以下、本発明の複数の実施形態を、図面を参照して説明する。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。また、以下の実施形態においては、第1検出電極対201および第2検出電極対202は高さ方向Zにおいて隣り合った検出電極対20として定義し、第4検出電極対204、第5検出電極対205、および第6検出電極対206は、互いに離間して配置される検出電極対20を指すものとして定義することとする。また、特許請求の範囲における「検出電極群」とは、2以上の検出電極2からなるまとまりを指すものとして定義する。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図10に基づき説明する。
本実施形態では、燃料タンク100の内部に収容される燃料FEの液面高さ検出に用いられる液面検出装置1について説明する。なお、燃料タンク100が、特許請求の範囲における「容器」に相当し、燃料FEが「液体」に相当する。
図1に示すように、燃料タンク100は、全体として略直方体の箱状に形成されている。具体的には、底壁101、4つの側壁102、天壁103から構成されている。底壁101、4つの側壁102、および天壁103によって囲まれた内部空間に燃料FEを収容する。なお、燃料タンク100は、車両に搭載され、配置方向は特に限定されない。
燃料タンク100の天壁103の略中央には、挿入口104が形成されている。挿入口104は天壁103の厚み方向に貫通するように形成されている。挿入口104からは、燃料タンク100内の燃料FEを、図示しないエンジンに送出するための燃料ポンプモジュール等の機器を搭載することができるようになっている。挿入口104は、燃料タンク100の外部から蓋部材105によって閉塞されている。本実施形態では特に、挿入口104の外周面に雄ねじが形成されている。また、蓋部材105の内周面には雌ねじが形成されている。挿入口104の雄ねじを、蓋部材105の雌ねじにねじ込むことで、蓋部材105を燃料タンク100に装着することができる。蓋部材105を装着した状態において、燃料タンク100の内部は密閉状態となっている。
燃料タンク100の内部には、静電容量センサユニット110が配置される。静電容量センサユニット110は、横方向Xの略中央において底壁101から高さ方向Zに立設している。
図2に示すように、静電容量センサユニット110は、樹脂フィルム等の絶縁体によって構成されたベース111の表面に複数の検出電極2が、高さ方向Zに並んで等間隔で配置されている。ベース111は扁平な直方体形状をなす。各検出電極2は、後述する液面検出装置1に電気的に接続されている。以下、複数の検出電極2のうち、隣り合って配置される任意の2つの検出電極のまとまりを検出電極対20という。
図2に示すように、複数の検出電極2のうち、底壁101に最も近い最低位検出電極2aは、燃料タンク100の底壁101が地面と水平な状態における燃料FEの最低液面高さHminよりも高さ方向上方に配置されている。なお、最低液面高さHminとは、それ以上車両を駆動させられない程減少した燃料FEの残量状態における液面高さをいう。また図2は、挿入口104および蓋部材105を省略したものを示している。
また、複数の検出電極2のうち、天壁103に最も近い最高位検出電極2bは、燃料タンク100の底壁101が地面と水平な状態における燃料FEの最高液面高さHmaxよりも高さ方向下方に配置されている。なお、最高液面高さHmaxとは、燃料タンク100の内部に燃料FEを上限まで満たした状態の液面高さをいう。
つまり、燃料FEの液面高さが最低液面高さHminにある状態においては、最低位検出電極2aは燃料FEに浸漬していないこととなる。一方で、燃料FEが最高液面高さHmaxまで満たされた状態において、最高位検出電極2bは、燃料FEに完全に浸漬していることとなる。
静電容量センサユニット110の高さ方向Zの長さは、燃料タンク100の側壁102の高さ方向Zの長さよりもわずかに短く設定されている。
次に、図3に基づいて液面検出装置1の構成について説明する。
液面検出装置1は、ECUであり、複数の検出電極対20の静電容量を取得し、それらを比較することで燃料FEの液面高さを検出する。また、検出した液面高さに応じた表示を表示手段30に表示させる。液面検出装置1は、取得電極選択手段11、スイッチ手段12、静電容量取得手段13、静電容量比較手段14、液面高さ判定手段15、および記憶手段16を備える。なお、本実施形態において、検出電極対20が、特許請求の範囲における「検出電極群」に相当する。
取得電極選択手段11は、複数の検出電極対20のうち、静電容量を取得する2つの第1検出電極対201および第2検出電極対202を選択する。本実施形態では、第1検出電極対201および第2検出電極対202は、底壁101に近い側から高さ方向上方に向かって順番に選択されていく。また、本実施形態では、第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する各検出電極2は重複しないように選択される。取得電極選択手段11は、一度、第1検出電極対201および第2検出電極対202を選択すると、選択した第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2を記憶手段16に書き込む。
具体的には、図4に示すように、まず底壁101に最も近い位置に配置されている最低位検出電極2aと、最低位検出電極2aに隣接して配置されている検出電極2cの二つの検出電極を第1検出電極対201として選択する。また、検出電極2cから高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2dと、検出電極2dの高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2eの二つの検出電極を第2検出電極対202として選択する。そして、のちに詳述する図6に示す一連の処理フローにおいて、液面高さ判定手段15から指示信号を受信すると、次の第1検出電極対201および第2検出電極対202を選択する。具体的には、液面高さ判定手段15から指示信号を受信すると、記憶手段16から前回選択した第1検出電極対201および第2検出電極対202を読み出し、異なる検出電極対20を新たな第1検出電極対201および第2検出電極対202として選択する。
具体的には、検出電極2eの高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2fと、検出電極2fの高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2gの二つの検出電極2を第1検出電極対201として選択する。また、検出電極2gの高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2hと、検出電極2hの高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極2iの二つの検出電極2を、第2検出電極対202として選択する。以降、高さ方向上方に向かって順次、二つずつのまとまりで検出電極2を選択していく。以上説明した第1検出電極対201および第2検出電極対202の選択は、取得電極選択手段11が実行する。
取得電極選択手段11は、選択した第1検出電極対201および第2検出電極対202のそれぞれを構成する複数の検出電極2に対応して設けられているスイッチング手段S(図8参照)をオンするようにスイッチ手段12に対して信号を送信する。
スイッチ手段12は、すべての検出電極2に対応するスイッチング手段Sを備える。スイッチ手段12は、取得電極選択手段10からオンすべきスイッチング手段Sに関する信号を受信すると、オンすべきスイッチング手段Sをオンさせて、オンすべきスイッチング手段Sに対応した各検出電極2と接続された通電経路を導通状態とする。そうすることで、静電要取得手段は、第1検出電極対201および第2検出電極対202のそれぞれの静電容量値を取得することができるようになる。
静電容量取得手段13は、第1検出電極対201および第2検出電極対202の静電容量値を取得する役割を担う。具体的な静電容量値の取得方法を図5に基づいて説明する。静電容量取得手段13は、静電容量計測回路部131と静電容量演算部132を備える。静電容量計測回路部131は、正弦波発生回路133、オペアンプ134、抵抗135、およびサンプルホールド回路136を備える。
正弦波発生回路133は、オペアンプ134の非反転入力端子に接続され、所定周波数の交流電圧を、オペアンプ134を介して検出電極2に印加する。検出電極2は、オペアンプ134の反転入力端子に接続される。オペアンプ134の出力端子には抵抗135が接続されており、反転入力端子とつながっている。この回路により、検出電極2に流れる電流を抵抗135が電圧に変換し、出力する。
サンプルホールド回路136は、ピークホールド回路であり、オペアンプ134からの出力値の最大値を保持し、静電容量演算部132へ出力信号Voutとして出力する。そして、静電容量演算部132は、静電容量計測回路部131から出力される出力信号Voutに基づき、検出電極間の静電容量を演算することで、各検出電極対20の静電容量値を取得する。
静電容量比較手段14は、静電容量取得手段13によって取得された第1検出電極対201および第2検出電極対202の静電容量値を比較する役割を担う。具体的には、第1検出電極対201の静電容量値C1と、第2検出電極対202の静電容量値C2とを比較して、両者が異なる場合には、異なることを示す信号を液面高さ判定手段15に送信する。一方で、両者が同じ値となっている場合には、同じであることを示す信号を液面高さ判定手段15に送信する。
液面高さ判定手段15は、静電容量比較手段14から受信した信号に基づいて、燃料FEの液面高さの位置を判定する役割を担う。具体的には、静電容量比較手段14から、第1検出電極対201の静電容量値C1と、第2検出電極対202の静電容量値C2とが同じ値であることを示す信号を受信した場合には、取得電極選択手段11に対して次の第1検出電極対201および第2検出電極対202を選択するよう指示信号を送信する。一方で、静電容量値C1と静電容量値C2が異なる値であることを示す信号を受信した場合には、取得電極選択手段11に対して、後述する第3検出電極対203を選択するよう指示信号を送信する。なお、液面高さ判定手段15は、特許請求の範囲における「液面高さ検出手段」に相当する。
一方で、静電容量比較手段14から、第1検出電極対201の静電容量値C1と、第2検出電極対202の静電容量値C2とが異なる値であることを示す信号を受信した場合には、液面高さを決定し、表示手段30に液面高さに対応した表示信号を送信する。
記憶手段16は、一度、取得電極選択手段11によって選択された第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2を記憶している。そして、液面高さ判定手段15によって取得電極選択手段11に対して指示信号が送信されると、取得電極選択手段11は、記憶している検出電極2を記憶手段16から読み出す。
また、記憶手段16は、各検出電極2の配置高さを記憶している。液面高さ判定手段15は、どの検出電極2が燃料FEに浸漬しているかを検出し、記憶手段16に記憶されている配置高さと照合することで、液面高さを検出する。
表示手段30は、たとえば車両のインストルメントパネルに設けられた表示メータであり、液面高さ判定手段15から受信した表示信号に基づいて、燃料タンク100の内部に残留している燃料FEの液面高さを表示する。なお、表示手段30に表示されるのは、燃料FEの液面高さに限られず、燃料FEの残量に関する情報が表示されるようにすればよい。
次に、液面検出装置1における処理フローについて図5に基づき説明する。
まず、S1において、液面高さ検出の必要性があるか否かを判定する。具体的には、たとえばエンジン始動時や、エンジン始動中の所定周期ごとに図5の液面高さ検出フローを実行するようにすることなどが考えられる。本実施形態では、エンジン始動時および始動後所定周期ごとに液面高さ検出フローを実行するようにする。
S1において液面高さ検出の必要性がないと判定された場合(Noと判定された場合)には、再度所定時間を経てからS1から繰り返す。一方で、S1において液面高さ検出の必要性があると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S2に進む。
S2では、既に第1検出電極対201および第2検出電極対202が記憶されているか否かを判定する。記憶されていないと判定された場合(Noと判定された場合)には、S4に進む。なお、記憶されていないと判定される場合とは、本実施形態では、エンジン始動時または始動後の所定周期が来た時点が考えられる。S2において、既に記憶されていると判定された場合(Yesと判定された場合)、S3に進む。
S3では、記憶手段16において記憶されている、第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2を読み出す。S3において読出しが完了すると、S4に進む。
S4では、取得電極選択手段11によって静電容量を取得する2つの第1検出電極対201および第2検出電極対202が選択される。
ここで、S2において記憶手段16に記憶されていないと判定された場合には、S4において、図4における検出電極2aと検出電極2cを第1検出電極対201として選択し、検出電極2dと検出電極2eを第2検出電極対202として選択する。一方で、S2において記憶手段16に記憶されていると判定され、S3において記憶手段16から読み出した場合には、読み出した第2検出電極対202の高さ方向上方に隣接して配置される検出電極対20を新たな第1検出電極対201として選択し、選択された新たな第1検出電極対201の高さ方向上方に隣接して配置される検出電極対20を新たな第2検出電極対202として選択する。S4において第1検出電極対201および第2検出電極対202が選択されると、第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2を記憶手段16に記憶させてから、S5に進む。
S5では、S4において選択された第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2に対応して設けられたスイッチング手段Sをオンとし、導通状態とするようスイッチ手段12に信号が送信される。そして、スイッチ手段12は必要なスイッチング手段Sをオンする。S5においてスイッチング手段Sがオンされると、S6に進む。
S6では、静電容量取得手段13によって、第1検出電極対201および第2検出電極対202の静電容量値が取得される。S6において静電容量値が取得されると、静電容量取得手段13は、取得した静電容量値を記憶手段16に記憶させて、S7に進む。
S7では、静電容量比較手段14によって、取得された静電容量値が比較される。第1検出電極対201の静電容量値C1と第2検出電極対202の静電容量値C2とが異なるか否かを判定する。両者が同じであると判定された場合(Noと判定された場合)には、S8に進む。一方で、両者が異なると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S9に進む。
S8では、液面高さ判定手段15が、取得電極選択手段11に対して、新たな第1検出電極対201および第2検出電極対202を選択するよう指示信号を送信して、S2から処理を繰り返す。
S9では、燃料FEの液面高さを判定する処理が行われる。具体的な処理内容を図7および図8に基づいて説明する。本実施形態では、図4における検出電極2aおよび検出電極2cからなる第1検出電極対201と、検出電極2dおよび検出電極2eからなる第2検出電極対202においてそれぞれの静電容量値が異なる値と判定された場合を例にとって説明する(図8参照)。
まずS91において、取得電極選択手段11に対して、新たに第3検出電極対203を選択するように指示信号が送信される。そして、取得電極選択手段11によって新たに第3検出電極対203が選択される。ここで、第3検出電極対203は、すでに記憶手段16に記憶されている第1検出電極対201を構成する検出電極2のうち高さ方向上方側に位置する検出電極2と、第2検出電極対202を構成する検出電極2のうち高さ方向下方側に位置する検出電極2とで構成される検出電極対20をいう。図8でいうと、検出電極2cおよび検出電極2dとで構成される検出電極対20が第3検出電極対203として選択される。なお、第3検出電極対203は、特許請求の範囲における「重複検出電極群」に相当する。
次にS92において、選択された第3検出電極対203を構成する検出電極2に対応して設けられたスイッチング手段Sをオンするように、取得電極選択手段11からスイッチ手段12に対して指示信号が送信される。そして、スイッチ手段12は、指示信号に基づいて適切な箇所のスイッチング手段Sをオンさせ、S93に進む。
S93では、静電容量取得手段13によって、選択された第3検出電極対203の静電容量値C3が取得される。S93において静電容量値C3が取得されると、S94に進む。
S94では、記憶手段16において記憶されている第2検出電極対202の静電容量値C2が読み出される。S94において、静電容量値C2が読み出されると、S95に進む。
S95では、第2検出電極対202の静電容量値C2と、第3検出電極対203の静電容量値C3が比較される。ここで、図10に示すように、燃料FEに浸漬している検出電極対と、浸漬していない検出電極対とでは、取得される静電容量値が異なる。なぜならば、静電容量値は誘電率に比例し、燃料FEの誘電率と空気の誘電率とは異なるためである。したがって、2つの検出電極対20の静電容量値を比較することによって、どの検出電極2が燃料FEに浸漬しているか、つまり燃料FEの液面高さを推定することができる。また、検出電極対20を構成する2つの検出電極2の間の高さに燃料FEの液面が存在している場合、その検出電極対20の静電容量値は、図10に示すように、検出電極対20がどれだけの高さまで燃料FEに浸漬しているかによって変化する。したがって、一部が燃料FEに浸漬している検出電極対20と、まったく燃料に浸漬していない検出電極対20と、完全に燃料に浸漬している検出電極対20とでは、静電容量値が異なることになるため、その異同を調べることでどの検出電極対20が燃料に浸漬しているかが検出できる。
S95において、静電容量値C2と静電容量値C3が異なる値であるか否かが判定される。静電容量値C2と静電容量値C3とが同じ値であると判定された場合(Noと判定された場合)には、S96に進み、第1検出電極対201を構成する検出電極2(検出電極2aおよび検出電極2c)の間の高さに燃料FEの液面高さが存在していると判定する。この場合の判定原理としては、静電容量値C1と静電容量値C2が異なる値であり、かつ静電容量値C2と静電容量値C3が同じ値であるならば、第2検出電極対202を構成する検出電極2dおよび検出電極2eは燃料FEに浸漬していないこととなる。つまり、燃料FEの液面高さは第1検出電極対201を構成する検出電極2の間の高さに存在していると判定できる。
一方で、S95において、静電容量値C2と静電容量値C3とが異なる値であると判定された場合(Yesと判定された場合)には、第2検出電極対202および第3検出電極対203が配置されている高さのどこかに液面高さが存在していることとなる。そこで、さらに詳細に液面高さを判定するために、S97に進み、静電容量値C1と静電容量値C3が異なる値であるか否かを判定する。
S97において、静電容量値C1と静電容量値C3が異なる値であると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S98に進み、第3検出電極対203を構成する検出電極2(検出電極2cおよび検出電極2d)の間の高さに燃料FEの液面高さが存在していると判定する。この場合の判定原理としては、静電容量値C1と静電容量値C2が異なる値であり、かつ静電容量値C2と静電容量値C3が異なる値であり、かつ静電容量値C1と静電容量値C3が異なる値であるならば、第2検出電極対202を構成する検出電極2(検出電極2dおよび検出電極2e)は燃料FEには浸漬しておらず、かつ第1検出電極対201を構成する検出電極2(検出電極2aおよび検出電極2c)は燃料FEに浸漬していることとなる。したがって、燃料FEの液面高さは第3検出電極対203を構成する検出電極2の間の高さに存在していると判定できる。
S97において、静電容量値C1と静電容量値C3が同じ値であると判定された場合(Noと判定された場合)には、S99に進み、第2検出電極対202を構成する検出電極2(検出電極2dおよび検出電極2e)の間の高さに燃料FEの液面高さが存在していると判定する。この場合の判定原理としては、静電容量値C1と静電容量値C2が異なる値であり、かつ静電容量値C2と静電容量値C3が異なる値であり、かつ静電容量値C1と静電容量値C3が同じ値であるならば、第3検出電極対203を構成する検出電極2(検出電極2cおよび検出電極2d)および第1検出電極対201を構成する検出電極2(検出電極2aおよび検出電極2c)は燃料FEに浸漬していることとなる。したがって、燃料FEの液面高さは第2検出電極対202を構成する検出電極2の間の高さに存在していると判定できる。
S96、S98、S99のいずれかのステップにおいて、燃料FEの液面高さを判定すると、液面高さの判定ステップS9は終了し、図6のメインフローに戻る。S9において液面高さを判定すると、S10に進み、液面高さ判定手段15が、判定した液面高さに応じた表示信号を表示手段30に送信し、一連の処理フローが終了する。
なお、本実施形態における液面検出装置1、燃料タンク100、複数の検出電極2を備えたものが、特許請求の範囲における「液面検出ユニット」に相当する。
次に、本実施形態において得られる効果について説明する。
(1)本実施形態では、隣接する2つの検出電極2から構成される検出電極対20同士の静電容量値を比較することによって、燃料FEの液面高さを検出する。ここで、燃料FEに浸漬している検出電極2から構成される検出電極対20(以下、浸漬検出電極対)は、その検出電極対20がどの高さに配置されているかに依らずに、静電容量値は一定値となる。また、液体に浸漬していない検出電極(以下、非浸漬検出電極対)は、検出電極の配置高さに依らずに、浸漬検出電極対の静電容量値とは異なる値として一定値となる。そのため、隣り合う検出電極対である第1検出電極対201と第2検出電極対202とで静電容量値が異なる値となれば、第1検出電極対201と第2検出電極対202が配置されている高さに燃料FEの液面高さが存在していると判定することができる。また、本実施形態によれば、燃料タンク100の内部に収容される液体として、異なる誘電率の燃料FEが収容されたことによって、浸漬検出電極対の静電容量が変わったとしても、非浸漬検出電極対の静電容量値との違いにより液面高さを検出できるため、燃料FEの誘電率に左右されずに液面高さを検出可能となる。したがって、本実施形態によれば、燃料FEの誘電率によらずに、燃料FEの液面高さを検出できる液面検出装置1を提供することができる。
(2)静電容量値C1と静電容量値C2の2つの静電容量値を比較することのみで液面高さを検出しようとすると、第1検出電極対201および第2検出電極対202の配置されている箇所のいずれかの高さに液面が存在していると判定できるに過ぎない。いわば、検出電極対レベルの広い範囲での液面高さの検出しかできない。しかし、本実施形態では、第1検出電極対201の静電容量値C1と第2検出電極対202の静電容量値C2が異なる値を示した場合、さらに第3検出電極対203の静電容量値C3を取得して、それぞれを比較することで燃料FEの液面高さを検出する。そのため、どの検出電極の間の高さに液面が存在しているかまで検出することができ、検出電極レベルの狭い範囲での液面高さの検出が可能となる。したがって、静電容量値C1と静電容量値C2の2つの静電容量値を比較することのみで液面高さを検出する場合と比較して、高精度な液面高さの検出が可能となる。
(3)本実施形態における検出電極2を2つ内蔵して検出電極ユニット21を構成し、高さ方向Zに複数個並べて配置した検出電極ユニット21の静電容量値を比較することで液面高さを検出しようとする場合(以下、比較例)、各検出電極ユニット間の間隔は、検出電極2を並べて配置した場合の間隔よりも広くなりやすい。なぜならば、一つの検出電極2に比べて検出電極ユニット21の体格が大型化しやすいためである。そのため、液面高さの検出精度は、検出電極2を高さ方向Zに複数個並べる場合と比較して劣る。しかし、本実施形態では検出電極2を高さ方向Zに複数個並べて配置し、各検出電極間の静電容量値を比較しているため、比較例と比較して高精度な液面高さの検出が可能となる。
(4)本実施形態のように燃料タンク100が車両に搭載されていると、車両が傾斜したり旋回走行を行ったりして燃料タンク100の内部の燃料FEの液面が傾斜する場合がある。そのため、静電容量センサユニット110が、燃料タンク100の横方向Xの端部に配置されている場合、図9に示すようにわずかな液面の傾斜によっても本来浸漬しているはずの検出電極2が浸漬していない状態となってしまい、正確な液面高さの検出が困難となる。しかし、本実施形態では、静電容量センサユニット110は、横方向Xの略中央において底壁101から高さ方向Zに立設している。そのため、図9に示すように同じ液面の傾斜角であっても、横方向Xの端部に配置されている場合と比較して液面の傾斜の影響を受けにくい。したがって、横方向Xの端部に配置されている場合と比較して、燃料FEの液面が傾斜した場合でも正確に液面高さを検出することができる。
(5)検出電極2の個数に対応して接続される配線にスイッチング手段Sが設けられていない場合、一つの静電容量取得手段13によって任意の検出電極2の静電容量を取得することは困難である。そのため、各検出電極間の静電容量を取得するためには、検出電極対20のパターン数の静電容量取得手段13が必要になり、液面検出装置1の構成が複雑化する虞がある。しかし、本実施形態では、各検出電極2の個数に対応したスイッチング手段Sが設けられている。そのため、静電容量を取得したい検出電極対20を構成する検出電極2に対応したスイッチング手段Sを適宜オンして、各検出電極対の静電容量を取得することができ、一つの静電容量取得手段13が任意の検出電極対20の静電容量を取得することができる。したがって、検出電極2の個数に対応して接続される配線にスイッチング手段Sが設けられていない場合と比較して、液面検出装置1の構成を簡易化することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態と重複する部分については説明を簡略化または省略する。
第1実施形態と第2実施形態では、液面検出装置1における液面高さの検出フローが異なる。本実施形態では、図11に示すように、液面検出フローが開始されると、はじめに、第4検出電極対204、第5検出電極対205、および第6検出電極対206が選択され、それぞれの静電容量値を取得、比較する。ここで、第4検出電極対204、第5検出電極対205、および第6検出電極対206は、互いに離間した検出電極対20が選択される。なお、第4検出電極対204、第5検出電極対205、および第6検出電極対206は高さ方向Zにおいて互いに離間して配置される検出電極対20であるため、特許請求の範囲における「離間検出電極群」に相当する。また、第1検出電極対201および第2検出電極対202は、高さ方向Zにおいて連続して配置される検出電極対20であるため、特許請求の範囲における「連続検出電極群」に相当する。さらに、第4検出電極対204は、高さ方向Zにおける中間の位置に配置されているため、特許請求の範囲における「中間位検出電極群」に相当し、第5検出電極対205は、燃料タンク100において最も高い位置に配置されているため、「最高位検出電極群」に相当し、第6検出電極対206は、燃料タンク100において最も低い位置に配置されているため、「最低位検出電極群」に相当する。なお、特許請求の範囲における「中間の位置」とは、正確に中間である必要はなく、本実施形態のように、中間位置近傍に配置されている検出電極対20も含むものである。
具体的に図11に基づいて説明する。本実施形態では、第4検出電極対204として、静電容量センサユニット110の高さ方向Zにおける中間位置近傍に配置されている検出電極対20が選択される。また、第5検出電極対205として、静電容量センサユニット110の高さ方向Zにおいて最も高い最高位にある検出電極対20が選択される。また、第6検出電極対206として、静電容量センサユニット110の高さ方向Zにおいて最も低い最低位にある検出電極対20が選択される。なお、本実施形態では、第4検出電極対204として、中間位置よりも高さ方向下方に配置されている検出電極対20を選択したが、高さ方向上方に配置されている検出電極対20を選択されてもよい。また、たとえば特定の検出電極対20が中間位置をまたいでいる場合には、その検出電極対20が第4検出電極対204として選択されてもよい。
次に、本実施形態における液面高さ検出の処理フローについて図12に基づき説明する。なお、図12において、図6,7と同じ符号が付されているステップは、同一の制御を行う。S1において液面高さの検出が必要であると判定された場合(Yesと判定された場合)、S11に進む。
S11では、記憶手段16において、既に第4検出電極対204、第5検出電極対205、第6検出電極対206のいずれかが記憶されているか否かが判定される。いずれも記憶されていないと判定された場合(Noと判定された場合)には、S12に進む。一方で、いずれか一つでも記憶されていると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S23に進む。
S12では、第4検出電極対204および第5検出電極対205が選択され、S13において第4検出電極対204および第5検出電極対205を構成する検出電極2に対応して設けられたスイッチング手段Sをオンさせる。そして、S14において第4検出電極対204および第5検出電極対205のそれぞれの静電容量値C4,C5が取得される。
S14において各静電容量値が取得されると、S15に進み、静電容量値C4と静電容量値C5が異なる値か否かが判定される。S15において、静電容量値C4と静電容量値C5が同じ値であると判定された場合(Noと判定された場合)には、S16に進む。一方で、S15において、静電容量値C4と静電容量値C5が異なる値であると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S20に進み、第4検出電極対204および第5検出電極対205を構成する検出電極2が記憶手段16に記憶される。S20において各検出電極2が記憶されると、S11から処理を繰り返す。
S16では、第4検出電極対204および第6検出電極対206が選択され、S17において、第4検出電極対204および第6検出電極対206を構成する検出電極2に対応して設けられたスイッチング手段Sをオンさせる。そして、S18において第4検出電極対204および第6検出電極対206のそれぞれの静電容量値C4,C6が取得される。
S18において各静電容量値が取得されると、S19に進み、静電容量値C4と静電容量値C6が異なる値か否かが判定される。S19において、静電容量値C4と静電容量値C6が同じ値であると判定された場合(Noと判定された場合)には、S22に進み、液面は、燃料タンク100内における最高液面高さにあるか、もしくは最低液面高さにあると判定される。最高液面高さか最低液面高さのどちらに液面が存在しているかは、その他のパラメータ、例えば給油時からの車両走行距離などに基づいて判断することが考えられる。
S19において、静電容量値C4と静電容量値C6が異なる値であると判定された場合(Yesと判定された場合)には、S21に進み、第4検出電極対204および第6検出電極対206を構成する検出電極2が記憶手段16に記憶される。S20において各検出電極2が記憶されると、S11から処理を繰り返す。
S23では、第4検出電極対204、第5検出電極対205、および第6検出電極対206を構成する検出電極2のうち、記憶手段16に記憶されている検出電極2を読み出す。S23において各検出電極2を読み出すと、S2に進み、第1検出電極対201および第2検出電極対202が記憶手段16に記憶されているか否かを判定し、記憶されていない場合には、S24へ進む。一方で、記憶されている場合には、S3へ進み、記憶手段16から読み出してからS24へ進む。
S24では、複数の検出電極対20のなかから、第1検出電極対201および第2検出電極対202が選択される。S2において記憶手段16に第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2が記憶されていないと判定された場合、かつS23において第4検出電極対204および第5検出電極対205を構成する検出電極2が読み出された場合には、第1検出電極対201として第4検出電極対204として選択された検出電極対20を選択し、第2検出電極対202として第1検出電極対201の高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極対20が選択される。
また、S2において記憶手段16に第1検出電極対201および第2検出電極対202を構成する検出電極2が記憶されていないと判定された場合、かつS23において第4検出電極対204および第6検出電極対206を構成する検出電極2が読み出された場合には、第1検出電極対201として第6検出電極対206として選択された検出電極対20を選択し、第2検出電極対202として第1検出電極対201の高さ方向上方に隣接して配置されている検出電極対20が選択される。
次に、本実施形態によって得られる効果について説明する。
(1)本実施形態では、複数の検出電極対20のうち、互いに離間する検出電極対20同士(以下、離間検出電極対という)の静電容量値を比較し、そのあとで、高さ方向Zに隣接する検出電極対20同士の静電容量値を比較していくことで、燃料FEの液面高さを検出する。つまり、まず選択された2つの離間検出電極対同士の静電容量値を比較することで、2つの離間検出電極対の間の高さに液面が存在するか否かを判定することができる。そして、2つの離間検出電極対の静電容量が同じ値であるならば、選択された2つの離間検出電極対の間の高さに液面が存在していないことを判定でき、2つの離間検出電極対の間に存在している検出電極対20の静電容量を取得、比較する必要がなくなる。そのため、各検出電極対20同士の静電容量を逐一比較していく場合と比較して、短時間で液面高さを検出することができる。
(2)特に、本実施形態では、離間検出電極対として、静電容量センサユニット110の高さ方向Zにおける中間位置近傍、最も低い最低位、最も高い最高位に配置されている検出電極対20がそれぞれ選択される。そのため、たとえば6以上の検出電極対20を有する静電容量センサユニット110において、一つの検出電極対20のみを隔てて離間する2つの検出電極対20が離間検出電極対として選択される場合と比較して、より効率的に液面高さを検出することができる。
その他、第1実施形態と同様の効果を奏する。
(第3実施形態)
以下、本発明の第3実施形態について図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態および第2実施形態と重複する部分については説明を簡略化または省略する。
第1実施形態及び第2実施形態では、燃料タンク100の形状は略直方体形状であり、同じ高さだけ液面が変化した場合の容積変化率は、高さ方向Zにおいて均等であった。しかし、本実施形態では、図13,図14に示すように、燃料タンク100は、高さ方向断面が逆等脚台形状を呈しており、同じ高さだけ液面が移動した場合の容積変化率は、底壁101から高さ方向上方に向かうにしたがって大きくなる。
また、図15に示すように、隣り合う検出電極2の間隔は、高さ方向上方に向かうにしたがって、つまり同じ高さに対する容積変化率が大きくなるにしたがって次第に狭くなるように配置されている。
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
同じ高さだけ液面が移動した場合の容積変化率が小さい部分よりも、容積変化率が大きい部分のほうが、高精度な液面高さの検出が求められる。なぜならば、わずかな液面高さの変化で比較的大きく燃料量が変化するためである。しかし、すべての検出電極2の間隔を一律に狭く配置すると、必要な検出電極2の個数が増え、コストアップとなる虞がある。そこで、本実施形態では燃料タンク100において同じ高さに対する容積変化率が小さい部分よりも、容積変化率が大きい部分のほうが、検出電極2間の間隔が狭くなるように配置されている。そのため、同じ高さの液面変化に対する容積変化率が小さい部分よりも容積変化率が大きい部分のほうが、わずかな液面高さの変化を検出することができる。したがって、容積変化率が小さい部分にも、容積変化率が大きい部分における検出電極2の間隔と同じ間隔で検出電極2を配置する場合と比較して、少ない検出電極数で済むため、低コストで高精度な液面高さの検出が可能となる。
その他、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
(第4実施形態)
以下、本発明の第4実施形態について図面に基づいて説明する。なお、第1実施形態乃至第3実施形態と重複する部分については説明を簡略化または省略する。
第1実施形態乃至第3実施形態においては、2つの検出電極2からなる検出電極対20同士の静電容量を比較することで燃料FEの液面高さを検出するようにしたが、本実施形態では、図16に示すように、3つの検出電極2からなる検出電極群40同士の静電容量値を比較することで液面高さを検出する。検出電極群40を構成する検出電極2のうち、高さ方向Zにおいて両端に位置する検出電極間の静電容量値を、各検出電極群40における静電容量値とみなして互いに比較する。本実施形態では、各検出電極群40を構成する検出電極2は互いに重複しないものとして定義する。
底壁101の近傍に配置されている検出電極群40から高さ方向上方にむかって順番に、隣り合って配置される検出電極群40同士の静電容量値を比較していく。具体的な制御内容は、第1実施形態における検出電極対20同士の静電容量値の取得および比較と同様である。
高さ方向Zに連続して配置される第1検出電極群41および第2検出電極群42の静電容量値が互いに異なる値と判定された場合、その第1検出電極群41および第2検出電極群42が配置されている範囲のいずれかの高さに燃料FEの液面が存在することになる。そこで、さらに詳細に液面高さを検出するために、第1検出電極群41および第2検出電極群42を構成する複数の検出電極2を、高さ方向下方側から順番に検出電極対20として再定義し、各検出電極対20同士の静電容量値を比較していく。具体的な静電容量値の比較と液面高さの検出は第1実施形態に記載のものと同様である。
次に、本実施形態において得られる効果について説明する。
たとえば6つの検出電極2を2つずつのまとまりとして検出電極対20を定義し、検出電極対20同士の静電容量値を比較していく場合、静電容量値を取得し比較するという一連の制御を3回行う必要がある。しかし、本実施形態のように3つずつのまとまりとして検出電極群40を定義し、検出電極群40同士の静電容量値を比較していけば、同じ制御が2回で済む。そして、異なる静電容量値を示す2つの検出電極群40を構成する複数の検出電極2を、高さ方向下方側から順番に検出電極対20として再定義し、各検出電極対20同士の静電容量値を比較していけば、詳細な液面高さを検出できる。したがって、検出電極対20同士の静電容量値を逐一比較していく場合と比較して、精度を落とすことなく短時間で液面高さの検出が可能となる。
その他、第1実施形態乃至第3実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
・上記実施形態においては、静電容量センサユニット110を燃料タンク100の横方向Xにおける略中央に配置するようにしたが、配置はこれに限られない。たとえば、図17に示すように、横方向Xにおける略両端において高さ方向Zに立設するように配置し(上下静電容量センサユニット110a、110b)、燃料タンク100の底面に沿うように配置(底面静電容量センサユニット110c)させてもよい。この場合の液面高さの検出は、上下静電容量センサユニット110a、110bで検出される液面高さと、底面静電容量センサユニット110cで検出される液面高さに基づいて検出される。たとえば、図17に示す液面FLの場合、上下静電容量センサユニット110aおよび底面静電容量センサユニット110cは一部が燃料FEに浸漬しており、上下静電容量センサユニット110bは全く燃料FEに浸漬していない。したがって、それらの情報をもとに、予め記憶された各静電容量センサユニットが検出する液面高さと燃料量の関係を示すマップを用いて燃料FEの残量を検出してもよい。そうすれば、液面が傾斜している場合であっても、燃料FEの残量を検出することができる。
・上記第1実施形態では、第1検出電極対201および第2検出電極対202は、底壁101に近い側から高さ方向上方に向かって順番に選択されていくようにした。しかし、天壁103に近い側から高さ方向下方に向かって順番に選択されていってもよい。
・上記第2実施形態では、離間検出電極対として、静電容量センサユニット110の高さ方向Zにおける中間位置近傍、最も低い最低位、最も高い最高位に配置されている検出電極対20がそれぞれ選択されるようにした。しかし、離間検出電極対の選択は、これに限られない。たとえば、走行距離などのパラメータに基づいて液面が存在するであろう大凡の範囲を推定し、その範囲における高さ方向両端の検出電極対20を離間検出電極対として選択してもよい。
・上記第3実施形態においては、燃料タンク100において同じ高さだけ液面が移動した場合の容積変化率が小さい部分よりも、容積変化率が大きい部分のほうが、検出電極2間の間隔が狭くなるように配置した。しかし、同じ高さに対する容積変化率が小さい部分よりも、容積変化率が大きい部分のほうが、検出電極2間の間隔が広くなるように配置されていてもよい。また、燃料タンク100の形状が、同じ高さに対する容積変化率が位置によって異なるものであっても、各検出電極2の間隔を等間隔にしてもよい。また、各検出電極2を隙間なく配置してもよい。当然、隙間なく配置したほうが、隙間がある場合と比較して検出精度は向上する。
・上記第3実施形態においては、高さ方向上方にむかうにしたがって、検出電極2の間隔が徐々に狭くなるようにしたが、図18に示すように、所定数のまとまりごとに検出電極2の間隔が変わるようにしてもよい。
・上記実施形態においては、2つの検出電極対20の静電容量値が異なった場合にその検出電極対20が配置されている高さに液面が存在すると判定している。しかし、たとえば底壁101に近い側から高さ方向上方に向かって順番に、隣り合う検出電極対20同士の静電容量値を比較していき、所定回数比較したことをトリガとして(それまでに液面高さを検出できていないことをトリガとして)、天壁103に近い側から高さ方向下方に向かって順番に、隣り合う検出電極対20同士の静電容量値を比較していくようにしてもよい。この場合、天壁103に近い側から順番に選択された検出電極対20同士の静電容量値を所定回数比較したことをトリガとして(それまでに液面高さを検出できていないことをトリガとして)、未だ比較されていない検出電極対20が配置されている高さに液面が存在すると判定してもよい。つまり、検出電極対20同士の静電容量値が同じであることをもって液面高さを検出するようにしてもよい(図19参照)。
・隣り合う検出電極対20もしくは検出電極群40の静電容量値を比較し、互いに異なる値となった場合に、各検出電極対20もしくは各検出電極群40において高さ方向両端に配置されている検出電極2の間の高さに液面が存在すると判定して、液面検出フローを終了してもよい。
・上記実施形態では、検出電極2の配置は、高さ方向Zに並ぶように配置されているが、これに限られず、例えば図20に示すように、所定高さ未満の検出電極2と所定高さ以上の検出電極2が異なる位置に配置されていてもよい。このとき、横方向Xにおける一方の端部に複数のベース111が配置されて、各ベース111に検出電極2が配置されているようにしてもよいし(図20参照)、1つのベース111において奥行き方向Yに段違いに検出電極2を配置してもよい。特許請求の範囲における「高さ方向に配置」とは、高さ方向Zに並んで配置されている必要はなく、上記のような配置であってもよい。
・記憶手段16は選択された各検出電極対20を構成する検出電極2および各静電容量値を蓄積して記憶していってもよいし、上書きして格納していってもよい。
・燃料タンク100の形状は上記実施形態に限られない。また、特許請求の範囲における「容器」は燃料タンクに限られず、その他液体を収容する容器であれば液面検出装置1は適用可能である。たとえば、ラジエータの冷却水を貯留するリザーバタンクなどに適用してもよい。
・上記実施形態では、液面検出フローを実行する条件として、エンジン始動時や所定周期ごとに実行する場合を挙げたが、常時、液面検出フローを実行するようにしてもよい。
・上記実施形態では、記憶手段16は各検出電極2の配置高さを記憶しているが、配置高さ情報としては、各検出電極間の配置間隔を記憶して、その情報から各検出電極2の配置高さを算出してもよい。