JP6467441B2 - 針用の線 - Google Patents

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Description

本発明は、メリヤス針、フェルト針、ミシン針、釣り針等の、様々な針及びこれらの針の部品に加工されうる線に関する。
針は、様々な用途に用いられている。針の典型的な材質は、金属である。針の材質に関する種々の提案が、なされている。
特開平4−88149号公報には、繊維機械に適用される針が開示されている。この針は、所定の組成を有する炭素鋼から形成されている。針の例として、ミシン針、メリヤス針及びフェルト針が開示されている。
特開平5−320824号公報には、釣り針用の線が開示されている。この線は、所定の組成を有する炭素鋼から形成されている。
一般的なメリヤス針は、主部とラッチとを有している。ラッチは主部に軸着されており、この主部に対して揺動しうる。この主部とラッチとによって形成されたループは、糸を保持する。このメリヤス針を有する自動編み機により、編み物が製造されうる。
このメリヤス針では、主部は板に対する塑性加工(打ち抜き加工、曲げ加工等)によって形成される。一方、ラッチは、製造コストの観点から、線材に対する塑性加工によって形成される。この線材は、伸線又は圧延によって得られる。ラッチは、主部に取り付けられる。その後に、主部とラッチとの組み立て体に焼入れ及び焼戻しが施され、メリヤス針が得られる。
特開平4−88149号公報 特開平5−320824号公報
主部の材質は、打ち抜きに適している。一方、ラッチの材質は、伸線に適している。主部の材質は、ラッチの材質と異なる。従って、主部に適した焼入れ条件は、ラッチには適していない。一方、ラッチに適した焼入れ条件は、主部に適していない。主部とラッチとの組み立て体に焼入れ及び焼戻しが施されて得られるメリヤス針では、主部及びラッチのうちのいずれかにおいて、硬度が不十分である。このメリヤス針が繰り返し使用されると、主部及びラッチのうちのいずれかにおいて、早期に摩耗が進行する。摩耗が進行したメリヤス針では、主部とラッチとの噛み合わせ不良が生じる。摩耗が進行したメリヤス針は、取り替えられる必要がある。このメリヤス針の耐久性は、不十分である。
本発明の目的は、耐久性に優れた針が得られうる線の提供にある。
本発明に係る針用の線は、0.95質量%以上1.03質量%以下のC、0.15質量%以上0.35質量%以下のSi、0.60質量%以上0.80質量%以下のMn、0.35質量%以上0.45質量%以下のCr、0.01質量%以上0.05質量%以下のMo、0.10質量%以下のNi及び0.026質量%以下のPを含み、残部がFe及び不可避的不純物である鋼から形成される。この線は、その金属組織内に炭化物粒子を含んでいる。この炭化物の平均粒径は、0.10μm以上1.0μm以下である。炭化物の面積率は、10%以上30%以下である。
好ましくは、鋼におけるSの含有率は、0.003%以下である。
好ましくは、線のビッカース硬度は、200以上300以下である。
この線が適する用途として、メリヤス針のラッチが挙げられる。
本発明に係る針用の線の製造方法は、
母線を準備する工程
及び
この母線に熱処理と塑性加工とを繰り返し施してこの母線を長尺化及び細径化させる工程
を含む。この線は、その金属組織内に炭化物粒子を含む。この炭化物の平均粒径は、0.10μm以上1.0μm以下である。この炭化物の面積率は、10%以上30%以下である。
好ましくは、この製造方法は、
長尺化及び細径化された母線に焼鈍を施して球状化組織を得る工程
をさらに含む。
本発明に係る針用の線では、組成及び組織が適正である。この線から得られた針は、耐久性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態に係る針用の線の一部が示された斜視図である。 図2は、図1の線から得られたラッチを有するメリヤス針の一部が示された正面図である。 図3は、図1の線の金属組織が示された顕微鏡写真である。 図4は、図3の金属組織における、炭化物の粒径と粒子数との関係が示されたヒストグラムである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示された針用の線2は、鋼からなる。本実施形態では、この線2は、メリヤス針のラッチの材料である。線2が所定長さに切断され、この線2に塑性加工が施されることで、ラッチが得られる。
図2に、このラッチ4を有するメリヤス針6の一部が示されている。このメリヤス針6は、ラッチ4以外に、主部8及び軸10を有している。ラッチ4は、軸10によって主部8に取り付けられている。図2に矢印で示される通り、ラッチ4は、軸10を中心として、主部8に対して揺動しうる。図2では、倒れたラッチ4が実線2で示されており、起立したラッチ4が仮想線で示されている。ラッチ4が倒れたとき、このラッチ4と主部8とにより、ループ12が形成される。このループ12に、編み物用の糸が保持される。軸10以外の手段でラッチ4が揺動してもよい。
このメリヤス針6の製造方法では、板が打ち抜かれ、かつこの板に曲げ加工が施されて、主部8が得られる。一方、前述の通り、ラッチ4は線2から得られる。このラッチ4は、主部8に取り付けられる。その後に、主部8とラッチ4との組み立て体に、焼入れ及び焼戻しが施される。
この線2の鋼の組成は、以下の通りである。
C:0.95質量%以上1.03質量%以下
Si:0.15質量%以上0.35質量%以下
Mn:0.60質量%以上0.80質量%以下
Cr:0.35質量%以上0.45質量%以下
Mo:0.01質量%以上0.05質量%以下
Ni:0.10質量%以下
P:0.026質量%以下
残部:Fe及び不可避的不純物
Cは、侵入型の固溶元素である。適量なCを含むラッチ4は、高い硬度を有する。Cは、ラッチ4の強度に寄与する。さらにCは、組織に炭化物を生成させる。この炭化物は、ラッチ4の耐摩耗性に寄与する。これらの観点から、Cの量は0.95質量%以上が好ましく、0.97質量%以上が特に好ましい。線2の冷間加工性の観点から、この量は1.03質量%以下が好ましく、1.01質量%以下が特に好ましい。
Siは、精錬時に脱酸剤として機能する。適量なSiを含むラッチ4は、高い硬度を有する。Siは、ラッチ4の強度に寄与する。これらの観点から、Siの量は0.15質量%以上が好ましく、0.20質量%以上が特に好ましい。線2の冷間加工性の観点から、この量は0.35質量%以下が好ましく、0.30質量%以下が特に好ましい。
Mnは、インゴットの溶製時に、脱酸剤として機能する。さらにMnは、不純物であるSの悪影響を抑制する。これらの観点から、Mnの量は0.60質量%以上が好ましく、0.65質量%以上が特に好ましい。線2の加工性の観点から、この量は0.80質量%以下が好ましく、0.75質量%以下が特に好ましい。
Crを含むラッチ4は、耐食性に優れる。Crは、Cと結合して炭化物を形成する。この炭化物は、ラッチ4の耐摩耗性に寄与する。この観点から、Crの量は0.35質量%以上が好ましく、0.37質量%以上が特に好ましい。線2の冷間加工性の観点及びメリヤス針6の材料コストの観点から、この量は0.45質量%以下が好ましく、0.43質量%以下が特に好ましい。
前述の通り、ラッチ4は焼入及び焼戻を経て得られる。Moを含むラッチ4は、焼戻後において、十分な硬度を有する。このラッチ4は、強度に優れる。Moは、Cと結合して炭化物を形成する。この炭化物は、ラッチ4の耐摩耗性に寄与する。これらの観点から、Moの量は0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上が特に好ましい。線2の冷間加工性の観点から、この量は0.05質量%以下が好ましく、0.04質量%以下が特に好ましい。
Niは、鋼の焼入れ性を高める。Niを含むラッチ4は、靱性に優れる。この観点から、Niの量は0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上が特に好ましい。Niは、高価である。メリヤス針6の材料コストの観点から、Niの量は0.10質量%以下が好ましく、0.07質量%以下が特に好ましい。
典型的な不純物は、Pである。Pは、結晶粒界に偏析する。Pは、線2の冷間加工性を阻害する。Pは、ラッチ4の強度を低下させる。これらの観点から、Pの量は少ないほど好ましい。具体的には、この量は0.026質量%以下が好ましく、0.010質量%以下が特に好ましい。理想的には、Pの量はゼロである。
他の典型的な不純物は、Sである。Sは、線2の冷間加工性を阻害する。Sは、Mn等と結合して介在物を形成する。この介在物は、ラッチ4の強度を低下させる。この観点から、Sの量は少ないほど好ましい。具体的には、この量は0.003質量%以下が好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。理想的には、Sの量はゼロである。
この線2は、その金属組織内に多数の炭化物粒子を含んでいる。これら炭化物粒子の平均粒径は、0.10μm以上1.0μm以下である。
平均粒径が0.10μm以上である線2では、炭化物とマトリクスとの接触面積が過大でない。従って、メリヤス針6の焼入れ時及び焼戻し時にマトリクスに固溶するCの量が、過大でない。よって、ラッチ4の硬度が高すぎない。この観点から、平均粒径は0.11μm以上が特に好ましい。
平均粒径が1.0μm以下である線2では、炭化物とマトリクスとの接触面積が過小でない。従って、メリヤス針6の焼入れ時及び焼戻し時にマトリクスに固溶するCの量が、過小でない。よって、ラッチ4の硬度が低すぎない。この観点から、平均粒径は0.6μm以下がより好ましく、0.42μm以下が特に好ましい。
前述の通り、炭化物粒子の平均粒径が0.10μm以上1.0μm以下である線2から得られたラッチ4は、適切な硬度を有する。このラッチ4を有するメリヤス針6では、ラッチ4の硬度と主部8の硬度との差が小さくなり得る。このメリヤス針6では、偏った摩耗が生じにくい。このメリヤス針6は、耐久性に優れる。
この線2では、金属組織内の炭化物粒子の面積率は、10%以上30%以下である。
面積率が10%以上である線2では、メリヤス針6の焼入れ時及び焼戻し時にマトリクスに固溶するCの量が、過小でない。よって、ラッチ4の硬度が低すぎない。この観点から、面積率は15%以上がより好ましく、17%以上が特に好ましい。
面積率が30%以下である線2では、メリヤス針6の焼入れ時及び焼戻し時にマトリクスに固溶するCの量が、過大でない。よって、ラッチ4の硬度が高すぎない。この観点から、面積率は25%以下がより好ましく、22%以下が特に好ましい。
前述の通り、面積率が10%以上30%以下である線2から得られたラッチ4は、適切な硬度を有する。このラッチ4を有するメリヤス針6では、ラッチ4の硬度と主部8の硬度との差が小さくなり得る。このメリヤス針6では、偏った摩耗が生じにくい。このメリヤス針6は、耐久性に優れる。
炭化物の平均粒径及び面積率の測定には、画像解析ソフト「Image J」が用いられる。測定では、線2の半径方向に沿った断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、倍率が5000倍であるSEM写真が得られる。この写真の一例が、図3に示されている。この写真の画像ファイルが上記画像解析ソフトにて二値化され、炭化物粒子の領域と他の領域とが色分けされる。それぞれの炭化物粒子の面積が、算出される。この面積と同じ面積を有する円が想定され、この円の直径がこの粒子の径とされる。径が0.05μm以上である炭化物の径と個数とが、ヒストグラム化される。ヒストグラムの一例が、図4に示されている。径が0.05μm未満である炭化物をカウントから除外する理由は、
(1) 径が0.05μm未満である炭化物は極めて小さく、従って面積率や線2の特性に大きな影響を与えない。
及び
(2)径が0.05μm未満である炭化物の検出には困難を伴う。
の、2点にある。
このヒストグラムに基づき、炭化物の平均粒径が算出される。さらに、図3の写真の全面積に対する、径が0.05μm以上である炭化物の合計面積の比率が、面積率として算出される。
図3及び4に示された例では、炭化物粒子の数は480であり、最大の炭化物粒子の径は2.49μmであり、炭化物粒子の平均径は0.42μmであり、面積率は16.5%である。
線2のビッカース硬度は、200以上300以下が好ましい。硬度がこの範囲内である線2に焼入れ及び焼戻しが施されることにより、適正な硬度を有するラッチ4が得られうる。このラッチ4を有するメリヤス針6では、ラッチ4の硬度と主部8の硬度との差が小さくなり得る。このメリヤス針6では、偏った摩耗が生じにくい。このメリヤス針6は、耐久性に優れる。しかもこの線2の、ラッチ4への塑性加工は容易である。これらの観点から、硬度は210以上250以下が特に好ましい。
ビッカース硬度は、「JIS Z 2244」の規定に準拠して測定される。測定は、明石製作所社の硬度計「MVK−G1」によってなされる。測定時の荷重は、200gfである。
この線2の製造では、まず溶製により、インゴットが得られる。このインゴットに熱間圧延が施され、母線が得られる。この母線に、熱処理と塑性加工とが繰り返し施される。典型的な熱処理は、パテンティングである。パテンティングにより、パーライト組織が得られる。典型的な塑性加工として、冷間伸線及び冷間圧延が挙げられる。冷間伸線が好ましい。熱処理と塑性加工との繰り返しにより、母線が長尺化し、かつ細径化する。この母線に、焼鈍が施される。焼鈍により組織が球状化し、線2が得られる。焼鈍後に、さらに塑性加工が施され、線2が得られてもよい。典型的な線2の直径は、0.1mm以上1.0mm以下である。
焼鈍の温度は、630℃以上850℃以下が好ましい。温度が630℃以上である焼鈍により、球状化組織が得られうる。換言すれば、温度が630℃以上である焼鈍により、塑性加工に起因する歪みが除去された組織が得られうる。この線2から得られたラッチ4の硬度は、過大でない。この観点から、焼鈍の温度は640℃以上がより好ましく、660℃以上が特に好ましい。温度が850℃以下である焼鈍により、パーライト組織の生成が抑制される。この線2から得られたラッチ4の硬度は、過小でない。この観点から、焼鈍の温度は830℃以下が好ましく、810℃以下が特に好ましい。
焼鈍時には、母線が、上記温度に所定時間保持される。保持時間は、2.0時間以上24時間以下が好ましい。保持時間が2.0時間以上である焼鈍では、適正温度が採用されうる。この観点から、保持時間は3.0時間以上が好ましく、3.5時間以上が特に好ましい。保持時間が24時間以下である焼鈍では、エネルギーコストが低い。この観点から、保持時間は20時間以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
成分を調製した溶湯から、インゴットを得た。このインゴットに熱間圧延を施し、母線を得た。この母線の直径は、5.5mmであった。この母線にパテンティングと冷間伸線とを繰り返し施した。これらの冷間伸線により、母線は長尺化し、かつ細径化した。この母線に焼鈍を施して、ラッチ用の線を得た。この焼鈍では、温度は670℃であり、保持時間は4.0時間であった。焼鈍により、球状化組織が得られた。この線の組成は、以下の通りであった。
C:0.97質量%
Si:0.24質量%
Mn:0.69質量%
Cr:0.40質量%
Mo:0.03質量%
Ni:0.02質量%
P:0.01質量%
S:0.002質量%
残部:Fe及び不可避的不純物
この線の直径は、0.4mmであった。この線では、粒径が0.05μm以上である炭化物の平均粒径は0.11μmであり、その面積率は17.3%であった。この線の、荷重が200gfの条件で測定されたビッカース硬度は、240であった。
[実施例2及び3並びに比較例1及び2]
パテンティング、冷間伸線及び焼鈍の条件を変更した他は実施例1と同様にして、実施例2及び3並びに比較例1及び2の線を得た。
[メリヤス針の製作]
各実施例及び各比較例の線から、ラッチを形成した。このラッチを主部に取り付けた後、このラッチ及び主部に焼入れ及び焼戻しを施して、メリヤス針を得た。このメリヤス針における、ラッチの硬度と主部の硬度を測定し、その差を算出した。この差の絶対値が、下記の表1に示されている。
Figure 0006467441
表1に示されるように、各実施例に係る線から得られたラッチの硬度は、主部の硬度に近い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る線から、様々な針が製作されうる。本発明に係る線から、様々な針の部品が製作されうる。
2・・・線
4・・・ラッチ
6・・・メリヤス針
8・・・主部
10・・・軸

Claims (6)

  1. 0.95質量%以上1.03質量%以下のC、0.15質量%以上0.35質量%以下のSi、0.60質量%以上0.80質量%以下のMn、0.35質量%以上0.45質量%以下のCr、0.01質量%以上0.05質量%以下のMo、0.01質量%以上0.10質量%以下のNi、及び0.026質量%以下のPを含み、残部がFe及び不可避的不純物である鋼から形成されており、
    その金属組織内に炭化物粒子を含んでおり、
    上記炭化物の平均粒径が0.10μm以上1.0μm以下であり、
    上記炭化物の面積率が10%以上30%以下である針用の線。
  2. 上記鋼におけるSの含有率が0.003%以下である請求項1に記載の線。
  3. そのビッカース硬度が200以上300以下である請求項1又は2に記載の線。
  4. その用途がメリヤス針のラッチである請求項1から3のいずれかに記載の線。
  5. 母線を準備する工程
    及び
    この母線に熱処理と塑性加工とを繰り返し施してこの母線を長尺化及び細径化させる工程
    を含む針用の線の製造方法であって、
    上記線が、0.95質量%以上1.03質量%以下のC、0.15質量%以上0.35質量%以下のSi、0.60質量%以上0.80質量%以下のMn、0.35質量%以上0.45質量%以下のCr、0.01質量%以上0.05質量%以下のMo、0.01質量%以上0.10質量%以下のNi、及び0.026質量%以下のPを含み、残部がFe及び不可避的不純物である鋼から形成されており、
    上記線が、その金属組織内に炭化物粒子を含んでおり、
    上記炭化物の平均粒径が0.10μm以上1.0μm以下であり、
    上記炭化物の面積率が10%以上30%以下である製造方法。
  6. 上記長尺化及び細径化された母線に焼鈍を施して球状化組織を得る工程をさらに含む請求項5に記載の製造方法。

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