JP6472346B2 - 粉粒体のシミュレーション方法、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション装置 - Google Patents

粉粒体のシミュレーション方法、プログラム、記録媒体、及びシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、粉粒体の時間変化をシミュレーションする方法及び装置に関する。
従来、粉粒体の時間変化のシミュレーションに、個別要素法が多く適用されていた。また、粉粒体の流動化について、粒子動力学を適用したシミュレーションが行われている。下記の非特許文献1に、薄い粉体層に振動を与えたときの粉体層の挙動を粒子動力学シミュレーションによって求める方法が示されている。
特許第4666357号公報
Physical Review Letters Vol. 77 (1996) pp.4166-4169, Keiko M. Aoki et al., "Spontaneous Wave Pattern Formation in Vibrated Granular Materials"
シミュレーション対象の粉粒体の粒子数が多くなると、巨視的な挙動をシミュレーションする際の計算時間が膨大になってしまう。上記特許文献1に、ハミルトニアンにくりこみ群変換を行うことで、ハミルトニアンの形を不変に保ち、粒子数を圧縮することができるくりこみ群分子動力学法が開示されている。くりこみ群変換に際し、ハミルトニアンの形が不変であるということは、繰り込まれた粉粒体の分解能は低下するが、繰り込まれた粉粒体の挙動は、元の粉粒体の挙動と相似になることを意味する。
上記特許文献1に示された分子動力学シミュレーションに適用される粒子間に働く力は、粒子間の相互作用ポテンシャルに依存する。これに対し、粒子動力学シミュレーションにおいては、粒子間に働く力は、粒子間相互作用ポテンシャルに依存する項と、エネルギの散逸を表す項とで表される。粒子間に働く力が、エネルギの散逸を表す項を含むため、粒子動力学シミュレーションに、上記特許文献1のくりこみ群変換を適用したのでは、粉粒体の挙動の相似性を保つことはできない。
本発明の目的は、粒子動力学シミュレーションの計算時間を短縮することが可能な粉粒体のシミュレーション方法を提供することである。本発明の他の目的は、粒子動力学シミュレーションの計算時間を短縮することが可能な粉粒体のシミュレーション装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義し、
前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める粉粒体のシミュレーション方法であって、
前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表され、前記散逸項が、減衰係数cと、
2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、減衰係数c’が、
Figure 0006472346
となるように、くりこみ変換を行う粉粒体のシミュレーション方法が提供される。
本発明の他の観点によると、
各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sの時間発展をシミュレーションする装置であって、
入力装置と、
出力装置と、
処理ユニットと
を有し、
前記処理ユニットは、
前記入力装置を通して入力された前記粉粒体Sを定義する物理量を、前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式のポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換し、
前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を、ある時間刻み幅で数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求め、
求められた粉粒体S’の時間発展を、前記出力装置に出力するシミュレーション装置であって、
前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数f、エネルギの次元をもつ相互作用係数ε、前記粉粒体Sを特徴づけるパラメータr 、σ、及び粒子間距離rを用いて、
Figure 0006472346
と表すことができ、
前記散逸項が、減衰係数cと、2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、相互作用係数ε’、粉粒体S’を特徴づけるパラメータσ’、及び減衰係数c’が、
Figure 0006472346
となるように、くりこみ変換を行い、くりこまれた粉粒体S’の粒子間の相互作用ポテンシャルφ’を、
Figure 0006472346
として、くりこまれた粉粒体S’の個々の粒子の運動方程式を数値積分するシミュレーション装置が提供される。
物理量のくりこみ変換によるポテンシャル依存項の変化率が、散逸項の変化率と等しくなるように、散逸項に含まれる物理量のくりこみ変換を行うため、散逸項を含む粉粒体の時間発展をシミュレーションすることができる。このとき、粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、粉粒体Sの相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が、くりこみ変換によって不変であるため、シミュレーション対象の粉粒体Sの時間発展と、くりこまれた粉粒体S’の時間発展とが、相似の関係を持つ。
図1は、実施例によるシミュレーション方法のフローチャートである。 図2は、実施例によるシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置(コンピュータ)、及びこのシミュレーション装置にシミュレーション方法を実行させるプログラムを記録した記録媒体のブロック図である。 図3Aは、シミュレーション対象の粉粒体Sの初期状態を示す模式図であり、図3Bは、くりこみ変換を行わない粉粒体Sの時間展開をシミュレーションした結果を示す模式図であり、図3Cは、くりこまれた粉粒体S’の時間展開をシミュレーションした結果を示す模式図である。 図4は、粒子i、粒子j、及び粒子kがこの順番に一次元状に並んで配置されている状態を示す模式図である。 図5は、相互作用ポテンシャルφがレナードジョーンズ型ポテンシャルである場合の式(21)の算出結果、及び式(22)の数値積分結果を示すグラフである。 図6は、相互作用ポテンシャルφがモース型ポテンシャルである場合の式(21)の算出結果、及び式(22)の数値積分結果を示すグラフである。 図7A、図7B、及び図7Cは、二次元格子を一次元格子に帰着させるポテンシャルムービングの方法について説明する模式図である。
実施例によるシミュレーション方法を説明する前に、実施例によるシミュレーション方法で適用される粒子動力学について簡単に説明する。粒子数Nのシミュレーション対象の粉粒体Sの粒子jに働く力Fは、以下の式で表される。
Figure 0006472346

ここで、φは、粒子間の相互作用ポテンシャルを表し、ベクトルqは、粒子jの位置ベクトル(座標)を表し、ベクトルvは、粒子jの速度ベクトルを表し、cは、減衰係数を表す。Σは、粒子jと接触している粒子について合計することを意味する。式(1)の右辺の大かっこ内の第1項は、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項であり、第2項は、エネルギの散逸に依存する散逸項である。散逸項は、減衰係数cと、相互作用する2つの粒子の相対速度との積で表される。
上述の式(1)から粒子jの運動方程式が得られる。個々の粒子に対して、運動方程式を数値積分することにより、個々の粒子の位置ベクトルq、及び運動量ベクトルpの時間変化が求まる。
相互作用ポテンシャルφは、粒子間距離rに依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表される。相互作用ポテンシャルφは、一例として、以下の式で与えられる。
Figure 0006472346

ここで、rは粒子間の距離を表し、σは粉粒体Sを特徴づけるパラメータである。式(2)のr<rのときの相互作用ポテンシャルφの大かっこ内の第1項及び第2項は、レナードジョーンズ型ポテンシャルに相当する。第3項の定数1/4は、r=rにおいて、相互作用ポテンシャルφを滑らかに接続するためのものである。
次に、図1〜図3Cを参照して、実施例によるシミュレーション方法について説明する。
図1に、本実施例によるシミュレーション方法のフローチャートを示す。ステップ10において、シミュレーション対象の粉粒体Sを定義する。具体的には、粉粒体Sを特徴づける物理量である粒子数N、各粒子の質量m、相互作用ポテンシャルφ、減衰係数cを決定する。
ステップ11において、粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、粉粒体Sの各粒子の運動方程式のポテンシャル依存項に含まれる物理量をくりこみ変換する。このくりこみ変換については、特許第4666357号公報に説明されている。ハミルトニアンの形が不変であるということは、くりこみ前の粉粒体と、くりこまれた粉粒体との運動が、相互に相似であることを意味する。
一例として、くりこまれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、各粒子の位置ベクトルq’、運動量ベクトルp’は、以下のくりこみ変換によって求まる。
Figure 0006472346

ここで、dは粉粒体Sが含まれる空間の次元数を表し、αはくりこみ回数に依存するくりこみ因子を表す。くりこみ回数をnで表すと、くりこみ因子αは以下の式で表される。
Figure 0006472346

式(3)のくりこみ変換則によってくりこまれた粉粒体S’に適用される相互作用ポテンシャルφは、シミュレーション対象の粉粒体Sの相互作用ポテンシャルφと同一である。例えば、くりこみ変換の前後において、式(2)に含まれる相互作用係数ε、パラメータσは不変である。相互作用ポテンシャルφが不変であるということは、元の粉粒体Sの安定状態における粒子間距離と、くりこまれた粉粒体S’の安定状態における粒子間距離とが等しいことを意味する。このため、くりこまれた粉粒体S’の巨視的な寸法が、元の粉粒体Sの巨視的な寸法の1/α倍に縮小される。
次に、ステップ12において、物理量のくりこみ変換によるポテンシャル依存項の変化率と、散逸項の変化率とが等しくなるように、散逸項に含まれる物理量、具体的には減衰係数c及び速度vのくりこみ変換を行う。以下、散逸項に含まれる物理量のくりこみ変換について説明する。
くりこみ変換によって相互作用ポテンシャルφは不変であるため、運動方程式のポテンシャル依存項も不変である。すなわち、物理量のくりこみ変換によるポテンシャル依存項の変化率は1である。式(1)に示すように、運動方程式の散逸項は、減衰係数cと速度vとの積で表される。式(3)に示すように、くりこみ変換によって、運動量ベクトルpの大きさがα倍になり、質量mがα倍になる。速度vは、p/mに等しいため、速度vは、くりこみ変換によって1/α倍になる。減衰係数cと速度vとの積で表される散逸項が、くりこみ変換によって不変になるためには、粉粒体Sの減衰係数cと、くりこまれた粉粒体S’の減衰係数c’との間に、以下のくりこみ変換を適用すればよい。
Figure 0006472346

次に、ステップ13において、ステップ11及びステップ12でくりこまれた物理量に基づいて、くりこまれた粉粒体S’の時間発展をシミュレーションする。具体的には、粉粒体S’の各粒子の位置ベクトルq及び運動量ベクトルpの初期値を設定する。くりこまれた物理量に基づいて、ある時間刻み幅で個々の粒子の運動方程式を数値積分する。この数値積分により、個々の粒子の位置ベクトルq及び運動量ベクトルpの時間変化が求まる。
次に、ステップ14において、シミュレーション結果を出力する。シミュレーション結果は、例えば各時刻における粒子の位置を、画像として表示することができる。または、粉粒体S’の巨視的な外形を画像として表示することも可能である。
図2に、実施例によるシミュレーション方法を実行するシミュレーション装置(コンピュータ)、及びこのシミュレーション装置に、図1の各ステップを実行させるプログラムを記録した記録媒体のブロック図を示す。
シミュレーション装置20は、読取装置21、処理ユニット22、入力装置23、記憶装置24、及び出力装置25を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体30に、図1に示したシミュレーション方法をシミュレーション装置20に実行させるためのプログラムが記録されている。
読取装置21が、記録媒体30に記録されているプログラムを読み取る。読み取られたプログラムは、例えば記憶装置24に格納され、処理ユニット22によって実行される。以下、図1に示した各ステップ10〜14における具体的な手順について説明する。
ステップ10(図1)において、シミュレーション対象の粉粒体Sを定義する物理量が、入力装置23を通して取得される。これにより、シミュレーション対象の粉粒体Sが定義される。
ステップ11(図1)において、くりこみ変換の回数nが、入力装置23を通して取得される。処理ユニット22は、式(4)を用いてくりこみ因子αを算出する。算出されたくりこみ因子αを用いて、運動方程式のポテンシャル依存項に含まれる物理量のくりこみ変換を行う。このくりこみ変換は、式(3)に基づいて行うことができる。ステップ12において、運動方程式の散逸項に含まれる物理量のくりこみ変換を行う。このくりこみ変換は、式(5)を用いて行うことができる。
ステップ13において、処理ユニット22が、くりこまれた粉粒体S’についてシミュレーションを実行する。ステップ14において、処理ユニット22が、シミュレーション結果を出力装置25に出力する。
次に、図3A〜図3Cを参照して、上記実施例による方法でシミュレーションを行った結果と、くりこみ変換を行わないでシミュレーションを行った結果とを比較して説明する。
図3Aに、シミュレーション対象の粉粒体Sの初期状態を示す。仮想的な壁40の中に、粉粒体Sが収納されている。仮想的な壁40は、鉛直方向に延びる直方体の側面を構成する。粉粒体Sの各粒子の質量mを6.38×1021/N[g]、相互作用係数εを6.8474×1022[K]、相互作用ポテンシャルφを決定するパラメータσを3.0×10−3[m]、減衰係数cを4.2453×10[kg/s]とした。ここで、Nはアボガドロ定数である。空間の次元数dを3とした。
シミュレーション対象の粉粒体Sの各粒子の運動方程式に含まれる物理量に対して1回のくりこみ変換を行った。すなわち、くりこみ回数nが1であり、くりこみ因子αが2である。シミュレーション対象の粉粒体Sの粒子数が約17万個であり、くりこまれた粉粒体S’の粒子数が約2.1万個である。シミュレーションの開始時刻において、仮想的な壁40を取り外し、その後の粉粒体S及びS’の時間展開をシミュレーションにより求めた。粉粒体S及びS’が定常状態になった時点でシミュレーションを終了した。
図3Bに、くりこみ変換を行わない粉粒体Sの時間展開をシミュレーションした結果を示し、図3Cに、くりこまれた粉粒体S’の時間展開をシミュレーションした結果を示す。くりこまれた粉粒体S’の巨視的な寸法は、元の粉粒体Sの巨視的な寸法の1/2に縮小され、体積は1/8に縮小されている。図3Bと図3Cとを比較すると、両者の巨視的な形状はほぼ相似であることがわかる。従って、くりこまれた粉粒体S’の時間展開のシミュレーション結果から、元の粉粒体Sの時間展開を推測することができる。
図3Bに示した粉粒体Sのシミュレーションに要した計算時間は約121時間であった。これに対し、図3Cに示したくりこまれた粉粒体S’のシミュレーションに要した計算時間は約26時間であった。このように、シミュレーション対象の粉粒体Sに対してくりこみ変換を行うことにより、シミュレーションに要する計算時間を短縮することができる。くりこみ回数を増やすと、計算時間をより短縮することが可能である。
次に、図4〜図7Cを参照して、他の実施例によるシミュレーション方法について説明する。以下、図1〜図3Cに示した実施例との相違点について説明し、共通の構成については説明を省略する。本実施例においても、粉粒体Sの粒子jに加わる力Fjは、上述の式(1)で表される。
図1〜図3Cに示した実施例では、元の粉粒体Sとくりこまれた粉粒体S’とで、相互作用ポテンシャルφが同一であり、くりこまれた粉粒体S’の巨視的な寸法が元の粉粒体Sの巨視的な寸法の1/α倍に縮小された。以下に説明する実施例では、くりこまれた粉粒体S’の巨視的な寸法と元の粉粒体Sの巨視的な寸法とが同一であり、相互作用ポテンシャルφが異なる。ただし、本実施例においても、粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形は、くりこみ変換によって不変である。
以下、本実施例で適用されるくりこみ変換について説明する。シミュレーション対象の粉粒体Sに適用される相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離rに依存する無次元関数fと、相互作用係数εとを用いて以下の式で定義される。
Figure 0006472346

上述の式(2)は、下記のように書き直すことができる。
Figure 0006472346
従って、式(2)で表される相互作用ポテンシャルφも、式(6)で示す相互作用ポテンシャルφに含まれる。このため、相互作用ポテンシャルが式(2)で表される粉粒体Sも、本実施例で取り扱うことができる。
ステップ10(図1)において定義される粉粒体Sを特徴づける物理量として、図1〜図3Cに示した実施例で粉粒体Sが定義された物理量に加えて、式(6)のパラメータrが定義される。
ステップ11(図1)において、下記のくりこみ変換により、粉粒体Sを定義する物理量、である粒子数N、粒子の質量m、相互作用係数ε、無次元関数fを規定するパラメータr及びσが、それぞれ粉粒体S’を定義する物理量である粒子数N’、粒子の質量m’、相互作用係数ε’、無次元関数fを規定するパラメータr’及びσ’に変換される。
Figure 0006472346

くりこまれた粉粒体S’の相互作用ポテンシャルφ’は、以下の式で表すことができる。無次元関数fの形は不変である。
Figure 0006472346
くりこまれた粉粒体S’のハミルトニアンH’は、後に詳細に説明するように、以下の式で表すことができる。ハミルトニアンの形は、くりこみ変換によって不変である。
Figure 0006472346
式(8)のくりこみ変換測を適用することにより、粒子の個数が1/α倍になり、粒子の質量がα倍になる。このため、粉粒体Sの全体の質量と、粉粒体S’の全体の質量とは同一である。さらに、パラメータr、すなわち安定状態における粒子間距離がα倍になる。このため、粉粒体Sとくりこまれた粉粒体S’との巨視的な寸法も同一である。くりこみ変換処理の前後で、粉粒体の全質量及び寸法が不変であるため、粉粒体の密度も不変である。
次に、ステップ12(図1)で行われる散逸項に含まれる物理量のくりこみ変換について説明する。運動方程式のポテンシャル依存項は、以下のように変形される。
Figure 0006472346
ここで、Dfは以下の式で定義される。
Figure 0006472346
くりこまれた粉粒体S’に含まれる各粒子の運動方程式のポテンシャル依存項は、以下のように変形される。
Figure 0006472346
式(11)と式(13)とから、以下の式が導出される。
Figure 0006472346
式(14)から、くりこみ変換によって、ポテンシャル依存項がα(d−1)倍になることがわかる。
式(8)の質量mのくりこみ変換、及び式(10)の運動量のくりこみ変換から、くりこみ変換によって速度vは不変であることがわかる。式(1)の散逸項に含まれる速度vが不変であるから、散逸項をα(d−1)倍にするためには、粉粒体Sの減衰係数cから、粉粒体S’の減衰係数c’へのくりこみ変換を以下の式で定義すればよい。
Figure 0006472346

本実施例によるステップ13及びステップ14(図1)の処理は、図1〜図3Cに示した処理と共通である。
次に、図4〜図7を参照して、くりこまれた粉粒体S’のハミルトニアンH’(式(10))の導出について説明する。粉粒体Sに対する分配関数Z(β)の積分の一部を実行し、ハミルトニアンを粗視化することにより、くりこまれた粉粒体S’のハミルトニアンH’が得られる。
粒子数が一定の正準集団(Canonical ensemble)に対する分配関数Z(β)は、以下の式で表される。
Figure 0006472346
ここで、dΓは位相空間内の体積要素であり、下記の式で表される。
Figure 0006472346
ここで、hはプランク定数である。Wは、すべての状態の量子論的な和と、位相空間に亘る積分とが一致するように決められる。
まず、粒子間の相互作用ポテンシャルの粗視化について説明し、次に運動エネルギの粗視化について説明する。続いて、相互作用ポテンシャルの粗視化、及び運動エネルギの粗視化を踏まえて、くりこみ変換測を定義する。
[粒子間の相互作用ポテンシャルの粗視化]
まず、一次元鎖状に配置された粉粒体における相互作用ポテンシャルの粗視化について説明する。その後、単純立方格子状に配置された粉粒体における相互作用ポテンシャルについて説明する。
図4に示すように、粒子i、粒子j、及び粒子kがこの順番に一次元状に並んで配置されている。粒子jが関与する相互作用を書き出し、粒子iと粒子kとの中間にある粒子jの位置座標について積分を実行することにより、相互作用ポテンシャルの粗視化を行うことができる。まず、第二近接以上の粒子からの寄与を取り込むために、ポテンシャルムービング(Potential Moving)の方法を用いることができる。ポテンシャルムービングの方法については、Leo P. Kadanoff, STATISTICAL PHYSICS Static, Dynamics and Renormalization, Chap. 14, World Scientific (1999)に解説されている。
第二近接以上の粒子からの寄与を取り込んだ相互作用ポテンシャルφティルダは、下記の式で表すことができる。
Figure 0006472346
ここで、aは平衡状態における粒子間距離を表す。平衡状態における粒子間距離aは、相互作用ポテンシャルφが最小となる距離であるrに等しいと近似することができる。
複数の粒子が一次元状に配置されているため、粒子jの位置ベクトルqは、一次元座標で表すことができる。粒子jの位置をqで表すと、粒子jに対して、最近接の粒子によって作られるケージポテンシャルは、下記の式で表される。
Figure 0006472346
位置ベクトルqについて積分を実行すれば、式(19)を用いて下記の式が得られる。
Figure 0006472346
ここで、rは粒子の直径を表し、z(q−q)及びP(q−q)は、下記の式で表される。
Figure 0006472346
Figure 0006472346
積分領域はケージポテンシャルの内部領域に制限される。
次に、z(q−q)を具体的に計算する。相互作用ポテンシャルφがレナードジョーンズ型ポテンシャルの場合、φ(2n)は、下記の式で表される。
Figure 0006472346
相互作用ポテンシャルφがモース型ポテンシャルの場合、φ(2n)は、下記の式で表される。
Figure 0006472346
式(23)または式(24)を式(22)に代入して数値積分を行う。式(22)に式(23)または式(24)を代入する際には、式(18)を用いる。数値積分において、式(22)の積分範囲に現れているaは、近似的にrに等しいと仮定する。
図5に、相互作用ポテンシャルφがレナードジョーンズ型ポテンシャルである場合の式(21)の算出結果、及び式(22)の数値積分結果を示す。図6に、相互作用ポテンシャルφがモース型ポテンシャルである場合の式(21)の算出結果、及び式(22)の数値積分結果を示す。粒子i、粒子j、粒子k、粒子l、及び粒子mがこの順番に一次元状に配置されている場合の粒子kの位置座標がqで表される。図5及び図6の横軸は、q/2を表し、縦軸は、P(q−q)P(q−q)、及びz(q−q)z(q−q)を、対数目盛で表す。図5に至る数値計算において、ε/kT=2.0、r/σ=1.12とした。図6に至る数値計算において、ε/kT=2.0、r/σ=2.24とした。
相互作用ポテンシャルφがレナードジョーンズ型ポテンシャルである場合、及びモース型ポテンシャルである場合のいずれにおいても、P(q−q)P(q−q)の変化に比べて、z(q−q)z(q−q)の変化が緩やかであることがわかる。このため、P(q−q)P(q−q)に対してz(q−q)z(q−q)は、ほぼ定数であると近似できる。
粒子kが位置座標qに存在する確率p(q)は、以下のように近似することができる。
Figure 0006472346
従って、下記の式が導出される。
Figure 0006472346
ここまでは、一次元状に複数の粒子が配置された粉粒体の相互作用ポテンシャルの粗視化について説明した。多次元の粉粒体の相互作用ポテンシャルは、ポテンシャルムービングの方法により実現できる。
図7A〜図7Cを参照して、二次元格子を一次元格子に帰着させるポテンシャルムービングの方法について説明する。
図7Aに示すように、二次元正方格子の格子点の位置に粒子が配置されている。最近接する粒子間の相互作用(ニアレストネイバーカップリング)を実線で示す。粒子が配列する1つの方向をx方向とし、それに直交する方向をy方向とする。
図7Bに示すように、x方向に並んだ粒子のうち、1つ置きに配置された粒子(中空の円で表された粒子)の変位について積分を実行することを考える。積分の対象となる粒子(消去したい粒子)を被積分粒子と呼ぶこととする。
図7Cに示すように、ポテンシャルムービングの方法では、被積分粒子同士のニアレストネイバーカップリングを、x方向に関して両隣に配置された粒子に振り分ける。振り分けられた相互作用が加算された粒子間相互作用(ダブルカップリング)を二重線で表す。二重線で表されたダブルカップリングは、元のニアレストネイバーカップリングの2倍の強さになる。この手法を用いて、二次元格子を一次元鎖に変換することができる。一次元鎖の粉粒体においては、図4を参照して説明した手法により相互作用ポテンシャルの粗視化を行うことができる。シミュレーション対象の粉粒体が三次元格子を構成する場合には、二次元格子を一次元鎖に変換する手順をx方向、y方向、及びz方向の3方向に関して繰り返せばよい。このようにして、多次元格子を構成する粉粒体の粗視化を行うことができる。
次元数dの多次元格子を構成する粉粒体の相互作用ポテンシャルの粗視化は、下記の式で表される。
Figure 0006472346
ここで、<i,j>は、最近接格子間で和を取ることを意味する。
すべての相互作用の和に変更すると、下記の式が得られる。
Figure 0006472346
[運動エネルギの粗視化]
次に、運動エネルギの粗視化について説明する。運動エネルギについては、容易に積分を実行することができ、下記の式が導出される。
Figure 0006472346
式(29)の導出に際し、下記の式が利用される。ここで、運動量ベクトルp は、ベクトルの内積を意味する。
Figure 0006472346
[くりこみ変換測の導出]
次に、上述の相互作用ポテンシャルの粗視化、及び運動エネルギの粗視化から導出されるくりこみ変換測について説明する。
式(16)に、式(28)及び式(29)を代入することにより、結果に影響しない係数を除いて下記の式が得られる。
Figure 0006472346
式(31)から、粗視化されたハミルトニアン(くりこまれた粉粒体S’のハミルトニアン)H’は、以下の式で表される。
Figure 0006472346
ハミルトニアンを粗視化する際の結合定数のリストをKで表す。結合定数のリストKは下記のように表される。
Figure 0006472346
くりこみ変換Rを以下のように定義する。
Figure 0006472346
n回のくりこみ変換実行後の結合係数のリストKは、下記の式で表される。
Figure 0006472346
従って、n回のくりこみ変換が行われたハミルトニアンHnは、下記の式で表される。
Figure 0006472346
ここで、くりこまれた粉粒体S’における運動量ベクトルp’は、下記の式で表される。
Figure 0006472346
式(36)から、式(8)に示したくりこみ変換測、及び式(10)に示したくりこまれた粉粒体S’のハミルトニアンH’が導き出される。
本実施例においても、くりこまれた粉粒体S’の各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が、くりこみ前の粉粒体Sのハミルトニアンの形と同一である。このため、本実施例においても、図1〜図3Cに示した実施例と同様に、くりこみ前の粉粒体Sと、くりこまれた粉粒体S’との運動が、相互に相似である。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10、11、12、13、14 ステップ
20 シミュレーション装置(コンピュータ)
21 読取装置
22 処理ユニット
23 入力装置
24 記憶装置
25 出力装置
30 記録媒体
40 仮想的な壁
H’、Hn ハミルトニアン
N、N’ 粒子数
S シミュレーション対象の粉粒体
S’ 繰り込まれた粉粒体
c、c’ 減衰係数
d 次元数
f 無次元関数
m、m’ 質量
p、p’ 運動量ベクトル
q、q’ 位置ベクトル
r 粒子間距離
v 速度
α くりこみ因子
ε、ε’ 相互作用係数
φ、φ’ 相互作用ポテンシャル

Claims (8)

  1. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義し、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める粉粒体のシミュレーション方法であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表され、前記散逸項が、減衰係数cと、
    2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行う粉粒体のシミュレーション方法。
  2. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義し、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める粉粒体のシミュレーション方法であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数f、エネルギの次元をもつ相互作用係数ε、前記粉粒体Sを特徴づけるパラメータr、σ、及び粒子間距離rを用いて、
    Figure 0006472346
    と表すことができ、
    前記散逸項が、減衰係数cと、2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、相互作用係数ε’、粉粒体S’を特徴づけるパラメータσ’、及び減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行い、くりこまれた粉粒体S’の粒子間の相互作用ポテンシャルφ’を、
    Figure 0006472346
    として、くりこまれた粉粒体S’の個々の粒子の運動方程式を数値積分する請求項1に記載の粉粒体のシミュレーション方法。
  3. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義する物理量を取得する手順と、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換する手順と、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換する手順と、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表され、前記散逸項が、減衰係数cと、
    2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行うプログラム。
  4. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義する物理量を取得する手順と、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換する手順と、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換する手順と、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数f、エネルギの次元をもつ相互作用係数ε、前記粉粒体Sを特徴づけるパラメータr 、σ、及び粒子間距離rを用いて、
    Figure 0006472346
    と表すことができ、
    前記散逸項が、減衰係数cと、2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、相互作用係数ε’、粉粒体S’を特徴づけるパラメータσ’、及び減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行い、くりこまれた粉粒体S’の粒子間の相互作用ポテンシャルφ’を、
    Figure 0006472346
    として、くりこまれた粉粒体S’の個々の粒子の運動方程式を数値積分するプログラム。
  5. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義する物理量を取得する手順と、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換する手順と、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換する手順と、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表され、前記散逸項が、減衰係数cと、
    2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行うプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sを定義する物理量を取得する手順と、
    前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、前記相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式の前記ポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換する手順と、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換する手順と、
    くりこまれた粉粒体S’の各粒子の位置ベクトル及び運動量ベクトルに初期値を与えて、ある時間刻み幅で、くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求める手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数f、エネルギの次元をもつ相互作用係数ε、前記粉粒体Sを特徴づけるパラメータr 、σ、及び粒子間距離rを用いて、
    Figure 0006472346
    と表すことができ、
    前記散逸項が、減衰係数cと、2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、相互作用係数ε’、粉粒体S’を特徴づけるパラメータσ’、及び減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行い、くりこまれた粉粒体S’の粒子間の相互作用ポテンシャルφ’を、
    Figure 0006472346
    として、くりこまれた粉粒体S’の個々の粒子の運動方程式を数値積分するプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  7. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sの時間発展をシミュレーションする装置であって、
    入力装置と、
    出力装置と、
    処理ユニットと
    を有し、
    前記処理ユニットは、
    前記入力装置を通して入力された前記粉粒体Sを定義する物理量を、前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式のポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換し、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を、ある時間刻み幅で数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求め、
    求められた粉粒体S’の時間発展を、前記出力装置に出力するシミュレーション装置であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数fと、エネルギの次元をもつ相互作用係数εとの積εfで表され、前記散逸項が、減衰係数cと、
    2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行うシミュレーション装置
  8. 各粒子に働く力が、粒子間の相互作用ポテンシャルφに依存するポテンシャル依存項と、エネルギの散逸に依存する散逸項とで表されるシミュレーション対象の粉粒体Sの時間発展をシミュレーションする装置であって、
    入力装置と、
    出力装置と、
    処理ユニットと
    を有し、
    前記処理ユニットは、
    前記入力装置を通して入力された前記粉粒体Sを定義する物理量を、前記粉粒体Sの各粒子の運動エネルギと、相互作用ポテンシャルφに基づくポテンシャルエネルギとで表されるハミルトニアンの形が不変となるように、前記粉粒体Sの各粒子の運動方程式のポテンシャル依存項に含まれる前記物理量をくりこみ変換し、
    前記物理量のくりこみ変換による前記ポテンシャル依存項の変化率が、前記散逸項の変化率と等しくなるように、前記散逸項に含まれる物理量をくりこみ変換し、
    くりこまれた前記物理量に基づいて、個々の粒子の運動方程式を、ある時間刻み幅で数値積分することにより、くりこまれた粉粒体S’の時間発展を求め、
    求められた粉粒体S’の時間発展を、前記出力装置に出力するシミュレーション装置であって、
    前記相互作用ポテンシャルφが、粒子間距離に依存する無次元関数f、エネルギの次元をもつ相互作用係数ε、前記粉粒体Sを特徴づけるパラメータr 、σ、及び粒子間距離rを用いて、
    Figure 0006472346
    と表すことができ、
    前記散逸項が、減衰係数cと、2つの粒子の相対速度との積で表され、前記粉粒体Sの粒子数をN、各粒子の質量をmで表し、前記粉粒体Sが含まれる空間の次元数をdで表し、くりこみ回数に依存するくりこみ因子をαで表したとき、
    繰り込まれた粉粒体S’の粒子数N’、各粒子の質量m’、相互作用係数ε’、粉粒体S’を特徴づけるパラメータσ’、及び減衰係数c’が、
    Figure 0006472346
    となるように、くりこみ変換を行い、くりこまれた粉粒体S’の粒子間の相互作用ポテンシャルφ’を、
    Figure 0006472346
    として、くりこまれた粉粒体S’の個々の粒子の運動方程式を数値積分するシミュレーション装置。
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