JP6473655B2 - 端子結合装置及び端子結合方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一端から導体が露出した被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合装置及び端子結合方法に関するものである。
移動体としての自動車には、多種多様な電子機器が搭載されている。これらの電子機器は、互いの間で電力や制御信号などを伝えるためにワイヤハーネスによって接続されている。ワイヤハーネスは、複数の電線が束ねられた電線束と、この電線束の端末に取り付けられるコネクタとを備えている。このようなコネクタとしては、一端から導体が露出した被覆電線に端子金具が加締め結合された端子付き電線を複数収容するハウジングと、このハウジングの内部に設けられて外部からの水の浸入を防ぐシール部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。図16に、一例としての従来のコネクタの内部構造を示し、図17に、図16の従来のコネクタの組立て図を示す。
図16及び図17に示されている従来のコネクタ5は、ハウジング51と、弾性シール部材52と、カバー部材53とを有している。ハウジング51は、一端が開口した筒形状を有し、一端から導体が露出した被覆電線541に端子金具542が加締め結合された端子付き電線54を複数収容する。ハウジング51の他端側には、端子付き電線54の端子金具542を収容する端子収容部511が複数設けられている。弾性シール部材52には、被覆電線541を挿通させるシール側挿通孔521が複数設けられている。弾性シール部材52は、ハウジング51の開口512から嵌入される。カバー部材53は、弾性シール部材52をハウジング51の内部へと押圧しつつ開口512を塞ぐ。このカバー部材53には、シール側挿通孔521と連通するカバー側挿通孔531が複数設けられている。
この従来のコネクタ5では、シール側挿通孔521の内周面に、内側に周方向全周にわたって突出し、シール側挿通孔521を挿通した被覆電線541に押し付けられる電線用リップ部521aが設けられている。被覆電線541への電線用リップ部521aの押付けにより、この被覆電線541周りについて防水が図られている。
特開2006−59595号公報
ここで、図16や図17に示されている従来のコネクタ5では、防水性の観点から、シール側挿通孔521を挿通した被覆電線541に電線用リップ部521aが、被覆電線541の周方向について均等に押し付けられることが好ましい。そのためには、シール側挿通孔521における孔径の中心付近を被覆電線541が通る必要がある。しかしながら、被覆電線541への端子金具542の結合具合によっては、シール側挿通孔521における被覆電線541の位置が、孔径の中心付近からずれて防水性が低下する場合がある。
従って、本発明は、上記のような問題点に着目し、コネクタに取り付けた際に被覆電線の周りについて高い防水性が得られるように被覆電線に端子金具を結合することができる端子結合装置及び端子結合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一端から導体が露出した被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合装置において、前記端子金具が、相手側端子金具と接続される端子本体と、前記導体に加締め結合される導体結合部と、該導体結合部よりも前記端子本体から離れた位置に配置されて前記導体近傍の被覆部分に加締め結合される被覆結合部と、前記導体結合部と前記被覆結合部とを連結する連結部と、を有し、前記導体結合部が、前記導体が載置される帯状の導体用底部と、前記導体用底部の両側縁に立設されて前記導体用底部上の前記導体へと折り畳まれるように加締められる一対の導体用加締め片と、を有し、前記被覆結合部が、前記連結部を介して前記導体用底部に連結されて前記被覆部分が載置される帯状の被覆用底部と、前記被覆用底部の両側縁に立設されて前記被覆用底部上の前記被覆部分へと折り畳まれるように加締められる一対の被覆用加締め片と、を有しており、前記導体結合部の前記導体用底部に当接する導体用アンビルと、該導体用アンビルとの間に前記導体結合部を挟んで前記導体用底部上の前記導体へと前記一対の導体用加締め片を折り畳んで加締める導体用クリンパと、を有して前記導体に前記導体結合部を加締め結合する導体結合手段と、前記被覆結合部の前記被覆用底部に当接する、前記導体用アンビルとは別体に形成された被覆用アンビルと、該被覆用アンビルとの間に前記被覆結合部を挟んで前記被覆用底部上の前記被覆部分へと前記一対の被覆用加締め片を折り畳んで加締める、前記導体用クリンパとは別体に形成された被覆用クリンパと、を有して前記被覆部分に前記被覆結合部を加締め結合する被覆結合手段と、を備え、前記導体用クリンパと前記導体用アンビルが互いに接離する方向、及び前記被覆用クリンパと前記被覆用アンビルが互いに接離する方向について、前記導体結合部と前記被覆結合部との相対位置を調整可能なように、前記導体結合手段が前記導体結合部を加締めている導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と、前記被覆結合手段が前記被覆結合部を加締めている被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置と、の互いの位置関係、及び、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用クリンパの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用クリンパの位置との互いの位置関係、のうち少なくとも前記導体用アンビルの位置と前記被覆用アンビルの位置との互いの位置関係を相対的に変更可能に構成されていることを特徴とする端子結合装置となっている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端子結合装置において、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置との少なくとも一方を変更可能に構成されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の端子結合装置を用い、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置と、の互いの位置関係、及び、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用クリンパの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用クリンパの位置との互いの位置関係、のうち少なくとも前記導体用アンビルの位置と前記被覆用アンビルの位置との互いの位置関係を相対的に調整する調整工程と、前記導体結合手段及び前記被覆結合手段により、前記導体に前記導体結合部を加締め結合するとともに前記被覆部分に前記被覆結合部を加締め結合する加締め工程と、を備えたことを特徴とする端子結合方法となっている。
請求項1、に記載の発明によれば、端子金具における連結部を変形させることにより導体結合部と被覆結合部との相対位置を調整可能なように、導体加締め状態にあるときの導体結合手段の位置と被覆加締め状態にあるときの被覆結合手段の位置と、の互いの位置関係を相対的に変更可能に構成されている。つまり、端子金具に対する被覆電線の相対的な位置関係を適宜に変更することができる。これにより、被覆電線に端子金具が加締め結合された端子付き電線がコネクタに取り付けられる際に被覆電線の周りについて高い防水性が得られるようにコネクタにおける被覆電線の位置を調整することができる。即ち、請求項1、に記載の発明によれば、コネクタに取り付けた際に被覆電線の周りについて高い防水性が得られるように被覆電線に端子金具を結合することができる。
請求項2に記載の発明によれば、導体加締め状態にあるときの導体用アンビルの位置と被覆加締め状態にあるときの被覆用アンビルの位置との互いの位置関係、及び、導体加締め状態にあるときの導体用クリンパの位置と被覆加締め状態にあるときの被覆用クリンパの位置との互いの位置関係、のうち少なくとも一方の位置関係を相対的に変更可能に構成されている。導体用アンビル、被覆用アンビル、導体用クリンパ、及び被覆用クリンパは、いずれも加締め結合に当たって端子金具に力を確実に加え得る構成要素であることから、端子金具に対する被覆電線の相対的な位置関係を高い精度で調整することができる。
本発明の一実施形態にかかる端子結合装置及び端子結合方法で被覆電線に端子金具が結合された端子付き電線が取り付けられてなるコネクタを示す斜視図である。 図1に示されているコネクタの分解斜視図である。 図1及び図2に示されているハウジングを示す図である。 図2に示されているマットシールを示す図である。 図1及び図2に示されているリアグリッドを示す図である。 図1に示されているコネクタを、ハウジングにおける端子収容部側から見た平面図である。 図6中のC−C断面を示す図である。 図7中の領域Dの拡大図である。 図7中の領域Eの拡大図である。 図2や図7に示されている端子付き電線を詳細に示す図である。 被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合装置を模式的に示す側面図である。 図11に示されている導体結合手段における図11中のG−G断面と、図11に示されている被覆結合手段における図11中のH−H断面とを示す図である。 通常タイプの端子付き電線を作るときと同じ位置に被覆用アンビルの位置を設定して端子金具の加締め結合が行われて作成された細線タイプの端子付き電線を示す図である。 図13に示されている細線タイプの端子付き電線がコネクタに取り付けられたときに被覆電線の中心軸とシール側挿通孔の中心軸とがずれる様子を示す図である。 図11に示されている端子結合装置を用いて被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合方法を示す模式図である。 一例としての従来のコネクタの内部構造を示す図である。 図16の従来のコネクタの組立て図を示す図である。
本発明の実施形態にかかる端子結合装置及び端子結合方法の説明に先立って、まず、それらの端子結合装置及び端子結合方法で被覆電線に端子金具が結合された端子付き電線が取り付けられてなるコネクタを図1〜図14を参照して説明する。
このコネクタの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる端子結合装置及び端子結合方法で被覆電線に端子金具が結合された端子付き電線が取り付けられてなるコネクタを示す斜視図であり、図2は、図1に示されているコネクタの分解斜視図である。
図1及び図2に示されているコネクタ1は、不図示のワイヤハーネスの端末に設けられ、電子機器等に設けられた相手方コネクタと接続されるものであり、ハウジング11と、マットシール12と、リアグリッド13と、を備えている。
ハウジング11は、一端が開口した略角筒形状を有する硬質樹脂製の部材であり、端子付き電線を複数収容する。尚、ここでは、ハウジング11には、サイズの異なる2種類の端子付き電線が収容される。2種類の端子付き電線は、そのサイズを除いて互いに同等な構成を有している。そこで、以下では、2種類の端子付き電線について、特に断らない限りは区別せずに単に端子付き電線14と呼んで説明を行う。図2には、端子付き電線14が1本だけ代表的に示されている。端子付き電線14は、一端から導体が露出した被覆電線141と、その一端に加締め結合された端子金具142とを有している。この端子金具142の先端部分が、相手方コネクタの端子金具と接続される、四角筒状の端子本体142aとなっている。
マットシール12は、例えばシリコーンゴム等の弾性材料で形成された略矩形板状の部材であり、ハウジング11内への水の浸入を防ぐ役割を果たす。このマットシール12は、ハウジング11の開口111から嵌入される。また、マットシール12には、端子付き電線14の被覆電線141を挿通させるシール側挿通孔121が複数設けられている。シール側挿通孔121は、小サイズの(即ち、細い)被覆電線141を挿通させる小サイズ用シール側挿通孔121aと、大サイズの(即ち、太い)被覆電線141を挿通させる大サイズ用シール側挿通孔121bとからなる。マットシール12が、本発明にいう弾性シール部材の一例に相当し、シール側挿通孔121が、本発明にいう電線挿通孔の一例に相当する。
リアグリッド13は、マットシール12をハウジング11の内部へと押圧しつつ開口111を塞ぐようにハウジング11に取り付けられる略矩形ブロック状のカバー部材となっている。このリアグリッド13には、マットシール12におけるシール側挿通孔121と連通するカバー側挿通孔131が複数設けられている。カバー側挿通孔131は、小サイズ用シール側挿通孔121aと連通する小サイズ用カバー側挿通孔131aと、大サイズ用シール側挿通孔121bと連通する大サイズ用カバー側挿通孔131bとからなる。
以下、図1及び図2に示されているコネクタ1の各構成要素について、別図を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図1及び図2に示されているハウジングを示す図である。図3(a)には、ハウジング11を開口111とは反対側から見た斜視図が示されており、図3(b)には、ハウジング11を開口111側から見た斜視図が示されている。
ハウジング11における開口111とは反対側に、端子付き電線14の端子金具142を収容する端子収容部112が複数設けられている。端子収容部112は、小サイズの端子付き電線14の端子金具142を収容する小サイズ用端子収容部112aと、大サイズの端子付き電線14の端子金具142を収容する大サイズ用端子収容部112bとからなる。マットシール12のシール側挿通孔121及びリアグリッド13のカバー側挿通孔131は、このハウジング11における端子収容部112と連通するようになっている。
このハウジング11には、開口111と端子収容部112との間に、周壁113で囲まれた空間が形成されている。マットシール12とリアグリッド13は、開口111からこの空間へと嵌入される。
また、ハウジング11の内周面114には、周方向に1周して張り出して開口111側を向いた面であって、マットシール12に当接する当接面になっているとともに、開口111側から見てマットシール12の周縁部と重なる段差面115が形成されている。後述するように、開口111からマットシール12が嵌入されると、このマットシール12の周縁部が段差面115に突き当たるようになっている。そして、マットシール12の周縁部は、この段差面115とリアグリッド13との間に押圧状態で挟まれる。
また、ハウジング11の周壁113には、開口111から嵌入されたリアグリッド13を上記の空間内に保持するために、リアグリッド13の後述する係止突起が係止する被係止孔116が設けられている。被係止孔116は、周壁113のうち、図3中における上下2つの周壁113それぞれに2箇所ずつ、合計で4箇所に設けられている。
図4は、図2に示されているマットシールを示す図である。図4(a)には、マットシール12を、ハウジング11の開口111側とは反対側の裏面から見た裏面図が示されている。また、図4(b)には、図4(a)中のA−A断面を示す断面図が示されている。
マットシール12には、上述したように、小サイズ用シール側挿通孔121aと大サイズ用シール側挿通孔121bとからなる複数のシール側挿通孔121が設けられている。そして、図4(b)に示されているように、各シール側挿通孔121の内周面には、内側に向かって突出し、シール側挿通孔121を挿通した端子付き電線14に押し付けられる電線用リップ部121cが設けられている。
マットシール12は、リアグリッド13側を向く面が平坦面となっており、その平坦面側で複数のシール側挿通孔121を囲む周縁部が一周に亘って外側に張り出したフランジ部122となっている。このフランジ部122は、マットシール12において複数のシール側挿通孔121が設けられている領域よりも厚みが薄くなっている。マットシール12が開口111から嵌入されると、このフランジ部122が、ハウジング11の段差面115に突き当たる。さらに、その開口111からリアグリッド13が嵌入されると、フランジ部122は、段差面115とリアグリッド13とで挟まれる。
図5は、図1及び図2に示されているリアグリッドを示す図である。図5(a)には、リアグリッド13を、ハウジング11の開口111側とは反対側の裏面から見た裏面図が示されている。また、図5(b)には、図5(a)中のB−B断面を示す断面図が示されている。
リアグリッド13は、上述したように、略矩形ブロック状のカバー部材であり、小サイズ用カバー側挿通孔131aと大サイズ用カバー側挿通孔131bとからなる複数のカバー側挿通孔131が設けられている。このリアグリッド13における、マットシール12と対向するシール対向面132は平坦面となっており、このシール対向面132の周縁部とハウジング11の段差面115との間に、マットシール12のフランジ部122を挟むようになっている。また、リアグリッド13の外周面には、このリアグリッド13が開口111からハウジング11に嵌入されたときに図3に示されている被係止孔116に入り込んで係止する係止突起134が設けられている。係止突起134は、リアグリッド13の外周面のうち、図5中における上下2つの外周面それぞれに2箇所ずつ、合計で4箇所に設けられている。
次に、以上に説明した構成要素からなるコネクタ1の組立て構造について説明する。
図6は、図1に示されているコネクタを、ハウジングにおける端子収容部側から見た平面図である。また、図7は、図6中のC−C断面を示す図であり、図8は、図7中の領域Dの拡大図であり、図9は、図7中の領域Eの拡大図である。C−C断面は、図1において端子付き電線14が1本だけ代表的に示されている左上隅を通る断面となっている。
図7に示されているように、コネクタ1では、マットシール12は、ハウジング11に開口111から、図7中で右から左へと向かう嵌入方向D1に、フランジ部122が段差面115に突き当たるまで嵌入される。その後、リアグリッド13が、ハウジング11に開口111から嵌入方向D1に嵌入される。そして、マットシール12は、そのフランジ部122が、ハウジング11の段差面115と、リアグリッド13におけるシール対向面132の周縁部とで押圧状態で挟まれてハウジング11内に収容される。
そして、図7に示されているように、マットシール12のシール側挿通孔121とリアグリッド13のカバー側挿通孔131に、端子付き電線14における被覆電線141が挿通される。上述したように、また、図8に示されているように、シール側挿通孔121の内周面には電線用リップ部121cが設けられている。そして、この電線用リップ部121cが、被覆電線141に押し付けられる。尚、図8では、電線用リップ部121cが、被覆電線141と重なったように図示されているが、実際は、被覆電線141に押されて潰れるように変形して被覆電線141に密着している。これにより、このシール側挿通孔121における防水が図られている。
ここで、詳細については後述するが、端子付き電線14では、端子収容部112に収容された端子金具142に結合された被覆電線141がシール側挿通孔121における孔径の中心付近を通るように、端子金具142が被覆電線141に結合されている。即ち、図8に示されているように、端子金具142に結合された被覆電線141において長手方向に延びる中心軸141aは、シール側挿通孔121の中心軸121dと略一致するように構成されている。これにより、シール側挿通孔121を挿通した被覆電線141に電線用リップ部121aが、被覆電線141の周方向について略均等に押し付けられることとなり、被覆電線141の周りについて防水性が高められている。
また、図7に示されているように、端子付き電線14における端子金具142がハウジング11の端子収容部112に収容される。ここで、この端子金具142は、図2に斜視図で示したように四角筒状の端子本体142aを有している。端子金具142は、この端子本体142aの先端が、端子収容部112の、マットシール12側とは反対側の端部に達するように端子収容部112に収納される。また、図9に示されているように、端子本体142aにおける被覆電線141側の縁142a−1が、端子収容部112に設けられた端子被係止部112cに係止している。端子金具142は、端子収容部112に、この係止によって抜け止めされた状態で収容されている。
図10は、図2や図7に示されている端子付き電線を詳細に示す図である。図10(a)には、端子付き電線14の斜視図が示され、図10(b)には、端子付き電線14を、端子本体142aの先端側から見た正面図が示されている。そして、図10(c)には、図10(b)中のF−F断面が示されている。
上述したように、端子付き電線14は、一端から導体141bが露出した被覆電線141に端子金具142が加締め結合されて構成されている。端子金具142は、端子本体142aと、導体結合部142bと、被覆結合部142cと、連結部142dとを有している。端子本体142aは、不図示の相手側コネクタの端子金具と接続される。導体結合部142bは、被覆電線141から露出した導体141bに加締め結合される。被覆結合部142cは、導体結合部142bよりも端子本体142aから離れた位置に配置されて導体141bの近傍の被覆部分141cに加締め結合される。また、連結部142dは、導体結合部142bと被覆結合部と142cとを連結する。
導体結合部142bは、導体用底部142b−1と、一対の導体用加締め片142b−2とを有している。導体用底部142b−1は、被覆電線141の導体141bが載置される帯状の部分である。一対の導体用加締め片142b−2は、導体用底部142b−1の両側縁に立設されて、導体用底部142b−1上の導体141bへと折り畳まれるように加締め方向D2に加締められる部分である。
被覆結合部142cは、被覆用底部142c−1と、一対の被覆用加締め片142c−2とを有している。被覆用底部142c−1は、上記の導体用底部142b−1と連続して形成されて被覆電線141における上記の被覆部分141cが載置される帯状の部分である。一対の被覆用加締め片142c−2は、被覆用底部142c−1の両側縁に立設されて被覆用底部142c−1上の被覆部分141cへと折り畳まれるように加締め方向D2に加締められる部分である。
連結部142dは、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1とを連結している。
そして、上述したように、シール側挿通孔121における被覆電線141の周りについて防水性を高めるべく、コネクタ1に取り付けられたときに、被覆電線141の中心軸141aが、シール側挿通孔121の中心軸121dと略一致するように構成されている。これらの中心軸141a,121dの一致が、導体結合部142bと被覆結合部142cとの加締め方向D2の相対的な位置関係の調整、即ち、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1との加締め方向D2の相対的な位置関係の調整により図られている。このような調整が、被覆電線141に端子金具142を加締め結合する、以下に説明する端子結合装置によって行われる。
図11は、被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合装置を模式的に示す側面図である。この図11に示されている端子結合装置2が、本発明の端子結合装置の一実施形態に相当する。この図11には、端子結合装置2とともに、加締め結合の前で、導体結合部142bにおける一対の導体用加締め片142b−2と、被覆結合部142cにおける一対の被覆用加締め片142c−2とが、ともに延びた状態の端子金具142も図示されている。
端子結合装置2は、導体結合手段21と被覆結合手段22とを備えている。導体結合手段21は、被覆電線141の導体141bに端子金具142の導体結合部142bを加締め方向D2に加締め結合する機構である。被覆結合手段22は、被覆電線141の被覆部分141cに端子金具142の被覆結合部142cを加締め方向D2に加締め結合する、上記の導体結合手段21とは別体に構成された機構である。
図12は、図11に示されている導体結合手段における図11中のG−G断面と、図11に示されている被覆結合手段における図11中のH−H断面とを示す図である。図12(a)には導体結合手段21の断面が示され、図12(b)には被覆結合手段22の断面が示されている。
図11及び図12に示されているように、導体結合手段21は、導体用アンビル211と導体用クリンパ212とを備えている。導体用アンビル211は、端子金具142の導体結合部142bにおける導体用底部142b−1に当接するものである。導体用クリンパ212は、導体用アンビル211との間に導体結合部142bを挟んで導体用底部142b−1上の導体141bへと一対の導体用加締め片142b−2を加締め方向D2に折り畳んで加締めるものである。
導体用アンビル211は、不図示の設置面に立設された板状の部材であり、その上縁211aが導体用底部142b−1に当接する。この導体用アンビル211は、その板厚が、端子金具142の導体結合部142bの幅と同程度となっており、その上縁211aが延びる方向の幅が、導体結合部142bの長さよりも長く形成されている。また、導体用アンビル211の上縁211aは、図12(a)に示されているように、若干凹んだ曲面を有する、底の浅い溝状に形成されている。
導体用クリンパ212は、導体用アンビル211の上方に配置され、不図示の移動機構により導体用アンビル211に向かって加締め方向D2に降下する部材である。図12(a)に示されているように、導体用クリンパ212において導体用アンビル211の上縁211aに対する対向面212aには、降下時に導体用アンビル211が進入する、延いては導体結合部142bが進入する溝212bが設けられている。この溝212bは、導体用アンビル211及び導体結合部142bの進入口が幅広に形成され、奥側が導体結合部142bの幅と同程度に幅狭に形成されている。さらに、この溝212bの底が、その中央が突出した略m字状の断面を有する形状に形成されている。
加締め時には、一対の導体用加締め片142b−2が延びた状態の導体結合部142bの導体用底部142b−1に導体141bが載置され、その導体用底部142b−1に導体用アンビル211の上縁211aが当接するように端子金具142が配置される。そして、その導体用アンビル211との間に導体結合部142bを挟むように、導体用クリンパ212が加締め方向D2に降下する。この降下につれて、導体結合部142bが導体用クリンパ212の溝212bに進入し、やがて、一対の導体用加締め片142b−2の先端縁が溝212bの底に当接する。導体用クリンパ212がさらに降下すると、この溝212bの底に押されて、一対の導体用加締め片142b−2が溝212bの内面形状に沿って導体141bに向かって折り畳まれる。また、溝212bの底が上記のように略m字状の断面を有しているので、一対の導体用加締め片142b−2は、その先端縁が導体141bに食い込むように折り畳まれる。これにより、導体結合部142b(即ち、端子金具142)が、被覆電線141の導体141bに電気的及び機械的に結合される。
図11及び図12に示されているように、被覆結合手段22は、被覆用アンビル221と被覆用クリンパ222とを備えている。被覆用アンビル221は、端子金具142の被覆結合部142cにおける被覆用底部142c−1に当接するものである。被覆用クリンパ222は、被覆用アンビル221との間に被覆結合部142cを挟んで被覆用底部142c−1上の被覆部分141cへと一対の被覆用加締め片142c−2を加締め方向D2に折り畳んで加締めるものである。
被覆用アンビル221は、不図示の設置面に、上記の導体用アンビル211に隣接するとともに、加締め方向D2に沿った移動方向D3に移動可能に立設された板状の部材であり、その上縁221aが被覆用底部142c−1に当接する。この被覆用アンビル221は、その板厚が、端子金具142の被覆結合部142cの幅と同程度となっており、その上縁221aが延びる方向の幅が、被覆結合部142cの長さよりも長く形成されている。また、被覆用アンビル221の上縁221aは、図12(a)に示されているように、若干凹んだ曲面を有する、底の浅い溝状に形成されている。
被覆用クリンパ222は、被覆用アンビル221の上方に、導体用アンビル211に隣接して配置され、不図示の移動機構により被覆用アンビル221に向かって加締め方向D2に降下する部材である。図12(b)に示されているように、被覆用クリンパ222において被覆用アンビル221の上縁221aに対する対向面222aには、降下時に被覆用アンビル221が進入する、延いては被覆結合部142cが進入する溝222bが設けられている。この溝222bは、被覆用アンビル221及び被覆結合部142cの進入口が幅広に形成され、奥側が被覆結合部142cの幅と同程度に幅狭に形成されている。この溝222bの底は、滑らかな凹面状に形成されている。
加締め時には、一対の被覆用加締め片142c−2が延びた状態の被覆結合部142cの被覆用底部142c−1に導体141bの近傍の被覆部分141cが載置され、その被覆用底部142c−1に被覆用アンビル221の上縁221aが当接するように端子金具142が配置される。そして、その被覆用アンビル221との間に被覆結合部142cを挟むように、被覆用クリンパ222が加締め方向D2に降下する。この降下につれて、被覆結合部142cが被覆用クリンパ222の溝222bに進入し、やがて、一対の被覆用加締め片142c−2の先端縁が溝222bの底に当接する。被覆用クリンパ222がさらに降下すると、この溝222bの底に押されて、一対の被覆用加締め片142c−2が溝222bの内面形状に沿って被覆部分141cに向かって折り畳まれる。これにより、被覆結合部142c(即ち、端子金具142)が、被覆部分141cに機械的に結合される。尚、被覆用クリンパ222の降下は、導体用クリンパ212の降下と同時に行われる。
上述したように、被覆用アンビル221は、移動方向D3に移動可能に構成されている。これにより、導体結合手段21が導体結合部142bを加締めている導体加締め状態にあるときの当該導体結合手段21の位置と、被覆結合手段22が被覆結合部142cを加締めている被覆加締め状態にあるときの当該被覆結合手段22の位置と、の互いの位置関係が相対的に変更可能となっている。より具体的には、導体加締め状態にあるときの導体用アンビル211の位置と被覆加締め状態にあるときの被覆用アンビル221の位置との互いの位置関係が変更可能となっている。このような変更により、端子金具142における連結部142dを変形させることによる導体結合部142bと被覆結合部142cとの相対位置の調整が可能となっている。延いては、端子金具142と被覆電線141との加締め方向D2の相対的な位置関係が調整可能となっている。そして、この調整は、端子付き電線14がコネクタ1に取り付けられたときに、端子金具142に結合された被覆電線141の中心軸141aをシール側挿通孔121の中心軸121dに略一致させるべく行われる。
ここで、コネクタ1では、図2等を参照して説明したように大サイズの(即ち、太い)被覆電線141を用いた端子付き電線14と、小サイズの(即ち、細い)被覆電線141を用いた端子付き電線14が使われる。端子金具142としても各被覆電線141に応じて大サイズのものと小サイズのものとが使われる。このとき、本実施形態では、小サイズの端子付き電線14が、自動車のワイヤハーネスにおいて比較的に使用頻度の高い所定太さの被覆電線よりも更に細い被覆電線141が使われた細線タイプの端子付き電線14となっている。
一方で、部品コストを抑えるために、小サイズの端子付き電線14の端子金具142としては、上記のように使用頻度の高い所定太さの被覆電線にも使用できるように、その所定太さの被覆電線に対応した端子金具が用いられる。以下、所定太さの被覆電線を用いた端子付き電線のことを通常タイプの端子付き電線と呼ぶ。
本実施形態では、端子金具142として、通常タイプの端子付き電線がコネクタ1に取り付けられたときに、所定太さの被覆電線の中心軸がシール側挿通孔121の中心軸121dと略一致するように導体結合部142bと被覆結合部142cとの加締め方向D2の相対位置、即ち連結部142dの形状が予め調整されたものが採用されている。図11に示されている端子金具142は、このように予め調整されたものであり、導体結合部142bに対して、被覆結合部142cが加締め方向D2にずれており、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1との間の連結部142dが段差状に形成されている。
このような通常タイプの端子付き電線を作る際には、加締め後にも連結部142dが段差状のままとなるように、被覆用アンビル221の位置が導体用アンビル211よりも連結部142dにおける段差の分だけ加締め方向D2に下がった位置となるように、被覆用アンビル221が移動方向D3に動かされる。
一方、本実施形態で用いられる細線タイプの端子付き電線14を作る際に、通常タイプの端子付き電線を作るときと同じ位置に被覆用アンビル221の位置を設定すると、その細線タイプの端子付き電線14をコネクタ1に取り付けたときに被覆電線141の中心軸141aとシール側挿通孔121の中心軸121dとがずれる恐れがある。
図13は、通常タイプの端子付き電線を作るときと同じ位置に被覆用アンビルの位置を設定して端子金具の加締め結合が行われて作成された細線タイプの端子付き電線を示す図である。また、図14は、図13に示されている細線タイプの端子付き電線がコネクタに取り付けられたときに被覆電線の中心軸とシール側挿通孔の中心軸とがずれる様子を示す図である。
図13に示されているように、導体結合部142bの導体用底部142b−1と被覆結合部142cの被覆用底部142c−1との間の連結部142dが段差状に形成されたまま細線タイプの端子付き電線14が作成されたとする。この場合、被覆電線141の中心軸141aの位置は、通常タイプの端子付き電線における被覆電線141の中心軸141aの位置よりも被覆用底部142c−1側に下がった位置になる。その結果、図14に示されているように、被覆電線141の中心軸141aが、シール側挿通孔121の中心軸121dよりも下がった位置にずれることとなる。これら2つの中心軸141a,121dの間にこのような位置ズレGpが生じると、被覆電線141への電線用リップ部121aの押付けが、被覆電線141の周方向について不均等となり、被覆電線141の周りについて防水性が低下する恐れがある。
そこで、本実施形態では、細線タイプの端子付き電線14の作成に当たって、図11に示されている被覆用アンビル221を、通常タイプの端子付き電線の作成のときよりも上方に移動させて、被覆結合部142cの加締めが行われる。本実施形態では、細線タイプの端子付き電線14には、端子金具142の連結部142dにおける上記の段差が無くなったときに、被覆電線141の中心軸141aがシール側挿通孔121の中心軸121dと略一致するような太さの被覆電線141が使われる。このため、被覆用アンビル221の位置は、その上縁221aが、導体用アンビル211の上縁211aと略一致する位置に設定される。これにより、導体用クリンパ212と被覆用クリンパ222が降下して加締めが行われる際に上記の段差が延びるように連結部142dが変形される。その結果、図10(c)に示されているように、加締め後の端子金具142は、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1とが略面一となった形状になる。
そして、加締め時に端子金具142をこのような形状とすることで、図8に示されているように、細線タイプの端子付き電線14における被覆電線141の中心軸141aがシール側挿通孔121の中心軸121dと略一致することとなる。これにより、細線タイプの端子付き電線14を用いても、被覆電線141への電線用リップ部121aの押付けが、被覆電線141の周方向について略均等となり、被覆電線141の周りについて高い防水性を得ることができる。
次に、図11に示されている端子結合装置2を用いて被覆電線141に端子金具142を加締め結合する端子結合方法について、ここまでの説明と重複する部分もあるが、図15を参照して説明する。
図15は、図11に示されている端子結合装置を用いて被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合方法を示す模式図である。図15に示されている端子結合方法は、上記のように細線タイプの端子付き電線14を作成する際の端子結合方法である。この図15に示されている端子結合方法が、本発明の端子結合方法の一実施形態に相当する。
この端子結合方法では、まず、導体結合手段21と被覆結合手段22との、加締め方向D2の相対的な位置関係を調整する調整工程が実行される(ステップS1)。この調整工程では、細線タイプの端子付き電線14における被覆電線141の中心軸141aがシール側挿通孔121の中心軸121dと略一致するように、端子金具142の連結部142dを、予め設けられている段差を無くすように変形するべく、導体用アンビル211と被覆用アンビル221との加締め方向D2の相対的な位置関係が調整される。具体的には、導体用アンビル211の上縁211aと被覆用アンビル221の上縁221aとが略一致するように、被覆用アンビル221が移動方向D3に動かされて、その位置が調整される。
次に、導体用アンビル211の上縁211aに導体結合部142bの導体用底部142b−1が当接するとともに、被覆用アンビル221の上縁221aに被覆結合部142cの被覆用底部142c−1が当接するように、端子結合装置2に端子金具142がセットされる(ステップS2)。このステップS2の時点では、一対の導体用加締め片142b−2と一対の被覆用加締め片142c−2が延びた状態となっている。また、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1との間の連結部142dは段差状に形成されている。このステップS2の際に、導体用底部142b−1に導体141bが載置され、被覆用底部142c−1にその近傍の被覆部分141cが載置されるように、被覆電線141が端子金具142にセットされる。
最後に、導体結合手段21及び被覆結合手段22により、導体141bに導体結合部142bを加締め結合するとともに被覆部分141cに被覆結合部142cを加締め結合する加締め工程が実行される(ステップS3)。この加締め工程では、導体用クリンパ212と被覆用クリンパ222が、加締め方向D2に降下する。図12に示されている導体用クリンパ212の溝212bの底によって一対の導体用加締め片142b−2が押されて導体141bに向かって折り畳まれ、被覆用クリンパ222の溝222bの底によって一対の被覆用加締め片142c−2が押されて被覆部分141cに向かって折り畳まれる。また、この時の押圧力によって、上記の段差が延びるように連結部142dが変形されて、導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1とが略面一に形成される。この加締め工程により、端子金具142が被覆電線141に結合されて端子付き電線14が完成する。
以上に説明した本実施形態の端子結合装置2、及び、その端子結合装置2を用いた端子結合方法によれば、端子金具142における連結部142dを変形させることにより導体結合部142bと被覆結合部142cとの相対位置を調整可能なように、導体加締め状態にあるときの導体結合手段21の位置と被覆加締め状態にあるときの被覆結合手段22の位置と、の互いの位置関係を相対的に変更可能に構成されている。つまり、端子金具142に対する被覆電線141の相対的な位置関係を適宜に変更することができる。これにより、被覆電線141に端子金具142が加締め結合された端子付き電線14がコネクタ1に取り付けられる際に被覆電線141の周りについて高い防水性が得られるようにコネクタ1における被覆電線141の位置を調整することができる。即ち、本実施形態の端子結合装置2及び端子結合方法によれば、コネクタ1に取り付けた際に被覆電線141の周りについて高い防水性が得られるように被覆電線141に端子金具142を結合することができる。
また、本実施形態の端子結合装置2及び端子結合方法によれば、導体加締め状態にあるときの導体用アンビル211の位置と被覆加締め状態にあるときの被覆用アンビル221の位置との互いの位置関係を相対的に変更可能に構成されている。導体用アンビル211及び被覆用アンビル221は、いずれも加締め結合に当たって端子金具142に力を確実に加え得る構成要素であることから、端子金具142に対する被覆電線141の相対的な位置関係を高い精度で調整することができる。
また、本実施形態の端子結合装置2及び端子結合方法によれば、導体加締め状態にあるときの導体結合手段21の位置と被覆加締め状態にあるときの被覆結合手段22の位置との互いの位置関係が、端子収容部112に収容された端子金具142に結合された被覆電線141がシール側挿通孔121における孔径の中心付近を通るように調整される。これにより、被覆電線141に端子金具142が加締め結合された端子付き電線14がコネクタ1に取り付けられる際に被覆電線141の周りについて高い防水性を一層確実に得ることができる。
尚、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の端子結合装置及び端子結合方法の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
例えば、前述した実施形態では、本発明の端子結合装置及び端子結合方法の各一例として、被覆用アンビル221を加締め方向D2に沿った移動方向D3に移動させて、導体用アンビル211と被覆用アンビル221との相対的な位置関係を変更することで、導体結合手段21と被覆結合手段22との相対的な位置関係が変更される端子結合装置2及び端子結合方法が例示されている。しかしながら、本発明の端子結合装置及び端子結合方法は、これに限るものではなく、例えば、導体用アンビルを移動させて、導体用アンビルと被覆用アンビルとの位置関係を変更するものであってもよく、あるいは、導体用アンビルと被覆用アンビルとの両方を移動させて導体用アンビルと被覆用アンビルとの位置関係を変更するものであってもよい。
また、導体結合手段と被覆結合手段との位置関係の変更は、導体用アンビルと被覆用アンビルとの位置関係の変更に限るものではない。即ち、導体用アンビルと被覆用アンビルとの位置関係、及び、導体用クリンパと被覆用クリンパとの位置関係の両方を変更するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、本発明にいう調整工程の一例として、連結部142dの変形により導体用底部142b−1と被覆用底部142c−1とが略面一になるように導体結合手段21と被覆結合手段22との位置関係を調整する工程(ステップS1)が例示されている。しかしながら、本発明にいう調整工程はこれに限るものではなく、例えば使用される被覆電線の太さ等に応じて、具体的な調整位置は適宜に変更され得る。
1 コネクタ
2 端子結合装置
12 マットシール(弾性シール部材の一例)
21 導体結合手段
22 被覆結合手段
112 端子収容部
121 シール側挿通孔(電線挿通孔の一例)
141 被覆電線
141b 導体
141c 被覆部分
142 端子金具
142a 端子本体
142b 導体結合部
142b−1 導体用底部
142b−2 導体用加締め片
142c 被覆結合部
142c−1 被覆用底部
142c−2 被覆用加締め片
142d 連結部
211 導体用アンビル
212 導体用クリンパ
221 被覆用アンビル
222 被覆用クリンパ
D2 加締め方向

Claims (3)

  1. 一端から導体が露出した被覆電線に端子金具を加締め結合する端子結合装置において、
    前記端子金具が、相手側端子金具と接続される端子本体と、前記導体に加締め結合される導体結合部と、該導体結合部よりも前記端子本体から離れた位置に配置されて前記導体近傍の被覆部分に加締め結合される被覆結合部と、前記導体結合部と前記被覆結合部とを連結する連結部と、を有し、
    前記導体結合部が、前記導体が載置される帯状の導体用底部と、前記導体用底部の両側縁に立設されて前記導体用底部上の前記導体へと折り畳まれるように加締められる一対の導体用加締め片と、を有し、
    前記被覆結合部が、前記連結部を介して前記導体用底部に連結されて前記被覆部分が載置される帯状の被覆用底部と、前記被覆用底部の両側縁に立設されて前記被覆用底部上の前記被覆部分へと折り畳まれるように加締められる一対の被覆用加締め片と、を有しており、
    前記導体結合部の前記導体用底部に当接する導体用アンビルと、該導体用アンビルとの間に前記導体結合部を挟んで前記導体用底部上の前記導体へと前記一対の導体用加締め片を折り畳んで加締める導体用クリンパと、を有して前記導体に前記導体結合部を加締め結合する導体結合手段と、
    前記被覆結合部の前記被覆用底部に当接する、前記導体用アンビルとは別体に形成された被覆用アンビルと、該被覆用アンビルとの間に前記被覆結合部を挟んで前記被覆用底部上の前記被覆部分へと前記一対の被覆用加締め片を折り畳んで加締める、前記導体用クリンパとは別体に形成された被覆用クリンパと、を有して前記被覆部分に前記被覆結合部を加締め結合する被覆結合手段と、を備え、
    前記導体用クリンパと前記導体用アンビルが互いに接離する方向、及び前記被覆用クリンパと前記被覆用アンビルが互いに接離する方向について、前記導体結合部と前記被覆結合部との相対位置を調整可能なように、前記導体結合手段が前記導体結合部を加締めている導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と、前記被覆結合手段が前記被覆結合部を加締めている被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置と、の互いの位置関係、及び、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用クリンパの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用クリンパの位置との互いの位置関係、のうち少なくとも前記導体用アンビルの位置と前記被覆用アンビルの位置との互いの位置関係を相対的に変更可能に構成されていることを特徴とする端子結合装置。
  2. 記導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置との少なくとも一方を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の端子結合装置。
  3. 請求項1又は2に記載の端子結合装置を用い、
    前記導体加締め状態にあるときの前記導体用アンビルの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用アンビルの位置と、の互いの位置関係、及び、前記導体加締め状態にあるときの前記導体用クリンパの位置と前記被覆加締め状態にあるときの前記被覆用クリンパの位置との互いの位置関係、のうち少なくとも前記導体用アンビルの位置と前記被覆用アンビルの位置との互いの位置関係を相対的に調整する調整工程と、
    前記導体結合手段及び前記被覆結合手段により、前記導体に前記導体結合部を加締め結合するとともに前記被覆部分に前記被覆結合部を加締め結合する加締め工程と、を備えたことを特徴とする端子結合方法。
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