JP6472197B2 - ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法 - Google Patents

ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6472197B2
JP6472197B2 JP2014193350A JP2014193350A JP6472197B2 JP 6472197 B2 JP6472197 B2 JP 6472197B2 JP 2014193350 A JP2014193350 A JP 2014193350A JP 2014193350 A JP2014193350 A JP 2014193350A JP 6472197 B2 JP6472197 B2 JP 6472197B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular
valve body
valve
annular portion
valve seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014193350A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016065560A (ja
Inventor
笹尾 起美仁
起美仁 笹尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advance Denki Kogyo KK
Original Assignee
Advance Denki Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advance Denki Kogyo KK filed Critical Advance Denki Kogyo KK
Priority to JP2014193350A priority Critical patent/JP6472197B2/ja
Publication of JP2016065560A publication Critical patent/JP2016065560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6472197B2 publication Critical patent/JP6472197B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、半導体ウェハーや当該半導体ウェハーを利用して製造する半導体素子の製造にあたり、用いられる薬液等の液体の流れを制御するに適したダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法に関する。
従来、この種のダイヤフラム弁においては、下記特許文献1に記載の流体制御弁が提案されている。当該流体制御弁は、樹脂製弁上体を樹脂製弁本体上に連結してなるもので、当該樹脂製弁上体と樹脂製弁本体との間にはダイヤフラム弁体が挟持されている。
ここで、当該流体制御弁は、樹脂製弁上体内のピストンを摺動させることにより、ダイヤフラム弁体を、当該ダイヤフラム弁体に対向する弁座に着座させ或いは当該弁座から離間させるようになっている。
このように構成した流体制御弁が、半導体ウェハーによる半導体素子の製造工程において採用される場合、半導体素子の製造にあたり採用される液体は、例えば、劇薬液等の薬液、純水或いは高温液体であることから、流体制御弁のうち、ダイヤフラム弁体や弁座は、薬液や高温液体に耐え得る材料でもって形成されていることが望ましい。
このため、当該流体制御弁においては、ダイヤフラム弁体や弁座の形成材料としては、主として、耐薬品性能、耐熱性能や耐食性能に優れたフッ素樹脂が採用される。
特許第5331831号公報
ところで、上述の流体制御弁において、ダイヤフラム弁体や弁座が、上記フッ素樹脂をレース等の切削加工機械により切削加工することにより形成される場合、切削痕が、切削加工機械による切削加工に伴い、弁座やダイヤフラム弁体の表面上に生じる。
これに伴い、弁座やダイヤフラム弁体に生じた切削痕が、ダイヤフラム弁体の弁座に対する着座の際の接触や流動する液体により剥がされることで、微細なゴミ等のパーティクルとなって当該液体内に混入するおそれがある。
このため、例えば、半導体ウェハー上に供給される液体に混入してなるパーティクルが、半導体ウェハー上に付着すると、当該パーティクルが、半導体ウェハーにおける配線パターンに基づく配線形成の際に、配線パターンの断線や配線パターンの形成不良のような配線パターン欠陥を生じるという不具合を招く。また、パーティクルが、半導体ウェハーに形成される両隣接配線間に接触して、当該両隣接配線を電気的に短絡させてしまうというような不具合を招くおそれもある。
従って、上記流体制御弁は、上述した半導体素子の製造にあたり、パーティクルを発生し難いような低発塵性制御弁であることが要請される。
一方、近年、半導体ウェハーを用いた半導体素子の製造にあたり、当該半導体素子に形成される配線ピッチをより一層狭くすることが要請される傾向にある。
従って、このような半導体素子上に流体制御弁により液体を供給するにあたっても、当該液体中に混入しがちなパーティクルが当該液体へ混入することを予め排除しておきたいという要請も強くなっている。
その理由は、半導体素子の配線ピッチが狭くなるほど、上述した配線パターンの断線や配線パターンの形成不良のような配線パターン欠陥等の不具合が、より一層、発生し易くなるためである。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、環状弁座の弁体による着座面及び弁体の環状弁座に対する対向面の少なくとも一方の面粗度を高めて、低発塵性に優れたダイヤフラム弁を提供することを目的とする。
また、本発明は、以上のようなことに対処するため、ダイヤフラム弁の環状弁座形成方法及び弁体形成方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明に係るダイヤフラム弁は、請求項1の記載によれば、
筒状周壁(120)及び当該筒状周壁の中空部を閉塞するように上記筒状周壁の両軸方向開口端部に設けられる両対向壁(100b、110)を有し、薬液その他の液体が流入可能なように上記両対向壁の一方の対向壁(110)に設けられる流入路(112、114)と、上記液体が上記流入路から上記筒状周壁の上記中空部を通り流出可能なように上記筒状周壁に設けられる流出路(123、122)とを備えるハウジング(100)と、
上記筒状周壁の上記中空部に対する上記流入路の内端開口部に設けられる環状弁座(130)と、当該環状弁座に対し着座可能に対向するように上記筒状周壁の上記中空部に収容してなる弁体(150)とを有して、上記液体を上記流入路から上記流出路に流動させるとき上記弁体を上記環状弁座から離間させて開弁し、また、上記流入路から上記流出路への上記液体の流動を遮断するとき上記弁体を上記環状弁座に着座させて閉弁する弁手段と、
上記弁体の外壁部と上記筒状周壁の内壁部との間に連結されて上記筒状周壁の上記中空部を、上記弁体が収容される弁体室(Ra)と上記筒状周壁を通り外部に開放される空気室(Rb)とに区画するように、上記弁体と共にフッ素樹脂でもって形成してなるダイヤフラム(160)と、
ハウジングの他方の対向壁(100b)を介し上記弁体に連結されて、弁手段を開弁するとき上記弁体を上記環状弁座から離間させるように駆動し、また弁手段を閉弁するとき上記弁体を上記環状弁座に着座させるように駆動する駆動手段(D)とを備えており、
上記環状弁座は、上記流入路の上記内端開口部と一体的になるように形成される一体環状部(130a)と、上記弁体に対向するように上記一体環状部上に付加的に溶着される弁座側付加環状部(130b)とを具備しており、
ハウジングのうち上記弁座側付加環状部を除く部位は、上記環状弁座のうちの上記一体環状部を含め、上記フッ素樹脂でもって一体的に形成されており、
上記環状弁座のうちの上記弁座側付加環状部は、上記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって形成されている。
これによれば、環状弁座が、流入路の内端開口部と一体的になるように形成される一体環状部と、当該一体環状部とは別体の付加環状部とでもって構成されている。ここで、付加環状部が、射出成形可能なフッ素樹脂でもって射出成形されて一体環状部上に溶着して環状弁座として形成される。
このように、付加環状部が一体環状部上に溶着されているので、当該付加環状部は、その外面にて、切削加工に付随して生じがちな切削痕を発生することはない。このことは、付加環状部からのパーティクルの発生を抑制し得ることを意味する。
ここで、弁体が駆動手段による駆動に基づき環状弁座の付加環状部から離間すると、液体が、流入路及び環状弁座を通り弁体室内に流入して、流出路から流出する過程において、当該液体が、弁体室内にて付加環状部の外面に接触しながら流動したり、弁体が付加環状部に着座したり当該付加環状部から離間したりしても、上述したパーティクルが付加環状部の外面から剥がれて液体に混入するという事態が発生することはない。
従って、弁体室内に流入した液体は、邪魔なパーティクルを伴うことなく、流出路から流出するから、当該液体が、半導体素子の製造に用いる半導体ウェハーの表面に供給されても、当該半導体ウェハーの表面にパーティクルが付着するというようなことは発生しない。
このため、例えば、半導体ウェハーを用いて半導体素子を製造するにあたり、半導体ウェハーの表面に、例えば、細かい配線ピッチを有する配線パターンを形成しても、パーティクルが当該配線ピッチに基づく配線上に付着したり、配線間に接触したりすることがない。このことは、配線間の短絡を招いたり、配線の断線により配線パターンを破損するという事態を未然に防止し得ることを意味する。
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のダイヤフラム弁において、上記弁体は、その先端面環状外周部にて、環状弁座の上記弁座側付加環状部に同軸的に対向するように上記射出成形可能なフッ素樹脂でもって付加的に形成してなる弁体側付加環状部(155)を備えることを特徴とする。
このように、弁体の先端面環状外周部には、弁体側付加環状部が、射出成形可能なフッ素樹脂でもって付加的に形成されている。
従って、弁体室内に流入した液体が、弁体側付加環状部や弁座側付加環状部の外面に接触しながら流動したり、弁体側付加環状部が弁座側付加環状部に着座したり当該弁座側付加環状部から離間したりしても、パーティクルが弁体側付加環状部や弁座側付加環状部の外面から剥がれて上記液体に混入してしまうという事態が発生することもない。
このため、半導体ウェハーの表面に、例えば、細かい配線ピッチを有する配線パターンを形成するにあたって、パーティクルが半導体ウェハーの表面に付着することがなく、従って、半導体素子の製造にあたり、半導体ウェハーの表面に形成される配線パターンの破壊等を招くことがない。
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のダイヤフラム弁において、
駆動手段は、
ハウジングの上記他方の対向壁に同軸的に設けられる筒状ケーシング(200)と、
当該筒状ケーシング内に軸動可能に収容されて筒状ケーシングの内部を両室(Rc、Rd)に区画形成するピストン本体(210a)と、当該ピストン本体から上記両室の一方の室(Rd)及び上記他方の対向壁を介し延出されて弁体を環状弁座に同軸的に対向するように支持するピストンロッド(210b)とを具備してなるピストン(210)と、
上記ピストン本体を上記一方の室に向け付勢する付勢手段(212)とを具備して、
ピストンは、外部から筒状ケーシングの第1周壁部(205、204)を介し上記一方の室に供給される空圧に基づき、上記ピストン本体にて、付勢手段に抗して上記両室の他方の室(Rc)内の空気を筒状ケーシングの第2周壁部(203a、203b)から排出しながら当該他方の室側へピストンロッドと共に軸動することで、上記弁体を上記環状弁座から離間させ、また、上記一方の室内への上記空圧の供給の停止に伴い、上記ピストン本体にて、付勢手段の付勢のもとに上記一方の室内の空気を上記第1周壁部から排出しながら上記ピストンロッドと共に上記一方の室側へ軸動することで、上記弁体を上記環状弁座に着座させるようにしたことを特徴とする。
このように駆動手段を構成することにより、請求項1または2に記載の発明の作用効果をより一層具体的に達成することができる。
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項1〜3のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁において、
上記付加環状部は、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて形成されていることを特徴とする。
これにより、付加環状部が射出成形されても、ヒケを生ずることなく、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成することができる。
また、本発明は、請求項5の記載によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁において、
上記付加環状部を形成するフッ素樹脂は、射出成形可能で低発塵性を有するフッ素樹脂であることを特徴とする。
これにより、付加環状部の外面の面粗度を高く確保し得る。従って、付加環状部の外面にはゴミ等の粒子が付着し難いことから、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明に係る環状弁座形成方法は、請求項6の記載によれば、
流入路(112、114)と、流出路(123、122)と、上記流入路と上記流出路との間に位置する環状弁座(130)とをフッ素樹脂でもって形成するハウジング(100)内に上記環状弁座に着座可能に対向する弁体(150)を設けて、当該弁体の上記環状弁座からの離間に伴い薬液その他の液体を上記流入路から上記環状弁座を通し上記流出路へ流動させ、上記弁体の上記環状弁座への着座に伴い上記流入路から上記流出路への上記液体の流動を遮断するようにしたダイヤフラム弁に適用されるものである。
当該環状弁座形成方法において、
上記環状弁座を、ハウジングの形成の際に当該ハウジングと一体的に上記フッ素樹脂でもって上記流入路と上記流出路との間にて形成される一体環状部(130a)及び上記弁体に対向するように上記一体環状部に付加的に設けられる付加環状部(130b)の双方でもって、構成するようにして、
上記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって上記付加環状部を射出成形する射出成形工程(S2)と、
当該射出成形工程における射出成形後、上記付加環状部を上記一体環状部に重畳するように載置する載置工程(S3)と、
当該載置工程における載置後、透光性及び熱伝導性を有する押え付け部材(170)を上記付加環状部に重畳するように載置して上記押え付け部材により上記付加環状部を上記一体環状部に向け押え付ける載置押え付け工程(S4、S5)と、
当該載置押え付け工程における押え付け状態において、レーザ光を上記押え付け部材及び上記付加環状部を通して当該付加環状部と上記一体環状部との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射して加熱するレーザ光照射工程(S6)とでもって、
上記付加環状部及び上記一体環状部をその境界から相互に溶着後冷却させて上記環状弁座として形成する。
このように、環状弁座のうちの付加環状部が、射出成形可能なフッ素樹脂を用いて射出成形され、この射出成形後の付加環状部が、一体環状部上に重畳され、このような重畳状態にある副環状部が透光性及び熱伝導性を有する押え部材でもって一体環状部上に押え付けられる。
そして、このような押え付け状態において、レーザ光が押え付け部材及び付加環状部を通して当該付加環状部と一体環状部との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射される。このため、付加環状部及び一体環状部が、レーザ光による加熱のもと、その境界から相互に溶着された後冷却されて環状弁座として形成される。
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果を達成し得る環状弁座が提供され得る。
また、本発明は、請求項7の記載によれば、請求項6に記載のダイヤフラム弁の環状弁座形成方法において、
上記射出成形工程において、上記射出成形可能なフッ素樹脂を、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて上記付加環状部として射出成形することを特徴とする。
これにより、付加環状部を射出成形してもヒケを生じることがないから、請求項6に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項8の記載によれば、請求項6まは7に記載のダイヤフラム弁の環状弁座形成方法において、
上記射出成形工程において、上記射出成形可能なフッ素樹脂はPFAであることを特徴とする。
これによれば、PFAは、発塵性に優れたフッ素樹脂であることから、射出成形された付加環状部の外面の面粗度を高く確保し得る。従って、請求項6まは7に記載の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明に係る弁体形成方法は、請求項9の記載によれば、
流入路(112、114)と、流出路(123、122)と、上記流入路と上記流出路との間に位置する環状弁座(130)とをフッ素樹脂でもって形成するハウジング(100)内に上記環状弁座に着座可能に対向する弁体(150a、150b)を設けて、当該弁体の上記環状弁座からの離間に伴い薬液その他の液体を上記流入路から上記環状弁座を通し上記流出路へ流動させ、上記弁体の上記環状弁座への着座に伴い上記流入路から上記流出路への上記液体の流動を遮断するようにしたダイヤフラム弁に適用される。
当該弁体形成方法において、
上記弁体を、上記フッ素樹脂でもって形成される弁体本体(150)及び上記環状弁座に対向するように上記弁体本体に付加的に設けられる付加環状部(155、156)の双方でもって、構成するようにして、
上記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって上記付加環状部を射出成形する射出成形工程と、
当該射出成形工程における射出成形後、上記付加環状部を上記弁体本体の先端部に重畳するように載置する載置工程と、
当該載置工程における載置後、透光性及び熱伝導性を有する押え付け部材(170)を上記付加環状部に重畳するように載置して上記押え付け部材により上記付加環状部を上記弁体本体に向け押え付ける載置押え付け工程と、
当該載置押え付け工程における押え付け状態において、レーザ光を上記押え付け部材及び上記付加環状部を通して当該付加環状部と上記弁体本体との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射して加熱するレーザ光照射工程とでもって、
上記付加環状部及び上記弁体本体をその境界から相互に溶着後冷却させて上記弁体として形成する。
このように、弁体のうちの付加環状部が、射出成形可能なフッ素樹脂を用いて射出成形され、この射出成形後の付加環状部が、弁体本体の先端部上に重畳され、このような重畳状態にある副環状部が透光性及び熱伝導性を有する押え付け部材でもって弁体本体の先端部上に押え付けられる。
そして、このような押え付け状態において、レーザ光が押え付け部材及び付加環状部を通して当該付加環状部と弁体本体との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射される。このため、付加環状部及び弁体本体が、レーザ光による加熱のもと、その境界から相互に溶着された後冷却されて弁体として形成される。
このような弁体形成方法により、付加環状部を弁体本体の先端部に射出成形可能なフッ素樹脂でもって付加的に形成することで、例えば、付加環状部の環状弁座との着座或いは離間によるパーティクルが付加環状部から剥がれて液体に混入するという事態を招くことのないダイヤフラム弁の提供が可能となる。
また、本発明は、請求項10の記載によれば、請求項9に記載のダイヤフラム弁の弁体形成方法において、
上記射出成形工程において、上記射出成形可能なフッ素樹脂を、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて上記付加環状部として射出成形することを特徴とする。
これにより、付加環状部を射出成形してもヒケを生じることがないから、請求項9に記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
また、本発明は、請求項11の記載によれば、請求項9または10に記載のダイヤフラム弁の弁体形成方法において、
上記射出成形工程において、上記射出成形可能なフッ素樹脂はPFAであることを特徴とする。
これによれば、PFAは、発塵性に優れたフッ素樹脂であることから、射出成形された付加環状部の外面の面粗度を高く確保し得る。従って、請求項9または10に記載の作用効果がより一層向上され得る。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す。
本発明に係るダイヤフラム弁の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1のダイヤフラム弁の環状弁座を備えたハウジング部材を示す拡大縦断面図である。 図2の環状弁座を示す拡大平面図である。 図3の環状弁座を示す側面図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラム弁の環状弁座の形成工程図である。 上記第1実施形態におけるダイヤフラム弁のハウジング部材を、環状弁座のうち副環状部を積載する前の状態にて示す拡大縦断面図である。 図6のハウジング部材を、副環状部を主環状部に載置した状態にて示す縦断面図である。 図7のハウジング部材を、押え付け部材を副環状部に載置状態にて示す縦断面図である。 図8のハウジング部材を、半導体レーザ装置のレーザ光を押え付け部材を介し副環状部と主環状部の境界部に照射する状態にて示す縦断面図である。 図9にて符号Rにより示す環状弁座の一部の拡大断面図である。 本発明に係るダイヤフラム弁の第2実施形態の要部を示す部分破断縦断面図である。 本発明に係るダイヤフラム弁の第3実施形態の要部を示す部分破断縦断面図である。
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明に係るダイヤフラム弁の第1実施形態を図面により説明すると、図1は、ダイヤフラム弁が、例えば、半導体製造装置による半導体素子の製造工程において適用される例を示す。
当該ダイヤフラム弁は、上記半導体製造装置の液体配管系統の上流部と下流部との間に介装されて、上記液体配管系統を流れる液体を当該液体配管系統の上流側から下流側へ流動させるように構成されている。本第1実施形態において、上記液体は、例えば、劇薬等の薬液、純水や高温液体その他の液体をいい、上記半導体製造装置の液体供給源から上記液体配管系統に供給されるようになっている。
当該ダイヤフラム弁は、図1にて示すごとく、弁本体Bと、駆動機構Dとによって、常閉型ダイヤフラム弁として構成されている。
弁本体Bは、円筒状ハウジング100を備えており、当該円筒状ハウジング100は、ハウジング部材100aと、上壁100bとにより構成されている。本第1実施形態において、ハウジング部材100a及び上壁100bの各形成材料としては、耐薬品性能、耐熱性能及び耐食性能に優れるポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEともいう)が採用されている。
ハウジング部材100aは、図1にて示すごとく、底壁110と、周壁120とを備えており、底壁110は、横断面円形状底壁部111と、流入筒部112とを有している。
流入筒部112は、底壁部111の内部に形成してなる流入側連通路部114から外方へ延出している。ここで、流入側連通路部114は、その内端開口部114aにて、底壁部111の上面111aの中央部にて上方に向け開口しており、当該流入側連通路部114は、底壁部111の内部にて、内端開口部114aから底壁部111の中央部に沿い下方へ延出するとともに当該中央部の上下方向中間部位からL字状に折れ曲がるように形成されて、外端開口部114bにて、流入筒部112を通り外方へ連通している。これに伴い、本第1実施形態では、上記液体は、流入筒部112から流入側連通路部114内に流入するようになっている。
周壁120は、円筒状周壁部121と、流出筒部122とにより構成されており、円筒状周壁部121は、底壁部111の上面111aから上方へ同軸的に延出している。当該円筒状周壁部121は、その中空部にて、小径内孔部121a及び大径内孔部121bを形成してなるもので、小径内孔部121aは、円筒状周壁部121の中空部内にて、底壁部111の上面111aの中央部上に同軸的に形成されている。
これにより、流入筒部112からの液体が小径内孔部121a内に流入可能なように、流入側連通路部114は、その内端開口部114aにて、小径内孔部121a内に開口している。
大径内孔部121bは、小径内孔部121aよりも大きな径にて、当該小径内孔部121aから上方へ同軸的に延出するように形成されて、当該小径内孔部121aと共に、周壁120内にて、段付き内孔部を構成している。
流出筒部122は、周壁部121内に形成してなる流出側連通路部123から流入筒部112とは逆方向にて外方へ延出している。ここで、流出側連通路部123は、その内端開口部123aにて、周壁部121の小径内孔部121a内に開口しており、当該流出側連通路部123は、周壁部121の内部にて、内端開口部123aから流入側連通路部114とは逆方向に延出するように形成されて、外端開口部123bにて、流出筒部122を通り外方へ開口している。
これに伴い、流出側連通路部123は、周壁部121の小径内孔部121a内の液体を流出筒部122から外方へ流出し得るようになっている。
また、ハウジング部材100aは、図1及び図2にて示すごとく、環状弁座130を備えており、当該環状弁座130は、周壁120の小径内孔部121a内にて、底壁110の底壁部111の上面111aの中央部から流入側連通路部114の内端開口部114aと同軸的に上方へ突出するように形成されている。
ここで、当該環状弁座130の構成につき詳細に説明すると、当該環状弁座130は、主環状部130a(図2参照)と、副環状部130b(図2〜図4参照)とによって構成されている。
主環状部130aは、ハウジング部材100aの形成材料であるPTFEでもって、流入側連通路部114の内端開口部114aと同軸的に、底壁110の底壁部111の上面111aの中央部から一体的に上方へ突出するように形成されている。
換言すれば、当該主環状部130aは、底壁110の底壁部111の上面111aのうち、流入側連通路部114の内端開口部114aの外周縁部に対する対応面部位から一体的に上方へ同軸的に突出するように形成されている。なお、当該主環状部130aは、ハウジング部材100aにおいて底壁部111と一体的に形成されていることから、一体環状部130aともいえる。
副環状部130bは、四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、PFAともいう)でもって、図3或いは図4にて示すごとく、環状底面部131、環状上面部132及び傾斜状外周面部133でもって円錐台外形形状を構成するように、所定の厚さにて環状に形成されている。
また、傾斜状外周面部133は、環状底面部131の外周縁部から環状上面部132の外周縁部にかけて副環状部130bの中心軸に近づくように傾斜して形成されている。このように副環状部130bを円錐台外形形状に形成する根拠は、後述するように、当該副環状部130bをその射出成形時に金型から抜き易くするためである。
ここで、副環状部130bの所定の厚さは、所定の厚さ範囲内の値に設定されている。本第1実施形態では、上記所定の厚さ範囲は、0.5(mm)以上で2(mm)以下の薄い範囲をいう。当該所定の厚さ範囲の下限値を0.5(mm)以上としたのは、0.5(mm)未満とすると、後述のような副環状部130bの射出成形が不可能となるためである。
また、上記所定の厚さ範囲の上限値を2(mm)としたのは、2(mm)よりも厚いと、後述のような副環状部130bの射出成形時にヒケが生じ易いこと及び後述のようなレーザ光の押え付け部材170に対する照射時にレーザ光を副環状部130bと主環状部130aとの境界面に収束させ難いことによる。
なお、一般的には、熱膨張係数の高い射出成形樹脂部材は、肉厚である程、大きな体積収縮率を示すことから、当該射出成形樹脂部材の射出成形後の冷却過程において、当該射出成形樹脂部材の外面にうねりが発生する。このようなうねり現象が、上述の「ヒケ」といわれる。
このように構成してなる当該副環状部130bは、その環状底面部131にて、主環状部130aの上面上に同軸的に溶着されている。これにより、当該環状弁座130は、流入側連通路部114内に流入する液体を、小径内孔部121aを介し流出側連通路部123内に流動させるようになっている。なお、副環状部130bは、主環状部130aに対し付加的に形成されることから、当該副環状部130bは、付加環状部130bともいえる。
上壁100bは、図1にて示すごとく、その外周縁部141にて、ハウジング部材100aの周壁120の先端開口部上に当接することで、ハウジング部材100aに対する蓋体としての役割を果たし、かつ、ハウジング部材100aと共にハウジング100を構成する。
また、当該上壁100bは、下側大径突部142及び下側小径突部143を有しており、下側大径突部142は、上壁100bの下面中央部から下方に向け突出形成されて、周壁120の大径内孔部121b内に着脱可能に嵌装されている。
下側小径突部143は、下側大径突部142よりも小さな径にて、当該下側大径突部142から同軸的に下方に向けて周壁120の小径内孔部121a内に延出しており、当該下側小径突部143は、その延出端面にて、弁体150の基部153(後述する)側から半径方向外側に向け下方へ傾斜するように形成されている。
また、弁本体Bは、弁体150及びダイヤフラム160を備えており、弁体150は、後述のごとく、駆動機構Dにより、上壁100bを介し、周壁120の小径内孔部121a内にて軸方向へ摺動可能に環状弁座130に対向するように支持されている。
当該弁体150は、ハウジング部材100aの形成材料であるPTFEでもって、縦断面略台形形状に形成されており、当該弁体150は、その先端面環状外周部151にて、環状弁座130の副環状部130bに同軸的に着座可能となっている。また、当該弁体150は、その先端面中央突部152にて、環状弁座130内に同軸的に進入可能となっている。
しかして、当該弁体150は、その先端面環状外周部151にて、環状弁座130の副環状部130bに着座することで、弁本体B(換言すれば、ダイヤフラム弁)を閉弁し、また、環状弁座130の副環状部130bから離間することで、弁本体B(換言すれば、ダイヤフラム弁)を開弁する。このことは、弁体150は、環状弁座130と共に、ダイヤフラム弁の弁部材を構成することを意味する。
ダイヤフラム160は、PTFEにより、弁体150と共に一体的に形成されているもので、当該ダイヤフラム160は、弁体150の基部153の外周面から半径方向へ薄膜状に延出している。当該ダイヤフラム160は、その延出端外周部161にて、周壁120の小径内孔部121aと大径内孔部121bとの間に形成される環状段部と、上壁100bの下側大径突部142と下側小径突部143との間に形成される環状段部との間に挟持されている。
しかして、ダイヤフラム160は、弁体150の基部153から下側大径突部143の延出端面に沿い半径方向に外方へ延出するとともに、さらに、小径内孔部121aの上側内周部と上壁100bの下側小径突部143の外周面部との間に沿い延出端外周部161まで延出している。
これに伴い、ダイヤフラム160は、周壁120の小径内孔部121aの内部を、弁体室Ra及び空気室Rbに区画形成している。ここで、弁体室Raは、弁体150を収容し、かつ、環状弁座130を介し流入側連通路部114内に連通するとともに、流出側連通路部123内に連通する。一方、空気室Rbは、上壁100bの内部にL字状に形成した空気通路124を通して上壁100bの外部に開放されている。
以上のように構成した弁体150及びダイヤフラム160によれば、弁体150が、その上動に伴い、環状弁座130から離間して上記弁部材を開くと、流入側連通路部114内の液体が、環状弁座130を通り弁体室Ra内に流入して流出側連通路部123内に流動する。
このとき、ダイヤフラム160は、その半径方向中間部位にて、弁体150の上動及び弁体室Ra内に流入する液体の液圧に基づき上方へ湾曲変位する。これに伴い、空気室Rb内の空気が、空気通路124を通して上壁100bの外部へ排出される。
また、弁体150は、その下動に伴い、先端面環状外周部151にて、環状弁座130の副環状部130bに着座して上記弁部材を閉じると、環状弁座130を介する流入側連通路部114からの液体の弁体室Ra内への流入及び弁体室Raからの液体の流出側連通路部123内への流動が、遮断される。
このとき、ダイヤフラム160は、その半径方向中間部位にて、弁体150の下動に基づき、弁体室Ra内の液体の液圧に抗して下方へ湾曲変位する。これに伴い、空気が空気通路124を通して空気室Rb内に流入する。
駆動機構Dは、図1にて示すごとく、弁本体Bの上壁100b上に組み付けられているもので、当該駆動機構Dは、円筒状ケーシング200と、ピストン210とを備えている。
円筒状ケーシング200は、円板状上壁200aと、円筒状周壁200bとを有している。周壁200bは上壁200aの外周縁部から下方へ延出されており、当該周壁200bは、その開口部201にて、ハウジング100の上壁100bの上側突部144にOリング144aを介し、同軸的に、気密的にかつ着脱可能に嵌装されている。なお、上側突部144は、上壁100bの上面の中央部から上方へ突出するように形成されている。
ピストン210は、ピストン本体210aを備えており、当該ピストン本体210aは、ケーシング200の周壁200b内に、Oリング211を介し、同軸的に、気密的にかつ摺動可能に嵌装されている。これにより、ピストン本体210aは、ケーシング200の中空部を上下両側室Rc、Rdに区画形成している。
ここで、上側室Rcは、ケーシング200の上壁200aとピストン210のピストン本体210aとの間に形成されており、当該上側室Rcは、ケーシング200の上壁200a内に形成してなる円筒状溝部202内に連通している。
なお、円筒状溝部202は、上壁200aの内面から上方に向け同軸的に切り欠き形成されており、当該円筒状溝部211は、その下端開口部にて、空気室Rc内に開口するとともに、その大径側内周面の一部にて、上壁200aに形成した連通路部203a及び開口部203bを通り、外側ケーシング200の外部に開放されている。
一方、下側室Rdは、ケーシング200の周壁200b内にて、ピストン本体210aとハウジング100の上壁100bとの間に形成されており、当該下側室Rdは、周壁200bに形成してなる連通路部204及び開口部205を通り、周壁200bの外部に開放されている。
また、コイルスプリング212は、図1にて示すごとく、上壁200aの円筒状溝部202内に嵌装されており、当該コイルスプリング212は、円筒状溝部202の上側環状内面部とピストン本体210aの上面との間に挟持されて、ピストン本体210aを下方に向け付勢している。
また、ピストン210は、ピストンロッド210bを備えている。当該ピストンロッド210bは、ピストン本体210aから同軸的に下側室Rd及びハウジング100の上壁100bの貫通穴部101内にOリング102を介し、気密的にかつ摺動可能に嵌装されて、弁体室Ra内に延出しており、当該ピストンロッド210bは、その雄ねじ部213にて、弁体150の雌ねじ部154内に同軸的に締着されている。
このことは、駆動機構Dが、ピストン210のピストンロッド210bにより、上壁100bの貫通孔部101を介し、弁体150を環状弁座130に同軸的に対向するように支持することを意味する。なお、貫通孔部101は、上壁100bの中央部に同軸的に形成されている。また、雄ねじ部213は、ピストンロッド210bの延出先端部に形成されており、雌ねじ部154は、弁体150にその基部153側から同軸的に形成されている。
このように構成したピストン210においては、空気流供給源(図示しない)からの空気流がケーシング200内の下側室Rd内に開口部205及び連通路部204を通して供給されると、ピストン210が、そのピストン本体210aにて、下側室Rc内に供給される空気流の圧力を受けて、コイルスプリング212の弾力に抗して、ケーシング200の周壁200bの内部を上方へ摺動し、弁体150を環状弁座130から離間させる。
このとき、上側室Rc内の空気は、ピストン本体210aの上方への摺動に伴い、上壁200aの環状溝部202、連通路部203a及び開口部203bを通り排出される。
また、上記空気流供給源から下側室Rd内への空気流の供給が停止すると、ピストン210がコイルスプリング212の弾力のもとに下方へ摺動して弁体150を環状弁座130に着座させる。
このとき、下側室Rd内の空気は、ケーシング200の周壁200bの連通路部204及び開口部205を通してケーシング200の外部へ排出されるとともに、ケーシング200の外部からの空気が、上壁200aの開口部203b、連通路部203a及び環状溝部202を通り、上側室Rc内に流入する。
ここで、環状弁座130は、その副環状部130bの外面にて、上述のごとく、著しく高い面粗度(換言すれば、高い面精度)となるように平面状に射出成形されているので、ゴミ等の粒子、即ち、パーティクルが環状弁座130の外面には付着し難い。
なお、本第1実施形態において、上述した面粗度とは、面の粗さをいい、いわゆる面精度に相当する。従って、面粗度が高いとは、面精度が高いこと、換言すれば、面の仕上がり精度が細かいことをいう。また、面粗度が低いとは、面精度が低いこと、換言すれば、面の仕上がり精度が粗いことをいう。
上述のようにパーティクルが環状弁座130の外面には付着し難いことから、弁体150が環状弁座130の副環状部130bから離間したとき、上記液体が流入側連通路部114から環状弁座130を通り流出側連通路部123へ流動するものの、上述のごとく、副環状部130bの外面にはパーティクルが付着し難いことから、当該パーティクルが、液体の副環状部130bの外面との接触や弁体150の副環状部130bに対する着座に起因して副環状部130bの外面から剥がれて液体に混入してしまうという現象を未然防止し得る。
その結果、このようなパーティクルの混入がない液体によれば、半導体ウェハーの表面にパーティクルが付着することがなく、配線パターンが、半導体ウェハーの表面に良好に形成されて、半導体素子として製造され得る。
また、環状弁座130は、その副環状部130bの外面にて、上述のごとく、著しく高い面粗度(換言すれば、高い面精度)となるように平面状に射出形成されているので、弁体150が環状弁座130の副環状部130bに着座したとき、当該弁体150と副環状部130bとの間が液密的に良好に遮断され得る。従って、液体が弁体150と副環状部130bとの間を通り流入側連通路部114から流出側連通路部123への方向或いはその逆の方向へ漏れることがない。
次に、以上のように構成したダイヤフラム弁の製造にあたり、円筒状ハウジング100のハウジング部材100a及び環状弁座130の形成方法について、図5〜図10を参照して説明する。
まず、図5にて示すハウジング部材の母体の切削加工工程S1において、当該ハウジング部材の母体の切削加工がなされる。この切削加工に伴い、上記母体がハウジング部材の半完成体(以下、ハウジング部材半完成体ともいう)として形成される。なお、上記ハウジング部材の母体とは、円筒状ハウジング100のハウジング部材100aを形成するに要する材料であるPTFEからなる固体をいう。
本第1実施形態において、上記ハウジング部材半完成体は、図6から分かるように、ハウジング部材100aのうち、環状弁座130の主環状部130a、流入筒部112及び流入側連通路部114を有する底壁110、並びに小径内孔部121a、大径内孔部121b、流出筒部121、流出側連通路部123を有する周壁120でもって、一体的に構成されている。
本第1実施形態では、ハウジング100の上壁100bは、上記ハウジング部材半完成体の形成材料であるPTFEを用いて、上記切削加工機械により切削加工されるとともに、弁体150及びダイヤフラム160が、当該切削加工機械により切削加工される。
但し、現段階では、上記ハウジング部材半完成体において、主環状部130aの外面には、上述した切削加工機械による切削加工に伴い生じた切削痕が残存したままとなっている。
ついで、上述のような切削加工工程S1の後、次の環状弁座の副環状部の射出成形工程S2において、副環状部130bが、次のようにして、射出成形機により射出成形される。この射出成形にあたり、副環状部130bを射出成形するに要する副環状部用金型が準備される。
上記副環状部成形用金型は、上型及び下型により構成されている。当該副環状部成形用金型において、上型は、金型用金属材料でもって平板状に形成されている。一方、下型は、副環状部130bの円錐台外形形状及び中空形状に対応する成形用環状凹部を有するように、金型用金属材料でもって形成されている。
本第1実施形態では、上記成形用環状凹部は、上記下型の成形面(上記上型の成形面に対する対向面)から上記下型内に向け円錐台状であって環状にくぼむように形成されて、上記下型の成形面にて開口する。また、当該成形用環状凹部のその開口面からの深さは、副環状部130bの厚さに等しい。
ここで、当該成形用環状凹部は、その開口面にて、副環状部130bの環状底面部131に対応する。このため、副環状部130bの環状上面部132は、上記成形用環状凹部の底面に対応する。これは、副環状部130bをその射出成形後上記下型の成形用環状凹部から取り出し易くするためである。
また、本第1実施形態においては、上記上型の成形面及び上記下型の成形面及び成形用環状凹部の内面には、鏡面仕上げが施されている。
これは、射出成形後の成形品である副環状部130bの外面、特に、副環状部130bの主環状部130aや弁体150の先端面外周部151との接合面における面粗度(換言すれば、面精度)を著しく高くするためである。
なお、上述の鏡面仕上げは、上記上型の成形面及び上記下型の成形面及び成形用環状凹部の内面の面粗度を算術平均粗さにて0(μm)よりも粗くかつ0.01(μm)以下に維持し得る処理である。
しかして、このように構成した副環状部成形用金型においては、上型が、その成形面にて、下型の成形面に接合するように組み合わされたとき、当該上型と下型との間には、上型の成形面と下型の成形用環状凹部とでもって、副環状部130bの円錐台外形形状及び中空形状に対応する成形用円錐台状空洞環状部(図示しない)が形成される。
このように準備してなる副環状部成形用金型を射出成形機(図示しない)に設置した状態にて、予め準備された樹脂材料であるPFAが、溶融状態にて、上記射出成形機に設置済みの副環状部成形用金型の下型と上型との間に注入される。
然る後、溶融状態にあるPFAが、上記射出成形機による射出成形でもって上記副環状部成形用金型の成形用円錐台状空洞環状部内にて成形されて、冷却硬化のもとに、副環状部130bとして形成される。
このようにして、副環状部130bが射出成形されると、当該副環状部130bが上記下型の成形用環状凹部から取り出される。このとき、上記下型の成形用環状凹部は、上述のように、その開口面にて、副環状部130bの環状底面部131に対応するように、形成されているので、副環状部130bをその環状底面部131から環状上面部132にかけて上記下型の成形用環状凹部から容易に取り出すことができる。
また、副環状部130bは、上述のごとく、射出成形により成形されるので、切削加工に起因する切削痕が生ずることがない。しかも、当該副環状部130bは、上記所定の厚さ範囲内の厚さを有するので、射出成形後にヒケを生ずることがない。このため、副環状部130bの環状底面部131及び環状上面部132は、共に、ヒケによる凹凸を生ずることなく、平面状となっている。
さらに、上記副環状部成形用金型の上型の成形面並びに下型の成形面及び成形用環状凹部の内面には、上述のごとく鏡面仕上げが施されていることから、副環状部130bの外面の面粗度は、平均算術粗さにて0.1(μm)以下と、著しく高い。従って、当該副環状部130bの外面には、ゴミ等の粒子は勿論のこと、これよりもさらに小さな微粒子であっても付着し難い。なお、パーティクルは、ゴミ等の粒子に加えて、これよりもさらに小さな微粒子をも含む概念として把握してもよい。
然る後、次の副環状部の載置工程S3において、上述のように射出成形された副環状部130b(付加環状部130b)が、その環状底面部131にて、図7にて示すごとく、上記ハウジング部材半完成体の主環状部130a(一体環状部130a)の上面上に同軸的に載置される。
このように副環状部130bが、主環状部130aの上面に載置された後、次の円板状押え付け部材の載置工程S4において、円板状押え付け部材170が、その底面にて、図8にて示すごとく、副環状部130bの環状上面部132上に同軸的に載置される。
本第1実施形態において、円板状押え付け部材170は、透明ガラスでもって、所定の厚さ及び所定の直径を有するように円板状に形成されている。ここで、円板状押え付け部材170を形成する透明ガラスは、高熱伝導性及び電気絶縁性を有する。
従って、当該押え付け部材170は、透明であることから、レーザ光の熱を吸収し難い。また、当該押え付け部材170は、その高熱伝導性に基づき、副環状部130bに対する載置状態において当該副環状部130bの熱を吸収し易い。また、当該押え付け部材170は、その電気絶縁性のもと、副環状部130bとの間にて電気的に導通し難い。
また、本実施形態において、円板状押え付け部材170の直径は、副環状部130bの環状上面部132の外径と同一となるように選定されている。
また、円板状押え付け部材170の厚さは、次のように選定されている。即ち、当該円板状押え付け部材170を、上述のごとく、副環状部130b上に載置した状態にて、レーザ光を、後述のように、円板状押え付け部材170を通し副環状部130bと主環状部130aとの境界面に収束したとき、当該レーザ光が円板状押え付け部材170を良好に透過し、かつ、円板状押え付け部材170が、レーザ光でもって当該副環状部130bに生ずる熱を吸収して当該副環状部130bの温度上昇を良好に抑制し得るように選定されている。
しかして、上述のように円板状押え付け部材170が副環状部130b上に載置された後、次の円板状押さえ付け部材の押さえ付け工程S5において、円板状押え付け部材170が、その上方から、適宜なプレス機(図示しない)により、図8にて矢印Yにより示すごとく、副環状部130bに向けて押し付けられる。このとき、円板状押え付け部材170は、その下面にて、副環状部130bの環状上面部132の全面に亘り、一様な押圧力でもって、押し付けられる。
このような円板状押え付け部材170の副環状部130bに対する押え付け状態のまま、次のレーザ光照射工程S6において、レーザ光が、半導体レーザ装置SL(図9参照)により、次のようにして、押え付け部材170に向けて照射される。
当該照射にあたり、半導体レーザ装置SLの構成について説明すると、当該半導体レーザ装置SLは、半導体(図示しない)を発光源として、その出射部P(図9参照)にて、上記半導体からその流入電流に応じて生ずる光をレーザ光として出射するように構成されている。また、当該半導体レーザ装置SLは、上記半導体からのレーザ光を、レンズ系(図示しない)により、当該レンズ系から所定の焦点距離だけ離れた焦点上に収束するように構成されている。さらに、当該半導体レーザ装置SLは、上記半導体からのレーザ光の出射強度を調整可能に構成されている。
しかして、半導体レーザ装置SLにより押え付け部材170に向けてレーザ光を照射するにあたっては、当該半導体レーザ装置SLが、その出射部Pにて、ハウジング部材100aの大径内孔部121b及び小径内孔部121aを通して、円板状押え付け部材170のうち副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Q(図10参照)に対する対応部に対向するように、ハウジング部材100aの直上に維持される。
ここで、半導体レーザ装置SLは、副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Qを含む円周上に沿いレーザ光を収束させながら押え付け部材170の軸周りに回転するようになっている。なお、幅方向境界面中央部Qは、副環状部130bの環状底面部131と主環状部130aの上面との接合幅方向境界部に相当する。また、ハウジング部材100aは、図9にて示すごとく、適宜な治具等の適宜な受け部材G上に載置される。
このとき、幅方向境界面中央部Qが半導体レーザ装置SLのレンズ系の焦点に一致するように、半導体レーザ装置SLのハウジング部材100aに対する高さが位置調整される。さらに、副環状部130b及び主環状部130aが、上述した幅方向境界面中央部Qを中心として溶融可能なように、当該半導体レーザ装置SLからのレーザ光の出射強度が調整される。
しかして、当該半導体レーザ装置SLが、その作動に伴い、レーザ光を出射すると、当該レーザ光は、図9及び図10にて示すごとく、ハウジング部材100aの大径内孔部121b及び小径内孔部121aを通り、押え付け部材170及び副環状部130bを各厚さ方向に透過して当該副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Qに収束する。
従って、副環状部130b及び主環状部130aが、幅方向境界面中央部Qを中心としてレーザ光により加熱される。これに伴い、副環状部130b及び主環状部130aが、幅方向境界面中央部Qを中心として溶融されていく。
本第1実施形態では、副環状部130bの形成材料であるPFAは、主環状部130aの形成材料であるPTFEの融点(約330(℃))よりも幾分低い融点(約310(℃))を有する。
このため、半導体レーザ装置SLにおいては、そのレーザ光の幅方向境界面中央部Qに対する加熱温度が、PTFEの融点よりも幾分高くなるように、上述したレーザ光の出射強度が調整されている。
但し、押え付け部材170が、その高熱伝導性のもとに副環状部130bの発熱を吸熱することを考慮して、幅方向境界面中央部Qに対する加熱温度がPFAの融点を超えて上昇するものの、主環状部130a及び副環状部130bにおいて幅方向境界面中央部Qを中心とする溶融領域が所定領域内に収まるように、幅方向境界面中央部Qに対するレーザ光の出射強度が所定の出射強度として設定されている。
換言すれば、副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Qを含む円周上に沿いレーザ光の照射強度が一様に上記所定の照射強度となるように、半導体レーザ装置SLの回転速度が低回転速度に選定されている。なお、上述の所定領域は、例えば、副環状部130bの主環状部130aに対する載置状態において、少なくとも副環状部130bの上面部及び主環状部130aの下面部を含まない領域をいう。
ここで、副環状部130bの形成材料であるPFAは、主環状部130aの形成材料であるPTFEに比べて流動性が高く、かつ、上述したごとく、当該PTFEの融点よりも低い融点を有する。しかも、副環状部130bは主環状部130a上に重畳的に載置されている。
このため、副環状部130bは、主環状部130aよりも早いタイミングにて、上記レーザ光により、幅方向境界面中央部Qを中心として局所的に加熱されて溶融し始めて、溶融状態となって当該主環状部130a内に浸透していく。また、上記レーザ光による加熱温度の上昇に伴い、主環状部130aが幅方向境界面中央部Qを中心として局所的に加熱されて溶融し始める。このため、副環状部130bを形成するPFAは、溶融状態にて、主環状部130aを形成するPTFEの溶融領域により一層容易に浸透していく。
本第1実施形態において、上述のような局所的な加熱では、副環状部130bに対する加熱温度は、押え付け部材170による吸熱作用のもと、副環状部130bにおいてその底面部131から上面132側に向けて順次低下するとともに、主環状部130aにおいては、副環状部130bの底面部131側から副環状部130bの上面132とは反対方向に向けて順次低下する。従って、上記所定領域内において主環状部130a及び副環状部130bが相互に溶融することとなる。
このようなレーザ光による照射を維持しながら、半導体レーザ装置SLが、レーザ光を、副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Qを含む円周上に沿い順次収束させるように、上記低回転速度にて、回転していく。
これにより、主環状部130a及び副環状部130bが、その境界面の幅方向中央部に沿う円周部を中心とする上記所定の領域に亘り、レーザ光により加熱されて一様に溶融して相互に溶着していく。その後、半導体レーザ装置SLからのレーザ光の出射を停止することで、主環状部130a及び副環状部130bは、自然冷却を経て硬化していく。
ここで、上述のごとく、所定領域は、副環状部130bの主環状部130aに対する載置状態において、少なくとも副環状部130bの上面部及び主環状部130aの下面部を含まない領域であることから、副環状部130bの主環状部130aに対する載置状態において、副環状部130bがその押え付け部材170との接合面まで溶融することはなく、また、主環状部130aは、その副環状部130bとは反対側面まで溶融することはない。従って、主環状部130a及び副環状部130bは、その原形状を維持したまま、相互に溶着される。
然る後、図5の押え付け部材除去工程S7において、押え付け部材170が、副環状部130bから除去される。これにより、主環状部130a及び副環状部130bが、相互に溶着硬化した状態にて、ハウジング部材100aの環状弁座130として形成される。
以上により、互いに溶着後冷却硬化してなる主環状部130a及び副環状部130bからなる環状弁座130を備えたハウジング部材100aの形成が完了する。
このように環状弁座130の形成が完了した後は、予め準備してなる駆動機構Dにおいて、ケーシング200が、周壁200bの開口部201にて、上述のように切削加工済みの上壁100bの上側突部144にOリング144aを介し嵌装されるとともに、ピストン210が、そのピストンロッド210bにて、上壁100bの貫通孔部101にOリング102を介し気密的に摺動可能に挿通される。
ついで、このように挿通されたピストンロッド210bが、その雄ねじ部213にて、弁体150の雌ねじ部154に同軸的に締着される。これにより、ピストン210は、そのピストンロッド210bにより、上壁100bの貫通孔部101を介し、弁体150を同軸的に支持する。
さらに、ケーシング200が嵌着された上壁100bが、外周縁部にて、ハウジング部材100aの開口部に着座するとともに、下側大径突部142にて、ハウジング部材100aの大径孔部121bに嵌装される。
このとき、当該上壁100bが、下側大径突部142にて、ダイヤフラム160の外周縁部161を介し、ハウジング部材100aの小径内孔部121aと大径内孔部121bとの境界環状段部上に係合して、ダイヤフラム160の外周縁部161を挟持する。
従って、上壁100bがダイヤフラム160を介しハウジング部材100aの周壁120に同軸的に組み付けられるとともに、弁体150が、ピストン210により同軸的に支持された状態にて、ハウジング部材100aの小径内孔部121a内にて、環状弁座130の副環状部130bに対し同軸的に対向するように位置する。これにより、ダイヤフラム弁の製造が完了する。
以上のように構成した本第1実施形態において、半導体ウェハーを用いて半導体素子を上記半導体製造装置により製造するにあたり、当該ダイヤフラム弁が閉弁状態にあるものとする。
このとき、当該ダイヤフラム弁においては、ピストン210が、そのピストン本体210aにて、コイルスプリング212の付勢力のもとに、ケーシング200の周壁200b内にて下方へ摺動している。
これに伴い、ピストン210が、そのピストンロッド210bにより、弁体150を、その先端面外周部151にて、環状弁座130の副環状部130bの環状上面部132に着座させている。
このとき、上述のごとく、弁体150は、ピストン210により、環状弁座130に対し同軸的に位置するように支持されているから、弁体150の先端面外周部151は、その全面に亘り、副環状部130bの環状上面部132に均一に接合している。
ここで、PFAがその溶融状態にて良好な流動性を有することを活用して、副環状部130bが、その外面にて、上述のごとく、算術平均粗さにて上記金型の面粗度よりも低くかつ0.1(μm)以下となるように、PFAでもって、ヒケを生じないように上記所定厚さにて射出成形されている。
このため、副環状部130bは、その外面に切削加工による切削痕の発生を伴うことなく、その外面のうち、例えば、環状上面部132において、上述の高い面粗度(換言すれば、高い面精度)を一様に有する平面となっている。
従って、例えば、16(nm)程度の外径を有するような非常に微小な粒子であっても、副環状部130bの外面に付着することがない。
ここで、弁体150は、その先端面外周部151にて、環状弁座130の副環状部130bの環状上面部132上に接合していることから、上述のような閉弁状態においては、流出側連通路部123が、流入側連通路部114から良好に液密的に遮断されている。
このような状態において、空気流が上記空気流供給源からケーシング200の開口部205及び連通路部204を通し下側室Rd内に供給されると、ピストン210が、上述したごとく、下側室Rd内に供給される空気流の圧力に基づきコイルスプリング212の弾力に抗してケーシング200の中空部を上方へ摺動する。このため、弁体150がピストン210の上方への摺動を伴い環状弁座130から上方へ離間する。
これに伴い、上記半導体製造装置の上記液体配管系統の上流部に供給される上記液体が、当該ダイヤフラム弁に向けて流動し、弁本体Bの流入筒部112、流入側連通路部114及び環状弁座130を通り弁体室Ra内に流入する。このように弁体室Ra内に流入した液体は、流出側連通路部123及び流出筒部122を通り上記液体配管系統の下流部内に流出する。
なお、上述のように弁体室Ra内に流入した液体は、その液圧により、ダイヤフラム160を空気室Rb側へ押圧する。このため、当該ダイヤフラム160は、空気室Rb側へ湾曲しながら弁体150の環状弁座130からの離間を助長する。
一方、環状弁座130の副環状部130b(付加環状部130b)は、上述のように高い面粗度(換言すれば、高い面精度)にて作成した副環状部用金型を利用して、射出成形に適したPFAでもって射出成形されている。
従って、当該副環状部130bは、その外面にて、切削加工に付随して生じがちな切削痕を発生することはないのは勿論のこと、上述のように高い面粗度(算術平均粗さにて0.1(μm)以下)に形成されている。
しかも、副環状部130bは、射出成形に起因するヒケを生じないように、上記所定の厚さ範囲内の厚さにて射出成形されているため、副環状部130bの外面は、ヒケによる凹凸を伴うことなく、円滑な平面状となっている。
以上のようなことから理解されるように、副環状部130bの外面においては、パーティクルの要因の1つである切削痕の付着をなくすことが可能となる。
このことは、副環状部130bは、良好な低発塵性を有することを意味する。ここで、低発塵性とは、半導体ウェハーを用いて半導体素子を製造するにあたり、当該半導体素子に必要な配線ピッチの4分の1よりも大きいパーティクルを発生しないことをいう。
なお、低発塵性を有する材料は、分子が絡み合うことで剥離しにくくなるようにするべく、分子が長く、側鎖や架橋を有する材料であることから、副環状部130bの成形材料であるPFAは、低発塵性を有する材料としては適した材料である。
しかして、環状弁座130は、上述のごとく、その副環状部130bにおいて良好な低発塵性を有するように成形されているから、上記液体が、弁体室Ra内にて副環状部130bの外面に接触しながら流動しても、パーティクルが副環状部130bの外面から剥がれて上記液体に混入してしまうという事態が発生することがない。
また、弁体150が副環状部130bに着座したり当該副環状部130bから離間したりしても、パーティクルが副環状部130bの外面から剥がれて上記液体に混入してしまうという事態が発生することもない。
従って、弁体室Ra内に流入した液体は、邪魔なパーティクルを伴うことなく、流出側連通路部123及び流出筒部122を通り上記液体配管系統の下流部内に流出する。
このようなことから、上記液体配管系統の下流部内に流出した液体が、半導体素子の製造に用いる半導体ウェハーの表面に供給されても、当該半導体ウェハーの表面にパーティクル、例えば、12(nm)程度の外径を有するような微小なゴミであっても、付着することがない。
このため、半導体ウェハーの表面に、例えば、非常に細かい配線ピッチ(例えば、24(nm)程度)を有する配線パターンを形成するにあたっても、当該配線ピッチに基づく配線上にパーティクルが付着したり、配線間にパーティクルが接触したりすることが、良好に予防され得る。
このことは、配線間の短絡を招いたり、配線の断線により配線パターンを破損するという事態を未然に防止し得ることを意味する。換言すれば、非常に細かい配線ピッチの配線パターンを有する半導体素子であっても、半導体素子を良好に製造し得ることとなる。
従って、環状弁座が全体的に従来技術のように切削加工により形成される場合に生ずる切削痕の弊害を回避するために、弁体の環状弁座に着座する速度を、わざわざ、低速制御するというような事態を招くことがない。
また、環状弁座が全体的に従来技術のように切削加工により形成される場合に生ずる切削痕を溶融させて環状弁座の表面の面粗度を良好にするために、押え付け部材を、レーザ光照射ではなく、ヒータにより加熱するようにした場合、押え付け部材の加熱に時間がかかり作業性が悪い。
(第2実施形態)
図11は、本発明に係るダイヤフラム弁の第2実施形態の要部を示している。当該第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた弁本体Bにおいて、環状弁座130に代えて環状弁座130cを採用するとともに、弁体150に代えて弁体150aを採用したことにその構成上の特徴がある。
本第2実施形態における環状弁座130cは、上記第1実施形態にて述べた環状弁座130のうち主環状部130a(一体環状部130a)でもって構成されている。従って、環状弁座130cは、上記第1実施形態にて述べた環状弁座130において副環状部130bを廃止した構成となっている。
また、本第2実施形態における弁体150aは、上記第1実施形態にて述べた弁体150を弁体本体とし、この弁体本体に弁体環状部155を付加した構成を有する。なお、弁体環状部155は、弁体150である弁体本体に付加されていることから、当該弁体環状部155は、付加環状部155であるともいえる。
当該弁体環状部155は、上記第1実施形態にて述べた環状弁座130のうちの副環状部130bと同様に、PFAを用いて、当該副環状部130bと類似の構成を有するように、射出成形機でもって、射出成形されている。
ここで、当該弁体環状部155は、副環状部130bの環状底面部131、環状上面部132及び環状外周面部133に対応する環状底面部155a、環状下面部155b及び環状外周面部155cでもって、円錐台外形形状を構成するように、上記所定の厚さにて環状に形成されており、当該弁体環状部155は、環状弁座130cに対向するように、環状底面部155aにて、弁体150aの弁体本体(弁体150)の先端面外周部151に同軸的に溶着されている。
但し、環状下面部155bは、上記第1実施形態にて述べた主環状部130aの環状上面部と同一の外径を有する。従って、環状底面部155aは、副環状部130bの底面部よりも大きな外径を有する。なお、弁体環状部155は、副環状部130bと同様の厚さを有する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、当該弁体環状部155は、上記第1実施形態にて述べた副環状部130bと同様に、図5の環状弁座の副環状部の射出成形工程S2において、副環状部130bと同様に、PFAを用いて、射出成形される。
ついで、副環状部の載置工程S3において、上述のように射出成形された弁体環状部155が、副環状部130bに代えて、その環状底面部155aにて、弁体150aの弁体本体(上記第1実施形態にて述べた弁体150)の先端面環状外周部151上に同軸的に載置される。このとき、弁体150aは、その弁体本体の基部153にて、上記第1実施形態にて述べた受け部材G上に載置されている。
しかして、このような副環状部の載置工程S3の処理後、次の押え付け部材の載置工程S4において、押え付け部材170が、その底面にて、副環状部130bの環状上面部132上に代えて、弁体環状部155の環状下面部155b上に同軸的に載置される。
然る後、押さえ付け部材の押さえ付け工程S5において、押え付け部材170が、その上方から、上記プレス機により、副環状部130bに代えて、当該副環状部130bと同様に、弁体環状部155に押し付けられる。
ついで、レーザ光照射工程S6において、半導体レーザ装置SLが、その回転に伴い、レーザ光を、上記第1実施形態にて述べた副環状部130bと主環状部130aとの幅方向境界面中央部Qを含む円周部に代えて、上記第1実施形態と同様に、弁体環状部155の環状底面部155aと弁体150aの弁体本体の先端面環状外周部151との幅方向境界面中央部を含む円周部に沿い収束するように照射する。
これにより、弁体150aの弁体本体の先端面環状外周部151及び弁体環状部155が、その境界面の幅方向中央部に沿う円周部を中心とする上記所定の領域と同様の領域に亘り、レーザ光により加熱されて溶融して相互に溶着していく。その後、半導体レーザ装置SLからのレーザ光の出射を停止することで、弁体150a及び弁体環状部155は、自然冷却を経て硬化していく。
然る後、図5の押え付け部材除去工程S7において、押え付け部材170が、弁体環状部155から除去される。これにより、弁体150aが、その弁体本体の先端面環状外周部151に弁体環状部155を溶着硬化させた状態にて、本第2実施形態にいう弁体として形成される。
なお、環状弁座130cの外面は、当該環状弁座130cの切削加工の際に切削加工により形成されている。その他の製造工程は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、弁体環状部155は、上記第1実施形態にて述べた副環状部130bと同様に、良好な低発塵性を有するように、PFAを用いて射出成形されている。
従って、上記液体が、弁体室Ra内にて弁体環状部155の外面に接触しながら流動しても、パーティクルが弁体環状部155の外面から剥がれて上記液体に混入してしまうことがない。また、弁体150aが弁体環状部155にて環状弁座130cに着座したり当該環状弁座130cから離間したりしても、パーティクルが弁体環状部155の外面から剥がれて上記液体に混入してしまうという事態が発生することもない。
このため、弁体室Ra内に流入した液体は、上記第1実施形態と同様に、邪魔なパーティクルを伴うことなく、流出側連通路部123及び流出筒部122を通り上記液体配管系統の下流部内に流出する。
このようなことから、本第2実施形態においては、上記第1実施形態と同様に、半導体ウェハーの表面には、パーティクルであっても、付着することがなく、従って、半導体ウェハーの表面に形成される配線パターンを破壊したりすることなく、半導体ウェハーに基づき半導体素子を良好に製造することができる。その他の作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図12は、本発明の第3実施形態の要部を示している。当該第3実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた弁本体Bにおいて、弁体150に代えて弁体150bを採用したことにその構成上の特徴がある。
本第3実施形態における弁体150bは、上記第1実施形態にて述べた弁体150を弁体本体とし、この弁体本体に弁体環状部156を付加した構成を有する。なお、弁体環状部156は、弁体150である弁体本体に付加されていることから、当該弁体環状部156は、付加環状部156であるともいえる。
当該弁体環状部156は、上記第2実施形態にて述べた弁体環状部155の環状底面部155a、環状下面部155b及び環状外周面部155cに対応する環状底面部156a、環状下面部156b及び環状外周面部156cでもって、弁体環状部155と同様の構成を有するように形成されている。
しかして、当該弁体環状部156は、その環状底面部156aにて、上記第1実施形態にて述べた環状弁座130の副環状部130bに対向するように、弁体150bの弁体本体(弁体150)の先端面外周部151に同軸的に装着されている。
なお、本第3実施形態における弁体環状部156は、上記第2実施形態にて述べた弁体環状部155と同様に射出成形されて、弁体150bの弁体本体(弁体150)の先端面外周部151に溶着硬化されている。
このように構成した本第3実施形態において、弁体環状部156は、上記第2実施形態にて述べた弁体環状部155と同様に、良好な低発塵性を有するように、PFAを用いて射出成形されている。
従って、上記液体が、弁体室Ra内にて弁体環状部156や環状弁座130の副環状部130bの外面に接触しながら流動しても、パーティクルが弁体環状部155や副環状部130bの外面から剥がれて上記液体に混入してしまうことがない。また、弁体150bが弁体環状部156にて環状弁座130の副環状部130bに着座したり当該副環状部130bから離間したりしても、パーティクルが弁体環状部156や副環状部130bの外面から剥がれて上記液体に混入してしまうという事態が発生することもない。
このため、弁体室Ra内に流入した液体は、上記第1或いは第2の実施形態と同様に、邪魔なパーティクルを伴うことなく、流出側連通路部123及び流出筒部122を通り上記液体配管系統の下流部内に流出する。
このようなことから、本第3実施形態においては、上記第1或いは第2の実施形態と同様に、半導体ウェハーの表面には、パーティクルであっても、付着することがなく、従って、半導体ウェハーの表面に形成される配線パターンを破壊したりすることなく、半導体ウェハーに基づき半導体素子を良好に製造することができる。その他の作用効果は、上記第1或いは第2の実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、円板状押え付け部材170は、ガラスに限ることなく、サファイヤその他の透明で高熱伝達率及び電気絶縁性を有するセラミックスでもって形成するようにしてもよい。
(2)本発明の実施にあたり、上記実施形態にて述べた半導体レーザ装置に代えて、例えば、YAGレーザ装置等の固体レーザ装置を採用してもよく、一般的には、PTFEからなる主環状部130aとPFAからなる複環状部130bとの間の溶着を行うに適したレーザ装置であればよい。
(3)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたハウジング100のうち付加環状部130bを除く構成部位、弁体やダイヤフラムの形成材料は、PTFEに限ることなく、耐薬品性及び耐食性に優れた射出成形には適さないフッ素樹脂であってもよい。また、上記各実施形態にて述べた付加環状部の形成材料は、PFAに限ることなく、耐薬品性及び耐食性に優れた射出成形に適するフッ素樹脂であってもよい。
(4)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べたハウジング100のうち付加環状部130bを除く構成部位、弁体やダイヤフラムの形成材料は、PTFEに代えて、PFA等の耐薬品性及び耐食性に優れた射出成形に適するフッ素樹脂であってもよい。
(5)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態にて述べた駆動機構Dは、図1において、コイルスプリング212を、上記第1実施形態とは異なり、ピストン210のピストン本体210aとハウジング100の上壁100bとの間にピストンロッド210bと同軸的に介装するように構成するようにしてもよい。
このように、上記第1実施形態にて述べたダイヤフラム弁が、常開型ダイヤフラム弁として作動するようにしても、上記第1実施形態と実質的に同様の作用効果が達成され得る。
(6)また、本発明の実施にあたり、図5のハウジング部材の母体の切削加工工程S1の処理及び環状弁座の副環状部の射出成形工程S2の処理は、上記第1実施形態とは異なり、併行して行ってもよく、ハウジング部材の母体の切削加工工程S1の処理を、環状弁座の副環状部の射出成形工程S2の処理後に行うようにしてもよい。
100…円筒状ハウジング、100a…ハウジング部材、100b…上壁、
110…底壁、112…流入筒部、114…流入側連通路部、120…周壁、
122…流出筒部、123…流出側連通路部、130、130c…環状弁座、
130a…主環状部、130b…副環状部、150、150b、150c…弁体、
160…ダイヤフラム、200…円筒状ハウジング、210…ピストン、
210a…ピストン本体、210b…ピストンロッド、D…駆動機構、
Rc…上側室、Rd…下側室、S2…環状弁座の副環状部の射出成形工程、
S3…副環状部の載置工程、S4…円板状押え付け部材の載置工程、
S5…円板状押え付け部材の押え付け工程、S6…レーザ照射工程。

Claims (11)

  1. 筒状周壁及び当該筒状周壁の中空部を閉塞するように前記筒状周壁の両軸方向開口端部に設けられる両対向壁を有し、薬液その他の液体が流入可能なように前記両対向壁の一方の対向壁に設けられる流入路と、前記液体が前記流入路から前記筒状周壁の前記中空部を通り流出可能なように前記筒状周壁に設けられる流出路とを備えるハウジングと、
    前記筒状周壁の前記中空部に対する前記流入路の内端開口部に設けられる環状弁座と、当該環状弁座に対し着座可能に対向するように前記筒状周壁の前記中空部に収容してなる弁体とを有して、前記液体を前記流入路から前記流出路に流動させるとき前記弁体を前記環状弁座から離間させて開弁し、また、前記流入路から前記流出路への前記液体の流動を遮断するとき前記弁体を前記環状弁座に着座させて閉弁する弁手段と、
    前記弁体の外壁部と前記筒状周壁の内壁部との間に連結されて前記筒状周壁の前記中空部を、前記弁体が収容される弁体室と前記筒状周壁を通り外部に開放される空気室とに区画するように、前記弁体と共にフッ素樹脂でもって形成してなるダイヤフラムと、
    前記ハウジングの他方の対向壁を介し前記弁体に連結されて、前記弁手段を開弁するとき前記弁体を前記環状弁座から離間させるように駆動し、また前記弁手段を閉弁するとき前記弁体を前記環状弁座に着座させるように駆動する駆動手段とを備えており、
    前記環状弁座は、前記流入路の前記内端開口部と一体的になるように形成される一体環状部と、前記弁体に対向するように前記一体環状部上に付加的に溶着される弁座側付加環状部とを具備しており、
    前記ハウジングのうち前記弁座側付加環状部を除く部位は、前記環状弁座のうちの前記一体環状部を含め、前記フッ素樹脂でもって一体的に形成されており、
    前記環状弁座のうちの前記弁座側付加環状部は、前記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって形成されているダイヤフラム弁。
  2. 前記弁体は、その先端面環状外周部にて、前記環状弁座の前記弁座側付加環状部に同軸的に対向するように前記射出成形可能なフッ素樹脂でもって付加的に形成してなる弁体側付加環状部を備えることを特徴とする請求項1に記載のダイヤフラム弁。
  3. 前記駆動手段は、
    前記ハウジングの前記他方の対向壁に同軸的に設けられる筒状ケーシングと、
    当該筒状ケーシング内に軸動可能に収容されて前記筒状ケーシングの内部を両室に区画形成するピストン本体と、当該ピストン本体から前記両室の一方の室及び前記他方の対向壁を介し延出されて前記弁体を前記環状弁座に同軸的に対向するように支持するピストンロッドとを具備してなるピストンと、
    前記ピストン本体を前記一方の室に向け付勢する付勢手段とを具備して、
    前記ピストンは、外部から前記筒状ケーシングの第1周壁部を介し前記一方の室に供給される空圧に基づき、前記ピストン本体にて、前記付勢手段に抗して前記両室の他方の室内の空気を前記筒状ケーシングの第2周壁部から排出しながら当該他方の室側へ前記ピストンロッドと共に軸動することで、前記弁体を前記環状弁座から離間させ、また、前記一方の室内への前記空圧の供給の停止に伴い、前記ピストン本体にて、前記付勢手段の付勢のもとに前記一方の室内の空気を前記第1周壁部から排出しながら前記ピストンロッドと共に前記一方の室側へ軸動することで、前記弁体を前記環状弁座に着座させるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のダイヤフラム弁。
  4. 前記付加環状部は、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁。
  5. 前記付加環状部を形成するフッ素樹脂は、射出成形可能で低発塵性を有するフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のダイヤフラム弁。
  6. 流入路と、流出路と、前記流入路と前記流出路との間に位置する環状弁座とをフッ素樹脂でもって形成するハウジング内に前記環状弁座に着座可能に対向する弁体を設けて、当該弁体の前記環状弁座からの離間に伴い薬液その他の液体を前記流入路から前記環状弁座を通し前記流出路へ流動させ、前記弁体の前記環状弁座への着座に伴い前記流入路から前記流出路への前記液体の流動を遮断するようにしたダイヤフラム弁の環状弁座形成方法であって、
    前記環状弁座を、前記ハウジングの形成の際に当該ハウジングと一体的に前記フッ素樹脂でもって前記流入路と前記流出路との間にて形成される一体環状部及び前記弁体に対向するように前記一体環状部に付加的に設けられる付加環状部の双方でもって、構成するようにして、
    前記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって前記付加環状部を射出成形する射出成形工程と、
    当該射出成形工程における射出成形後、前記付加環状部を前記一体環状部に重畳するように載置する載置工程と、
    当該載置工程における載置後、透光性及び熱伝導性を有する押え付け部材を前記付加環状部に重畳するように載置して前記押え付け部材により前記付加環状部を前記一体環状部に向け押え付ける載置押え付け工程と、
    当該載置押え付け工程における押え付け状態において、レーザ光を前記押え付け部材及び前記付加環状部を通して当該付加環状部と前記一体環状部との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射して加熱するレーザ光照射工程とでもって、
    前記付加環状部及び前記一体環状部をその境界から相互に溶着後冷却させて前記環状弁座として形成するようにしたダイヤフラム弁の環状弁座形成方法
  7. 前記射出成形工程において、前記射出成形可能なフッ素樹脂を、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて前記付加環状部として射出成形することを特徴とする請求項6に記載のダイヤフラム弁の環状弁座形成方法。
  8. 前記射出成形工程において、前記射出成形可能なフッ素樹脂はPFAであることを特徴とする請求項6まは7に記載のダイヤフラム弁の環状弁座形成方法。
  9. 流入路と、流出路と、前記流入路と前記流出路との間に位置する環状弁座とをフッ素樹脂でもって形成するハウジング内に前記環状弁座に着座可能に対向する弁体を設けて、当該弁体の前記環状弁座からの離間に伴い薬液その他の液体を前記流入路から前記環状弁座を通し前記流出路へ流動させ、前記弁体の前記環状弁座への着座に伴い前記流入路から前記流出路への前記液体の流動を遮断するようにしたダイヤフラム弁の弁体形成方法であって、
    前記弁体を、前記フッ素樹脂でもって形成される弁体本体及び前記環状弁座に対向するように前記弁体本体に付加的に設けられる付加環状部の双方でもって、構成するようにして、
    前記フッ素樹脂のうち射出成形可能なフッ素樹脂でもって前記付加環状部を射出成形する射出成形工程と、
    当該射出成形工程における射出成形後、前記付加環状部を前記弁体本体の先端部に重畳するように載置する載置工程と、
    当該載置工程における載置後、透光性及び熱伝導性を有する押え付け部材を前記付加環状部に重畳するように載置して前記押え付け部材により前記付加環状部を前記弁体本体に向け押え付ける載置押え付け工程と、
    当該載置押え付け工程における押え付け状態において、レーザ光を前記押え付け部材及び前記付加環状部を通して当該付加環状部と前記弁体本体との境界に収束させながら当該境界の全周に亘り順次照射して加熱するレーザ光照射工程とでもって、
    前記付加環状部及び前記弁体本体をその境界から相互に溶着後冷却させて前記弁体として形成するようにしたダイヤフラム弁の弁体形成方法。
  10. 前記射出成形工程において、前記射出成形可能なフッ素樹脂を、射出成形に伴うヒケの発生を防止可能な所定の厚さにて前記付加環状部として射出成形することを特徴とする請求項9に記載のダイヤフラム弁の弁体形成方法。
  11. 前記射出成形工程において、前記射出成形可能なフッ素樹脂はPFAであることを特徴とする請求項9または10に記載のダイヤフラム弁の弁体形成方法。
JP2014193350A 2014-09-24 2014-09-24 ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法 Active JP6472197B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193350A JP6472197B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193350A JP6472197B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016065560A JP2016065560A (ja) 2016-04-28
JP6472197B2 true JP6472197B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=55805297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014193350A Active JP6472197B2 (ja) 2014-09-24 2014-09-24 ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6472197B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018190115A1 (ja) * 2017-04-14 2018-10-18 株式会社ブリヂストン バルブハウジング、バルブ及びバルブハウジングの製造方法
JP7061794B2 (ja) * 2018-08-10 2022-05-02 アドバンス電気工業株式会社 ダイヤフラム部材
JP6940155B2 (ja) * 2018-08-10 2021-09-22 アドバンス電気工業株式会社 ダイヤフラム部材を用いるダイヤフラム弁
JP7132888B2 (ja) * 2019-06-05 2022-09-07 Ckd株式会社 流体制御機器の製造方法
JP2022136512A (ja) 2021-03-08 2022-09-21 アドバンス電気工業株式会社 ダイアフラム弁
TW202330234A (zh) * 2021-12-03 2023-08-01 日商旭有機材股份有限公司 樹脂接合體製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1137329A (ja) * 1997-07-23 1999-02-12 Benkan Corp 樹脂製ダイヤフラム弁
JP2008151243A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Piolax Inc リリーフバルブ
JP2009101560A (ja) * 2007-10-23 2009-05-14 Campus Create Co Ltd 熱可塑性樹脂部材の溶着方法
JP5319942B2 (ja) * 2008-03-18 2013-10-16 大日本スクリーン製造株式会社 ダイヤフラムバルブおよびこれを備えた基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016065560A (ja) 2016-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6472197B2 (ja) ダイヤフラム弁並びにその環状弁座形成方法及び弁体形成方法
CN108692086B (zh) 水阀、用于水阀的引导管以及用于制造水阀的方法
TWI741344B (zh) 隔膜構件及使用所述隔膜構件的隔膜閥
KR101394494B1 (ko) 고기능성 버터플라이 밸브의 라이너 제조방법
JP2017001268A (ja) タイヤモールド、及びタイヤモールドの製造方法
JP5642760B2 (ja) 流体制御弁
JP2021179255A (ja) ダイヤフラム部材
JP2022039472A (ja) ダイヤフラム弁
US20230062647A1 (en) Flow rate control valve and producing method of flow rate control valve
JP6253517B2 (ja) タイヤ加硫金型、及びタイヤ加硫金型の製造方法
JP2011098564A (ja) エラストマー製品の製造装置及びエラストマー製品の製造方法
KR102040512B1 (ko) 유지보수가 용이한 게이트 밸브 및 이를 포함한 베어링 케이지용 상코어 구조
JP2022029522A (ja) ダイヤフラム弁
KR20090020018A (ko) 불소수지 라이닝이 형성된 밸브 본체 및 그 밸브 본체의제조방법
JP5486375B2 (ja) ゴム付円環部材の製造装置
JP2002307492A (ja) バルブゲート式金型装置
JP2008030297A (ja) 射出成形金型
JP6744772B2 (ja) ライナー用加工装置
JP2024011233A (ja) 有機溶剤用流体制御弁及び有機溶剤用流体制御弁の製造方法
JP2019178757A (ja) ダイヤフラム式流量制御弁
JP2005335187A (ja) バルブゲート式金型装置とその製造方法
JP2009126151A (ja) 成形装置のパーティング面の加工方法
JP2017222097A (ja) 金型装置
JP2016080091A (ja) 溶融樹脂用バルブ
JP2018179206A (ja) 流量調整装置及び温水装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6472197

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250