-01 2016-07-01 機械的接合装置及び機械的接合方法 Active JP6477880B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015133110 2015-07-01
JP2015133110 2015-07-01
PCT/JP2016/069719 WO2017002976A1 (ja) 2015-07-01 2016-07-01 機械的接合装置及び機械的接合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017002976A1 JPWO2017002976A1 (ja) 2018-03-29
JP6477880B2 true JP6477880B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=57609604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017526462A Active JP6477880B2 (ja) 2015-07-01 2016-07-01 機械的接合装置及び機械的接合方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US10603713B2 (ja)
EP (1) EP3318347A4 (ja)
JP (1) JP6477880B2 (ja)
KR (1) KR101957628B1 (ja)
CN (1) CN107614147B (ja)
MX (1) MX2017016304A (ja)
TW (1) TWI619565B (ja)
WO (1) WO2017002976A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112018015738B1 (pt) 2016-02-03 2022-07-26 Utica Enterprises, Inc. Aparelho para unir mecanicamente aço avançado de alta resistência, método para unir mecanicamente aço avançado de alta resistência, e alojamento impermeável à luz
JP6939765B2 (ja) * 2018-12-26 2021-09-22 Jfeスチール株式会社 鋼板と軽金属板とを重ね合わせた板組の接合方法、ならびに、金属板とcfrp板とを重ね合わせた板組の接合方法、および、その接合方法を用いた板組の製造方法

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3957015B2 (ja) 1997-07-10 2007-08-08 株式会社神戸製鋼所 自己穿孔型リベットによるアルミニウム合金接合体及びその製造方法
DE59805851D1 (de) 1997-11-17 2002-11-07 Univ Dresden Tech Verfahren und vorrichtung zum verbinden überlappt angeordneter fügeteile
ATE225221T1 (de) * 1997-11-17 2002-10-15 Univ Dresden Tech Verfahren und vorrichtung zum verbinden überlappt angeordneter fügeteile
JP2000202563A (ja) 1999-01-14 2000-07-25 Nippon Steel Corp 引張特性と疲労特性に優れた高強度鋼板の接合方法
DE10060390B4 (de) * 2000-12-05 2012-04-19 Volkswagen Ag Stanznietverfahren
US6694597B2 (en) * 2002-03-08 2004-02-24 General Motors Corporation Method for riveting metal members
US6836948B2 (en) * 2003-02-05 2005-01-04 General Motors Corporation Method of joining a sheet metal part to a metal tube
JP2004340321A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Fukui Byora Co Ltd 自己穿孔式ファスナー
DE102004003909B4 (de) * 2004-01-27 2010-09-09 GM Global Technology Operations, Inc., Detroit Pressschweißverfahren zum Verbinden zweier oder mehrerer Bleche oder Profilteile, insbesondere eines Karosseriesegments, dessen Verwendung sowie Karosseriesegment
JP4880336B2 (ja) 2006-03-20 2012-02-22 日産自動車株式会社 セルフピアスリベットおよびその製造方法
JP5055104B2 (ja) * 2007-12-18 2012-10-24 日産自動車株式会社 セルフピアスリベットによる接合方法とリベット接合用ダイ
US8250728B2 (en) * 2008-07-28 2012-08-28 GM Global Technology Operations LLC Method of joining with self-piercing rivet and assembly
US20100083481A1 (en) * 2008-10-08 2010-04-08 Gm Global Technology Operations, Inc. Method for attaching magnesium panels using self-piercing rivet
JP2010188383A (ja) 2009-02-18 2010-09-02 Honda Motor Co Ltd リベット接合方法
CN101890564A (zh) * 2010-07-06 2010-11-24 上海交通大学 异种金属电阻铆焊装置
CN101920302B (zh) 2010-09-07 2013-02-06 上海交通大学 电致塑性自冲铆接装置
JP2016055291A (ja) * 2013-06-03 2016-04-21 ポップリベット・ファスナー株式会社 樹脂部材の接合装置、接合構造及び接合方法
JP6252747B2 (ja) * 2013-11-22 2017-12-27 ポップリベット・ファスナー株式会社 接合装置及び接合方法
CN103600017B (zh) * 2013-11-25 2015-09-02 吉林大学 超高强钢板之间或与铝合金板的自冲铆接装置
CN104607557B (zh) * 2015-02-04 2016-04-27 吉林大学 超高强钢板与铝合金板的自冲铆接装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN107614147B (zh) 2019-12-13
EP3318347A4 (en) 2019-02-27
MX2017016304A (es) 2018-03-23
KR20170136581A (ko) 2017-12-11
US10603713B2 (en) 2020-03-31
EP3318347A1 (en) 2018-05-09
TWI619565B (zh) 2018-04-01
WO2017002976A1 (ja) 2017-01-05
KR101957628B1 (ko) 2019-03-12
CN107614147A (zh) 2018-01-19
JPWO2017002976A1 (ja) 2018-03-29
TW201707814A (zh) 2017-03-01
US20180185903A1 (en) 2018-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6460235B2 (ja) 機械的接合装置及び機械的接合方法
KR101979558B1 (ko) 저항 스폿 용접 방법
KR101744427B1 (ko) 조인트 강도가 우수한 고강도 강판의 스폿 용접 방법
JP6226083B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2007268604A (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP2013078782A (ja) 高強度薄鋼板の抵抗スポット溶接継手および抵抗スポット溶接方法
KR20200086730A (ko) 저항 스폿 용접 조인트의 제조 방법
JP6477880B2 (ja) 機械的接合装置及び機械的接合方法
JP2013103273A (ja) 高張力鋼板の抵抗スポット溶接方法
JP6313921B2 (ja) 抵抗スポット溶接方法
JP6900692B2 (ja) リベットを用いた接合方法とその実施に使用する装置
JP5206448B2 (ja) 高強度薄鋼板の抵抗スポット溶接方法
US9044831B2 (en) Method of joining part having high fatigue strength
JP2007098462A (ja) フラッシュバット溶接方法
JP7399360B1 (ja) プロジェクション溶接継手の製造方法、プロジェクション溶接継手、及び自動車部品
WO2023182266A1 (ja) プロジェクション溶接継手の製造方法、プロジェクション溶接継手、及び自動車部品
WO2019159541A1 (ja) 電極構造及び通電加熱方法
KR20230148379A (ko) 저항 스폿 용접 방법
CN117916034A (zh) 铆接头的制造方法、铆接头以及汽车构件

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6477880

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350