JP6476715B2 - 濃縮システム - Google Patents

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Description

本発明は、真空式膜蒸留ユニットを用いて大量の被処理液を濃縮処理するための濃縮システムに関する。
膜蒸留技術は、海水淡水化、溶媒や油からの脱水などの他、食品プロセス、例えば、果汁や糖液や蜂蜜などの濃縮を想定した用途で、省エネルギー、省スペースの技術として期待されている。特に、真空式膜蒸留ユニットへの関心が、近年、高まっている。
この真空式膜蒸留ユニットは、水を弾く疎水性多孔質膜(水蒸気のみを透過する)を介して、片側に60℃から80℃程度の被処理液を通液する流路(原水室)と、疎水性膜を透過した水蒸気を被処理液と反対側にある凝縮部へ導き凝縮させて蒸留水を得る凝縮室とを単位構造体とし、この単位構造体を複数段、直列に配置してなる。単位構造体の1段目で濃縮された被濃縮液は、直列配置された2段目で更に濃縮され、2段目で濃縮された被処理液は、さらに3段目で濃縮され、というように次々と濃縮され、最終段で濃縮された後回収される。一方、凝縮室は疎水性膜を透過した水蒸気を凝縮させて蒸留水を得るため、被処理液側よりも数度以上低温である。この凝縮室で水蒸気は凝縮して蒸留水となり、濃縮液とは別に回収される。疎水性多孔質膜には、撥水性の高いテフロン(登録商標)樹脂膜が汎用されている。この真空式膜蒸留ユニットとしては、特許文献1、2に示すような技術が公知である。
特開2011−173097号公報 特開2013−212464号公報
上述したような真空式膜蒸留ユニットは、数十℃から100℃未満の低温の液体を減圧条件下で蒸気化して蒸留濃縮するものであるので、液体温度の他、ユニット内の真空度が蒸留速度に影響するため、ユニットは密閉性の高い材料を用いて密閉性の高い構造及び加工がなされている。真空式膜蒸留ユニットは、逆浸透膜のように、浸透圧の影響はない。また、ユニットの材料を選定する事によって、逆浸透膜に比べて、高温や酸やアルカリにも強くすることができ、さらに金属製蒸留缶に比べて酸やアルカリで錆びず、軽いユニットにできるなどのメリットがある。例えば、疎水性多孔質膜をテフロン(登録商標)樹脂製とし、その他のユニット部分をポリプロピレン樹脂やテフロン(登録商標)樹脂あるいはフッ化ビニリデン樹脂製のものを用いるとともに、各部材を溶着して密閉性を高めて真空式膜蒸留ユニットを構成すればよい。
上述したようなメリットがあるため、汎用される真空式膜蒸留ユニットは合成樹脂から製作されている。しかしながら、合成樹脂材料は金属材料よりも強度が弱いため、この合成樹脂材料を、しっかりと確実に溶着加工するため、一単位のユニットを大型化するのは容易でなく、一つのユニットで大量の液を濃縮するのは容易でないという問題点があった。このため複数のユニットを安価で、簡便に組み合わせて処理液量を増加させる技術が求められていた。
そこで、図4に示すように真空式膜蒸留ユニットを並列に設けることが行われている。図4において、被処理液Wの濃縮システム31は、原水ライン32が複数(ここでは4本)に分岐した分岐ライン32Aを有していて、それぞれに濃縮手段としての真空式膜蒸留ユニット33が並列に設けられており、原水ライン32の上流側には図示しない加熱手段としての熱交換器が配置されている。そして、これら真空式膜蒸留ユニット33は、被処理液Wを導入する原水室と凝縮室とを有しており、それぞれの真空式膜蒸留ユニット33の凝縮室側には減圧度測定手段としての真空ポンプ34が個別に連通しているとともに、減圧度測定手段としての真空計35が設けられている。そして、分岐ライン32Aには、被処理液Wの流入量の制御手段としてのバルブ36と、真空式膜蒸留ユニット33への被処理液Wの流入量を計測する流量計37とがそれぞれ設けられている。
このように真空式膜蒸留ユニット33を並列に備えた従来の濃縮システムにおいて、被処理液Wは、図示しない熱交換器により所定の温度に加熱され、例えば100℃未満、好ましくは40〜90℃、特に50℃〜80℃程度になるように温度調整され、分岐ライン32Aを経て後段の真空式膜蒸留ユニット33に供給される。
このとき、真空式膜蒸留ユニット33の凝縮室を真空ポンプ34により減圧し、その真空状態を真空計35により監視して減圧下に維持しておくことで、被処理液Wの蒸気が凝縮室に引き込まれる。この結果、原水室で濃縮液W1が得られるので、これを排出して回収する。この際、各真空式膜蒸留ユニット33で均質な濃縮液W1を得るために、真空式膜蒸留ユニット33の真空状態を真空計35で監視し、各真空式膜蒸留ユニット33への被処理液Wの流入量を流量計37で確認して、バルブ36の開度を調整して濃縮条件を調整している。
このように従来は、各真空式膜蒸留ユニット33から得られる濃縮液W1をほぼ均質なものとするために、流量計37とバルブ36とを組み合わせて、被処理液Wの真空式膜蒸留ユニット33への供給量を調整している。しかしながら、例えば食品プロセスでは、被処理液Wの導電率が極端に低い、被処理液Wの粘度が極端に高い、あるいは微細な縣濁質が多く含まれるなどの状況が日常的であり、比較的安価で汚染の少ない電磁流量計や面積式流量計が適用できないことが多く、各真空式膜蒸留ユニット33への被処理液Wの供給量を簡便に測定でない、という問題点があった。このため、人手で濃縮液量と蒸留水量とデミスタの量を計量するか、あるいは高価で少流量用の流量計、例えばコリオリ式流量計などを適用せざるを得ず、流量測定が煩雑で、大量測定は容易でないという問題点があった。
さらに、上述した従来のシステムでは、真空式膜蒸留ユニット33を並列化すると、ユニット33と同数の高価な流量計が必要になり、大幅なコストの増加を伴うため、大量処理への適用は不向きであった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、真空式膜蒸留ユニットを用いて、簡便なシステム及び低コストで大量の被処理液を濃縮処理するための濃縮システムを提供すること目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、被処理液を濃縮する真空式膜蒸留ユニットを2段以上並列に備える濃縮システムであって、前記真空式膜蒸留ユニットが、疎水性多孔質膜により区画された原水部及び凝縮部と、前記凝縮部を減圧状態に維持する減圧手段と、前記凝縮部の減圧状態を計測する減圧度測定手段と、前記真空式膜蒸留ユニットへの被処理液の流入量を制御する制御手段とを有し、前記減圧手段が前記並列の真空式膜蒸留ユニットに共有して設けられており、前記制御手段が前記減圧度測定手段の計測値に基づいて、前記減圧手段による減圧度又は前記原水部への被処理液の流入量を調整可能となっていることを特徴とする濃縮システムを提供する(発明1)。
かかる発明(発明1)によれば、減圧度測定手段により測定した各真空式膜蒸留ユニットの真空度に基づいて、減圧手段による減圧度又は原水部への被処理液の流入量を調整することで、各真空式膜蒸留ユニットから均質な濃縮液を得ることができる。これは、真空式膜蒸留ユニットでは、真空式膜蒸留ユニット内が減圧され、真空度が上がっていることに起因して被処理液が真空式膜蒸留ユニットに吸い込まれるため、真空式膜蒸留ユニットへの被処理液の供給量は、ユニット内の真空度に比例している。この性質を利用することにより、高価な流量計を用いることなく、被処理液の供給量を調整することができる。これにより、真空式膜蒸留ユニットを大量の被処理液を処理するのに好適に適用することができる。
上記発明(発明1)においては、前記制御手段が前記減圧手段と連通しており、前記減圧手段による減圧度を調整可能となっているのが好ましい(発明2)。
かかる発明(発明2)によれば、減圧度測定手段により測定した各真空式膜蒸留ユニットの真空度に基づいて、減圧手段に連通した制御手段により減圧手段による減圧度を調整して、各真空式膜蒸留ユニットの真空度を均一化し、被処理液の供給量を均一に制御して各真空式膜蒸留ユニットから均質な濃縮液を得ることができる。この結果、高価な流量計を用いることなく、被処理液の供給量を調整することができる。これにより、真空式膜蒸留ユニットを大量の被処理液を処理するのに好適に適用することができる。
また、上記発明(発明1)においては、前記制御手段が前記真空式膜蒸留ユニットの原水部の導入側に設けられており、前記原水部への被処理液の流入量を調整可能となっているのが好ましい(発明3)。
かかる発明(発明3)によれば、減圧度測定手段により測定した各真空式膜蒸留ユニットの真空度に基づいて、原水部の導入側に設けられた制御手段により原水部への被処理液の流入量を調整することで、各真空式膜蒸留ユニットの真空度に応じて被処理液の供給量を制御して、各真空式膜蒸留ユニットから均質な濃縮液を得ることができる。この結果、高価な流量計を用いることなく、被処理液の供給量を調整することができる。これにより、真空式膜蒸留ユニットを大量の被処理液を処理するのに好適に適用することができる。
さらに、上記発明(発明1〜3)においては、前記真空式膜蒸留ユニットの前記原水部に導入する前記被処理液を廃熱を利用して加熱する加熱手段を備えるのが好ましい(発明4)。
かかる発明(発明4)によれば、加熱手段の熱源として廃熱を活用することで熱エネルギーの有効利用を図ることができ、一層の省エネルギー化や省コスト化を図ることができるので、環境保全や産業活性化にも有効である。
本発明の濃縮システムは、減圧度測定手段により測定した各真空式膜蒸留ユニットの真空度に基づいて減圧手段による減圧度又は原水部への流入量を調整することで、真空式膜蒸留ユニットの真空度に応じて被処理液の供給量を制御して、各真空式膜蒸留ユニットから均質な濃縮液を得ることができる。この結果、高価な流量計を用いることなく、被処理液の供給量を調整することができる。これにより、海水淡水化、溶媒や油からの脱水などの他、食品プロセス、例えば、果汁や糖液や蜂蜜などの濃縮など大規模な処理を必要とする工業的な用途において、真空式膜蒸留ユニットを好適に適用することができる。
本発明の第一の実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。 真空式膜蒸留ユニットの一例を示す概略図である。 本発明の第二の実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。 従来の濃縮システムを示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。図1において、被処理液Wの濃縮システム1は、原水ライン2が複数(本実施形態においては4本)に分岐した分岐ライン2Aを有しており、それぞれに濃縮手段としての真空式膜蒸留ユニット3が並列に設けられていて、原水ライン2の上流側には図示しない加熱手段としての熱交換器が配置されている。これら真空式膜蒸留ユニット3は、被処理液Wを導入する原水室と凝縮室とを有しており、凝縮室側には減圧手段としての真空ポンプ4が連通しているとともにと、減圧度測定手段としての真空計5が設けられている。そして、真空ポンプ4と真空式膜蒸留ユニット3との間には、真空ポンプ4による真空度を調整するための制御手段としてのバルブ6が設けられていて、被処理液Wの流入量を制御可能となっている。
図2は、真空式膜蒸留ユニット3の一例を示している。この真空式膜蒸留ユニット3としては、低温廃熱を利用して図示しない熱交換器により加熱した被処理液Wを疎水性多孔質膜に通過させて、その蒸気を減圧および低温条件下で蒸留または濃縮する膜蒸留技術を用いる。
この真空式膜蒸留ユニット3には、疎水性多孔質膜11が備えられており、この疎水性多孔質膜11により区画されることで原水室12と凝縮室13とが形成されている。原水室12は被処理液Wを導入する原水部の一例であり、凝縮室13は疎水性多孔質膜11を通過した蒸気Sを凝縮する凝縮部の一例である。
疎水性多孔質膜11は、原水室12に導入された被処理液Wの蒸気のみを選択的に通過させる手段の一例である。この疎水性多孔質膜11としては、耐熱性に優れていることからフッ素樹脂製多孔質膜を好適に用いることができる。この疎水性多孔質膜11においては、被処理液Wの蒸気Sのみを透過させ、膜透過蒸気量に対する被処理液Wの浸透圧や粘度の影響を受けにくく、蒸気透過性が高く、被処理液Wの懸濁成分などの濃縮を効率的に行うことができる。
凝縮室13には真空ポンプ14(図1における真空ポンプ4)が接続され、凝縮室13の壁面には冷却部15が備えられている。凝縮室13とともに原水室12が真空ポンプ14により減圧されて減圧状態に維持され、冷却部15は接触する蒸気Sを凝縮する程度の温度に冷却手段(図示せず)により冷却されている。
なお、上記濃縮対象となる被処理液Wとしては、果汁、液糖、蜂蜜などの糖分を含む食品関連溶液が好適である。ここで、被処理液Wは、糖分などの目的とする濃縮成分の初期濃度が10%以下、特に2〜7%程度である。また、海水淡水化、溶媒や油からの脱水などの工業プロセスでのプロセス排出にも好適に適用することができる。
次に上述したような4台の真空式膜蒸留ユニット3を並列に備えた本実施形態の濃縮システム1の作用について説明する。
まず、被処理液Wは、図示しない熱交換器により所定の温度、例えば100℃未満、好ましくは40〜90℃、特に50℃〜80℃程度になるように温度調整され、分岐ライン2Aを経て後段の真空式膜蒸留ユニット3に供給される。ここで、各真空式膜蒸留ユニット3内は一台の真空ポンプ4により減圧されている。このため被処理液Wは、バルブ6が開成していれば、真空式膜蒸留ユニット3の原水室12内へと吸いこまれる。
この場合、凝縮室13が減圧状態に維持されるので、蒸気Sを引き込む機能だけでなく、被処理液Wの沸点をより降下させる機能を有する。これにより、被処理液Wから生じる蒸気Sが顕著となり、疎水性多孔質膜11を透過する蒸気量が増大する。この結果、原水室12で濃縮液W1が得られる。つまり、被処理液Wから多くの蒸気Sが凝縮除去されて濃縮液W1に変換されるので、原水室12の被処理液Wが効率的に濃縮される。したがって、原水室12から多くの濃縮液W1が生成され、濃縮液回収ライン16から回収される。一方、蒸気Sは凝縮室13の冷却部15に触れ凝縮して水滴Lが生じる。これにより、冷却部15では蒸気Sが結露して蒸留水W2が蒸留水排出ライン17から排出される。
このような膜蒸留において、被処理液Wを濃縮して濃縮液W1を得る上で、被処理液Wの流路幅および膜面線流速は重要である。流路幅は、被処理液Wを通過させるに有効な流路径などの大きさである。これに対し、膜面線流速は、被処理液Wの流量を装置内の有効断面積で割った値で与えられる線速度であり、見かけ上、被処理液Wの速度である。具体的には、疎水性多孔質膜11の膜面に平行な被処理液Wの平均流速である。
そして、この真空式膜蒸留ユニット3では、被処理液Wの流路幅wが例えば、1[mm]以上、30[mm]以下であればよく、より好ましくは3[mm]以上、20[mm]以下とする。また、被処理液Wの膜面線流速Vは例えば、0.01[m/s]以上、5[m/s]以下とし、より好ましくは0.05[m/s]以上、2[m/s]以下とすればよい。
ここで、4台の真空式膜蒸留ユニット3は同一の条件であるのが好ましい。したがって、各真空式膜蒸留ユニット3の高さ位置及び被処理液Wの吸い込み口高さは同一とするのが好ましい。
被処理液Wの原水室12への流入量は、通常は真空式膜蒸留ユニット3の真空度によって決定される。この被処理液Wの原水室12への流入量は、真空式膜蒸留ユニット3の真空度を調節、すなわちバルブ6の開度を調節することによって増減することができる。真空ポンプ4の排気容量は、真空式膜蒸留ユニット3の容積と台数に応じて決定すればよい。
具体的には、本実施形態においては、各真空式膜蒸留ユニット3内は共有している一台の真空ポンプ4により減圧されているので、各真空式膜蒸留ユニット3の真空度と被処理液Wの流路長さが同一で真空式膜蒸留ユニット3が同一の条件であれば、各真空式膜蒸留ユニット3間の被処理液Wの吸いこみ力は原則として同一となるので、各真空式膜蒸留ユニット3には同一量の被処理液Wが流入して蒸留濃縮され、同濃度の濃縮液W1と蒸留水W2とを得ることができる。
一方、被処理液Wの分岐ライン2Aの長さが各真空式膜蒸留ユニット3毎に異なる場合、被処理液Wの流路2Aの長さによって生じる流路抵抗の差分を考慮して真空計5の測定値が異なるように各真空式膜蒸留ユニット3のバルブ6の開度を調節する。なお、各真空式膜蒸留ユニット3の分岐ライン2Aの配管径が異なることによって生じる差圧分を各真空式膜蒸留ユニット3の真空度差に考慮することはいうまでもない。
上述したようにして制御する複数台(4台)の真空式膜蒸留ユニット3への被処理液Wの流入量とユニット3の真空度との関係は、処理対象である被処理液Wの性状、特に温度と粘度に依存するため、あらかじめ実験により確認しておく。このように並列に接続した真空式膜蒸留ユニット3の真空度が一定になるようにバルブ6を調整することで、各ユニット3に同一量の被処理液Wが流入して蒸留濃縮されることで、それぞれの真空式膜蒸留ユニット3から同濃度の濃縮液W1を得ることができる。そして、この濃縮液W1の濃度もある程度制御することができる。
この真空式膜蒸留ユニット3において、被処理液Wの濃縮は、処理対象である被処理液Wの性状、温度に依存するが、70〜80%程度(容積減少率、以下同じ)の高濃度から40〜70%程度にまで濃縮することができる。したがって、目的とする濃縮率に応じて、真空式膜蒸留ユニット3は必要に応じてさらに直列に多段、例えば、2段〜12段、望ましくは3段〜10段として濃縮することができる。
次に本発明の第二の実施形態に係る濃縮システムについて説明する。図3は第二実施形態に係る濃縮システムを示す概略図である。図3において、被処理液Wの濃縮システム21は、原水ライン22が複数(本実施形態においては4本)に分岐した分岐ライン22Aを有しており、それぞれに濃縮手段としての真空式膜蒸留ユニット23が並列に設けられており、原水ライン22の上流側には図示しない加熱手段としての熱交換器が配置されている。これら真空式膜蒸留ユニット23は、被処理液Wを導入する原水室と凝縮室とを有しており、凝縮室側には減圧手段としての真空ポンプ24が連通しているとともに、減圧度測定手段としての真空計25が設けられている。そして、各分岐ライン22Aの真空式膜蒸留ユニット23の原水室12の導入側には、被処理液Wの流入量の制御手段としてのバルブ26がそれぞれ設けられている。なお、真空式膜蒸留ユニット23としては、前述した第一実施形態と同様に図2に示したものを用いることができる。
次に上述したような4台の真空式膜蒸留ユニット23を並列に備えた第二実施形態の濃縮システム1の作用について説明する。
まず、被処理液Wは、図示しない熱交換器により所定の温度、例えば100℃未満、好ましくは40〜90℃、特に50℃〜80℃程度になるように温度調整され、分岐ライン22Aを経て後段の真空式膜蒸留ユニット23に供給される。ここで、真空式膜蒸留ユニット23内は一台の真空ポンプ24により減圧されている。このため被処理液Wは、バルブ26が開成していれば、真空式膜蒸留ユニット23の原水室12内へと吸いこまれる。原水室12の被処理液Wが効率的に濃縮され濃縮液W1が生成され、濃縮液回収ライン16から回収される。一方、蒸気Sは凝縮室13の冷却部15に触れ凝縮して水滴Lが生じる。この結果、冷却部15では蒸気Sが結露して蒸留水W2が蒸留水排出ライン17から排出される。
ここで、4台の真空式膜蒸留ユニット23は同一の条件であるのが好ましい。したがって、各真空式膜蒸留ユニット23の高さ位置及び被処理液Wの吸い込み口高さは同一とするのが好ましい。
被処理液Wの原水室12への流入量は、通常は真空式膜蒸留ユニット23の真空度によって決定される。そこで、この被処理液Wの原水室12への流入量は、真空式膜蒸留ユニット23の真空度に応じてバルブ26の開度を調節することによって増減させる。なお、真空ポンプ24の排気容量は、真空式膜蒸留ユニット23の容積と台数に応じて決定すればよい。
具体的には、本実施形態においては、各真空式膜蒸留ユニット3内は共有している一台の真空ポンプ4により減圧されているので、各真空式膜蒸留ユニット23の真空度と被処理液Wの流路長さが同一で真空式膜蒸留ユニット23は同一の条件であれば、各真空式膜蒸留ユニット23間の被処理液Wの吸いこみ力は原則として同一となるので、各真空式膜蒸留ユニット23には同一量の被処理液Wが流入して蒸留濃縮され、同濃度の濃縮液W1と蒸留水W2とを得ることができる。
一方、被処理液Wの分岐ライン22Aの長さが各真空式膜蒸留ユニット23毎に異なる場合、被処理液Wの分岐ライン22Aの長さによって生じる流路抵抗の差分を考慮して真空計25の測定値が異なるように分岐ライン22Aのバルブ26の開度を調節する。すなわち、真空度が高ければ被処理液Wの流入量が増加するようにバルブ26の開度を高め、低ければ被処理液Wの流入量が減少するように開度を下げる。なお、各真空式膜蒸留ユニット23の分岐ライン22Aの径が異なることによって生じる差圧分を各真空式膜蒸留ユニット23の真空度差に考慮することはいうまでもない。
上述したようにして制御する複数台(4台)の真空式膜蒸留ユニット23への被処理液Wの流入量とユニット23の真空度との関係は、処理対象である被処理液Wの性状、特に温度と粘度に依存するため、あらかじめ実験により確認しておく。このように並列に接続した真空式膜蒸留ユニット23の真空度に応じて被処理液Wの流入量をバルブ26の開度で調整することで、各ユニット23で真空度に応じた被処理液Wが流入して蒸留濃縮されることで、それぞれの真空式膜蒸留ユニット3から同濃度の濃縮液W1を得ることができる。そして、この濃縮液W1の濃度もある程度制御することができる。
本実施形態のように、バルブ26を被処理液Wの流入側(原水室12の導入側)に設けて、真空度に応じて流入量を調整することで調整してもよい。
以上、本発明について説明してきたが、本発明は前記実施形態に限らず種々の変形実施が可能である。第一の実施形態及び第二の実施形態における制御手段としてのバルブ6、26の開閉度は、自動バルブを用いて真空式膜蒸留ユニット23の真空度に対応して自動調節するようにしてもよい。
なお、蒸留水W2は、必要に応じて、用水、例えば逆浸透膜や膜蒸留ユニットの洗浄水、あるいは希釈水などに用いて、資源の有効利用を図ることができる。
本発明の濃縮システムによれば、複数の真空式膜蒸留ユニットの真空度に応じて被処理液の供給量を制御して、各真空式膜蒸留ユニットから均質な濃縮液を得ることができる。これにより、海水淡水化、溶媒や油からの脱水などの他、食品プロセス、例えば、果汁や糖液や蜂蜜などの濃縮など大規模な被処理水を処理する必要がある工業的な用途における真空式膜蒸留ユニットの適用性を高めることができる。
1,21…濃縮システム
2,22…原水ライン
2A,22A…分岐ライン
3,23…真空式膜蒸留ユニット
4,24…真空ポンプ(減圧手段)
5,25…真空計(減圧度測定手段)
6,26…バルブ(制御手段)
11…疎水性多孔質膜
12…原水室
13…凝縮室
14…真空ポンプ
15…冷却部
W…被処理液
W1…濃縮液
W2…蒸留水
S…蒸気

Claims (4)

  1. 被処理液を濃縮する真空式膜蒸留ユニットを2段以上並列に備える濃縮システムであって、
    前記真空式膜蒸留ユニットが、
    疎水性多孔質膜により区画された原水部及び凝縮部と、
    前記凝縮部を減圧状態に維持する減圧手段と、
    前記凝縮部の減圧状態を計測する減圧度測定手段と、
    前記真空式膜蒸留ユニットへの被処理液の流入量を制御する制御手段と
    を有し、
    前記減圧手段が前記並列の真空式膜蒸留ユニットに共有して設けられており、
    前記制御手段が前記減圧度測定手段の計測値に基づいて、前記減圧手段による減圧度又は前記原水部への被処理液の流入量を調整可能となっていることを特徴とする濃縮システム。
  2. 前記制御手段が前記減圧手段と連通しており、前記減圧手段による減圧度を調整可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の濃縮システム。
  3. 前記制御手段が前記真空式膜蒸留ユニットの原水部の導入側に設けられており、前記原水部への被処理液の流入量を調整可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の濃縮システム。
  4. 前記真空式膜蒸留ユニットの前記原水部に導入する前記被処理液を廃熱を利用して加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濃縮システム。
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