<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図2及び図3参照)。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている(図3参照)。
<前扉枠14>
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
図1に示すように、ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれることとなる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具49が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具49は内枠13に対する施錠機構を構成する。
<内枠13>
次に、図2及び図3に基づき内枠13について詳細に説明する。内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース50を主体に構成されている。樹脂ベース50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース50は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース50が幕板の上に載ることとなる。
樹脂ベース50の前面における回動基端側には、その上端部及び下端部に支持金具51,52が取り付けられている。支持金具51,52には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース50の前面における回動先端側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具49を挿入するための挿入孔がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、図3に示すように、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置55が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具49が挿入孔を介して施錠装置55(詳しくは前扉用鉤受け部材)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置55は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材57を有している。これら内枠用鉤部材57が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース50の右下隅部には、施錠装置55の解錠操作を行うためのシリンダ錠58が設置されている。シリンダ錠58は施錠装置55に一体化されており、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠58の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置55が構成されている。
樹脂ベース50の中央部には略楕円形状の窓孔54が形成され、樹脂ベース50に装着された遊技盤60によって同窓孔54が後方から塞がれている。遊技盤60は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔54を通じて樹脂ベース50の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤60の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。なお、遊技盤60は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤60(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤60の正面図である。
<遊技盤60>
遊技盤60には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置65、スルーゲート66、可変表示ユニット67等がそれぞれ配設されている。一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置65への入球が発生すると、それが検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。
遊技盤60の最下部にはアウト口68が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口68を通って遊技領域PEから排出される。ここで、入球とは、所定の開口部位を遊技球が通過することを意味し、同開口部位を通過した後に遊技球が遊技領域PEから排出される態様だけでなく、開口部位を通過した後に遊技領域PEから排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口68への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口61、作動入球部62,63、可変入球装置65、スルーゲート66への入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤60には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘69が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘69や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口61等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット67は遊技盤60の中央に配されており、同可変表示ユニット67の周辺に上記作動入球部62,63等が配設されている。作動入球部62,63は、可変表示ユニット67の下方及び右方に配置されている。以下便宜上、下側の作動入球部を「下側作動入球部62」と称し、右側の作動入球部を「右側作動入球部63」と称する。
右側作動入球部(抽選契機入球部)63については特に、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物71が設けられている。電動役物71は、可動片71aと同可動片71aを駆動させるソレノイド式の駆動部71bとを有してなり、当該可動片71aを動作させることにより右側作動入球部63における入口部(右側作動口63a)への入球が可能又は容易となる開状態(サポート状態又は補助状態)と、同入球が不可又は上記開状態よりも困難となる閉状態(非サポート状態又は非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の側方となる領域(右ルート)であって、右側作動入球部63の上流側(詳しくは直上)となる位置には、上記スルーゲート66が配置されている。遊技球のスルーゲート66の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物71が予め設定された時間に亘って開状態となる。
右側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右側作動口63aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
スルーゲート66には遊技球が通過する球通路が形成されており、この通過経路を通過した遊技球は、釘69を配列して形成された誘導通路64を通じて右側作動入球部63へ到達する構成となっている。このようにして、右側作動入球部63への入球確率を高める工夫をすることにより、後述する高頻度サポートモード中は、投資を抑えながら(持ち球の減りを抑えながら)遊技を進めることができる。
右側作動入球部63にも遊技球が通過する球通路が形成されており、右側作動入球部63へ入賞しなかった遊技球は、右側作動入球部63を素通りして右側作動入球部63の下方に配置された可変入球装置65へ向けて流下することとなる。
可変入球装置(特別入球装置又は特別入球手段)65には、遊技盤60の背面側へと通じる大入賞口65aが形成され、当該大入賞口65aを開閉する開閉手段としての開閉機構が設けられている。当該開閉機構は、大入賞口65a用の開閉部材としての開閉扉65bを有してなる。開閉扉65bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態又は受入状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態又は非受入状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉65bは遊技盤60の背面側に設けられた可変入球駆動部65c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉65bが閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入球装置65の開放態様としては、例えば所定時間(本実施の形態においては0.06sec又は30sec)の経過又は所定個数(本実施の形態においては10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(本実施の形態においては4ラウンド又は8ラウンド)を上限として開閉扉65bの開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、各作動入球部62,63及び可変入球装置65の配置について補足説明する。
上記可変表示ユニット67の左側となる領域に向けて遊技球が発射された場合には、可変表示ユニット67の側方を通過した遊技球は遊技領域PEにおいて当該可変表示ユニット67の下側となる領域へと誘導される。この際、右側作動入球部63を素通りした遊技球は可変入球装置65へと流下し、当該可変入球装置65の大入賞口65aへ入球しなかった場合には、アウト口68を通じて遊技領域PE外に排出される。一方、上記下側作動入球部62については右ルートを流下した遊技球が到達不可となるように配置されている。
なお、可変入球装置65には、遊技球を遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の下側となる領域(詳しくは下側作動入球部62よりも下流側となる領域)へ向けて誘導する誘導部が形成されており、可変入球装置65を素通りした遊技球はアウト口68へ向けて流下することとなる。つまり、下側作動入球部62については、可変表示ユニット67の右側となる領域へ向けて発射された遊技球が到達不可となる位置に配置されている。故に、下側作動入球部62への入賞を狙う場合には、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域(左ルート)へ遊技球を発射する必要がある。
次に、可変表示ユニット67について説明する。可変表示ユニット67には、作動入球部62,63への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置75が設けられている。
図柄表示装置75は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示画面75aにおける表示内容が制御される。図柄表示装置75の表示画面75aには、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置75については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
また、可変表示ユニット67には、図柄表示装置75を囲むようにしてセンターフレーム76が配設されている。センターフレーム76は、遊技盤60に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤60の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム76と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置75に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット67(詳しくはセンターフレーム76)を右側から迂回する上記右ルートと、左側から迂回する左ルートに大別されている。
なお、上述した可変入球装置65、右側作動入球部63及びスルーゲート66については、右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球はそれら可変入球装置65、右側作動入球部63及びスルーゲート66に入賞することが回避される。一方、右ルートを流下する遊技球は下作動口83aに入賞することが回避される。このため、右側作動入球部63の電動役物71が高頻度サポートモードになっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には、右ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ遊技球を発射することで遊技を有利に進めることができる。つまり、遊技者は、遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することにより、遊技を有利に進めることが可能となる。
作動入球部62,63は、可変表示ユニット67寄りとなる位置に配置されている。作動入球部62,63への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動入球部62,63に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置75に注目するものと考えられる。作動入球部62,63を可変表示ユニット67寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット67周辺に集中させるための工夫である。
可変入球装置65の下方には、主表示ユニット81が配されている。主表示ユニット81は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤60の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット81の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット81の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。主表示ユニット81については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示ユニット81においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下側作動入球部62(下側作動口62a)への入賞に基づいた抽選結果を表示する右側作動入球部用表示部DRと、右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右側作動入球部用表示部DRとを有してなる。
右側作動入球部用表示部DRでは、下側作動入球部62への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下側作動入球部62への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下側作動入球部62への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、右側作動入球部用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右側作動入球部用表示部DRでは、右側作動入球部63への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右側作動入球部63への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右側作動入球部63への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右側作動入球部用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードに移行される。
ここで、いずれかの作動入球部62,63への入賞に基づいて、対応する作動入球部用表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部62,63への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
主表示ユニット81の主表示部Dには第1保留数表示部LS及び第2保留数表示部RSが設けられている。第1保留数表示部LSは、下側作動口62aに対応しており遊技球が下側作動口62aに入賞した回数は最大4回まで保留され第1保留数表示部LSの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。第2保留数表示部RSは、右側作動口63aに対応しており、遊技球が右側作動口63aに入賞した回数は最大4回まで保留され第2保留数表示部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
また、主表示ユニット81の主表示部Dには、スルーゲート66への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが設けられている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート66への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート66への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート66への入賞に基づく内部抽選(サポート抽選)の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右側作動入球部63に設けられた上記電動役物71が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート66を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット81の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,LS,RS,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,LS,RS,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
再び図2を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース50において遊技盤60の搭載領域の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ向けて遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース50に固定されることで樹脂ベース50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤60側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤60側、詳しくは遊技盤60に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。遊技球発射ハンドル41の操作量を調整することにより、遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の左側となる領域や同遊技領域PEにおいて可変表示ユニット67の右側となる領域への遊技球の打ち分けが可能となっている。
なお、遊技盤60において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100(図4参照)及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤60の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤60の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路46が配設されている。ファール球通路46は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路46内に入ることとなる。ファール球通路46は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路46に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有している。それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット45の受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路及び本体側下皿通路を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路又は本体側下皿通路に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図3に基づき内枠13(樹脂ベース50及び遊技盤60)の背面構成について説明する。
樹脂ベース50の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース50の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース50に対して遊技盤60が取り付けられている。ここで、遊技盤60の背面の構成を説明する。
遊技盤60の中央に配置される可変表示ユニット67には、当該可変表示ユニット67を背後から覆うようにして表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。そして、表示制御装置の後方には当該表示制御装置に重なるようにして報知・演出制御装置ユニット142が搭載されている。報知・演出制御装置ユニット142は、報知・演出制御装置610と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置610が装着されている。
報知・演出制御装置610は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤60の背面には、図3に示すように、可変表示ユニット67の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入球を検知する検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する回収通路が設けられている。これら回収通路は、それら入球部から遊技盤60の背面に沿って下っており、遊技球の落下経路を規定している。各回収通路は、同遊技盤60の下端付近にて合流しており、一般入賞口61等の入球部を通過した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤60の下部に集合することとなる。各回収通路の出口部分は、下方に開放されており、その先側(詳しくは遊技盤60の下方)には後述する排出通路が設けられている。回収通路により遊技盤60の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。なお、アウト口68も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口68を介して排出通路へ導出される。
検知機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口61等の各種入球部に対して個々に対応する検知センサが設けられている。これら各種検知センサは、上記一般入賞口61等の入球部に連なる各回収通路の途中位置に配置されており、同回収通路にて遊技球の落下経路が規定された状態にて遊技球の通過を検知する。より詳しくは、各検知センサは、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口61等の入球口への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各種検知センサは、遊技盤60の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置)に電気的に接続されており、それら検知センサにおける検知信号が同主制御装置に対して出力される構成となっている。以下、主制御装置ユニット160及びそれに付随する構成について説明する。
主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤60に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部は、基板ボックス163の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数の封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
<裏パックユニット15>
次に、図2及び図3に基づき裏パックユニット15について説明する。
図2に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図3に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット67を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピンが設けられており、掛止ピンを内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具が設けられており、当該締結具を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレールが連結され、タンクレールの下流側には上下方向に延びるケースレールが連結されている。ケースレールの最下流部には払出装置222が設けられている。払出装置222より払い出された遊技球は、当該払出装置222の下流側に設けられた払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部に供給される。
遊技球分配部は、払出装置222より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
図3に示すように、ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台を有し、同取付台に払出制御装置181と電源・発射制御装置191とが搭載されている。これら払出制御装置181と電源・発射制御装置191とは、払出制御装置181がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置181においては基板ボックス内に払出装置222を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチが基板ボックス外に突出している。例えば、払出装置222における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチが押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置191は、基板ボックス内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置191にはRAM消去スイッチが設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチを押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置181、各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置191が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、各種検知センサの一部として、一般入賞口61用の検知センサ151a、下側作動入球部62用の検知センサ151b、右側作動入球部63用の検知センサ151c、可変入球装置65用の検知センサ151d、スルーゲート66用の検知センサ151eが接続されており、これら各種検知センサ151a〜151eからの検知情報(検知信号)に基づき、主制御装置162のMPU602にて各入球部への入賞判定(入球判定)が実行される。また、MPU602では、下側作動入球部62(下側作動口62a)及び右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート66への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置181及び報知・演出制御装置610(詳しくは報知・演出制御基板611)が接続されている。払出制御装置181には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。そして、一般入賞口61への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、大入賞口65aへの入賞を特定した場合には15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下側作動口62aへの入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右側作動口63aへの入賞を特定した場合には4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置610には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア603aが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、右側作動入球部63に付随した電動役物71を駆動させる駆動部71b、可変入球装置65の開閉扉65bを駆動させる可変入球駆動部65c、主表示ユニット81の保留数表示部LS,RS,DHや各種入球部用表示部DL,DR,DS等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部等の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口65aが開閉されるように、MPU602において可変入球装置65における可変入球駆動部65cの駆動制御が実行される。また、右側作動入球部63の電動役物71の開放状態当選(サポート当選)となった場合には、電動役物71が開閉されるように、MPU602において駆動部71bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示ユニット81の主表示部Dにおける右側作動入球部用表示部DR又は右側作動入球部用表示部DRの表示制御が実行される。
さらには、MPU602の出力側には、外部端子板213が接続されている。外部端子板213には、状態移行に際して信号出力するための出力端子として、大当たり信号出力端子等が設けられている。MPU602は、遊技結果が大当たり結果となった場合には、遊技ホール側の管理制御装置に対して、大当たり信号出力端子を通じて大当たり信号を出力することができる。具体的には、通常時では、大当たり信号出力端子からLOWレベル信号が出力されており、大当たり結果となった場合にはHIレベル信号が出力される。なお、この信号の出力態様は逆でもよい。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置191とを中継し、また電源・発射制御装置191から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置181は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置222により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置191は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置181等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。
また、電源・発射制御装置191は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。より具体的には、電源・発射制御装置191には、遊技球発射ハンドル41に設けられた操作レベル検知センサとタッチセンサとが接続されている。操作レベル検知センサは、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)を検知するセンサであり、この操作レベル検知センサからの情報に基づいて遊技球発射機構110による遊技球の発射強度(発射速度)が決定されることとなる。タッチセンサは、遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れている場合に情報を出力する構成となっており、電源・発射制御装置191ではこの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れているか否かを把握することができる構成となっている。タッチセンサからの情報に基づいて遊技者が遊技球発射ハンドル41に触れていると判定し、且つ操作レベル検知センサにて遊技球発射ハンドル41が操作されていると判定した場合に遊技球の発射が許可されることとなる。
なお、タッチセンサからの情報は、電源・発射制御装置191を経由して、主制御装置162ひいては報知・演出制御装置610、表示制御装置620に送信されることとなる。
報知・演出制御装置610は、MPU612が搭載された報知・演出制御基板611を有してなり、MPU612には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM613、そのROM613内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM614などが内蔵されている。
報知・演出制御装置610は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置620を制御するものである。詳しくは、報知・演出制御装置610では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置75における図柄の変動表示態様及び最終的に停止表示させる図柄の停止表示態様(例えば図柄の組み合わせの種類)を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等を決定するとともに、その決定した内容を上記コマンドに付与して表示制御装置620に転送する。
表示制御装置620はMPU622が搭載された表示制御基板621を有してなり、MPU622には各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM623、そのROM623内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM624、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)、画像データが格納されたキャラクタROM、キャラクタROMから読み出した画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどが内蔵されている。MPU622では、報知・演出制御装置610から入力したコマンドに基づいて、可変表示ユニット67(詳しくは図柄表示装置75)の表示制御を実行する。
ここで、図6及び図7を参照して図柄表示装置75の表示内容について説明する。図6は図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示内容を説明するための説明図、図7は図柄表示装置75の表示画面75aにおいて表示される図柄を説明するための説明図である。
図6に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面75aでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。この場合、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている(図7参照)。
また、図6(b)に示すように、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、例えば同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
ここで、本実施の形態においては、以上詳述した通常表示モードと、後述する特殊遊技状態となった場合の特殊表示モードとが設定されており、特殊表示モードにおいては、図柄の変動表示領域が表示画面75aの隅部(右下部分)に縮小されるとともに、表示画面75aの中央ではキャラクタ等の画像が表示されることとなる。特殊表示モードにおける表示内容については後述する。
なお、図柄表示装置75における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
表示画面75aの下部、詳しくは個別に設定された上図柄列の変動表示領域と中図柄の変動表示領域と下図柄の変動表示領域とを有してなる変動表示領域MEの下方には、保留表示領域が設定されている。当該保留表示領域は、遊技球が下側作動口62aに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示された上作動口用の保留数表示領域Daと、遊技球が右側作動口63aに入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域が左右方向に並ぶようにして区画表示された下作動口用の保留数表示領域Dbとによって構成されている。
具体的には、遊技球が下側作動口62aに入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて下側作動口用の保留数表示領域Daには、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。また、遊技球が右側作動口63aに入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて右側作動口用の保留数表示領域Dbには、第1単位保留表示領域、第2単位保留表示領域、第3単位保留表示領域、第4単位保留表示領域が設定されている。
例えば、遊技球が下側作動口62aに入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が下側作動口62aに入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域〜第4単位保留表示領域の全てにおいて所定の保留用画像が表示される構成となっている。なお、図6(b)においては、下側作動口62aにおける保留個数が3個であり、右側作動口63aにおける保留個数が2個である場合について例示している。
<各種カウンタについて>
次に、図8を参照して上述の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。図8は当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち各種表示部DL,DR,DSにおける発光態様の設定)、図柄表示装置75の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置75にて外れ変動を実行する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット81の作動入球部用表示部DL,DR及び図柄表示装置75における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右側作動入球部63の電動役物71を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ604aに適宜格納される。RAM604には、下側作動入球部用保留エリアRaと、右側作動入球部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア604bが設けられている。そして、この保留球格納エリア604bに、下側作動入球部62又は右側作動入球部63への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部62又は右側作動入球部63に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動入球部62に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部63に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア603bに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、当否テーブルとしては、図9(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図9(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」,「307」,「508」の3個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/200となっている。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図9(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」の30個である。つまり「0〜599」の大当たり乱数カウンタC1の値のうち「5」,「7」,「36」・・・「572」、「598」が大当たり結果に対応しており、1度の抽選による実質的な大当たり確率が1/20となっている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。なお、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、外れとなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入球装置65の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の右側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモード、という3つの条件に差違が設定されている。これにより、大別して7つの大当たりが設定されている。以下、図10を適宜参照して、上記各条件について説明する。図10(a)は大入賞口の開放パターンを示す説明図、図10(b)は電動役物71によるサポートパターンを示す説明図である。
図10(a)に示すように、開閉実行モードにおける可変入球装置65の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入球装置65への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。
具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入球装置65の大入賞口65aの開閉が4回又は8回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口65aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、可変入球装置65の大入賞口65aの開閉が4回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.06sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口65aへの入賞個数が10個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、遊技球発射ハンドル41が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構110が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の下側大入賞口64aの開放時間は0.06secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口の開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しにくくなっている。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、1回の開放に対する開放制限時間(又は開放制限期間)及び1回の開放に対する開放制限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における大入賞口への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放制限時間が長い又は1回の開放に対する開放制限個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入球装置への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放制限個数との積を、開放制限時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口の開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入球部への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
図10(b)に示すように、右側作動入球部63の電動役物71におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右側作動入球部63の電動役物71が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選(サポート抽選)における電役開放状態当選(サポート当選)となる確率が異なっている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては低頻度サポートモードよりもサポート抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。より詳しくは、本実施の形態においては、高頻度サポートモード中にスルーゲート66への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は100%となっており、低頻度サポートモード中にスルーゲート66への入賞が発生した場合にサポート抽選に当選する確率は20%となっている。
また、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードにおいては、サポート抽選に当選した場合に電動役物71が開放状態となる回数が同じ(詳しくは3回)となるように設定されている一方、1回当たりの開放時間に差が設定されている。具体的には、高頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が5secとなるように設定されているのに対して低頻度サポートモードにおいては1回の開放時間が0.15secとなるように設定されている。
更には、高頻度サポートモードでは1回のサポート抽選が行われてから次のサポート抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が2secであるのに対して、低頻度サポートモードでは同確保時間が12secとなるように差が設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右側作動入球部63の右側作動口63aへの入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右側作動入球部63(右側作動口63a)よりも下側作動入球部62(下側作動口62a)への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下側作動入球部62(下側作動口62a)よりも右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えばサポート抽選に当選した場合の開放回数に差を設定してもよい。さらには、開放回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、下側作動入球部62(下側作動口62a)又は右側作動入球部63(右側作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動入球部62(下側作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部63(右側作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。
<遊技結果の振り分け>
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先(すなわち、当否抽選及び振分抽選による抽選結果)は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア603cに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図11を用いて説明する。図11に示すように、振分テーブルとしては、図11(a)の下側作動入球部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図11(b)の右側作動入球部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、図11(a)に示すように、遊技結果の振分先として、4R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果A(低確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果B(低確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果C(低確率対応遊技結果)、4R通常大当たり結果D(低確率対応遊技結果)が設定されている。
4R確変大当たり結果は、開閉実行モードとして高頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、次に大当たりに当選するまで継続されることとなる。
4R通常大当たり結果Aは、開閉実行モードとして高頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dは、開閉実行モードとして低頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、通常大当たり結果Bの場合には当該モード中に実行された遊技回が40回に到達するまで継続され、通常大当たり結果Cの場合には当該モード中に実行された遊技回が60回に到達するまで継続され、通常大当たり結果Dの場合には当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が4R確変大当たり結果に対応しており、「25〜34」が4R通常大当たり結果Aに対応しており、「35〜39」が4R通常大当たり結果Bに対応しており、「40〜44」が通常大当たり結果Cに対応しており、「45〜49」が通常大当たり結果Dに対応している。
一方、右側作動入球部用の振分テーブルでは、図11(b)に示すように、遊技結果の振分先として、8R確変大当たり結果(高確率対応遊技結果)、8R通常大当たり結果(低確率対応遊技結果)が設定されている。
8R確変大当たり結果は、開閉実行モードとして高頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、次に大当たりに当選するまで継続されることとなる。
8R通常大当たり結果は、開閉実行モードとして高頻度入賞モードが実行され、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。この高頻度サポートモードについては、当該モード中に実行された遊技回が100回に到達するまで継続される。
下側作動入球部用の振分テーブルでは、「0〜49」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜24」が8R確変大当たり結果に対応しており、「25〜49」が8R通常大当たり結果に対応している。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
本実施の形態においては右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が、下側作動入球部62(下側作動口62a)への入賞に基づいて大当たり当選となった場合に高頻度入賞モードとなる確率が高く設定されている。つまり、右側作動入球部63への入球の有利度が下側作動入球部62への入球の有利度よりも高く設定されている。
ここで、上記当否抽選及び振分抽選により各種大当たり結果となった場合に、図柄表示装置75の表示画面75aにて停止表示される図柄の組み合わせについて補足説明する。
既に説明したように、表示画面75aにおいては、上・中・下の3つの図柄列が設定されており、上図柄列及び下図柄列は「1」〜「9」の9種類の主図柄とそれら各主柄の間に配された副図柄とを有してなり、中図柄列は「0」〜「9」の10種類の主図柄とそれら各主図柄の間に配された副図柄とを有してなる。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、4R確変大当たり結果又は8R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図6参照)のうち1のライン上に停止表示され、その後に確変大当たりが発生した旨を明示する明示用画像が表示されるようになっている。
また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、4R通常大当たり結果A又は8R通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが上記有効ライン(図6参照)のうち1のライン上に停止表示され、その後に通常大当たりが発生した旨を明示する明示用画像が表示されるようになっている。
4R通常大当たり結果B〜Dとなる場合には、上図柄列と下図柄列とによって同一図柄の組み合わせが停止された状態にて、それら両図柄が待機している有効ラインと同一のライン上(後述するリーチライン上)に中図柄列における「0」図柄(オールマイティー図柄)が停止表示される。そして、低頻度入賞モードに対応する大当たり結果となった場合には、その大当たりの種別に関しては図柄表示装置75の表示画面75a上では明示されない構成となっている。
また、上述した主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにおいては、当否抽選の結果が明示される。当該作動入球部用表示部DL,DRにおいては上述した大当たりの種別に関しても区別して表示されるが、各作動入球部用表示部DL,DRにおいては同作動入球部用表示部DL,DRを構成している複数のLEDを個々に点灯/消灯させることにより、また発色パターンを様々に変化させることにより各大当たりに対応する絵柄が多様になっている。これにより、当該作動入球部用表示部DL,DRを目視で確認したとしても、大当たりの種別を識別することが困難となっている。
再び図8を参照し、リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が下側作動入球部62(下側作動口62a)又は右側作動入球部63(右側作動口63a)に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア604bに格納される。より詳しくは、下側作動入球部62(下側作動口62a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下側作動入球部用保留エリアRaに格納され、右側作動入球部63(右側作動口63a)に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の右側作動入球部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
但し、開閉実行モードに移行する遊技回(当否抽選に当選となる遊技回)においては、MPU602では、後述する特殊遊技状態を除いてリーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置75を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置75における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置75の表示画面75aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置75の表示画面75a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面75aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット81(主表示部D)の右側作動入球部用表示部DR及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置75における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、右側作動入球部用表示部DR及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置75による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート66に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア604cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって右側作動入球部63の電動役物71を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物71を開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物71を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、右側作動入球部用表示部DR及び右側作動入球部用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dが用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、右側作動入球部用表示部DR及び右側作動入球部用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eが用いられる。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサ例えば(上記検知センサ151a〜151e)の読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、下側作動口62aへの入球が発生したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに下側作動入球部用の入賞検知フラグを格納し、右側作動口63aへの入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア604eに右側作動入球部用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート66を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート66への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。そして、各種フラグ格納エリア604eにスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動入球部62,63(作動口62a,63a)への入賞に伴う作動入球部用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動入球部用の入賞処理>
ここで、図13及び図14のフローチャートを参照して作動入球部用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が下側作動入球部62(下側作動口62a)に入賞(始動入賞)したか否かをRAM604の各種フラグ格納エリア604eに下側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が下側作動入球部62(下側作動口62a)への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、ステップS202に進み、払出制御装置181に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS203では、下側作動入球部62(下側作動口62a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、下側作動入球部62(下側作動口62a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、ステップS204では、下側作動入球部用の保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、下側作動入球部用始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201にて遊技球が下側作動入球部62(下側作動口62a)に入賞していないと判定した場合にはステップS206に進む。ステップS206では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに右側作動入球部用の入賞検知フラグが格納されているか否かによって判定する。同入賞検知フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技球が右側作動入球部63への入賞が発生した旨の検知信号を受信した場合には、ステップS207に進み、払出制御装置181に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。なお、ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置181に送信される。
続くステップS208では、右側作動入球部63(右側作動口63a)に遊技球が入賞した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、右側作動入球部63(右側作動口63a)への入賞が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。
その後、ステップS209では、右側作動入球部用の保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、右側作動入球部用始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,S206の両処理にてそれぞれ否定判定をした場合、すなわち下側作動入球部62及び右側作動入球部63のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
ここで、図14を参照して、ステップS205の情報取得処理について説明する。
<情報取得処理>
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、下側作動入球部用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、下側作動入球部用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした下側作動入球部用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、右側作動入球部用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、右側作動入球部用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした右側作動入球部用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、下側作動入球部62又は右側作動入球部63への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるための処理である保留情報の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて報知・演出制御装置610に送信されることとなる。なお、ステップS305,S306の各処理についての詳細な説明は後述する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S407の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS409,S410のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS401では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置181に送信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の遊技回用の演出に対応したコマンドや開閉実行モード用の演出に対応したコマンドといった演出用のコマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置610に送信する。また、RAM604の外部出力バッファに設定されている情報に応じて、外部端子板213に対する出力設定を行う。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり等の当否判定及び大当たり種別の振分判定を行うとともに、図柄表示装置75による図柄の変動表示の設定、主表示ユニット81(主表示部D)における作動入球部用表示部DL,DRなどの表示制御などを行う。
その後、ステップS404では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS405では、右側作動入球部63に設けられた電動役物71を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリア604cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物71を開放状態とするか否かの電役開放抽選(サポート抽選)を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物71の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット81(主表示部D)におけるスルーゲート用表示部DSの表示制御を行う。
既に説明したとおり、電動役物71によるサポートの態様として、低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この場合、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物71が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物71の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
続くステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、遊技球発射ハンドル41に対して発射操作が行われていることに基づき電源・発射制御装置191から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS407では、RAM604に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS408にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS409では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS410では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS407にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS411以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS411では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS411にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS413にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
ここで、ステップS403の遊技回制御処理を図16〜図18のフローチャートを参照して説明する。
遊技回制御処理においては先ず、図16のフローチャートに示すように、ステップS501にて開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRが変動表示中であるか否かを判定する。作動入球部用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア604bに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS304にて下側作動入球部用保留エリアRa又は右側作動入球部用保留エリアRbに記憶されているデータに基づいて変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
<データ設定処理>
データ設定処理では、先ず下側作動入球部用保留エリアRa及び右側作動入球部用保留エリアRbに記憶された保留情報のうち最も古いものがどちらの保留エリアRa,Rbに格納されているかを判定する。そして、上述した最も古い保留情報が格納されている保留エリアを対象として、以下の処理を実行する。なお、以下の説明においては、先ず下側作動入球部用保留エリアRaが対象となった場合について説明し、その後、右側作動入球部用保留エリアRbが対象となった場合について説明する。
先ず下側作動入球部用保留エリアRaの始動保留球数RaN及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、当該下側作動入球部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、下側作動入球部用保留エリアRaの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610を経由し、表示制御装置620に送信される。表示制御装置620では、シフト時コマンドを受信することで、下側作動入球部用の保留数表示領域Daにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
一方、右側作動入球部用保留エリアRbが対象となった場合についても同様に、先ず右側作動入球部用保留エリアRbの始動保留球数RbN及び共通保留数CRNを1ディクリメントし、右下側作動入球部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、右側作動入球部用保留エリアRbの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続いて、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。このようにして設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610を経由し、表示制御装置620に送信される。表示制御装置620では、シフト時コマンドを受信することで、右側作動入球部用の保留数表示領域Dbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
以上詳述したデータ設定処理を行った後は、ステップS505にて主表示ユニット81(詳しくは主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DR)における変動表示及び図柄表示装置75における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
<変動開始処理>
次に、ステップS505の変動開始処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS601にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かによって判定する。高確率モードフラグは、開閉実行モード終了時に当該開閉実行モードの契機となった大当たり結果が確変大当たり結果である場合に各種フラグ格納エリア604eに格納され、次回の大当たりが発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードであると判定した場合には当否テーブル記憶エリア603bに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1にかかる数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS602では、ステップS601における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果であるか否かを判定する。大当たり当選に対応した結果である場合には、ステップS603にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握するとともに、今回の数値情報が下側作動入球部62への入球に基づくものであるかそれとも右側作動入球部への入球に基づくものであるかを判定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が下側作動入球部62への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち下側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、4R確変大当たり結果,4R通常大当たり結果A〜4R通常大当たり結果Dのうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報が右側作動入球部63への入球に基づいた数値情報である場合には、振分テーブル記憶エリア603cに記憶されている振分テーブルのうち右側作動入球部用の振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2にかかる数値情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。具体的には、8R確変大当たり結果,8R通常大当たり結果のうちいずれの大当たり結果に対応しているのかを特定する。
続くステップS604では、ステップS603における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS605にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS606にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS602にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS607にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS605〜ステップS607の各停止結果設定処理では、主表示部Dに最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア603eに記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS605及びステップS606では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU402にて特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納する。具体的には、ステップS605では確変大当たりフラグを格納し、ステップS606では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理を実行した後は、ステップS608にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
<変動表示時間の設定処理>
変動表示時間の設定処理では、図18のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて特殊遊技状態であるか否かを判定する。本実施の形態においては、4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dの何れかに当選している場合には、大当たり終了後に上記特殊遊技状態へと移行する。この特殊遊技状態においては、変動表示時間の設定態様が通常時とは異なる。ステップS702に示す特殊遊技状態下での変動表示時間の設定処理については後述する。
ステップS701にて否定判定をした場合には、ステップS703にて上記当否抽選に当選しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。
ステップS703にて否定判定をした場合、すなわち上記当否抽選の結果が外れ結果である場合には、ステップS704に進む。ステップS704では、今回の遊技回において図柄表示装置75にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS704にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS703及びステップS704の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS705に進み、ROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS706にてその変動表示時間情報をRAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が大当たり当選結果である場合又は同当否抽選の結果が外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行され得る構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチ表示とスーパーリーチ表示とが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ表示及びスーパーリーチ表示それぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS704にて否定判定をした場合には、ステップS707にて変動表示時間テーブル記憶エリア603dに記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS708にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留球数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、始動保留球数Nの数に依存しない構成としてもよく、始動保留球数Nの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図17)の説明に戻り、ステップS608にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS609にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS709にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部24〜26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部24〜26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置610では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいてその遊技回における図柄表示装置75での変動表示パターンを決定し、その決定した変動表示パターンが実行されるように、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま変動表示パターンを特定するための情報を付加して表示制御装置620に送信する。その後、ステップS610にて主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図16)の説明に戻り、主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRが変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図18)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRにて停止表示されるように当該作動入球部用表示部DL,DRを制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図19〜図22のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS801にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS802に進み、1の遊技回の下側作動入球部用表示部DL又は右側作動入球部用表示部DRにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了している場合には、より詳しくは変動表示が終了してから予め設定された停止表示期間が経過している場合には、ステップS803に進み、今回の遊技回の遊技結果(上記当否抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、4R確変大当たり結果対応フラグ、8R確変大当たり結果対応フラグ、4R通常大当たり結果A対応フラグ〜4R通常大当たり結果D対応フラグ、8R通常大当たり結果対応フラグの何れかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS804にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、先ず今回の開閉実行モードが8R対応の大当たり結果に対応するものであるか否かを判定する。
ステップS805にて肯定判定をした場合には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた開放数カウンタOCに「8」をセットする。一方、ステップS805にて否定判定をした場合には、開放数カウンタOCに「4」をセットする。開放数カウンタOCは、可変入球装置65(大入賞口65a)が開放された回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808に進み、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。具体的には、上記フラグが4R確変大当たり結果、8R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果A、8R通常大当たり結果のいずれかに対応するものであるかを判定する。今回のフラグがそれら各種フラグの何れかである場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞モードフラグをセットし、今回のフラグが上述したフラグに対応していない場合、すなわち上記フラグが4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dの何れかに対応するものである場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに低頻度入賞モードフラグをセットする。後述する大入賞口の開閉処理においては、これら低頻度入賞モードフラグ/高頻度入賞モードフラグに合わせて、大入賞口65a(可変入球装置65)の開閉態様を変化させる。
ステップS809又はステップS810の処理を実行した後は、ステップS811にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610及び表示制御装置620に送信される。報知・演出制御装置610では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置75における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は報知・演出制御装置610から表示制御装置620に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置620では、主制御装置162から受信したオープニングコマンドや報知・演出制御装置610から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示、例えば大当たりに対応する表示内容としてのキャラクタ等の動画表示、背景画像等の切り替えがなされるように図柄表示装置75の表示制御を実行する。
ここで、図20のフローチャートを参照して、オープニングコマンド設定処理について説明する。
<オープニングコマンド設定処理>
オープニングコマンド設定処理においては先ず、ステップS901にて今回の開閉実行モードが4R確変大当たり結果及び8R確変大当たり結果の何れかであるか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS902に進み、第1種オープニングコマンドを設定する。この第1種オープニングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては可変入球装置65へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等が表示されるとともに高確率状態への移行が確定した旨が報知される。
ステップS901にて否定判定をした場合にはステップS903に進み、今回の開閉実行モードが4R通常大当たり結果A及び8R通常大当たり結果の何れかであるか否かを判定する。ステップS903にて肯定判定をした場合にはステップS904に進み、第2種オープニングコマンドを設定する。この第2種オープニングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては可変入球装置65へ向けた遊技球の発射を促すメッセージ等が表示されるとともに高頻度サポートモードへの移行が確定した旨が報知される。
ステップS903にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードが4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dの何れかである場合には、ステップS905に進み、第3種オープニングコマンドを設定する。
本実施の形態における表示画面75aにおいては、遊技状態が遊技者にとって有利であるか否かを示唆する手段として、背景画像の切り替えを行うことにより滞在ステージを移行させる構成が採用されている。当該滞在ステージとしては、遊技状態が低確率モード且つ低頻度サポートモードである可能性が高いことを示唆する通常ステージと、高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の継続ステージと、遊技状態が高頻度サポートモードであり、擬似的に当選確率が多段階となるように設定された特殊高確ステージと、当該特殊高確ステージへ移行する前段階であることを示唆する前兆ステージと設定されている。上記第3種オープニングコマンドを受信した場合には、表示画面75aにおける開閉実行モードのオープニングにて高確ステージへの昇格を示す演出として通常ステージ→前兆ステージ→特殊高確ステージへの移行が行われることとなる。特殊高確ステージには有利度の異なる複数のステージが存在しており、前兆ステージ中にはどの特殊高確ステージへ移行するかが示唆されることとなる。
再び遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS811の処理を実行した後はステップS812にて外部信号設定処理を実行し、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS812の外部信号設定処理では、RAM604に、上記各種大当たり対応フラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に大当たりが発生した旨を示す信号が出力するための準備がなされ、当該信号については通常処理(図15)のステップS401にて管理制御装置へ送信されることとなる。管理制御装置においては、この信号に基づいて、パチンコ機10にて開閉実行モードへ移行したことを把握することができる。
ステップS801の説明に戻り、当該ステップS801にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS813に進む。ステップS813では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS814にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
<大入賞口開閉処理>
大入賞口開閉処理においては先ず、ステップS1001にて大入賞口65aが開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入球装置65における可変入球駆動部65cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口65aが開放中でない場合には、ステップS1002にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1003にて開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCは、大入賞口65aの開放期間又はインターバル期間を把握する際に参照されるカウンタであり、タイマ割込み処理(図12)が実行される度にその値が「1」づつ減算される。
開放数カウンタOCの値が「0」である場合又は開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、開放数カウンタOCの値が「0」でなく且つ開放タイマカウンタTCの値が「0」である場合には、ステップS1005に進み、可変入球装置65における大入賞口65aの開放処理を実行する。具体的には、大入賞口65aを開放すべく可変入球駆動部65cを駆動状態とする。その後、可変入球装置65対応の閉鎖条件の設定処理(開放時用設定処理)として、ステップS1005〜S1008の処理を実行する。
すなわち、ステップS1005にて今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否か、すなわち4R確変大当たり結果,8R確変大当たり結果,4R通常大当たり結果A,8R通常大当たり結果の何れかに対応しているか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度入賞モードフラグ/低頻度入賞モードフラグの何れがセットされているかに基づいてステップS1005の判定を行う。
ステップS1005にて肯定判定をした場合にはステップS1006にて開放タイマカウンタTCに「15000」(30secに相当)をセットし、入賞カウンタPCに「10」をセットする。一方、ステップS1005にて否定判定をした場合には、開放タイマカウンタTCに「30」(0.06secに相当)をセットし、入賞カウンタPCに「10」をセットする。
その後、ステップS1009にて開放コマンド10を設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。報知・演出制御装置610では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて大入賞口65aが開放中であると判定した場合にはステップS1010に進み、開放タイマカウンタTCの値が「0」か否かを判定する。開放タイマカウンタTCの値が「0」でない場合にはステップS1011に進み、大入賞口65aに遊技球が入賞したか否かを可変入球装置65に対応した検知センサ151dからの検知信号に基づいて判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
一方、入賞が発生している場合には、ステップS1012にて入賞コマンドの出力処理を実行する。当該入賞コマンドは、報知・演出制御装置610に出力され、当該入賞コマンドによって図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される開閉実行モード中の演出が変化する構成となっている。
ステップS1012にてコマンドの出力処理を実行した後は、ステップS1013に進む。ステップS1013では入賞カウンタPCの値を1ディクリメントし、続くステップS1014にて入賞カウンタPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1014にて肯定判定をした場合、すなわち入賞カウンタPCの値が「0」である場合、又はステップS1012にて肯定判定をした場合(すなわち開放タイマカウンタTCの値が「0」であると判定した場合)には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。この場合にはステップS1015にて大入賞口65aを閉鎖すべく可変入球駆動部65cを非駆動状態とする。
続くステップS1016では開放数カウンタOCの更新処理を実行する。具体的には、開放数カウンタOCの値が「0」でない場合には同開放数カウンタOCを1ディクリメントするとともに開放数カウンタOCの値が「0」である場合には同開放数カウンタOCの値を「0」のまま維持する。その後、ステップS1017にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合にはステップS1018にて今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードに対応しているか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、ステップS1019にて開放タイマカウンタTCに「1000」(2secに相当)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、ステップS1020にて開放タイマカウンタTCに「250」(0.5secに相当)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口65aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードにおいて大入賞口65aが閉鎖されている時間よりも短く設定されている。
なお、高頻度入賞モードに対応する開閉実行モードと低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードとでは、前者の方が開放状態となっている時間及び閉鎖状態となっている時間が長く設定されており、高頻度入賞モードに対応した開閉実行モードの実行時間が低頻度入賞モードに対応した開閉実行モードの実行時間よりも長くなっている。
その後、ステップS1021にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。報知・演出制御装置610では、受信した閉鎖コマンドに基づいて当該閉鎖コマンドに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1017にて、開放数カウンタOCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1022にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM603に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。
その後、ステップS1023にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図14)におけるステップS401にて、報知・演出制御装置610に送信される。
本実施の形態におけるエンディングコマンドについては、上記オープニングコマンドと同様に、開閉実行モードへの移行時の状況等に応じて第1種エンディングコマンド〜第3種エンディングコマンドが設定されており、開閉実行モード後に移行する上記ステージ(背景画像等)がこれら各種コマンドに応じて確定表示される構成となっている。
具体的には、今回の開閉実行モードが4R確変大当たり結果及び8R確変大当たり結果の何れかに対応している場合には、第1種エンディングコマンドを設定する。この第1種エンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては滞在ステージの移行処理を終了する。詳しくは、継続ステージへの移行処理を完了する。
第1種エンディングコマンドの設定条件に外れた場合であって、今回の開閉実行モードが4R通常大当たり結果A及び8R通常大当たり結果に対応したものである場合には、第2種エンディングコマンドを設定する。この第2種エンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては滞在ステージの移行処理を終了する。具体的には100回の高頻度サポートモードが確定するチャンスステージへの移行処理を完了する。
第1種エンディングコマンド及び第2種エンディングコマンドの設定条件に外れた場合、すなわち今回の開閉実行モードが4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dのいずれかである場合には、第3種エンディングコマンドを設定する。この第3種エンディングコマンドに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおいては滞在ステージの移行処理を完了する。具体的には、前兆ステージから特殊高確ステージへの移行処理を完了する。
なお、報知・演出制御装置610のMPU612においては、第3種エンディングコマンドを受信した場合に、RAM614の各種フラグ格納エリア614aに特殊遊技状態用フラグを格納する。この特殊遊技状態用フラグが格納されている間は、図柄表示装置75の表示画面75aにて実行される各種表示演出が特殊遊技状態に対応するものに切り替ることとなるが、その内容については後述する。因みに、この特殊遊技状態用フラグは、高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ転落した場合に消去されることとなる。
遊技状態移行処理(図19)の説明に戻り、ステップS814にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS815にて開放数カウンタOCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS816にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。開放数カウンタOCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開放数カウンタOCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS817にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
既に説明したように本実施の形態においては、開閉実行モードを経て移行する遊技状態の有利度に差が生じることが特徴の1つとなっており、当該特徴にかかる構成によって遊技態様の多様化が図られている。以下、上記特徴にかかる構成について説明する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
以下、図22のフローチャートを参照して開閉実行モード終了時の移行処理(ステップS817)について説明する。
開閉実行モード終了時の移行処理においては先ず、ステップS1101にて今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が4R確変大当たり結果又は8R確変大当たり結果であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに4R確変大当たり結果又は8R確変大当たり結果の何れかに対応フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1101にて肯定判定をした場合にはステップS1102に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS1102の消去処理を実行した後はステップS1103,S1104に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS1103にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグをセットする。このようにしてセットされた高確率モードフラグに基づいて、その後の遊技回における当否抽選においては高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる。
その後、ステップS1104に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
ステップS1103及びステップS1104にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
一方、ステップS1101にて否定判定をした場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が確変大当たり結果でないと判定した場合にはステップS1105に進む。ステップS1105においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が4R通常大当たり結果Bであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに4R通常大当たり結果B対応フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1105にて肯定判定をした場合にはステップS1106に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS1106の消去処理を実行した後はステップS1107,S1108に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS1107にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS1108ではRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタGC1に「40」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が40回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「40」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS1107及びステップS1108にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1105の説明に戻り、当該ステップS1105にて否定判定を行った場合には、ステップS1109に進む。ステップS1109においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が4R通常大当たり結果Cであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに4R通常大当たり結果C対応フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1109にて肯定判定をした場合にはステップS1110に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS1110の消去処理を実行した後はステップS1111,S1112に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS1111にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS1112ではRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタGC1に「60」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が60回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「60」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS1111及びステップS1112にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1109の説明に戻り、当該ステップS1109にて否定判定を行った場合には、ステップS1113に進む。ステップS1113においては、今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が4R通常大当たり結果Dであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに4R通常大当たり結果D対応フラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1113にて肯定判定をした場合にはステップS1114に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS1114の消去処理を実行した後はステップS1115,S1116に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS1115にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS1116ではRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタGC1に「80」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が80回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「80」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS1115及びステップS1116にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
ステップS1113の説明に戻り、当該ステップS1113にて否定判定を行った場合、すなわち今回の開閉実行モードの契機となった大当たり結果が4R通常大当たり結果A又は8R通常大当たり結果である場合には、ステップS1117に進み、遊技状態の移行にかかるフラグを消去する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納された大当たり結果対応フラグを消去するとともに、高確率モードフラグや高頻度サポートモードフラグ等が格納されている場合にはそれら各フラグを消去する。
ステップS1117の消去処理を実行した後はステップS1118,S1119に進み遊技状態の設定処理を実行する。具体的には、先ずステップS1118にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに高頻度サポートモードフラグをセットする。このようにしてセットされた高頻度サポートモードフラグに基づいて、その後の電役サポート処理においてはサポート抽選にて高頻度サポートモード用の当否テーブルが参照され、サポート抽選時の絵柄の変動表示時間が短縮され(詳しくは2.0secに設定され)、更には1度の開放により開放状態となる期間が延長される(詳しくは5.0secに設定される)。
上述した確変大当たり結果の場合とは異なり、通常大当たり結果後に移行する高頻度サポートモードについてはサポート回数に上限が設定される。続くステップS1119ではRAM604の各種カウンタエリア604dに格納されている遊技回数カウンタGC1に「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後に遊技回が100回行われるまで高頻度サポートモードが維持され、「100」に達したことを契機として高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行されることとなる。
ステップS1118及びステップS1119にて遊技状態の設定処理を行った後は、そのまま本開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
以上詳述したように、本実施の形態においては通常大当たり結果の種類が多様となっており、これを利用して開閉実行モード終了後に移行する遊技状態に有利不利の差を設定している。但し、単に高頻度サポートモードの恩恵を享受できる回数に差を設定するだけでは、上述した遊技状態の多様化による遊技への注目度の向上効果が上手く作用しなくなると想定される。そこで、このような事情等に鑑みて、本実施の形態では高頻度サポートモードの回数の差を利用して、擬似的に大当たりに当選する確率が高くした特殊遊技状態(擬似高確率状態又は擬似高確率ゾーン)を設けたことを特徴の1つとなっている。以下、当該機能の実現に係る構成について説明する。
<特殊遊技状態>
4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dに当選した場合には、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モードとなる。このため、開閉実行モードの消化に要する期間は、高頻度入賞モードに対応する開閉実行モードと比較して極めて短くなる。つまり、通常遊技状態から開閉実行モードを経由して即座に高頻度サポートモードへと移行することとなる。
既に説明したように、低頻度入賞モードに対応する開閉実行モード終了後は、4R通常大当たり結果又は8R通常大当たり結果に対応する開閉実行モード終了後とは遊技の進行パターンの異なる上記特殊遊技状態へと移行することを報知すべく、開閉実行モード中に特殊遊技状態への移行を示唆する旨の動画が表示され、当該動画表示の終了(前兆遊技状態)の終了に基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aにおける表示態様が変化することとなる。
表示制御装置620のMPU622では、定期的に実行される通常処理の一環として、特殊遊技状態での表示変更処理が実行される。具体的には、報知・演出制御装置610を経由して主制御装置162から低頻度入賞モードに対応する開閉実行モード終了に係るエンディングコマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置75の表示画面75aの表示を特殊遊技状態に対応するものにするための表示変更処理を行う。以下、図23(a)のフローチャート及び図23(b)の概略図を参照して、この表示態様の変更について説明する。
図23(a)に示すように、特殊遊技状態での表示変更処理においては、先ずステップS1201にて変動表示領域MEの変更処理を行う。これにより、図23(b1)→図23(b2)に示すように、変動表示領域MEが拡張されることとなる。
続くステップS1202では変動表示内容の変更処理を行う。既に説明したように通常遊技状態においては、図柄表示装置75の表示画面75aにて図柄列が水平方向にスクロール表示される構成となっているが、図柄列はキャラクタ等の装飾が省略され数字のみの簡略化され、表示画面75aの右隅に設けられた第2変動表示領域ME2に縮小表示されることとなる。そして表示画面75aの中央の第1変動表示領域ME1には女の子を模したキャラクタ画像(動画)が表示(アニメーション表示)されることとなる。詳細については後述するが、特殊遊技状態においてはこのキャラクタが様々なアクションを行い例えば特殊遊技状態中に妖精に遭遇することで大当たりに当選した旨が告知される構成となっている。
ステップS1202の処理を実行した後はステップS1203に進み、表示画面75aにおける保留表示を非表示とする処理を行う。つまり、図23(b)に示すように通常遊技状態にて表示画面75a(詳しくは保留数表示領域Da,Db)に表示されていた保留表示が非表示となる。保留表示が突然なくなってしまうことは遊技者を困惑させる要因になり得る。この点、上述した前兆遊技状態を経由させることにより(前兆遊技状態にて保留表示を非表示とすることにより)、そのような不都合の発生を回避することが可能となっている。なお、主制御装置162によって表示制御が行われる保留数表示部LS,RSについては、特殊遊技状態中であっても通常遊技状態と同様に保留数の表示機能が担保される。
ステップS1203の処理を実行した後はステップS1204に進み、表示画面75aに回数カウンタを表示するための表示処理を行う。これにより、図23(b)に示すように、表示画面75aの上側の隅部(回数表示領域CE)に特殊遊技状態の残り回数が表示されることとなる。詳細については後述するが、特殊遊技状態中は変動表示領域ME1にて複数の遊技回に亘って1の表示演出が実行される構成となっており、上記回数カウンタは当該表示演出が実行される残り回数を表示するものである。
ステップS1201〜S1204の準備処理を実行した後は、有利度が異なるようにして複数設定された特殊遊技状態のうちどの特殊遊技状態に移行したかを明示すべく、表示画面75aに移行した特殊遊技状態の種別を告知するためのオープニング画像を表示する処理を行う。
以上詳述したように、特殊遊技状態においては、表示画面75aにて実行される演出表示を工夫することにより回数制限付きの擬似的な高確率状態を作り出している。本実施の形態においては、当該表示演出を決定する際に主制御装置から送信された保留情報が参照される構成となっている。そこで、以下の説明においては先ず、図24及び図25のフローチャートを参照して主制御装置162のMPU602にて実行される表示態様決定の前提となる処理について説明する。
<保留情報の確認処理>
始めにタイマ割込み処理(図12参照)にて実行される保留情報の確認処理について説明する。図24のフローチャートに示すように、保留情報の確認処理においては、先ずステップS1301にて、保留球格納エリア604bの各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア604bの総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU602のレジスタに記憶する。その後、ステップS1302〜S1306にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1302にて、下側作動口62a又は右側作動口63aへの今回の入賞に基づきステップS103にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1303では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1304に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1305に進み、上述した高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1304又はステップS1305の後はステップS1306に進み、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。大当たり当選に対応している場合には、ステップS1307にてMPU602のレジスタに大当たり情報を記憶し、そのまま本保留情報の確認処理を終了する。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、特殊遊技状態中であるか否かを判定する。具体的には、4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dのいずれかに対応する開閉実行モードを経由した高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。ステップS1308にて肯定判定をした場合には、以下の外れ時のリーチ発生の有無の確認処理を行うことなく、本保留情報の確認処理を終了する。
ステップS1308にて否定判定をした場合にはステップS1309に進む。ステップS1309では、下側作動口62a又は右側作動口63aへの今回の入賞に基づきステップS1304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1310では、ROM603のリーチ判定用テーブル記憶エリア(リーチ判定用情報群記憶手段)に記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1309にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1310の処理を実行した後はステップS1311に進み、ステップS1309にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1312にて、MPU602のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、図25のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
保留コマンドの設定処理においては先ず、ステップS1401にて、MPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留情報の確認処理(図24)において大当たり判定用の情報が大当たり当選に対応していると特定されたか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合にはステップS1402に進み、大当たり対応保留コマンドを設定する。なお、上記コマンドの設定や後述する各種コマンドの設定は、RAM604に設けられたコマンド設定エリアに対してコマンド情報を格納することにより行われる。
一方、ステップS1401にて否定判定をした場合、すなわちMPU602のレジスタに大当たり情報が記憶されていないと判定した場合には、ステップS1403に進み、MPU602のレジスタにリーチ発生情報が記憶されているか否かを判定することで、直前の保留情報の確認処理(図24)においてリーチ判定用の情報がリーチ発生に対応していると特定されたか否かを判定する。リーチ発生情報が記憶されている場合には、ステップS1604にて外れリーチ対応保留コマンドを設定し、リーチ発生情報が記憶されていない場合には、ステップS1605にて完全外れ対応保留コマンドを設定する。
ステップS1402,S1404,S1405にて保留コマンドの設定を行う場合には、記憶されている大当たり種別カウンタC2の値や変動種別カウンタCSの値等を参照して変動表示時間を決定し、同変動表示時間にかかる情報を当該保留コマンドに格納する。変動表示時間の決定に際しては、上記ステップS608(図17参照)に示した変動表示時間の設定処理と同じように、変動表示時間テーブルが参照される。このようにして設定された保留コマンドが表示制御装置620に送信され、同表示制御装置620においては同保留コマンドに基づいて図柄の変動表示態様等を把握可能となる。
ステップS1402、ステップS1404、ステップS1405のいずれかのコマンド設定処理を実行した後は、ステップS1406にて、保留個数の情報を上記保留コマンドに対して設定する処理を実行する。かかる処理として具体的には、上記設定された保留コマンドの情報は、複数バイトの情報として構成されており、そのうちの一部のビットに対して、自身が保留コマンドである旨の情報や保留コマンドの種別の情報が含まれているとともに、保留個数の情報が設定可能となっている。この場合に、ステップS1406では、先ず直前の保留情報の確認処理(図24)におけるステップS1301にてMPU602のレジスタに記憶された保留個数の情報を読み出し、その後に、既に設定されている保留コマンドにおける保留個数の情報用のビットに対して上記読み出した保留個数の情報を論理和などの演算処理によって格納する。これにより、ステップS1402、ステップS1404、ステップS1405のいずれかの処理にて設定された保留コマンドに対して、かかる保留コマンドに対応した保留情報が何個目のものであるかを特定するための情報が含まれることとなる。以上詳述したステップS1406の処理を実行した後に、本保留コマンド設定処理を終了する。
なお、ステップS1406にて保留個数の情報が含められた保留コマンドは、次回の通常処理(図15)におけるステップS401の外部出力処理により、報知・演出制御装置610に送信される。報知・演出制御装置610では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、報知・演出制御装置610では、保留コマンドをその形態を維持したまま表示制御装置620に送信する。表示制御装置620では、その受信した保留コマンドに基づいて先読み演出等の各種演出表示を実行する。
また、保留コマンドの設定の仕方は、表示制御装置620において保留コマンドによって、大当たり当選の有無、大当たり当選の場合にはその際の大当たり種別、大当たり当選でない場合にはリーチ発生の有無等、言い換えれば図柄の変動表示態様を特定することができるのであれば任意である。例えば、大当たり対応保留コマンド,外れリーチ対応保留コマンド,完全外れ対応保留コマンドの組み合わせが、各保留個数に対応させて個別に設定されており、保留コマンドの設定処理では、保留情報の確認処理(図23)における確認結果に応じて一の保留コマンドを選択する構成とすることも可能である。
次に、主制御装置162から報知・演出制御装置610へコマンドが送信された場合に同報知・演出制御装置610にて実行されるコマンド対応処理のうち保留コマンドに対応するもの(以下、保留コマンド対応処理と称する)について説明する。なお、保留コマンド対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される。
保留コマンド対応処理においては先ず、大当たり対応コマンドを受信しているか否かを判定する。ここで、報知・演出制御装置610のMPU612ではコマンドの受信を主制御装置162から行うが、この受信したコマンドはRAM614のコマンド格納エリアに一旦格納される。当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。上記コマンドの判定に際しては、コマンド格納エリアにおける今回の読み出し対象のエリアに大当たり対応保留コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、かかるコマンドの読み出しの構成は、以下のコマンドの読み出しにおいても同様である。
大当たり対応保留コマンドを受信している場合には、今回受信したコマンドに含まれる保留個数の情報を特定し、その特定した保留個数の情報をRAM614の各種カウンタエリア614bに格納された消去用カウンタに設定する。当該消去用カウンタに設定された保留個数の情報は、後述するように、新たに遊技回が開始されるたびに1ディクリメントされるように更新される。
その後、RAM614の保留情報格納エリア(詳しくは第1エリア〜第4エリアにおいて保留情報が格納されていないエリアのうち最も若いエリア)に大当たりに対応する保留情報をセットし、本保留コマンド対応処理を終了する。
ここで、保留情報格納エリアにかかる構成について補足説明する。保留情報格納エリアは、上述の如く第1エリア〜第4エリアを有しており、各エリアにつき1の保留情報を格納可能な構成となっている。各エリアに格納された保留情報は、主制御装置162からシフト時コマンドを受信することにより、すなわち遊技回が開始された場合に、下位エリア側に順にシフトされることとなる。具体的には、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。なお、主制御装置162の保留球格納エリア604bにおいては、下側作動入球部用保留エリアRaと右側作動入球部用保留エリアRbとが区別して設けられていたが、報知・演出制御装置610の保留情報格納エリアについても下側作動入球部用の第1エリア〜第4エリアと、右側作動入球部用の第1エリア〜第4エリアとが夫々設けられており、各エリアに保留情報が時系列的に記憶される構成となっている。
なお、既に説明したように、本実施の形態においては、右側作動入球部63に係る保留情報が下側作動入球部62に係る保留情報よりも優先して消化される構成となっているが、これに限定されるものではない。このような優先関係がない場合には、保留情報格納エリアを第1エリア〜第8エリアで形成し、入球先に関係なく保留情報が時系列的にまとめて記憶される構成とすることも可能である。
因みに、表示制御装置620においても、上述した報知・演出制御装置610にて実行される処理と同様のコマンド判定処理が実行され、保留情報を取得した場合には、その保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前に大当たりに当選しているか否かを把握することが可能となっている。
本実施の形態においては、上記特殊遊技状態となった場合には、表示画面75aにて特殊表示演出(特殊変動表示)が実行される。この特殊表示演出の概要については、報知・演出制御装置610にて決定され、表示制御装置620においてはこの決定された情報に基づいて詳細な演出態様を決定する構成となっている。
ここで、図26のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610にて実行される上記特殊表示演出の概要を決定するための処理(特殊変動態様決定処理)について説明する。当該処理は、報知・演出制御装置610にて定期的に実行される通常処理の一環として実行される。
なお、特殊変動態様決定処理は、特殊遊技状態となっている場合に実行される処理、具体的には上述した4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dの何れかに対応する開閉実行モード終了後に移行した高頻度サポートモード中に実行される処理であり、RAM614の各種フラグ格納エリア614aに特殊遊技状態用フラグが格納されている場合に実行される。
<特殊変動態様決定処理>
特殊変動態様決定処理においては、先ずステップS1501にて特殊変動表示(特殊表示演出)を実行している最中であるか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では主制御装置162(報知・演出制御装置610)から変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1501にて肯定判定をした場合又はステップS1502にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊変動態様決定処理を終了する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503に進み変動用コマンドが右側作動入球部63への入球に基づくものであるか否か、すなわち右側作動入球部63への入球に基づく遊技回であるか否かを判定する。ステップS1503にて否定判定をした場合、すなわち下側作動入球部62への入球に基づく遊技回であると判定した場合には、ステップS1504に進む。
ステップS1504では、制限付き特殊変動表示態様の設定処理を行う。詳細については後述するが、特殊遊技状態中に実行される特殊表示演出については、複数のパターンが設けられているがその概要については、特殊遊技状態のレベル及び抽選等によって選択された一連の動画が表示される構成となっており、この動画を円滑に表示するための工夫が施されている。具体的には特殊表示演出が行われる期間のパターンを通常時と比べて少なくなるように右側作動入球部63に係る保留情報に基づいて変動表示期間を設定する際に当該設定パターンを工夫することにより、制御負荷の増大を抑えつつ動画の円滑な表示を行うことを可能としている。
一方、特殊遊技状態中に下側作動入球部62への入球に基づく遊技回が実行される場合には、変動表示期間のパターンが様々に存在することとなる。そこで、このようなケースでは、上述した動画の表示終了タイミングを全て表示することが困難になる。そこで、一連の動画の中間部分においてきりのよいタイミングで当該動画表示が終了するように、動画の表示開始タイミングを遅延させるようにして、一連の動画の一部だけが表示されるように制限するようにして特殊変動態様の設定処理を行う。なお、本実施の形態における特殊変動表示については、複数の遊技回に亘って実行されることを特徴の1つとしているが、当該機能は後述するように右側作動入球部63に係る保留情報が複数存在していることを前提としてなされるものであり、下側作動入球部62に係る保留情報に基づいて遊技回が進行する場合には、当該機能が制限されることとなる。
そもそも、本実施の形態に示す遊技機においては既に説明したように、下側作動入球部62に係る保留情報よりも右側作動入球部63に係る保留情報のほうが優先して消化されるように設定されている。つまり、上述したような下側作動入球部62に係る保留情報に基づいて遊技回が進行する際には、少なくとも右側作動入球部63に係る保留情報は存在していないことを意味する。特殊遊技状態での上記機能を上手く発揮させるには、右側作動入球部63に係る保留情報の数を担保し、右側作動入球部63に係る保留情報に基づいて遊技を進行させることが重要になる。そこで、上記変動表示態様の設定を行う場合には、仮に下側作動入球部62に複数の保留情報が存在する場合であっても、これらを1度の特殊変動表示の対象とすることが規制される。
続くステップS1505においては、ステップS1504で設定された変動表示態様に基づいて、特殊変動表示用コマンドの設定処理を行う。このコマンドは、表示制御装置620に送信され、表示制御装置620では当該コマンドに基づいてどのような特殊変動表示を行うべきかを把握する。
ステップS1503の説明に戻り、当該ステップS1503にて肯定判定をした場合、すなわちステップS1503にて右側作動入球部63への入球に基づく遊技回であると判定した場合には、ステップS1506に進む。ステップS1506では、右側作動入球部63に係る保留情報の数(保留数)が、現在の特殊遊技状態に対応させて設定されている規定数、具体的には特殊変動表示の対象とし得る保留情報の数の上限数よりも多いか否かを判定する。
ステップS1506にて肯定判定をした場合にはステップS1507に進む。ステップS1507では今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在しているか否かを判定する。ステップS1507にて否定判定をした場合、すなわち今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在していないと判定した場合には、ステップS1508に進む。
ステップS1508では、外れ結果対応の変動表示態様の設定処理を行う。具体的には、特殊変動表示の対象となる各保留情報について変動表示時間を把握し、それら変動表示時間を合算した時間を特殊変動表示用の変動表示時間として設定する。その後、ROM613の各種テーブル記憶エリア613aに記憶されている外れ結果用の特殊変動表示用の演出態様決定テーブルのうち前記変動表示時間に対応するものを参照して、特殊変動表示態様を確定させる。
ステップS1508の処理を実行した後はステップS1505に進み、ステップS1508にて確定した特殊変動表示に対応する特殊変動表示用コマンドの設定を行う。
一方、ステップS1507にて肯定判定をした場合、すなわち今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在していると判定した場合には、ステップS1509に進む。ステップS1509では大当たり結果対応の変動表示態様の設定処理を行う。具体的には、特殊変動表示の対象となる各保留情報について変動表示時間を把握し、それら変動表示時間を合算した時間を特殊変動表示用の変動表示時間として設定する。
より詳しくは、大当たり結果に対応する保留情報までを対象とし、上記変動表示時間の設定では、大当たり結果に対応する保留情報よりも後に記憶された保留情報については、たとえ上記規定数内であっても特殊変動表示の対象から強制的に外して上記変動表示時間の設定を行う。例えば、規定数として「3」が設定され且つ右側作動入球部63に係る保留情報の数が3つである場合に、2つ目の保留情報が大当たり結果に対応していれば、通常では3つの保留情報が特定変動表示の対象となり得るところ、対象となる保留情報が2つ目までに制限されることとなる。その後、ROM613の各種テーブル記憶エリア613aに記憶されている大当たり結果用の特殊変動表示用の演出態様決定テーブルのうち前記変動表示時間に対応するものを参照して、特殊変動表示態様を確定させる。
ステップS1506の説明に戻り、ステップS1506にて否定判定をした場合、すなわち右側作動入球部63に係る保留情報の数が上記規定数よりも少ない場合には、ステップS1510に進む。
ステップS1510では、今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在しているか否かを判定する。ステップS1507にて否定判定をした場合、すなわち今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在していないと判定した場合には、ステップS1511に進む。
ステップS1511では、外れ結果対応の変動表示態様の設定処理を行う。具体的には、右側作動入球部63に係る保留情報の全てを対象として各保留情報に係る変動表示時間を把握し、それら変動表示時間を合算した時間を特殊変動表示用の変動表示時間として設定する。その後、ROM613の各種テーブル記憶エリア613aに記憶されている外れ結果用の特殊変動表示用の演出態様決定テーブルのうち前記変動表示時間に対応するものを参照して、特殊変動表示態様を確定させる。つまり、保留情報の数が規定数に達していない場合には、現存する右側作動入球部63に係る保留情報の全てを対象として特殊変動表示が実行されることとなる。例えば、規定数として「3」が設定され且つ右側作動入球部63に係る保留情報の数が2つである場合には、これら2つの保留情報が特殊変動表示の対象となる。
ステップS1510の処理を実行した後は、ステップS1511に進む。ステップS1511では、外れ結果対応の変動表示態様の設定処理を行う。具体的には、特殊変動表示の対象となる各保留情報について変動表示時間を把握し、それら変動表示時間を合算した時間を特殊変動表示用の変動表示時間として設定する。その後、ROM613の各種テーブル記憶エリア613aに記憶されている外れ結果用の特殊変動表示用の演出態様決定テーブルのうち前記変動表示時間に対応するものを参照して、特殊変動表示態様を確定させる。
ステップS1510の説明に戻り、当該ステップS1510にて否定判定をした場合、すなわち今回の特殊変動表示の対象となる保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在していると判定した場合には、ステップS1509に進む。ステップS1509では大当たり結果対応の変動表示態様の設定処理を行う。具体的には、特殊変動表示の対象となる各保留情報について変動表示時間を把握し、それら変動表示時間を合算した時間を特殊変動表示用の変動表示時間として設定する。
より詳しくは、大当たり結果に対応する保留情報までを対象とし、上記変動表示時間の設定では、大当たり結果に対応する保留情報よりも後に記憶された保留情報については特殊変動表示の対象から強制的に外して上記変動表示時間の設定を行う。例えば、規定数として「4」が設定され且つ右側作動入球部63に係る保留情報の数が3つである場合に、2つ目の保留情報が大当たり結果に対応していれば、通常では3つの保留情報が特定変動表示の対象となり得るところ、対象となる保留情報が2つ目までに制限されることとなる。その後、ROM613の各種テーブル記憶エリア613aに記憶されている大当たり結果用の特殊変動表示用の演出態様決定テーブルのうち前記変動表示時間に対応するものを参照して、特殊変動表示態様を確定させる。
ステップS1511又はステップS1512の処理を実行した後はステップS1505に進み、それら各ステップS1511,S1512にて確定した特殊変動表示に対応する特殊変動表示用コマンドの設定を行う。
次に、主制御装置162及び報知・演出制御装置610からのコマンドに基づき表示制御装置620のMPU622にて実行される特殊遊技状態中の表示制御処理を図27のフローチャートを参照して説明する。当該表示制御処理は、MPU622にて定期的に実行される通常処理の一環として実行される処理である。
<特殊遊技状態での表示制御処理>
当該表示制御処理においては、先ずステップS1601にて変動用コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1601にて肯定判定をした場合にはステップS1602に進む。
ステップS1602では、受信した変動用コマンドに基づいて第2変動表示領域ME2における図柄の変動表示を開始する処理を実行する。これにより、第2変動表示領域ME2においては、簡略化された図柄が縦方向にスクロール表示を開始することとなる。なお、第2変動表示領域ME2における変動表示態様については、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに格納された特殊変動表示時の変動表示態様用決定テーブルを参照して決定される。
ステップS1602の処理を実行した後はステップS1603に進み、報知・演出制御装置から特殊変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1603にて特殊変動用コマンドを受信していないと判定した場合、例えば第1変動表示領域ME1にて特殊表示演出を実行している最中である場合には、そのまま本表示制御処理を終了する。
ステップS1603にて肯定判定をした場合にはステップS1604に進み第1変動表示領域ME1の表示制御処理を実行する。具体的には、表示制御装置620に記憶されている動画(アニメーション画像)を表示する画像表示処理を実行する。
続くステップS1605では特殊遊技状態に移行後に、特殊変動表示が実行された回数、具体的には第1変動表示領域ME1にて上記特殊表示演出が実行された回数が予め設定された上限数(本実施の形態においては20回)に達しているか否かを判定する。より詳しくは、RAM624の各種カウンタエリア624bには、特殊遊技状態に移行後に特殊表示演出が実行された回数を記憶する遊技回数カウンタGC2が設けられており、この遊技回数カウンタGC2の値が上記上限を超えているか否かを判定する。
ステップS1605にて否定判定をした場合には、上記回数表示領域CEに表示されている残り回数を1減算した状態となるように変更する。一方、ステップS1605にて肯定判定をした場合には、ステップS1607に進み回数表示領域CEの表示切替処理を実行する。具体的には、まもなく特殊遊技状態が終わる可能性が高い旨を示す、又は特殊遊技状態が延長されたことを示すメッセージとして例えば「WARNING!」が表示される。
本実施の形態においては、遊技回数カウンタGC2の値が上限として設定された数(上限数「20」)を上回る可能性がある。上限数については、高頻度サポートモードの恩恵を受けることができる遊技回の数を上記特殊変動表示(特殊表示演出)が実行される際に対象となる保留情報(遊技回)の数で割った数であるが、必ずしも都度の特殊変動表示が十分な数の保留情報が記憶されている状況下で実行されるとは限らない。また、特殊遊技状態については高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ転落するまで継続され、その間に消化される遊技回の数は決まっている。これらの理由に鑑みた場合、以下の事象が発生する。すなわち、例えば3つ連続する保留情報を上限としてそれら各保留情報に対応する遊技回に亘って特殊変動表示を行う状態であっても、保留情報の数が3つよりも少ないという条件下で特殊変動表示を開始しようとすれば、必然的に回数表示領域CEに表示されている数と、実際に特殊遊技状態で特殊変動表示が実行される回数とにずれが生じる。ステップS1605〜S1607の処理は、このようなズレによる違和感の発生を抑制するための工夫である。
ステップS1601の説明に戻り、当該ステップS1601にて否定判定をした場合、すなわち変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS1608に進む。ステップS1608では、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1608にて否定判定をした場合にそのまま、本表示制御処理を終了する。
ステップS1608にて肯定判定をした場合には、ステップS1609に進み第2変動表示領域ME2の変動表示の終了処理を実行する。これにより、第2変動表示領域ME2にて当該遊技回に対応する図柄組合せが停止表示される。
ここで、図28を参照して、特殊遊技状態にて実行される特殊変動表示の概要について説明する。図28は2つの保留情報(遊技回)に亘って実行される特殊変動表示の一例を示す概略図であり、この特殊変動表示については図28(a)→図28(b)→図28(c)→図28(d)の順に進行する。
特殊遊技状態へ移行した直後は、既に説明したように表示画面75aにおける表示パターンが通常遊技状態に対応するものから特殊遊技状態に対応するもの変更される。具体的には、図28(a)に例示しているように表示画面75aの左上に設けられた回数表示領域CEに特殊遊技状態で実行される特殊変動表示が実行される残り回数(暫定数)が表示される。また、変動表示領域ME1には女の子のキャラクタが表示される。
特殊遊技状態においては、女の子が特定のアクションをするように動画が表示され、例えば、一連の表示演出の中で妖精を捕まえることで大当たりに当選した旨が報知されることとなる。特殊変動表示が開始すると女の子が特定のアクションを開始し、それに同期して表示画面75aの右下に設けられた第2変動表示領域ME2にて図柄のスクロール表示が開始される。
第1変動表示領域ME1にて動画表示が開始され且つ第2変動表示領域ME2にて図柄の変動表示が開始された後は、1遊技回が終了したタイミングにて第2変動表示領域ME2に外れ結果に対応する図柄組合せが停止表示される。この間も第1変動表示領域ME1においてはキャラクの映像表示が継続されており、画面右側に箒が表示されることとなる。
その後は、図28(b)→図28(c)に示すように第2変動表示領域ME2にて停止表示されていた図柄組合せのスクロール表示が再開され、これに合わせて女の子が徒歩から箒に跨って滑空する映像に切り替る(ステップアップする)。
図28に例示している特殊変動表示においては、当該特殊変動表示の対象となっている2つ目の保留情報(遊技回)が大当たり結果に対応している。そこで、最終的には、図28(d)に示すように、第1変動表示領域ME1にて女の子が妖精を捕まえた映像が表示され、第2変動表示領域ME2では大当たり結果に対応する図柄組合せが停止表示され、特殊変動表示に合わせて大当たりに当選した旨が告知されることとなる。なお、これにより、特殊変動表示が1回行われたことになるため、回数表示領域CEに表示されているゲーム数については1減算して「19」が表示されることとなる。
以上詳述した特殊変動表示においては、動画が表示される構成となっている。この主の特殊変動表示用の動画については、各種変動表示時間に対応させて表示制御装置620のROM623に記憶されている。ここで、特殊変動表示が複数の遊技回に亘って実行される点に鑑みれば、特殊変動表示が実行される期間のバリエーションが多様となり、それら各バターンに対応させて動画を記憶させようとすれば、必要となる記憶容量が膨大になる。そこで、本実施の形態においては、そのような事情等に鑑みて、特殊遊技状態下における各遊技回の変動表示時間が2つ大別されるように構成されている。これにより、複数の遊技回に亘って特殊変動表示を実行する構成においても、特殊変動表示が実行される期間が多様になることを抑制可能となっている。以下、図29(a)のフローチャートを参照して、当該機能を実現すべく採用された構成について説明する。
<特殊遊技状態時の設定処理>
主制御装置162のMPU602においては、上述した変動表示時間の設定処理(図18参照)にて、特殊遊技状態であるか否かを判定し、特殊遊技状態であると判定した場合には、ステップS702の特殊遊技状態対応の設定処理へと進む。この特殊設定処理においては、先ずステップS1701にて遊技回数カウンタGC3が「1」又は「規定数の倍数に1を加えた数」の何れかに該当するかを判定する。遊技回数カウンタGC3は、RAM604の各種カウンタエリア604dに格納されており、特殊遊技状態への移行時に0クリアされ、その後は当該特殊遊技状態中に実行された遊技回の数をカウントする手段として機能するものである。
ステップS1701にて肯定判定をした場合には、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの値に関係なく当該保留情報に係る変動表示時間として第1変動表示時間T1をセットする。一方、ステップS1701にて否定判定をした場合には、大当たり乱数カウンタC1、リーチ乱数カウンタC3、変動種別カウンタCSの値に関係なく当該保留情報に係る変動表示時間として第2変動表示時間T2をセットする。つまり、特殊遊技状態においては、一定の周期で第1変動表示時間T1及び第2変動表示時間T2のいずれかが選択されることとなる。
図29(b)の概略図に示すように、第1変動表示時間T1は第2変動表示時間T2よりも長く設定されている。より詳細には、第1変動表示時間T1は12sec、第2変動表示時間T2は0.6secとなっており、外れ結果に対応する図柄の停止表示時間は0.2secとなるように設定されている。これにより、特殊表示演出を複数の遊技回に亘って実行する場合であっても、当該特殊表示演出を実行する期間が多様になることを抑制している。
本実施の形態では既に説明したように特殊遊技状態として、第1特殊遊技状態〜第3特殊遊技状態が設定されている。ここで、これら各特殊遊技状態の差違について補足説明する。
・第1特殊遊技状態(4R通常大当たり結果Bに対応):最大で2つの遊技回に亘って特殊変動表示(特殊表示演出)を実行可能に設定されている遊技状態であり、規定数=「2」、高頻度サポートモードによるサポート回数=「40」となっている。
・第2特殊遊技状態(4R通常大当たり結果Cに対応):最大で3つの遊技回に亘って特殊変動表示(特殊表示演出)を実行可能に設定されている遊技状態であり、規定数=「3」、高頻度サポートモードによるサポート回数=「60」となっている。
・第3特殊遊技状態(4R通常大当たり結果Dに対応):最大で4つの遊技回に亘って特殊変動表示(特殊表示演出)を実行可能に設定されている遊技状態であり、規定数=「4」、高頻度サポートモードによるサポート回数=「80」となっている。
なお、これら何れの特殊遊技状態であっても、第1変動表示時間T1及び第2変動表示時間T2の値は共通である。
特殊変動表示が実行される特殊変動表示時間に占める第1変動表示時間T1の割合いについては、第2変動表示時間T2や停止表示時間と比較して支配的となっている。具体的には、図29(b)に示すように、第1特殊遊技状態においては、例えば2つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「13.0sec」となり、1の遊技回にて特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「12.2sec」となる。
第2特殊遊技状態においては、例えば3つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「13.8sec」となり、2つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「13.0sec」となり、1の遊技回にて特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「12.2sec」となる。
第3特殊遊技状態においては、例えば4つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「14.6sec」となり、3つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「13.8sec」となり、2つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「13.0sec」となり、1の遊技回にて特殊変動表示が実行される場合には特殊変動表示時間が「12.2sec」となる。
このように、何れの特殊遊技状態においても、第1変動表示時間T1を支配的にすることにより、表示画面75aを注視している遊技者にとって幾つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行されているかを区別することを困難となるように工夫されている。
ここで、図29(c)の概略図を参照して、各特殊遊技状態における遊技進行の流れについて例示する。以下、説明の便宜上、表示画面75aにて1の特殊変動表示が実行されることを「表示回」と称する。
例えば、第1特殊遊技状態においては、最大で2つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される。この場合、1の表示回中に1回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→2回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示がなされることとなり、擬似的に2つの遊技回が1の表示回にまとめられることとなる。そして、2つの遊技回の結果が1の表示回の終了時に表示されることが繰り返されることにより、表示回毎の大当たり当選期待度は通常時と比較して約2倍に増大することとなる。
第2特殊遊技状態においては、最大で3つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される。この場合、1の表示回中に1回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→2回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→3回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示がなされることとなり、擬似的に3つの遊技回が1の表示回にまとめられることとなる。そして、3つの遊技回の結果が1の表示回の終了時に表示されることが繰り返されることにより、表示回毎の大当たり当選期待度は通常時と比較して約3倍に増大することとなる。
第3特殊遊技状態においては、最大で4つの遊技回に亘って特殊変動表示が実行される。この場合、1の表示回中に1回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→2回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→3回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示→4回目の遊技回が開始/終了→結果の停止表示がなされることとなり、擬似的に4つの遊技回が1の表示回にまとめられることとなる。そして、4つの遊技回の結果が1の表示回の終了時に表示されることが繰り返されることにより、表示回毎の大当たり当選期待度は通常時と比較して約4倍に増大することとなる。
つまり、特殊遊技状態によれば回数制限付の擬似的な高確率ゾーンが実現されることとなる。このような構成を備えることにより、遊技状態を多様化し遊技の単調化を抑制している。以下、図30のブロック図を参照して、上述した擬似高確率ゾーンの存在を踏まえた本実施の形態における遊技の流れについて説明する。なお、図30においては便宜上、低頻度サポートモードを「低頻度」、高頻度サポートモードを「高頻度」、低確率モードを「低確率」、高確率モードを「高確率」、4R確変大当たり結果を「4R確変」、8R確変大当たり結果を「8R確変」、4R通常大当たり結果Aを「4R通常A」、4R通常大当たり結果Bを「4R通常B」、4R通常大当たり結果Cを「4R通常C」、4R通常大当たり結果Dを「4R通常D」、8R通常大当たり結果を「8R通常」として簡略化して表示している。
なお、上述した第1特殊遊技状態〜第3特殊遊技状態となり遊技者に有利な遊技状態になっている旨は、映像やBGM等を用いて遊技者に教示されることとなる。例えば表示画面においては、各特殊遊技状態に対応する背景画像の優劣を遊技者に示すべく、「黄色 < 緑色 < 赤色」のメッセージが表示されることとなる。
<遊技の流れ>
図30に簡略化して示すように、低確率モード及び低頻度サポートモードに対応する通常遊技状態にて、4R確変大当たり結果,8R確変大当たり結果,4R通常大当たり結果A,8R通常大当たり結果となった場合には、高頻度入賞モード対応の開閉実行モード(特別遊技状態)へと移行する。特別遊技状態においては可変入球装置65が開放され、右ルートへ向けて遊技球を打ち出すことにより多量の遊技球を獲得することができる。
この開閉実行モードが終了した後は、当該開閉実行モードの契機となった大当たり結果に応じて異なる2つの遊技状態の何れかに移行することとなる。具体的には、4R確変大当たり結果又は8R確変大当たり結果を契機とする開閉実行モードが終了した場合には、高確率モード及び高頻度サポートモードに対応する高確率遊技状態へと移行する。この高確率遊技状態については次回大当たり結果に当選するまで継続されることとなる。言い換えれば、大当たり結果となるまでは高確率遊技状態のままとなるため、実質的に高確率遊技状態には制限回数が存在しない。
一方、4R通常大当たり結果A又は8R通常大当たり結果を契機とする開閉実行モードが終了した場合には、低確率モード及び高頻度サポートモードに対応する回数制限付のチャンスモード(チャンス遊技状態又は引戻遊技状態)へと移行する。このチャンスモードについては、高頻度サポートモードの恩恵を受けることができる遊技回の数が100回となってはいるものの、少なくとも通常遊技状態と比べると遊技者にとって有利な遊技状態となるように設定されている。具体的には、遊技球が右側作動入球部63に入球する可能性が高まるだけでなく、かかる状態にて大当たりに当選した場合には必ず高頻度入賞モード対応の開閉実行モードへと移行する。これら2つの理由から、チャンスモードは通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
通常遊技状態にて4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dのいずれかとなった場合には、低頻度入賞モード対応の開閉実行モード(特別遊技状態)に移行する。この特別遊技状態の実行期間は高頻度入賞モード対応の特別遊技状態と比べて極めて短く設定されており、実質的な所要時間はオープニング〜エンディングを含めて30sec程度となっている。また、可変入球装置65についても開閉動作が極めて短い時間で実行されるため、遊技球が入球する可能性が低い。これらの理由から、遊技者により特別遊技状態へと移行したと認識される可能性を低減している。
既に説明したように、この特別遊技状態の終了後には低確率モード及び高頻度サポートモードに対応する特殊遊技状態に移行する。この特殊遊技状態については、大当たりに当選する可能性が擬似的に高くなるように設定された回数制限付の擬似高確率ゾーン/擬似高確率遊技状態となっている。そこで、上述した低頻度入賞モード対応の特別遊技状態では擬似高確率ゾーンへの移行を示唆する演出として前兆用の動画表示がなされる。つまり、当該特別遊技状態は擬似高確率ゾーンへの移行を示唆する前兆遊技状態として機能する。
ここで、特殊遊技状態(擬似高確率ゾーン)について補足説明する。既に説明したように特殊遊技状態には、4R通常大当たり結果Bを契機として移行する第1特殊遊技状態(第1擬似高確率ゾーン)と、4R通常大当たり結果Cを契機として移行する第2特殊遊技状態(第2擬似高確率ゾーン)と、4R通常大当たり結果Dを契機として移行する第3特殊遊技状態とが設定されている。これら各特殊遊技状態においては、内部的には低確率モード及び高頻度サポートモードに対応しており、内部的な大当たり当選確率は上記チャンスモードと同様であるが、擬似的に複数の遊技回を1にまとめることにより、表示画面75aにて実行される1表示回(上記特殊変動表示/特殊表示演出)での当選確率が高くなるように工夫されている。
第1特殊遊技状態においては、2つを上限とする遊技回に亘って1の表示回が実行され、且つ高頻度サポートモードによる恩恵を受けることができる遊技回の数が40回となっている。これにより、20回+α限定の高確率ゾーンが実現されることとなる。この高確率ゾーンにおいては1の表示回における当選確率は通常時の約2倍に上昇することとなる。
第2特殊遊技状態においては、3つを上限とする遊技回に亘って1の表示回が実行され、且つ高頻度サポートモードによる恩恵を受けることができる遊技回の数が60回となっている。これにより、20回+α限定の高確率ゾーンが実現されることとなる。この高確率ゾーンにおいては1の表示回における当選確率は通常時の約3倍に上昇することとなる。
第3特殊遊技状態においては、4つを上限とする遊技回に亘って1の表示回が実行され、且つ高頻度サポートモードによる恩恵を受けることができる遊技回の数が80回となっている。これにより、20回+α限定の高確率ゾーンが実現されることとなる。この高確率ゾーンにおいては1の表示回における当選確率は通常時の約4倍に上昇することとなる。
特殊遊技状態に移行した場合には、上述したように表示画面75aの表示態様が当該特殊遊技状態に対応するものに切り替り20回+α限定の擬似的な高確率状態に移行した旨が示される。ここで、表示画面75aに表示される背景画像は、第1特殊遊技状態中は黄色、第2特殊遊技状態中は緑色、第3特殊遊技状態中は赤色に変化し、擬似高確率ゾーンにおける有利度合いが示唆されることとなる。
特殊遊技状態中は、主として右ルートへと遊技球が打ち出されることとなり、右側作動入球部63に係る保留情報に基づいて遊技が進行する。本実施の形態においては、スルーゲート66と右側作動入球部63との間に誘導通路64を設けることにより、スルーゲート66を通過した遊技球が必ず右側作動入球部63へ到達するように工夫されている。これにより、高頻度サポートモード中に右側作動入球部63に係る保留情報がほぼ上限に留まる構成となっている。これにより、上述した擬似高確率モードが上手く機能しなくなることを抑制している。なお、右側作動入球部63への入球によって大当たりに当選した場合には必ず高頻度入賞モード対応の開閉実行モードへと移行するため、実質的に出球のない大当たりが連続することが回避される。そして、右側作動入球部63への入球によって8R確変大当たり結果となった場合には、上述した本物の高確率モード(高確率遊技状態)へと移行する。高確率モードにおいては上述した何れの特殊遊技状態よりも1遊技回(1表示回)にて大当たりに当選する可能性が高く設定されているため、あたかも高確率モードの昇格が発生したかのような印象を遊技者に与えることができる。
なお、高確率遊技状態における表示画面75aの表示態様を特殊遊技状態と共通化すれば、特殊遊技状態と高確率遊技状態との関連性を高めることが可能となる。この場合、例えば高確率遊技状態中は背景画像を赤色にして且つ回数表示領域CEに「∞」を表示する構成とするとよい。更には、回数表示領域CEの表示態様を上記特殊遊技状態と同様にカウントダウン式として、「0」になった後に「∞」を表示する構成とすれば、第3特殊遊技状態においては「∞」への昇格を期待させることができ、更なる興趣向上に貢献できる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
電動役物71が高頻度サポートモードに切り替った状態では入球発生頻度が高くなることから、右側作動入球部63に係る保留情報の数がある程度担保されやすい。一般的な遊技機の仕様では、このような状況においては所謂時短機能が作用して次々と保留情報が消化されることとなる。この場合、例えば表示画面においては数字等の所定の図柄組み合わせが次々と停止表示されることとなり、機械的に特別情報が消化されることで表示画面の表示態様についても上述したような単調なものになりやすい。
この点、本実施の形態においては、高頻度サポートモード対応の特殊遊技状態に移行した場合には、表示画面75aにて特殊表示演出が複数の遊技回に亘って実行される。これにより、一連の特殊表示演出を実行するための期間を担保することができ、特殊表示演出に様々なバリエーションを付与することが可能となる。故に、仮に上述した時短機能が発揮された場合であっても、表示態様が単調になることを抑制できる。
また、高頻度サポートモード中は、複数の遊技回に亘って特殊表示演出が実行されることとなる。これにより、実際の実行されている遊技回の数と、表示画面75aにて表示される擬似的な遊技回(擬似遊技回又は表示回)の数に差が生じることとなる。つまり、複数の遊技回をまとめて1つとすることにより、実質的な1遊技回での当選確率を変更することなく、高頻度サポートモード中(特殊表示演出中)は1の表示回にて付与判定に当選する確率を擬似的に変化させる(高くする)ことができる。例えば、2つの遊技回に亘って実行される特殊表示演出においては付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約2倍となり、3つの遊技回に亘って実行される特殊表示演出においては付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約3倍となる。このような擬似的な高確率状態を発生させることにより、高頻度サポートモード中の遊技への期待度を高めることができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
なお、特殊表示演出が実行される表示画面75a及び遊技回毎の変動表示が実行される主表示部D(作動入球部用表示部DL,DR)については、前者を後者よりも大きくするとともに前者を後者よりも遊技機(遊技領域PE)の中央寄りとなる位置に配置している。これにより、上述した各種効果を一層好適に発揮させることができる。
パチンコ機10においては遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっており、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路が釘69等によって多様化されている。このため、低頻度入賞モード中(左ルートへ遊技球を発射している場合)は作動入球部62,63への入球発生頻度に偏りが生じやすく、安定して保留情報を複数記憶させた状態とすることが難しくなる。更に、このような状況にて複数の保留情報を対象とする特殊表示演出が実行されることは、遊技者に保留情報が消失したかのような印象を与える要因になり上述した擬似的な高確率状態を発生の仕組みが遊技者に把握される要因になる。これでは、上述した機能が上手く発揮されなくなると懸念される。
一方、高頻度サポートモード中は低頻度サポートモード中と比較して、右側作動入球部63への入球発生頻度が高くなり、ある程度の数の保留情報を記憶させた状態を維持しやすい。故に、このような状況下にて特殊表示演出を行い、入球の発生しにくい低頻度入賞モード中は当該特殊表示演出を行わない構成とすることには上記機能を好適に発揮させる上で好ましいという技術的意義がある。
なお、特殊表示演出は、連続する複数の遊技回のうち最初の遊技回の開始に基づいて開始され、最後の遊技回の終了に基づいて終了する。これにより、図柄表示装置75の表示画面75aと主表示部Dの作動入球部用表示部DL,DRとの関係性を好適に維持することができる。
複数の遊技回に係る付与判定の結果を1の特殊表示演出(表示回)によって示す構成においては、特殊表示演出の対象となる保留情報(遊技回)の数が多いほうが、当選結果となる可能性が高くなる。つまり、擬似的に一括で消化する保留情報の数が多くなることにより、遊技回毎の当選確率を変えることなくあたかも当選結果になる確率が上昇しているかのような特殊遊技状態が確立される。故に、遊技の更なる多様化を実現し、遊技への注目度向上効果を好適に発揮させることが可能となる。
特殊遊技状態への移行した際には対象となる遊技回の数が多いほど上述の如く当選確率を擬似的に上げることができる。しかしながら、係る構成では当然のことながら対象となる遊技回の数が多くなることで見た目の消化速度も速くなる。このため、第1特殊遊技状態〜第3特殊遊技状態を比較した際に実質的にどちらが有利であるかがあいまいになり得る。
この点、本実施の形態によれば、特殊表示演出の対象となる遊技回の数(擬似的にまとめられる遊技回の数)が多い場合には高頻度サポートモードによるサポート回数が多くなり、対象となる遊技回の数が少い場合には高頻度サポートモードによるサポート回数も少なくなる。これにより、各特殊遊技状態の実質的な有利不利の差を明確にすることができ、上記不都合の発生を好適に回避できる。
特に、第1特殊遊技状態における上記規定数(「2」)により当該第1特殊遊技状態に係るサポート回数(「40」)を除した数と、第2特殊遊技状態における上記規定数(「3」)により当該第2特殊遊技状態に係るサポート回数(「60」)を除した数と、第3特殊遊技状態における上記規定数(「4」)によりサポート回数(「80」)を除した数が同一となっているため、当選確率を変化させることなく、回数に制限が設けられた擬似的な高確率当選ゾーンを実現することができる。このようにして、高頻度サポートモード中の遊技に段階的な高確率ゾーンとしての機能を付与することが可能となり、遊技の多様化に貢献できる。
高頻度サポートモード中に特殊表示演出を行う(擬似高確率遊技状態とする)遊技機であっても、記憶されている保留情報の数の増減のむらを完全に払拭することは困難である。つまり、特殊遊技状態となって特殊表示演出を実行する際に、必ずしもそれに見合うだけの保留情報が確保されているとは限らない。そこで、記憶されている保留情報の数が規定数に達している場合には、規定数と同数の保留情報に対応した遊技回に亘って特殊演出表示を実行し、記憶されている保留情報の数が規定数に達していない場合には、記憶されている全ての保留情報(右側作動入球部63に係る保留情報)に対応する遊技回に亘って特殊表示演出を実行することにより、上述した擬似的な高確率状態を実現する機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
特殊表示演出が繰り返される過程で大当たりに当選した場合に、強制的にそれよりも後の遊技回までをも含めて特殊表示演出が行われると、遊技者が不測の不利益を被る可能性が生じる。そこで、上述した保留情報の先読み機能を併用して当選結果の有無を事前に把握した上で特殊表示演出の対象となる保留情報を制限することにより、上記不都合の発生を抑制することができる。
擬似的な高確率状態を複数実現して遊技の多様化を図った場合には、どれだけの数の保留情報を対象として特定の演出表示が行われているかが遊技者によって把握されてしまうと、擬似的な高確率状態の仕組みが分かってしまう。これでは、上述した各種効果を上手く発揮させることができなくなると懸念される。遊技者の注目は専ら表示画面75aに向くと想定される。そこで、表示画面75aにおける保留球を非表示とし、表示画面75aとは異なる箇所に設けられた主表示部Dにて保留情報の数の表示を残す構成とすることにより、上記不都合の発生を抑制することができる。
複数の遊技回に亘って特殊表示演出を行う場合には、遊技回毎の時間が積算されるため特殊表示演出を行う時間が多様になる。このような時間の多様化は特殊表示演出に係る制御負荷を増大させる要因になるため好ましくない。そこで、特殊遊技状態においては長短2種類の表示時間の一方を選択して遊技回毎の変動表示時間を設定することにより、上記不都合の発生を回避できる。
また、長短2種類の変動表示時間を採用し、連続する複数の保留情報のうち1の保留情報について長めの第1変動表示時間T1を選択し且つ他の保留情報については短めの第2変動表示時間T2を選択することにより、特殊表示演出が間延びして遊技進行がいたずらに遅延されているかのような印象を遊技者に与えることを抑制できる。
そして、所定数の特別情報のうち1つに相対的に長く設定された第1変動表示時間T1が含まれる構成とすることにより、特殊表示演出が実行されている最中に新たに保留情報を記憶できる可能性を高くすることができる。故に、所定数の保留情報が確保されぬまま次の表示回に移ることを抑制し、上述した擬似高確率状態とする機能が上手く発揮されなくなることを好適に回避できる。
第1変動表示時間T1/第2変動表示時間T2の選択を行う構成においては、周期的にそれら各変動表示時間T1,T2を配分とすることにより、特殊表示演出をテンポよく実行することが可能となり、当該特殊表示演出が過剰に長くなったり過剰に短くなったりすることを好適に抑制できる。
<第2の実施の形態>
パチンコ機10においては、そもそも遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっており、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路が釘69等によって多様化されている。このため、高頻度サポートモード中であっても右側作動入球部63への入球発生頻度に偏りが生じ得る。故に、予め設定された数の特別情報を安定して記憶させた状態とすることが難しくなる場合が発生すると想定される。特に、第1の実施の形態に示した各特殊遊技状態については上記設定数が大きくなればなるほど、上述した偏りの影響を受けやすくなる可能性がある。
本実施の形態は、このような実情に鑑みてなされたものであり、上述した偏りの影響を受けにくくするための工夫が施されていることを特徴の1つとしている。具体的には、上記実施の形態においては、特殊変動表示(表示回)の開始タイミングにて記憶されている保留情報の数を参照し、その参照結果に基づいて特殊変動表示の対象となる保留情報を確定する構成としたが、本実施の形態においては当該確定のタイミングを相違させるという簡易な構成によって、詳しくは確定タイミングを特殊変動表示の開始タイミングよりも遅らせることによって上述した不都合の発生が抑えられている。
ここで、上述した確定タイミングを遅らせるための構成について、図31〜図35のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、第1の実施の形態と共通となっている各種構成については説明を援用し、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
図31及び図32に示すように、主制御装置162のMPU602にて実行される各遊技回毎の変動表示時間の決定態様が上記第1の実施の形態と相違している。そこで先ず、図31のフローチャートを参照して、特殊時間設定準備処理について説明する。この特殊時間設定準備処理は、通常処理(図15)の一環として実行される処理である。
<特殊時間設定準備処理>
特殊時間設定準備処理においては、どの保留情報に対して第1変動表示時間T1及び第2変動表示時間T2のどちらを適用するかを決定するための準備が行われる。具体的には、先ずステップS1801にて開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1801にて肯定判定をした場合、より詳しくは開閉実行モードが終了して特殊遊技状態に移行するタイミングであるか否かを判定する。
ステップS1801にて肯定判定をした場合にはステップS1802に進む。ステップS1802では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに契機フラグをセットする。遊技回制御処理(図16)にて変動表示時間の設定処理を行う際には、この契機フラグがセットされていることに基づいて、第1変動表示時間T1が設定されることとなる。言い換えれば、特殊遊技状態にて契機フラグがセットされていない場合には、第2変動表示時間T2が設定されることとなる。
一方、ステップS1801にて否定判定をした場合にはステップS1803に進む。ステップS1803では、第1変動表示時間T1に対応した遊技回の開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1803にて肯定判定をした場合にはステップS1804に進み、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた確認用タイマカウンタCCの値を「0」クリアする。確認用タイマカウンタCCの値は通常処理が実行される毎に1ずつ加算される。この確認用タイマカウンタCCの値に基づいて、各遊技回の開始時に変動表示時間T1/T2のどちらが選択されるかが左右される。
続くステップS1805では、RAM604の各種カウンタエリア604dに設けられた保留数カウンタMCの値を「0」クリアする。保留数カウンタMCの値は、タイマ割込み処理の一環として実行される上記作動入球部用の入賞処理(図12参照)にて保留情報(詳しくは右側作動入球部63に係る保留情報)が記憶される毎に更新される(「1」加算される)。この保留数カウンタMCの値に基づいて、各遊技回の開始時に変動表示時間T1/T2のどちらが選択されるかが左右される。
ステップS1803にて否定判定をした場合にはステップS1806に進む。ステップS1806では上記保留数カウンタMCの値が現在の特殊遊技状態に対応する規定数に達しているか否かを判定する。ステップS1806にて肯定判定をした場合。すなわち保留数カウンタMCの値が規定数となっている場合にはステップS1807及びステップS1808の規定数到達用の処理に進む。
ステップS1807ではRAM604の各種フラグ格納エリア604eに契機フラグをセットし、続くステップS1807では保留数カウンタMCの値を「0」クリアする。なお、保留数カウンタMCについては、特殊遊技状態への移行に伴って有効化(更新)され、他の遊技状態である場合には無効化される(更新されない)構成となっている。
ステップS1806の説明に戻り、当該ステップS1806にて否定判定をした場合であっても他の条件を満たせば上述したステップS1807及びステップS1808の処理を実行する。具体的には、ステップS1809に示すように、上記確認用タイマカウンタCCの値が所定値となっているか否かを判定する。この所定値は、第1変動表示時間(12sec)よりも短い期間(本実施の形態においては6sec)となるように設定されており、詳細については後述するが特殊変動表示に含める遊技回(保留情報)を確認するタイミングに対応するものである。主制御装置162のMPU602では、報知・演出制御装置610等のサブ側の制御装置からの信号ではなく、確認用タイマカウンタCCの値と所定値とを比較することにより上記確認タイミングとなったか否かを独自に判定する。
次に、図32のフローチャートを参照して、本実施の形態における変動表示時間の設定処理のうち特殊遊技状態対応の設定処理について説明する。
<特殊遊技状態対応の設定処理>
特殊遊技状態対応の設定処理においては先ず、ステップS1901にて特殊遊技状態への移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS1901にて肯定判定をした場合にはステップS1902に進む。ステップS1902では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに上述した契機フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1902にて肯定判定をした場合にはステップS1903に進み、変動表示時間の再設定処理を行う。具体的には、開閉実行モード終了して特殊遊技状態へ移行する際に保留情報が記憶されている場合には、上述した先特定に係る処理にて仮決定されている変動表示時間を無効として、新たに変動表示時間を設定する処理を行う。詳細な説明については省略するが、このような変更が行われた旨は報知・演出制御装置610等にコマンドによって伝達されることとなる。
ステップS1901〜ステップS1903の各処理により、特殊遊技状態移行した後の最初の遊技回については相対的に長く設定された第1変動表示時間T1が適用されることとなる。ステップS1903の処理を実行した後は、ステップS1904に進み契機フラグの消去処理を実行し、そのまま本特殊遊技状態対応の設定処理を終了する。
ステップS1901の説明に戻り、当該ステップS1901にて否定判定をした場合、すなわち特殊遊技状態への移行タイミングではないと判定した場合には、ステップS1905に進む。ステップS1905においては確認用タイマカウンタCCの値が上記所定値よりも小さいか否かを判定する。すなわち、上述した確認タイミングに達しているか否かを判定する。
ステップS1905にて否定判定をした場合、すなわち確認タイミングに到っていないと判定した場合には、ステップS1906以下の処理に進む。但し、本実施の形態に示す所定値については確認用タイマカウンタCCの値が「0」クリアされた遊技回中に上述した確認タイミングとなるように設定されている。このため、特殊変動表示時間として第1変動表示時間が設定された遊技回においては確認用タイマカウンタCCの値が所定値に達していない状況下にて、再度変動表示が開始されることはない。つまり、遊技回が重複することはない。故に、ステップS1906〜ステップS1910の各処理については、基本的には省略されるものである。
<変形パターンに対応可能な構成の補足説明>
ここで、所定値については任意に変更することも可能である。このため、後述する変形例に示すように、複数の遊技回を跨ぐようにして特殊変動表示を行うことが可能であることが事前に把握されている状況下においては確認タイミングが特殊変動表示の開始契機となった遊技回ではなく、その後の遊技回中に到達されるように設定される場合もある。この場合には、ステップS1906〜ステップS1910の各処理が実行される。
具体的には、ステップS1906では保留数が規定数を上回っているか否かを判定する。ステップS1906にて肯定判定をした場合には、ステップS1907に進み次回の特殊変動表示の開始契機となる保留情報であるか否かを判定する。ステップS1906及びステップS1907の判定処理については、実際はRAM604の各種フラグ格納エリア604eに契機フラグが格納されているか否かに基づいて実行される処理であり、契機フラグが格納されている場合にはステップS1906及びステップS1907の両処理にて肯定判定をしてステップS1908に進むこととなる。ステップS1908にて変動表示時間に第1変動表示時間T1をセットした後は、ステップS1909にてRAM604の各種フラグ格納エリア604eに格納されている契機フラグを消去し、本特殊遊技状態対応の設定処理を終了する。
一方、ステップS1906及びステップS1907のいずれかにて否定判定をした場合、すなわちRAM604の各種フラグ格納エリア604eに契機フラグが格納されていない場合には、ステップS1910に進む。ステップS1910にて変動表示時間に第2変動表示時間T2をセットした後は、そのまま本特殊遊技状態対応の設定処理を終了する。
ステップS1905の説明に戻り、当該ステップS1905にて肯定判定をした場合、すなわち確認用タイマカウンタCCの値が所定値よりも大きいと判定した場合には、ステップS1911に進む。ステップS1911では、RAM604の各種フラグ格納エリア604eに契機フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1911にて肯定判定をした場合には、続くステップS1912にて変動表示時間に第1変動表示時間T1をセットする。その後、ステップS1913にて契機フラグを消去して、そのまま本特殊遊技状態対応の設定処理を終了する。
図32のフローチャートにおいては、ステップS1911にて否定判定をした場合に、ステップS1907へと移り、第1変動表示時間T1/第2変動表示時間T2の何れを適用するかの各種処理を実行する場合について示しているが、本実施の形態においては、変動表示時間としてどちらを設定するかについては、上記特殊時間設定準備処理にて規定されている。故に、実際には、ステップS1911にて否定判定をした場合には、ステップS1910にて変動表示時間に第2変動表示時間T2をセットした後、そのまま本特殊遊技状態対応の設定処理を終了することとなる。
ここで、上述した変形例に示すように、所定値が変更された場合には、ステップS1911にて否定判定をすることにより、第1変動表示時間T1/第2変動表示時間T2の何れを適用するかの各種処理が実行されることとなる。
以上、詳述したように、本実施の形態における主制御装置162については、確認タイミングを一義的に規定すべく所定値=不変値(個定値)としたが、所定値を可変式とする場合であっても、これを許容できる構成となっている。
次に、図33のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置610のMPU612に実行される特殊変動表示態様の決定処理(以下、特殊変動態様決定処理という)について説明する。当該特殊変動態様決定処理は、MPU612にて定期的に実行される通常処理の一環として行われる処理である。
特殊変動態様決定処理においては先ず、ステップS2001にて特殊変動表示が実行されている最中か否かを判定する。ステップS2001にて否定判定をした場合には、ステップS2002に進む。ステップS2002では特殊変動表示の契機となる変動用コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2002にて否定判定をした場合にはそのまま本特殊変動態様決定処理を終了する。
一方、ステップS2002にて肯定判定をした場合には、変動用コマンド及び種別コマンドを参照して、大当たり結果に対応しているか否かを判定する。ステップS2003にて否定判定をした場合には、特殊変動表示態様の仮設定処理を実行する。当該仮設定処理では、先ず遊技状態が第1特殊遊技状態〜第3特殊遊技状態の何れであるかを確認し、その確認結果に基づいて特殊変動表示態様を抽選により仮設定する。
具体的には、第1特殊遊技状態である場合には2つの遊技回(保留情報)に跨って実行される一連の特殊変動表示態様を抽選によって仮決定し、第2特殊遊技状態である場合には3つの遊技回(保留情報)に跨って実行される一連の特殊変動表示態様を抽選によって仮決定し、第3特殊遊技状態である場合には3つの遊技回(保留情報)に跨って実行される一連の特殊変動表示態様を抽選によって仮決定する。つまり、特殊変動表示の契機となる変動用コマンドを受信した場合には、そのタイミングにて記憶されている保留情報の数に関係なく、特殊変動表示の態様を上記保留情報が確保されるものと仮定して仮設定を行う。
一方、ステップS2003にて肯定判定をした場合には、ステップS2005に進む。ステップS2005では制限付き特殊変動表示確定処理を実行する。当該特殊変動表示の契機となる遊技回が大当たり結果に対応している場合には、後続する保留情報が存在していたとしても、特殊変動表示に対応する遊技回が1に限定されることとなる。そこで、上述したような仮設定ではなく、特殊変動表示態様の確定処理がなされる。
ステップS2004又はステップS2005の処理を実行した後はステップS2006に進み、特殊変動表示用コマンドの設定処理を実行した後、本特殊変動態様決定処理を終了する。表示制御装置620のMPU622では、当該特殊変動表示用コマンドを受信することにより、どの種の特殊変動表示を行うかを特定する。
ステップS2001の説明に戻り、当該ステップS2001にて肯定判定をした場合には、すなわち特殊変動表示が実行されている最中であると判定した場合には、ステップS2007に進む。ステップS2007では上述した確認タイミングとなったか否か(詳しくは特殊変動表示が開始してから6secが経過したか否か)を判定する。ステップS2007にて否定判定をした場合には、そのまま本特殊変動表示態様決定処理を終了する。
一方、ステップS2007にて肯定判定をした場合には、仮設定されている特殊変動表示の態様を確定すべく、ステップS2008の特殊演出態様確定処理を実行した後、本特殊変動態様決定処理を終了する。
<特殊演出態様確定処理>
ここで、図34のフローチャートを参照して特殊演出態様確定処理について説明する。
特殊演出態様確定処理においては、先ずステップS2101にて特殊変動表示の対象となる保留情報(遊技回)の確定処理を実行する。具体的には、確認タイミングにて記憶されている保留情報(詳しくは右側作動入球部63にかかる保留情報)の数を参照し、その保留情報の数が上記規定数以上である場合には規定数と同数の保留情報に亘って特殊変動表示が実行されるように、保留情報の数が上記規定数よりも少ない場合には当該記憶されている保留情報に亘って特殊変動表示が実行されるように対象となる保留情報(遊技回)を確定する。
続くステップS2102では、ステップS2101にて確定した保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在するか否かを先特定した情報に基づいて判定する。ステップS2102にて否定判定をした場合にはステップS2103に進む。ステップS2103では、上記確定された保留情報の数(保留数)が規定数に達しているか否かを判定する。
規定数に達していると判定した場合には、ステップS2104に進み特殊変動表示継続処理を行う。これにより、ステップS2004にて仮設定された特殊変動表示態様をそのまま継続することが確定する。その後は、ステップS2105にて特殊変動表示態様継続コマンド設定処理を実行した後、本特殊演出確定処理を終了する。ステップS2105にて設定された特殊変動表示継続コマンドは表示制御装置620に送信され、表示制御装置620ではこの特殊変動表示継続コマンドを受信することにより、仮設定された特殊変動表示態様をそのまま継続することが確定された旨を把握する。
ステップS2103の説明に戻り、当該ステップS2103にて否定判定をした場合、すなわち上記確定された保留情報の数(保留数)が規定数に達していないと判定した場合には、ステップS2106に進み特殊変動表示態様の第1変更処理を実行する。上述したように、仮設定された特殊変動表示態様はそもそも保留情報の数が規定数に達することを前提に設定されている。このため、当該保留情報の数が規定数に満たない場合には、特殊変動表示態様を変更する必要が生じる。そこで、第1変更処理においては、確定された保留情報の数に基づいて、仮設定されている特殊変動表示態様を当該保留情報の数に対応するように変更する。
その後は、ステップS2107にて特殊変動表示態様第1変更コマンド設定処理を実行した後、本特殊演出確定処理を終了する。ステップS2107にて設定された特殊変動表示態様第1変更コマンドは表示制御装置620に送信され、表示制御装置620ではこの第1変更コマンドを受信することにより、仮設定された特殊変動表示態様を変更すべきこと、及びその変更パターンを把握する。
図28にて例示したように特殊変動表示は表示画面75a(詳しくは第1変動表示領域ME1)にて一連のアニメーション表示がなされるが、このアニメーション表示については、その途中部分に保留情報の数や当たり結果の有無に応じて分岐する分岐が設けられており、上記第1変更処理においては分岐以降のアニメーション表示の差し替えを行うことにより、特殊変動表示(表示回)の長さを変更されることとなる。
ステップS2102の説明に戻り、当該ステップS2102にて肯定判定をした場合、すなわちステップS2101にて確定した保留情報の中に大当たり結果に対応するものが存在すると判定した場合には、ステップS2108に進む。ステップS2107にて仮設定された特殊変動表示態様については、保留情報の数が規定数に達すること、またそれら保留情報の中に当たり結果に対応するものが存在しないこと前提としている。ステップS2102にて肯定判定をした場合には、これら2つの前提条件のうち少なくとも後者に非対応となる。そこでステップS2108では、仮設定された特殊変動表示態様を、当たり結果に対応するもの、且つ対象となる保留情報の数が当たり結果に対応するものまでに限定されたものに合わせて変更するための処理(特殊変動表示態様の第2変更処理)を実行する。
その後は、ステップS2109にて特殊変動表示態様第2変更コマンド設定処理を実行した後、本特殊演出確定処理を終了する。ステップS2108にて設定された特殊変動表示態様第2変更コマンドは表示制御装置620に送信され、表示制御装置620ではこの第2変更コマンドを受信することにより、仮設定された特殊変動表示態様を変更すべきこと、及びその変更パターンを把握する。
上述の如く特殊変動表示は表示画面75a(詳しくは第1変動表示領域ME1)にて一連のアニメーション表示がなされるが、このアニメーション表示については、その途中部分に保留情報の数や当たり結果の有無に応じて分岐する分岐が設けられており、上記第1変更処理においては分岐以降のアニメーション表示の差し替えを行うことにより、特殊変動表示(表示回)の長さ及びその最終表示結果を変更されることとなる。
次に、図35のフローチャートを参照して表示制御装置620のMPU622にて実行される特殊遊技状態での表示制御処理について説明する。
<特殊遊技状態での表示制御処理>
当該表示制御処理においては、先ずステップS2201にて変動用コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS2201にて肯定判定をした場合にはステップS2202に進む。
ステップS2202では、受信した変動用コマンドに基づいて第2変動表示領域ME2における図柄の変動表示を開始する処理を実行する。これにより、第2変動表示領域ME2においては、簡略化された図柄が縦方向にスクロール表示を開始する。なお、第2変動表示領域ME2における変動表示態様については、ROM623の各種テーブル記憶エリア623aに格納された特殊変動表示時の変動表示態様用決定テーブルを参照して決定される。
ステップS2202の処理を実行した後はステップS2203に進み、報知・演出制御装置から特殊変動表示用コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2203にて特殊変動表示用コマンドを受信していないと判定した場合、例えば第1変動表示領域ME1にて特殊変動表示(特殊表示演出)を実行している最中である場合には、そのまま本表示制御処理を終了する。
ステップS2203にて肯定判定をした場合にはステップS2204に進み第1変動表示領域ME1の表示制御処理を実行する。具体的には、表示制御装置620に記憶されている動画(アニメーション画像)を表示する画像表示処理を実行する。
続くステップS2205では特殊遊技状態に移行した後に、特殊変動表示が実行された回数、具体的には第1変動表示領域ME1にて特殊変動表示が実行された回数が予め設定された上限数(本実施の形態においては20回)に達しているか否かを判定する。より詳しくは、RAM624の各種カウンタエリア624bには、特殊遊技状態に移行後に特殊変動表示が実行された回数を記憶する遊技回数カウンタGC2が設けられており、この遊技回数カウンタGC2の値が上記上限を超えているか否かを判定する。
ステップS2205にて否定判定をした場合には、上記回数表示領域CEに表示されている残り回数を1減算した状態となるように変更する。一方、ステップS2205にて肯定判定をした場合には、ステップS2207に進み回数表示領域CEの表示切替処理を実行する。具体的には、まもなく特殊遊技状態が終わる可能性が高い旨を示す、又は特殊遊技状態が延長されたことを示すメッセージとして例えば「WARNING!」が表示される。
本実施の形態においては、遊技回数カウンタGC2の値が上限として設定された数(上限数「20」)を上回る可能性がある。上限数については、高頻度サポートモードの恩恵を受けることができる遊技回の数を上記特殊変動表示(特殊表示演出)が実行される際に対象となる保留情報(遊技回)の数で割った数であるが、必ずしも都度の特殊変動表示が十分な数の保留情報が記憶されている状況下で実行されるとは限らない。また、特殊遊技状態については高頻度サポートモードから低頻度サポートモードへ転落するまで継続され、その間に消化される遊技回の数は決まっている。これらの理由に鑑みた場合、以下の事象が発生する。すなわち、例えば3つ連続する保留情報を上限としてそれら各保留情報に対応する遊技回に亘って特殊変動表示を行う状態であっても、保留情報の数が3つよりも少ないという条件下で特殊変動表示を開始しようとすれば、必然的に回数表示領域CEに表示されている数と、実際に特殊遊技状態で特殊変動表示が実行される回数とにずれが生じる。ステップS2205〜S2207の処理は、このようなズレによる違和感の発生を抑制するための工夫である。
ステップS2201の説明に戻り、当該ステップS2201にて否定判定をした場合、すなわち変動用コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2208に進む。ステップS2208では、報知・演出制御装置610から特殊変動表示継続コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2208にて肯定判定をした場合には、ステップS2209にて第1変動表示領域ME1における表示態様の確定処理を行った後、本表示制御処理を終了する。この確定処理により、事前に仮設定されていた特殊変動表示態様をそのまま実行されることとなる。
一方、ステップS2208にて否定判定をした場合にはステップS2210に進む。ステップS2210では報知・演出制御装置610から特殊変動表示態様を変更する第1変更コマンド及び第2変更コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。ステップS2210にて肯定判定をした場合には、ステップS2211にて第1変動表示領域ME1における表示態様の変更処理を行った後、本表示制御処理を終了する。当該変更処理においては、事前に仮設定されていた特殊変動表示態様を上述した分岐を境に変更する処理を実行する。
ステップS2210にて否定判定をした場合にはステップS2212に進む。ステップS2212では、主制御装置162から変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS2212にて否定判定をした場合にそのまま、本表示制御処理を終了する。
ステップS2212にて肯定判定をした場合には、ステップS2213に進み第2変動表示領域ME2の変動表示の終了処理を実行する。これにより、第2変動表示領域ME2においては当該遊技回に対応する図柄組合せが停止表示されることとなる。
本実施の形態においては、特殊変動表示の対象となる遊技回(保留情報)を確定させるタイミングを特殊変動表示の開始タイミング(特殊変動表示の契機となる遊技回の開始タイミング)から遅らせることにより、特殊変動表示の対象となる遊技回(保留情報)の数を担保しやすい構成を実現していることを特徴の1つとしている。
ここで、図36のタイミングチャートを参照して、特殊遊技状態(詳しくは第3特殊遊技状態)となっている状況下にておける入球タイミング(保留情報の取得タイミング)と特殊変動表示の対象となる遊技回(保留情報)を確定させるタイミングとの関係について説明する。なお、図36においては、複数のパターン(パターン1〜パターン3)について例示している。また、各表示回における確認タイミングを1点鎖線により他のタイミングとは区別して表示している。
先の特殊変動表示が終了したta1のタイミングでは表示画面75aの第1変動表示領域ME1に女の子が妖精を取り逃がした画像が表示され、第2変動表示領域ME2に外れ結果に対応する図柄の組み合わせが表示される。この表示は、特殊変動表示の結果として一定期間に亘って停止表示されることとなる。停止表示が終了したta2のタイミングでは、右側作動入球部63に係る保留情報の数が「1」であり、この保留情報に基づいて、主表示部Dの作動入球部用表示部DRの変動表示が開始されるとともに、表示画面75aにおいては特殊変動表示が開始されることとなる。これに基づいて、記憶されている保留情報の数が「1」→「0」に減算される。また、これに併せて、表示画面75aに表示されている残り回数についても「1」減算表示され、高頻度サポートモードの残りサポート回数についても「1」減算されることとなる。
図36については、第3特殊遊技状態となっている場合について例示している。既に説明したように、第3特殊遊技状態については、最大で3つの遊技回(保留情報)に亘って1の特殊変動表示が行われる遊技状態である。但し、ta2のタイミングでは保留情報の数が「1」であり規定数である「3」を満たしていない。
ta2のタイミングにて開始される特殊変動表示については、後の確認タイミングまでに保留情報の数に関する条件が満たされることを前提として仮決定されたものが表示されることとなる。この特殊変動表示の開始契機となった保留情報(遊技回)については、上述した第1変動表示時間T1に対応している。このため、右側作動入球部用表示部DRの変動表示については、その後12secに亘って継続されることとなる。
ta3のタイミング〜ta6のタイミングにおいては順当に右側作動入球部63への入球が発生し記憶された保留情報の数が記憶上限数である「4」に到達することとなる。特に、ta4のタイミングにおいては、記憶されている保留情報の数が「2」となり、当該特殊変動表示の開始契機となった保留情報を加えて上記規定数と同数(「3」)の保留情報が確保されたこととなる。
ta2のタイミングから所定の期間(6sec)が経過したta7のタイミングでは、上述した確認処理が実行される。パターン1においては、記憶されている保留情報の数が既に規定数を上回っている。このため、ta7のタイミングでは、当該特殊変動表示の表示態様がta2のタイミングにて仮設定されたもののままとなるようにして確定されることとなる。
ta8のタイミングでは当該特殊変動表示の開始契機となった保留情報に係る当選結果(外れ結果)が第2変動表示領域ME2にて明示されるとともに、第1変動表示領域ME1においてはアニメーション表示が分岐に到達することとなる。この際、主表示部Dの右側作動入球部用表示部DRについても遊技回の抽選結果が確定表示されることとなる。
この確定表示についてはta9のタイミングまで継続され、当該ta9のタイミングで次の遊技回に移る。具体的には、右側作動入球部63に係る保留情報を「1」消費して、遊技回が開始される。これにより、右側作動入球部用表示部DRの変動表示が開始され、これに併せて第2変動表示領域ME2においても停止表示されていた図柄の変動表示が開始されることとなる。この際、第1変動表示領域ME1においては、アニメーション表示が継続(所謂発展表示)される。
ta9のタイミングにて開始された遊技回については上述した第2変動表示時間に対応している。このため、ta9のタイミングから0.6secが経過したta10のタイミングにて当該遊技回の抽選結果が報知されることとなる。具体的には、当該遊技回に係る当選結果(外れ結果)が第2変動表示領域ME2にて明示されるとともに、右側作動入球部用表示部DRについても遊技回の抽選結果が確定表示されることとなる。
この確定表示についてはta11のタイミングまで継続され、当該ta11のタイミングで次の遊技回に移る。具体的には、右側作動入球部63に係る保留情報を「1」消費して、遊技回が開始される。これにより、右側作動入球部用表示部DRの変動表示が開始され、これに併せて第2変動表示領域ME2においても停止表示されていた図柄の変動表示が開始されることとなる。この際、第1変動表示領域ME1においては、アニメーション表示が継続(所謂発展表示)される。
ta11のタイミングにて開始された遊技回については上述した第2変動表示時間に対応している。このため、ta11のタイミングから0.6secが経過したta12のタイミングにて当該遊技回の抽選結果が報知されることとなる。具体的には、当該遊技回に係る当選結果(外れ結果)が第2変動表示領域ME2にて明示されるとともに、右側作動入球部用表示部DRについても遊技回の抽選結果が確定表示されることとなる。当該特殊変動表示については3つの遊技回に亘って実行され、このタイミングにて同特殊変動表示が終了することにより、抽選結果が明示されることとなる。パターン1においては当選結果には対応していないため、表示画面75aの第1変動表示領域ME1では女の子のキャラクタが最終的に妖精を取り逃がした様子(外れ結果となった旨)が表示される。
この確定表示についてはta13のタイミングまで継続され、当該ta13のタイミングで次の遊技回に移る。
次に、確認タイミングにて必要な保留情報の数が規定数に達していない場合についてパターン2を参照して説明する。
ta13のタイミングでは、右側作動入球部63に係る保留情報を「1」消費して、遊技回が開始される。これにより、右側作動入球部用表示部DRの変動表示が開始され、これに併せて第2変動表示領域ME2においても停止表示されていた図柄の変動表示が開始されることとなる。この際、第1変動表示領域ME1においては、アニメーション表示が継続(所謂発展表示)される。
この時点では、保留情報の数が「2」であり、そのうち先に記憶されている保留情報に基づいて特殊変動表示が開始されることになる。パターン2についてもパターン1と同様に、特殊変動表示の開始時に規定数以上の保留情報が確保されていないため、当該特殊変動表示についても見切り発進となる。
ta13のタイミングにて開始された特殊変動表示の契機となる遊技回については、パターン1と同様に第1変動表示時間T1が適用されている。このため、この遊技回中に確認タイミングに到達する。
ta13のタイミングから所定の期間(6sec)が経過したta14のタイミングでは、上述した確認処理が実行される。パターン2においては、ta13のタイミングから所定の期間が経過するまでの間に右側作動入球部63への入賞が発生していない。つまり、右側作動入球部63に係る保留情報の数については、「1」のままとなっている。
このため、ta14のタイミングでは、当該特殊変動表示の契機となった保留情報に現在記憶されている「1」の保留情報を加味した2つの保留情報が対象となるように特殊変動表示の対象を確定させる。ここで確定された対象の数は規定数「3」に満たないため、上記ta13のタイミングにて仮設定された特殊変動表示態様の変更を行う。これにより、特殊変動表示が3つの遊技回に対応するものから2つの遊技回に対応するものへ短縮されることとなる。
ここで、パターン2においてはta15のタイミング(確認タイミング)の後のta16のタイミングやta17のタイミングにて右側作動入球部63への入賞が発生し、右側作動入球部63に係る保留情報が新たに取得されているが、これらの取得タイミングについてはta15のタイミング以降であるため、それら新たに取得された保留情報については、当該特殊変動表示の対象とはならず、次回の特殊変動表示(表示回)にまわされることとなる。
次に、特殊変動表示の開始タイミングにて既に規定数の保留情報が確保されている場合について、パターン3を参照して簡単に説明する。このように、十分な数の保留情報が確保されている場合であっても、特殊変動表示の演出態様を確定させるタイミングについては、上記パターン1及びパターン2と同様である。具体的には、ta20のタイミングにて特殊変動表示を開始してから所定の期間(6sec)が経過したta21のタイミングとなる。パターン3においても、特殊変動表示の開始契機となる遊技回については第1変動表示時間T1が適用されるため、ta21のタイミングまでに保留情報が減ることはない。ta21のタイミングでは、記憶されている保留情報の数が既に規定数を上回っていることが確認され、当該特殊変動表示の表示態様がta20のタイミングにて仮設定されたもののままとなるようにして確定されることとなる。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果が発揮される。
遊技領域PEを遊技球が流下するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを多様にすることで注目度の向上を実現しているため、遊技進行に伴って記憶される保留情報の数については、安定して一定の数(例えば上限数)が確保されるとは限らない。この種の遊技機においては、仮に特殊変動表示が「当該特殊変動表示に対応する数(規定数)の保留情報が記憶されていること」という実行条件に依存してしまうと、特殊変動表示を実行できる機会が保留情報の数によって左右されやすくなる。これでは、特殊変動表示を実行できる機会が減ってしまい、特殊変動表示による興趣向上効果を上手く発揮させることが困難になる。
また、特殊変動表示の開始時に記憶されている特別情報の数に縛られて対象となる保留情報が決定される構成とした場合には、上述した擬似的な高確率状態を発生させる機能が上手く作用しなくなると懸念される。
この点、本実施の形態に示すように、先ず特殊変動表示を開始して、記憶されている保留情報の数をその途中で確認し、確認された保留情報の数に基づいて特殊変動表示の対象とする遊技回を決定する構成とすれば、特殊変動表示を行っている最中に保留情報が記憶された場合には、その保留情報を加味して特殊変動表示の対象となる遊技回を定めることが可能となる。これにより、上述した各種不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
具体的には、記憶されている保留情報の数が規定数に満たない場合であっても、とりあえずは少なくとも規定数と同数の保留情報が確保されるものとして特殊変動表示を開始することにより、すなわち規定数以上の数の保留情報が記憶されているか否かに関係なく特殊変動表示の開始を先行させることにより、その特殊変動表示中に保留情報が溜まって上記規定数に達する可能性が生じる。これにより、規定数に応じた特殊変動表示を実行し、上記擬似的な高確率状態を好適に発生させることが可能となる。
高頻度サポートモードになることにより右側作動入球部63への入球発生頻度が高くなる。これにより、遊技者は投資をできるだけ抑えつつ遊技を行うことができる。このような差違を設けることにより遊技者は高頻度サポートモードとなることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度の向上に貢献できる。
高頻度サポートモードにおいては入球発生頻度が高くなることから、記憶されている保留情報の数が担保されやすくなる。一般的に、このような状況においては所謂時短機能が作用して次々と保留情報が消化されることとなる。この場合、例えば表示画面においては数字等の所定の絵柄組み合わせが次々と停止表示されることとなり、単調に保留情報が消化されることで表示部の表示態様についても単調なものになりやすい。
この点、本実施の形態に示すように、高頻度サポートモードとなっている場合に、表示画面75aにて特殊変動表示が複数の遊技回に亘って実行される構成とすれば、特殊変動表示を実行するための期間を長くすることができ、特定変動表示に様々なバリエーションを付与することが可能となる。故に、仮に上述した時短機能が発揮された場合であっても、表示態様が単調になることを抑制できる。また、保留情報の確保が容易になることにより、第1の実施の形態に示した各種機能を上手く発揮させることが可能となる。
特に、高頻度サポートモード中に特殊変動表示が繰り返し実行される構成においては、実際の実行されている遊技回の数と、表示画面75a(詳しくは第1変動表示領域ME1)にて表示される擬似的な遊技回(擬似遊技回又は表示回)の数に差が生じることとなる。つまり、複数の遊技回をまとめて1つとすることにより、実質的な1遊技回での当選確率を変更することなく、第2切替モード中(特定演出表示中)は1の表示回にて付与判定に当選する確率を擬似的に変化させる(高くする)ことができる。例えば、2つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約2倍となり、3つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約3倍となる。このような擬似的な高確率状態を発生させることにより、高頻度サポートモード中の遊技への期待度を高めることができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
ここで、如何にして十分な数の特別情報を確保するかが上述した擬似的な高確率状態を生じさせる機能を発揮する上で重要な課題になる。本実施の形態に示した技術的思想を適用すれば、擬似的な高確率状態を生じさせる機能を安定して発揮させることが可能となる。
1回の特殊変動表示の対象となる遊技回のうち、最初の遊技回に対応するものについては第1変動表示時間T1が設定される。この遊技回中に上述した確認処理を行う構成とすることにより、記憶されている保留情報の数が規定数に満たない場合であっても、特殊変動表示中に新たに保留情報が記憶される可能性を高くすることが可能となる。保留情報の確認タイミングを演出表示開始タイミングよりも遅らせる場合であっても、十分な数の保留情報が確保されていなければ当該確認タイミングに係る制約も強くなる。この点、少なくとも最初の遊技回に対応するものが第1変動表示時間T1に対応していれば、上記制約を弱めることができ、新たな保留情報の確保のための時間稼ぎが容易になる。
上述した確認タイミング後に新たに記憶された保留情報のうち1つ目の保留情報について第1変動表示時間T1が適用される構成となっている。つまり、特殊変動表示が開始される際の契機になる保留情報については第1変動表示時間T1に対応していることとなる。これにより、特殊変動表示を繰り返す場合であっても、後続する特殊変動表示にて十分な数の保留情報を確保できなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
本実施の形態に示すように、特殊変動表示を記憶されている保留情報の数に関係なく見切り発進させる構成とすることにより、保留情報の記憶上限数を超えた数を特殊変動表示の対象とすることが可能となる。つまり、規定数が「5」となる第4の特殊遊技状態を設定することが可能となる。この場合には、サポート回数を「100」回とすることにより、他の特殊遊技状態に合わせて「20」回+αの擬似高確率ゾーンの多様化に貢献できる。
<第3の実施の形態>
上記各実施の形態においては、特殊遊技状態に移行した場合には、表示画面75aの第1変動表示領域ME1にてキャラクタ等を用いた一連のアニメーション表示を複数の遊技回に亘って実行するとともに、表示画面75aの第2変動表示領域ME2にて各遊技回に対応する図柄組合せの変動/停止表示を行う構成としたが、特定演出表示の態様についてはこれに限定されるものではない。各遊技回の抽選結果を示しつつ、一連の特殊変動表示を実現する上では、表示態様を次のように変更することも可能である。以下、図37及び図38を参照して、特殊変動表示の変形例について説明する。図37は表示画面75aにおける表示態様を示す概略図、図38は表示画面75aにてスクロール表示される図柄列を示す概略図である。
図37に示すように、図柄表示装置75の表示画面75aには、当該表示画面75aを左右に3等分するようにして3つの変動表示領域が設定されている。これら各変動表示領域に1対1で対応させて所謂スロットマシンのリールを模した画像が表示される構成となっている。以下の説明では便宜上、リールを模した各画像のうち左側のものを「左リール画像F1」、中央のものを「中リール画像F2」、右側のものを「右リール画像F3」と称する。
特殊変動表示が開始されると、全てのリール画像F1〜F3が縦方向にスクロール表示され、最終的に全てのリール画像が停止表示された状態にて表示画面75aに大当たりに対応する図柄の組合せが停止表示されることで、大当たり結果となった旨が報知される構成となっている。
本実施の形態においては、表示画面75aに計5本の組合せライン(有効ライン)が設定されている。より詳しくは、表示画面75aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面75aには、5つの有効ライン、すなわち上段ラインL1、中段ラインL2、下段ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、左リール画像F1→右リール画像F3→中リール画像F2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全リール画像F1〜F3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、左リール画像F1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、中リール画像F2を第2図柄列(又は第2絵柄列)、右リール画像F3を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することもできる。
図38に示すように、各リール画像F1〜F3には、所定の順序で各種図柄が配列されている。これら各リール画像F1〜F3を構成する図柄列には、「赤7」図柄(左リール画像F1における17番及び15番、中リール画像F2における16番、右リール画像F3における17番及び15番参照)と「白7」図柄(左リール画像F1における10番、中リール画像F2における6番、右リール画像F3における10番及び3番参照)とが含まれている。
上述した有効ラインL1〜L5上に「白7」図柄の組合せが停止表示されることにより通常大当たり結果に当選した旨が報知され、「赤7」図柄の組合せが停止表示されることにより確変大当たり結果に当選した旨が報知されることとなる。
ここで、図39及び図40を参照して、特殊遊技状態中に実行される特殊変動表示の流れについて説明する。図39は外れ結果に対応する特殊変動表示を示す概略図、図40は大当たり結果に対応する特殊変動表示を示す概略図である。なお、これら図39及び図40には第2種特殊遊技状態に対応する特殊変動表示が例示されている。
先ず図39(パターン1)を参照して、外れ結果に対応する特殊変動表示について説明する。tb1のタイミングで特殊変動表示が開始すると、それまで停止表示されていた全てのリール画像F1〜F3がスクロール表示を開始する。
tb1のタイミングから所定の期間(6sec)が経過した後は、先ず左リール画像F1が停止表示され、次に右リール画像F3が停止表示される。ここで、上述した確認タイミングにて、対象となる保留情報が複数記憶されていることが確認された場合には、左リール画像F1の「7」図柄と右リール画像F3の「7」図柄とが有効ライン(詳しくは中段ラインL2)上に停止し、所謂リーチ状態となる。なお、対象となる保留情報の数が単数である場合には、リーチ状態とならないようにして各リール画像F1,F3が停止表示される。
対象となる3つの遊技回のうち最初の遊技回が終了するtb2のタイミングでは、中リール画像F2のスクロール表示が終了することとなる。当該遊技回は外れ結果に対応しているため、この時点では、中リール画像F2の「7」図柄が中段ラインL2よりも上流側に外れるようにして当該中リール画像F2が停止表示されることとなる。
所定のインターバル(停止表示期間)を経過したtb3のタイミングでは2つ目の遊技回の開始に合わせて中リール画像F2が予め規定されたコマ数分下流側にずれるようにして再変動する。この際、左右のリール画像F1,F3については停止表示されたままとなっているため、中リール画像F2の「7」図柄が中段ラインL2に到達して、当該中段ライン上に停止表示されることにより大当たりに当選した旨が報知されることとなるが、本遊技回についても外れ結果に対応しているため、tb4のタイミングで変動表示が終了した際には、中リール画像F2の「7」図柄は中段ラインL2に到達する手前で停止した状態となる。
その後、再び所定のインターバル(停止表示期間)を経過したtb5のタイミングでは、3つ目(最後)の遊技回の開始に合わせて中リール画像F2が予め規定されたコマ数分下流側にずれるようにして再変動する。当該遊技回が終了するtb6のタイミングでは、中リール画像F2の「7」図柄は中段ラインL2上に位置しないようにして停止表示されることとなる。具体的には、この遊技回についても外れ結果に対応しているため、有効ライン上に「7」図柄の組合せを停止表示させないことにより、外れ結果となった旨が遊技者に報知されることとなる。
その後、tb7のタイミングでは、全てのリール画像F1〜F3のスクロール表示が開始され、次の特殊変動表示が実行されることとなる。
次に、図40(パターン2)を参照して、当たり結果に対応する特殊変動表示について説明する。なお、図40においては特殊変動表示の対象となっている3つの遊技回のうち、3つ目(最後)の遊技回が大当たりに対応している場合について例示している。
tb7のタイミングで特殊変動表示が開始すると、それまで停止表示されていた全てのリール画像F1〜F3がスクロール表示を開始する。tb7のタイミングから所定の期間(6sec)が経過した後は、先ず左リール画像F1が停止表示され、次に右リール画像F3が停止表示される。ここで、上述した確認タイミングにて、対象となる保留情報が複数記憶されていることが確認された場合には、左リール画像F1の「7」図柄と右リール画像F3の「7」図柄とが有効ライン(詳しくは中段ラインL2)上に停止し、所謂リーチ状態となる。
対象となる3つの遊技回のうち最初の遊技回が終了するtb8のタイミングでは、中リール画像F2のスクロール表示が終了することとなる。当該遊技回は外れ結果に対応しているため、この時点では、中リール画像F2の「7」図柄が中段ラインL2に対して上流側に外れるようにして当該中リール画像F2が停止表示されることとなる。
所定のインターバル(停止表示期間)を経過したtb9のタイミングでは2つ目の遊技回の開始に合わせて中リール画像F2が予め規定されたコマ数分下流側にずれるようにして再変動する。この際、左右のリール画像F1,F3については停止表示されたままとなっているため、中リール画像F2の「7」図柄が中段ラインL2に到達して、当該中段ライン上に停止表示されることにより大当たりに当選した旨が報知されることとなるが、本遊技回についても外れ結果に対応しているため、tb10のタイミングで変動表示が終了した際には、中リール画像F2の「7」図柄は中段ラインL2に到達する手前で停止した状態となる。
その後、再び所定のインターバル(停止表示期間)を経過したtb11のタイミングでは、3つ目(最後)の遊技回の開始に合わせて中リール画像F2が予め規定されたコマ数分下流側にずれるようにして再変動する。当該遊技回が終了するtb12のタイミングでは、中リール画像F2の「7」図柄が中段ラインL2上に位置するようにして停止表示されることとなる。具体的には、この遊技回については当たり結果に対応しているため、有効ライン上に「7」図柄の組合せが停止表示することにより、当たり結果となった旨が遊技者に報知されることとなる。
その後、tb13のタイミングでは、中段ラインL2上に位置する「7」図柄の組合せがフラッシュ表示されるとともに、他の図柄が暗転する。これにより、当たり結果となった旨が明示されることとなる。この表示は一定期間に亘って継続され、遊技者に当たり結果となった旨が明示される。
複数の遊技回に亘って特殊変動表示を行う場合には、遊技回と特殊変動表示との間に一定のリンク付けを行うことにより(分岐ポイントを設定することにより)一連の演出表示を行いながら、保留情報の数や当たり結果の有無に応じて演出表示を切り替えることが可能となる。ここで、特殊変動表示の開始契機となる遊技回については第1変動表示時間T1が適用され、他の遊技回については第2変動表示時間T2が適用される構成においては、分岐ポイントが特殊変動表示の後半に集中して一連の演出表示を円滑に行う上での制約が強くなると想定される。
この点、本実施の形態においては、第2変動表示時間T2に対応する遊技回については、中リール画像F2を変動させることにより特殊演出が続いているように見せることが可能となり、第2変動表示時間T2として短い時間が設定されることによる影響を受けにくい構成が実現できる。係る構成によれば、複数の遊技回に亘って一連の特殊変動表示を行う構成において、対象となる遊技回の数が変化し得る構成であっても、上述した興趣向上等の各種効果を発揮させつつ、それに起因した制御負荷の増大を好適に抑制することが可能となる。
また、上述した各実施の形態においては第1変動表示領域ME1と第2変動表示領域ME2とを区別したが、それらを融合した機能が付与されることにより、表示画面75aに表示される複数の情報がばらばらに提供されることを抑制できる。このように、注目すべき箇所をまとめることにより、特殊変動表示の実行に伴って遊技者にかかる負担が増加することを抑えることが可能となる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、特殊遊技状態移行後に「演出表示手段」としての図柄表示装置75にて実行される特殊表示演出が1〜3の遊技回に亘って実行される構成としたが、特殊表示演出の対象となる遊技回の数については上記のものに限定されない。例えば、保留数の上限数(4つ)と同数の遊技回を対象として上記特殊表示演出が実行される構成とすることも可能であり、保留数の上限数よりも多い数の遊技回を対象として上記特殊表示演出が実行される構成とすることも可能である。
(2)上記実施の形態では、特殊遊技状態移行後は当該特殊遊技状態が終了するまで特殊表示演出の対象となる遊技回の数の上限が変化しない構成とした。これを変更し、特殊遊技状態中に上限を変更する構成とすることも可能である。例えば、特殊表示演出の実行回数が予め設定された数に達した場合に、又は特殊遊技状態で実行された遊技回の数が予め設定された数に達した場合に、上記上限を変更する(例えば引き上げる)構成とすることも可能である。例えば、2度の遊技回に亘って特殊表示演出が実行された回数又は当該モードで実行された遊技回の数が予め設定された数に達した後に、3度の遊技回に亘って特殊表示演出が実行されるモードへ移行させる。これに合わせて、滞在しているステージ(表示画面75aに表示されている背景)を更に期待度の高いものに変更することにより、擬似高確率状態の当選期待度を変化させることができ、特殊遊技状態中に更に有利なモード(上位モード)に移行(昇格)させることが可能となる。これにより、遊技者は特殊遊技状態開始後も更に有利なモードへ移行することを期待することとなり、遊技への更なる注目度の向上に貢献することができる。
(3)上記実施の形態では、右側作動入球部63への入賞に伴って行われる振分け抽選にて(大当たり種別の選択にて)、4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dにならないように振分けテーブルを設定したが、これを変更し、右側作動入球部63への入賞に伴って行われる振分け抽選にて、4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dになり得るように振分けテーブルを設定することも可能である。
但し、上位の特殊遊技状態中にそれよりも下位の特殊遊技状態への移行に対応する大当たり結果となった場合には、以下の不都合が生じ得る。すなわち、開閉実行モード終了後に有利度の低い下位のモードへ移行することにより、それが遊技者の遊技意欲を減退させる要因になり得る。そこで、上記変更を行う際には、特殊遊技状態中に再度特殊遊技状態に対応する大当たり結果となった場合には、現状よりも低位となるモードへ移行することを回避する構成とすることが好ましい。
具体的には、下側作動入球部62に係る振分けテーブルから4R通常大当たり結果Dを省略し、右側作動入球部63に係る振分けテーブルに4R通常大当たり結果C及び4R通常大当たり結果Dを追加するとよい。係る構成によれば、特殊遊技状態中に更に特殊遊技状態にかかる大当たり結果となった場合であっても、実質的に低位のモードへの降格が発生することがない。つまり、現状のモードが延長されたかのように又は上位のモードへ昇格したかのようにみせることができる。
(4)上記実施の形態では、低頻度サポートモード対応の開閉実行モード中に擬似高確率遊技状態(特殊遊技状態)への移行を示唆する前兆演出を行う構成としたが、これに限定されるものではない。本実施の形態に示すように、所謂先読み機能が付与された遊技機においては、例えば記憶中の保留情報の中に4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dに対応するものが存在する場合には、当該保留情報に係る遊技回よりも前にその事実を把握することが可能である。そこで、4R通常大当たり結果B〜4R通常大当たり結果Dに対応するものが記憶されている保留情報の中に含まれている際には、大当たりに対応する遊技回に先行して実行される遊技回中に上記特殊遊技状態への移行を示唆する前兆演出を行う構成とすることも可能である。
なお、前兆演出を遊技回及び開閉実行モード(低頻度入賞モード)に亘って一連となるようにして実行することにより、前兆演出用の期間を長く設定することが可能となる。これにより、前兆演出への注目度を向上させるような工夫を施すことが容易となる。
(5)上記実施の形態では、特殊遊技状態へ移行した後は、表示画面75aの変動表示領域MEを第1変動表示領域ME1と第2変動表示領域ME2とに大別し、相対的に小さい第2変動表示領域ME2にて図柄の変動表示/停止表示を縮小して行う構成としたが、第2変動表示領域ME2及び図柄の縮小表示については省略することも可能である。
また、表示画面75aに他の表示部を並設し、特殊遊技状態に移行した後はこの並設された表示部にて図柄の変動表示を行う構成とすることも可能である。この表示部については、特殊遊技状態となった場合に非表示状態から表示状態に切り替る構成であってもよいし、遊技状態に関係なく表示状態のまま維持される構成であってもよい。
なお、「演出表示手段」として液晶パネルを有する図柄表示装置75を備える構成としたが、少なくとも特殊演出表示が可能な「表示部」を備えていればよく、液晶表示装置以外の構成を採用することも可能である。更に、「図柄表示手段」を構成する主表示部Dを誘導レール100によって区画された領域内に配置したが、少なくとも遊技を行っている際に表示画面75aと主表示部Dとが同時に視認することが困難又は不可となるようにして配置されていればよく、例えば主表示部Dを誘導レール100によって区画された領域の外に配置することも可能である。
(6)上記実施の形態では、特殊遊技状態中は、各遊技回の変動表示時間を第1変動表示時間T1又は第2変動表示時間T2の何れかになる規制する構成としたが、これら第1変動表示時間T1及び第2変動表示時間T2を全ての特殊遊技状態(第1特殊遊技状態〜第3特殊遊技状態)で共通化する必要は必ずしもない。例えば、特殊演出表示が実行される特殊変動表示時間が何れの特殊遊技状態であっても同一となるように各変動表示時間T1,T2の長さを各特殊遊技状態に応じて相違させてもよい。特殊変動表示時間を統一することにより特殊演出表示が無駄に多様化することを抑制し、特殊遊技状態(特殊表示演出)の存在によって表示制御装置620の制御負荷が増大することを好適に抑制することができる。
(7)上記各実施の形態では、特殊遊技状態中に設定される各遊技回の変動表示時間を相対的に長い第1変動表示時間T1又は相対的に短い第2変動表示時間T2の何れかになる構成したが、1の特殊演出表示にこれら2種の変動表示時間に対応する遊技回が含まれるよう設定されているのであればよく、変動表示時間の振分けについては任意に変更して良い。但し、1の特殊演出表示に第1変動表示時間T1に対応する遊技回が複数含まれる場合には、特殊演出表示が間延びしてしまい。スピーディーな遊技進行の妨げとなる可能性が生じ、1の特殊演出表示に第1変動表示時間T1に対応する遊技回が含まれない場合には、以降の特殊演出表示に際に十分な保留数を確保する余裕がなくなる可能性が高くなる。故に、当該変更を行う場合には、これら各種不都合が生じないように留意されたい。
(8)上記各実施の形態では、低頻度入賞モードを経由した高頻度サポートモードに限って擬似高確遊技状態へ移行する構成としたが、高頻度入賞モードを経由した高頻度サポートモードである場合に擬似高確遊技状態に移行する構成とすることも可能である。
(9)上記各実施の形態では、高頻度サポートモード中に限定して、上記特殊演出表示を行う構成としたが、これに限定されるものではない。例えば通常遊技状態中(低頻度サポートモード中)に上記特殊演出表示を行う構成とすることも可能である。
(10)上記各実施の形態では、遊技球の流下経路が簡素化されている右ルートにてスルーゲート66の直下に右側作動入球部63を配置し、且つスルーゲート66を通過した遊技球が必ず右側作動入球部63へ到達する誘導通路64を設けることにより、高頻度サポートモード中の入賞発生頻度をできるだけ多くなるようにし、更には入賞発生頻度のばらつきを抑えたが、高頻度サポートモード中の入賞発生頻度をできるだけ多くなるように且つ入賞発生頻度のばらつきを抑えることが可能であれば、上述したスルーゲート66及び右側作動入球部63の位置関係及び誘導通路64の存在については任意である。
(11)上記第2の実施の形態では、特殊変動表示を開始した後の所定のタイミングにて、保留数の確認処理を実行する構成としたが、特殊変動表示の開始後に当該確認処理を実行するのであれば、当該タイミングを可変式としてもよい。
例えば、特殊変動表示に保留数に応じた分岐ポイントが存在する場合には、特殊変動表示の開始後であって分岐到達よりも前に上記確認処理を行う構成とすることも可能である。
(12)上記第2の実施の形態では、特殊変動表示の開始時に記憶されている保留情報の数に関係なく特殊変動表示の開始後に実行される確認処理を一義的に定める構成としたが、これを変更し、特殊変動表示の開始時に記憶保持されている保留情報の数に基づいて確認処理の実行タイミングを変更する構成とすることも可能である。具体的には、保留情報の数が多い場合には不確定な分岐ポイントが後ろにずれることとなる。そこで、このような場合には、確認処理の実行タイミングを遅らせる構成とするとよい。
(13)上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態の組合せにおいては、特殊変動表示態様が簡素化されるため、当該特殊変動表示の実質的な分岐ポイントを遊技回の終了時に設定することが可能となる。そこで、このような構成においては、確認処理の実行タイミングを特殊変動表示の開始契機となった遊技回の終了時に合わせて設定することも可能である。
(14)特殊変動表示の対象となる最後の遊技回については、相対的に短く設定された第2変動表示時間T2ではなく相対的に長く設定された第1変動表示時間T1を適用することも可能である。これにより特殊変動表示において当該特殊変動表示の最終変動表示を構成する部分が占める時間が長くなる。これにより、特殊変動表示の進行に伴って保留情報が消化された当該特殊変動表示の後半にて新たな保留情報の取得が可能な時間を確保することが可能となる。故に、次回の特殊変動表示(表示回)用の保留情報の確保を促進でき、特定の演出表示のループに貢献することができる。
なお、例えば特殊変動表示の対象となる複数の遊技回のうち最初の遊技回と最後の遊技回とに第1変動表示時間T1を適用するとよい。但し、1の特殊変動表示に要する期間が過度に間延びしてしまうことは、遊技の進行が間延びして爽快感が低下する要因になり得る。このような事情に鑑みた場合には、最初の遊技回と最後の遊技回との変動表示時間を共通化する必要は必ずしもない。例えば第1変動表示時間T1よりも短く第2変動表示時間T2よりも長い第3変動表示時間T3を再度の遊技回に適用する構成とするとよい。
(15)上記第3の実施の形態では、特殊変動表示中のリール再変動の対象として中リールを設定したが、リール再変動の対象については、中リールに限定されるものではない。例えば、左リール及び右リールの少なくともいずれかが最変動する構成としてもよい。但し、特殊変動表示中の再変動についてはあくまで一部のリールについては停止表示させたまま、残りのリールを再変動させる構成とすることが好ましい。
(16)上記第3の実施の形態では、特殊変動表示において2回目以降の遊技回に対応する部分では中図柄列を0.5コマ〜1コマずつシフトさせる構成としたが、これに限定されるものではなく、当該中図柄列を1周以上周回させる構成とすることも可能である。
また、遊技回毎の移動コマ数を一義的に設定する必要も必ずしもなく、例えば特殊変動表示に対応する最後の遊技回については1周以上の周回を伴う可変表示として、それよりも前の変動態様との差別化を図ってもよい。
(17)上記第3の実施の形態では、図柄表示装置75の表示画面75aにスロットマシン等の回胴式遊技機に代表されるリールを模した画像を表示する構成としたが、これに限定されるものではない。図柄表示装置75を複数のリールが搭載されてなるリールユニットで置き換えることも可能である。
(18)上記各実施の形態では、1の特殊変動表示の対象として下側作動入球部62に係る保留情報と右側作動入球部63に係る保留情報との一方のみを選択する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、初当たり時の多くは右側作動入球部63に係る保留情報が「0」の状態から特殊遊技状態(高頻度サポートモード)がスタートする。そこで、このようなケースに配慮して、特殊変動表示が両作動入球部62,63に係る保留情報を対象として実行される構成とすることも可能である。例えば、上記実施の形態に示したように、下側作動入球部62に係る保留情報よりも右側作動入球部63に係る保留情報のほうが遊技者にとって有利に設定されている場合には、下側作動入球部62に係る1の保留情報を契機として特殊変動表示を開始し、その後、右側作動入球部63に係る保留情報が取得された場合には、当該特殊変動表示の対象として同保留情報を含める構成としてもよい。
また、擬似高確率状態を安定して発揮させるには、右側作動入球部63に係る保留情報によって特殊変動表示に係る遊技回の数を担保できない場合に、下側作動入球部62に係る保留情報を特殊変動表示の対象として加味する構成とするとよい。
(19)上記各実施の形態では、特殊変動表示の対象となる保留情報に当たり結果に対応するものが含まれている場合には、それ以降に記憶された保留情報を特殊変動表示に含めないように規制する構成としたが、当該規制を行わない構成とすることも可能である。例えば、特殊変動表示の対象となる保留情報に当たり結果に対応するものが存在する場合であっても、当初から予定されている保留情報全てを特殊変動表示の対象とする構成とすることも可能である。また、当たり結果に対応する保留情報が上記対象に複数含まれている場合には、同じく当初から予定されている保留情報全てを特殊変動表示の対象した上で、複数の当たり結果が含まれている旨を報知する構成とすることも可能である。
(20)上記各実施の形態では、報知・演出制御装置610と表示制御装置620とを別体としたがこれらを一体化してもよい。
(21)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の各特徴群は、「パチンコ遊技機等の遊技機には、遊技球の発射に基づいて特定条件が成立した場合に遊技者に特典が付与されるように設定されたものがある。具体的には遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球したことを契機として、通常の遊技状態から当たり遊技状態等の特別遊技状態に移行させるか否かの当否抽選等が行われるものがある。かかる抽選に当選した場合には(すなわち上記特定条件が成立した場合に)、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、当該可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される(例えば特許文献1参照)。この種の遊技機には上記特別遊技状態として、例えば以降の当否抽選にて上述した当たり遊技状態となる確率が通常よりも高く設定された高確率遊技状態が設定されているものがある。このように当選確率が低い状態と高い状態とを設けることにより遊技進行が単調になることが抑制されている。」という背景技術について、「近年では、例えば内部的に高確率遊技状態となっているか否かの目視等による判別を困難にした上で高確率状態である可能性が低い旨又は高い旨等を示唆するといった遊技への注目度の向上を実現すべく様々な工夫が施されている。しかしながら、遊技の単調化を抑制して遊技への注目度を向上する上では未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば右側作動入球部63)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602)と、
図柄が可変表示される図柄表示手段(主表示部D)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記図柄表示手段における図柄の可変表示を開始し、前記付与判定手段による付与判定の結果に対応した図柄を停止表示させることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて遊技回毎に当該図柄の表示が行われるように前記図柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602)と
を備える遊技機であって、
前記入球部へ遊技球が入球可能な受入状態及び同受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替える切替手段(電動役物71)と、
前記切替手段を制御する切替制御手段(主制御装置162のMPU602)と
を備え、
前記切替制御手段には、切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)及び同第1切替モードよりも前記受入状態への切替態様が遊技者に有利な第2切替モード(高頻度サポートモード)が設定されており、
前記図柄表示手段とは別に設けられた表示部(表示画面75a)を有し、当該表示部にて演出表示を行う演出表示手段(図柄表示装置75)と、
前記切替制御モードが前記第2切替モードとなっている場合に、前記表示部にて特定の演出表示が複数の遊技回に亘って実行されるように前記演出表示手段を制御する表示制御手段(報知・演出制御装置610や表示制御装置620)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、切替制御モードが第2切替モードとなることにより入球部への入球発生頻度が高くなる。これにより、遊技者は投資をできるだけ抑えつつ遊技を行うことができる。このような差違を設けることにより遊技者は第2切替モードとなることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度の向上に貢献できる。
第2切替モードにおいては入球発生頻度が高くなることから、取得情報記憶手段に記憶される特別情報の数がある程度担保されやすい。一般的に、このような状況においては所謂時短機能が作用して次々と特別情報が消化されることとなる。この場合、例えば表示部においては数字等の所定の絵柄組み合わせが次々と停止表示されることとなり、機械的に特別情報が消化されることで表示部の表示態様についても上述したような単調なものになりやすい。
この点、本特徴に示すように、切替制御モードが第2切替モードとなっている場合に、表示部にて特定の演出表示が複数の遊技回に亘って実行される構成とすれば、特定の演出表示(一連の表示演出)を実行するための期間を長くすることができ、特定の演出表示に様々なバリエーションを付与することが可能となる。故に、仮に上述した時短機能が発揮された場合であっても、表示態様が単調になることを抑制できる。
また、第2切替モード中は、複数の遊技回に亘って特定の演出表示が実行されることとなる。これにより、実際の実行されている遊技回の数と、表示部にて表示される擬似的な遊技回(擬似遊技回又は表示回)の数に差が生じることとなる。つまり、複数の遊技回をまとめて1つとすることにより、実質的な1遊技回での当選確率を変更することなく、第2切替モード中(特定の演出表示中)は1の表示回にて付与判定に当選する確率を擬似的に変化させる(高くする)ことができる。例えば、2つの遊技回に亘って実行される特定の演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約2倍となり、3つの遊技回に亘って実行される特定の演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約3倍となる。このような擬似的な高確率状態を発生させることにより、第2切替モード中の遊技への期待度を高めることができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
なお、演出表示手段の表示部及び図柄表示手段の関係について補足すると、前者を後者よりも大きくするとともに前者を後者よりも遊技機(遊技領域)の中央寄りとなる位置に配置するとよい。これにより、上述した各種効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A2.前記表示制御手段は、前記第1切替モード中は前記表示部にて特定の演出表示が複数の遊技回に亘って実行されることを規制する手段を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、第1切替モード→第2切替モードへの移行に基づいて擬似的な高確率状態が発生することとなり、第1切替モード/第2切替モードの差別化を促進することができる。
特徴A1に示したタイプの遊技機においては遊技球の動きを目で追うことが楽しみの1つとなっており、遊技領域における遊技球の流下経路が釘等によって多様化されている。このため、第1切替モード中は入球部への入球発生頻度に偏りが生じやすく、安定して特別情報を複数記憶させた状態とすることが難しくなる。更に、このような状況にて複数の特別情報が一括消化されることは、遊技者に特別情報が消失したかのような印象を与える要因になり上述した擬似的な高確率状態を発生の仕組みが遊技者に把握される要因になる。これでは、上述した機能が上手く発揮されなくなると懸念される。
一方、第2切替モード中は第1切替モード中と比較して、入球部への入球発生頻度が高くなり、ある程度の数の特別情報を記憶させた状態を維持しやすい。故に、このような状況下にて特定の演出表示を行い、入球の発生しにくい第1切替モード中は上記特定の演出表示を規制することには特徴A1に示した機能を好適に発揮させる上で好ましいという技術的意義がある。
特徴A3.前記図柄表示手段にて図柄の可変表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの表示期間を決定する表示期間設定手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記表示制御手段は、連続する複数の遊技回について前記表示期間設定手段により決定された夫々の表示期間に基づき、前記特定の演出表示を実行する演出期間を決定する演出期間設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612)と
を備えていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A1に示した特定の演出表示を実行する際には、複数の遊技回に係る夫々の表示期間に基づいて当該特定の演出表示の実行期間(演出期間)を設定することにより、図柄表示手段と表示部との関係性を好適に維持することができる。
なお、本特徴に示した「演出期間設定手段」については、例えば「連続する複数の遊技回について前記表示期間設定手段により決定された夫々の表示期間を含むようにして又はそれら各表示期間を合算した期間と一致するようにしてに前記特定の演出表示を実行する演出期間を決定する」構成とするとよい。
また、「図柄表示手段にて図柄の可変表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの表示期間」は、例えば図柄の可変表示が開始〜停止するまでの期間、図柄の可変表示が開始してから停止表示(付与判定結果の報知)が終了するまでの期間のいずれであってもよい。
特徴A4.前記特定の演出表示は、当該特定の演出表示の対象となっている複数の遊技回のうち最初の遊技回の開始に基づいて開始され、最後の遊技回の終了に基づいて終了する一連の演出表示であることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A1に示した特定の演出表示は、連続する複数の遊技回のうち最初の遊技回の開始に基づいて開始され、最後の遊技回の終了に基づいて終了する。これにより、図柄表示手段と表示部との関係性を好適に維持することができる。
特徴A5.前記表示制御手段により前記特定の演出表示を行う演出表示モードは、
複数の数である第1所定数の遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行される第1演出表示モード(例えば第1特殊遊技状態)と、
前記第1所定数よりも多い数である第2所定数の遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行される第2演出表示モード(例えば第2特殊遊技状態)と
を有してなることを特徴とする特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
複数の遊技回に係る付与判定の結果を1の特定の演出表示によって示す構成においては、特定の演出表示に係る遊技回の数が多いほうが、付与対応結果となる可能性が高くなる。つまり、擬似的に一括で消化する遊技回の数が多くなることにより、遊技回毎の当選確率を変えることなくあたかも付与対応結果になる確率が上昇しているかのような遊技状態が確立される。故に、遊技の更なる多様化を実現し、特徴A1に示した効果を好適に発揮させることが可能となる。
特徴A6.前記切替制御手段は、前記第2切替モードへの移行後に実行された遊技回の数が特定数に達したことを条件として当該第2切替モードから前記第1切替モードへ切り替える構成となっており、
前記特定数には、第1特定数と当該第1特定数よりも多い第2特定数とが設定されており、
前記表示制御手段は、前記第2切替モードにおける前記特定数が前記第1特定数である場合に前記第1演出表示モードとし、前記第2切替モードにおける前記特定数が前記第2特定数に対応する第2切替モードとなった場合に前記第2演出表示モードとする演出表示モード選択手段を有していることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
演出表示モードへの移行した際には対象となる遊技回の数が多いほど上述の如く当選確率を擬似的に上げることができる。しかしながら、係る構成では当然のことながら対象となる遊技回の数が多くなることで見た目の消化速度も速くなる。このため、第1演出表示モード/第2演出表示モードを比較した際に実質的にどちらが有利であるかがあいまいになり得る。
この点、本特徴によれば、特定の演出表示の対象となる遊技回の数(擬似的にまとめられる遊技回の数)が多い場合には第2切替モードにて実行される遊技回の数が多くなり、対象となる遊技回の数が少い場合には第2切替モードにて実行される遊技回の数も少なくなる。これにより、第1演出表示モードと第2演出表示モードとの実質的な有利不利の差を明確にすることができ、上記不都合の発生を好適に回避できる。
特徴A7.前記第1特定数及び前記第2所定数を積算した数と、前記第2特定数及び前記第1所定数を積算した数とが同一となっていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、付与判定による当選確率を変化させることなく、回数に制限が設けられた擬似的な高確率当選ゾーンを実現することができる。このようにして、第2切替モード中の遊技に段階的な高確率ゾーンとしての機能を付与することが可能となり、遊技の多様化に貢献できる。
特徴A8.前記第1演出表示モードとなっている状況下にて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記第1所定数に達している場合には、第1所定数と同数の特別情報に対応した遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行され、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記第1所定数に達していない場合には、記憶されている全ての特別情報に対応する遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行される構成となっており、
前記第2演出表示モードとなっている状況下にて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記第2所定数に達している場合には、第2所定数と同数の特別情報に対応した遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行され、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が前記第1所定数に達していない場合には、記憶されている全ての特別情報に対応する遊技回に亘って前記特定の演出表示が実行される構成となっていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1に示したように、第2切替モード中に特定の演出表示を行う(擬似高確率遊技状態とする)タイプの遊技機であっても、記憶されている特別情報の数の増減のむらを完全に払拭することは困難である。つまり、演出表示モード(第2切替モード)となって特定の演出表示を実行する際に、必ずしもそれに見合うだけの特別情報が記憶されているとは限らない。そこで、本特徴に示すように、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が所定数に達している場合には、所定数と同数の特別情報に対応した遊技回に亘って特定の演出表示を実行し、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が所定数に達していない場合には、記憶されている全ての特別情報に対応する遊技回に亘って前記特定の演出表示を実行する構成とすれば、上述した擬似的な高確率状態を実現する機能が上手く発揮されなくなることを好適に抑制できる。
特徴A9.前記演出表示モードは、前記第1切替モードから前記第2切替モードへの移行に伴ってモード実行状態に移行し、前記第2切替モードから前記第1切替モードへの復帰に基づいて前記モード実行状態が解除され、前記特定の演出表示は、当該第2切替モード中に繰り返し実行される構成となっており、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段を備え、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に、前記先特定手段による特定結果が前記付与対応結果に対応するものが含まれている場合には、その特別情報以降に記憶されている又は記憶される特別情報が前記特定の演出表示の対象となることを規制する規制手段と
を備えていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A8のいずれか1つに記載の遊技機。
特定の演出表示が繰り返される過程で付与対応結果になった場合に、強制的にそれよりも後の遊技回までをも含めて特定の演出表示が行われると、遊技者が不測の不利益を被る可能性が生じる。そこで、特徴A5等に示す構成を備える構成においては先特定手段及び規制手段を併用して付与対応結果の有無を事前に把握した上で特定の演出表示に係る遊技回を制限することにより、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を特徴A1乃至特徴A4に適用することも可能である。
特徴A10.前記表示部には前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を表示する第1表示領域(表示画面75aの保留数表示領域Db等)が設けられており、
前記表示部とは異なる箇所に設けられ、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を表示する第2表示領域(主表示部Dの保留数表示部RS等)を備え、
前記表示制御手段により前記第1演出表示モード又は前記第2演出表示モードへ移行した場合には、前記第2表示領域が表示状態、前記第1表示領域が非表示状態となるように構成されていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9に示したように擬似的な高確率状態を複数実現して遊技の多様化を図った場合には、どれだけの数の特別情報を対象として特定の演出表示が行われているかが遊技者によって把握されてしまうと、擬似的な高確率状態の仕組みが分かってしまう可能性が高くなる。これでは、特徴A5等に示した効果を上手く発揮させることができなくなると懸念される。遊技者の注目は専ら特定の演出表示が行われる表示部に向くと想定される。そこで、第1表示領域における特別情報の数の報知を無効化し表示部とは異なる箇所に設けられた第2表示領域については特別情報の数の表示を残す構成とすることにより、上記不都合の発生を抑制することができる。
特徴A11.前記演出表示モードは、前記第1切替モードから前記第2切替モードへの移行に伴ってモード実行状態に移行し、前記第2切替モードから前記第1切替モードへの復帰に基づいて前記モード実行状態が解除され、前記特定の演出表示は、当該第2切替モード中に繰り返し実行される構成となっており、
前記第2切替モードにて実行される遊技回の数と、前記第1所定数又は前記第2所定数とに基づいて前記特定の演出表示が実行され得る回数を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された回数に基づいて、前記表示部にて実行される前記特定の演出表示の回数を示唆する示唆手段と
を備えていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、回数制限付の(擬似的)高確率遊技状態であることを遊技者に示唆することができ、遊技進行にメリハリをもたせることで、遊技の単調化を好適に抑制することができる。
特徴A12.前記演出表示モードは、前記第1切替モードから前記第2切替モードへの移行に伴ってモード実行状態に移行し、前記第2切替モードから前記第1切替モードへの復帰に基づいて前記モード実行状態が解除され、前記特定の演出表示は、当該第2切替モード中に繰り返し実行される構成となっており、
前記図柄表示手段にて図柄の可変表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの表示期間を決定する表示期間設定手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記表示制御手段は、連続する複数の遊技回について前記表示期間設定手段により決定された夫々の表示期間に基づき前記特定の演出表示を実行する期間を決定する演出期間設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612)と
を備え、
前記表示期間設定手段は、前記第1演出表示モード又は前記第2演出表示モードとなっている場合に、前記表示期間を相対的に長く設定された第1表示期間及び相対的に短く設定された第2表示期間のいずれかを選択する選択手段を有してなり、
前記選択手段は、前記第1演出表示モードにおいては連続する前記第1所定数の特別情報のうち1の特別情報について前記第1表示期間を選択し且つ他の特別情報については前記第2表示期間を選択し、前記第2演出表示モードにおいては連続する前記第2所定数の特別情報のうち1の特別情報について前記第1表示期間を選択し且つ他の特別情報については前記第2表示期間を選択する構成となっていることを特徴とする特徴A5乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A5等に示したように、複数の遊技回に亘って特定の演出表示を行う場合には、遊技回毎の時間が積算されるため特定の演出表示を行う期間が多様になる。このような期間の多様化は演出表示に係る制御負荷を増大させる要因になるため好ましくない。そこで、演出表示モード中は長短2種類の表示期間を組み合わせて特定の演出表示の実行期間を決める構成とすることにより、上記不都合の発生を回避できる。
また、長短2種類の表示期間を採用し、連続する所定数の特別情報のうち1の特別情報について長めの第1表示期間を選択し且つ他の特別情報については短めの第2表示期間を選択することにより、特定の演出表示が間延びして遊技進行がいたずらに遅延されているかのような印象を遊技者に与えることを抑制することができる。
そして、所定数の特別情報のうち1つに相対的に長く設定された第1表示期間が含まれる構成とすることにより、特定の演出表示が実行されている最中に新たに特別情報を記憶できる可能性が高くすることができる。故に、所定数の特別情報が確保されぬまま次の特定の演出表示に移ることを抑制し、上述した擬似高確率状態とする機能が上手く発揮されなくなることを好適に回避できる。
特徴A13.前記選択手段は、
前記第1演出表示モードとなった場合に最初に記憶された特別情報について前記第1表示期間を選択し、第1表示期間を選択した後は記憶された特別情報の数が前記第1所定数に達するまで当該特別情報について前記第2表示期間を選択する手段と、
前記第2演出表示モードとなった場合に最初に記憶された特別情報について前記第1表示期間を選択し、第1表示期間を選択した後は記憶された特別情報の数が前記第2所定数に達するまで当該特別情報について前記第2表示期間を選択する手段と
を有していることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A12に示したように第1表示期間/第2表示期間の選択を行う構成においては、本特徴に示すような期間の配分とすることにより、特定の演出表示をテンポよく実行することが可能となり、当該特定の演出表示が過剰に長くなったり過剰に短くなったりすることを好適に抑制することができる。
なお、特徴A12や特徴A13に示す選択手段については、特別情報の先特定の結果(当否)に関係なく上記第1表示期間/第2表示期間の選択をする構成とするとよい。
特徴B1.遊技領域(遊技領域PE)に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(例えば右側作動入球部63)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602)と、
図柄が可変表示される図柄表示手段(主表示部D)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記図柄表示手段における図柄の可変表示を開始し、前記付与判定手段による付与判定の結果に対応した図柄を停止表示させることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて遊技回毎に当該図柄の表示が行われるように前記図柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記図柄表示手段とは別に設けられた表示部(表示画面75a)を有し、当該表示部にて演出表示を行う演出表示手段(図柄表示装置75)と、
前記表示部における前記演出表示として複数の遊技回に亘って継続される特定演出表示が実行されるように前記演出表示手段を制御する表示制御手段(報知・演出制御装置610や表示制御装置620)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、複数の遊技回に亘って特定演出表示が実行される。これにより、実際の実行されている遊技回の数と、表示部にて表示される擬似的な遊技回(擬似遊技回又は表示回)の数に差が生じることとなる。つまり、複数の遊技回をまとめて1つとすることにより、実質的な1遊技回での当選確率を変更することなく、特定演出表示中は1の表示回にて付与判定に当選する確率を擬似的に変化させる(高くする)ことができる。例えば、2つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約2倍となり、3つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約3倍となる。このような擬似的な高確率状態を発生させることにより、遊技への期待度を高めることができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
なお、演出表示手段の表示部及び図柄表示手段の関係について補足すると、前者を後者よりも大きくするとともに前者を後者よりも遊技機(遊技領域)の中央寄りとなる位置に配置するとよい。これにより、上述した各種効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴B2.前記表示制御手段は、
前記取得情報記憶手段に少なくとも1の特別情報が記憶されていることに基づいて、前記特定演出表示を開始する演出表示開始手段(報知・演出制御装置610のMPU612及び表示制御装置620のMPU622の開始機能)と、
前記特定演出表示の実行中に、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を確認する確認手段(報知・演出制御装置610のMPU612の確認機能)と、
前記確認手段によって確認された特別情報の数に基づいて前記特定演出表示についてその対象とする遊技回を決定する演出表示態様決定手段(報知・演出制御装置610のMPU612の決定機能)と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
遊技領域を遊技球が流下するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを多様にすることで注目度の向上を実現しているため、遊技進行に伴って記憶される特別情報の数については、安定して一定の数(例えば上限数)が確保されるとは限らない。この種の遊技機においては、仮に特定演出表示が「当該特定演出表示に対応する数の特別情報が記憶されていること」という実行条件に依存してしまうと、特定演出表示を実行できる機会が特別情報の数に左右されやすくなる。これでは、特定演出表示を実行できる機会が減ってしまい、特定演出表示による興趣向上効果を上手く発揮させることが困難になる。
また、特定演出表示の開始時に記憶されている特別情報の数に縛られて対象となる特別情報が決定される構成とした場合には、上述した擬似的な高確率状態を発生させる機能が上手く作用しなくなると懸念される。
この点、本特徴に示すように、先ず特定演出表示を開始して、記憶されている特別情報の数をその途中で確認し、確認された特別情報の数に基づいて特定演出表示の対象とする遊技回を決定する構成とすれば、特定演出表示を行っている最中に特別情報が記憶された場合には、その特別情報を加味して特定演出表示の対象となる遊技回を定めることが可能となる。これにより、上述した各種不都合の発生を好適に抑制することが可能となる。
特徴B3.前記表示制御手段は、
前記表示部にて実行される前記特定演出表示の対象となる遊技回の数を、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数とは関係なく設定する設定手段と、
前記取得情報記憶手段に少なくとも1の特別情報が記憶されていることに基づいて、前記特定演出表示を開始する演出表示開始手段と、
前記特定演出表示の実行中に、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を確認する確認手段と、
前記確認手段によって確認された特別情報の数が前記設定手段により設定された設定数に達している場合に、当該設定数に対応する遊技回に亘る前記特定演出表示として第1演出表示を実行する第1演出表示実行手段と、
前記確認手段によって確認された特別情報の数が前記設定数に達していない場合に、当該設定数よりも少ない数の遊技回に亘る前記特定演出表示として第2演出表示を実行する第2演出表示実行手段と
を有していることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
遊技領域を遊技球が流下するタイプの遊技機においては、遊技球の動きを多様にすることで注目度の向上を実現しているため、遊技進行に伴って記憶される特別情報の数については、安定して一定の数(例えば上限数)が確保されるとは限らない。この種の遊技機においては、仮に特定演出表示が「当該特定演出表示に対応する数の特別情報が記憶されていること」という実行条件に依存してしまうと、特定演出表示を実行できる機会が特別情報の数に左右されやすくなる。これでは、特定演出表示を実行できる機会が減ってしまい、特定演出表示による興趣向上効果を上手く発揮させることが困難になる。
また、特定演出表示の開始時に記憶されている特別情報の数に縛られて対象となる特別情報が決定される構成とした場合には、上述した擬似的な高確率状態を発生させる機能が上手く作用しなくなると懸念される。
この点、本特徴に示すように記憶されている特別情報の数が設定数に満たない場合であっても、とりあえずは少なくとも設定数と同数の特別情報が確保されるものとして特定演出表示を開始することにより、すなわち設定手段によって設定された設定数以上の数の特別情報が取得情報記憶手段に記憶されているか否かに関係なく演出表示の開始を先行させることにより、その演出表示中に特別情報が溜まって上記設定数に達する可能性が生じる。これにより、設定数に応じた特定演出表示を実行し、上記擬似的な高確率状態を好適に発生させることが可能となる。
特定演出表示の途中で特定情報の数を確認し、確認できた特別情報の数に対応して演出表示の態様を第1演出表示/第2演出表示の何れとするかを確定する構成とすることにより、上述した各種不都合の発生を好適に回避することができる。
特徴B4.前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数に応じて前記確認手段による確認タイミングを変更する変更手段を備えていることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、記憶されている特別情報の数に応じて(例えば多くなることにより)確認手段による確認タイミングが変更される。例えば、特定演出表示の開始時に記憶されている特別情報の数に応じて遅延させる構成としてもよいし、特定演出表示の最中に特別情報の数が増す毎に上記確認タイミングを遅延させる構成としてもよい。何れの場合であっても、入球部への入球が発生する機会を増やすことができる。これにより、設定数と同数又はそれよりも多い数の特別情報の確保が容易となる。
特徴B5.前記入球部へ遊技球が入球可能な受入状態及び同受入状態よりも遊技球の入球が困難な非受入状態に切り替える切替手段(電動役物71)と、
前記切替手段を制御する切替制御手段(主制御装置162のMPU602)と
を備え、
前記切替制御手段には、切替制御モードとして、第1切替モード(低頻度サポートモード)及び同第1切替モードよりも前記受入状態への切替態様が遊技者に有利な第2切替モード(高頻度サポートモード)が設定されており、
前記表示制御手段は、前記切替制御モードが前記第2切替モードとなっている場合に、前記特定演出表示を実行するようにして前記演出表示手段を制御することを特徴とする特徴B2乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、切替制御モードが第2切替モードとなることにより入球部への入球発生頻度が高くなる。これにより、遊技者は投資をできるだけ抑えつつ遊技を行うことができる。このような差違を設けることにより遊技者は第2切替モードとなることを期待しながら遊技を行うこととなり、遊技への注目度の向上に貢献できる。
第2切替モードにおいては入球発生頻度が高くなることから、取得情報記憶手段に記憶される特別情報の数がある程度担保されやすい。一般的に、このような状況においては所謂時短機能が作用して次々と特別情報が消化されることとなる。この場合、例えば表示部においては数字等の所定の絵柄組み合わせが次々と停止表示されることとなり、単調に特別情報が消化されることで表示部の表示態様についても単調なものになりやすい。
この点、本特徴に示すように、切替制御モードが第2切替モードとなっている場合に、表示部にて特定演出表示が複数の遊技回に亘って実行される構成とすれば、特定演出表示(一連の演出表示)を実行するための期間を長くすることができ、特定演出表示に様々なバリエーションを付与することが可能となる。故に、仮に上述した時短機能が発揮された場合であっても、表示態様が単調になることを抑制できる。また、特別情報の確保が容易になることにより、特徴B1等に示した機能を上手く発揮させることが可能となる。
特徴B6.前記表示制御手段は、前記切替制御モードが前記第2切替モードとなっている間は、前記特定演出表示が繰り返し実行されるようにして前記演出表示手段を制御することを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特徴B6に示すように第2切替モード中に特定演出表示が繰り返し実行される構成においては、実際の実行されている遊技回の数と、表示部にて表示される擬似的な遊技回(擬似遊技回又は表示回)の数に差が生じることとなる。つまり、複数の遊技回をまとめて1つとすることにより、実質的な1遊技回での当選確率を変更することなく、第2切替モード中(特定演出表示中)は1の表示回にて付与判定に当選する確率を擬似的に変化させる(高くする)ことができる。例えば、2つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約2倍となり、3つの遊技回に亘って実行される特定演出表示においては、付与判定に当選する確率(見かけ上の確率)が通常の約3倍となる。このような擬似的な高確率状態を発生させることにより、第2切替モード中の遊技への期待度を高めることができ、遊技への注目度の更なる向上に貢献することができる。
ここで、如何にして十分な数の特別情報を確保するかが上述した擬似的な高確率状態を生じさせる機能を発揮する上で重要な課題になる。この点、特徴B2〜特徴B4に示した技術的思想を適用すれば、擬似的な高確率状態を生じさせる機能を安定して発揮させることが可能となる。
なお、特徴B3との組み合わせにおいては特に、第2切替モードへの移行に伴って当該第2切替モード中における上記規定数(表示部にて前記特定演出表示の対象となる遊技回の数)を設定する構成とするとよい。
特徴B7.前記図柄表示手段にて図柄の可変表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでの表示期間を決定する表示期間設定手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記表示制御手段は、連続する複数の遊技回について前記表示期間設定手段により決定されたそれぞれの表示期間に基づき、前記特定演出表示を実行する期間を決定する演出期間設定手段(報知・演出制御装置610のMPU612)と
を備え、
前記表示制御手段には、前記特定演出表示を繰り返し実行する演出表示モードが設定されており、
前記表示期間設定手段は、前記演出表示モードとなっている場合に、前記表示期間として、予め定められた相対的に長い期間である第1表示期間と予め定められた相対的に短い期間である第2表示期間のいずれかを選択する選択手段を有してなり、
前記選択手段は、1回の前記特定演出表示の対象となる複数の特別情報のうち1の特別情報について前記第1表示期間を選択し且つ他の特別情報については前記第2表示期間を選択する構成となっていることを特徴とする特徴B2乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7等に示したように、複数の遊技回に亘って特定演出表示を行う場合には、遊技回毎の期間が積算されるため特定演出表示を行う期間が多様になる。このように期間の多様化をする場合にそれを無制限に行うことは演出表示に係る制御負荷を増大させる要因になるため好ましくない。そこで、演出表示モード中は長短2種類の表示期間を組み合わせて特定演出表示の実行期間を決める構成とすることにより、上記不都合の発生を回避できる。
また、長短2種類の表示期間を採用し、連続する複数の特別情報のうち1の特別情報について長めの第1表示期間を選択し且つ他の特別情報については短めの第2表示期間を選択することにより、特定演出表示が間延びして遊技進行が無意味に遅延されているかのような印象を遊技者に与えることを抑制することができる。
そして、複数の特別情報のうち1つに相対的に長く設定された第1表示期間が含まれる構成とすることにより、特定演出表示が実行されている最中に新たに特別情報を記憶できる可能性が高くすることができる。故に、所定数の特別情報が確保されぬまま次の特定演出表示に移ることを抑制し、上述した擬似高確率状態とする機能が上手く発揮されなくなることを好適に回避できる。
特徴B8.1回の前記特定演出表示の対象となる遊技回のうち、最初の遊技回に対応するものについては前記第1表示期間が設定されることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、記憶されている特別情報の数が設定数に満たない場合であっても、特定演出表示中に新たに特別情報が記憶される可能性を高くすることが可能となる。特徴B2や特徴B3に示したように特別情報の確認タイミングを演出表示開始タイミングよりも遅らせる場合であっても、十分な数の特別情報が確保されていなければ当該確認タイミングに係る制約も強くなる。この点、少なくとも最初の遊技回に対応するものが第1表示期間に対応していれば、上記制約を弱めることができ、新たな特別情報の確保のための時間稼ぎが容易になる。
特徴B9.前記選択手段は、前記確認手段による確認後に新たに記憶された特別情報のうち1つ目の特別情報について前記第1表示期間を選択するように構成されていることを特徴とする特徴B7又は特徴B8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、特定演出表示が開始される際の契機になる特別情報については第1表示期間に対応していることとなる。これにより、特定演出表示を繰り返す場合であっても、後続する特定演出表示にて十分な数の特別情報を確保できなくなるといった不都合を生じにくくすることができる。
特徴B10.前記確認手段は、前記特定演出表示が開始される契機となった特別情報に対応する遊技回中に前記確認を行うことを特徴とする特徴B8又は特徴B9に記載の遊技機。
特徴B2等に示したように、特定演出表示を先行開始する構成においては、上記確認手段による確認タイミングが当該特定演出表示に対応する最初の遊技回中となるように構成するとよい。特徴B8等に示すように当該最初の遊技回については第1表示期間が適応されているため、新たな特別情報を確保する上で好適に時間稼ぎをすることができる。
特徴B11.前記選択手段は、前記特定演出表示が開始される契機となる特別情報以外の特別情報について前記第2表示期間を選択するように構成されていることを特徴とする特徴B8乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、特定演出表示を先行開始する構成とした場合には、確認手段によって数の確認が行われた後に演出表示の態様を確認された特定情報の数によって変化させる必要が生じえる。この点、後続の特別情報については第2表示期間が適用されることにより、演出表示終了の帳尻あわせが容易になる。これにより、特定演出表示を確認された特別情報の数に応じて途中で変化させる構成としたことに起因した制御負荷の増加を抑制することができる。
特徴B12.前記選択手段は、前記確認手段による確認が行われた場合に実行中の前記特定演出表示の対象となる最後の特別情報について前記第1表示期間を選択するように構成されていることを特徴とする特徴B7乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B12によれば、特定演出表示を実行している間に消化される複数の遊技回のうち最終遊技回が長くなる。これにより、特定演出表示の進行に伴って特別情報が消化された演出表示の後半にて新たな特別情報の取得が可能な期間を確保することが可能となる。故に、次回の特定演出表示(表示回)用の特別情報の確保を促進でき、特定演出表示のループに貢献することができる。
特徴B13.前記第2表示期間は、遊技球の発射間隔と同じ又は当該発射間隔よりも長く設定されていることを特徴とする特徴B7乃至特徴B12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B13によれば、特定の演出実行中(詳しくは第2表示期間に対応する遊技回の実行中)であっても特別情報の記憶を促進することができる。
特徴B14.前記設定手段は、前記設定数が前記規定数よりも多い数となるように前記設定を行う手段を有していることを特徴とする特徴B2乃至特徴B13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B2等に示すように、特定演出表示の開始後に当該特定演出表示の対象となる特別情報を確定する構成とすることにより、本特徴に示すような規定数(上限数)を超えた数を特定演出表示の対象とすることが可能となる。
特徴B15.前記表示部は、遊技機正面視にて前記図柄表示手段よりも大きくなるように構成され、
前記演出表示手段は、前記特別情報に基づいて絵柄を可変表示し、その停止態様によって付与判定の結果を報知する構成となっており、
前記特定演出表示は、複数の遊技回に亘って一連となるようにして実行される絵柄の可変表示であり、
前記表示制御手段は、前記特定演出表示の対象となっている複数の遊技回の中に付与判定結果に対応するものが存在するか否かを当該特定演出表示の結果によって報知するものであることを特徴とする特徴B1乃至特徴B14のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B1に示した構成によって上述した擬似的な高確率状態を発生させたとしても、遊技者の注目が図柄表示手段に向いてしまうことにより、実際にどのようにして当該高確率状態を作り出しているかを理解されてしまい、当該高確率状態があくまで擬似的なものであることが見抜かれる可能性が高くなる。この場合、特定演出表示が行われる際には遊技者の注目が本来注視してもらいたい演出表示手段ではなく図柄表示手段に向いてしまい、上記不都合が発生するだけでなく演出表示手段の存在意義が薄れてしまうと想定される。
この点、本特徴に示すように図柄表示手段よりも大きな表示部にて複数の遊技回に亘って一連の可変表示が実行され、それら遊技回の中に付与判定結果に対応するものが存在するか否かが報知される構成とすれば、遊技者の注目を表示部に向けさせて上述した各種不都合の発生を好適に抑制することができる。
なお、本特徴に示す技術的思想を上述した特徴A群に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘69等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口61等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。