JP6476445B2 - 温度調整装置 - Google Patents
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いずれも温度環境を整えるために種々の温度調整装置が用いられている。
特許文献1の温度調整装置は、室内の空気温度及び湿度を所定温度及び所定湿度に調整するものであって、圧縮機で圧縮された冷媒を、室外の凝縮器と、室内の加熱器に分配し、室外の凝縮器を通過した冷媒を室内の冷却器に導入させ、調整対象空気を加熱器と冷却器を通過させることで温度調整を実行している。
特許文献2の温度調整装置は、冷凍サイクルにおいて、圧縮機の中間圧力部(インジェクション口)に冷媒を液インジェクションすることにより、圧縮機の過熱防止を図るようにしている。
しかし、温度調整装置を主に低温域で運転し続けると各熱交換器が着霜するので、各熱交換器のデフロストを実行する必要がある。デフロストは、加熱器側への冷媒流量を増やし、温度調整装置内の室内を高温にした状態で連続運転することによって行われる。
この構成を採用することによって、高温で連続運転する場合には、高温回路側に多くの冷媒が流通し、低温回路を流通する冷媒量が減少してしまうが、第2インジェクション回路によって、必要な量の冷媒を圧縮機のインジェクション口に液インジェクションできる。このため圧縮機の過熱運転を防ぐことができる。
この構成によれば、第2インジェクション回路における冷媒の逆流を防止できる。
この構成によれば、装置の立ち下げ時に、加熱器に冷媒が逆流することを防止できる。
この構成を採用することによって、高温で連続運転する場合には、高温回路側に多くの冷媒が流通し、低温回路を流通する冷媒量が減少してしまうが、第2バイパス回路によって、必要な量の冷媒を圧縮機の上流側にバイパスできる。このため圧縮機の過熱運転を防ぐことができる。
この構成によれば、第2バイパス回路における冷媒の逆流を防止できる。
この構成によれば、装置の立ち下げ時に、加熱器に冷媒が逆流するおそれがあるが、これを防止できる。
本発明に係る温度調整装置によって構成された低温槽の概略構成を図1に示す。図2は、構成要素の配置位置などについて、配管がわかりやすいように簡略化して図示したものである。
以下、図1及び図2に基づいて、本実施形態の温度調整装置について説明する。なお、本実施形態の温度調整装置は、低温環境試験等を実施するために用いられる低温槽を構成している。そこで、以下の説明では、本実施形態の温度調整装置を、低温槽と称して説明する。
低温槽30は、槽31内を所定の低温域に調整し、この温度を維持することができる。具体的には、低温槽30は、−40℃〜30℃の範囲で温度調整が可能となっている。ただし、低温槽30が30℃まで温度上昇させるのは、デフロストのときだけであって、通常運転時は槽内温度が0℃以下の状態となるように調整している。
槽31内には、槽31内の空気を冷却する際に用いられる蒸発器32(特許請求の範囲でいう冷却器)と、槽31内の空気を加熱する際に用いられる再熱器34(特許請求の範囲でいう加熱器)とが配置されている。
また、槽31内には、蒸発器32及び再熱器34によって冷却又は加熱された空気を循環させるためのファン35が設けられている。
圧縮機40から吐出される冷媒は、加熱回路50と、冷却回路52に分岐される。加熱回路50には、再熱器34と、再熱器34から出た冷媒を膨張させて低圧にする第2膨張弁48が設けられている。冷却回路52には、凝縮器44と、蒸発器32と、蒸発器32から出た冷媒を膨張させて低圧にする第1膨張弁46が設けられている。
なお、本明細書中では、加熱回路50と冷却回路52に分配される冷媒の分配比率は、複数の制御弁で制御することについて説明しているが、1つの三方弁を用いて冷媒の分配比率を制御してもよい。
蒸発器32に導入された冷媒は、槽31内の空気と熱交換して気化し、その蒸発潜熱により槽31内の空気を冷却する。蒸発器32で槽31内の空気と熱交換した冷媒は加熱されてガス化し、その後圧縮機40に戻る。
第2インジェクション回路58は、再熱器34の出口と第2膨張弁48との中途部から分岐し、第1インジェクション回路54の制御弁55の上流側に接続されている。このように、加熱回路50から圧縮機40のインジェクション口40aに冷媒を液インジェクションすることによって、低温槽30が高温で連続運転する場合(例えば、デフロスト時)には、加熱回路50に多くの冷媒が流通しているが、この第2インジェクション回路58によって、加熱回路50の冷媒を圧縮機40のインジェクション口40aに液インジェクションできる。このため圧縮機40の過熱運転を防ぐことができる。
さらに、第2インジェクション回路58の中途部にも逆止弁62が設けられており、冷却回路の高圧圧力側(凝縮器の出口から第1膨張弁)からの冷媒が第2インジェクション回路58を介して加熱回路50へ流入することを防止できる。
図3に、低温槽としての温度調整装置の第2の実施形態の構成を示す。図3は、図2と同様に配置位置などを省略し、配管がわかりやすいように簡略化して図示したものである。
なお、上述した第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
すなわち、本実施形態では、第2インジェクション回路58は、第1インジェクション回路54に接続されているのではなく、冷却回路52の凝縮器44の下流側であって、第1インジェクション回路54の接続部よりも上流側に接続されている。
このような実施形態であっても、低温槽30が高温で連続運転する場合には、加熱回路50に多くの冷媒が流通しているが、この第2インジェクション回路58によって、加熱回路50において再熱器34を出て第2膨張弁48に入る前の加熱回路50の冷媒を冷却回路52に導入させ、そして冷却回路52に導入された冷媒は第1インジェクション回路54を通して圧縮機40のインジェクション口40aに液インジェクションできる。このため圧縮機40の過熱運転を防ぐことができる。
次に、低温槽としての温度調整装置において、インジェクション回路ではなく、バイパス回路を採用した実施形態について、図4に基づいて説明する。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態ではインジェクション回路を採用していないので、圧縮機40はインジェクション口が設けられていないものを採用できる。
このように、加熱回路50から圧縮機40の流入口側に冷媒をバイパスすることによって、低温槽30が高温で連続運転する場合(例えば、デフロスト時)には、加熱回路50に多くの冷媒が流通しているが、この冷媒を第2バイパス回路66を通して第1バイパス回路64へ導入し、加熱回路50の冷媒を圧縮機40の流入口側にバイパスできる。このため圧縮機40の過熱運転を防ぐことができる。
次に、バイパス回路を採用した他の実施形態について、図5に基づいて説明する。
なお、上述してきた各実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する場合もある。
本実施形態もインジェクション回路を採用していないので、圧縮機40はインジェクション口が設けられていないものを採用できる。
すなわち、本実施形態では、第2バイパス回路66は、第1バイパス回路64に接続されているのではなく、冷却回路52の凝縮器44の下流側であって、第1バイパス回路64の接続部よりも上流側に接続されている。
このような実施形態であっても、低温槽30が高温で連続運転する場合には、加熱回路50に多くの冷媒が流通しているが、再熱器34を出て第2膨張弁48に入る前の冷媒を第2バイパス回路66を通して冷却回路52へ導入させ、そして冷却回路52に導入した冷媒は第1バイパス回路64へ流れるので、加熱回路50の冷媒を圧縮機40の流入口側にバイパスできる。このため圧縮機40の過熱運転を防ぐことができる。
この場合、インジェクション回路により圧縮機のインジェクション口に液冷媒を導入する方が、バイパス回路で圧縮機の流入口側に液冷媒を導入する場合よりも圧縮機の熱容量を変化させずに行うことができる。
しかし、本発明にかかる温度調整装置としては、調整対象空気の温度を所定温度に調整できるものであればよく、低温槽に限定するものではない。
31 槽
32 蒸発器
34 再熱器(加熱器)
35 ファン
36 温度センサ
38 制御部
40 圧縮機
40a インジェクション口
42a,42b 制御弁
44 凝縮器
46 膨張弁
48 膨張弁
50 加熱回路
52 冷却回路
54 第1インジェクション回路
55 制御弁
56 減圧回路
58 第2インジェクション回路
60 逆止弁
62 逆止弁
64 第1バイパス回路
66 第2バイパス回路
68 戻り管
Claims (6)
- 調整対象空気の温度を通常運転時には0℃以下の状態となるように調整する温度調整装置であって、
中間圧力部にインジェクション口が設けられた圧縮機と、
圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、第1膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、
分配された他方の冷媒が、加熱器、第2膨張弁の順に通過した後、前記冷却回路の冷却器の上流側において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、
前記冷却回路において前記凝縮器を通過した冷媒を前記圧縮機のインジェクション口に液インジェクションするために、前記冷却回路の凝縮器の出口と第1膨張弁との中途部と前記圧縮機のインジェクション口との間を接続した第1インジェクション回路と、
前記加熱回路において前記加熱器を通過した冷媒を前記圧縮機のインジェクション口に液インジェクションして、高温で連続運転するデフロスト時に前記圧縮機の過熱運転を防止するために、前記加熱回路の加熱器の出口と第2膨張弁との中途部と前記第1インジェクション回路との間、又は前記加熱回路の加熱器の出口と第2膨張弁との中途部と前記冷却回路の前記凝縮器の出口と第1膨張弁との中途部との間を接続した第2インジェクション回路とを具備することを特徴とする温度調整装置。 - 前記第2インジェクション回路には、前記冷却回路から前記加熱回路に冷媒が流入することを防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1記載の温度調整装置。
- 前記加熱器と前記第2膨張弁との間には、逆流防止用の逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の温度調整装置。
- 調整対象空気の温度を通常運転時には0℃以下の状態となるように調整する温度調整装置であって、
圧縮機と、
圧縮機で圧縮されて送り出される冷媒が分配され、分配された一方の冷媒が、外部熱源である外部熱媒体へ熱を放出する凝縮器、第1膨張弁、冷却器、圧縮機の順に循環される冷却回路と、
分配された他方の冷媒が、加熱器、第2膨張弁の順に通過した後、前記冷却回路の冷却器の上流側において前記冷却回路に合流するように設けられた加熱回路と、
前記冷却回路において前記凝縮器を通過した冷媒を前記圧縮機の上流側にバイパスするために、前記冷却回路の凝縮器の出口と第1膨張弁との中途部と前記圧縮機の上流側との間を接続した第1バイパス回路と、
前記加熱回路において前記加熱器を通過した冷媒を前記圧縮機の上流側にバイパスして、高温で連続運転するデフロスト時に前記圧縮機の過熱運転を防止するために、前記加熱回路の加熱器の出口と第2膨張弁との中途部と前記第1バイパス回路との間を接続した第2バイパス回路とを具備することを特徴とする温度調整装置。 - 前記第2バイパス回路には、前記冷却回路から前記加熱回路に冷媒が流入することを防止する逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項4記載の温度調整装置。
- 前記加熱器と前記第2膨張弁との間には、逆流防止用の逆止弁が設けられていることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の温度調整装置。
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