JP6477448B2 - モータコイル構造 - Google Patents

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Description

本発明は、モータコイル構造に関する。
例えばEV(電気自動車)、HEV(ハイブリッド車)等にモータ及び発電機の少なくともいずれかとして用いられる回転電機、回転電機の固定子、及び回転電機の固定子の製造方法に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された回転電機の固定子は、コアバックと、該コアバックから径方向へ突出しているティースとを有する固定子コアと、該ティースに設けられている固定子コイルとを備え、さらに、インシュレータ、ホルダ、及び温度センサを備えている。
上記インシュレータは、上記ティースと上記固定子コイルとの間に介在する胴部と、該胴部に設けられ、上記固定子コアの径方向について上記固定子コイルに隣接している鍔部とを有している。また、上記インシュレータは、上記鍔部のうち、上記固定子コアの軸線方向について上記固定子コアから出ている部分である鍔突出部に、該鍔突出部の外周部から上記胴部に向かって、切欠き部が設けられている。
上記ホルダは、上記切欠部に配置されているホルダ本体を有し、上記鍔突出部に取り付けられている。上記温度センサは、上記ホルダ本体と上記固定子コイルとの間に挟まれている。以上の構成により、特許文献1では、上記固定子コイルの占積率の低下を防止することができ、上記固定子コイルに上記温度センサをより確実に接触させることができる、としている。
また、上記特許文献1の回転電機の固定子において、上記鍔突出部と上記胴部との境界には、上記鍔部の厚さ方向へ上記鍔突出部を貫通する連通空間が設けられている。該連通空間には、上記胴部の外周面に設けられたワニス供給用溝及び上記切欠き部のそれぞれが繋がっている。これにより、上記インシュレータでは、上記連通空間から上記ワニス供給用溝を通して上記固定子コイルへワニスが供給可能になっている。
特開昭2015−106955号公報
上記特許文献1の回転電機の固定子では、上記インシュレータの上記ワニス供給用溝を通して上記固定子コイルへワニスを供給するには、例えば、熱硬化時における粘度が概ね30mPa・s以下の比較的低粘度のワニスを使用する必要がある。しかし、このような低粘度のワニスは、上記固定子コアを構成する複数枚の磁性板の間まで染み込み、ボルト締結力を低下させる虞がある。また、インシュレータの材質によっては、ワニスとの固着力が低くなり、コイルを固定子コアに十分に固定できない虞がある。
一方、より高粘度のワニスは、上記インシュレータの上記ワニス供給用溝を通して上記固定子コイルへ含浸させるのが困難である。また、例えば、硬化前における粘度が概ね30mPa・s以上の比較的高粘度のワニスを固定子コイルの巻線の間から含浸させようとしても、ワニスが巻線の間に含浸せずに固定子コイルの外側で硬化し、コイル及びインシュレータを固定子コアに固定するのが困難である。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、比較的高粘度のワニスをコイルの外側から供給して、コイル及びインシュレータをステータコアにより確実に固定することが可能なモータコイル構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明のモータコイル構造は、ティースを有するステータコアと、該ステータコアの前記ティースに配置された平角線からなる集中巻のコイルと、該コイルと前記ステータコアとの間に介在されたインシュレータとを備えたモータコイル構造であって、前記コイルは、一対のコイルエンド部の少なくとも一方において、前記ステータコアの径方向における前記平角線の間隔がその他の部分よりも拡大されて間隙が設けられ、前記インシュレータは、前記コイルと前記ステータコアとの間に貫通孔を有することを特徴とする。
ステータコアは、例えば、電磁鋼鈑を積層させて一体化させることによって製作することできる。ステータコアは、例えば、ステータコアの径方向の外側から内側へ向けて延在する複数のティースを備えている。複数のティースは、ステータコアの周方向に所定の間隔をあけて配置されている。ステータコアは、一体コアであることが好ましいが、分割コアであってもよい。
コイルは、ステータコアのスロット内における占有率を確保するために、平角線に間隙が設けられるコイルエンド部を除き、平角線の隙間を極力無くすように巻回加工される。コイルエンド部の少なくとも一方に設けられる平角線の間隙は、硬化前の粘度が、例えば30mPa・s以上の比較的高粘度のワニスを含浸させることができる程度の寸法に設定することができる。コイルは、例えば、ステータコア、ティース、及びインシュレータの形状に対応する所定の形状に巻回加工され、ティースをステータコアの径方向からコイルの内側に挿入することで、ステータコアのティースに配置される。
インシュレータは、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性を有する樹脂材料によって製作される。インシュレータは、例えば、ティースを含むステータコア上に配置され、貫通孔からステータコアの一部を露出させる。インシュレータは、例えば、ステータコアのティースとともに、ステータコアの径方向からコイルの内側に挿入され、コイルとステータコアとの間に介在される。インシュレータの貫通孔は、例えば、コイルの少なくとも一方のコイルエンド部に設けられた間隙に対向する位置に形成することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のモータコイル構造によれば、コイルの外側からコイルエンド部の平角線の間隙に、比較的高粘度のワニスを自然滴下させてコイルの内側へ供給することができる。コイルの内側へ供給されたワニスは、コイルとステータコアとの間のインシュレータに設けられた貫通孔を介してステータコアに到達して硬化することで、コイルとインシュレータをステータコアに固定する。
したがって、本発明のモータコイル構造によれば、比較的高粘度のワニスをコイルエンド部の平角線の間隙からインシュレータの貫通孔まで充填して固化させ、コイルとインシュレータをステータコアに対してより確実に固定することができる。これにより、ワニスとインシュレータとの間の固着力が低い場合でも、コイルとインシュレータをステータコアにより確実に固定することができる。
本発明の実施形態に係るモータコイル構造を示す拡大平面図。 図1AのB−B線に沿うモータコイル構造の断面図。 図1A及び図1Bに示すコイルの巻回方法の一例を説明する斜視図。 図1A及び図1Bに示すコイルの巻回方法の一例を説明する斜視図。 図1A及び図1Bに示すインシュレータの斜視図。 図1Aに示すステータコアの拡大平面図。 図4Aに示すB−B線に沿うステータコアの断面図。 図4Aに示すステータコアにインシュレータを配置した拡大平面図。 図5AのB−B線に沿うインシュレータ及びステータコアの断面図。 図5Aに示すステータコアにコイルを配置した拡大平面図。 図6AのB−B線に沿うコイル、インシュレータ及びステータコアの断面図。 コイルエンド部に間隙を有しないモータコイル構造の一例を示す拡大平面図。 図7AのB−B線に沿うモータコイル構造の断面図。 図1Aに示すモータコイル構造の変形例1を示す拡大平面図。 図8AのB−B線に沿うモータコイル構造の断面図。 図8Aに示すステータコアにインシュレータを配置した拡大平面図。 図9AのB−B線に沿うインシュレータ及びステータコアの断面図。 図9Aに示すステータコアにコイルを配置した拡大平面図。 図10AのB−B線に沿うコイル、インシュレータ及びステータコアの断面図。 図1Aに示すモータコイル構造の変形例2を示す拡大平面図。 図11AのB−B線に沿うモータコイル構造の断面図。 図11Aに示すステータコアにインシュレータを配置した拡大平面図。 図12AのB−B線に沿うインシュレータ及びステータコアの断面図。 図12Aに示すステータコアにコイルを配置した拡大平面図。 図13AのB−B線に沿うコイル、インシュレータ及びステータコアの断面図。
以下、図面を参照して本発明のモータコイル構造の実施形態を説明する。
図1Aは、本発明の実施形態に係るモータコイル構造1を示す拡大平面図である。図1Bは、図1AのB−B線に沿うモータコイル構造1の断面図である。本実施形態のモータコイル構造1は、例えば、EV(電気自動車)、EHV(電気ハイブリッド自動車)用のモータに適用される。モータコイル構造1は、ティース11を有するステータコア10と、該ステータコア10のティース11に配置された平角線21からなる集中巻のコイル20と、該コイル20とステータコア10との間に介在されたインシュレータ30とを備えている。
本実施形態のモータコイル構造1は、特に、コイル20及びインシュレータ30が次の構成を備える点に特徴を有している。コイル20は、一対のコイルエンド部22の少なくとも一方において、ステータコア10の径方向Dにおける平角線21の間隔がその他の部分よりも拡大されて間隙23が設けられている。インシュレータ30は、コイル20とステータコア10との間に貫通孔31を有している。以下、本実施形態のモータコイル構造1の各構成について、詳細に説明する。
ステータコア10は、概ね円筒形の形状を有し、図示を省略するロータの周囲にロータと同軸に配置され、ロータに向けて径方向Dの外側から内側へ突出する複数のティース11を備えている。複数のティース11は、ステータコア10の周方向Cに所定の間隔をあけて等間隔に配置されている。ステータコア10は、例えば、電磁鋼鈑を積層させて一体化させることによって製作することできる。ステータコア10は、一体コアであることが好ましいが、複数の分割コアと外筒によって構成されていてもよい。
コイル20は、平角線21に間隙23が設けられるコイルエンド部22を除き、ステータコア10のスロット内における占有率を確保するために、平角線21の隙間を極力無くすように巻回加工される。コイルエンド部22の少なくとも一方に設けられる平角線21の間隙23は、硬化前の粘度が、例えば概ね30mPa・s以上の比較的高粘度のワニスVを含浸させることができる程度の寸法に設定することができる。また、コイルエンド部22における平角線21の複数の間隙23の寸法は一様になっている。
図2Aは、図1A及び図1Bに示すコイル20の巻回方法の一例を説明する斜視図である。コイル20は、例えば、平角線21をステータコア10、ティース11、及びインシュレータ30の形状に対応する所定の形状に巻回加工することによって製作される。コイル20を構成する平角線21は、一対のコイルエンド部22に対応する部分の少なくとも一方において、ステータコア10の径方向Dにおける間隔がその他の部分よりも拡大されて間隙23が形成されるように、部分的に曲げ加工されて捲回される。平角線21の曲げ加工は、例えば、巻線機の鉄芯40の横に配置した曲げ加工機によって行うことができる。
図2Bは、図1A及び図1Bに示すコイル20の巻回方法の別の一例を説明する斜視図である。コイルエンド部22の平角線21の間に間隙23を形成する別の方法としては、収納又は取り外し可能なガイド41を設けた鉄芯40の周りに平角線21を巻回し、ガイド41によってコイルエンド部22に対応する部分の平角線21に間隙23を形成する方法を用いることができる。この場合、鉄芯40の周りに平角線21を巻回した後、ガイド41を収納又は取り外すことによって、巻回加工が終了したコイル20を鉄芯40から抜き取ることができる。
図3は、図1A及び図1Bに示すインシュレータ30の斜視図である。インシュレータ30は、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性を有する樹脂材料によって製作される。インシュレータ30は、その周囲に配置されるコイル20のコイルエンド部22に設けられる間隙23に対応する位置に、貫通孔31が形成されている。
より具体的には、インシュレータ30は、ステータコア10の中心軸に平行でかつステータコア10の径方向Dに垂直な断面が長方形の筒状部32を有し、筒状部32の長方形断面の短辺に沿う上面32tと下面32bがコイル20のコイルエンド部22に対向する。インシュレータ30は、筒状部32の上面32tと下面32bに貫通孔31を有している。インシュレータ30の貫通孔31は、コイル20のコイルエンド部22に対向する位置に形成され、コイルエンド部22に設けられる間隙23に対向する。
また、インシュレータ30は、筒状部32の一端に、延在部33とフランジ部34とを有している。延在部33は、筒状部32の上面32t及び下面32bからステータコア10の径方向Dの外側へ延在し、間隙23を形成するように変形されたコイル20のコイルエンド部22と、ステータコア10の中心軸に垂直な上下の端面10t,10bとの間に配置される(図1B参照)。フランジ部34は、筒状部32の側面32sからステータコア10の周方向Cに延在し、ステータコア10の内周面10iとコイル20との間に配置される(図1A参照)。
以下、図1A及び図1Bに示すモータコイル構造1の製造方法について説明する。
図4Aは、図1Aに示すステータコア10の拡大平面図であり、図4Bは、図4Aに示すB−B線に沿うステータコア10の断面図である。本実施形態のモータコイル構造1を製造するには、まず、ステータコア10を準備する。前述のように、ステータコア10は、概ね円筒形の形状を有し、径方向Dの外側から内側へ突出するティース11を備えている。ステータコア10の径方向Dに平行な図4Aに示すB−B線に沿うティース11の断面形状は、概ね矩形である。
図5Aは、図4Aに示すステータコア10にインシュレータ30を配置した拡大平面図である。図5Bは、図5AのB−B線に沿うインシュレータ30及びステータコア10の断面図である。前述のように、ステータコア10の準備が完了したら、次に、ステータコア10にインシュレータ30を配置する。
インシュレータ30は、例えば、フランジ部34及び延在部33が設けられた筒状部32の端部から、ステータコア10のティース11をステータコア10の径方向Dに挿入することで、ステータコア10に配置される。インシュレータ30は、ステータコア10の一部であるティース11を覆い、貫通孔31からティース11の一部を露出させる。
図6Aは、図5Aに示すステータコア10にコイル20を配置した拡大平面図である。図6Bは、図6AのB−B線に沿うコイル20、インシュレータ30及びステータコア10の断面図である。前述のように、ステータコア10にインシュレータ30を配置したら、次に、ステータコア10のティース11に平角線21からなる集中巻のコイル20を配置する。
コイル20は、ティース11をステータコア10の径方向Dからコイル20の内側に挿入することで、ステータコア10のティース11に配置される。このとき、平角線21の間に間隙23を有するコイル20のコイルエンド部22となる部分が、ステータコア10の中心軸に垂直なティース11の上下の面11t,11bに対向するように、コイル20をティース11に配置する。
また、インシュレータ30は、ステータコア10のティース11に配置された状態で、ティース11とともにコイル20の内側へステータコア10の径方向Dに挿入され、コイル20とステータコア10との間に介在される。インシュレータ30の貫通孔31は、コイル20のコイルエンド部22に設けられた間隙23に対向する位置に配置される。
以上のように、本実施形態のモータコイル構造1は、ティース11を有するステータコア10と、該ステータコア10のティース11に配置された平角線21からなる集中巻のコイル20と、該コイル20とステータコア10との間に介在されたインシュレータ30とを備えている。そして、コイル20は、一対のコイルエンド部22において、ステータコア10の径方向Dにおける平角線21の間隔がその他の部分よりも拡大されて間隙23が設けられている。また、インシュレータ30は、コイル20とステータコア10との間に貫通孔31を有している。
この構成により、図1A及び図1Bに示すように、本実施形態のモータコイル構造1は、コイル20の外側からコイルエンド部22の平角線21の間隙23に、例えば、硬化前における粘度が概ね30mPa・s以上の比較的高粘度のワニスVを自然滴下させてコイル20の内側へ供給することができる。コイル20の内側へ供給されたワニスVは、コイル20とステータコア10との間のインシュレータ30に設けられた貫通孔31を介してステータコア10に到達して硬化することで、コイル20とインシュレータ30をステータコア10に固定する。ワニスVは、インシュレータ30を構成する樹脂材料に対する固着と比較して、ステータコア10を構成する電磁鋼鈑に対してより強固に固着する。
一方、図7Aは、コイルエンド部22に間隙23を有しないモータコイル構造1Xの一例を示す拡大平面図である。図7Bは、図7AのB−B線に沿うモータコイル構造1Xの断面図である。このように、コイル20の平角線21の間に間隙23を有しない場合には、例えば、硬化前における粘度が概ね30mPa・s以上の比較的高粘度のワニスVを自然滴下させてコイル20の平角線21の間から含浸させるのは困難である。そのため、ワニスVがコイル20の外側で硬化し、コイル20及びインシュレータ30をステータコア10に固定するのが困難になる。
また、硬化前における粘度が概ね30mPa・s以下の比較的低粘度のワニスVを用いることで、コイル20にワニスVを含浸させることが可能になる場合があるが、ワニスVの粘度によって、コイル20に対する染み込み具合が異なるため、粘度制御の適正化が必要になる。しかし、ワニスVの温度は一様ではないため、粘度制御は困難である。また、低粘度のワニスVは、ステータコア10を構成する電磁鋼鈑の間に染み込むことで、ボルト締結力を低下させるという課題がある。
これに対し、本実施形態のモータコイル構造1は、前述のように、コイル20がコイルエンド部22の平角線21の間に間隙23を有し、インシュレータ30が貫通孔31を有している。したがって、本実施形態のモータコイル構造1によれば、図1A及び図1Bに示すように、比較的高粘度のワニスVをコイルエンド部22の平角線21の間隙23からインシュレータ30の貫通孔31まで充填して固化させ、コイル20とインシュレータ30をステータコア10に対してより確実に固定することができる。
これにより、ワニスVとインシュレータ30との間の固着力が低い場合でも、コイル20とインシュレータ30をステータコア10により確実に固定することができる。また、ワニスVによって、コイル20の層間も固定することができる。また、コイル20の平角線21の間隙23をコイルエンド部22に設けることで、ステータコア10のスロットにおけるコイル20の占有率が低下するのを防止できる。
なお、本発明は、前述の実施形態で説明したモータコイル構造1の構成に限定されない。以下、図1A及び図1Bに示すモータコイル構造1の実施形態の変形例について説明する。
[変形例1]
図8Aは、図1Aに示すモータコイル構造1の変形例1に係るモータコイル構造1Aを示す拡大平面図である。図8Bは、図8AのB−B線に沿うモータコイル構造1Aの断面図である。図9Aは、図8Aに示すステータコア10にインシュレータ30を配置した拡大平面図である。図9Bは、図9AのB−B線に沿うインシュレータ30及びステータコア10の断面図である。図10Aは、図9Aに示すステータコア10にコイル20を配置した拡大平面図である。図10Bは、図10AのB−B線に沿うコイル20、インシュレータ30及びステータコア10の断面図である。
本変形例のモータコイル構造1Aは、コイル20の一対のコイルエンド部22に平角線21の間隙23が1箇所ずつ設けられている点で、前述の実施形態のモータコイル構造1と異なっている。本変形例のモータコイル構造1Aのその他の点は、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様であるため、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例のモータコイル構造1Aは、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様に、コイル20の一対のコイルエンド部22に平角線21の間隙23が設けられ、インシュレータ30が貫通孔31を有している。したがって、本変形例のモータコイル構造1Aによれば、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様に、比較的高粘度のワニスVをコイルエンド部22の平角線21の間隙23からインシュレータ30の貫通孔31まで充填して固化させ、コイル20とインシュレータ30をステータコア10に対してより確実に固定することができる。
[変形例2]
図11Aは、図1Aに示すモータコイル構造1の変形例2に係るモータコイル構造1Bを示す拡大平面図である。図11Bは、図11AのB−B線に沿うモータコイル構造1Bの断面図である。図12Aは、図11Aに示すステータコア10にインシュレータ30を配置した拡大平面図である。図12Bは、図12AのB−B線に沿うインシュレータ30及びステータコア10の断面図である。図13Aは、図12Aに示すステータコア10にコイル20を配置した拡大平面図である。図13Bは、図13AのB−B線に沿うコイル20、インシュレータ30及びステータコア10の断面図である。
本変形例のモータコイル構造1Bは、コイル20の一対のコイルエンド部22に平角線21の間隙23が2箇所ずつ設けられ、インシュレータ30にコイル20の間隙23に対応する4つの貫通孔31が設けられている点で、前述の実施形態のモータコイル構造1と異なっている。本変形例のモータコイル構造1Bのその他の点は、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様であるため、同様の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本変形例のモータコイル構造1Bは、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様に、コイル20の一対のコイルエンド部22に平角線21の間隙23が設けられ、インシュレータ30が貫通孔31を有している。したがって、本変形例のモータコイル構造1Bによれば、前述の実施形態のモータコイル構造1と同様に、比較的高粘度のワニスVをコイルエンド部22の平角線21の間隙23からインシュレータ30の貫通孔31まで充填して固化させ、コイル20とインシュレータ30をステータコア10に対してより確実に固定することができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 モータコイル構造
1A モータコイル構造
1B モータコイル構造
10 ステータコア
11 ティース
20 コイル
21 平角線
22 コイルエンド部
23 間隙
30 インシュレータ
31 貫通孔
D 径方向

Claims (1)

  1. ティースを有するステータコアと、該ステータコアの前記ティースに配置された平角線からなる集中巻のコイルと、該コイルと前記ステータコアとの間に介在されたインシュレータとを備えたモータコイル構造であって、
    前記コイルは、一対のコイルエンド部の少なくとも一方において、前記ステータコアの径方向における前記平角線の間隔がその他の部分よりも拡大されて前記コイルエンド部に滴下されたワニスを含浸させる間隙が設けられ、
    前記インシュレータは、前記コイルと前記ステータコアとの間に、前記間隙に対向して前記ワニスが充填される貫通孔を有することを特徴とするモータコイル構造。
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