JP6470681B2 - 乳癌関連の疾患状態を決定する方法およびこの方法における使用のためのアレイ - Google Patents

乳癌関連の疾患状態を決定する方法およびこの方法における使用のためのアレイ Download PDF

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Description

本発明は、乳癌関連の疾患状態を決定する方法、ならびにかかる方法における使用のためのアレイおよびキットを提供する。
乳癌は、最も頻繁に診断される癌であり、女性では癌死亡の第1位の原因であり、総癌症例の23%および癌関連死亡の14%を占める(非特許文献1)。伝統的な臨床病理パラメータ、例えば、組織学的グレード分け(histological grading)、腫瘍サイズ、年齢、リンパ節関与およびホルモン受容体状態が、処置を決定し、予後を推定するために使用される(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)。最も一般に使用される予後因子の1つである組織学的グレード分けは、腫瘍の悪性度を反映する、腫瘍細胞の形態学的特徴および細胞学的特徴の顕微鏡的評価に基づいた、組み合わされたスコアである。この組み合わされたスコアは、次いで、乳癌腫瘍を階層化するために使用される;グレード1−成長が遅く高分化型、グレード2−中分化型、およびグレード3−高度に増殖性で低分化型(非特許文献3)。しかし、患者の予後判定のための組織グレード(histologic grade)の臨床的価値は、腫瘍をグレード分けすることに関連する現在の課題を主に反映して、疑問視されてきた(非特許文献7;非特許文献8)。さらに、腫瘍の30〜60%は、非常に不均一な患者コホートを示すことが判明し、臨床的決定を行うためにあまり情報を提供しないことが証明されている、組織グレード2と分類される(非特許文献9)。明らかに、伝統的な臨床的実験室パラメータは、適切な予後判定およびリスク群識別のため、ならびに所与の処置が成功するかどうかを予測するためには、なおも不十分である。結果として、患者の中には、何の利益も提供しない治療によって、過剰処置される、過小処置されるまたは公正に処置される者が出る。従って、乳癌の生物学および腫瘍進行のより深い分子的理解が、予後判定および処置決定を個別化するための改善された方法と組み合わせて、予後アウトカムおよび結果として治療アウトカムをさらに前進させるために必要とされる(非特許文献10)。
Jemalら、2011 CioccaおよびElledge、2000 ElstonおよびEllis、1991 Hondermarckら、2008 Hudis、2007 Slamonら、2001 Friersonら、1995 Robbinsら、1995 Sotiriouら、2006 Dowsettら、2007
今日まで、一式のゲノムの試みが、乳癌の型をサブグループ化するため(Ivshinaら、2006;Perouら、2000;Sorlieら、2001)ならびに乳癌の予後判定およびリスク層別化のため(Paikら、2004;van‘t Veerら、2002;van de Vijverら、2002)の分子シグネチャーを生成してきた。他方、プロテオミクス的知見は、重要な発見の臨床診療への移転を加速すると見込まれてきた(Hanash、2003)。この文脈では、古典的質量分析(MS)ベースのプロテオミクスは、細胞株およびいくつかの組織サンプルを主に標的化する乳癌プロテオーム(Bouchalら、2009;Geigerら、2010;Geigerら、2012;Gongら、2008;Kangら、2010;Strandeら、2009;Suttonら、2010)の価値ある目録を生成しており、より最近では、アフィニティプロテオミクスの試みが、乳癌診断のためおよび再発のリスクを予測するための、最初の多重化血清ポートレートをもたらした(Carlssonら、2008;Carlssonら、2011)。しかし、最近の技術的進歩にもかかわらず、古典的プロテオミクス技術(AebersoldおよびMann、2003)またはアフィニティプロテオミクス(BorrebaeckおよびWingren、2011)のいずれかを使用して、高感度かつ再現性のある様式で、粗製プロテオーム、例えば組織抽出物の大きいコホートの詳細なタンパク質発現プロフィールを生成することは、依然として課題である。
これらの問題を解決するために、本発明者らは最近、アフィニティプロテオミクスおよびMSの最良の特徴を組み合わせた、グローバルプロテオーム調査(global proteome survey)(GPS)技術プラットホーム(Wingrenら、2009)を開発した。GPSは、発見の試みに適しており、高感度かつ定量的な様式で粗製プロテオームを再現性良く解読する(Olssonら、2012;Olssonら、2011)。
この研究において、本発明者らは、GPSを使用して、腫瘍の進行を反映する、組織グレード分けされた乳癌組織の徹底的な分子組織ポートレートを描出した。この目的のために、本発明者らの知る限り、最大の非標識(label−free)LC−MS/MSベースの乳癌組織研究の1つを示す、52の乳癌組織プロテオームをプロファイリングした。このタンパク質発現プロフィールは、直交法を使用して、首尾よく検証された。長期実施において、これらの組織バイオマーカーポートレートは、改善された分類および予後判定のための道を開くことができた。
従って、本発明の第1の態様は、乳癌関連の疾患状態を決定する方法を提供し、この方法は、下記工程:
a)試験されるサンプルを準備する工程;ならびに
b)表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することによって、試験サンプルのバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
を含み;
表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量が、乳癌関連の疾患状態を示す。従って、事実上、工程(b)は、表1中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/もしくは量を使用して、またはその存在および/もしくは量に基づいて、乳癌関連の疾患状態を決定する工程((b)(i))のさらなる工程を含む。
「乳癌関連の疾患状態」によって、本発明者らは、乳癌細胞の組織学的グレードおよび/または乳癌細胞を含む個体の無転移生存時間を意味する。
この乳癌関連の疾患状態は、(乳癌細胞の)組織学的グレードおよび/または(個体の)無転移生存時間であり得る。
「バイオマーカー」によって、本発明者らは、その測定が乳癌の予後判定において有用な情報を提供し得る、天然に存在する生物学的分子、またはその成分もしくは断片を意味する。例えば、バイオマーカーは、天然に存在するタンパク質もしくは炭水化物部分、または抗原性成分もしくはその断片であり得る。
好ましくは、試験されるサンプルは、哺乳動物から提供される。この哺乳動物は、任意の家畜(domestic animalまたはfarm animal)であり得る。好ましくは、この哺乳動物は、ラット、マウス、モルモット、ネコ、イヌ、ウマまたは霊長類である。最も好ましくは、この哺乳動物はヒトである。好ましくは、このサンプルは、乳癌細胞を含む、もしくは乳癌細胞からなる細胞もしくは組織サンプル(もしくはその派生物)であり、または乳癌細胞を含む、もしくは乳癌細胞からなる細胞もしくは組織サンプル由来のタンパク質もしくは核酸が等しく好ましい。好ましくは、試験サンプルおよび対照サンプルは、同じ種由来である。
乳癌関連の疾患状態が、乳癌細胞の組織学的グレードであるまたは乳癌細胞の組織学的グレードを含む場合、この方法は、下記工程:
c)組織学的グレード1の乳癌細胞、組織学的グレード2の乳癌細胞および/もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞を含む、または組織学的グレード1の乳癌細胞、組織学的グレード2の乳癌細胞および/もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる、1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備する工程;ならびに
d)工程(b)において測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの対照サンプル(複数可)における存在および/もしくは量を測定することによって、対照サンプル(複数可)のバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
をさらに含み得;
工程(b)において、1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/もしくは量が測定される下記事象:
i)第1の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)からなる対照サンプルにおける存在および/もしくは量に相当する事象;
ii)第2の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)を含む、もしくは第2の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)からなる対照サンプルにおける存在および/もしくは量とは異なる事象;ならびに/または
iii)第3の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)を含む、もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞(存在する場合)からなる対照サンプルにおける存在および/もしくは量とは異なる事象、
において、乳癌細胞の存在が同定される。
従って、第1の組織学的グレードがElstonグレード1であった場合、第2および第3の組織学的グレード(存在する場合)は、Elstonグレード2およびElstonグレード3である(または逆もまたしかり)。第1の組織学的グレードがElstonグレード2であった場合、第2および第3の組織学的グレード(存在する場合)は、Elstonグレード1およびElstonグレード3である(または逆もまたしかり)。第1の組織学的グレードがElstonグレード3であった場合、第2および第3の組織学的グレード(存在する場合)は、Elstonグレード1およびElstonグレード2である(または逆もまたしかり)。
「第1の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルにおける存在および/もしくは量に相当する」によって、本発明者らは、この存在およびもしくは量が、第1の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量と同一であること;または第2の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第2の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルおよび/もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量(もしくはそれを示す予め規定された参照値)に対してよりも、第1の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量と近いこと、を意味する。好ましくは、この存在および/もしくは量は、第1の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量の少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%である。
「第3の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルにおける存在および/もしくは量とは異なる」によって、本発明者らは、この存在およびもしくは量が、第1の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第1の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量、または第2の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第2の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量、および/もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量(もしくはそれを示す予め規定された参照値)とは異なることを意味する。好ましくは、この存在および/もしくは量は、第2の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第2の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量、および/または第3の組織学的グレードの乳癌細胞を含む、もしくは第3の組織学的グレードの乳癌細胞からなる対照サンプルの存在および/もしくは量の40%以下、例えば、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%もしくは0%以下である。
好ましくは、組織学的グレードの対照サンプルは、乳癌細胞の単一の組織学的グレードを含む、または乳癌細胞の単一の組織学的グレードからなる。好ましくは、工程(c)は、下記:
i)組織学的グレード1の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード1の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;組織学的グレード2の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード2の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;および組織学的グレード3の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;
ii)組織学的グレード1の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード1の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;および組織学的グレード2の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード2の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;
iii)組織学的グレード1の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード1の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;および組織学的グレード3の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;
iv)組織学的グレード2の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード2の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;および組織学的グレード3の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;
v)組織学的グレード1の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード1の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;
vi)組織学的グレード2の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード2の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること;または
vii)組織学的グレード3の乳癌細胞を含む、もしくは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の対照サンプルを準備すること
を含む、またはこれらからなる。
乳癌関連の疾患状態が、個体の無転移生存時間であるまたは個体の無転移生存時間を含む場合、この方法は、下記工程:
c)10年未満の無転移生存期間を有する個体由来の乳癌細胞を含む、もしくは10年未満の無転移生存期間を有する個体由来の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の第1の対照サンプル;ならびに/または10年以上の無転移生存期間を有する個体由来の乳癌細胞を含む、もしくは10年以上の無転移生存期間を有する個体由来の乳癌細胞からなる1つもしくはそれ以上の第2の対照サンプルを準備する工程;ならびに
d)工程(b)において測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの対照サンプル(複数可)における存在および/もしくは量を測定することによって、対照サンプル(複数可)のバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
をさらに含み得;
個体の無転移生存時間が、工程(b)において測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの存在および/もしくは量が、第1の対照サンプル(存在する場合)の存在および/もしくは量に相当する事象、ならびに/または第2の対照サンプル(存在する場合)の存在および/もしくは量とは異なる事象、において、10年未満と同定され;
個体の無転移生存時間が、工程(b)において測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの存在および/もしくは量が、第1の対照サンプル(存在する場合)の存在および/もしくは量とは異なる事象、ならびに/または第2の対照サンプル(存在する場合)の存在および/もしくは量に相当する事象、において、10年より長いと同定される。
「1つもしくはそれ以上の第1の対照サンプルの存在および/もしくは量に相当する」によって、本発明者らは、この存在およびもしくは量が、1つもしくはそれ以上の第1の対照サンプルの存在および/もしくは量と同一であること;または1つもしくはそれ以上の第2の対照サンプルの存在および/もしくは量(もしくはそれを示す予め規定された参照値)に対してよりも、1つもしくはそれ以上の第1の対照サンプルの存在および/もしくは量と近いこと、を意味する。好ましくは、この存在および/もしくは量は、第1の対照サンプルの存在および/もしくは量の少なくとも60%、例えば、少なくとも65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%である。
「1つもしくはそれ以上の第2の対照サンプルの存在および/もしくは量とは異なる」によって、本発明者らは、この存在およびもしくは量が、第2の対照サンプルの存在および/もしくは量(もしくはそれを示す予め規定された参照値)とは異なることを意味する。好ましくは、この存在および/もしくは量は、第2の対照サンプルの存在および/もしくは量の40%以下、例えば、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%もしくは0%以下である。
好ましくは、1つまたはそれ以上の第1のおよび/または第2の無転移生存時間の対照サンプルは、試験されるサンプルと同じ組織学的グレードである。
好ましくは、1つまたはそれ以上の対照サンプルは、試験される個体に対して年齢および/または性別が一致している。言い換えると、健康な個体は、試験される個体と、およそ同じ年齢(例えば5歳以内)および同じ性別である。
好ましくは、工程(b)で測定された1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量は、所定の参照値に対して比較される。
従って、工程(b)で測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/もしくは量は、工程(d)で測定された1つもしくはそれ以上のバイオマーカーの存在および/もしくは量または所定の参照値とは有意に異なる(即ち、統計的に異なる)ことが好ましい。例えば、添付の実施例で考察するように、試験サンプルおよび対照サンプルにおける、特定のバイオマーカーの存在および/または量間の有意な差異は、p<0.05の場合(例えば、p<0.04、p<0.03、p<0.02の場合、またはp<0.01の場合)の差異として分類され得る。
従って、本発明の第1の態様の方法は、乳癌細胞の組織学的グレードおよび個体の無転移生存時間を(同時発生的にまたは連続的にのいずれかで)決定することを含み得る、または決定することからなり得る。
好ましくは、工程(b)は、表1中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば、表1中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78もしくは少なくとも79のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/もしくは量を測定することを含む、もしくは測定することからなる。
従って、本発明の第1の態様は、乳癌細胞の組織学的グレードを決定する方法(即ち、組織学的グレードを決定するための乳癌サンプルのステージ分類)を含み得る、またはかかる方法からなり得、この方法は、下記工程:
a)試験されるサンプルを準備する工程;
b)表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することによって、試験サンプルのバイオマーカーシグネチャーを決定する工程;
を含み、
表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量が、乳癌細胞の組織学的グレードを示す。
「乳癌細胞の組織学的グレードを決定する」によって、本発明者らは、サンプルの乳癌細胞が、参照によって本明細書に組み入れるElston,C.W.およびEllis,I.O.(1991).Pathological prognostic factors in breast cancer.I.The value of histological grade in breast cancer:experience from a large study with long−term follow−up.Histopathology 19、403〜410において規定されるように、組織学的グレード1(即ち、Elstonグレード1)、組織学的グレード2(即ち、Elstonグレード2)または組織学的グレード3(即ち、Elstonグレード3)とカテゴリー化されることを意味する。
この方法が、乳癌細胞の組織学的グレードを決定することを含む、または決定することからなる場合、工程(b)は、表1A中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1A中に規定される群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。好ましくは、工程(b)は、表1B中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1B中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または少なくとも30のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。好ましくは、工程(b)は、表1C中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1C中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または少なくとも28のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。あまり好ましくはないが、工程(b)は、表1D中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1D中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または少なくとも10のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。またあまり好ましくはないが、工程(b)は、表1E中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1E中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8または少なくとも9のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。従って、工程(b)は、表1中に規定される全てのバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。
従って、本発明の第1の態様は、個体の無転移生存時間を決定する方法を含み得る、またはかかる方法からなり得、下記工程:
a)試験されるサンプルを準備する工程;
b)表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することによって、試験サンプルのバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
を含み;
表1中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量が、個体の無転移生存時間を示す。
「個体の無転移生存時間を決定する」によって、本発明者らは、試験サンプルが取得される個体が、最初の診断から10年未満または10年より長い、のいずれかの無転移生存時間(無遠隔転移生存期間/DMFS)を有すると予後判定されることを意味する。
この方法が、個体の無転移生存時間を決定することを含む、または決定することからなる場合、工程(b)は、表1A中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1A中に規定される群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。好ましくは、工程(b)は、表1B中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1B中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または少なくとも30のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。好ましくは、工程(b)は、表1D中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1D中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または少なくとも10のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。好ましくは、工程(b)は、表1A、表1Bおよび表1D中に規定されるものの全ての試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。
この方法が、個体の無転移生存時間を決定することを含む、または決定することからなる場合、あまり好ましくはないものの、工程(b)は、表1C中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1C中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27または少なくとも28のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。またあまり好ましくはないが、工程(b)は、表1E中に規定される群から選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1E中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8または少なくとも9のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。またあまり好ましくはないが、工程(b)は、表1Cおよび表1E中に規定される全てのバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。
従って、あまり好ましくはないものの、本発明の第1の態様の方法は、個体の無転移生存時間を決定することを含み得る、または決定することからなり得、工程(b)は、表1中に規定される全てのバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。
従って、本発明の第1の態様に従う方法は、SPON1発現を測定することを含み得る。この方法は、KERA発現を測定することを含み得る。この方法は、APCS発現を測定することを含み得る。この方法は、ATP6V1G1発現を測定することを含み得る。この方法は、RPS27L発現を測定することを含み得る。この方法は、DPYSL3発現を測定することを含み得る。この方法は、ERP44発現を測定することを含み得る。この方法は、RAPGEF1発現を測定することを含み得る。この方法は、ACLY発現を測定することを含み得る。この方法は、CMA1発現を測定することを含み得る。この方法は、MCM3発現を測定することを含み得る。この方法は、ANGPTL2発現を測定することを含み得る。この方法は、AEBP1発現を測定することを含み得る。この方法は、UBE2V2発現を測定することを含み得る。この方法は、MIS18BP1発現を測定することを含み得る。この方法は、CLCF1発現を測定することを含み得る。この方法は、ABAT発現を測定することを含み得る。この方法は、SLC25A5発現を測定することを含み得る。この方法は、STIP1発現を測定することを含み得る。この方法は、OLFML3発現を測定することを含み得る。この方法は、CD3G発現を測定することを含み得る。この方法は、MCM7発現を測定することを含み得る。この方法は、SLC25A11発現を測定することを含み得る。この方法は、NOP56発現を測定することを含み得る。この方法は、RRP8発現を測定することを含み得る。この方法は、SLTM発現を測定することを含み得る。この方法は、TSN発現を測定することを含み得る。この方法は、ECH1発現を測定することを含み得る。この方法は、PRELP発現を測定することを含み得る。この方法は、SARS発現を測定することを含み得る。この方法は、RPS25発現を測定することを含み得る。この方法は、ESYT1発現を測定することを含み得る。この方法は、PODN発現を測定することを含み得る。この方法は、RPRD1B発現を測定することを含み得る。この方法は、RPLP0P6発現を測定することを含み得る。この方法は、CD300LG発現を測定することを含み得る。この方法は、SUGT1発現を測定することを含み得る。この方法は、POTEF発現を測定することを含み得る。この方法は、KARS発現を測定することを含み得る。この方法は、NDUFS2発現を測定することを含み得る。この方法は、HNRNPH2発現を測定することを含み得る。この方法は、CALU発現を測定することを含み得る。この方法は、EIF3B発現を測定することを含み得る。この方法は、SLC4A1AP発現を測定することを含み得る。この方法は、RPS5発現を測定することを含み得る。この方法は、PLXDC2発現を測定することを含み得る。この方法は、KIAA1324発現を測定することを含み得る。この方法は、MRC1発現を測定することを含み得る。この方法は、RPRD1A発現を測定することを含み得る。この方法は、SHMT2発現を測定することを含み得る。この方法は、CCT4発現を測定することを含み得る。この方法は、TSSC1発現を測定することを含み得る。この方法は、IKZF3発現を測定することを含み得る。この方法は、UBE2Q1発現を測定することを含み得る。この方法は、PSMD9発現を測定することを含み得る。この方法は、SNRNP70発現を測定することを含み得る。この方法は、RALB発現を測定することを含み得る。この方法は、ACO2発現を測定することを含み得る。この方法は、MYO18A発現を測定することを含み得る。この方法は、QARS発現を測定することを含み得る。この方法は、PABPC4発現を測定することを含み得る。この方法は、SCGB1D2発現を測定することを含み得る。この方法は、PFKP発現を測定することを含み得る。この方法は、SLC3A2発現を測定することを含み得る。この方法は、ASPN発現を測定することを含み得る。この方法は、CD38発現を測定することを含み得る。この方法は、MXRA5発現を測定することを含み得る。この方法は、CDK1発現を測定することを含み得る。この方法は、STC2発現を測定することを含み得る。この方法は、CTSC発現を測定することを含み得る。この方法は、NOP58発現を測定することを含み得る。この方法は、PGK1発現を測定することを含み得る。この方法は、FKBP3発現を測定することを含み得る。この方法は、GSTM3発現を測定することを含み得る。この方法は、CALML5発現を測定することを含み得る。この方法は、PML発現を測定することを含み得る。この方法は、ADAMTS4発現を測定することを含み得る。この方法は、THBS1発現を測定することを含み得る。この方法は、FN1発現を測定することを含み得る。
1つの好ましい実施形態では、工程(b)は、MCM7、NOP56、MCM3、PABPC4、MXRA5、STC2、SCGB1D2およびANGPTL2からなる群より選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。例えば、工程(b)は、これらのバイオマーカーのうち2、3、4、5、6、7または8つの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。好ましくは、この実施形態では、乳癌関連の疾患状態は組織学的グレードである;しかし、あまり好ましくはないが、この乳癌関連の疾患状態は、無転移生存時間であるまたは無転移生存時間もまた含む。
別の好ましい実施形態では、工程(b)は、OLFML3、SPON1、PODNおよびASPNからなる群より選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含む、または測定することからなる。例えば、工程(b)は、これらのバイオマーカーのうち2、3または4つの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。好ましくは、この実施形態では、乳癌関連の疾患状態は組織学的グレードである;しかし、あまり好ましくはないが、この乳癌関連の疾患状態は、無転移生存時間であるまたは無転移生存時間もまた含む。
「発現」によって、本発明者らは、mRNAまたはタンパク質などの遺伝子産物のレベルまたは量を意味する。
タンパク質および/または核酸の濃度を検出および/または測定する方法は、当業者に周知であり、例えば、SambrookおよびRussell、2001、Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照のこと。
タンパク質の検出および/または測定のための好ましい方法には、モノクローナル抗体および/またはポリクローナル抗体を使用するサンドイッチアッセイを含む、ウエスタンブロット、ノーザン−ウエスタンブロット、免疫吸着アッセイ(ELISA)、抗体マイクロアレイ、組織マイクロアレイ(TMA)、免疫沈降、in situハイブリダイゼーションおよび他の免疫組織化学技術、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放射線アッセイ(IRMA)および酵素抗体アッセイ(IEMA)が含まれる。例示的なサンドイッチアッセイは、参照によって本明細書に組み入れる米国特許第4,376,110号および同第4,486,530号において、Davidらによって記載されている。スライド上の細胞の抗体染色が、当業者に周知のように、細胞学実験室診断試験において周知の方法で使用され得る。
典型的には、ELISAは、通常は固相アッセイでの、着色反応産物を生じる酵素の使用を含む。西洋ワサビペルオキシダーゼおよびホスファターゼなどの酵素が、広く使用されてきた。ホスファターゼ反応を増幅する方法は、第2の酵素系のための補酵素として直ちに作用するNADを生成するための基質としてNADPを使用することである。大腸菌由来のピロホスファターゼは、この酵素は組織中には存在せず、安定でありかつ良好な反応色を生じるので、良好なコンジュゲートを提供する。ルシフェラーゼなどの酵素に基づく化学発光系もまた使用され得る。
ビタミンビオチンとのコンジュゲート化は、高い特異性および親和性でビオチンが結合する酵素連結されたアビジンまたはストレプトアビジンとの反応によって容易に検出できるので、頻繁に使用されている。
核酸(例えば、mRNA)の検出および/または測定のための好ましい方法には、サザンブロット、ノーザンブロット、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写PCR(RT−PCR)、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、ナノアレイ(nanoarray)、マイクロアレイ、マクロアレイ(macroarray)、オートラジオグラフィーおよびin situハイブリダイゼーションが含まれる。
本発明の第1の態様の1実施形態では、工程(b)は、1つまたはそれ以上のバイオマーカー(複数可)をコードする核酸分子の発現を測定することを含む。この核酸分子は、cDNA分子またはmRNA分子であり得る。好ましくは、この核酸分子はmRNA分子である。また好ましくは、この核酸分子はcDNA分子である。
従って、工程(b)において1つまたはそれ以上のバイオマーカー(複数可)の発現を測定することは、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写PCR(RT−PCR)、定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)、ナノアレイ、マイクロアレイ、マクロアレイ、オートラジオグラフィーおよびin situハイブリダイゼーションからなる群より選択される方法を使用して実行され得る。好ましくは、工程(b)において1つまたはそれ以上のバイオマーカー(複数可)の発現を測定することは、DNAマイクロアレイを使用して決定される。従って、この方法は、各々が表1中に同定されるバイオマーカーのうち1つをコードする核酸分子に対して選択的に結合することが可能な1つまたはそれ以上の結合性部分を使用して、工程(b)において1つまたはそれ以上のバイオマーカー(複数可)の発現を測定することを含み得る、または測定することからなり得る。
好ましくは、1つまたはそれ以上の結合性部分は各々、DNA、RNA、PNA、LNA、GNA、TNAもしくはPMO(好ましくは、DNA)などの核酸分子を含む、またはかかる核酸分子からなる。好ましくは、この1つまたはそれ以上の結合性部分は、5〜100ヌクレオチド長である。より好ましくは、この1つまたはそれ以上の核酸分子は、15〜35ヌクレオチド長である。この結合性部分は、検出可能な部分を含み得る。
適切な結合剤(結合分子とも呼ばれる)は、以下に考察されるように、所与の核酸、タンパク質またはアミノ酸モチーフに結合するその能力に基づいて、ライブラリーから選択またはスクリーニングされ得る。
本発明の第1の態様の別の実施形態では、工程(b)は、1つもしくはそれ以上のバイオマーカー(複数可)のタンパク質もしくはポリペプチドまたはその断片もしくは誘導体の発現を測定することを含む。好ましくは、工程(b)において1つまたはそれ以上のバイオマーカー(複数可)の発現を測定することは、各々が表1中に同定されるバイオマーカーのうち1つに対して選択的に結合することが可能な1つまたはそれ以上の結合性部分を使用して実行される。
この1つまたはそれ以上の結合性部分は、抗体もしくはその抗原結合性断片を含み得る、または抗体もしくはその抗原結合性断片からなり得る。
用語「抗体」には、任意の合成抗体、組換え抗体もしくは抗体ハイブリッド、例えば、限定ではないが、免疫グロブリン軽鎖および/もしくは重鎖の可変領域および/もしくは定常領域のファージディスプレイによって産生される単鎖抗体分子、または当業者に公知のイムノアッセイ形式において抗原に結合することが可能な他の免疫相互作用(immunointeractive)分子が含まれる。本発明者らは、アフィボディ(affibody)およびアプタマーなどの抗体様結合剤の使用もまた含む。
その特異的結合部位を保持する抗体断片の合成に関与する技術の一般的総説は、WinterおよびMilstein(1991)Nature 349、293〜299中に見出される。
さらに、または代替的に、1つまたはそれ以上の第1の結合分子が、アプタマーであり得る(Collettら、2005、Methods 37:4〜15を参照のこと)。
分子ライブラリー、例えば抗体ライブラリー(Clacksonら、1991、Nature 352、624〜628;Marksら、1991、J Mol Biol 222(3):581〜97)、ペプチドライブラリー(Smith、1985、Science 228(4705):1315〜7)、発現されたcDNAライブラリー(Santiら(2000)J Mol Biol 296(2):497〜508)、アフィボディなどの抗体フレームワーク以外の足場上のライブラリー(Gunneriussonら、1999、Appl Environ Microbiol 65(9):4134〜40)またはアプタマーに基づくライブラリー(Kenanら、1999、Methods Mol Biol 118、217〜31)が、所与のモチーフに対して特異的な結合分子が本発明の方法における使用のために選択される供給源として使用され得る。
この分子ライブラリーは、原核生物細胞(Clacksonら、1991、前掲書中;Marksら、1991、前掲書中)もしくは真核生物細胞(Kiekeら、1999、Proc Natl Acad Sci USA、96(10):5651〜6)においてin vivoで発現され得、または細胞の関与なしにin vitroで発現され得る(HanesおよびPluckthun、1997、Proc Natl Acad Sci USA 94(10):4937〜42;HeおよびTaussig、1997、Nucleic Acids Res 25(24):5132〜4;Nemotoら、1997、FEBS Lett、414(2):405〜8)。
タンパク質ベースのライブラリーが使用される場合、潜在的な結合分子のライブラリーをコードする遺伝子は、ウイルス中にパッケージされる場合が多く、潜在的な結合分子は、ウイルスの表面にディスプレイされる(Clacksonら、1991、上記;Marksら、1991、上記;Smith、1985、上記)。
おそらく、最も一般的に使用されるディスプレイ系は、その表面上に抗体断片をディスプレイする糸状バクテリオファージであり、抗体断片は、このバクテリオファージのマイナーコートタンパク質との融合物として発現される(Clacksonら、1991、上記;Marksら、1991、上記)。しかし、ディスプレイのための他の適切な系は、他のウイルス(EP 39578)、細菌(Gunneriussonら、1999、上記;Daughertyら、1998、Protein Eng 11(9):825〜32;Daughertyら、1999、Protein Eng 12(7):613〜21)および酵母(Shustaら、1999、J Mol Biol 292(5):949〜56)を使用することを含む。
さらに、ディスプレイ系は、いわゆるリボソームディスプレイ系におけるそのコーディングmRNAに対するポリペプチド産物の連結(HanesおよびPluckthun、1997、上記;HeおよびTaussig、1997、上記;Nemotoら、1997、上記)、または代替的に、コーディングDNAに対するポリペプチド産物の連結(米国特許第5,856,090号およびWO98/37186号を参照のこと)を利用して、開発されてきた。
抗体の可変重(V)ドメインおよび可変軽(V)ドメインは、初期のプロテアーゼ消化実験によって最初に認識された事実である、抗原認識に関与する。さらなる確認は、げっ歯類抗体の「ヒト化」によって見出された。げっ歯類起源の可変ドメインは、得られた抗体がげっ歯類親抗体の抗原特異性を保持するように、ヒト起源の定常ドメインに融合され得る(Morrisonら(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81、6851〜6855)。
抗原特異性は可変ドメインによって付与され、定常ドメインとは無関係であることが、全てが1つまたはそれ以上の可変ドメインを含む抗体断片の細菌発現を含む実験から知られている。これらの分子には、Fab様分子(Betterら(1988)Science 240、1041);Fv分子(Skerraら(1988)Science 240、1038);可撓性オリゴペプチドを介してVパートナードメインとVパートナードメインとが連結された単鎖Fv(ScFv)分子(Birdら(1988)Science 242、423;Hustonら(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85、5879)および単離されたVドメインを含む単一ドメイン抗体(dAb)(Wardら(1989)Nature 341、544)が含まれる。その特異的結合部位を保持する抗体断片の合成に関与する技術の一般的総説は、WinterおよびMilstein(1991)Nature 349、293〜299中に見出される。
この抗体または抗原結合性断片は、インタクトな抗体、Fv断片(例えば、単鎖Fvおよびジスルフィド結合したFv)、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab’断片およびF(ab)断片)、単一可変ドメイン(例えば、VドメインおよびVドメイン)ならびにドメイン抗体(dAb、単一形式および二重形式[即ち、dAb−リンカー−dAb]を含む)からなる群より選択され得る。好ましくは、この抗体または抗原結合性断片は、単鎖Fv(scFv)である。
1つまたはそれ以上の結合性部分は、代替的に、アフィボディもしくはアプタマーのような抗体様結合剤を含み得る、またはアフィボディもしくはアプタマーのような抗体様結合剤からなり得る。
「scFv分子」によって、本発明者らは、可撓性オリゴペプチドを介してVパートナードメインとVパートナードメインとが連結された分子を意味する。
抗体全体ではなく抗体断片を使用することの利点は、数倍である。より小さなサイズの断片は、固形組織のよりよい透過などの、改善された薬理学的特性を導き得る。補体結合などの抗体全体のエフェクター機能は除去される。Fab、Fv、ScFvおよびdAb抗体断片は全て、大腸菌において発現され大腸菌から分泌され得、従って、大量の前記断片の容易な産生を可能にする。
抗体全体およびF(ab’)断片は、「二価」である。「二価」によって、本発明者らは、前記抗体およびF(ab’)断片が、2つの抗原結合部位を有することを意味する。対照的に、Fab、Fv、ScFvおよびdAb断片は一価であり、ただ1つの抗原結合部位のみを有する。
この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。適切なモノクローナル抗体は、共に参照によって本明細書に組み入れる「Monoclonal Antibodies:A manual of techniques」、H Zola(CRC Press、1988)および「Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and applications」、J G R Hurrell(CRC Press、1982)に開示される技術などの、公知の技術によって調製され得る。
潜在的な結合分子がライブラリーから選択される場合、規定されたモチーフを有する1つまたはそれ以上のセレクターペプチドが、通常使用される。結合分子との相互作用を可能にする、ペプチドまたは荷電、極性もしくは疎水性側鎖における可撓性を減少させる構造を提供するアミノ酸残基が、セレクターペプチドのためのモチーフの設計において使用され得る。例えば:
(i)プロリンは、その側鎖がアルファ炭素および窒素の両方に結合している場合、ペプチド構造を安定化し得る;
(ii)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンは、芳香族側鎖を有し、高度に疎水性であるが、ロイシンおよびイソロイシンは、脂肪族側鎖を有し、これらもまた疎水性である;
(iii)リジン、アルギニンおよびヒスチジンは、塩基性側鎖を有し、中性のpHで正に荷電するが、アスパラギン酸およびグルタミン酸は、酸性側鎖を有し、中性のpHで負に荷電する;
(iv)アスパラギンおよびグルタミンは、中性のpHで中性であるが、水素結合に関与し得るアミド基を含む;
(v)セリン、スレオニンおよびチロシン側鎖は、水素結合に関与し得るヒドロキシル基を含む。
典型的には、結合分子の選択は、結合分子の型に対応するスポットへの結合を分析するために、アレイ技術およびシステムの使用を含み得る。
従って、好ましくは、この抗体またはその断片は、モノクローナル抗体またはその断片である。好ましくは、この抗体または抗原結合性断片は、インタクトな抗体、Fv断片(例えば、単鎖Fvおよびジスルフィド結合したFv)、Fab様断片(例えば、Fab断片、Fab’断片およびF(ab)断片)、単一可変ドメイン(例えば、VドメインおよびVドメイン)ならびにドメイン抗体(dAb、単一形式および二重形式[即ち、dAb−リンカー−dAb]を含む)からなる群より選択される。従って、この抗体または抗原結合性断片は、単鎖Fv(scFv)であり得る。代替的に、この1つまたはそれ以上の結合性部分は、アフィボディもしくはアプタマーのような抗体様結合剤を含む、またはアフィボディもしくはアプタマーのような抗体様結合剤からなる。この1つまたはそれ以上の結合性部分は、検出可能な部分を含む。
「検出可能な部分」によって、本発明者らは、その存在および/または相対的量および/または位置(例えば、アレイ上の位置)が直接的にまたは間接的にのいずれかで決定されるのを可能にする部分を含む。
適切な検出可能な部分は、当該分野で周知である。
例えば、この検出可能な部分は、特定の条件に曝露された場合に検出され得る、蛍光部分および/または発光部分および/または化学発光部分であり得る。かかる蛍光部分は、蛍光部分の励起を引き起こすために特定の波長および強度での照射(即ち、光)に曝露される必要があり得、それにより、検出され得る特定の波長において検出可能な蛍光を発できるようになる。
代替的に、この検出可能な部分は、可視化および/または検出され得る検出可能な産物へと(好ましくは検出不能な)基質を変換することが可能な酵素であり得る。適切な酵素の例は、例えばELISAアッセイに関して、以下により詳細に考察される。
従って、この検出可能な部分は:蛍光部分;発光部分;化学発光部分;放射性部分(例えば、放射性原子);または酵素部分からなる群より選択され得る。好ましくは、この検出可能な部分は、放射性原子を含む、または放射性原子からなる。この放射性原子は、テクネチウム−99m、ヨウ素−123、ヨウ素−125、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、リン−32、硫黄−35、重水素、トリチウム、レニウム−186、レニウム−188およびイットリウム−90からなる群より選択され得る。
明らかに、検出される薬剤(例えば、本明細書に記載される試験サンプルおよび/もしくは対照サンプルにおける1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、ならびに/または選択されたタンパク質を検出する際に使用するための抗体分子など)は、検出可能な部分が容易に検出可能であるために、適切な原子同位体を十分に有していなければならない。
代替的な好ましい実施形態では、結合性部分の検出可能な部分は、蛍光部分である。
放射性標識または他の標識は、本発明の方法のサンプル中に存在するバイオマーカーおよび/または本発明の結合性部分中に、公知の方法で取り込まれ得る。例えば、結合剤がポリペプチドである場合、この結合剤は、生合成され得るか、または例えば水素の代わりにフッ素−19を含む適切なアミノ酸前駆体を使用した化学的アミノ酸合成によって合成され得る。標識、例えば99mTc、123I、186Rh、188Rhおよび111Inは、例えば、結合性部分中のシステイン残基を介して付着され得る。イットリウム−90は、リジン残基を介して付着され得る。IODOGEN法(Frakerら(1978)Biochem.Biophys.Res.Comm.80、49〜57)は、123Iを取り込むために使用され得る。参考文献(「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」、J−F Chatal、CRC Press、1989)は、他の方法を詳細に記載している。タンパク質に対して他の検出可能な部分(例えば、酵素部分、蛍光部分、発光部分、化学発光部分または放射性部分)をコンジュゲート化するための方法は、当該分野で周知である。
試験されるサンプル(複数可)中のバイオマーカーが、前記タンパク質の存在、量および/または位置を決定することを間接的に補助する部分で標識され得ることが、当業者に理解される。従って、この部分は、多成分の検出可能な部分のうちの1成分を構成し得る。例えば、試験されるサンプル(複数可)中のバイオマーカーは、検出可能な標識に融合または他の方法で連結されたストレプトアビジンを使用した引き続く検出を可能にするビオチンで標識され得る。
検出可能な部分は、蛍光部分、発光部分、化学発光部分、放射性部分および酵素部分からなる群より選択され得る。
従って、この検出可能な部分は、放射性原子を含み得る、または放射性原子からなり得る。この放射性原子は、テクネチウム−99m、ヨウ素−123、ヨウ素−125、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、リン−32、硫黄−35、重水素、トリチウム、レニウム−186、レニウム−188およびイットリウム−90からなる群より選択され得る。
あるいは、結合性部分の検出可能な部分は、蛍光部分であり得る。
本発明の第1の態様に従う方法では、工程(a)および/または工程(c)で準備されるサンプルは、サンプル中に存在するいずれのバイオマーカーもビオチンで標識され得るように、それぞれ工程(b)および/または工程(d)の前に処理される。工程(b)および/または工程(d)は、ストレプトアビジンおよび検出可能な部分(例えば蛍光部分)を含む検出剤を使用して実行され得る。
従って、試験されるサンプル中の目的のタンパク質は、第1の結合剤(複数可)を使用して最初に単離および/または固定化され得、その後、前記バイオマーカーの存在および/または相対的量が、第2の結合剤(複数可)を使用して決定され得る。
一実施形態では、この第2の結合剤は、抗体またはその抗原結合性断片;典型的には組換え抗体またはその断片である。簡便には、この抗体またはその断片は:scFv;Fab;免疫グロブリン分子の結合ドメインからなる群より選択される。適切な抗体および断片ならびにその作製方法は、上に詳細に記載される。
あるいは、この第2の結合剤は、抗体様結合剤、例えばアフィボディまたはアプタマーであり得る。
あるいは、試験されるサンプル中のタンパク質上の検出可能な部分が、特異的結合対のメンバー(例えば、ビオチン)を含む、またはかかるメンバーからなる場合、第2の結合剤は、特異的結合対の相補的メンバー(例えば、ストレプトアビジン)を含み得る、またはかかるメンバーからなり得る。
検出アッセイが使用される場合、検出可能な部分は:蛍光部分;発光部分;化学発光部分;放射性部分;酵素部分からなる群より選択されることが好ましい。本発明の方法における使用のために適切な検出可能な部分の例は、上記されている。
血清または血漿タンパク質を検出するための好ましいアッセイには、モノクローナル抗体および/またはポリクローナル抗体を使用するサンドイッチアッセイを含む、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放射線アッセイ(IRMA)および酵素抗体アッセイ(IEMA)が含まれる。例示的なサンドイッチアッセイは、参照によって本明細書に組み入れる米国特許第4,376,110号および同第4,486,530号において、Davidらによって記載されている。スライド上の細胞の抗体染色が、当業者に周知のように、細胞学実験室診断試験において周知の方法で使用され得る。
従って、一実施形態では、このアッセイは、通常は固相アッセイでの、着色反応産物を生じる酵素の使用を典型的に含む、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)である。西洋ワサビペルオキシダーゼおよびホスファターゼなどの酵素が、広く使用されてきた。ホスファターゼ反応を増幅する方法は、第2の酵素系のための補酵素として直ちに作用するNADを生成するための基質としてNADPを使用することである。大腸菌由来のピロホスファターゼは、この酵素は組織中には存在せず、安定でありかつ良好な反応色を生じるので、良好なコンジュゲートを提供する。ルシフェラーゼなどの酵素に基づく化学発光系もまた使用され得る。
ビタミンビオチンとのコンジュゲート化は、高い特異性および親和性でビオチンが結合する酵素連結されたアビジンまたはストレプトアビジンとの反応によって容易に検出できるので、頻繁に使用されている。
代替的実施形態では、タンパク質検出に使用されるアッセイは、簡便には蛍光定量的アッセイである。従って、第2の結合剤の検出可能な部分は、Alexaフルオロフォア(例えば、Alexa−647)などの蛍光部分であり得る。
好ましくは、ROC AUC値によって決定されるこの方法の断定精度(predicative accuracy)は、少なくとも0.50、例えば、少なくとも0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、0.96、0.97、0.98または少なくとも0.99である。より好ましくは、ROC AUC値によって決定されるこの方法の断定精度は、少なくとも0.80(最も好ましくは、1)である。
本発明の第1の態様の方法では、工程(b)は、アレイ、例えばビーズベースのアレイまたは表面ベースのアレイを使用して実行され得る。好ましくは、このアレイは:マクロアレイ;マイクロアレイ;ナノアレイからなる群より選択される。
乳癌関連の疾患状態を決定するための方法は、http://cran.r−project.org/web/packages/e1071/index.htmlから入手可能なもの(例えば、e1071 1.5−24)などの、サポートベクターマシン(SVM)を使用して実行され得る。しかし、任意の他の適切な手段もまた使用され得る。SVMは、本明細書に規定される1つもしくはそれ以上の表1のバイオマーカーを含む、または1つもしくはそれ以上の表1のバイオマーカーからなるバイオマーカーシグネチャーのROC AUCを決定するためにも使用され得る。
サポートベクターマシン(SVM)は、分類および回帰のために使用される関連の教師あり学習法のセットである。各々2つのカテゴリーのうち1つに属すると示される訓練事例のセットを考慮して、SVM訓練アルゴリズムは、新たな事例が一方のカテゴリーに入るか他方のカテゴリーに入るかを予測するモデルを作り上げる。直感的に、SVMモデルは、別々のカテゴリーの事例が可能な限り広いクリアなギャップによって分割されるようにマップされた、空間における点としての事例の表示である。次いで、新たな事例は、同じ空間中にマップされ、新たな事例がギャップのどちらの側に位置するかに基づいて、一方のカテゴリーに属すると予測される。
より正式には、サポートベクターマシンは、高次元空間または無限次元空間中に超平面または超平面のセットを構築し、これは、分類、回帰または他の課題に使用され得る。直感的に、良好な分離は、任意のクラスの最も近い訓練データポイントに対して最大の距離(いわゆる機能的マージン)を有する超平面によって達成されるが、これは、一般に、マージンが大きくなるほど分類子の汎化誤差が低くなるからである。SVMに関するさらなる情報については、例えば、Burges、1998、Data Mining and Knowledge Discovery、2:121〜167を参照のこと。
本発明の一実施形態では、SVMは、既知の薬剤のバイオマーカープロフィール(即ち、既知の組織学的グレードの乳癌細胞または既知の無遠隔転移生存期間を有する乳癌患者由来の乳癌細胞)を使用して、本発明の方法を実施する前に「訓練」される。かかる訓練サンプルを実施することによって、SVMは、どのバイオマーカープロフィールが特定の特徴と関連しているかを学習することが可能である。訓練プロセスが一旦完了すると、次いで、試験されるバイオマーカーサンプルが、特定の乳癌サンプル型(即ち、特定の乳癌関連の疾患状態)に由来するか否かのSVMが可能である。
しかし、この訓練手順は、必要な訓練パラメータを用いてSVMを予めプログラミングすることによって迂回され得る。例えば、特定の乳癌関連の疾患状態に属する細胞は、本明細書に詳述される値および/または調整パターンを使用し、表1中に列挙されたバイオマーカーの測定値に基づいて、表4中に詳述したSVMアルゴリズムを使用して既知のSVMパラメータに従って同定され得る。
適切なSVMパラメータが、データの適切な選択(即ち、既知の組織学的グレードの細胞由来および/または既知の無転移生存時間を有する個体由来の細胞由来のバイオマーカー測定値)を用いてSVMマシーンを訓練することによって、表1中に列挙されたバイオマーカーの任意の組み合わせについて決定され得ることが、当業者に理解される。
代替的に、表1のデータは、当該分野で公知の任意の他の適切な統計的方法、例えば、主成分分析(PCA)および他の多変量統計分析(例えば、変数減少(backward)ステップワイズロジスティック回帰モデル)に従って、特定の乳癌関連の疾患状態を決定するために使用され得る。多変量統計分析の総説については、例えば、参照によって本明細書に組み入れるSchervish,Mark J.(1987年11月).「A Review of Multivariate Analysis」.Statistical Science 2(4):396〜413を参照のこと。
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも65%の精度、例えば、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の精度を有する。
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも65%の感度、例えば、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の感度を有する。
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも65%の特異性、例えば、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の特異性を有する。
「精度」によって、本発明者らは、方法の正確なアウトカムの割合を意味し、「感度」によって、本発明者らは、正確に陽性と分類される全ての陽性化学物質の割合を意味し、「特異性」によって、本発明者らは、正確に陰性と分類される全ての陰性化学物質の割合を意味する。
本発明の第1の態様の方法は、下記工程:
e)先行する工程において決定された乳癌関連の疾患状態に基づいて、試験される個体に対して処置を施す工程、
をさらに含み得る。
従って、この方法は、乳癌の組織学的グレードに従っておよび/または予測された無転移生存時間に従って、患者を処置する工程を含む。例えば、より積極的な処置は、より高いグレードの乳癌に対して、および/または無転移生存時間が、相対的に低い(例えば、10年未満)対相対的に高い(例えば、10年より長い)と予測される場合に、提供され得る。適切な治療的アプローチは、その時点での支配的なガイダンスに従って、当業者によって決定され得、例えば、参照によって本明細書に組み入れるNICE Clinical Guideline 80「Early and locally advanced breast cancer:Diagnosis and treatment」、(下記で入手可能:http://www.nice.org.uk/nicemedia/pdf/CG80NICEGuideline.pdf)を参照のこと。
従って、本発明は、乳癌の処置における使用のための抗新生物剤を含み、ここで、投薬レジメンは、本発明の第1の態様の方法の結果に基づいて決定される。
本発明は、乳癌の処置における抗新生物剤の使用を含み、ここで、投薬レジメンは、本発明の第1の態様の方法の結果に基づいて決定される。
本発明は、乳癌を処置するための医薬の製造における、抗新生物剤の使用を含み、ここで、投薬レジメンは、本発明の第1の態様の方法の結果に基づいて決定される。
本発明は、十分な量の抗新生物剤を提供する工程を含む、乳癌を処置する方法を含み、ここで、乳癌を処置するのに十分な抗新生物剤の量は、本発明の第1の態様の方法の結果に基づいて決定される。
一実施形態では、この抗新生物剤は、アルキル化剤(ATCコードL01a)、代謝拮抗剤(ATCコードL01b)、植物アルカロイドもしくは他の天然産物(ATCコードL01c)、細胞傷害性抗生物質もしくは関連の物質(ATCコードL01d)または他の抗新生物剤(ATCコードL01x)である。
従って、一実施形態では、この抗新生物剤は、ナイトロジェンマスタードアナログ(例えば、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、クロルメチン、イホスファミド、トロホスファミド、プレドニムスチンもしくはベンダムスチン)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン、トレオスルファンもしくはマンノスルファン)エチレンイミン(例えば、チオテパ、トリアジコンもしくはカルボコン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ホテムスチン、ニムスチンもしくはラニムスチン)、エポキシド(例えば、エトグルシド)または別のアルキル化剤(ATCコードL01ax、例えば、ミトブロニトール、ピポブロマン、テモゾロミドもしくはダカルバジン)からなる群より選択されるアルキル化剤である。
別の実施形態では、この抗新生物剤は、葉酸アナログ(例えば、メトトレキサート、ラルチトレキセド、ペメトレキセドもしくはプララトレキサート)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、フルダラビン、クロファラビンもしくはネララビン)またはピリミジンアナログ(例えば、シタラビン、フルオロウラシル、テガフール、カルモフール、ゲムシタビン、カペシタビン、アザシチジンもしくはデシタビン)からなる群より選択される代謝拮抗剤である。
なおさらなる実施形態では、この抗新生物剤は、ビンカアルカロイドもしくはビンカアルカロイドアナログ(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビンもしくはビンフルニン)、ポドフィロトキシン誘導体(例えば、エトポシドもしくはテニポシド)、コルヒチン誘導体(例えば、デメコルチン)、タキサン(例えば、パクリタキセル、ドセタキセルもしくはパクリタキセルポリグルメクス)または別の植物アルカロイドもしくは天然産物(ATCコードL01cx、例えば、トラベクテジン)からなる群より選択される植物アルカロイドまたは他の天然産物である。
一実施形態では、この抗新生物剤は、アクチノマイシン(例えば、ダクチノマイシン)、アントラサイクリンもしくは関連の物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクラルビシン、ゾルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピラルビシン、バルルビシン、アムルビシンもしくはピクサントロン)または別のもの(ATCコードL01dc、例えば、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンもしくはイクサベピロン)からなる群より選択される細胞傷害性抗生物質または関連の物質である。
さらなる実施形態では、この抗新生物剤は、白金化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチンもしくはポリプラチレン(polyplatillen))、メチルヒドラジン(例えば、プロカルバジン)、モノクローナル抗体(例えば、エドレコロマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ゲムツズマブ、セツキシマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、カツマキソマブもしくはオファツムマブ)、光線力学的療法/放射線療法で使用される増感剤(例えば、ポルフィマーナトリウム、アミノレブリン酸メチル、アミノレブリン酸、テモポルフィンもしくはエファプロキシラル)またはタンパク質キナーゼ阻害剤(例えば、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、テムシロリムス、エベロリムス、パゾパニブ、バンデタニブ、アファチニブ、マスチニブもしくはトセラニブ)からなる群より選択される他の抗新生物剤である。
なおさらなる実施形態では、この抗新生物剤は、アムサクリン、アスパラギナーゼ、アルトレタミン、ヒドロキシカルバミド、ロニダミン、ペントスタチン、ミルテホシン、マソプロコール、エストラムスチン、トレチノイン、ミトグアゾン、トポテカン、チアゾフリン、イリノテカン、アリトレチノイン、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、ベキサロテン、亜ヒ酸、デニロイキンジフチトクス、ボルテゾミブ、セレコキシブ、アナグレリド、オブリメルセン、シチマジーンセラデノベック、ボリノスタット、ロミデプシン、オマセタキシンメペサクシネートまたはエリブリンからなる群より選択される他の抗新生物剤である。
従って、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に従う方法における使用のためのアレイを提供し、このアレイは、本発明の第1の態様と関連して、上に規定した1つまたはそれ以上の第1の結合剤を含む。
このアレイ結合剤は、表1A中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1A中に規定される群から選択される少なくとも2つのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。好ましくは、このアレイ結合剤は、表1B中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1B中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは少なくとも30のバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。好ましくは、このアレイ結合剤は、表1C中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1C中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27もしくは少なくとも28のバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。好ましくは、このアレイ結合剤は、表1D中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1D中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9もしくは少なくとも10のバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。好ましくは、このアレイ結合剤は、表1E中に規定される群から選択される1つもしくはそれ以上のバイオマーカー、例えば表1E中に規定される群から選択される少なくとも2、3、4、5、6、7、8もしくは少なくとも9のバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。
従って、このアレイ結合剤は、表1A中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。このアレイ結合剤は、表1B中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。このアレイ結合剤は、表1C中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。このアレイ結合剤は、表1D中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。このアレイ結合剤は、表1E中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含み得る、またはかかる結合剤からなり得る。好ましくは、このアレイ結合剤は、表1中に規定される全てのバイオマーカーに集合的に結合することが可能な結合剤を含む、またはかかる結合剤からなる。
アレイの第1の結合剤は、固定化され得る。
アレイ自体は、当該分野で周知である。典型的には、アレイは、固体支持体の表面上に形成された、各々が有限の面積を有する、間隔をあけた(即ち、別個の)領域(「スポット」)を有する、直線構造または2次元構造をなす。アレイは、各ビーズが、分子コードもしくは色コードによって同定され得る、または連続フローで同定され得る、ビーズ構造でもあり得る。分析はまた、各々が溶液から分子のクラスを吸着する一連のスポットをサンプルが通り過ぎる場合に、連続して実行され得る。この固体支持体は、典型的にはガラスまたはポリマーであり、最も一般的に使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。この固体支持体は、チューブ、ビーズ、ディスク、シリコンチップ、マイクロプレート、フッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブレン、ニトロセルロースメンブレン、ナイロンメンブレン、他の多孔性メンブレン、非多孔性メンブレン(例えば、とりわけ、プラスチック、ポリマー、パースペックス、シリコン)、複数のポリマー性ピンもしくは複数のマイクロタイターウェル、またはタンパク質、ポリヌクレオチドおよび他の適切な分子を固定化するのに適したならびに/もしくはイムノアッセイを実行するのに適した任意の他の表面の形態であり得る。結合プロセスは、当該分野で周知であり、タンパク質分子、ポリヌクレオチドなどを固体支持体に架橋し、共有結合することまたは物理的に吸着することから一般になる。代替的に、アフィニティタグまたは類似の構築物を介したプローブのアフィニティカップリングが使用され得る。周知の技術、例えば接触印刷もしくは非接触印刷、マスキングまたはフォトリソグラフィーを使用することによって、各スポットの位置が規定され得る。総説については、Jenkins,R.E.、Pennington,S.R.(2001、Proteomics、2、13〜29)およびLalら(2002、Drug Discov Today 15;7(補遺18):S143〜9)を参照のこと。
典型的には、このアレイはマイクロアレイである。「マイクロアレイ」によって、本発明者らは、少なくとも約100/cm、好ましくは少なくとも約1000/cmの密度の別個の領域を有する領域のアレイの意味を含む。マイクロアレイ中の領域は、約10〜250μmの間の範囲の典型的な寸法、例えば直径を有し、アレイ中の他の領域からおよそ同じ距離だけ離れている。このアレイは、代替的には、マクロアレイまたはナノアレイであり得る。
適切な結合分子(上で考察した)が一旦同定および単離されると、当業者は、分子生物学の分野で周知の方法を使用して、アレイを製造できる;以下の実施例を参照のこと。
本発明の第3の態様は、乳癌関連の疾患状態を決定するための、表1A、表1B、表1C、表1Dおよび/または表1E中に規定される群より選択される1つまたはそれ以上のバイオマーカーの使用を提供する。
一実施形態では、表1A、表1B、表1C、表1Dおよび表1E中に規定される全てのバイオマーカーが、乳癌関連の疾患状態を決定するために集合的に使用される。
本発明の第4の態様は、本発明の第1の態様に従う方法における使用のための分析キットを提供し、この分析キットは:
A)本発明の第2の態様に従うまたは本発明の第1の態様に規定されるアレイ;および
B)本発明の第1の態様に規定される方法を実行するための指示書(場合による)、
を含む。
この分析キットは、本発明の第1の態様に規定される1つまたはそれ以上の対照サンプルを含み得る。
本発明の特定の態様を具体化する好ましい非限定的な例は、以下の図面を参照して、本明細書に記載される:
ペプチドおよびタンパク質の統計を示す図である。(A)サンプル当たりの同定された独自のペプチド配列の総数(FDR 0.01、Mascot+X!Tandemを使用)。(B)サンプル当たりの同定されたアセンブルされたタンパク質群の総数(FDR 0.01、タンパク質レベルで設定、Mascot+X!Tandemを使用)。(C)研究全体で2140のタンパク質群の総タンパク質カバー度を生じる、タンパク質群当たりの独自のペプチドの数(FDR 0.01、タンパク質レベルで設定、Mascot+X!Tandemを使用)(複製、プール実施および臨床的パラメータを欠くサンプルを含む、全てのサンプルおよび実施に基づくデータ)。(D)PeptideAtlas(バージョン2011−08 Ens62、ヒト)に対する、定量されたペプチドの評価(Progenesis LC−MSソフトウェア、Mascotスコア付けされたペプチドに限定、FDR 0.01を使用)。さらに、PeptideAtlasに存在しないペプチドについて、対応するタンパク質が報告されているかどうかを評価するために、第2の比較を実行した。複数のタンパク質アクセッションの場合、全てを評価した。(E)ペプチド長の比較。(F)PeptideAtlasで観察されたペプチド頻度。 図1−1の続き。 図1−2の続き。 図1−3の続き。 代表的サンプル(サンプル7267)および参照(プール)サンプルについて、組み合わされたデータおよび個々の混合物の両方について示された、GPSセットアップ全体(即ち、捕捉+LC−MS/MS)の再現性を示す図である。データポイントを含める(プロットする)ために、タンパク質を、全ての三連の実施において定量しなければならなかった(正規化存在量>0)。かかる要件を、パネルA〜Eにおいてプロットした全てのデータに使用した。(A)組み合わされた全てのデータについて示される(1264のタンパク質に基づく)。(B)CIMS−ミックス1について示される(315のタンパク質に基づく)(C)CIMS−ミックス2について示される(661のタンパク質に基づく)(D)CIMS−ミックス3について示される(452のタンパク質に基づく)(E)CIMS−ミックス4について示される(370のタンパク質に基づく)。 図2−1の続き。 図2−2の続き。 組織グレード、エストロゲン受容体状態およびHER2状態に基づいて、有意に示差的に発現されたタンパク質を示す図である。示差的に発現された分析物が、ヒートマップ中に示される(赤−上方調節された、緑−下方調節された)。(A)組織グレード1、組織グレード2および組織グレード3のサンプルのPCAプロットおよび関連したヒートマップ(分散0.2、p値<0.01、q値<0.25でフィルタリングしたデータ)。さらに、SVMを用いた1つ抜き(leave−one out)交差検証アプローチからの結果を、ROC面積値で示した。(B)ER陽性サンプルおよびER陰性サンプルのPCAプロットおよび関連したヒートマップ(分散0.2、p値<0.01、q値<0.32でフィルタリングしたデータ)。さらに、1つ抜き交差検証アプローチからの結果を、ROC曲線で示した。(C)HER2陽性サンプルおよびHER2陰性サンプルのPCAプロットおよび関連したヒートマップ(分散0.2、p値<0.01、q値<0.9でフィルタリングしたデータ)。1つ抜き交差検証アプローチからの結果を、ROC曲線で示した。 図3−1の続き。 図3−2の続き。 図3−2の続き。 図3−3の続き。 図3−4の続き。 図3−5の続き。 図3−6の続き。 IPAを使用した、3つの組織グレード分けされた腫瘍型間で示差的に発現された分析物の生物学的関連性を示す図である。(A)その細胞局在にマップされた、3つの腫瘍コホート間で有意に示差的に発現されたタンパク質と同定された49のタンパク質。赤色が上方調節を示し、緑色が下方調節を示す、着色log比(中央値グレード3/中央値グレード1)。腫瘍発生に対する既知の関連を有するタンパク質が示されている。 IPAを使用した、3つの組織グレード分けされた腫瘍型間で示差的に発現された分析物の生物学的関連性を示す図である。(B)DNAの複製、組換え、細胞周期およびフリーラジカル消去に関連することが見出された、最初に報告されたネットワーク。 IPAを使用した、3つの組織グレード分けされた腫瘍型間で示差的に発現された分析物の生物学的関連性を示す図である。(C)遺伝子発現、感染疾患および癌に関連することが見出された、2番目に報告されたネットワーク。 直交法を使用したタンパク質発現プロフィールの検証を示す図である。この目的のために、1411の組織学的グレード分けされた腫瘍サンプル由来のデータに基づくmRNA発現プロフィールを使用した。組織グレード1、2および3の間で示差的に発現された49のタンパク質のうち42は、GOBOデータベース中に首尾よくマップされた(Gene Entrez IDを使用)。(A)15(合計16のうち)の分析物がGOBOツールでマップできた、組織グレード3の腫瘍において減少したタンパク質発現(組織グレード1と比較した中央値比)を示すことが見出されたタンパク質についてのmRNA発現プロフィール。さらに、異なる遺伝子セットモジュール発現パターンに対する、15の遺伝子の相関が示される。灰色の点は、実際の相関値を示す。 直交法を使用したタンパク質発現プロフィールの検証を示す図である。この目的のために、1411の組織学的グレード分けされた腫瘍サンプル由来のデータに基づくmRNA発現プロフィールを使用した。組織グレード1、2および3の間で示差的に発現された49のタンパク質のうち42は、GOBOデータベース中に首尾よくマップされた(Gene Entrez IDを使用)。(B)27(合計33のうち)がGOBOツールでマップできた、組織グレード3の腫瘍において増加した発現(組織グレード1と比較)を示すことが見出されたタンパク質についてのmRNA発現プロフィール。さらに、異なる遺伝子セットモジュール発現パターンに対する、27の遺伝子の相関が示される。灰色の点は、実際の相関値を示す。 表1のバイオマーカーの変動する長さおよび組み合わせの例示的なバイオマーカーシグネチャーのkaplan meier分析を示す図である。 この研究で使用したワークフローの模式的概観を示す図である。(A)腫瘍サンプル調製ならびに(B)CIMS−抗体を使用したペプチド捕捉、LC−MS/MSでの実施スケジュールおよびデータ分析。1つのCIMS−バインダーミックス由来の全ての溶出物の分析を、次のCIMS−バインダーミックス由来の溶出物に進む前に終了させた。結果として、全てのCIMS−バインダーミックス分析は、プールされたサンプル由来の溶出物の分析で始まり、組織学的グレードに従ってランダムな配列で個々のサンプルの半分で続けた。ミックスの途中で、別のプールサンプルを注入し、次いで残りのサンプルを注入し、最後に第3のプールサンプルで終了した。完了後、次のCIMS−バインダーミックス由来の溶出物の分析を開始した。バインダーミックス2とバインダーミックス3との間で、ブランクビーズの2回の注入を実施した。ブランクビーズは、付着した抗体を含まないので、磁気ビーズに結合するバックグラウンドペプチドのみが溶出するはずである。データを、Proteios SEおよびProgenisisで分析して、ペプチドおよびタンパク質の同定および定量を得た。 Venn図として示される、GPSセットアップ全体(即ち、捕捉+LC−MS/MS)の同定再現性を示す図である。(A)サンプル7267についての複製捕捉実施間のペプチドの重複(全て独自の配列)。サンプル7267(上の図)および個々のミックス(より小さい4つのVenn図)の総カバー度についての統計が示される。Proteios SE(即ち、MascotおよびX!Tandemスコア付けされたペプチド)から生成されたデータ。(B)プールサンプルについての複製捕捉実施間のペプチドの重複(全て独自の配列)。総体(上の図)および個々のミックスの両方についての統計が示される。Proteios SE(即ち、MascotおよびX!Tandemスコア付けされたペプチド)から生成されたデータ。 定量されたタンパク質のlog2 MS強度の分布を示す図である。(A)1364のタンパク質についてプロットされた中央値正規化存在量(臨床的記録を有する50のサンプルに基づく)(0の中央値log2強度値を有する24のタンパク質は排除した)。棒は、淡黄色(低いMS強度)から暗赤色(高いMS強度)の範囲で、MS強度に従って着色される。 定量されたタンパク質のlog2 MS強度の分布を示す図である。(B)選択されたタンパク質カテゴリーについてのGO生物学的プロセスに基づくlog2 MS強度値の分布。分析物を、Generic Gene Ontology(GO)Term Mapperツール(http://go.princeton.edu/cgi−bin/GOTermMapper)を使用して主要な生物学的プロセスによってグループ分けした。 組織学的グレード3の腫瘍において最高の発現を示す、3つの組織学的グレード間で示差的に発現されたタンパク質のうち8つについての個々の強度ボックスプロットを示す図である。 図S4−1の続き。 組織学的グレード1の腫瘍において最高の発現を示す、3つの組織学的グレード間で示差的に発現されたタンパク質のうち8つについての個々の強度ボックスプロットを示す図である。 図S5−1の続き。 組織学的グレード間の拡張された比較を示す図である。(A)組織グレード2(H2)と組織グレード1(H1)との間、組織グレード3(H3)と組織グレード1(H1)との間、および組織グレード3(H3)と組織グレード2(H2)との間の、log2倍の変化。上位49の示された分析物は、3つのグレード間で示差的に発現されると同定されたタンパク質シグネチャーである。従って、全ての比較が計算され、示されている。下位47の分析物は、これらのグレードのうち2つの間でのSVM計算から導出されるが、第3のグレードは除外される。この計算は、3つ全ての比較について行われ、有意な分析物のリストが、結果として編集された。行列色図形を、Matrix2png(PavlidisおよびNoble、2003)を使用して生成した。 組織学的グレード間の拡張された比較を示す図である。(B)2群比較からのSVM計算から導出したROC AUC値。フィルタリングしていないデータ(データセット全体)およびフィルタリングしたデータ(分散0.2およびp値<0.01)に由来する両方のROC AUC値を列挙している。 組織学的グレード間の拡張された比較を示す図である。(C)組織学的グレード1および組織学的グレード3のヒートマップ(分散0.2、p値<0.01、q値<0.25でフィルタリングしたデータ)。示差的に発現された分析物がヒートマップ中に示され、赤色は上方調節を示し、緑色は下方調節を示す。(D)組織学的グレード1と組織学的グレード3との間で示差的に発現された50のタンパク質(図S8C)を使用した、組織学的グレード1、組織学的グレード2および組織学的グレード3のPCAプロット。 組織学的グレード間の拡張された比較を示す図である。(D)組織学的グレード1と組織学的グレード3との間で示差的に発現された50のタンパク質(図S8C)を使用した、組織学的グレード1、組織学的グレード2および組織学的グレード3のPCAプロット。 ER状態比較またはHER2/neu状態比較において示差的に発現されると同定されたタンパク質のサブセットについて示された個々の強度ボックスプロットを示す図である。(A)ER陽性腫瘍とER陰性腫瘍との間で示差的に発現された分析物。 ER状態比較またはHER2/neu状態比較において示差的に発現されると同定されたタンパク質のサブセットについて示された個々の強度ボックスプロットを示す図である。(B)HER2陰性腫瘍とHER2陽性腫瘍との間で示差的に発現された分析物。 Ki67陽性(25%カットオフ)およびKi67陰性のステージ分類された腫瘍の評価を示す図である。示差的に発現された分析物がヒートマップ中に示され、赤色は上方調節を示し、緑色は下方調節を示す。(A)Ki67陽性およびKi67陰性のステージ分類された腫瘍のPCAプロット。対応する分析物およびサンプルのヒートマップ(分散0.2、p値<0.01、q値<0.27でフィルタリングしたデータ)。 図S8A−1の続き。 Ki67陽性(25%カットオフ)およびKi67陰性のステージ分類された腫瘍の評価を示す図である。示差的に発現された分析物がヒートマップ中に示され、赤色は上方調節を示し、緑色は下方調節を示す。(B)SVMを用いた1つ抜き交差検証アプローチからの結果を、ROC曲線で示した。 組織学的グレードまたはER状態を反映する、示差的に発現された分析物についての、IPAを使用した転写因子関連ネットワーク分析を示す図である。分子をつなぐ線は、分子の関連性を示し、矢印のスタイルは、特異的分子の関連性および相互作用の方向性を示す。(A)多群組織学的グレード比較で同定された49のタンパク質を、インプットとして使用した。測定された分析物を色コード化するために使用される、組織学的グレード3対組織学的グレード1についての中央値のLog比。赤色は上方調節を示す。緑色は下方調節を示す。 組織学的グレードまたはER状態を反映する、示差的に発現された分析物についての、IPAを使用した転写因子関連ネットワーク分析を示す図である。分子をつなぐ線は、分子の関連性を示し、矢印のスタイルは、特異的分子の関連性および相互作用の方向性を示す。(B)ER状態比較で同定された39のタンパク質を、インプットとして使用した。測定された分析物を色コード化するために使用される、中央値のLog比。ER陰性サンプルにおいて、赤色は上方調節を示し、緑色は下方調節を示す。 組織グレード間で有意に異なるタンパク質発現を示すことが見出された分析物のサブセットについて例示された、1411の組織学的グレード分けされた腫瘍サンプル由来のデータに基づく個々のmRNA発現プロフィールを示す図である。(A〜E)組織グレード3の腫瘍において増加した発現を示すことが見出された5つのタンパク質についてのmRNA発現レベル。(F〜J)組織グレード3の腫瘍において減少した発現を示すことが見出された5つのタンパク質についてのmRNA発現レベル。 図S10−1の続き。 図S10−2の続き。 図S10−3の続き。 図S10−4の続き。 1620のER状態が規定された乳房腫瘍サンプル由来のデータに基づくmRNA発現プロフィールを示す図である。示差的に発現された39のタンパク質のうち32が、gene entrez IDを使用して、GOBOデータベース中に首尾よくマップされた。(A)ER陽性腫瘍において増加したタンパク質発現を示すことが見出された10のタンパク質についてのmRNA発現プロフィール。さらに、異なる遺伝子セットモジュール発現パターンに対する10の遺伝子の相関が示される。灰色の点は、実際の相関値を示す。(B)ER陽性腫瘍において減少した発現を示すことが見出されたタンパク質についてのmRNA発現プロフィール。さらに、異なる遺伝子セットモジュール発現パターンに対する22の遺伝子の相関が示される。灰色の点は、実際の相関値を示す。(C〜D)ER陽性腫瘍において増加した発現を示すことが見出された2つのタンパク質について例示された個々のmRNA発現プロフィール。(E〜F)ER陽性腫瘍において減少した発現を示すことが見出された2つのタンパク質について例示された個々のmRNA発現プロフィール。 図S11−1の続き。 図S11−2の続き。 図S11−3の続き。 HER2/neu比較において有意に示差的なタンパク質発現を示すことが見出された3つの分析物について例示された、GOBOデータベースツールを使用してマップされた個々のmRNA発現プロフィールを示す図である。1881の入手可能な腫瘍サンプルに基づくデータ。(A)HER2/neu、(B)S100A9(C)GRB7。上記3つの分析物に加えて、第4のタンパク質(アクセッションP22392)を試験してマップした。しかし、Gene Entrez ID 4831または654364のいずれかを使用したGOBOデータベースツールからのエラーメッセージに起因して、データは欠けている。 図S12−1の続き。 10年のエンドポイントとしてDMFSを使用したKaplan−Meier分析を示す図である。組織学的グレードを差別化している49のタンパク質のうち42は、Entrez Gene ID(スイスプロットIDに変換した後)を使用して、遺伝子発現データベースに首尾よくマップされた。これらの分析物を、(観察されたタンパク質発現レベルについて組織学的グレード3のサンプルと組織学的グレード1のサンプルとの間の比率を使用して、上方調節または下方調節に基づいて)2つの群に分割したところ、15の下方調節された分析物および27の上方調節された分析物が得られた。次いで、これら2つの群を使用して、遺伝子発現データセットを使用して無遠隔転移生存期間(DMFS)の潜在的なリスクを評価した。組織学的グレード分けされた腫瘍(n=1379)について10年のエンドポイントとしてDMFSを使用したKaplan−Meier分析を、遺伝子発現データを3つの分位に層別化することによって実行した。さらに、単一遺伝子(下方調節されたもの2つおよび上方調節されたもの2つ)に基づく10年のエンドポイントとしてDMFSを使用した4つの個々のKaplan−Meier分析を生成し、GOBOツールを使用して類似の様式で示した。 図S13−1の続き。 ここでは6つのグレード1のサンプル、9つのグレード2のサンプルおよび6つのグレード9のサンプルを含む乳癌組織サンプルを、52サンプルの同じ元のコホートから選択したことを示す図である。これらのサンプルを、溶液中で消化(トリプシン処理)し、選択的モニタリング反応(SRM)セットアップ(確立された質量分析ベースのアプローチ)を使用して分析した。バイオマーカーの示されたリスト由来の8つのタンパク質に対応する9つのペプチドを標的化し、定量した。サンプルを三連で実施した。データを、Anubisを使用して分析し、その後P値フィルタリング(p<0.01)およびq値フィルタリング(q<0.11)を行った。このデータは、乳癌組織サンプルが、マーカーの短縮されたリストを使用してグレードに従って差別化できたことを示している。 ここではグレード1、2および3にわたって広がる47のサンプル(技術的複製による)を含む乳癌組織サンプルを、52サンプルの同じ元のコホートから選択したことを示す図である。これらのサンプルを、ゲル中で消化(トリプシン処理)し、選択的モニタリング反応(SRM)セットアップ(確立された質量分析ベースのアプローチ)を使用して分析した。バイオマーカーの示されたリスト由来の4つのタンパク質に対応する8つのペプチドを標的化し、定量した。サンプルを三連で実施した。データを、Anubisを使用して分析し、その後P値フィルタリング(p<0.01)およびq値フィルタリング(q<0.009)を行った。このデータは、乳癌組織サンプルが、マーカーの短縮されたリストを使用してグレードに従って差別化できたことを示した。 図8−1の続き。
導入
乳癌患者における腫瘍の進行および予後は、現在の臨床的パラメータおよび実験室パラメータを使用して評価することが困難であり、候補の多重組織バイオマーカーシグネチャーは存在しない。この満たされていない臨床的要求を解決するための試みにおいて、本発明者らは、グローバルプロテオーム調査と呼ばれる最近開発されたプロテオミクス的発見ツールを適用した。従って、9抗体のみに基づくアフィニティプロテオミクスおよび非標識LC−MS/MSを組み合わせることによって、本発明者らは、最大の乳癌組織プロテオミクス研究のうち1つを示す52の乳癌組織サンプルをプロファイリングし、1388のタンパク質を示す詳細に定量されたプロテオミクスマップを首尾よく生成した。この結果は、本発明者らが、腫瘍の進行を反映する組織グレード分けされた乳癌腫瘍の徹底的な分子ポートレートを解読したことを示した。より詳細には、高い精度で組織グレード1〜3の乳癌腫瘍を識別する49個の構成部分を持つ組織バイオマーカーシグネチャー(p<0.01の場合)および79個の構成部分を持つ組織バイオマーカー(p<0.02の場合)シグネチャーを規定した。高度に生物学的に関連するタンパク質を同定し、示差的に発現されたタンパク質は、腫瘍進行のために腫瘍微小環境を再構築することに関する現在の仮説を支持した。さらに、無遠隔転移生存期間のリスクを推定するためのマーカーを使用することもまた、実証された。さらに、それぞれER状態、HER2状態およびKi67状態を反映する乳癌関連のバイオマーカーシグネチャーを描写した。これらのバイオマーカーシグネチャーを、それぞれ独立した方法(mRNAプロファイリング)および患者コホートを使用して裏付けた。総合すると、これらの分子ポートレートは、乳癌の改善された分類および予後判定を提供する。
実験手順
臨床的サンプル
この研究は、Lund、Swedenにおける地域倫理審査委員会によって承認された。52人の乳癌患者を、Department of Oncology(SUS、Lund)から採用した。全ての臨床的記録は、組織サンプルのうち50についてアクセス可能であった。これらのサンプルを、組織グレード1(n=9)、組織グレード2(n=17)および組織グレード3(n=24)に基づいて下位分割した。
トリプシン消化したヒト乳癌組織サンプルの調製
タンパク質を、52の乳癌組織片から抽出し、引き続いて還元し、アルキル化し、トリプシン消化し、最後に、さらなる使用まで−80℃で貯蔵した。さらに、参照サンプルとして使用したプールされたサンプルを、全ての消化したサンプル由来の5μlアリコートを合わせることによって生成し、さらなる使用まで−80℃で貯蔵した。サンプル調製についての詳細は、補足的実験手順に提供される。
CIMS−scFv抗体の産生および磁気ビーズに対するカップリング
6つの短いC末端アミノ酸ペプチドモチーフに対する9つのCIMS scFv抗体(表S2)を、大腸菌培養物中で産生し、Ni2+−NTAアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製した。次に、精製された抗体を、磁気ビーズにカップリングした。scFvの産生およびカップリングについての詳細は、補足的実験手順に提供される。
非標識定量GPS実験
抗体コンジュゲート化ビーズの4つの異なるプール(CIMS−バインダーミックス1〜4と呼ばれる)を、等量の2つまたは3つの異なるバインダーを混合することによって作製した(表S2)。これらの抗体ミックスを、トリプシンサンプルに曝露させ、洗浄し、最後に、捕捉されたペプチドを溶出するために酢酸と共にインキュベートした。次いで、この溶出物を、さらなる清浄化なしにMS分析に直接使用した。完全な研究を、6.5日間の4ブロック(1つのCIMS−バインダーミックス/ブロック)に分割した26日間のMS器具使用時間を使用して実施した。全てのサンプルを、CIMS−バインダーミックス1つ当たり1回、個々に分析した。さらに、選択されたサンプルの三連捕捉を、連続LC−MS/MS実施として、各ブロック内で実行した。参照サンプルを、4つのブロック内および4つのブロック間で、経時的に繰り返し分析した(図S1)。合計238のLC−MS/MS実施を実行し、ペプチド捕捉および関連する質量分析的分析についての全ての詳細は、補足的実験手順に提供される。
タンパク質の同定および定量
生成されたデータを、2つのソフトウェアパッケージProteios SE(Hakkinenら、2009)およびProgenesis LC−MS(Nonlinear Dynamics、UK)によって分析した。検索を、ペプチド同定を生成するための同定されたリバースヒットの数に基づいて推定された0.01の偽発見率(FDR)で、フォワードコンバインドおよびリバースコンバインドデータベース(Homo Sapiens Swiss−Prot、2011年8月、合計71324のデータベースエントリーを生じる)に対して実行した。Progenesis−LC−MSソフトウェア(v4.0)を、特徴のアラインメント、同定(Mascot)および定量的値の生成のために使用した。検索パラメータおよびデータ処理に関する詳細は、補足的実験手順に提供される。
統計学的分析およびバイオインフォマティクス分析
Qlucore Omics Explorer v(2.2)(Qlucore AB、Lund、Sweden)を、一元配置ANOVAを使用して、有意に上方調節または下方調節されたタンパク質(p<0.01)を同定するために使用した。q値を、BenjaminiおよびHochbergの方法(BenjaminiおよびHochberg、1995)に基づいて生成した。主成分分析(PCA)プロットおよびヒートマップを、Qlucoreで生成した。サポートベクターマシン(SVM)は、1つ抜き交差検証手順を使用してサンプルを分類するために使用された学習方法であり(CortesおよびVapnik、1995)、分析を、フィルタリングしていないデータおよびp値フィルタリングしたデータの両方について実行した。SVM決定値および曲線下面積(AUC)を使用して構築された受信者動作特性(ROC)曲線(Laskoら、2005)を、分類子の性能の測定値として使用した。さらに、Ingenuity Systems Pathway Analysis(IPA)(v 11904312、www.ingenuity.com)を、タンパク質局在、潜在的なネットワーク相互作用、転写因子会合、および腫瘍発生との関連などの情報を抽出するために、有意に示差的に発現されたタンパク質に対して使用した。実験的に導出されたタンパク質シグネチャーを、組織グレード1、2および3、ER状態またはHER2状態などの臨床的パラメータを有する乳癌組織についての公開された遺伝子発現データの大きいコホートに対して、GOBO検索ツール(Ringnerら、2011)を使用して、mRNAレベルで最後に検証した。
補足的実験手順
トリプシン消化したヒト乳癌組織サンプルの調製
タンパク質を、乳癌組織片から抽出し、使用まで−80℃で貯蔵した。簡潔に述べると、組織片(約50mg/サンプル)を、2回の振盪ラウンド間に液体窒素中での急速冷却を用いて2×30秒間にわたりシェイカー中にボム(bomb)を固定させることによって、液体窒素で予め冷却したTeflon容器中でホモジナイズした。ホモジナイズした組織粉末を、8M尿素、30mM Tris、5mM酢酸マグネシウムおよび4%(w/v)CHAPSを含む溶解緩衝液(pH8.5)中に収集した(2mg組織/30μl緩衝液)。チューブを短時間ボルテックスし、5分毎にサンプルの短時間のボルテックスを行って氷上で40分間インキュベートした。インキュベーション後、サンプルを13000rpmで遠心分離し、上清を新たなチューブに移し、その後2回目の遠心分離を行った。緩衝液を、Zeba脱塩スピンカラム(Pierce、Rockford、IL、USA)を使用して0.15M HEPES、0.5M尿素(pH8.0)に交換し、その後、タンパク質濃度を、Total Protein Kit、Micro Lowry(Sigma、St.Louis、MO、USA)を使用して決定した。最後に、サンプルをアリコート化し、さらなる使用まで−80℃で貯蔵した。このタンパク質抽出物を解凍し、還元し、アルキル化し、トリプシン消化した。最初に、SDSおよびTCEP−HCl(Thermo Scientific、Rockford、IL、USA)を、それぞれ0.02%(w/v)および5mMになるように添加し、サンプルを、56℃で60分間還元した。このサンプルを、室温に冷却し、その後、ヨードアセトアミドを10mMになるように添加し、次いで、室温で30分間アルキル化した。次に、配列決定グレードの改変トリプシン(Promega、Madison、Wisconsin、USA)を、タンパク質1mg当たり20μgで、37℃で16時間添加した。完全な消化を確実にするために、第2のアリコートのトリプシン(タンパク質1mg当たり10μg)を添加し、チューブを、37℃でさらに3時間インキュベートした。最後に、消化されたサンプルをアリコート化し、さらなる使用まで−80℃で貯蔵した。さらに、全ての消化されたサンプル由来の5μlアリコートを含むサンプルを合わせることによって生成される別々のプールされたサンプルを調製し、さらなる使用まで−80℃で貯蔵した。潜在的な暫定的プロテオームカバー度を増加させるために、限定された臨床データが手元の表S1にある2つのサンプルを、個々におよびプールされたサンプル中に含めて、さらに分析した。
CIMS−scFv抗体の産生および磁気ビーズに対するカップリング
9つのCIMS scFv抗体(6つの短いC末端アミノ酸ペプチドモチーフ(M−1、M−15、M−31、M−32、M−33およびM−34と呼ばれる)に対する、クローン1−B03、15−A06、17−C08、17−E02、31−001−D01、32−3A−G03、33−3C−A09、33−3D−F06および34−3A−D10)を、n−CoDeR(Soderlindら、2000)ライブラリーから選択したが、これらは、BioInvent International AB、Lund、Swedenの厚意により提供されたものである(表S2)。これらのCIMS抗体のうち6つについての特異性および解離定数(低いμM範囲)が、最近決定された(Olssonら、2011)。これらの抗体を、100mlの大腸菌培養物中で産生し、Ni2+−NTAアガロース(Qiagen、Hilden、Germany)上でのアフィニティクロマトグラフィーを使用して精製した。結合した分子を、250mMイミダゾールで溶出させ、PBS(pH7.4)に対して72時間透析し、使用まで+4℃で貯蔵した。タンパク質濃度を、280nmにおいて吸光度を測定することによって決定した。scFv抗体の完全性および純度を、Agilent Bioanalyzer(Agilent、Waldbronn、Germany)上でProtein 80チップを実施することによって確認した。精製されたscFvを、以前に記載されたように(Olssonら、2011)、磁気ビーズ(M−270カルボン酸活性化型、Invitrogen Dynal、Oslo)に個々にカップリングさせた。簡潔に述べると、180〜250μgの精製されたscFvのバッチを、約9mg(300μl)の磁気ビーズに共有結合によりカップリングさせ(EDC−NHS化学)、さらなる使用までPBS中0.005%(v/v)のTween−20中で4℃で貯蔵した。さらに、ブランクビーズ(即ち、カップリングプロトコルを用いるがscFvを添加することなしに生成されたビーズ)のバッチを生成した。
非標識定量GPS実験
コンジュゲート化ビーズの4つの異なるプール(CIMS−バインダーミックス1〜4と指定される)を、以下に従って、等量の2つまたは3つの異なるバインダーを混合することによって作製した:ミックス1(CIMS−33−3D−F06およびCIMS−33−3C−A09)、ミックス2(CIMS−17−C08およびCIMS−17−E02)、ミックス3(CIMS−15−A06およびCIMS−34−3A−D10)ならびにミックス4(CIMS−1−B03、CIMS−32−3A−G03およびCIMS−31−001−D01)(表S2)。各捕捉について、50μlのプールされたビーズ溶液を使用し、scFv−ビーズは決して再使用しなかった。これらのビーズを、350μl PBSで予め洗浄し、その後、35μl(PBSで希釈、および1mMの最終濃度になるまでのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の添加)の最終容量中でのトリプシンサンプル消化に曝露させ、次いで、穏やかに混合しながらビーズと共に20分間インキュベートした。次に、チューブを磁石上に配置し、上清を除去し、ビーズを100μlおよび90μlのPBSでそれぞれ洗浄した(これらのビーズを、各洗浄工程間に新たなチューブに移し、合計洗浄時間は5分間であった)。最後に、捕捉されたペプチドを溶出させるために、これらのビーズを、9.5μlの5%(v/v)酢酸溶液と共に2分間インキュベートした。次いで、この溶出物を、さらなる清浄化なしに質量分析に直接使用した。
Eksigent nanoLC 2DTM plus HPLCシステム(Eksigent technologies、Dublin、CA、USA)と連動したESI−LTQ−Orbitrap XL質量分析器(Thermo Electron、Bremen、Germany)を、全てのサンプルについて使用した。自動サンプラーが、GPS生成された溶出物6μlを注入した。ブランクLC−MS/MS実施を、各分析されたサンプル間で使用した。ペプチドを、プレカラム(PepMap 100、C18、5μm、5mm×0.3mm、LC Packings、Amsterdam、Netherlands)上に15μl/分の一定の流速でロードした。引き続いて、これらのペプチドを、Reprosil−Pur C18−AQ樹脂(3μm Dr.Maisch,GmbH、Germany)が社内で詰められた10μm融解石英エミッター、75μm×16cm(PicoTipTM Emitter、New Objective,Inc.Woburn、MA、USA)上で分離した。ペプチドを、0.1%(v/v)ギ酸を含む水中、3%(v/v)から35%(v/v)のアセトニトリルの35分間の直線勾配で、300nl/分の流速を用いて溶出した。LTQ−Orbitrapを、Orbitrap−MS(m/z 400から2000)とLTQ−MS/MS獲得との間を自動的に切り替えるようにデータ依存的様式で作動させた。4つのMS/MSスペクトルを、内部較正のためにロックマスオプション(lock mass option)(m/z 445.120025)を使用して60,000FWHMノミナル解像度設定において獲得した、各FT−MSスキャン当たりの線形イオントラップにおいて獲得した。動的排除リストを、20秒間の反復持続時間および120秒間の最大保持期間を有する2つの反復カウントを使用して、500のエントリーに制限した。前駆体イオン電荷状態スクリーニングは、少なくとも2つの電荷を有するイオンについて選択し、未決定の電荷状態を有するイオンを棄却することが可能であった。正規化された衝突エネルギーを35%に設定し、1回のマイクロスキャンを、各スペクトルについて獲得した。全てのサンプルを、CIMS−バインダーミックス1つ当たり1回、個々に分析した。さらに、プールされたサンプルの三連捕捉(この研究中の全てのサンプルに基づく)を、各CIMS−バインダーミックスについて実行し、より長い期間にわたるMS分析のために区分けした(バインダーミックス1つ当たり、LC−MS配列実施順序の開始時、中間時および終了時)(図S1)。これは、CIMS−バインダーミックス1および4について可能であった。しかし、CIMS−バインダー−ミックス2および3の両方についての配列実施における半分以上で、分析的LCカラムが取り換えられる必要があり(2回)、新たに取り換えられたカラム上で予定された最後のプール実施を実施することを決定して、いくつか(11それぞれ9サンプル)がプール実施後に分析されるという結果を生じた。さらに、三連捕捉を、各CIMS−バインダーミックスについてサンプル(7267,8613)に対して実行した。ブランクビーズ、即ち、いずれのコンジュゲート化した抗体も有さないビーズを、潜在的なビーズバックグラウンド結合ペプチドを評価するために、プールされた消化物に曝露させた。2つのブランクビーズの「捕捉」から同定されたバックグラウンド結合ペプチドの少ない数に基づいて、全ての生成されたデータを、特記しない限り、フィルタリングしないままにした。
タンパク質の同定および定量
生成されたデータを、MascotおよびX!Tandemの両方を使用して同定を生成するためにProteios SEを使用して最初に分析した。簡潔に述べると、全てのファイルを処理し、Proteios(v 2.17)プラットホームを使用してmzMLおよびmgf形式に変換し、以下の検索パラメータを、MascotおよびX!Tandemに使用した:酵素:トリプシン;切断ミス(missed cleavage)1;固定改変(fixed modification):カルバミドメチル(C);可変改変(variable modification):メチオニン酸化(O)。さらに、可変N−アセチルは、X!Tandem(www.thegpm.org/tandem/)において検索が実行されるのを可能にした。3ppmのペプチド質量許容差および0.5Daの断片質量許容差を使用し、検索を、フォワードコンバインドおよびリバースコンバインドデータベース(Homo Sapiens Swiss−Prot、2011年8月、合計71324のデータベースエントリーを生じる)に対して実行した。MascotおよびX!Tandemの両方ならびに結果として組み合わせにおける自動データベース検索(0.01の偽発見率(FDR)を用いる)を、ペプチド同定を生成するために使用した(同定されたリバースヒットの数に基づいて推定した)。Proteios SEを使用して各サンプルについてタンパク質同定を生成する場合、タンパク質レベルに対して0.01のFDRを適用した。全ての生データは、Proteios SE内に記憶される。
分析の時点では、Proteios SEは、定量的非標識プラグイン分析モジュールを提供しなかったので(開発が進行中)、Progenesis−LC−MSソフトウェア(v4.0)を、全ての定量的値を生成するために使用した。簡潔に述べると、生データファイルを、Progenesis−LC−MSソフトウェアを使用する前にProteoWizardソフトウェアパッケージを使用して、mzXMLに変換した。デフォルト設定および最小インプットと共に、内蔵式特徴発見ツール、Mascot検索ツールおよび合わせ画分(combined fractions)ツール(CIMS−バインダー−ミックス1、2、3および4)を使用した。最適な特徴アラインメントのために、それぞれCIMS−バインダーミックスについてのプールされたサンプルの最初の注入実施(図S1)を、途中のプール実施が参照アラインメントファイルとして使用されるCIMS−ミックス3実施を除き、参照アラインメントファイルとして使用した。CIMS−バインダーミックス1および2についての保持時間10〜50分間の間、ならびにCIMS−バインダーミックス3および4についての10〜49分間の間の、アラインされ検出された特徴を、定量のために含めた。生成された正規化存在量値を抽出し、統計学的分析およびバイオインフォマティクス分析に使用した。Progenesisソフトウェアの制限に起因して、同定は、Mascot検索のみに限定され、これは、Proteios SEからX!Tandem生成された同定を、下流の定量的分析に含めなかったことを意味している。上記と同じデータベース(Homo Sapiens Swiss−Prot、2011年8月、フォワードコンバインドおよびリバースコンバインドデータベース)および検索パラメータを使用し、0.01のカットオフFDR値を適用した。
結果
この研究では、52の粗製乳癌組織抽出物のセミグローバルタンパク質発現プロフィール(同定および定量)を、GPSを使用して解読した。組織グレード、ならびに他の重要な臨床的実験室パラメータ、例えばエストロゲン受容体(ER)、HER2およびKi−67を反映する組織バイオマーカーシグネチャーを描写した。実験設計を概説するワークフロー全体を、図S1に示す。
タンパク質カバー度、ダイナミックレンジおよびアッセイ性能
GPSを使用して、合計2,140のタンパク質群を同定した(図1A〜C)。この同定再現性は高く、54.7%のペプチド重複を生じた(図S2A)。比較して、プロジェクト全体を通じて反復して分析された参照サンプルは、43.9%のペプチド同定重複を示した(図S2B)。同定されたタンパク質のうち、合計で1388が首尾よく定量され(図S3)、疾患関連マーカーについての検索において引き続いて使用した。7267サンプルについての定量のための総中央値CV値は、10.8%であることが見出されたが(図2A)、参照サンプルについての対応する総中央値CV値は22.8%であった(図2A)。注目すべきことに、61のタンパク質に対応する、定量されたペプチドの約38%(833ペプチド)が、PeptideAtalsにおいて以前に報告されておらず(図1D)、これは、実質的な新規カバー度を示す。これは、検出されたペプチドの顕著な部分が、以前に報告されたものよりも短い、9アミノ酸対11アミノ酸の中央値長さであるという事実(図1E)によって、さらに強調された。
全ての定量されたタンパク質について測定されたlog−MS強度正規化存在量の分布を評価したところ、約10のダイナミックレンジが示された(図S3A)。PeptideAtlasで頻繁に報告されたものから稀にしか報告されないものまでの範囲のペプチドが容易に検出されたという事実(図1F)によって、GPSアッセイによって生成された徹底的なカバー度がさらに示された。検出されたタンパク質を、次いで、主要な生物学的プロセスによってグループ分けしたところ、いくつかの群に分布することが見出された(図S3B)。興味深いことに、翻訳などのプロセスでグループ分けされたタンパク質(例えば、60Sリボソームタンパク質)は、予測され得るように、有糸分裂などに関与する他のタンパク質(例えば、CDK1)よりも高い全体的存在量を示すことが見出された。総合すると、このデータは、再現性のある様式で新規かつ深いカバー度を提供するGPSの能力を示した。
組織グレードを反映するタンパク質発現プロフィール
最初に、本発明者らは、組織グレードを反映する組織バイオマーカーシグネチャーが解読できるかどうかを試験した。多変量分析(3群比較)を使用して、グレード1、グレード2およびグレード3のコホート間で有意に(p<0.01、q値<0.25)示差的に発現された49のタンパク質を同定した。このシグネチャーに基づいて、PCAプロットは、組織グレード1および組織グレード3の腫瘍は良好に分離できたが、組織グレード2の腫瘍は、より不均一であるように見え、他の両方の群に広がっていたことを示した(図3A)。漸増する組織グレードと共に上方調節された分析物および下方調節された分析物の両方のパターンが観察できた。例えば、サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1)、ミニ染色体維持複合体成分3(MCM3)、DNA複製ライセンス化因子MCM7、ATPクエン酸シンターゼ(ACLY)、ポリアデニル酸結合タンパク質4(PABPC4)および6−ホスホフルクトキナーゼC型(PFKP)が、上方調節された組織マーカーの中にあった(図3Aおよび図S4)。対照的に、ケラトカン(KERA)、スポンジン(SPON1)、アスポリン(ASPB)、脂肪細胞エンハンサー結合タンパク質1(AEBP1)、キマーゼ(CMA1)およびオルファクトメジン様タンパク質3(OLFML3)などの分析物は、下方調節された分析物、即ち、組織グレード1の腫瘍においてより高い発現レベルを示した分析物の中にあった(図3Aおよび図S5)。
次いで、本発明者らは、49のp値フィルタリングした(p<0.01)バイオマーカーのリストが、組織グレードに基づいて組織を分類するために使用できるかどうかを試験した。この目的のために、本発明者らは、SVMを用いて1つ抜き交差検証を実施し、全てのサンプルについて決定値を収集した。次いで、この予測値を使用してROC曲線を構築し、AUC値を計算した(図3A)。これらの結果は、組織グレードの腫瘍下位群が十分に分離できることを示したが(AUC=0.75〜0.93)、グレード2は再びより不均一に見えた。
次に、本発明者らは、多変量アプローチの代わりに2群比較を使用することの影響を調査して、示差的に発現されたマーカーを規定した(図S6)。予測され得るように、このデータは、個々の組織的下位群の分類が、AUC値(AUC=0.91〜0.92)によって判断されるように改善されたことを示した。組織グレード1対組織グレード3に焦点を当てて、50の有意に(p<0.01)示差的に発現された分析物を描写し、そのうち31が、以前の49のバイオマーカーシグネチャーと重複した(図3および図S6Cを参照のこと)。組織グレード2を、グレード1対グレード3の凍結50バイオマーカー比較上にマップした場合、これは、再び不均一な特徴を示し、両方のコホートに広がっていた(図3Aおよび図S6Dを参照のこと)。
ER状態の影響
24の組織グレード3の腫瘍のうち14がER陰性と分類され、17のER陰性サンプルのうち14が実際にはグレード3腫瘍であったので、本発明者らは、発現プロフィールに対するER状態の直接的な影響を調査した。この仮説を検定するために、腫瘍を、ER陽性サンプル(n=33)のみを使用して再試験した。多変量アプローチを採用すると、結果は、18の有意に示差的に発現されたタンパク質(p<0.01、q値<0.51)が正確に示され、組織グレード1の組織対組織グレード3の組織が良好に分類できた(0.9のAUC値、データ示さず)ことを示した。著しいことに、18の分析物のうち16(例えば、ASPN、SPON1、KERA、ACLY、APCSおよびPABPC4)は、元々解読された49のバイオマーカーシグネチャーと重複することが見出された(図3A)。従って、このデータは、49のバイオマーカーシグネチャーが組織グレードを反映するという観察をさらに支持した。
さらに、本発明者らは、ER関連組織バイオマーカーシグネチャーが未解明であり得るかどうかも試験した。結果は、ER陽性およびER陰性の乳癌組織が良好に分類できたこと(AUC=0.82)(図3B)、および39の示差的に発現された分析物(p<0.01、q値<0.32)が同定された(例えば、GREB1、図3Bおよび図S7A)を示した。従って、このデータは、ER関連組織バイオマーカーシグネチャーが検出されていたことを示した。
HER2/neu状態およびKi67状態を反映するタンパク質発現プロフィール
1つ抜き交差検証を使用してHER2/neu状態に基づいて52の乳癌組織抽出物を比較した場合、データは、2つのコホートが識別できたこと(AUC=0.98)、および5つの示差的に発現されたマーカー(p<0.01、q値<0.9)が同定されたこと(図3C)を示した。最も重要なことに、受容体チロシンタンパク質キナーゼerbB−2(HER2)が、上方調節されたタンパク質の中に見出された(図3Cおよび図S7B)。
さらに、類似の様式で、Ki67状態を反映する組織タンパク質シグネチャー(Ki67陽性癌の核の25%をカットオフとして使用した場合)もまた解読できた。合計で45のタンパク質が、示差的に発現されることが見出された(p<0.01、q値<0.27)(図S8A)。このデータは、Ki67陽性腫瘍対Ki67陰性腫瘍が分離できたことを実証した(AUC=0.84)(図S8B)。従って、この結果は、HER2/neu状態およびKi67状態の両方を反映するタンパク質発現プロフィールが正確に示されていたことを示した。
生物学的関連性
組織グレード1〜3を差別化する49の組織バイオマーカーシグネチャーの生物学的関連性を、次いで試験した。この目的のために、各個々のタンパク質の細胞局在を、IPAソフトウェアを使用してマップし(図4A)、ネットワーク関連の機能および潜在的な関連性を調査した(図4B〜4C)。細胞局在を反映する、主に下方調節されたタンパク質(細胞外マトリックス(ECM))および上方調節された分析物(細胞膜、細胞質および核)のパターンが明らかになった。より重要なことに、上位ランクのネットワークは、DNAの複製、組換えおよび修復、細胞周期ならびにフリーラジカル消去と関連していることが見出され、2番目に高いランクのネットワークは、遺伝子発現、感染疾患および癌と関連していた。注目すべきことに、上位1位のネットワーク内のいくつかのタンパク質は、NF−kBおよびVEGFと直接的または間接的に関連していた(図4B)。さらに、ECMタンパク質の大部分は、2番目のネットワーク内に正確に示され、いくつかのタンパク質は、形質転換増殖因子−β(TGFβ1)と直接的または間接的に関連していた(図4C)。従って、この結果は、組織グレードを反映する生物学的に高度に関連する組織バイオマーカーが同定されていたことを示した。
さらに、49の組織バイオマーカーシグネチャーと転写因子ネットワークとの間の関連性もまた、IPAを使用して評価した(図S9)。注目すべきことに、RbおよびE2F2が、上位の関連する転写レギュレーターの中に見出された(図S9A)。比較して、組織バイオマーカーシグネチャーがER陽性腫瘍対ER陰性腫瘍を差別化する場合、エストロゲン受容体2(ESR2)およびプロゲステロン受容体(PGR)が、上位の関連するレギュレーターの中に見出された(図S9B)。
候補乳癌進行シグネチャーの検証
組織グレード1〜3を識別化する49の組織バイオマーカーシグネチャーを検証するための試みにおいて、データを、公に入手可能な直交乳癌mRNAプロファイリングデータセットと比較した。検証コホートは1,881のサンプルから作成され、そのうち1,411には、グレード1(n=239)、グレード2(n=677)およびグレード3(n=495)を含む組織グレードを割り当てた。49の組織バイオマーカーのうち42は、gene entrez IDを使用して遺伝子発現データベースにマップでき、検証試験において引き続いてこれを使用した。
次いで、42の組織マーカーを、グレード3対グレード1について観察された下方調節された(15の分析物)または上方調節された(27の分析物)タンパク質発現プロフィールに基づいて2つの群に分割し、対応するmRNA発現プロフィールと比較した(図5)。下方調節されたタンパク質(例えば、SPON1およびKERA)(図5A、図S5、図S10Iおよび図S11J)および上方調節されたタンパク質(例えば、CDK1およびMCM3)(図5B、図S4、図S10Aおよび図S10B)の両方のタンパク質発現プロフィールを、mRNA発現レベルで良好に裏付けることが見出された。興味深いことに、上方調節されたマーカーは、チェックポイントおよびM期の遺伝子モジュールに対する高い相関を有するmRNAプロフィールを示すことが見出され(図5A)、下方調節されたマーカーの群は、間質遺伝子セットモジュールに対する高い相関を有するmRNAプロフィールを示した(図5B)。
ER関連およびHER2関連の組織バイオマーカーシグネチャーの検証
次いで、類似の様式で、上記と同じ公に入手可能な直交乳癌mRNAプロファイリングデータセットを使用して、ER状態(図3B)およびHER2状態(図3C)を反映する組織バイオマーカーシグネチャーを検証するための試みを行った。
ERの場合、検証セットは、395のER陰性サンプルおよび1225のER陰性サンプルを含む、ER状態が割り当てられた1,620のサンプルで作成された。39の組織バイオマーカーのうち32が、遺伝子発現データベースにマップでき、検証において引き続いてこれを使用した。次いで、これら32のマーカーを、観察されたタンパク質発現プロフィールに基づいて2つの群(10の上方調節されたものおよび22の下方調節されたもの)に分割し、対応するmRNA発現プロフィールと比較した(図S11)。いくつかの例外はあるが(例えば、補体C3、図S11Fおよび図S7A)、観察されたタンパク質発現プロフィールを、対応するmRNA発現プロフィールで良好に裏付けた(図3B、図S7Aおよび図S11を参照のこと)。この文脈では、ER陽性腫瘍における上方調節されたタンパク質の群は、ステロイド応答遺伝子モジュールに対する高い相関を有するmRNAプロフィールを示すことが見出され、下方調節されたタンパク質の群は、免疫応答および基底の遺伝子セットモジュールに対する高い相関を有するmRNAプロフィールを示すことが見出されたことに留意するのが興味深かった(図S11A〜S11B)。
HER2についての検証セットは、HER2陽性(n=152)、基底(n=357)、管腔−A(n=483)、管腔−B(n=289)、正常様(n=257)および未分類(n=344)に分割される、1,881のサンプルから作成された。5つの組織マーカーのうち3つは、検証データセットにマップでき、引き続く評価においてこれを使用した(図S12)。この結果は、タンパク質発現プロフィールと遺伝子発現プロフィールとが良好に相関したことを示し(図3C、図S7Bおよび図S12を参照のこと)、観察をさらに検証した。
無遠隔転移生存期間を評価する
最後に、本発明者らは、組織グレードを反映する49の組織バイオマーカーシグネチャーが、再び同じ公に入手可能な遺伝子発現データセットを使用して無遠隔転移生存期間(DMFS)のリスクを評価するためにも使用できるかどうかを試験した。49の組織バイオマーカーのうち42は、10年のエンドポイント生存期間データを有する1379のサンプルにマップできた。これらのマーカーを、グレード3対グレード1における下方調節された(n=15)マーカーおよび上方調節された(n=27)マーカーを反映する2つの群に分割し、次いで、Kaplan−Meier分析を、これらの分析物の発現レベルに基づいて3つの分位(低い、中間および高い)中に遺伝子発現データを層別化することによって、10年のエンドポイントでDMFSを用いて実行した(図S13)。このデータは、特に、下方調節された分析物(主にECM関連分析物)のコホートが、DMFSのリスクを予測したことを示した。実際、これは、単一の下方調節された(例えば、KERAおよびOLFM3)バイオマーカーまたは上方調節された(例えば、CDK1)バイオマーカーを標的化することによって達成できた。
考察
この研究において、本発明者らは、乳癌におけるオーダーメイド医療に向けて次の一歩を踏み出す、乳癌における腫瘍進行を反映する最初の徹底的な多重化組織バイオマーカーシグネチャーを解読した。この成果は、本発明者らの最近の社内開発されたGPS技術を使用して達成された(Olssonら、2012;Olssonら、2011;Wingrenら、2009)。従って、9抗体のみに基づくアフィニティプロテオミクスおよび非標識LC−MS/MSを組み合わせることによって、本発明者らは、最大の乳癌組織プロテオーム研究のうち1つを示す52の乳癌組織サンプルをプロファイリングし、1388のタンパク質を反映する詳細に定量されたプロテオミクスマップを首尾よく生成した。
より詳細には、高い特異性および感度で組織グレード1〜3の乳癌腫瘍を差別化する最初の49個の構成部分を持つ組織バイオマーカーシグネチャーを描写した。このリストは、p値基準をp<0.02に設定して、79の示差的に発現されたマーカーに拡張できるが、ここでは、上位49の分析物(p<0.01)に対して考察を集中させた。分子プロフィールまたはタンパク質フィンガープリントは、グレード1の腫瘍およびグレード3の腫瘍はよりはっきりと異なるが、グレード2の腫瘍はより不均一であるという現在の見解を支持した(Sotiriouら、2006)。シグネチャーを調査する場合、乳癌に関連することが既知の先験的な公知のマーカーおよび新規の候補バイオマーカーを同定した。技術的観点から、この新規のカバー度は、定量されたペプチドの大部分(約38%)が、PeptideAtlasデータベースにおいて以前に報告されていないという事実によって反映された(Deutschら、2008)。GPSセットアップによって提供されるこの新規カバー度もまた、Human Protein Atlasプロジェクトに対してこれら49の分析物を検索した場合に明らかになった(Uhlenら、2010)。Human Protein Atlasプロジェクトは、非重複ヒトプロテオームの50%よりも多くを現在カバーしているが、49の示差的に発現されたタンパク質のうち13については、抗体も組織学染色も全く報告されていない。
ER状態単独は、乳房腫瘍における遺伝子の10%よりも多くの発現に影響を与えることが示されており、生存期間に対して影響を有すると一般に考えられている。ER陰性乳癌は一般に、より高悪性度であり、抗エストロゲンベースの治療は効果がないので、さらなる標的化治療が緊急に必要とされている(Rochefortら、2003)。本発明者らは、適切な特異性および感度でER陽性腫瘍およびER陰性腫瘍を差別化することが可能な39のタンパク質シグネチャーを同定した。興味深いことに、39のマーカーのうち11は、Human Protein Atlasプロジェクトによって未だカバーされておらず、GPS技術によって提供される新規カバー度を再び概説する(Uhlenら、2010)。39のマーカーのうちの1つであるGREB1は、内分泌治療に対する応答のための候補臨床マーカーおよび潜在的な治療標的として示唆されてきた(Hnatyszynら、2010;Raeら、2005)。GREB1は、エストロゲン刺激された細胞増殖を媒介するエストロゲン調節される遺伝子であり、ER陽性乳癌細胞および正常乳房組織では発現されるが、ER陰性サンプルでは発現されないことが最近報告されており、ERの代理マーカーとしてのその潜在性を概説している(Hnatyszynら、2010)。GPSで生成されたタンパク質プロフィールは、この意見をさらに支持した(図S7A)。
さらに、臨床的に規定されたHER2陽性サンプルおよびHER2陰性サンプルを識別することが可能な5つのタンパク質シグネチャーを解読した(図3C)。実際、低い存在量の受容体チロシンタンパク質キナーゼerbB−2(HER2タンパク質)を同定し、定量したところ、示差的に発現されたマーカーの1つであることが見出された。従って、臨床的設定においてGPSを使用してHER2を測定することの潜在性は、現在使用されている古典的免疫組織化学または蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)ベースの検出システムに対する補完として想定され得る。最近の研究により、5つのHER2ベースの試験のうち1つが不正確な結果を生じ得ることが示された(Phillipsら、2009)。さらに、S100−A9および増殖因子受容体結合タンパク質7(GRB7)もまた、HER2陽性の規定されたサンプルの大部分において、増加した発現を示すことが見出された(図S7B)。高いGRB7発現は、高いHER2発現と関連することが最近報告されており、減少した生存期間を有する乳癌患者のサブセットを規定するために使用された(Nadlerら、2010)。S100遺伝子ファミリーは、低分子量カルシウム結合タンパク質をコードし、特定のS100メンバーは、癌の進行、転移と関連しており、乳癌を有する患者における薬物耐性の予測マーカーとしての潜在性を有する(McKiernanら、2011;Yangら、2011)。
最も重要なことに、組織グレードを反映するバイオマーカーシグネチャーだけでなく、ER状態およびHER2状態を反映するバイオマーカーシグネチャーもまた、GOBOツールを使用して独立データセットおよび直交法(mRNA発現レベル)を使用して、検証された(Ringnerら、2011)。上方調節されたタンパク質および下方調節されたタンパク質の群を、既知の遺伝子セットモジュールに対する相関に基づいて評価したが、それは、これが重要な個々の遺伝子ではなく、遺伝子シグネチャーによって捕捉される機能的プロセスであることが多いからである(Wirapatiら、2008)。間質、チェックポイントおよびステロイド応答についての遺伝子セットモジュールに対する有意な相関は、特に注目に値した(図5および図S11)。さらに、組織学的な誘導されたタンパク質分析物を使用し、エンドポイントとしてDMFSを評価する場合、データは、特に下方調節されたECMタンパク質を使用した場合に、より悪い臨床アウトカムを明らかに示した。従って、独立したmRNA検証は、報告された候補バイオマーカーシグネチャーおよび将来の乳房組織腫瘍分類におけるその潜在性に対する強力な支持を付け加えた。
総合すると、本発明者らは、臨床的プロテオミクス発見プロファイリングの試みに対する、本発明者らが最近開発したGPS技術プラットホームの適用可能性を実証した。組織グレード、即ち腫瘍の進行ならびに他の重要な臨床実験室パラメータ、例えばER状態、HER2状態およびKi67状態を反映する組織バイオマーカーシグネチャーが、この研究で報告されている;これらの新規組織バイオマーカーポートレートは、乳癌の分類および予後判定の改善を可能にする。
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Claims (9)

  1. 下記工程:
    a)試験されるサンプルを準備する工程;ならびに
    b)SPON1、APCS、ATP6V1G1、RPS27L、DPYSL3、ERP44、RAPGEF1、ACLY、CMA1、MCM3、ANGPTL2、AEBP1、UBE2V2、MIS18BP1、CLCF1、ABAT、SLC25A5、STIP1、OLFML3、CD3G、MCM7、SLC25A11、NOP56、RRP8、SLTM、TSN、ECH1、PRELP、SARS、RPS25、ESYT1、PODN、RPRD1B、RPLP0P6、CD300LG、SUGT1、POTEF、KARS、NDUFS2、HNRNPH2、CALU、EIF3B、SLC4A1AP、RPS5、PLXDC2、KIAA1324、MRC1、RPRD1A、SHMT2、CCT4、TSSC1、IKZF3、UBE2Q1、PSMD9、SNRNP70、RALB、ACO2、MYO18A、QARSおよびKERAからなる群から選択される2つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量を測定することによって、試験サンプルのバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
    を含み;
    ここで、工程(b)で規定される群から選択される2つまたはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/または量が、乳癌関連の疾患状態を示し、
    ここで、乳癌関連の疾患状態は、乳癌細胞の組織学的グレードであり、
    ここで、工程(b)で測定される2つまたはそれ以上のバイオマーカーは、SPON1およびKERAを含む、
    乳癌関連の疾患状態を決定する方法であって、下記工程:
    c)組織学的グレード1の乳癌細胞を含むまたは組織学的グレード1の乳癌細胞からなる第1の対照サンプル、組織学的グレード2の乳癌細胞を含むまたは組織学的グレード2の乳癌細胞からなる第2の対照サンプルおよび組織学的グレード3の乳癌細胞を含むまたは組織学的グレード3の乳癌細胞からなる第3の対照サンプルを準備する工程;ならびに
    d)工程(b)において測定された、2つもしくはそれ以上のバイオマーカーの対照サンプルにおける存在および/もしくは量を測定することによって、対照サンプルのバイオマーカーシグネチャーを決定する工程、
    をさらに含み;
    工程(b)において測定された、2つもしくはそれ以上のバイオマーカーの試験サンプルにおける存在および/もしくは量が:
    i)第1の対照サンプルにおける存在および/もしくは量に相当する場合
    ii)第2の対照サンプルにおける存在および/もしくは量とは異なる場合;ならびに/または
    iii)第3の対照サンプルにおける存在および/もしくは量とは異なる場合、
    癌細胞の存在が同定される、方法。
  2. 工程(b)が、2つまたはそれ以上のバイオマーカーをコードする核酸分子の発現を測定することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)において2つまたはそれ以上のバイオマーカーの発現を測定することが、各々が表1中に同定されるバイオマーカーのうち1つをコードする核酸分子に対して選択的に結合することが可能な2つまたはそれ以上の結合性部分を使用して実行される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(b)が、1つまたはそれ以上のバイオマーカーのタンパク質またはポリペプチドの発現を測定することを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 2つまたはそれ以上の結合性部分が、検出可能な部分を含む、請求項4に記載の方法。
  6. ROC AUC値によって決定される方法の断定精度(predicative accuracy)が、少なくとも0.50である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. ROC AUC値によって決定される方法の断定精度が、少なくとも0.80である、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(b)が、アレイを使用して実行される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. インビトロで乳癌関連の疾患状態を決定するための、SPON1、APCS、ATP6V1G1、RPS27L、DPYSL3、ERP44、RAPGEF1、ACLY、CMA1、MCM3、ANGPTL2、AEBP1、UBE2V2、MIS18BP1、CLCF1、ABAT、SLC25A5、STIP1、OLFML3、CD3G、MCM7、SLC25A11、NOP56、RRP8、SLTM、TSN、ECH1、PRELP、SARS、RPS25、ESYT1、PODN、RPRD1B、RPLP0P6、CD300LG、SUGT1、POTEF、KARS、NDUFS2、HNRNPH2、CALU、EIF3B、SLC4A1AP、RPS5、PLXDC2、KIAA1324、MRC1、RPRD1A、SHMT2、CCT4、TSSC1、IKZF3、UBE2Q1、PSMD9、SNRNP70、RALB、ACO2、MYO18A、QARSおよびKERAからなる群から選択される2つまたはそれ以上のバイオマーカーの使用であって、
    ここで、乳癌関連の疾患状態は、乳癌細胞の組織学的グレードであり、
    ここで、2つまたはそれ以上のバイオマーカーは、SPON1およびKERAを含む、使用。
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