以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、無線通信システム10の一例を概略的に示す。無線通信システム10は、複数の無線アクセスポイント(AP)100と、複数の無線AP100を制御する無線通信制御装置200とを備える。図1では3つの無線AP102、無線AP104、無線AP106を例示しているが、無線AP100の数はこれに限られない。
無線AP100は、無線通信端末300から受信した接続要求に応じて無線通信端末300と通信接続を確立し、無線通信端末300の通信を中継する。無線AP100は、不図示の任意のネットワークに接続されてよく、無線通信端末300と当該任意のネットワークとの間の通信を中継してよい。任意のネットワークは、インターネット及び電話網等を含んでよい。無線AP100と任意のネットワークとの接続は有線接続であっても、無線接続であってもよい。また、無線AP100は、複数の無線通信端末300同士の通信を中継してもよい。
無線AP100は、無線LAN(Local Area Network)ルータ、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)ルータ及びモバイルWi−Fiルータ等であってよい。
無線AP100は、任意の認証方式を用いて無線通信端末300を認証してよい。例えば、無線AP100は、EAP(Extensible Authentication Protocol)−SIM(Subscriber Identity Module)方式を用いて無線通信端末300を認証する。また、無線AP100は、EAP−MD5(Message Digest algorithm 5)、EAP−TLS(Transport Layer Security)、EAP−TTLS(Tunneled TLS)、PEAP(Protected EAP)、LEAP(Lightweight EAP)及びEAP−FAST(EAP Flexible Authentication via Secure Tunneling)等を用いてもよい。
ここでは、無線AP100がIEEE802.11acに準拠している場合を主に例に挙げて説明する。IEEE802.11acは、最大160MHz幅に対応している。IEEE802.11acは、IEEE802.11n及びIEEE802.11aとの互換性を有する。IEEE802.11nは、最大40MHz幅に対応している。IEEE802.11aは、最大20MHz幅に対応している。無線AP100はIEEE802.11ac以外の規格に準拠していてもよい。
本実施形態に係る複数の無線AP100は、図1に例示するようにカバーエリア110が重複する。カバーエリア110が重複するとは、一の無線通信端末300の位置がカバーエリア110内のいずれの位置であっても、当該一の無線通信端末300が複数の無線AP100から受信する電波の受信強度が同様になる状態であってよい。ここで、「同様」とは、同一であること、ほとんど同じであること、略同一であること、実質的に同一であることを含んでよい。重複するカバーエリア110は、例えば、同様の構成及び機能を有する複数の無線AP100を近接して配置することによって形成される。
無線通信端末300は、無線AP100と通信可能であればどのような端末であってもよい。例えば、無線通信端末300は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末及びPC(Personal Computer)等である。
カバーエリア110において、IEEE802.11acに準拠している無線通信端末300、IEEE802.11nに準拠している無線通信端末300、及びIEEE802.11aに準拠している無線通信端末300等が混在する場合がある。すなわち、カバーエリア110において、利用可能帯域幅が160MHzの無線通信端末300、利用可能帯域幅が80MHzの無線通信端末300、利用可能帯域幅が40MHzの無線通信端末300、及び利用可能帯域幅が20MHzの無線通信端末300が混在する場合がある。利用可能帯域幅とは、無線通信端末300が利用可能な最大の帯域幅であってよい。
例えば、カバーエリア110において160MHzの帯域幅を使用可能である場合に、2台の無線AP100のそれぞれに重複しない80MHzの帯域幅を割り当てると、無線AP100は、利用可能帯域幅が80MHzの無線通信端末300との間では、割り当てられたすべての帯域幅を使用することができる。しかし、利用可能帯域幅が40MHzの無線通信端末300との間では、割り当てられている帯域のうち半分しか使用できず、利用可能帯域幅が20MHzの無線通信端末300との間では、割り当てられている帯域のうち4分の1しか使用できないことになり、周波数利用効率が低くなってしまう場合がある。
これに対して、本実施形態に係る無線通信制御装置200は、周波数利用効率を向上すべく複数の無線AP100を制御する。無線通信制御装置200は、複数の無線AP100に通信接続された複数の無線通信端末300に関する接続端末情報を複数の無線AP100から受信して、当該接続端末情報に含まれる複数の無線通信端末300の利用可能帯域幅に基づいて複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更することによって、周波数利用効率を向上させる。
図1に示す状況を例に挙げて、無線通信制御装置200が実行する処理の概要を説明する。図1は、使用可能な帯域幅が120MHzであり、無線AP102、無線AP104及び無線AP106のそれぞれに重複しない40MHzの帯域幅が割り当てられている状況を示す。また、図1は、利用可能帯域幅が80MHzである無線通信端末300と、利用可能帯域幅が20MHzである2台の無線通信端末300とが無線AP102と通信接続を確立しており、利用可能帯域幅が20MHzである無線通信端末300と無線AP104とが通信接続を確立しており、利用可能帯域幅が20MHzである無線通信端末300と無線AP106とが通信接続を確立している状況を示す。
無線通信制御装置200は、例えば、無線AP102、無線AP104及び無線AP106のそれぞれに40MHzを割り当てるよりも、無線AP102、無線AP104及び無線AP106のうちの1つに80MHzを割り当て、2つに20MHzを割り当てる方が、周波数利用効率が高いと判定する。また、無線通信制御装置200は、無線AP102に80MHzを割り当て、無線AP104及び無線AP106に20MHzを割り当て、かつ、無線AP102に接続されている、利用可能帯域幅が20MHzの2台の無線通信端末300のうちの一方を無線AP104に移行させ、他方を無線AP106に移行させる方が、周波数利用効率が高いと判定する。判定方法については後述する。
次に、無線通信制御装置200は、無線AP102が使用する帯域幅を80MHzに変更し、無線AP104が使用する帯域幅を20MHzに変更し、無線AP106が使用する帯域幅を20MHzに変更する。無線通信制御装置200は、複数の無線AP100のうち、変更後の帯域幅と利用可能帯域幅が対応しない無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100に、当該無線通信端末300との通信接続を切断させ、予め定められた期間、当該無線通信端末300との通信接続の確立を拒否させる。また、通信接続を切断させる無線通信端末300の移行先の無線AP100以外の無線AP100に、予め定められた期間、当該無線通信端末300との通信接続の確立を拒否させる。
図1の例では、無線通信制御装置200、無線AP102に、利用可能帯域幅が20MHzである2台の無線通信端末300との通信接続を切断させ、予め定められた期間、これら2台の無線通信端末300との通信接続の確立を拒否させる。また、無線通信制御装置200は、予め定められた期間、無線AP104に、当該2台の無線通信端末300のうちの一方との通信接続の確立を拒否させ、無線AP106に、当該2台の無線通信端末300のうちの他方との通信接続の確立を拒否させる。
本実施形態に係る複数の無線AP100はカバーエリア110が重複するので、無線AP102から通信接続を切断された2台の無線通信端末300は、一方が無線AP104と通信接続を確立し、他方が無線AP106と通信接続を確立することになる。無線通信制御装置200がこのような処理を実行することにより、複数の無線AP100のそれぞれに、利用可能帯域幅が対応する無線通信端末300のみを通信接続させることができ、周波数利用効率を向上させることができる。また、周波数利用効率を向上させることにより、全体のスループットを向上することができる。
図2は、無線通信制御装置200が格納する端末情報リスト240の一例を概略的に示す。端末情報リスト240は、無線通信制御装置200が複数の無線AP100から受信した複数の無線通信端末300の接続端末情報を含む。端末情報リスト240は、端末識別情報欄241、接続先AP欄242、現帯域幅欄243、最大対応帯域幅欄244、トラフィック量欄245及び移行先AP欄246を有する。
端末識別情報欄241には、無線通信端末300の端末識別情報が登録される。無線通信端末300の端末識別情報は、無線通信端末300を識別することができればどのような情報であってもよく、例えば、無線通信端末300のMAC(Media Access Control)アドレスである。
接続先AP欄242には、無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100のAP識別情報が登録される。無線AP100のAP識別情報は、無線AP100を識別することができればどのような情報であってもよく、例えば、無線AP100のMACアドレスである。
現帯域幅欄243には、無線通信端末300が接続先の無線AP100との間で使用している帯域幅が登録される。最大対応帯域幅欄244には、無線通信端末300が対応する最大の帯域幅が登録される。
トラフィック量欄245には、無線通信端末300のトラフィック量が登録される。図2では、トラフィック量が予め定められた第1の閾値よりも多い場合に「多」、第1の閾値よりも低い第2の閾値と第1の閾値との間の場合に「中」、第2の閾値よりも少ない場合に「少」が登録されている例を示す。トラフィック量の形式はこれに限らず、4段階以上で表現されてもよく、トラフィック量を表す数値によって表現されてもよい。
移行先AP欄246には、無線通信端末300の移行先として決定された無線AP100のAP識別情報が登録される。例えば、図1に示す状況において、ST2で識別される無線通信端末300を無線AP104に移行させ、ST3で識別される無線通信端末300を無線AP106に移行させることが決定された場合、ST2の移行先AP欄246には無線AP104のAP識別情報が登録され、ST3の移行先AP欄246には無線AP106のAP識別情報が登録される。
図3は、無線通信制御装置200が格納する帯域割当パターンリスト252の一例を概略的に示す。帯域割当パターンリスト252は、複数の無線AP100が使用可能な使用可能帯域幅が100から120ch(120MHz)であり、使用可能な無線AP100の数が3台である場合に使用する帯域割当パターンリストの例を示す。
パターン1は、1台目の無線AP100に100chから112ch(80MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に116ch及び120ch(40MHz)を割り当て、3台目の無線AP100をスリープ状態とする帯域割当パターンを示す。パターン2は、1台目の無線AP100に100chから112ch(80MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に116ch(20MHz)を割り当て、3台目の無線AP100に120ch(20MHz)を割り当てる帯域割当パターンを示す。パターン3は、1台目の無線AP100に100ch及び104ch(40MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に108ch及び112ch(40MHz)を割り当て、3台目の無線AP100に116ch及び120ch(40MHz)を割り当てる帯域割当パターンを示す。
無線通信制御装置200は、複数の帯域割当パターンのそれぞれについて、周波数利用効率を表す値を算出し、算出した値を比較することによって、周波数利用効率が最も高い帯域割当パターンを選択してよい。そして、無線通信制御装置200は、選択した帯域割当パターンに従って、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更してよい。
具体例として、無線通信制御装置200は、周波数利用効率が高いほど低い値を示す利用効率値を算出する。無線通信制御装置200は、複数の帯域割当パターンのそれぞれについて、無線通信端末300のそれぞれの利用可能帯域幅と、複数の無線AP100のそれぞれの割当帯域の帯域幅とに基づいて、利用効率値を算出してよい。無線通信制御装置200は、利用効率値の一例である混在度を、下記数式1を用いて算出してよい。
APは、無線通信制御装置200に接続されている無線AP100の数を示す。APBWnは、n番目の無線AP100の割当帯域の帯域幅を示す。STBW nはn番目の無線AP100に接続している利用可能帯域幅がBWの無線通信端末300の数を示す。
例えば、利用可能帯域幅が80MHzの1台の無線通信端末300と、利用可能帯域幅が20MHzの4台の無線通信端末300がカバーエリア110に在圏する場合、上記数式1によれば、パターン1における混在度は9となる。また、パターン2における混在度は5となる。また、パターン3における混在度は8.5となる。その結果、無線通信制御装置200によって、混在度が最も低いパターン2が選択される。
無線通信制御装置200は、複数の無線通信端末300のそれぞれのトラフィック量を考慮して混在度を算出してもよい。例えば、無線通信制御装置200は、下記数式2を用いて混在度を算出する。
STは、複数の無線AP100に接続されている無線通信端末300の総数を示す。CAPBWnは、n番目の無線通信端末300が接続している無線AP100の割当帯域の帯域幅を示す。Wnは、n番目の無線通信端末300のウェイトを示す。Wnは、例えば、無線通信端末300のトラフィック量が多いほど大きい値であってよい。数値の大きさは、無線通信制御装置200のオペレータ等によって、実験結果等に基づいて任意に決定されてよい。
図4は、無線通信制御装置200が格納する帯域割当パターンリスト254の一例を概略的に示す。帯域割当パターンリスト254は、複数の無線AP100が使用可能な使用可能帯域幅が100から128ch(160MHz)であり、使用可能な無線AP100の数が4台である場合に使用する帯域割当パターンリストの例を示す。
パターン1は、1台目の無線AP100に100chから128ch(160MHz)を割り当て、2台目から4台目の無線AP100をスリープ状態とする帯域割当パターンを示す。パターン2は、1台目の無線AP100に100chから112ch(80MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に116chから128ch(80MHz)を割り当て、3台目及び4台目の無線AP100をスリープ状態とする帯域割当パターンを示す。パターン3は、1台目の無線AP100に100chから112ch(80MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に116ch及び120ch(40MHz)を割り当て、3台目の無線AP100に124ch及び128ch(40MHz)を割り当て、4台目の無線AP100をスリープ状態とする帯域割当パターンを示す。パターン4は、1台目の無線AP100に100chから112ch(80MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に116ch及び120ch(40MHz)を割り当て、3台目の無線AP100に124ch(20MHz)を割り当て、4台目の無線AP100に128ch(20MHz)を割り当てる帯域割当パターンを示す。パターン5は、1台目の無線AP100に100ch及び104ch(40MHz)を割り当て、2台目の無線AP100に108ch及び112ch(40MHz)を割り当て、3台目の無線AP100に116ch及び120ch(40MHz)を割り当て、4台目の無線AP100に124ch及び128ch(40MHz)を割り当てる帯域割当パターンを示す。
図3及び図4に示すように、無線通信制御装置200は、複数の無線AP100の数と、複数の無線AP100が使用可能な帯域との組み合わせごとに、帯域割当パターンリストを格納してよい。これにより、無線通信制御装置200は、状況に応じた適切な帯域割当パターンを選択して、当該帯域割当パターンに従って、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更することができる。
図5は、従来技術による割当例410と、無線通信制御装置200による割当例420とを概略的に示す。縦軸は周波数を表し、横軸は時間を表す。割当例410及び割当例420は、複数の無線AP100により使用可能な帯域幅が160MHzである場合の例を示す。
割当例410では、無線AP102及び無線AP104のそれぞれに80MHz幅が割り当てられている。割当例410によれば、無線通信端末300の利用可能帯域幅が80MHzであれば、80MHzを利用した通信が行われるが、無線通信端末300の利用可能帯域幅が40MHz又は20MHzである場合、無線AP100に80MHzが割り当てられていても40MHz又は20MHzで通信することになる。
割当例420では、図3におけるパターン4に従って、無線AP102に80MHz、無線AP104に40MHz、無線AP106及び無線AP108に20MHzが割り当てられている。図5に示すとおり、割当例420によれば、割当例410における総通信量と同等の通信量を、より短時間で実現することができる。
図6は、無線通信制御装置200の機能構成の一例を概略的に示す。無線通信制御装置200は、パターン格納部202、端末情報受信部204、端末情報格納部205、混在度算出部206、混在度算出部208、パターン決定部210、帯域幅変更部212、接続制御部214、及びBL格納部220を備える。なお、無線通信制御装置200がこれら全ての構成を備えることは必須であるとは限らない。
パターン格納部202は、複数の帯域割当パターンを格納する。パターン格納部202は、無線AP100の数と、無線AP100が使用可能な帯域幅との組み合わせごとに、複数の帯域割当パターンを格納する。パターン格納部202は、例えば、無線AP100の数と、無線AP100が使用可能な帯域幅との組み合わせごとに、帯域割当パターンリストを格納する。
端末情報受信部204は、複数の無線AP100に通信接続された複数の無線通信端末300に関する接続端末情報を、複数の無線AP100から受信する。端末情報格納部205は、端末情報受信部204が受信した接続端末情報を格納する。
混在度算出部206は、複数の無線AP100の割当帯域の帯域幅と、複数の無線通信端末300が複数の無線AP100との間で利用している帯域幅とに基づいて、混在度を算出する。混在度算出部206は、接続端末情報に基づいて予め定められた条件が満たされたと判定した場合に、複数の無線AP100の割当帯域の帯域幅と、複数の無線通信端末300が複数の無線AP100との間で利用している帯域幅とに基づいて、混在度を算出してよい。混在度算出部206は、第1算出部の一例であってよい。
混在度算出部206は、複数の無線通信端末300のそれぞれについて、利用可能帯域幅が小さいほど大きく、通信接続先の無線AP100の割当帯域の帯域幅が大きいほど大きい算出値を算出し、複数の無線通信端末300の算出値を加算することにより、混在度を算出してよい。混在度算出部206は、無線通信端末300のトラフィック量が多いほど大きい算出値を算出してもよい。混在度算出部206は、例えば、上記数式2を用いて混在度を算出する。
混在度算出部206は、複数の無線AP100のそれぞれについて、無線AP100に接続している無線通信端末300の利用可能帯域幅及び数と、無線AP100の割当帯域とに基づいて、混在度を算出してもよい。混在度算出部206は、例えば、上記数式1を用いて混在度を算出する。
予め定められた条件とは、複数の無線AP100の少なくともいずれかについて、通信接続を確立している無線通信端末300の数が予め定められた閾値より多いことであってよい。また、予め定められた条件とは、複数の無線AP100のいずれかと通信接続を確立している無線通信端末300の総数が予め定められた閾値より多いことであってよい。また、予め定められた条件とは、複数の無線通信端末300の少なくともいずれかのトラフィック量が予め定められた閾値より多いことであってよい。また、予め定められた条件とは、複数の無線AP100の少なくともいずれかのトラフィック量が予め定められた閾値より多いことであってよい。
混在度算出部208は、パターン格納部202に格納されている複数の帯域割当パターンのそれぞれについて、複数の無線AP100のそれぞれの割当帯域の帯域幅と、複数の無線通信端末300のそれぞれの利用可能帯域幅とに基づいて混在度を算出する。混在度算出部208は、第2算出部の一例であってよい。
混在度算出部208は、複数の無線通信端末300のそれぞれについて、利用可能帯域幅が小さいほど大きく、通信接続先の無線AP100の割当帯域の帯域幅が大きいほど大きい算出値を算出し、複数の無線通信端末300の算出値を加算することにより、混在度を算出してよい。混在度算出部208は、無線通信端末300のトラフィック量が多いほど大きい算出値を算出してもよい。混在度算出部208は、例えば、上記数式2を用いて混在度を算出する。
混在度算出部208は、複数の無線AP100のそれぞれについて、無線AP100に接続している無線通信端末300の利用可能帯域幅及び数と、無線AP100の割当帯域とに基づいて、混在度を算出してもよい。混在度算出部208は、例えば、上記数式1を用いて混在度を算出する。
パターン決定部210は、端末情報格納部205に格納されている接続端末情報に含まれる複数の無線通信端末300のそれぞれの利用可能帯域幅に基づいて、複数の無線AP100に対して割り当てる帯域割当パターンを決定する。パターン決定部210は、例えば、端末情報格納部205に格納されている接続端末情報に含まれる複数の無線通信端末300のそれぞれの利用可能帯域幅に基づいて、パターン格納部202に格納されている複数の帯域割当パターンから一の帯域割当パターンを選択する。パターン決定部210は、無線通信制御装置200に接続されている複数の無線AP100の数と、当該複数の無線AP100が使用可能な帯域との組み合わせに対応する複数の帯域割当パターンから、一の帯域割当パターンを選択してよい。
パターン決定部210は、パターン格納部202に格納されている複数の帯域割当パターンのそれぞれについて、複数の無線AP100のそれぞれの割当帯域の帯域幅と、複数の無線通信端末300のそれぞれの利用可能帯域幅とを用いて算出された値に基づいて、一の帯域割当パターンを選択してよい。パターン決定部210は、混在度算出部208によって算出された混在度が他の帯域割当パターンよりも低い位置の帯域割当パターンを選択してよい。例えば、パターン決定部210は、算出された混在度が最も低い帯域割当パターンを選択する。
帯域幅変更部212は、パターン決定部210によって決定された帯域割当パターンに従って、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更する。帯域幅変更部212は、混在度算出部206によって算出された混在度が、パターン決定部210によって決定された帯域割当パターンの混在度よりも大きい場合に、パターン決定部210によって決定された帯域割当パターンに従って、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更してよい。
帯域幅変更部212は、パターン決定部210によって決定された帯域割当パターンと、複数の無線AP100に対する複数の無線通信端末300の通信確立状況とに基づいて、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更してよい。例えば、本実施形態によれば、複数の無線AP100の帯域幅が変更された後、変更後の帯域幅と利用可能帯域幅が対応しない無線通信端末300は、通信接続を切断されることになるが、帯域幅変更部212は、通信切断数が最も少なくなるように、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更する。
接続制御部214は、複数の無線通信端末300のうち、通信接続を確立している無線AP100の、帯域幅変更部212による変更後の帯域幅と利用可能帯域幅が対応しない無線通信端末300を、切断対象端末として特定する。変更後の帯域幅と利用可能帯域幅が対応しないとは、例えば、変更後の帯域幅と利用可能帯域幅とが一致しないことであってよい。
接続制御部214は、切断対象端末として特定された無線通信端末300の移行先の無線AP100を決定してよい。接続制御部214は、移行後の複数の無線AP100の負荷が分散されるように、切断対象端末の移行先の無線AP100を決定してよい。例えば、接続制御部214は、移行後の複数の無線AP100のそれぞれの接続数の差が最小となるように、切断対象端末の移行先を決定してよい。
接続制御部214は、切断対象端末として特定された無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100に、当該無線通信端末300との通信接続を切断させ、予め定められた期間、当該無線通信端末300との通信接続の確立を拒否させる。接続制御部214は、当該予め定められた期間、複数の無線AP100のうち、当該無線通信端末300の移行先の無線AP100以外の無線AP100に、当該無線通信端末300との通信接続の確立を拒否させてよい。予め定められた期間は、無線通信制御装置200に予め格納されていてよく、また、任意に設定されてもよい。
接続制御部214は、BL制御部216及び接続切断部218を有する。BL制御部216は、複数の無線AP100のブラックリスト(BL)を制御する。BLは、通信接続の確立を拒否する無線通信端末300の端末識別情報を登録するリストである。
BL制御部216は、切断対象端末の端末識別情報を、当該無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100のBLに登録することによって、当該無線AP100が当該無線通信端末300との通信接続を確立しないように制御する。BL制御部216は、切断対象端末の移行先の無線AP100が決定している場合、移行先の無線AP100以外の無線AP100のBLに、当該切断対象端末の端末識別情報を登録してよい。
BL制御部216は、複数の無線AP100のそれぞれがBLを格納している場合、端末識別情報を無線AP100に送信することによって、BLに登録させてよい。BL制御部216は、複数の無線AP100のBLを無線通信制御装置200が格納している場合には、格納しているBLに端末識別情報を登録してよい。また、BL制御部216は、BL格納部220が格納しているBLに端末識別情報を登録してよい。
複数の無線AP100のそれぞれがBLを格納している場合、各無線AP100は、無線通信端末300から接続要求を受信したときに、格納しているBLを参照して、通信接続の可否を判定する。また、複数の無線AP100のBLを無線通信制御装置200が格納している場合、各無線AP100は、無線通信端末300から接続要求を受信したときに、無線通信制御装置200が格納しているBLを参照して、通信接続の可否を判定する。
BL制御部216は、無線AP100のBLに端末識別情報を登録する場合に、当該端末識別情報の登録を維持する時間を示す追加時間を設定してよい。BL制御部216は、無線AP100のBLに、端末識別情報と対応付けて追加時間を登録してよい。また、BL制御部216は、複数の無線AP100のBLとは別に、端末識別情報と追加時間との対応付けを格納してもよい。また、BL制御部216は、BL格納部220に格納されているBLに、端末識別情報と対応付けて追加時間を登録してよい。
BL制御部216は、無線AP100のBLに端末識別情報を登録してから、設定した追加時間を経過した場合に、当該端末識別情報をBLから除外するように制御してよい。BL制御部216は、複数の無線AP100のそれぞれがBLを格納している場合、当該BLを参照して、各端末識別情報の追加時間が経過したか否かを判定してよい。なお、複数の無線AP100のそれぞれがBLを格納している場合、複数の無線AP100のそれぞれが、自らが格納するBLを参照して、追加時間が経過したか否かを判定し、経過したと判定した場合に、対応する端末識別情報をBLから除外してもよい。
BL制御部216は、複数の無線AP100のBLを無線通信制御装置200が格納している場合、当該BLを参照して、各端末識別情報の追加時間が経過したか否かを判定してよい。また、BL制御部216は、BL格納部220に格納されているBLを参照して、各端末識別情報の追加時間が経過したか否かを判定してよい。
接続切断部218は、切断対象端末として特定されている無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100に、当該無線通信端末300との通信接続を切断させる。接続切断部218は、例えば、無線AP100から無線通信端末300に対して切断信号を送信させるように、無線AP100を制御する。
図7は、無線通信制御装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、無線通信制御装置200が複数の無線AP100と接続されて、複数の無線AP100のそれぞれが無線通信端末300と通信接続を確立して通信している状態を開始状態として説明する。図7に示す各処理は、無線通信制御装置200が備える制御部が主体となって実行される。
ステップ702(ステップをSと省略して記載する場合がある。)では、端末情報受信部204が複数の無線AP100から接続端末情報を受信する。接続端末情報は、端末情報格納部205に格納される。
S704では、複数の無線AP100の少なくともいずれかの接続端末数又はトラフィック量が予め定められた閾値より多いか否かを判定する。多いと判定された場合、S706に進み、多いと判定されなかった場合、S720に進む。
S706では、混在度算出部206が現在の状況における混在度を計算する。S708では、混在度算出部208が、複数の無線AP100の数と複数の無線AP100が使用可能な帯域幅との組み合わせに対応する複数の帯域割当パターンのそれぞれについて、混在度を計算する。S710では、パターン決定部210が、S708において計算された混在度が最も低い帯域割当パターンを選択する。
S712では、S706において計算された混在度が、S710において決定された帯域割当パターンの混在度に予め設定された値αを加算した値よりも大きいか否かを判定する。αは、例えば、無線通信制御装置200のオペレータ等によって任意に設定されてよい。S712において大きいと判定された場合、S714に進み、大きいと判定されなかった場合、S720に進む。
S714では、帯域幅変更部212が、S710において決定された帯域割当パターンに従って、複数の無線AP100のそれぞれが使用する帯域幅を変更する。S716では、接続制御部214が、切断対象の無線通信端末300を決定する。接続制御部214は、通信接続を確立している無線AP100の変更後の帯域幅と利用可能帯域幅が対応しない無線通信端末300を、切断対象端末として決定する。接続制御部214は、切断対象端末の移行先の無線AP100を併せて決定してもよい。
S718では、接続制御部214が、S716において切断対象端末として決定された無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100に、切断対象端末との通信接続を切断させ、当該無線AP100のBLに、切断対象端末の端末識別情報を登録する。接続制御部214は、切断対象端末の移行先の無線AP100が決定されている場合、移行先の無線AP100以外の無線AP100のBLに、切断対象端末の端末識別情報を登録してよい。
S720では、予め定められたt秒の間、ウェイトする。S722では、終了フラグがONになっているかを判定する。終了フラグのON/OFFは、例えば、無線通信制御装置200のオペレータ等によって任意のタイミングで切り換えられる。終了フラグがONになっていないと判定した場合、S702に戻り、終了フラグがONになっていると判定した場合、処理を終了する。
図8は、無線通信制御装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。図8は、図7のS714におけるAP制御の一例を示す。
S802では、帯域幅変更部212が、複数の無線AP100のうちの1つ目の無線AP100について、使用するか否かを判定する。帯域幅変更部212は、無線AP100が帯域割当対象となっている場合、使用すると判定し、無線AP100がスリープ対象となっている場合、使用しないと判定する。
S804では、帯域幅変更部212が、無線AP100を稼働状態にする。帯域幅変更部212は、無線AP100が稼働していない場合、無線AP100を稼働状態に切り換え、無線AP100が既に稼働している場合、そのままの状態とさせてよい。S806では、帯域幅変更部212が、パターン決定部210によって決定された帯域割当パターンに従って、当該無線AP100が使用する帯域を変更する。
S808では、帯域幅変更部212が、無線AP100をスリープ状態にする。帯域幅変更部212は、無線AP100が稼働している場合、無線AP100をスリープ状態に切り換え、無線AP100がスリープ状態である場合、そのままの状態とさせてよい。
S810では、複数の無線AP100のすべてについて制御が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S802に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
図9は、無線通信制御装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。図9は、図7のS718における端末制御の一例を示す。なお、ここでは、切断対象の無線通信端末300の移行先の無線AP100が決定している場合を例に挙げて説明する。
S902では、接続制御部214が、複数の無線通信端末300のうちの1つ目の無線通信端末300が切断対象端末であるか否かを判定する。切断対象端末であると判定した場合、S904に進み、切断対象端末でないと判定した場合、S910に進む。
S904では、接続制御部214が、複数の無線AP100のうち、無線通信端末300の移行先の無線AP100以外の無線AP100のBLに、無線通信端末300の端末識別情報を登録する。S906では、接続制御部214が、BLに追加時間を設定する。S908では、無線通信端末300と通信接続を確立している無線AP100に、当該無線通信端末300との通信接続を切断させる。
S910では、複数の無線通信端末300のすべてについて制御が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S902に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
図10は、無線AP100による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、無線通信端末300から接続要求を受け付けて、当該接続要求を処理する流れを説明する。図10に示す各処理は、無線AP100が備える制御部が主体となって実行される。
S1002では、無線通信端末300から接続要求を受信する。S1004では、接続要求を送信した無線通信端末300の端末識別情報が、無線AP100のBLに登録されているか否かを判定する。登録されていると判定した場合、S1006に進み、登録されていないと判定した場合、S1008に進む。
S1006では、無線通信端末300の接続を受け入れる。S1008では、無線通信端末300の接続を拒否する。そして、処理を終了する。
図11は、無線通信制御装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。無線通信制御装置200は、図11に示す処理を予め定められた時間間隔で実行してもよいし、連続して実行してもよい。図11に示す各処理は、無線通信制御装置200が備える制御部が主体となって実行される。
S1102では、複数の無線AP100のうちの一の無線AP100を特定する。無線通信制御装置200は、接続された複数の無線AP100から任意の無線AP100を特定してよい。S1104では、BL制御部216が、S1102で特定された無線AP100のBLに登録されている複数の端末識別情報のうちの一の端末識別情報を特定する。
S1106では、S1104で特定された端末識別情報に対応する追加時間が0になっているか否かを判定する。追加時間が0になっていると判定された場合、S1108に進み、0になっていると判定されなかった場合、S1110に進む。S1108では、BL制御部216が、S1102で特定された無線AP100のBLから、S1104で特定された端末識別情報を除外する。
S1110では、S1102で特定された無線AP100のBLに登録されている全ての端末識別情報について処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S1104に戻って次の端末情報を特定し、終了していると判定した場合、S1112に進む。
S1112では、無線通信制御装置200に接続されている全ての無線AP100について処理が終了したか否かを判定する。終了していないと判定した場合、S1102に戻って次の無線AP100を特定し、終了していると判定した場合、処理を終了する。
なお、図11では、複数の無線AP100のそれぞれについて、BLに登録されている端末識別情報が示す無線通信端末300の追加時間が0になっているか否かを判定する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、無線通信制御装置200は、BL格納部220に格納されているBLに登録されている端末情報のうち、追加時間が0になっている端末情報があるか否かを判定し、追加時間が0になっている端末情報が少なくとも1つあった場合に、追加時間が0になっている端末情報を、複数の無線AP100のBLから除外してよい。
図12は、無線通信制御装置200として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、DVDドライブ1070及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ1090上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウエアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1070は、DVD−ROM1072からプログラム又はデータを読み取り、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供する。
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウエアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、DVD−ROM1072、又はICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を無線通信制御装置200として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、無線通信制御装置200の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段であるパターン格納部202、端末情報受信部204、端末情報格納部205、混在度算出部206、混在度算出部208、パターン決定部210、帯域幅変更部212、接続制御部214、及びBL格納部220として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の無線通信制御装置200が構築される。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。