以下では、例示的な(exemplary)実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
以下に説明される複数の実施形態は、独立に実施されることもできるし、適宜組み合わせて実施されることもできる。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を有している。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し、互いに異なる効果を奏することに寄与する。
[はじめに]
はじめに、本発明の例示的な実施形態に関連する技術が示される。
上述のとおり、発明者によって特許文献1のような背景技術の問題点が見出された。この問題点について、以下にて具体的に示される。
ネットワーク内の任意の無線端末間での通信における通信帯域や遅延といった通信品質(通信性能)は、どの無線端末にどのチャネルを割り当てるかに依存して変わる。例えば、特定のチャネルを多くの無線端末に割り当てると、そのチャネルが割り当てられている単一の無線端末あたりの利用できる帯域が減少する。これら帯域が減少した無線端末がボトルネックとなり、ネットワーク全体の性能低下を招く。また、運用時の無線端末の配置の仕方によっては、一部の無線端末にトラフィックが集中することがある。トラフィックが集中するような無線端末が広い帯域を利用できるようにするためには、それらの無線端末が使用するチャネルを少数の無線端末のみが利用することが望まれる。
このように、高性能(広い通信帯域、低遅延)な通信を実現する通信チャネルの割り当て方は、無線端末の位置や移動の仕方、電波環境などネットワークを運用している際の状況にも依存する。そのことから、高性能な通信を実現するためには、運用中に動的に無線端末の通信チャネルを変更しながら、通信性能を向上させることが望まれる。
しかし、異なる単一の通信チャネルを用いる端末間では直接通信をすることができない。このため、運用中に動的に無線端末の通信チャネルを変更すると、それまで同じチャネルで通信を行っており通信可能であった隣接端末と通信不可能になる。そのことから、チャネルを変更した無線端末が、通信不可能となった元の隣接端末と行っていた通信は、新たな隣接端末、つまり、別の経路を用いて行わなければならない。すなわち、チャネル変更により通信不可能となった隣接無線端末間を流れていたトラフィックは別の経路に流してやる必要がある。そのため、チャネルを変更した無線端末のみならず、その無線端末を経由して通信を行っていた全ての無線端末で、新たに経路を計算し終わるまで、それまで行っていた通信が断絶される。
以上のように、ネットワークの運用中に通信性能を向上させるようなチャネルの変更を行うと、多くの無線端末の上位レイヤの通信へ悪影響(通信の断絶)を及ぼすことを、発明者は見出した。
また、発明者によって別の問題点も見出された。具体的には、ネットワークの性能向上を目的とした通信チャネルの変更によって、エンドエンド間の通信経路がより迂遠なものとなり、通信性能(通信帯域、通信遅延)を逆に悪化させるおそれがあることを、発明者は見出した。以下、図1A及び図1Bを用いて、具体例が示される。
図1A及び図1Bは、チャネル変更による通信性能悪化例を示す。
図1Aは、無線端末a〜eがチャネルch1〜ch3を用いて通信するネットワーク構成を示す。
無線端末cおよびeは無線インタフェースを複数そなえる。この無線インタフェースを用いて、無線端末cおよびeは、複数のチャネルで同時に通信が可能である。ここでは、無線端末aとbの間で頻繁に通信が行われていると仮定する。このとき、無線端末a-b間の通信経路はa-c-bである。この状態において、ch2が輻輳状態になったと仮定する。この場合、ch2内の少なくとも一つの無線端末を別のチャネルで通信させることで、この輻輳状態を改善することが望まれる。
しかし、もし図1Bのように無線端末aをch3で通信させるようにした場合、無線端末aと無線端末bとの間の通信経路はa-e-d-c-bとなる。図1Aの状態と比較して、図1Bの状態では、多くの無線端末を経由して通信を行わなければならない。そのため、無線端末a-b間の通信遅延は増大する。また、経由する無線端末e, d ,cにおける通信帯域が圧迫される。
このようにチャネル割り当てに基づく性能向上は、個々の無線端末または、直接通信を行う無線端末間の通信リンクにおける通信性能の向上に着目しており、上位レイヤにおけるエンドエンド間の通信性能は考慮されていない。そのため、特定の無線端末の通信チャネルを変更することに伴い、経路の迂回が生じてしまい、遅延の増大や迂回時の余分なトラフィックによるスループットの低下を招くおそれがある。そのため、通信チャネル変更による通信性能向上の恩恵は限定的なものである点を、発明者は指摘する。
[例示的な第1の実施形態]
[全体構成]
図2は、第1の例示的な実施形態におけるネットワーク構成を示す。
図2において、本実施形態の無線通信ネットワークは、複数の無線端末A1の集合である。各無線端末は、少なくとも一つの通信チャネルを選択する。其々の無線端末は、選択したチャネルを用いて同じチャネルを選択している近隣の別の無線端末と通信を行う。すなわち、同じチャネルを選択している無線端末群B1、B2、B3が構成される。1つの無線端末群に含まれる無線端末間の通信は、Time Division Multiple Access (TDMA)やCarrier Sense Multiple Access(CSMA)などの既存の多元接続制御を用いる。これにより、無線端末は、他の無線端末と衝突を起こさず、他の無線端末とチャネルを共有しながら通信を行う。そのため、無線端末群内の無線端末が多いほど、無線端末群内の単一の無線端末あたりの通信帯域は減少する。
各無線端末群内には、無線端末A’1のように複数のチャネル(ch2及びch3)を選択する無線端末(チャネル間中継端末)が存在している。無線端末A’1のような無線端末(チャネル間中継端末)が、異なるチャネルを選択している無線端末群(例えばB1、B2)の間の通信を中継する。本実施形態ではチャネル間中継端末A’1は、無線インタフェースを複数備える。それぞれの無線インタフェースに異なる通信チャネルを割り当てることで、複数のチャネルでの通信が可能となっている。これは、単一の無線インタフェースを時間的に切り替えることによって、複数のチャネルでの通信を可能に構成してもよい。なお、図2では、チャネル数を3とし、複数のチャネルを選択する無線端末数を2としているが、これらは一例であり、この数に限定されない。また、本実施形態では、チャネル間中継端末A’1は、予め決められているものとして示された。チャネル間中継端末A’1は、運用中に動的に決定されてもよい。
[構成]
図3は、第1の例示的な実施形態における無線端末の構成を示す。
図3において、無線端末A1は、無線通信部A111、重要性推定部A112、混雑推定部A113、通信チャネル決定部A114、情報記憶部A115を備える。
図4は、第1の例示的な実施形態におけるチャネル間中継端末の構成を示す。
図4において、チャネル間中継端末A’1は、単一チャネル処理部A’11、A’12、チャネル間トラフィック処理部A’106を備える。
単一チャネル処理部A’11及びA’12は、それぞれ、チャネル間中継端末A’1が持つ別々の無線インタフェースに対応する。すなわち、無線インタフェースそれぞれにつき単一チャネル処理部が存在する。ここで、本実施形態では、チャネル間中継端末A’1は、二つの無線インタフェースを持つものとして示される。無線インタフェースは、二つに限られない。チャネル間中継端末A’1が、2つ以上の無線インタフェースに対応する単一チャネル処理部(無線インタフェースと同数)を、備えることができる。これら単一チャネル処理部は、図4に示される構成と同様に、チャネルトラフィック処理部A’106を介して無線通信部同士が接続されるよう構成される。
単一チャネル処理部A’11、A’12の内部構成は、無線端末A1と同じである。単一チャネル処理部のそれぞれの構成要素は、無線通信部を除き、無線端末A1の同名の構成要素と同じ動作をする。
単一チャネル処理部A’11、A’12内の無線通信部A’111、A’121は、無線端末A1の無線通信部A111で行われる処理に加え、異なるチャネル間でのトラフィックの転送を実現するための処理を行う。図4の例では、単一チャネル処理部A’11の無線通信部A’111と、他方の単一チャネル処理部A’12の無線通信部A’121とが、チャネル間トラフィック処理部A’106を介してトラフィックのやり取りを行う。また、チャネル間トラフィック処理部A’106は、無線端末A1と比較し、チャネル間中継端末A’1特有の構成要素である。
無線通信部A1、A’111、A’121は、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124において決定された通信チャネルまたは初期状態で選択している通信チャネルを用いて、あらかじめ計算された経路に基づき、他の無線端末との通信を行う。
また、無線通信部A1、A’111、A’121は、重要性推定部A112、A’112、A’122、混雑推定部A113、A’113、A’123のそれぞれに対し、自無線端末が送受信するトラフィックの内容(L3宛先及び送信元アドレス、L2宛先及びL2送信元アドレス、メッセージの種類)を通知する。また、無線通信部A1、A’111、A’121は、重要性推定部A112、A’112、A’122または混雑推定部A113、A’113、A’123から制御信号を通知され、通知された制御信号を決められた宛先へと送信する。
チャネル間中継端末A’1において、異なるチャネル間のトラフィックの転送を行う際には、ある単一チャネル処理部A’11、A’12内の無線通信部A’111、A’121が、チャネル間トラフィック処理部を介して、別の単一チャネル処理部A’11、A’12内の無線通信部A’111、A’121へトラフィックを転送する。
重要性推定部A112、A’112、A’122は、自無線端末が通信チャネルを変更することが好まれない重要な無線端末であるか否かの推定を行う。この推定の結果は、重要性情報として、情報記憶部A115、A’115、A’125に保存される。重要な無線端末とは、例えば、自無線端末が選択しているチャネルとは異なるチャネルを選択している無線端末と、自無線端末との間の通信トラフィックを高頻度で転送する無線端末である。例えば、図2における無線端末群B3内の無線端末と無線端末群B1内の無線端末との間の通信トラフィックを、高頻度で転送するような無線端末群B2内の無線端末が、重要な無線端末であるとする。なお、初期状態で重要性情報は、自端末が重要でないことを示してもよい。
無線端末は、重要性推定部による自端末が重要な無線端末であるか否かの推定に基づき、自端末がチャネルを変更したときに多大な影響を与える重要な端末であるか否かを判断する。
以下では、重要性推定部A112、A’112、A’122で行われる重要な無線端末の具体的な推定方法が示される。
重要な無線端末であるか否かの推定は、各無線端末に自端末が重要な無線端末であるかを判断するための値(重要度)を情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させ、この値を活用することで実現する。具体的には、重要度が、異なるチャネル間のトラフィックを転送した量に応じて増減する。例えば、重要度があらかじめ決められたある閾値以上である時に、自端末は、自端末が重要な無線端末であると判断する。本実施形態では、この閾値はあらかじめ決められた固定の値とするが、他の方法で決められた値を用いてもよい。例えば、同じチャネルを選択する無線端末群内の無線端末や、自無線端末から決められたホップ数内にいる無線端末など、決められた範囲内の無線端末と重要度を交換し、交換した重要度に基づいて閾値を決めてもよい。また、後述する混雑推定部A113、A’113、A’123における処理で取得されるトラフィック量に基づいて閾値を決定してもよい。
各無線端末において、自端末が転送するトラフィックが異なるチャネル間のトラフィックであるかを判断する方法について示される。なお以降において、IPアドレスなどのネットワーク層のアドレスをL3(レイヤ3)アドレス、MACアドレスなどのデータリンク層のアドレスをL2(レイヤ2)アドレスと呼ぶ。異なるチャネル間のトラフィックであるか否かの判断は、トラフィックに含まれる宛先L3アドレスと、送信元L3アドレスの無線端末が選択しているチャネルの双方が、自端末が選択しているチャネルと異なる場合に、異なるチャネル間のトラフィックと判断することによって実現できる。
本実施形態において、チャネル間中継端末A’1のチャネル間トラフィック処理部A’106が、トラフィックに付加または新たに送信される情報をもとに転送したトラフィックに含まれる宛先L3アドレス、送信元L3アドレスの無線端末の使用チャネルが自無線端末のチャネルと異なることを把握する。その情報に基づき、以降受信したトラフィックにおいて、宛先L3アドレスの無線端末と送信元L3アドレスの無線端末とによって選択されるチャネルが、自無線端末の選択しているチャネルと異なるか否かを判断する。
各無線端末の重要性推定部A112、A’112、A’122は、チャネル間トラフィック情報を含むトラフィックを受信したとき、その宛先L3アドレスおよびそのトラフィックを転送してきた隣接する無線端末のアドレスを組にして転送トラフィック情報として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。チャネル間トラフィック情報は後述するチャネル間中継端末A’1のチャネル間トラフィック処理部A’106において付加される。このようなトラフィックを受信したことは、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィック情報を参照することでわかる。さらに、送信元L3アドレスを、他チャネルアドレス情報として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。
また、ある無線端末が宛先他チャネル信号を受信した場合は、宛先他チャネル信号に含まれる宛先L3アドレスを、他チャネルアドレス情報として自端末の情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。宛先他チャネル信号は後述するチャネル間中継端末のチャネル間トラフィック処理部A’106において、生成、送信される信号である。宛先他チャネル信号は、過去に転送されたトラフィックに含まれる宛先L3アドレスが異なるチャネルの端末のものであることを示す信号である。この信号を受信したことは、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィック情報を参照することでわかる。さらに、自端末の情報記憶部A115、A’115、A’125に含まれる転送トラフィック情報を参照し、宛先他チャネル信号に含まれる宛先L3アドレスと同一の宛先L3アドレスを持つ組を取得し、取得した組の中に含まれる全ての隣接する無線端末のアドレスに向け宛先に宛先他チャネル信号を送信する。
なお、各無線端末は使用するチャネルを変更することがあるので、今まで異なるチャネルを選択していた無線端末が同じチャネルになることがある。そのことから、他チャネルアドレス情報にタイムスタンプを付け加えておき、予め決められた一定時間以上過去の他チャネルアドレス情報を削除してもよい。
さらに重要性推定部A112、A’112、A’122が無線通信部A111、A’111、A’121から任意のトラフィックを受信したことを通知された場合において、重要性推定部A112、A’112、A’122は、そのトラフィックの送信元L3アドレスおよび宛先L3アドレスが、自端末の情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶された他チャネルアドレス情報に含まれるかどうかを確認する。送信元L3アドレスおよび宛先L3アドレスが他チャネルアドレス情報に含まれる場合において、重要性推定部A112、A’112、A’122は、それらのアドレスの無線端末が異なるチャネルを選択していると判断する。
送信元L3アドレスおよび宛先L3アドレスの無線端末が異なるチャネルを選択していると判断された場合、重要性推定部A112、A’112、A’122は、受信したタイムスタンプを他チャネルトラフィック転送情報として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。その上で、情報記憶部A115、A’115、A’125内に保存される他チャネルトラフィック転送情報の中の過去のある予め決められた一定時間内の他チャネルトラフィック転送情報の数が、自無線端末の重要度とされる。その重要度がある閾値以上であるとき、情報記憶部A115、A’115、A’125の重要性情報を自端末が重要な無線端末であるとして更新する。重要度が閾値以上でないとき、情報記憶部A115、A’115、A’125の重要性情報を自端末が重要な無線端末でないとして更新する。
なお、本実施形態では、重要度は、端末が転送した異なるチャネル間の信号の数としているが、転送した正味のトラフィック量が重要度とされてもよい。その場合には、送信元L3アドレスおよび宛先L3アドレスの無線端末が異なるチャネルを選択していると判断するたびに、そのトラフィックのデータ量をタイムスタンプとともに、他チャネルトラフィック転送情報として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。過去のある予め決められた一定時間内の他チャネルトラフィック転送情報のデータ量の和を、自無線端末の重要度とすることができる。また、重要度の更新は、予め決められた一定時間ごとに行ってもよい。
チャネル間中継端末A’1のチャネル間トラフィック処理部A’106の処理について示される。
ある単一チャネル処理部A’11、A’12の無線通信部A’111、A’121から、異なるチャネルへ転送するトラフィックが通知されたときに、チャネル間トラフィック処理部A’106は、別のチャネルから送られてきたものであることを示す情報(チャネル間トラフィック情報)をそのトラフィックに付加する。チャネル間トラフィック処理部A’106は、このチャネル間トラフィック情報を、転送先のチャネルに対応する単一チャネル処理部A’11、A’12の無線通信部A’111、A’121へ通知する。
なお、無線通信部A’111、A’121から通知されたトラフィックにすでにチャネル間トラフィック情報が付加されていた場合には、チャネル間トラフィック処理部A’106は、何も情報を付加せず、無線通信部A’111、A’121に通知し、転送させる。
また、チャネル間トラフィック情報が付加されているトラフィックを受信し、それを別のチャネルへ転送する際には、チャネル間トラフィック処理部A’106は、宛先他チャネル信号を生成し、チャネル間トラフィック情報を持つトラフィックを転送してきた隣接する無線端末へと送信する。ここで、宛先他チャネル信号には、チャネル間トラフィック情報をもつトラフィックの宛先L3アドレスを含ませておく。なお、トラフィックを転送してきた隣接する無線端末はトラフィックに含まれるL2アドレスからわかる。
本実施形態では、チャネル間中継端末A’1において、あるチャネルから別のチャネルへ転送される全てのトラフィックに対し、チャネル間トラフィック情報を付加するものとするが、ネットワークへの負荷を軽減するために、一部のトラフィックに限定してもよい。
本実施形態では、チャネル間中継端末A’1が付加する情報(チャネル間トラフィック情報)または送信する情報(宛先他チャネル信号)に基づいて、各無線端末のチャネル情報を収集し、宛先L3アドレスと送信元L3アドレスの無線端末が選択しているチャネルが異なることの判断を実現している。しかし、これは他の方法により実現してもよい。
例えば、任意の無線端末間での通信を行うための経路計算を行う際に、各無線端末のアドレスに対応して、その無線端末が選択しているチャネルの情報を付加して経路計算のための制御情報の交換を行う。そうすると、各無線端末が任意のトラフィックを転送する際に、それが異なるチャネル間を流れるトラフィックであることを経路のアドレスに対応付けられているチャネル情報から判断できる。この方法では経路計算と、各無線端末が使用するチャネルの情報の収集を同時に行うことができる。
混雑推定部A113、A’113、A’123は、自無線端末と同じチャネルを選択している無線端末群の中の重要な無線端末が混雑状態にあるかを推定する。混雑状態にある場合には、混雑推定部A113、A’113、A’123は、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124に、混雑状態にあることを通知する。混雑推定部A113、A’113、A’123は、重要性推定部A112、A’112、A’122により算出され情報記憶部A115、A’115、A’125に保存されている重要性情報に依存し処理が異なる。すなわち自無線端末が重要な無線端末である場合と、重要な無線端末でない場合で処理が異なる。
自無線端末が重要な無線端末である場合、混雑推定部A113、A’113、A’123は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知される自無線端末が送信するトラフィックのデータ量を情報記憶部A115、A’115、A’125に保存する。混雑推定部A113、A’113、A’123は、自無線端末が何らかのトラフィックを送信するごとに、過去の予め決められた一定時間内の総トラフィック量を計算する。この総トラフィック量が予め決められた閾値以上であるとき、自無線端末が混雑状態にあると判断する。自無線端末が混雑状態にあると判断されるときは、同じチャネルを選択している無線端末に対し、無線通信部A111、A’111、A’121より混雑通知信号を送信する。本実施形態において、この信号は、同じチャネルを選択している全ての無線端末に対して送信されるが、特定のホップ数内の無線端末に対してのみ送信するなど、限定された範囲内にのみ送信されてもよい。
本実施形態では、前述のように自無線端末の送信するトラフィック量に基づき混雑状態にあるかを判断しているが、これは、他の方法を用いて決めてもよい。例えば、自端末の受信するトラフィック量や、無線通信部A111、A’111、A’121における通信での信号の衝突回数や、選択しているチャネルの帯域使用率、任意の無線端末間での通信におけるパケットロス率などに基づいて決めてもよい。
自無線端末が重要な無線端末でない場合に、無線通信部A111、A’111、A’121において混雑通知信号を受信すると、自無線端末と同じチャネルを選択している無線端末群の中の重要な無線端末が混雑状態にあると判断し、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124に重要な無線端末が混雑状態にあることを通知する。
通信チャネル決定部A114、A’114、A’124では、混雑推定部A113、A’113、A’123から混雑状態にあることを通知されたときに、自無線端末が通信するチャネルを決定し、無線通信部A111、A’111、A’121に通知する。通信チャネルの決定は、現在使用しているチャネルを除く使用可能なチャネルを選ぶものとする。本実施形態では、現在使用しているチャネルを除く使用可能なチャネルの中から無作為に選ばれるものとする。無作為な選択は、端末の時刻などに基づいて生成された乱数系列を用いることで実現できる。
なお、チャネルの選択は他の方法で実現してもよい。予め決められた特定のチャネルを選んでもよいし、周囲のチャネルの利用状況を監視する機能を無線通信部A111、A’111、A’121にもたせ、周囲のチャネルの利用状況に基づき、他の無線端末が利用しているチャネルを選んでもよい。また、無線通信部A111、A’111、A’121を用いて使用可能な他のチャネルを監視し、混雑推定部A113、A’113、A’123において発信される混雑通知信号が一定時間受信されなかったチャネルを選択してもよい。さらに、チャネルを選択する際に、過去のある決められた時間内に自端末が選択していたチャネルは選択しないものとしてもよい。こうすることで、無線端末があるチャネルから別のチャネルに変更したのち、変更先のチャネルも混雑していたため、再度チャネルを変更しようとする場合に、元のチャネルを選んでしまうことを防ぐことができる。
また、無線端末が使用するチャネルを通信チャネル決定部により決定されたチャネルに変更することで、変更前のチャネルを使用する無線端末の数が減り、変更前のチャネルにおける混雑が緩和される。
情報記憶部A115、A’115、A’125は重要性推定部A112、A’112、A’122から通知される重要性情報、他チャネルアドレス情報、転送トラフィック情報、他チャネルトラフィック転送情報を記憶する。これらは重要性推定部A112、A’112、A’122、混雑推定部A113、A’113、A’123でそれぞれ参照される。
[動作]
次に、図5〜図8を参照して、上位レイヤへ通信途絶の影響を及ぼす無線端末数を抑制し、通信性能を向上させる動作が示される。図2に示されるように、各無線端末が既に一つ以上のチャネルを選択しており、上位レイヤが通信を行うための経路設定も完了している状態からの動作について説明する。
図5に示される様に、本実施形態の動作は、重要端末推定処理S1、重要端末の混雑推定処理S2、通信チャネル決定処理S3からなる。
重要端末推定処理S1において、各無線端末は重要性情報D1を算出する。
重要端末の混雑推定処理S2において、重要性情報D1に基づき各無線端末は自端末の選択しているチャネルの重要な端末が混雑状態にあるかを推定する。
その後、重要な端末が混雑状態でなく、かつ自端末が重要な端末でない場合には、チャネル決定処理S3において自端末が通信で使用するチャネルを決定する。以降、各処理の詳細を説明する。
重要端末推定処理S1は、図3または4に示される各無線端末の重要性推定部A112、A’112、A’122とチャネル間トラフィック処理部A’106が適宜信号をやり取りしながら動作する。図6に重要性推定部A112、A’112、A’122の、図7にチャネル間トラフィック処理部A’106の重要端末推定処理S1における動作がそれぞれ示される。
まず、重要性推定部A112、A’112、A’122での、重要端末推定処理S1における動作を説明する。
S11において、各無線端末A1は、トラフィックの監視処理を行う。重要性推定部は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィックを受け取る。このトラフィックの送信元のアドレスと宛先のアドレスがともに情報記憶部A115、A’115、A’125の他チャネルアドレス情報に含まれている場合、S12が実行される。
S12において、異なるチャネルのトラフィックを転送したことを示す他チャネルトラフィック転送情報D2を情報記憶部A115、A’115、A’125へ記憶させる記憶処理が行われる。
その後、S13において、重要性情報D1の更新処理が行われる。
S11において、受け取ったトラフィックの送信元、宛先のアドレスの少なくともどちらか一方が他チャネルアドレス情報に含まれていない時、そのトラフィックが、チャネル間トラフィック情報が付加されたトラフィックM2であるかを調べる。
チャネル間トラフィック情報が付加されている場合には、他チャネルアドレス情報の記憶処理S14において、他チャネルアドレス情報D3を情報記憶部A115、A’115、A’125へと記憶させる。
チャネル間トラフィック情報が付加されていない場合、通知されているトラフィックが宛先他チャネル信号M1であるならば、他チャネルアドレス情報の記憶処理S15において、宛先他チャネル信号M1に含まれるアドレスを他チャネルアドレス情報D3として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。
その後、S16で宛先他チャネル信号を他チャネルトラフィック転送情報D2に送信元としてアドレスが含まれる近隣無線端末へと無線通信部A111、A’111、A’121により送信する。
図7は、第1の実施形態でのチャネル間トラフィック処理部における重要端末推定処理の動作を示す。
チャネル間トラフィック処理部A’106での、重要端末推定処理S1における動作を説明する。
チャネル間トラフィックの監視処理S’11において、チャネル間トラフィック処理部A’106は、無線通信部A111、A’111、A’121からチャネル間を転送されるトラフィックを受け取る。通知されたトラフィックがチャネル間トラフィック情報が付加されたトラフィックM2である場合、チャネル間トラフィック処理部A’106において宛先他チャネル信号M1の送信処理S’12を行う。この処理では、宛先他チャネル信号M1が生成される。チャネル間トラフィック情報が付加されたトラフィックM2の送信元の近隣無線端末へ、宛先他チャネル信号M1を送信する。
チャネル間トラフィックの監視処理S’11において、通知されたトラフィックがチャネル間トラフィック情報が付加されたトラフィックM2でない場合は、チャネル間トラフィック情報付加処理S’13において、そのトラフィックに対し、チャネル間トラフィック情報を付加する。チャネル間トラフィック情報が付加されたトラフィックM2は無線通信部A111、A’111、A’121により転送される。
混雑推定処理S2は、図3、図4に示される混雑推定部A113、A’113、A’123により行われる。
図8は、混雑推定処理の動作を示す。
まず重要性判断処理S201において、重要性端末推定処理S1において求められる重要性情報D1に基づき、自端末が重要であるかを判断し、自端末が重要である場合には、自端末が混雑状態にあるかの判断と他端末への通知を行う。自端末が重要でない場合には、混雑であることを通知する信号の受信待ちが行われる。詳細な動作は次のとおりである。
自端末が重要であると判断される場合の処理は、トラフィック量の計算処理S211と混雑信号送信処理S212からなる。
まずトラフィック量の計算処理S211において、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィックに基づき、自端末のトラフィック量が計算される。
次にそのトラフィック量が閾値以上である場合に、混雑通知信号送信処理S212を行う。混雑通知信号送信処理S212では、混雑通知信号を生成し、無線通信部A111、A’111、A’121からそれを同じチャネルを使用している他の端末へと送信する。
自端末が重要でない場合の処理は、混雑通知信号監視処理S221と、混雑認識処理S222からなる。混雑通知信号監視処理S221において、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィックを監視する。通知されたトラフィックが混雑通知信号M3である時、自端末の選択しているチャネルにおける重要な端末が混雑状態である判断し、混雑認識処理S222において、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124に、混雑状態であると判断したことを通知する。
通信チャネル決定処理S3は、通信チャネルにおいて、自端末が重要な端末でなくかつ混雑状態であると判断されたときのみ行われる。情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶される重要性情報D1により、自端末が重要な端末でないと判断されかつ混雑推定部A113、A’113、A’123より混雑状態にあると通知されたときに、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124において無線通信で使用するチャネルの決定を行う。
本実施形態によれば、ネットワークの運用中に、無線端末の通信に使用するチャネルを適切に変更し通信性能を向上させることができる。
また、ネットワーク運用中に、上位レイヤで通信帯域や通信遅延といった通信性能を向上させ、かつ上位レイヤでの通信途絶が生じる無線端末数を抑制することができる。その理由は、本発明では、チャネルを変更すると広い範囲に多大な影響を与えるような無線端末を重要な端末として識別し、チャネルが混雑すると、その端末以外の端末がチャネルを変更するためである。重要でない端末のみが通信チャネルを変更するため、通信途絶が生じる無線端末数が抑制される。また、チャネルが混雑している場合に重要でない端末がチャネルを変更することで、混雑が緩和される。
また、本実施形態によれば、送信元端末の使用チャネルと宛先端末の使用チャネルとの双方が自端末の使用チャネルと異なるようなトラフィックを数多く転送するような端末が、重要な端末であるとしている。このような端末は、通信が混雑してもチャネルを変更しない。また、重要な端末の通信が混雑する場合には、重要でない端末がチャネルを変更する。このため、あるチャネルを選択している無線端末にトラフィックが集中しているときに、重要でない端末がチャネルを変更することで、そのチャネルにおける混雑を軽減し、ネットワークのボトルネックになりにくくできる。さらに、チャネルを変更する無線端末は、異なるチャネル間でやり取りされるトラフィックの転送量が比較的少ないため、チャネルを変更したとしても、経路を再計算しなければならないことによる通信途絶の影響は、その無線端末が選択していたチャネルを選択しているチャネル内の通信にとどまる。すなわち、チャネル変更による通信途絶の影響を限定的なものにすることが可能となる。
このように、無線端末のチャネルを切り替えることで通信帯域、通信遅延を向上させることと上位レイヤで通信途絶を発生させる端末数を抑制することの両立が困難であった課題を解決可能な無線通信チャネル選択方法を提供できる。
[第2の例示的な実施形態]
第2の例示的な実施形態において、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124が、無線端末が頻繁に通信を行う無線端末およびその端末との通信経路上の端末の使用チャネルに基づいて通信チャネルを決定する。頻繁に通信を行う無線端末と通信経路上の端末の使用チャネルを考慮して通信を行うことで、より性能向上効果が高いチャネル選択が可能となる。
[構成]
本実施形態は、第1の例示的な実施形態と同様のネットワーク構成をとる。本実施形態における無線端末A1の構成を図9、チャネル間中継端末の構成を図10に示す。
第1の例示的な実施形態と比べ、経路チャネル認識部A116、A’116、A’126が存在する点が異なる。以下、無線端末A1と、チャネル間通信端末A’1の構成のなかで第1の例示的な実施形態と処理内容が同じである部分の説明は省略する。すなわち、図9、図10に示される第2の実施形態の各構成要素は、第1の実施形態の各構成要素が持つ機能を有しているため、以降では、第1の実施形態と比べ、追加または変更となる点について説明する。
無線通信部A111、A’111、A’121は、第1の例示的な実施形態で示した処理に加え、経路チャネル認識部A116、A’116、A’126に対して、トラフィックを通知する。また、無線通信部A111、A’111、A’121は通信チャネル決定部A114、A’114、A’124により使用チャネルが変更されたのち予め決められた一定期間、使用するチャネル中の信号を監視し、何らかの信号がそのチャネルで通信されているなら、通信チャネル決定部に無線信号の存在を通知する。
経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、無線端末A1またはチャネル間中継端末A’1が、別の無線端末A1またはチャネル間中継端末A’1と高頻度に通信を行う場合、それらの端末と通信を行う際の経路上の端末が使用しているチャネルの情報を収集する。この動作は、チャネル情報を収集するための信号を、高頻度で通信する端末との間でやり取りすることで実現する。以降、詳細を説明する。
経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されたトラフィックを監視し、高頻度に通信を行う端末を調べる。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、高頻度に通信を行う端末の識別子を高頻度通信端末情報として情報記憶部A115、A’115、A’125へと記憶させる。高頻度に通信を行う端末か否かは、通信相手先の端末との通信回数に基づいて判断される。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されるトラフィックを監視する。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、宛先L3アドレスまたは送信元L3アドレスが自端末のものであるトラフィックがあると、その送信元L3アドレスまたは宛先のL3アドレスが示す端末の識別子をタイムスタンプとともに通信履歴情報として情報記憶部A115、A’115、A’125へと記憶させる。その後、経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、過去の予め決められた一定時間内の通信履歴情報を参照し、最も多くの回数、識別子が記録されている端末とその通信回数を抽出する。この通信回数があらかじめ決められた閾値以上であるなら、抽出された識別子が、高頻度通信端末情報として情報記憶部A115、A’115、A’125へと記憶させる。ここで、本実施形態では、高頻度に通信を行う端末は、通信回数に基づいて決定されたが、高頻度に通信を行う端末は、通信を行った際の正味のトラフィック量に基づいて決定されてもよい。さらに、高頻度に通信を行ったか否かを判断するための期間や閾値は、トラフィック特性に基づいて動的に変更してもよい。
次に、経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、高頻度に通信を行う端末に対し、あらかじめ決められた一定期間ごとにチャネル調査信号を送信する。この信号に対する返信(応答)の信号(チャネル調査リプライ信号)に対し、高頻度に通信を行う端末および経路上の端末は、自端末の使用チャネルの情報を付加する。これによって、使用チャネル情報の収集を実現する。以降、この処理を実現するための経路チャネル認識部A116、A’116、A’126の処理の詳細について説明する。
経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されたトラフィックを監視する。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、チャネル調査信号を受信した際、そのL3宛先アドレスが自端末である場合、チャネル調査リプライ信号を生成し、チャネル調査信号の送信元へと送信する。このときチャネル調査リプライ信号には、自端末の識別子と使用チャネルの情報を含ませる。
経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は無線通信部A111、A’111、A’121から通知されたトラフィックを監視する。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、チャネル調査リプライ信号を受信した際には、そのL2宛先アドレスが自端末であり、L3宛先アドレスが自端末でない場合、チャネル調査リプライ信号に使用チャネル情報として自端末の識別子と使用チャネルの情報を付加する。その上で、もとのチャネル調査リプライ信号の代わりに情報を付加したチャネル調査リプライ信号を無線通信部に転送させる。なお、使用チャネル情報を付加する際は、すでに付加されている使用チャネル情報の末尾に情報を付加するものとする。
経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、無線通信部A111、A’111、A’121から通知されたトラフィックを監視する。経路チャネル認識部A116、A’116、A’126は、チャネル調査リプライ信号を受信した際に、そのL3宛先アドレスが自端末であるとき、収集した経路のチャネル情報を経路上のチャネル情報として情報記憶部A115、A’115、A’125へと記憶させる。
経路チャネル認識部で行われる経路のチャネル情報の収集例を図11に示す。この図では、無線端末a〜eが存在しており、各端末は使用チャネルch1〜ch3の少なくとも一つを選択している。この中の端末a-b間が互いに頻繁に通信を行っている。なお、無線端末c、fはチャネル間中継端末であるため、複数のチャネルを使用している。このとき、まず無線端末aからチャネル調査信号M4が端末c〜fを経由し無線端末bに対して送信される。その後、それに対する返信として無線端末bが無線端末aに向けチャネル調査リプライ信号M5を送信する。このチャネル調査リプライ信号M5を転送する各端末は自端末の識別子と使用チャネルの情報を末尾に追加していく。無線端末aはチャネル調査信号M5を受信すると、無線端末bと自端末から無線端末bの間の端末の使用チャネルの情報を、無線端末bに近い順に並んだ状態で得ることができる。
なお、本実施形態では、頻繁に通信する端末との間の経路上の端末の使用チャネル情報を、チャネル調査信号およびチャネル調査リプライ信号を用いて収集しているが、これは他の方法で実現してもよい。例えば、各端末が任意の端末との通信経路を確立する際の制御情報に自端末の識別子と対応させて、自端末の使用チャネル情報を含ませることで、通信経路の確立と同時に、経路上の端末の使用チャネル情報を収集してもよい。
通信チャネル決定部A114、A’114、A’124が混雑推定部A113、A’113、A’123から混雑状態にあることを通知されたとき、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124は、自無線端末が通信するチャネルを決定し、無線通信部A111、A’111、A’121に通知する。このとき経路チャネル認識部A116、A’116、A’126が収集し、情報通信部A115、A’115、A’125へと保存した経路のチャネル情報に基づき通信チャネルが決定される。
通信チャネル決定部A114、A’114、A’124は、まず頻繁に通信を行う端末が使用しているチャネルを、自端末が使用するチャネルとする。その後、通信チャネル決定部A114、A’114、A’124は、無線通信部A111、A’111、A’121からの無線信号の存在の通知を待つ。何らかの無線信号の存在が通知された場合には、近隣にそのチャネルを使用している端末が存在すると通信チャネル決定部が判断し、以降も、そのチャネルを使用チャネルとする。チャネル変更後予め決められた一定時間経過しても、無線通信部A111、A’111、A’121から何も通知されない場合には、通信チャネル決定部は、そのチャネルを使用している端末が近隣に存在しないものと判断する。その場合には、経路のチャネル情報の中で頻繁に通信する端末により近い位置の端末が使用しており、かつ通信チャネル決定処理を開始してからまだ選択していないチャネルが選択される。以降、無線信号の通知待ちと、無線信号の存在が通知されない場合にはチャネルの変更とが、近隣に同じチャネルを使用する端末がいるチャネルを選択するか、または、自端末がもともと使用していたチャネルを選択するまで繰り返される。
例えば、図11に示されるチャネル信号リプライ信号を無線端末aが受信した後の通信チャネル決定部A114、A’114、A’124の動作は以下の通りとなる。
まず無線端末aのチャネル決定部A114、A’114、A’124は、ch3を使用チャネルとして無線通信部A111、A’111、A’121に設定する。その後、予め決められた一定時間内に無線通信部A111、A’111、A’121から無線信号の存在を通知された場合には、以降もch3を使用チャネルとする。
一定時間経過しても無線信号の存在を通知されなかった場合は、次にch2を線通信部A111、A’111、A’121に設定する。この場合も同様に予め決められた一定時間内に無線通信部A111、A’111、A’121から無線信号の存在を通知された場合には、以降もch2を使用チャネルとする。
一定時間経過しても無線信号の存在を通知されなかった場合は、次にch1を無線通信部A111、A’111、A’121に設定する。ch1は自端末がもともと使用していたチャネルであるため、これ以上のチャネルの変更を行わない。
なお、本実施形態では、近隣に同じチャネルを使用している端末が存在するか否かを無線信号の有無に基づき判断している。これは別の方法で実現してもよい。
例えば、無線通信部がビーコンを発し、このビーコンに対する近隣の端末の返信(応答)の有無に基づき、近隣端末の存在が判断されてもよい。
さらに、予め決められた制御チャネルなどを用いて、近隣端末が使用しているチャネルの情報を収集しておき、チャネル決定の際に、近隣にそのチャネルを使用している端末がいないようなチャネルは使用しないものとしてもよい。また、頻繁に通信する端末との間の経路上の端末のチャネル情報を利用せず、単に頻繁に通信する端末の使用チャネルを自端末の使用チャネルとしてもよい。この場合、チャネル調査リプライ信号には、頻繁に通信を行う端末のチャネル情報のみを含ませればよい。
本実施形態では、頻繁に通信を行うある一つの端末に対し、経路のチャネル情報を収集し、その情報に基づきチャネル決定が行われる。頻繁に通信を行う端末は一つに限られない。例えば、ある一定期間内にある閾値以上の回数の通信を行った複数の端末が、頻繁に通信を行う端末であるとしてもよい。このときは、頻繁に通信を行っている複数の端末それぞれに対し、チャネル調査信号を発信し、それらの端末と、それらの端末との間の経路上の端末の通信チャネルの情報を収集する。その後、端末の使用チャネルの中で最も多くの端末に使用されているチャネルを自端末の使用チャネルとしてもよい。また、経路上の端末のチャネル情報を加味し、頻繁に通信を行う端末とその経路上の端末が使用するチャネルの中で、最も多くの端末に使用されているチャネルが選択されてもよい。また頻繁に通信を行う端末を複数定める場合には、それら複数の端末との間の通信回数やトラフィック量などで、重み付けをして使用チャネルを決定してもよい。
[動作]
次に図12〜図15を参照して、第2の例示的な実施形態の動作が説明される。なお、第1の例示的な実施形態と同じ動作を行う処理に関しては、説明を省略する。
図12に示される様に、本実施形態の動作は、頻繁に通信を行う端末の推定処理S4、経路上のチャネル情報収集処理S5、重要端末推定処理S1、重要端末の混雑推定処理S2、通信チャネル決定処理S3からなる。
本実施形態は、頻繁に通信を行う端末の推定処理S4、経路上のチャネル情報収集処理S5が存在する点で、第1の例示的な実施形態と異なる。なお、頻繁に通信を行う端末推定処理S4、経路上のチャネル情報収集処理S5は、重要端末推定処理S1、重要端末の混雑推定処理S2との間に依存関係はないため、重要端末推定処理S1や重要端末の混雑推定処理S2を行った後に、行ってもよい。
また、重要端末推定処理S1、重要端末の混雑推定処理S2の動作は、第1の実施形態と同一である。
頻繁に通信を行う端末推定処理S4の動作が図13に示される。頻繁に通信を行う端末推定処理は、図9、図10に示される経路チャネル認識部A116、A’116、A’126で行われる。頻繁に通信を行う端末推定処理S4はトラフィックの監視処理S41と頻繁に通信を行う端末の算出処理S42からなる。
トラフィックの監視処理S41では、自端末がネットワーク層レベルで送受信する信号に関する通信相手の端末の情報を、通信履歴情報D7として情報記憶部A115、A’115、A’125に記憶させる。
その後、頻繁に通信を行う端末の算出処理S42行い、情報記憶部A115、A’115、A’125に格納されている通信履歴情報D7をもとに、高頻度通信端末情報D5を算出する。
経路上のチャネル情報収集処理S5の動作が図14に示される。経路上のチャネル情報の収集処理S5は図9、図10に示される経路チャネル認識部A116、A’116、A’126で行われる。経路上のチャネル情報の収集処理S5は、トラフィックの監視処理S51、チャネル調査リプライ信号の送信処理S52、経路のチャネル情報の記憶処理S53、使用チャネル情報の付加処理S54からなる。
なお、各端末は頻繁に通信を行う端末が存在する場合、この動作とは独立して、チャネル調査信号M4を予め決められた一定時間ごとに、頻繁に通信する端末に対して送信する。
経路上のチャネル情報収集処理S5では、まずトラフィックの監視処理S51を行い、トラフィックの監視を行う。無線通信部A111、A’111、A’121から経路チャネル認識部A116、A’116、A’126へと通知されるトラフィックがチャネル調査信号でありL3宛先アドレスが自端末である時、チャネル調査リプライ信号の送信処理S52が行われる。
S51にて監視されたトラフィックがチャネル調査リプライ信号でありL3宛先アドレスが自端末である時、経路のチャネル情報の記憶処理S53が行われる。
S51にて監視されたトラフィックがチャネル調査リプライ信号であり、L2宛先アドレスが自端末である時、使用チャネル情報の付加処理S54が行われる。
チャネル調査リプライ信号の送信処理S52では、チャネルリプライ信号M5が生成され、頻繁に通信を行う端末に対し送信される。
経路のチャネル情報の記憶処理S53では、受信したチャネルリプライ信号M5に含まれる経路上のチャネル情報D6を情報記憶部A115、A’115、A’125へと保存する。
使用チャネル情報の付加処理S54では、受信したチャネルリプライ信号M5に自端末の識別子と使用チャネルの情報とを付加し、受信したチャネルリプライ信号の代わりに自端末の情報を付加したチャネルリプライ信号を送信する。
図15は、本実施形態における通信チャネル決定処理S3の動作を示す。通信チャネル決定処理S3は、図9及び図10に示される通信チャネル決定部A114、A’114、A’124で行われる。通信チャネル決定処理S3は、通信チャネルの設定S31’と、無線信号の監視S32’からなる。
通信チャネルの設定処理S31’では、情報記憶部A115、A’115、A’125に保存されている経路上のチャネル情報に基づき決定した通信チャネルが、無線通信部A111、A’111、A’121に設定される。このとき設定された通信チャネルが、通信チャネル設定処理S31’を開始したときの元の通信チャネルであったならば、通信チャネル設定処理S31’を終了する。そうでないならば、無線信号の監視処理S32’が行われる。
無線信号の監視処理S32’では、無線通信部A111、A’111、A’121に無線信号を監視させ、無線信号が存在するならば通信チャネル設定処理S31’を終了する。そうでないならば、通信チャネルの設定処理S31’が再度行われる。
本実施形態によれば、通信性能を向上させるような通信チャネルの割り当てを行う際に、エンドエンド間の通信性能を考慮し、より通信性能向上効果の高い通信チャネルの選択方法を提供することができる。その理由は、チャネル選択時に自端末が送受信するトラフィックの宛先、送信元のノードのチャネルを考慮して通信チャネルを選択するためである。自端末が頻繁に通信を行う端末または、その端末との通信経路上の端末が使用するチャネルを積極的に選択することで、チャネル変更後に多くのトラフィックが流れる経路が複数のチャネルをまたがり迂回するようなものになりにくくすることが期待できる。例えば、上記図1Aのような状況では、無線端末aは自端末の使用チャネルを変更するときはch1を積極的に選択する。
このようにして、通信チャネルの変更により通信経路が迂回して通信帯域、通信遅延が悪化する課題解決可能な無線通信チャネル選択方法を提供できる。
[第3の例示的な実施形態]
上述した第1の例示的な実施形態または第2の実施形態では、異なるチャネル間をつなぐ経路上の端末が、チャネルを変更した際に多くの端末の上位レイヤに通信途絶の影響を与えるような重要な端末であるとされた。
第3の例示的な実施形態において、経路に基づかず、各端末が将来チャネルを変える可能性が高いかどうかに基づいて、重要な端末であるか否かが判断される。本実施形態では、過去にチャネルを変更した頻度が高いほど将来チャネルを変更する可能性が高いと判断される。
[構成]
本実施形態のネットワーク構成は、第1の例示的な実施形態または第2の実施形態と同様である。また、無線端末A1およびチャネル間中継端末A’1の構成も同様である。第1の例示的な実施形態および第2の例示的な実施形態の無線通信部A111、A’111、A’121と重要性推定部A112、A’112、A’122のみ異なる。よって、以下では、無線通信部A111、A’111、A’121と重要性推定部A112、A’112、A’122の処理のみが示される。
無線通信部A111、A’111、A’121は、第1の例示的な実施形態または第2の例示的な実施形態で示された処理を実行可能に構成される。また、無線通信部A111、A’111、A’121は、自端末の通信チャネルが変更された際に、それが通信チャネル決定部A114、A’114、A’124により変更されたものであるか否かの情報とともに、重要性推定部A112、A’112、A’122へと通知する。なお、無線通信部A111、A’111、A’121は、上述の例示的な実施形態の構成要素以外の要因によりチャネルを変更しうる。例えば、使用チャネルの無線電波環境が悪い場合に、より良い電波環境へチャネルを変更するシステムと、例示的な実施形態のシステムとが共存する環境が想定される。
第3の例示的な実施形態における重要性推定部A112、A’112、A’122は、無線通信部からA111、A’111、A’121からチャネルの変更を通知されると、そのチャネルの変更が通信チャネル決定部A114、A’114、A’124により変更されたものでないならば、情報記憶部A115,A’115,A’125にチャネル変更情報としてタイムスタンプとともに保存する。その上で、過去の予め決められた期間内のチャネル変更回数が、ある閾値以下であるならば、自端末を重要な端末であるとして情報記憶部A115,A’115,A’125内の重要性情報が更新される。過去の予め決められた期間内のチャネル変更回数がある閾値以下でないならば、自端末を重要な端末でないとして情報記憶部A115,A’115,A’125内の重要性情報を更新する。なお、本実施形態では、重要性情報を更新するための閾値と、チャネル変更回数を計数する期間は予め決められた固定の値を用いる。ただし、これらの値は無線通信部A111、A’111、A’121の通信チャネルを変更する例示的な実施形態の構成要素以外のシステムの特性に基づいて決めてもよい。また、それらのシステムから動的に通知される値を用いてこれらの閾値と期間を決めてもよい。
なお、本実施形態では、自端末が、将来、本発明の構成要素以外の要因でチャネルを変更する可能性が高いかを、過去のチャネルの変更履歴に基づいて判断している。これは別の方法で判断してもよい。例えば、自端末の位置における各チャネルの電波環境に基づいて判断してもよい。
[動作]
本実施形態を実現するための動作は、第1の例示的な実施形態(図5参照)または第2の例示的な実施形態(図12参照)に示したものと同様である。重要端末推定処理S1の動作のみが、異なる。以下では、第3の例示的な実施形態における重要端末推定処理S1の動作のみ示される。
図16は、第3の実施形態における重要端末推定処理S1の動作を示す。
重要端末推定処理S1では、重要性推定部A112、A’112、A’122で行われる。まずチャネル変更情報記録S11’を行い、その後、重要性情報更新処理S21’を行う。
チャネル変更情報記録処理S11’では、無線通信部A111、A’111、A’121から使用チャネルの変更情報を受け取り、チャネル変更情報D8として、情報記憶部A115、A’115、A’125に保存する。
重要性情報更新処理S21’では、情報記憶部A115、A’115、A’125に保存されているチャネル変更情報をもとに、情報記憶部A115、A’115、A’125に保存されている重要性情報D1を更新する。
上記のように、重要性を更新することで、チャネル変更回数が少ない端末が、自端末を重要な端末であると判断する。すなわち、チャネルがまれにしか変更されない端末が重要な端末となる。上述した例示的な実施形態の構成要素からもチャネルの変更がなされないことになる。上述した例示的な実施形態の構成要素以外の要因により頻繁にチャネルが変更されるような端末は、通信チャネルを変更しないようにしても、通信途絶を防ぐ効果が薄い。そのため、本実施形態のようにチャネルがまれにしか変更されない端末を重要な端末とすることで、上位レイヤで通信途絶を発生させる端末数を抑制しながら通信性能を向上させる効果が十分に発揮できる。
例示的な実施形態1または2によれば、チャネルを変更した際に多くの端末の上位レイヤに通信途絶の影響を与えるような端末を重要な端末とし、チャネルの変更を抑制するようにした。しかし、たとえ重要な端末であっても上述以外の要因でチャネルが変更されてしまうことがありうる。その場合に、重要な端末としてチャネルの変更を抑制する効果が薄くなる。
本実施形態では、各端末は自端末が重要な端末であるかを、自端末が、将来、上述した実施形態以外の要因でチャネルを変更する可能性が高いかに基づいて判断している。将来チャネルを変更する可能性が低い場合、自端末を重要な端末であると判断するものとしている。そのため、上述した実施形態以外の要因でチャネルを変更する可能性が低い端末が、重要な端末となり同じチャネルを選択し続けるので、重要な端末としてチャネルの変更を抑制する効果が薄くなることを防ぐことができる。
[第4の例示的な実施形態]
図17は、第4の例示的な実施形態の無線通信端末を示す。
図17において、無線通信端末100は、通信モジュール101とプロセッサ102とを有する。
プロセッサ102は、無線通信端末の無線通信に用いられている第1の通信チャネルを変更すべきか否かを、該無線通信にて送信されるデータの送信元の無線通信端末の使用チャネルと、データの宛先の無線通信端末の使用チャネルとに基づき、判定する。
通信モジュール101は、プロセッサが第1の通信チャネルを変更すべきでないと判定した場合、第1の通信チャネルを用いて通信を行う他の無線通信端末に対して、チャネル変更を示す制御情報を送信する。
本実施形態によれば、ネットワーク運用中におけるより適切な通信チャネルの変更方法を提供することができる。
なお、「無線通信端末の無線通信に用いられている第1の通信チャネルを変更すべきか否か」の判断は、例示的な実施形態1乃至3における、重要な通信を担っている端末であるかどうかの判断と言い換えることもできる。
なお、無線通信にて送信される「データ」は、第1乃至3の例示的な実施形態における「トラフィック」や「中継している通信」、またはパケットと言い換えることができる。
[その他の例示的な実施形態]
以上、例示的な実施形態(及び実施例)を参照して本発明を説明したが、本発明は上記例示的な実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。たとえば、以下のような構成も本発明に含まれる。
上述した混雑推定部A113、A’113、A’123から通知される混雑通知信号は、制御信号、制御情報または制御メッセージと言い換えてもよい。
上述した例示的な実施形態において、「隣接する無線端末のアドレス」は、隣接する無線端末(無線通信端末)を識別できればよい。例として、無線端末の識別子や、IPアドレス、L3アドレスや、L2アドレスが挙げられる。
上述した実施形態の対象となる通信システムは、他のシステムに適用可能である。例えば、上記実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、WiMAX(Worldwide interoperability for Microwave Access)等に適用可能であるが、これらに限定されない。
また、上述の例示的な実施形態について、無線通信端末に関して本明細書で説明する。通信端末は、無線端末、移動端末またはユーザ端末と呼ぶこともできる。また、端末は、システム、加入者ユニット、加入者局、移動局、ワイヤレス端末、モバイルデバイス、ノード、デバイス、リモート局、リモート端末、ワイヤレス通信デバイス、ワイヤレス通信デバイス、ワイヤレス通信装置またはユーザエージェントの機能性の一部または全部を含み得る。端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、スマートフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、タブレット、ネットブック、スマートブック、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルドコンピューティングデバイス、衛星無線、ワイヤレスモデムカードおよび/またはワイヤレスシステムを介して通信する別の処理デバイスでよい。
また、上述の例示的な実施形態は、上記の無線通信端末、無線通信システム、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の通信システムの無線通信方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc - Recordable)、CD−R/W(Compact Disc - Rewritable)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc-ROM)、DVD−R(Digital Versatile Disc - Recordable)、DVD−R/W(Digital Versatile Disc-Rewritable)、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
<付記>
前述の例示的な実施形態の一部または全部は、以下の各付記のようにも記載することができる。しかしながら、以下の各付記は、あくまでも、本発明の単なる例示に過ぎず、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。
(付記1)
無線通信チャネルを選択する方法であって、通信端末は、自端末が使用する通信チャネルと同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末の中で、重要な通信を担っている端末であるかどうかを、自端末が中継している通信における送信元端末と宛先端末の使用チャネルに基づいて判定し、重要な端末である場合は、他の同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末に対し、チャネル変更を示す制御メッセージを発信する、
無線通信チャネル選択方法。
(付記2)
前記チャネル選択方法において、自端末は重要な端末であると判定した通信端末以外の通信端末は、重要な端末から、チャネル変更を示す制御メッセージを受信すると、自端末の使用するチャネルを変更する、
チャネル選択方法。
(付記3)
前記チャネル選択方法において、自端末の通信チャネルを変更する通信端末は、自端末が直接通信可能な範囲の端末が使用している通信チャネルであり、かつ、自端末が過去のある期間内に宛先端末または送信元端末として受信または送信したメッセージの送信元または宛先の端末の通信チャネルまたは、送信元または宛先の端末と自端末との間の経路上のより送信元または宛先の端末に近い端末の通信チャネルを、変更後の通信チャネルとして選択する、
付記2に記載のチャネル選択方法。
(付記4)
前記チャネル選択方法において、重要な端末である場合に行う、他の同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末に対するチャネル変更を示す制御メッセージを発信は、自端末の送信または受信トラフィック量に基づいて決められるタイミングで発信される、
付記1乃至3の何れか一項に記載の無線通信チャネル選択方法。
(付記5)
前記チャネル選択方法において、通信端末は自端末が重要な通信を担っている端末かを、送信元および宛先の端末の使用するチャネルが自端末の使用するチャネルと異なるような信号を送受信した量に基づいて決定する、
付記1乃至3の何れか一項に記載の無線通信チャネル選択方法。
(付記6)
前記チャネル選択方法において、自端末が過去のある期間内に宛先端末または送信元端末として受信または送信したメッセージの送信元または宛先の端末が、自端末の過去のある期間内に信号を送信または受信した回数が最も多かった端末または、過去のある期間内に送信または受信したデータ量が最も多かった端末である、
付記3に記載の無線通信チャネル選択方法。
(付記7)
無線通信チャネルを選択する方法であって、通信端末は、自端末が使用する通信チャネルと同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末の中で、重要な通信を担っている端末であることを、自端末の過去のある期間内のチャネルの変更回数に基づいて判定し、重要な端末である場合は、他の同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末に対し、チャネル変更を示す制御メッセージを発信する、
無線通信チャネル選択方法。
(付記8)
無線通信を行う無線通信端末であって、通信端末は、自端末が使用する通信チャネルと同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末の中で、重要な通信を担っている端末であるかどうかを、自端末が中継している通信における送信元端末と宛先端末の使用チャネルに基づいて判定する手段と、重要な端末である場合は、他の同じ通信チャネルを用いて通信を行っている端末に対し、チャネル変更を示す制御メッセージを発信する手段を持つ、
無線通信端末。
(付記9)
無線通信端末の無線通信方法であって、
前記無線通信端末は、
第1の通信チャネルを用いて無線通信を行い、
前記無線通信に用いられている前記第1の通信チャネルを変更すべきか否かを、
前記無線通信にて送信されるデータの送信元の無線通信端末が使用する通信チャネルと、前記データの宛先の無線通信端末が使用する通信チャネルとに基づき、判定し、
前記第1の通信チャネルを変更すべきでないと判定した場合、前記第1の通信チャネルを用いて通信を行う他の無線通信端末に対して、チャネル変更を示す制御情報を送信する、
無線通信方法。
(付記10)
前記チャネル変更を示す制御情報は、前記他の無線通信端末が使用する通信チャネルを変更するように促す情報である、
付記9記載の無線通信方法。