JP6468336B1 - 車両用燃料タンク構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形を安定して抑制できる車両用燃料タンク構造を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用の燃料を貯留する密閉型の燃料タンク本体40と、上下方向における燃料タンク本体40の変形を抑制する変形抑制部材50とを備えた車両用燃料タンク構造であって、燃料タンク本体40が、車両1のバッテリケースフレーム32に設けた車体側固定部35,36に締結固定される第1被固定部45、第2被固定部46、及び第3被固定部47を備え、変形抑制部材50が、燃料タンク本体40の上面部420に当接する環状当接部51と、環状当接部51に接合されるとともに、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47を介して車体側固定部35,36に締結固定される一組の連結脚部52とで構成されたことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

この発明は、例えば車両用の燃料を貯留する密閉型燃料タンクにおいて、密閉型燃料タンクの膨張による変形を、変形抑制部材で抑制するような車両用燃料タンク構造に関する。
自動車などの車両には、内燃機関に供給される燃料を貯留する燃料タンクが、車体の適宜の位置に装着されている。この燃料タンクは、昨今、気化した蒸発燃料の大気中への拡散を防止するために、密閉型が採用されている。
このような密閉型の燃料タンクの場合、例えば、内燃機関への燃料供給が遮断されている状態で外気温が上昇すると、その内圧が上昇し易い。このため、内圧上昇による燃料タンクの膨張によって、燃料タンクが変形する、あるいは燃料タンクに意図しない不具合が生じるおそれがあった。
そこで、内圧上昇による燃料タンクの膨張、変形を抑制する様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、燃料が貯留されるタンク本体の上面に沿って形成された金属製プレートである上面側プレート部と、タンク本体の下面に沿って形成された金属製プレートである下面側プレート部とで構成されたタンク変形抑制部材を備えた燃料タンク構造が記載されている。
この特許文献1では、タンク本体の上面に凹設した上面側凹部と、タンク本体の下面に凹設した下面側凹部との接合部位に、上面側プレート部、及び下面側プレート部を締結固定することで、上下方向におけるタンク本体の変形を抑制している。
しかしながら、特許文献1の燃料タンク構造は、上面側凹部と下面側凹部との接合部位が車体に締結される部分ではないため、タンク本体の内圧が上昇した際、タンク本体を膨張させる荷重が、タンク変形抑制部材を介して、上面側凹部と下面側凹部との接合部位に作用することになる。
この際、上面側凹部と下面側凹部との接合部位の剛性が低いと、タンク変形抑制部材を介して伝達された荷重によって、上面側凹部と下面側凹部との接合部位が変形するおそれがある。
このため、特許文献1では、タンク本体の内圧が上昇した際、上面側凹部と下面側凹部との接合部位の変形に追従して、タンク本体に対する上面側プレート部、及び下面側プレート部の相対位置が変動することで、内圧上昇によるタンク本体の変形を安定して抑制できないおそれがあった。
特許5350086号公報
本発明は、上述の問題に鑑み、内圧上昇よる燃料タンクの変形を安定して抑制できる車両用燃料タンク構造を提供することを目的とする。
この発明は、車両用の燃料を貯留する密閉型の燃料タンクと、車両の上下方向における前記燃料タンクの変形を抑制する変形抑制部材とを備えた車両用燃料タンク構造であって、前記燃料タンクが、前記車両の車体に設けた複数の車体側固定部に対して、前記上下方向に沿って締結固定される複数の被固定部を備え、前記変形抑制部材が、前記上下方向における前記燃料タンクの一方の面に当接する当接部と、該当接部に連結されるとともに、前記燃料タンクの前記被固定部を介して、前記車体側固定部に締結固定される一組の上下方向に延びる連結脚部とで構成されたことを特徴とする。
上記密閉型の燃料タンクは、金属製燃料タンク、または合成樹脂製燃料タンクとすることができる。
上記車体側固定部は、車体における高剛性部位であって、例えば、サイドフレーム、クロスメンバ、あるいはサブフレームなどとすることができる。
上記一組の連結脚部とは、2つ以上の連結脚部のことをいう。
この発明により、内圧上昇よる燃料タンクの変形を安定して抑制することができる。
具体的には、燃料タンクの被固定部を介して、変形抑制部材が車体に締結固定されるため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの内圧が上昇した際、燃料タンクの一方の面を膨張させる荷重を、変形抑制部材を介して車体に伝達することができる。
さらに、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材及び燃料タンクが車体に締結固定された状態において、燃料タンクにおける被固定部の剛性を、変形抑制部材によって向上することができる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの一方の面を膨張させる荷重によって、燃料タンクの被固定部が変形することを防止できる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの内圧が上昇した際、燃料タンクの一方の面を膨張させる荷重によって、燃料タンクの一方の面に対する変形抑制部材の当接部の相対位置が変動することを抑制できる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの一方の面の膨張を、変形抑制部材で安定して抑えることができる。
従って、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの被固定部を介して車体側固定部に締結固定された変形抑制部材によって、内圧上昇よる燃料タンクの変形を安定して抑制することができる。
この発明の態様として、前記燃料タンクの前記被固定部が、前記燃料タンクの一方の面から、前記燃料タンクの他方の面側へ所定間隔だけ離間した位置に形成され、前記変形抑制部材の前記連結脚部が、弾性を有する弾性部材で形成されたものである。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇よる燃料タンクの変形をより安定して抑制することができる。
具体的には、変形抑制部材の連結脚部が弾性部材で形成されているため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの内圧が上昇した際、燃料タンクの一方の面の膨張を、変形抑制部材の弾性力によって抑制することができる。
さらに、例えば、連結脚部の弾性力に抗して、変形抑制部材を車体側固定部に締結固定する構成とした場合、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材及び燃料タンクを車体に締結固定した状態において、燃料タンクの一方の面を安定した荷重で押圧することができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの一方の面が容易に膨張することをより確実に抑制できる。
従って、車両用燃料タンク構造は、弾性部材で形成された連結脚部によって、内圧上昇よる燃料タンクの変形をより安定して抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記連結脚部が、前記燃料タンクの前記被固定部を介して、前記車体側固定部に締結固定される被締結部分と、該被締結部分、及び前記当接部を連結する脚部本体部分とで構成され、該脚部本体部分が、線状体で構成されたものである。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材による重量増加を抑えることができる。さらに、例えば、弾性を有する線状体で脚部本体部分を構成した場合、車両用燃料タンク構造は、重量増加を抑えて、内圧上昇よる燃料タンクの変形をより安定して抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記燃料タンクにおける一方の面が、燃料ポンプユニットが挿入される開口であるポンプ挿入口を備え、前記変形抑制部材の前記当接部が、前記上下方向から見て前記ポンプ挿入口に沿った略環状形状に形成されたものである。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇に対して脆弱なポンプ挿入口近傍の変形を安定して抑制することができる。このため、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇に対して脆弱な燃料タンクの一方の面の変形を、より安定して抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記燃料タンクの一方の面を、前記燃料タンクの上面として、前記変形抑制部材の前記連結脚部が、前記車体側固定部に締結固定された状態において、前記燃料タンクの上面よりも上方に突出するとともに、前記燃料タンクよりも上方に位置する車体に近接する上端を有する形状に形成されたものである。
上記燃料タンクよりも上方に位置する車体は、車室と車外を隔てる隔壁部材であって、例えば、車両前後方向に延びるフロアフレームやサイドフレーム、車幅方向に延びるクロスメンバ、及びフロアパネルなどとすることができる。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの変形抑制と、燃料タンクの保護とを両立することができる。
具体的には、燃料タンクの上面よりも上方に変形抑制部材の上端が位置するため、例えば、衝突物との衝突によって車体が変形した際、車両用燃料タンク構造は、車体と燃料タンクとが接触する前に、車体と変形抑制部材とを接触させることができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、車体からの衝突荷重を、変形抑制部材を介して車体側固定部に伝達させることができる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクに意図しない荷重が作用することを防止できる。
従って、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの上面よりも上方へ突出した上端を有する変形抑制部材により、燃料タンクの変形抑制と、燃料タンクの保護とを両立することができる。
またこの発明の態様として、前記燃料タンクの前記複数の被固定部のうち、少なくとも一対の被固定部が、前記上下方向から見た前記燃料タンクの略中央を挟んで略対向する位置に形成され、前記変形抑制部材が、前記略対向する位置に形成された被固定部に締結固定されたものである。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの内圧が上昇した際、燃料タンクの一方の面を膨張させる荷重を、より安定して車体に伝達することができる。これにより、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇よる燃料タンクの変形をさらに安定して抑制することができる。
またこの発明の態様として、前記燃料タンクが、前記上下方向に対して交差する交差方向へ突設されたフランジ部を備え、該フランジ部が、前記燃料タンクの外周に沿った略環状に形成されたものである。
この発明により、車両用燃料タンク構造は、上下方向への燃料タンクの変形と、交差方向への燃料タンクの変形とを両立して抑制することができる。
具体的には、交差方向へ突設されたフランジ部により、車両用燃料タンク構造は、フランジ部を設けた燃料タンクの面の面剛性を向上することができる。さらに、燃料タンクの内圧が上昇した際、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクを膨張させる荷重を、比較的剛性の高いフランジ部を介して分散させることができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンクの内圧が上昇した際、交差方向における燃料タンクの面の膨張を抑制することができる。
従って、車両用燃料タンク構造は、交差方向へ突設された燃料タンクのフランジ部と、変形抑制部材とによって、上下方向への燃料タンクの変形と、交差方向への燃料タンクの変形とを両立して抑制することができる。
本発明により、内圧上昇よる燃料タンクの変形を安定して抑制できる車両用燃料タンク構造を提供することができる。
車両の構成を示す構成図。 車載状態における燃料タンクの外観を示す平面図。 図2中における要部を示す平面図。 図3中のA−A矢視断面図。 車両前方上方視における燃料タンクの外観を示す外観斜視図。 車両後方下方視における燃料タンクの外観を示す外観斜視図。 図4中のB部を拡大した拡大断面図。 図4中のC部を拡大した拡大断面図。 車両上方視における変形抑制部材の外観を示す外観斜視図。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
なお、図1は車両1の構成図を示し、図2は車載状態における燃料タンク13の平面図を示し、図3は図2中における要部の平面図を示し、図4は図3中のA−A矢視断面図を示し、図5は車両前方上方視における燃料タンク13の外観斜視図を示し、図6は車両後方下方視における燃料タンク13の外観斜視図を示し、図7は図4中のB部を拡大した拡大断面図を示し、図8は図4中のC部を拡大した拡大断面図を示し、図9は車両上方視における変形抑制部材50の外観斜視図を示している。
また、図中において、矢印Fr及びRrは前後方向を示しており、矢印Frは前方を示し、矢印Rrは後方を示している。さらに、矢印Rh及びLhは幅方向を示しており、矢印Rhは右方向を示し、矢印Lhは左方向を示し、車幅方向における車室内側を車幅方向内側とし、車幅方向における車両外側を車幅方向外側とする。
本実施形態の車両1は、車軸に駆動力を伝達する走行用モータを車両前部に備え、走行用モータに電力を供給する車載バッテリを車室下部に備え、かつ車載バッテリを充電するための発電機、及び発電用内燃機関を車両後部に備えた、所謂、レンジエクステンダ付電気自動車である。
より詳しくは、車両1は、図1に示すように、車両前部に配置された左右一対の前輪2と、車両後部に配置された左右一対の後輪3と、左右の前輪2に車軸4を介して連結された減速機5と、減速機5に連結された走行用モータ6と、高電圧用ワイヤーハーネスE1を介して走行用モータ6に電気的に接続された車載バッテリ7と、車載バッテリ7に電力を供給するレンジエクステンダ装置8とを備えている。
なお、車載バッテリ7は、詳細な図示を省略するが、リチウムイオン二次電池で構成された複数の電池セルと、電池セルへの充放電を制御する制御装置と、高電圧ワイヤーハーネスが接続されるジャンクションボックスなどで一体構成されている。
この車両1におけるレンジエクステンダ装置8は、図1に示すように、車両後部に配置された発電ユニット9と排気ユニット10とで構成されている。
発電ユニット9は、図1に示すように、車載バッテリ7に高電圧用ワイヤーハーネスE2を介して電気的に接続された発電機11と、発電機11を駆動させるための発電用内燃機関12と、発電用内燃機関12に供給される燃料を貯留する燃料タンク13とで構成されている。なお、発電用内燃機関12としては、例えばロータリーエンジンなどとする。
一方、排気ユニット10は、図1に示すように、発電用内燃機関12から排出された排気ガスが流下する排気管14と、排気ガス中の有害物質を除去する触媒15と、排気ガスが外部に放出される際の音を抑制する消音器16とで構成されている。
このような車両1の燃料タンク13は、図2に示すように、車室から車両後端に至る大きさのサブフレーム30に支持されている。
より詳しくは、サブフレーム30は、図2に示すように、発電機11と、発電用内燃機関12、及び排気ユニット10を支持するリヤサブフレーム31と、車載バッテリ7、及び燃料タンク13を支持するバッテリケースフレーム32とを、車両後方からこの順番で連結して構成されている。
このうち、燃料タンク13を支持するバッテリケースフレーム32は、車両1の車室床面を構成するフロアフレーム(図示省略)の下面、及びフロアフレームを車幅方向に連結するクロスメンバ(図示省略)の下面に連結されている。
このバッテリケースフレーム32は、フロアフレームに沿って車両前後方向に延びる左右一対の前後方向フレーム(図示省略)と、前後フレームを車幅方向に連結する複数の幅方向フレーム33(図4参照)と、前後方向フレーム、及び幅方向フレームで囲われた部分を覆うパネル部材34(図4参照)とで構成されている。
さらに、バッテリケースフレーム32には、図3及び図4に示すように、最も車両後方に位置する幅方向フレーム33に、燃料タンク13の後部が締結固定される1つの車体側固定部35が接合されるとともに、最も車両後方に位置する幅方向フレーム33に対して1つ車両前方に位置する幅方向フレーム33に、燃料タンク13の前部が締結固定される2つの車体側固定部36が接合されている。
そして、燃料タンク13は、図2及び図3に示すように、バッテリケースフレーム32の上面に、車載バッテリ7とともに載置固定されている。より詳しくは、燃料タンク13は、バッテリケースフレーム32における車両後方左端に、車載バッテリ7に隣接して載置固定されている。
このようにバッテリケースフレーム32に載置固定された燃料タンク13には、図2及び図3に示すように、インレットパイプ17と、エバポ配管18とが接続されている。
インレットパイプ17は、車載状態における燃料タンク13の後面に一端が接続され、他端が車体に設けた給油口に接続されている。このインレットパイプ17は、給油口から燃料タンク13の内部に燃料を導入する流路として機能する。
エバポ配管18は、車載状態における燃料タンク13の上面に装着されたフロートバルブユニット19に一端が接続され、他端が車両後部における車両右側に配設されたキャニスタ20に接続されている。
このエバポ配管18は、燃料タンク13の内部で発生した蒸発燃料を、蒸発燃料を吸着するキャニスタ20に供給するための流路として設けている。なお、キャニスタ20には、図2に示すように、吸着した蒸発燃料を発電用内燃機関12に導入するパージ配管21が接続されている。
さらに、エバポ配管18には、図3に示すように、フロートバルブユニット19に近い上流側で分岐した部分に、ブリーザパイプ22の一端が接続されている。なお、ブリーザパイプ22の他端は、給油口に接続されている。
加えて、エバポ配管18には、図2に示すように、ブリーザパイプ22の接続部分よりもキャニスタ側に、エバポ配管18の内部空間を閉塞した閉塞状態と、閉塞状態を開放した連通状態とに切換えるバルブユニット23を備えている。
また、燃料タンク13に装着されたフロートバルブユニット19は、図3及び図4に示すように、平面視略円形状に形成された天板部19aと、燃料タンク13の内部に配設されるとともに、燃料の液面変化に応じて開閉するフロートバルブ部19bとで構成されている。なお、フロートバルブユニット19は、燃料タンク13の上面(後述する燃料タンク本体40の上面部420)に、天板部19aが当接した状態で、燃料タンク13に装着固定されている。
引き続き、燃料タンク13について、詳しく説明する。
燃料タンク13は、図5及び図6に示すように、インレットパイプ17、及びエバポ配管18が接続されたステンレス製の燃料タンク本体40と、燃料タンク本体40の膨張変形を抑制する変形抑制部材50とで構成されている。
燃料タンク本体40は、図3及び図4に示すように、略密閉された内部中空の略ボックス形状であって、平面視において、車両前方側に対して車両後方側の方が幅狭となる形状に形成されている。なお、燃料タンク本体40の内部には、図4に示すように、発電用内燃機関12に燃料を供給する燃料ポンプユニット24が配設されている。
より詳しくは、燃料タンク本体40は、図4から図6に示すように、燃料タンク13の上部をなすタンク本体上部41と、燃料タンク本体40の下部をなすタンク本体下部42とを、車両上下方向で接合して、内部中空形状に形成されている。
タンク本体上部41は、図4から図6に示すように、車両下方が開口した略ボックス状の上部本体411と、上部本体411の下端から延設された略平板状の第1上側平板部412、第2上側平板部413、及び第3上側平板部414と、上部本体411の下端からフランジ状に突設された上側フランジ部415とで一体形成されている。
上部本体411は、図3から図6に示すように、バッテリケースフレーム32に載置固定された状態において、燃料タンク本体40の前面上部をなす前面上部416、右側面上部をなす右側面上部417、左側面上部をなす左側面上部418、後面上部をなす後面上部419、及び上面をなす上面部420とで、車両下方が開口した略ボックス状に形成されている。
上部本体411の前面上部416は、図3及び図5に示すように、車両右側に対して車両左側が車両前方へ膨出した形状に形成されている。
上部本体411の右側面上部417は、図3及び図5に示すように、前端縁に対して後端縁が車両左側に位置するように僅かに傾斜した形状に形成されている。
上部本体411の左側面上部418は、図3及び図5に示すように、前端縁に対して後端縁が車両右側に位置するように傾斜した形状に形成されている。なお、左側面上部418は、平面視における傾斜角度が、平面視における右側面上部417の傾斜角度よりも大きい角度で傾斜した形状に形成されているものとする。
上部本体411の後面上部419は、図3に示すように、車両右側に対して車両左側が車両後方へ膨出した形状に形成されている。さらに、後面上部419には、図6に示すように、インレットパイプ17が接続されるパイプ接続部43が装着固定されている。
上部本体411の上面部420には、図4及び図5に示すように、フロートバルブユニット19、及び燃料ポンプユニット24が挿入される平面視略円形状のユニット挿入口420aが開口形成されている。なお、ユニット挿入口420aは、図7に示すように、ユニット挿入口420aよりも大径に形成されたフロートバルブユニット19の天板部19aによって閉塞されている。
さらに、上面部420には、図4及び図7に示すように、ユニット挿入口420aの直径よりも大きい内径で、車両下方へ凹設された平面視略円環状の凹溝部420bが、ユニット挿入口420aと略同心円状に形成されている。
第1上側平板部412は、図3及び図5に示すように、車両上下方向に厚みを有する略平板状であって、前面上部416における車両右側下端から車両前方へ向けて延設されている。
第2上側平板部413は、図3及び図5に示すように、車両上下方向に厚みを有する略平板状であって、前面上部416における車両左側下端から車両前方へ向けて延設されている。
第3上側平板部414は、図4、図6、及び図8に示すように、車両上下方向に厚みを有する略平板状であって、後面上部419における車幅方向略中央から車両後方へ向けて延設されている。この第3上側平板部414は、図3に示すように、平面視において、ユニット挿入口420aを挟んで第1上側平板部412と略対向する位置に形成されている。
上側フランジ部415は、図3から図6に示すように、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ向けて、上部本体411の下端から突設するとともに、第1上側平板部412、第2上側平板部413、及び第3上側平板部414を連結するフランジ状に形成されている。
換言すると、タンク本体上部41には、燃料タンク本体40の内外方向における外方へ一体的に延設された第1上側平板部412、第2上側平板部413、第3上側平板部414、及び上側フランジ部415によって、上部本体411の下端に沿ったフランジ部が形成されている。
一方、タンク本体下部42は、図4から図6に示すように、車両上方が開口した略ボックス状の下部本体421と、下部本体421の上端から延設された略平板状の第1下側平板部422、第2下側平板部423、及び第3下側平板部424と、下部本体421の上端からフランジ状に突設された下側フランジ部425とで一体形成されている。
下部本体421は、図3から図6に示すように、バッテリケースフレーム32に載置固定された状態において、燃料タンク本体40の前面下部をなす前面下部426、右側面下部をなす右側面下部427、左側面下部をなす左側面下部428、後面下部をなす後面下部429、及び底面をなす底面部430とで、車両上方が開口した略ボックス状に形成されている。
下部本体421の前面下部426は、図4に示すように、上端縁に対して下端縁が車両後方に位置する形状に形成されている。
下部本体421の右側面下部427は、図5及び図6に示すように、上端縁に対して下端縁が車両左側に位置するように傾斜した形状に形成されている。
下部本体421の左側面下部428は、図5及び図6に示すように、上端縁に対して下端縁が車両右側に位置するように僅かに傾斜した形状に形成されている。
下部本体421の後面下部429は、図6に示すように、上端縁に対して下端縁が幅狭の背面視略逆台形状に形成されている。
下部本体421の底面部430は、図4及び図6に示すように、車両上下方向に厚みを有する略平板状に形成されている。この底面部430には、図6に示すように、バッテリケースフレーム32に載置固定された状態において、パネル部材34との間に介在する3つのクッション材44が貼付されている。
第1下側平板部422は、図3から図6に示すように、前面下部426における車両右側上端から車両前方へ向けて延設されている。この第1下側平板部422は、平面視において、タンク本体上部41の第1上側平板部412と略同等の大きさで、かつ第1上側平板部412に対して車両下方から当接可能な略平板状に形成されている。
第2下側平板部423は、図3から図6に示すように、前面下部426における車両左側上端から車両前方へ向けて延設されている。この第2下側平板部423は、平面視において、タンク本体上部41の第2上側平板部413と略同等の大きさで、かつ第2上側平板部413に対して車両下方から当接可能な略平板状に形成されている。
第3下側平板部424は、図4、図6、及び図8に示すように、後面下部429における車幅方向略中央から車両後方へ向けて延設されている。この第3下側平板部424は、平面視において、タンク本体上部41の第3上側平板部414と略同等の大きさで、かつ第3上側平板部414に対して車両下方から当接可能な略平板状に形成されている。
下側フランジ部425は、図3から図6に示すように、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ向けて、下部本体421の上端から突設するとともに、第1下側平板部422、第2下側平板部423、及び第3下側平板部424を連結するフランジ状に形成されている。
なお、下側フランジ部425は、平面視において、タンク本体上部41の上側フランジ部415と略同等の大きさで、かつ上側フランジ部415に対して車両下方から当接可能な形状に形成されている。
換言すると、タンク本体下部42には、燃料タンク本体40の内外方向における外方へ一体的に延設された第1下側平板部422、第2下側平板部423、第3下側平板部424、及び下側フランジ部425によって、下部本体421の下端に沿ったフランジ部が形成されている。
そして、上述した構成のタンク本体上部41とタンク本体下部42とを接合することで、燃料タンク本体40は、一方の車体側固定部36に締結固定される第1被固定部45と、他方の車体側固定部36に締結固定される第2被固定部46と、車体側固定部35に締結固定される第3被固定部47と、燃料タンク本体40の外周に沿った略環状のフランジ部48とを形成している。
第1被固定部45は、図3から図6、及び図8に示すように、タンク本体上部41の第1上側平板部412と、タンク本体下部42の第1下側平板部422との接合部分で構成されている。なお、第1被固定部45には、一方の車体側固定部36に螺合する締結ボルトH1を挿通するボルト挿通孔45aが開口形成されている。
第2被固定部46は、タンク本体上部41の第2上側平板部413と、タンク本体下部42の第2下側平板部423との接合部分で構成されている。なお、第2被固定部46には、他方の車体側固定部36に螺合する締結ボルトH2を挿通するボルト挿通孔46aが開口形成されている。
第3被固定部47は、タンク本体上部41の第3上側平板部414と、タンク本体下部42の第3下側平板部424との接合部分で構成されている。なお、第3被固定部47には、車体側固定部35に螺合する締結ボルトH3を挿通するボルト挿通孔47aが開口形成されている。
フランジ部48は、図3から図6、及び図7に示すように、タンク本体上部41の上側フランジ部415、及びタンク本体下部42の下側フランジ部425の接合部分と、第1被固定部45、第2被固定部46、及び第3被固定部47とで構成されている。つまり、フランジ部48は、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ向けて突設されるとともに、燃料タンク本体40の外周に沿った略環状に形成されている。
また、変形抑制部材50は、図3及び図4に示すように、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47を介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部35,36に締結固定されている。
より詳しくは、変形抑制部材50は、図3及び図9に示すように、燃料タンク本体40の上面部420に当接する平面視略円環状の環状当接部51と、燃料タンク本体40と環状当接部51とを連結する一対の連結脚部52とで構成されている。なお、一対の連結脚部52は、図3に示すように、燃料タンク本体40に載置された状態において、ユニット挿入口420aを挟んで略対向する位置に配設されている。
環状当接部51は、図4、図7、及び図9に示すように、フロートバルブユニット19の天板部19aの外径よりも大きい内径と、凹溝部420bの外径よりも僅かに小さい外径とを有するとともに、内径側に対して外径側が車両下方に位置する平面視略円環状に形成されている。
より詳しくは、環状当接部51は、図7及び図9に示すように、燃料タンク本体40の上面部420と対向する内側平板部分51aと、内側平板部分51aから燃料タンク本体40の凹溝部420bへ向けて延設された傾斜部分51bと、凹溝部420bに当接する平面視略円環状の平板である外側平板部分51cとで一体形成されている。
一対の連結脚部52は、図3及び図9に示すように、燃料タンク本体40の第1被固定部45を介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部36に締結固定される連結脚部52と、燃料タンク本体40の第3被固定部47を介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部35に連結される連結脚部52とで構成されている。
なお、一対の連結脚部52は、連結脚部52が締結される部位が異なる点を除いて同一構成のため、同じ符号を付して説明する。
連結脚部52は、燃料タンク本体40を介してバッテリケースフレーム32に締結固定される平板状の被締結部53と、環状当接部51及び被締結部53を連結する脚部本体54と、脚部本体54を補強する補強部55とで構成されている。
被締結部53は、図8及び図9に示すように、上下方向に所定の厚みを有する平板部分53aと、平板部分53aの両端から車両上方へ突出するように湾曲した略円弧状の円弧部分53bとで一体形成されている。
この被締結部53の平板部分53aには、締結ボルトH1または締結ボルトH3が挿通されるボルト挿通孔53cが開口形成されている。
被締結部53の円弧部分53bは、後述する脚部本体54の直径と略同じ内径の略円弧状に形成されるとともに、脚部本体54(後述する脚部本体54の下端部54e)に接合されている。
脚部本体54は、図4及び図9に示すように、所定の外径を有するとともに、弾性を有する線状体を折り曲げて、側面視略鉤爪形状に形成されている。
具体的には、脚部本体54は、図4、図7、及び図9に示すように、外側平板部分51cに接合される接合部分54aと、接合部分54aの両端からそれぞれ環状当接部51の径方向外側かつ車両上方へ延設された一対の傾斜延設部分54bと、傾斜延設部分54bから環状当接部51の径方向外側へ略水平に延設された一対の水平延設部分54cと、水平延設部分54cから略車両下方へ向けて延設された一対の上下延設部分54dと、上下延設部分54dから環状当接部51の径方向外側へ向けて延設された一対の下端部54eとで一体形成されている。
この脚部本体54は、図4及び図7に示すように、燃料タンク本体40を介してバッテリケースフレーム32に締結固定された状態において、車両1の車室と車外とを隔てる床面構成部材であるクロスメンバ61やフロアパネル62に、水平延設部分54cが近接する車両上下方向の長さで、かつ燃料タンク13の上面部420に環状当接部51を載置しただけの状態において、燃料タンク本体40と被締結部53との間に僅かな隙間が生じる車両上下方向の長さで形成されている。
補強部55は、図9に示すように、ボルト挿通孔53cがない点を除けば、被締結部53と略同じ形状に形成されている。この補強部55は、脚部本体54における一対の上下延設部分54dを連結するように接合されている。
次に、上述した構成の変形抑制部材50を、燃料タンク本体40を介して、バッテリケースフレーム32に締結固定する工程について簡単に説明する。
まず、バッテリケースフレーム32の所定位置に燃料タンク本体40が載置された状態において、燃料タンク本体40の上面部420における凹溝部420bに、変形抑制部材50の環状当接部51を載置する。
この際、変形抑制部材50の一対の被締結部53が、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47と対向するように、燃料タンク本体40に載置する。この状態において、変形抑制部材50は、一対の被締結部53が、第1被固定部45、及び第3被固定部47から車両上方に僅かに離間した状態で、燃料タンク本体40に載置される。
その後、締結ボルトH1を、変形抑制部材50における前方側のボルト挿通孔53c、及び燃料タンク本体40のボルト挿通孔45aを介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部36に螺合し、締結ボルトH2を、燃料タンク本体40のボルト挿通孔46aを介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部36に螺合する。さらに、締結ボルトH3を、変形抑制部材50における後方側のボルト挿通孔53c、及び燃料タンク本体40のボルト挿通孔47aを介して、バッテリケースフレーム32の車体側固定部35に螺合する。
そして、締結ボルトH1,H2,H3の締付けを開始すると、締結ボルトH1,H3の締付け力上昇に応じて、変形抑制部材50は、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47に一対の被締結部53が近接するとともに、脚部本体54が弾性変形を開始する。
この際、変形抑制部材50の補強部55が水平方向への弾性変形を制限するため、変形抑制部材50の脚部本体54は、その折り曲げ部分を回動中心として車両上方へ向けて回動するように弾性変形する。これにより、変形抑制部材50の環状当接部51には、脚部本体54の弾性力が車両下方へ向けて作用する。このため、締結ボルトH1,H3の締付け力上昇に応じて、変形抑制部材50の環状当接部51が、燃料タンク13の凹溝部420bを押圧開始する。
そして、締結ボルトH1,H2,H3の締付けが完了すると、変形抑制部材50は、燃料タンク本体40を介してバッテリケースフレーム32に締結固定される。一方、燃料タンク本体40は、変形抑制部材50によって、上面部420が車両下方へ向けて僅かに押圧された状態で、バッテリケースフレーム32に載置固定される。
以上のような構成の燃料タンク13の車両用燃料タンク構造は、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形を安定して抑制することができる。
具体的には、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47を介して、変形抑制部材50がバッテリケースフレーム32に締結固定されるため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、燃料タンク本体40の上面部420を膨張させる荷重を、変形抑制部材50を介して車体に伝達することができる。
さらに、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材50及び燃料タンク本体40がバッテリケースフレーム32に締結固定された状態において、燃料タンク本体40における第1被固定部45の剛性、及び第3被固定部47の剛性を、変形抑制部材50によって向上することができる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の上面部420を膨張させる荷重によって、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47が変形することを防止できる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、燃料タンク本体40の上面部420を膨張させる荷重によって、燃料タンク本体40の上面部420に対する変形抑制部材50の環状当接部51の相対位置が変動することを抑制できる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の上面部420の膨張を、変形抑制部材50で安定して抑えることができる。
従って、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47を介して車体側固定部35,36に締結固定された変形抑制部材50によって、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形を安定して抑制することができる。
また、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47が、燃料タンク本体40の上面部420から、燃料タンク本体40の底面部430側へ所定間隔だけ離間した位置に形成され、変形抑制部材50の連結脚部52が、弾性を有する線状体で形成されたことにより、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形をより安定して抑制することができる。
具体的には、変形抑制部材50の連結脚部52が線状体で形成されているため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、燃料タンク本体40の上面部420の膨張を、変形抑制部材50の弾性力によって抑制することができる。
さらに、連結脚部52の弾性力に抗して、変形抑制部材50を車体側固定部35,36に締結固定するため、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材50及び燃料タンク本体40をバッテリケースフレーム32に締結固定した状態において、燃料タンク本体40の上面部420を安定した荷重で押圧することができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の上面部420が容易に膨張することをより確実に抑制できる。
従って、車両用燃料タンク構造は、線状体で形成された連結脚部52によって、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形をより安定して抑制することができる。
また、連結脚部52が、燃料タンク本体40を介して、車体側固定部35,36に締結固定される被締結部53と、被締結部53、及び環状当接部51を連結する脚部本体54とで構成され、脚部本体54が、線状体で構成されたことにより、車両用燃料タンク構造は、変形抑制部材50による重量増加を抑えることができる。さらに、弾性を有する線状体で脚部本体54が構成されているため、車両用燃料タンク構造は、重量増加を抑えて、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形をより安定して抑制することができる。
また、変形抑制部材50の環状当接部51が、上下方向から見てユニット挿入口420aに沿った略環状形状に形成されたことにより、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇に対して脆弱なユニット挿入口420a近傍の変形を安定して抑制することができる。このため、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇に対して脆弱な燃料タンク本体40の上面部420の変形を、より安定して抑制することができる。
また、変形抑制部材50の連結脚部52が、バッテリケースフレーム32の車体側固定部35,36に締結固定された状態において、燃料タンク本体40の上面部420よりも上方に突出するとともに、クロスメンバ61、及びフロアパネル62に近接する上端を有する形状に形成されたことにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の変形抑制と、燃料タンク本体40の保護とを両立することができる。
具体的には、燃料タンク本体40の上面部420よりも上方に変形抑制部材50の上端が位置するため、例えば、衝突物との衝突によってクロスメンバ61やフロアパネル62が変形した際、車両用燃料タンク構造は、クロスメンバ61やフロアパネル62と燃料タンク本体40とが接触する前に、クロスメンバ61やフロアパネル62と変形抑制部材50とを接触させることができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、車体からの衝突荷重を、変形抑制部材50を介して車体側固定部35,36に伝達させることができる。このため、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40に意図しない荷重が作用することを防止できる。
従って、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の上面部420よりも上方へ突出した上端を有する変形抑制部材50により、燃料タンク本体40の変形抑制と、燃料タンク本体40の保護とを両立することができる。
また、燃料タンク本体40の第1被固定部45、及び第3被固定部47が、上下方向から見た燃料タンク本体40の略中央を挟んで略対向する位置に形成され、変形抑制部材50が、略対向する位置に形成された第1被固定部45、及び第3被固定部47に締結固定されたことにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、燃料タンク本体の上面部420を膨張させる荷重を、より安定してバッテリケースフレーム32に伝達することができる。これにより、車両用燃料タンク構造は、内圧上昇よる燃料タンク本体40の変形をさらに安定して抑制することができる。
また、燃料タンク本体40が、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ突設されたフランジ部48を備え、フランジ部48が、燃料タンク本体40の外周に沿った略環状に形成されたことにより、車両用燃料タンク構造は、上下方向への燃料タンク本体40の変形と、水平方向への燃料タンク本体40の変形とを両立して抑制することができる。
具体的には、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ突設されたフランジ部48により、車両用燃料タンク構造は、フランジ部48を設けた燃料タンク本体40の面の面剛性を向上することができる。さらに、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40を膨張させる荷重を、比較的剛性の高いフランジ部48を介して分散させることができる。
これにより、車両用燃料タンク構造は、燃料タンク本体40の内圧が上昇した際、水平方向における燃料タンク本体40の面の膨張を抑制することができる。
従って、車両用燃料タンク構造は、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方へ突設された燃料タンク本体40のフランジ部48と、変形抑制部材50とによって、上下方向への燃料タンク本体40の変形と、水平方向への燃料タンク本体40の変形とを両立して抑制することができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の燃料タンクは、実施形態の燃料タンク本体40に対応し、
以下同様に、
車体は、バッテリケースフレーム32に対応し、
被固定部、及び略対向する位置に形成された被固定部は、第1被固定部45、及び第3被固定部47に対応し、
燃料タンクの一方の面は、燃料タンク本体40の上面部420に対応し、
当接部は、環状当接部51に対応し、
燃料タンクの他方の面は、燃料タンク本体40の底面部430に対応し、
被締結部分は、一対の被締結部53に対応し、
脚部本体部分は、脚部本体54に対応し、
ポンプ挿入口は、ユニット挿入口420aに対応し、
燃料タンクよりも上方に位置する車体は、クロスメンバ61、及びフロアパネル62に対応し、
交差方向は、水平方向に沿った燃料タンク本体40の内外方向における外方に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述した実施形態において、ステンレス製の燃料タンク本体40としたが、これに限定せず、合成樹脂製の燃料タンク本体としてもよい。
また、一対の連結脚部52を有する変形抑制部材50としたが、これに限定せず、3つ以上の連結脚部を有する変形抑制部材としてもよい。
また、燃料タンク本体40の上面部420に当接する変形抑制部材50を備えた車両用燃料タンク構造としたが、これに限定せず、例えば、燃料タンク本体を車体に吊り下げる構成とし、燃料タンク本体の底面部に当接する環状当接部を有する変形抑制部材を備えた車両用燃料タンク構造としてもよい。あるいは、燃料タンク本体の上面部に当接する環状当接部を有する変形抑制部材と、燃料タンク本体の底面部に当接する環状当接部を有する変形抑制部材とを備えた車両用燃料タンク構造としてもよい。
また、燃料タンク13の上面部420に環状当接部51を載置しただけの状態において、燃料タンク本体40と被締結部53との間に僅かな隙間が生じる車両上下方向の長さで、変形抑制部材50の脚部本体54を形成したが、これに限定せず、燃料タンク13の上面部420に環状当接部51を載置しただけの状態において、燃料タンク本体40と被締結部53とが当接する車両上下方向の長さで、変形抑制部材50の脚部本体54を形成してもよい。
また、変形抑制部材50の脚部本体54を、弾性を有する線状体で形成したが、これに限定せず、弾性を有する弾性部材であれば、線状体でなくとものよい。あるいは、弾性を有さない脚部本体としてもよい。
また、環状当接部51と連結脚部52とが接合された変形抑制部材50としたが、これに限定せず、環状当接部と連結脚部とが接合されていない変形抑制部材、あるいは環状当接部に対して連結脚部が回動可能に連結された変形抑制部材としてもよい。
また、変形抑制部材50の環状当接部51を、ユニット挿入口420aに沿った略円環状に形成したが、これに限定せず、燃料タンク13の上面部420に当接可能であれば、適宜の形状としてもよい。例えば、平面視略C字状の環状体、平面視略矩形の環状体としてもよい。
1…車両
24…燃料ポンプユニット
32…バッテリケースフレーム
35…車体側固定部
36…車体側固定部
40…燃料タンク本体
45…第1被固定部
47…第3被固定部
48…フランジ部
50…変形抑制部材
51…環状当接部
52…連結脚部
53…被締結部
54…脚部本体
61…クロスメンバ
62…フロアパネル
420…上面部
420a…ユニット挿入口
430…底面部

Claims (7)

  1. 車両用の燃料を貯留する密閉型の燃料タンクと、
    車両の上下方向における前記燃料タンクの変形を抑制する変形抑制部材とを備えた車両用燃料タンク構造であって、
    前記燃料タンクが、
    前記車両の車体に設けた複数の車体側固定部に対して、前記上下方向に沿って締結固定される複数の被固定部を備え、
    前記変形抑制部材が、
    前記上下方向における前記燃料タンクの一方の面に当接する当接部と、
    該当接部に連結されるとともに、前記燃料タンクの前記被固定部を介して、前記車体側固定部に締結固定される一組の上下方向に延びる連結脚部とで構成された
    車両用燃料タンク構造。
  2. 前記燃料タンクの前記被固定部が、
    前記燃料タンクの一方の面から、前記燃料タンクの他方の面側へ所定間隔だけ離間した位置に形成され、
    前記変形抑制部材の前記連結脚部が、弾性を有する弾性部材で形成された
    請求項1に記載の車両用燃料タンク構造。
  3. 前記連結脚部が、
    前記燃料タンクの前記被固定部を介して、前記車体側固定部に締結固定される被締結部分と、
    該被締結部分、及び前記当接部を連結する脚部本体部分とで構成され、
    該脚部本体部分が、線状体で構成された
    請求項1または請求項2に記載の車両用燃料タンク構造。
  4. 前記燃料タンクにおける一方の面が、
    燃料ポンプユニットが挿入される開口であるポンプ挿入口を備え、
    前記変形抑制部材の前記当接部が、
    前記上下方向から見て前記ポンプ挿入口に沿った略環状形状に形成された
    請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の車両用燃料タンク構造。
  5. 前記燃料タンクの一方の面を、前記燃料タンクの上面として、
    前記変形抑制部材の前記連結脚部が、
    前記車体側固定部に締結固定された状態において、前記燃料タンクの上面よりも上方に突出するとともに、前記燃料タンクよりも上方に位置する車体に近接する上端を有する形状に形成された
    請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の車両用燃料タンク構造。
  6. 前記燃料タンクの前記複数の被固定部のうち、少なくとも一対の被固定部が、
    前記上下方向から見た前記燃料タンクの略中央を挟んで略対向する位置に形成され、
    前記変形抑制部材が、
    前記略対向する位置に形成された被固定部に締結固定された
    請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の車両用燃料タンク構造。
  7. 前記燃料タンクが、
    前記上下方向に対して交差する交差方向へ突設されたフランジ部を備え、
    該フランジ部が、
    前記燃料タンクの外周に沿った略環状に形成された
    請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の車両用燃料タンク構造。
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