以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る駐車誘導装置100は、車両10を誘導して空いている駐車枠に自動で駐車させると共に、車両10を駐車枠から出庫させ所定位置まで自動で誘導する装置であり、車両10に搭載される。駐車誘導装置100が搭載される車両10は、ドライバの操作なしで自動走行することが可能な装備を備えている。
図1に示すように、駐車誘導装置100は、車両10に搭載され車両10の周辺画像を撮像する撮像部としてのカメラ1と、カメラ1が撮像した周辺画像の画像データから路面に描かれた路面標記を認識する認識部としての画像処理装置2と、画像処理装置2で認識された路面標記に基づいて車両10の誘導を行う制御部としての駐車誘導コントローラ3と、を備える。
カメラ1は、車両の近傍を撮像するカメラであり、車両10の前方、後方、及び両側方を撮像する位置に設けられる。
画像処理装置2は、カメラ1によって撮像された画像に対して画像処理を施して、例えば、図7Aに示すような車両10の周辺画像40aを生成する。図7Aに示す周辺画像40aは、前方、後方、及び両側方に設けられたカメラ1によって撮像された車両10の周辺画像を、視点変換処理を行うことによって鳥瞰画像に変換した画像である。
次に、図2を参照して、路面に描かれた路面標記について説明する。図2は路面に路面標記が描かれた駐車場20の平面図である。
路面標記は、車両10を誘導するための誘導標記としての走行ライン21と、車両10を駐車するための駐車スペースを示す四角形の駐車枠22と、駐車枠22の内側に描かれ駐車枠22の空きを示す駐車標記としての駐車マーカ23と、車両10を駐車場20の出口へ誘導するための出口マーカ25と、有する。各路面標記は、白線引きによって描かれる。
駐車マーカ23は、平行する2つの長方形からなり、駐車枠22内に車両10が駐車されている場合には、車両10によって隠れるように描かれる。駐車マーカ23は、駐車枠22の中心よりも走行ライン21側に描かれる。
図1に戻って、画像処理装置2は、カメラ1が撮像した周辺画像から路面に白色で描かれた路面標記を画像処理によって認識するものである。なお、本実施形態では、画像処理装置2は、カメラ1又は駐車誘導コントローラ3とは別に設けているが、カメラ1又は駐車誘導コントローラ3に設けるようにしてもよい。
駐車誘導コントローラ3は、ドライバによって操作される入庫/出庫モード指令入力装置9から入庫モード指令又は出庫モード指令を受信したか否かを判定する入庫/出庫モード判定部11を備える。
入庫/出庫モード指令入力装置9は、ドライバが携帯可能な端末であり、例えば、携帯電話や専用のリモートコントローラである。入庫/出庫モード指令入力装置9はドライバが操作可能な「入庫モード」及び「出庫モード」の表示或いはボタンを有し、ドライバの操作にともなって「入庫モード」に対応する入庫モード指令又は「出庫モード」に対応する出庫モード指令を無線送信する。ここで、入庫モードとは、車両10を誘導して駐車枠22に自動で駐車させる際に選択されるモードであり、出庫モードとは、車両10を駐車枠22から駐車場20の出口まで自動で誘導させる際に選択されるモードである。
駐車誘導コントローラ3は、画像処理装置2で認識された路面標記及び入庫/出庫モード判定部11の判定結果に基づいて車両10を誘導するための指令信号を生成する指令信号生成部12と、指令信号生成部12で生成された指令信号に基づいて車両10の動作を制御する車両制御部13と、をさらに備える。
車両制御部13は、エンジンのスロットル弁の開度を制御するエンジン制御装置5、電動パワーステアリング装置の電動モータの駆動を制御するEPS制御装置6、ブレーキアクチュエータの駆動を制御するブレーキ制御装置7、及びトランスミッションを変速制御するトランスミッション制御装置8の各制御装置を制御して車両10を自動走行させる。
画像処理装置2は、周辺画像に基づいて駐車マーカ23を認識した場合には、駐車マーカ23を認識した駐車枠22は空いていると判断して、この認識した駐車マーカ23が描かれた駐車枠22を目標とする駐車枠22に決定する。目標とする駐車枠22が決定すると、駐車誘導コントローラ3の指令信号生成部12は、車両10を駐車枠22内に誘導するための指令信号を生成する。
次に、駐車誘導装置100によって行われる車両10の誘導方法について説明する。以下では、ショッピングセンタの駐車場20内で車両10を誘導する場合について説明する。
まず、図3を参照して、車両10でショッピングセンタに入場してから退場するまでの流れについて、図3に示す矢印の流れに沿って説明する。
まず、車両10が、ショッピングセンタの入口に設けられた入場ゲートからショッピングセンタの場内に入場する(ステップS31)。
入場ゲートから店舗入口まではドライバの運転により車両10を移動する(ステップS32)。ドライバは、店舗入口に隣接する駐車場20の入口に車両10を停止させて降車する(ステップS33)。降車する際には、イグニッションスイッチはONのまま、シフトレバーをDレンジからPレンジに切り換えてトランスミッションをパーキングモードの状態として降車する。
降車後、ドライバは入庫/出庫モード指令入力装置9の入庫モードを選択する。車両10に搭載された駐車誘導装置100が入庫/出庫モード指令入力装置9から入庫モード指令を受信すると、車両制御部13により、エンジン制御装置5、EPS制御装置6、ブレーキ制御装置7及びトランスミッション制御装置8が制御されて、車両10は自動走行を開始して駐車場20内の路面に描かれた路面標記に基づいて誘導され空いている駐車枠22に自動駐車される(ステップS34,35)。
駐車されている車両10を呼び出す際には、ドライバは入庫/出庫モード指令入力装置9の出庫モードを選択する。駐車誘導装置100が入庫/出庫モード指令入力装置9から出庫モード指令を受信すると、車両10は駐車枠22から出庫して自動走行を開始して駐車場20内の路面に描かれた走行ライン21及び出口マーカ25に基づいて店舗入口に隣接する駐車場20の出口まで誘導される(ステップS36)。
駐車場20の出口まで誘導された車両10にドライバが乗車し(ステップS37)、退場ゲートまでドライバの運転により移動し(ステップS38)、退場ゲートより退場する(ステップS39)。
次に、図3のフロー中、ドライバが降車してから車両10が空いている駐車枠22に自動駐車されるステップS34,S35について、図4及び図5を参照して詳しく説明する。
図4は、入庫モードが選択された際に、車両10を駐車場20の駐車枠22に自動駐車する手順(入庫モードの手順)を示すフローチャートである。図5は駐車場20の一部を示す平面図であって、自動駐車されるときの車両10の動きを示す。図5では車両10を斜線で示し、車両10の動きをA〜Cの順番で示す。
図4のステップS41では、車両10に搭載された駐車誘導装置100の駐車誘導コントローラ3が、降車したドライバの操作にともなって入庫/出庫モード指令入力装置9から発信される入庫モード指令を受信する。
ステップS42では、路面に描かれた走行ライン21を認識する。具体的には、車両10の前方を撮像するカメラ1で撮像した画像を画像処理装置2によって画像処理して走行ライン21を認識する。
ステップS43では、ステップS42で認識した走行ライン21に基づいて車両10を走行ライン21に沿って誘導するための誘導指令を指令信号生成部12(図1参照)において生成し、その誘導指令に基づいて車両10を誘導する。このとき、車両10を走行ライン21に沿って誘導しながら、画像処理装置2はカメラ1によって撮像された画像から周辺画像40aを生成する(図7A参照)。
ステップS44では、駐車マーカ23を認識したか否かを判定する。具体的には、周辺画像40aに画像処理を行って駐車マーカ23が認識されたか否かを判定する。
駐車マーカ23が存在しない場所を走行している場合、あるいは、駐車枠22に既に他の車両30が駐車して駐車マーカ23が隠れている場合には、駐車マーカ23は認識されない。このような場合には、ステップS44において、駐車マーカ23を認識しないと判定し、ステップS42に戻る。そして、再び走行ライン21の認識を行い、認識した走行ライン21に基づいて車両10をさらに先へと誘導する(ステップS43)。駐車誘導装置100では、駐車マーカ23が認識されるまでは、走行ライン21に基づいて車両10を誘導する。
図7Aは、車両10が図5に示す位置Aに位置するときの周辺画像40aを示している。車両10が図5に示す位置Aに移動してきたときに、画像処理装置2は、周辺画像40aにおいて駐車マーカ23Aを認識する。
ステップS44において、駐車マーカ23を認識したと判定した場合には、ステップS45に進む。具体的には、図7Aの周辺画像40aから駐車マーカ23Aを認識した場合、ステップS45に進む。ステップS45では、ステップS44で認識した駐車マーカ23Aが内側に描かれている駐車枠22A(図7A参照)を目標とする駐車枠に決定する。駐車誘導装置100では、駐車場20に入場してから、最初に駐車マーカ23を認識したときに、この駐車マーカ23が描かれている駐車枠22を目標とする駐車枠に設定する。
ステップS45では、さらに、画像処理装置2は、目標とする駐車枠22Aに描かれた駐車マーカ23Aを目標駐車標記としての目標駐車マーカ23Aに決定し、駐車誘導コントローラ3に信号を送信する。そして、駐車誘導コントローラ3は、目標駐車マーカ23Aと車両10の相対位置に基づいて、目標とする駐車枠22A内に誘導するための指令信号を生成し、駐車枠22A内への車両10の誘導を開始する。このステップS45が、第一駐車誘導工程に相当する。
指令信号生成部12は、指令信号として、車両10を目標となる駐車枠22Aから一旦離れる方向に誘導する駐車準備指令と、車両10を後進させて目標となる駐車枠22Aに向かうように誘導する駐車指令と、を生成する。図5に示すように、車両制御部13は、駐車準備指令に基づいて車両10を位置Aから前進させて駐車枠22Aから一旦離れる方向(位置B)に誘導したのち、駐車指令に基づいて車両10を位置Bから後進させて駐車枠22A(位置C)に向かって誘導する。このように 駐車指令に先立って、駐車準備指令によって、車両10を駐車枠22Aから一旦離れる方向に誘導することで、車両10の後進による駐車枠22Aへの誘導が簡単になる。駐車準備指令によって車両10を誘導するときは、目標駐車マーカ23Aは制御に用いられない。
なお、車両10の駐車枠22Aへの誘導はこれに限らず、目標駐車マーカ23Aを決定した位置Aから車両10を走行ライン21に沿って前進させて、その後、車両10を後進させて駐車枠22A内へ誘導してもよい。また、準備指令に基づく誘導を行わずに、車両10を前進させて直接駐車枠22Aに誘導してもよい。
ステップS46では、車両10がステップS44で決定した目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づいたか否かを判定する。具体的には、図7Aに示す周辺画像40aから車両10が目標駐車マーカ23Aに50cm程度まで近づいたか否かを判定する。なお、車両10の車体によって目標駐車マーカ23Aが隠されてしまう手前であれば、どのような距離に設定してもよい。
車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づいていないと判定した場合には、ステップS45に戻る。そして、車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づくまで、目標駐車マーカ23Aを認識しながら、ステップS45、S46を繰り返す。
ステップS46において、車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づいたと判定した場合には、ステップS47に進む。ステップS47では、目標駐車マーカ23Aが描かれた駐車枠22Aの認識を行う。具体的には、周辺画像40aに画像処理を行って駐車枠22Aを構成する白線を認識する。白線の認識方法については、後で詳細に説明する。
ステップS48では、車両10とステップS47で認識した駐車枠22Aとの相対位置に基づいて、駐車枠22A内に車両10を駐車するための駐車指令を生成し、その駐車指令に基づいて車両10を誘導する。このステップS48が、第二駐車誘導工程に相当する。
車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づくと、目標駐車マーカ23Aが車両10の車体に隠れて、目標駐車マーカ23Aを認識することができなくなる。このため、ステップS48では、自動駐車時の目標となる路面標記を目標駐車マーカ23Aから駐車枠22Aに切り換えて、駐車枠22Aへの車両10の誘導を続ける。
ステップS49では、ステップS48で認識した駐車枠22A内に車両10が収まったか否かを判定する。ステップS49において、車両10がステップS48で認識した駐車枠22A内に車両10が収まっていないと判定した場合には、ステップS47に戻る。
ステップS49において、車両10がステップS48で認識した駐車枠22A内に車両10が収まったと判定した場合には、車両10の誘導を終了する。そして、駐車誘導コントローラ3は、入庫/出庫モード指令入力装置9から発信される出庫モード指令を受信するまで、待機状態となる。この待機状態では、車両10のイグニッションスイッチはOFF、トランスミッションはドライブモードからパーキングモードに切り換えられる。
以上にて、入庫モードの制御手順が終了する。
駐車誘導装置100によれば、例えば、図7Aに示す周辺画像40aのように、カメラ1が駐車枠22Aの全体を撮像できていない場合であっても、周辺画像40aにおいて駐車マーカ23Aを目標駐車マーカ23Aとして認識し、認識した目標駐車マーカ23Aに基づいて車両10を誘導することで、車両10を駐車枠22A内に精度良く誘導することができる。また、駐車誘導装置100は、車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離まで近づいたとき、駐車枠22Aを認識するように切り換えて、認識した駐車枠22Aに基づいて車両10を誘導する。これにより、車両10を駐車枠22Aに精度良く誘導することができる。
上述の入庫モード中、画像処理装置2は、車両10の近傍を撮像するカメラ1による周辺画像40aから目標駐車マーカ23A及び駐車枠22Aを認識している。しかし、車両10が図5に示す位置Aから位置Bに移動したときに、カメラ1の撮像可能範囲によっては目標駐車マーカ23Aが周辺画像40aに映り込まないことがある(図8参照)。このような場合には、カメラ1よりも遠方を撮像できる遠方カメラ1b(図7B参照)を設け、この遠方カメラ1bが撮像した画像を併用して、車両10を誘導する。以下に、この変形例について具体的に説明する。
図7Bに示すように、車両10には、車両10の後方を撮像し、カメラ1よりも遠くまで撮像することができる遠方カメラ1bが設けられる。図7Bは、図5に示す位置Bにおいて、遠方カメラ1bによって撮像された画像に画像処理を施して生成された周辺画像40bである。画像処理装置2は、車両10の誘導中、カメラ1及び遠方カメラ1bによって撮像された画像に基づいて、常に周辺画像40a及び周辺画像40bを生成する。
例えば、車両10が図5に示す位置Aから位置Bに移動する間に、周辺画像40aから目標駐車マーカ23Aを認識できなくなると(図8参照)、画像処理装置2は、周辺画像40b(図7B参照)から目標駐車マーカ23Aを認識して、駐車誘導コントローラ3に信号を送信する。これにより、駐車誘導コントローラ3は、周辺画像40bから認識された目標駐車マーカ23Aに基づいて車両10を誘導する。
画像処理装置2は、周辺画像40bから目標駐車マーカ23Aを認識している間も、周辺画像40aから目標駐車マーカ23Aを認識しているかを監視している。車両10が図5に示す位置Bから位置Cに向かって移動していくと、周辺画像40a内に駐車マーカ23Aが映り込んでくる。画像処理装置2は、周辺画像40aから目標駐車マーカ23Aを認識できるようになると、周辺画像40bから認識された目標駐車マーカ23Aに基づく信号に代えて、周辺画像40aから認識された目標駐車マーカ23Aに基づく信号を駐車誘導コントローラ3に送信する。このとき、周辺画像40bに基づいた処理を続けることもできる。しかしながら、周辺画像40aにおいて目標駐車マーカ23Aを認識する方が認識精度が良いので、周辺画像40aから目標駐車マーカ23Aを認識できるようになった時点で、周辺画像40aに基づいた処理を行うようになっている。
このように、遠方を撮像できる遠方カメラ1bによる周辺画像40bを併用することで、常に目標駐車マーカ23Aを認識しながら車両10を誘導することができる。これにより、駐車誘導装置100では、車両10を精度よく駐車枠22Aに誘導することができる。
次に、図6を参照して、車両10を駐車枠22から出庫して駐車場20の出口まで誘導する手順(出庫モードの手順)について説明する。図6は出庫モードが選択された際に、駐車誘導コントローラ3によって実行される制御手順を示すフローチャートである。
図6のステップS51では、ドライバの操作にともなって入庫/出庫モード指令入力装置9から発信される出庫モード指令を受信する。これにより、待機状態であった駐車誘導コントローラ3が起動し、車両のイグニッションスイッチはON、トランスミッションはパーキングモードからドライブモードに切り換えられる。
ステップS52では、路面に描かれた走行ライン21を認識する。具体的には、カメラ1で撮像した周辺画像40aを画像処理装置2によって画像処理して走行ライン21を認識する。
ステップS53では、ステップS52で認識した走行ライン21に基づいて車両10を誘導するための誘導指令を生成し、その誘導指令に基づいて車両10を誘導する。これにより、車両10は駐車枠22から出庫して自動走行を開始する。
ステップS54では、出口マーカ25を認識したか否かを判定する。具体的には、カメラ1で撮像した周辺画像40aを画像処理装置2によって画像処理して出口マーカ25を認識する。
出口マーカ25を認識しないと判定した場合には、ステップS52に戻り、走行ライン21の認識を行い、認識した走行ライン21に基づいて車両10を誘導する(ステップS53)。このように、出口マーカ25が認識されるまでは、認識した走行ライン21に基づいて車両10の誘導が継続される。
ステップS54において、出口マーカ25を認識したと判定した場合には、ステップS55に進む。ステップS55では、出口マーカ25に基づいて車両10を誘導するための誘導指令を生成し、その誘導指令に基づいて車両10を誘導する。これにより、車両10は出口マーカ25の矢印(図2参照)が示す方向に誘導される。
ステップS56では、図示しない停止マーカを認識したか否かを判定する。停止マーカを認識しないと判定した場合には、駐車場20の出口まで到達していないと判断して、走行ライン21に基づいて停止マーカを認識するまで車両10を誘導する。
ステップS56において、停止マーカを認識したと判定した場合には、駐車場20の出口まで到達したと判断して、車両10の誘導を終了する。
以上にて、出庫モードの制御手順が終了する。
次に、駐車準備指令から駐車指令に切り換わるときに、画像処理装置2によって周辺画像40aに設定される限定領域41について、図9〜図11を参照しながら説明する。
駐車誘導装置100では、指令信号に基づいて車両10を目標となる駐車枠22Aに向かって誘導しているときに、カメラ1の撮像範囲によっては、周辺画像40a内に駐車枠22Aに隣接する駐車枠22Bに描かれた駐車マーカ23Bが映り込んでしまうことがある(図9参照)。このように、周辺画像40a内に2つの駐車マーカ23A、23Bが存在すると、駐車マーカ23A、23Bのどちらが目標とする目標駐車マーカであるか認識できず、制御が混乱してしまうおそれがある。
このような事態を回避するために、画像処理装置2は、周辺画像40aにおいて駐車マーカ23A、23Bのうち目標駐車マーカ23Aのみが存在する範囲を限定領域41として設定し、限定領域41内を探索して目標となる駐車枠22Aに描かれた目標駐車マーカ23Aを認識する。以下に、具体的に説明する。
図9は、車両10が図5に示す位置Bに位置するときの周辺画像40aを示す図である。車両10は、図9における左下の駐車枠22Aに誘導される。図9に示す周辺画像40a内には、目標とする駐車枠22A内に描かれた目標駐車マーカ23Aと、駐車枠22Aに隣接する駐車枠22Bに描かれた駐車マーカ23Bと、が存在する。なお、図9〜図11に示す車両30は、目標とする駐車枠22A以外の駐車枠22に既に駐車された車両を示している。
画像処理装置2は、駐車準備指令による車両10の誘導が開始されたとき(図5における位置A)の車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置D(図5参照)と、駐車準備指令と、に基づいて、駐車準備指令から駐車指令に切り換わった際(車両10が位置Bに移動したとき)の車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置E(図5参照)を推定して限定領域41を設定する。つまり、画像処理装置2は、位置Aにおける車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置Dと、位置Aと位置Bの相対位置Fと、に基づいて、車両10が位置B(図5、図9参照)に移動した時点での車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置Eを推定し、限定領域41を設定する。これにより、目標駐車マーカ23Aのみが限定領域41内に存在するように周辺画像40a内に限定領域41を正確に設定することができる。
図9に示すように、限定領域41は、駐車枠22の幅cとほぼ同じ幅dに設定される。駐車マーカ23A、23Bは、駐車枠22A、22B内の同じ位置に描かれているので、駐車マーカ23A、23Bの中心間の距離は駐車枠22の幅cと同じになる。したがって、限定領域41を駐車枠22の幅cとほぼ同じ幅dに設定することで、限定領域41内には、目標駐車マーカ23Aが存在していれば、目標駐車マーカ23A以外の駐車マーカ(駐車マーカ23B)が存在することはない。これにより、限定領域41内に目標駐車マーカ23A以外の駐車マーカ(駐車マーカ23B)が映り込むことを確実に防止できる。
画像処理装置2は、周辺画像40aから駐車マーカ23の全体の形状を抽出したときに駐車マーカ23と認識するので、図9に示す限定領域41内に駐車マーカ23Bの一部が存在しても駐車マーカと認識することはない。したがって、限定領域41の幅dが駐車枠22の幅cと駐車マーカ23の幅kとの合計値j未満であれば、限定領域41内に目標駐車マーカ23A以外の駐車マーカ(駐車マーカ23B)が存在しないことになる。
なお、車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置Eを精度よく推定できる場合には、限定領域41の幅方向の中央に目標駐車マーカ23Aが位置するように限定領域41を設定することができる。その場合には、限定領域41の幅dを駐車枠22の幅cと駐車マーカ23の幅kとの合計値j以上に設定することもできる。
画像処理装置2は、車両10の移動に伴って、目標駐車マーカ23Aが周辺画像40a内で移動する位置を推定して、図9〜図11に示すように周辺画像40a内で限定領域41を移動させる。具体的には、画像処理装置2は、目標駐車マーカ23Aの動きを監視して、限定領域41の幅d方向の中心が常に目標駐車マーカ23Aの幅方向の中心に位置するように限定領域41を追従させる。図9〜図11に示すように、車両10が駐車枠22Aに近づくと、限定領域41を車両10側に向かって移動させる。
駐車誘導装置100では、図9〜図11に示すように、限定領域41を周辺画像40a内における一方向(周辺画像40aにおける横方向)にのみ移動させる。周辺画像40aにおける車両10と目標駐車マーカ23Aとの相対位置の変化は、車両10の長さ方向(進行方向)の変化に比べて、車両10の幅方向の変化は小さい。このため、限定領域41を変化の小さい車両10の幅方向にのみ追従させることで、限定領域41を車両10の動きに対して追従させやすくなるとともに、追従に関する処理の負担を軽くすることができる。なお、限定領域41を車両10の長さ方向に対しても追従させることもできる。この場合には、周辺画像40aにおける一方向のみ追従させる場合に比べて演算処理は複雑になるが、限定領域41を小さくすることができる。これにより、画像処理装置2が目標駐車マーカ23Aを探索する範囲が小さくなるので、限定領域41内での目標駐車マーカ23Aの探索に関する演算処理量の負担を軽くすることができる。
限定領域41は、駐車指令時に加えて、駐車準備指令時において設定されてもよい。
また、上述した変形例のようにカメラ1と遠方カメラ1bとを併用する場合において、遠方カメラ1bによって撮像された周辺画像40bに基づいて図5に示す位置Bから位置Cに車両10を誘導する際には、周辺画像40b内にも複数の駐車マーカ23が映り込んでいる可能性がある。このため、カメラ1と遠方カメラ1bとを併用する場合には、周辺画像40bにおいても目標駐車マーカ23Aのみが存在する限定領域41を設定する。
例えば、車両10が図5に示す位置Aから位置Bに移動する間に、周辺画像40aから目標駐車マーカ23Aを認識できなくなると(図8参照)、画像処理装置2は、周辺画像40b(図7B参照)から目標駐車マーカ23Aを認識して、駐車誘導コントローラ3に信号を送信する。その後、車両10が位置Bに到達した時点で、画像処理装置2は、駐車準備指令による車両10の誘導が開始されたとき(図5における位置A)の車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置D(図5参照)と、駐車準備指令と、に基づいて、駐車準備指令から駐車指令に切り換わった際(車両10が位置Bに移動したとき)の車両10に対する目標駐車マーカ23Aの相対位置E(図5参照)を推定して、周辺画像40bに限定領域41を設定する。これにより、画像処理装置2が周辺画像40bにおいて二つの駐車マーカ23を同時に認識することによって制御が混乱することが防止される。したがって、車両10を目標とする駐車枠22Aに安定して誘導することができる。
次に、図4のフローのステップS46〜S48において、目標駐車マーカ23Aに基づく誘導から駐車枠22Aに基づく誘導に切り換わった後の駐車枠22Aを構成する白線の認識方法及び駐車枠22Aに基づいた車両10の誘導方法について、図12〜図16を参照しながら詳しく説明する。図12は、駐車マーカ23に基づく誘導から、駐車枠22に基づく誘導に切り換えた直後の周辺画像40aである。
まず、駐車枠22に基づく誘導時における駐車枠22の認識方法について説明する。
画像処理装置2は、車両10が目標駐車マーカ23Aに所定の距離(例えば、50cm程度)まで近づくと、周辺画像40aにおける限定領域41の設定を解除する。次いで、図12に示すように、周辺画像40aにおいて、車両10の前面、後面、及び両側面それぞれに略直交する方向に伸び、駐車枠22を構成する白線24と交差する白線検出領域42を周辺画像40a内に設定する。白線検出領域42は、車両10の前面、後面、及び両側面それぞれにおいて、所定間隔をあけて少なくとも二箇所ずつ設定される。
画像処理装置2は、このように設定された白線検出領域42内を探索して、白線検出領域42と白線24が交差する白線部分43を検出する。具体的には、画像処理装置2は、白線検出領域42内における周辺画像40aの水平方向の走査線画素を探索して、輝度の立ち上がりと輝度の立ち下がりを検出する。さらに、画像処理装置2は、検出された輝度の立ち上がりと輝度の立ち下がりを白線24のエッジとして認識する。画像処理装置2は、このような探索を白線検出領域42内の全ての水平方向の走査線画素に対して行う。そして、一定以上連続して白線24のエッジが認識された場合に、白線24の一部である白線部分43として検出する。
次に、図13を参照して、白線24の具体的な認識方法について説明する。図13は、車両10の右側面に設定された白線検出領域42A、42Bを示している。白線検出領域42Aが車両10の前側、白線検出領域42Bが車両10の後側である。
画像処理装置2は、白線検出領域42A、42B内において検出された白線部分43A、43Bの中心44A、44Bを求める。具体的には、白線検出領域42A、42Bにおける車両10の長さ方向の中間位置における白線部分43A、43Bの幅eを求める。さらに、この幅eの中間点を求めることによって中心44A、44Bを求める。
画像処理装置2は、このようにして求められた2つの中心44A、44Bを結ぶ直線fを算出する。これにより、画像処理装置2は、この直線f上に白線24Cの中心線が位置するものとして、車両10の右側面に位置する白線24Cを認識する。
画像処理装置2は、同様にして、図14に示す車両10の前面、後面及び左側面に設定された白線検出領域42から、駐車枠22Aを構成する白線24A、24B、24Dを認識する。以下では、図14における車両10の後方に位置する白線を後方の白線24A、車両10の側方に位置する白線を側方の白線24B、24C、車両10の前方に位置する白線を前方の白線24Dと称する。
次に、上述のようにして認識された白線24A〜24Dによって構成される駐車枠22Aに基づいた車両10の誘導方法について、図14、図16及び図15を参照しながら説明する。
図15は、駐車枠22Aに対する車両10の長さ方向(進行方向)における位置制御の手順(フローチャート)であり、図16は、駐車枠22A内での車両10の幅方向における位置制御の手順(フローチャート)である。駐車誘導装置100は、図15に示す駐車枠22Aに対する車両10の長さ方向における位置制御と同時に、図16に示す駐車枠22A内での車両10の幅方向における位置制御を行う。
まず、駐車枠22Aに対する車両10の長さ方向における位置制御の手順について図15を参照して説明する。
ステップS61では、上述の認識方法によって駐車枠22Aの白線24A〜24Dを認識する。
ステップS62では、車両10を駐車枠22A内に収まるように認識した白線24A〜24Dに基づいて誘導する。
ステップS63では、車両10が後方の白線24Aに対して所定の距離(50cm程度)まで近づいたかを判定する。なお、この所定の距離は、車両10が駐車枠22A内に収まった状態で、車両10と後方の白線24Aとの間に人が通れる程度のスペースが確保できていれば、どのような距離であってもよい。所定のステップS63において、車両10が後方の白線24Aに対して所定の距離まで近づいていないと判定されると、ステップS61に戻る。
ステップS63において、車両10が後方の白線24Aに対して所定の距離まで近づいたと判定されると、駐車枠22Aに対する車両10の長さ方向(車両10の進行方向)における位置制御、つまり、車両10の駐車枠22A内への誘導が終了し、車両10は駐車枠22A内に収まった状態で停止する。
次に、駐車枠22A内での車両10の幅方向における位置制御の手順について図16を参照して説明する。
図16のステップS71では、上述の認識方法によって駐車枠22Aの白線24A〜24Dを認識する。
ステップS72では、車両10を駐車枠22A内に収まるように認識した白線24A〜24Dに基づいて誘導する。
ステップS73では、車両10が駐車枠22Aに対して傾いているか否かを判定する。具体的には、車両10の側面に対する直線fの角度を検出し、車両10の側面に対する直線fの角度が所定の角度範囲内にないと傾いていると判定する。ステップS73において、車両10が駐車枠22Aに対して傾いていると判定され、ステップS75に進む。
ステップS75では、車両制御部13がEPS制御装置6を制御して、車両10が側方の白線24B及び24Cに対して平行になるように調整し、ステップS71に戻る。
ステップS73において、車両10が側方の白線24B及び24Cに対する角度が所定の角度以下であると、車両10が駐車枠22Aに対して傾いていないと判定され、ステップS74に進む。
なお、白線24B及び24Cを認識することに換えて、前後の白線24A及び24Dを認識することでも、車両10が駐車枠22Aに対して傾いているかを判定できる。
ステップS74では、車両10が幅方向において駐車枠22Aの中央にいるか否かを判定する。具体的には、車両10の側方の白線24B及び白線24Cそれぞれに対する距離g、i(図14参照)を比較し、その差が所定の範囲内であるかを判定する。
距離g、iの差が所定の範囲内にない場合には、ステップS74において、車両10が幅方向において駐車枠22Aの中央にいないと判定され、ステップS75に進む。ステップS75では、車両制御部13がEPS制御装置6を制御して、車両10が側方の白線24Bまたは白線24Cに対して等しい距離(距離g、iの差が所定の範囲内)になるように調整する。なお、車両10の側方の白線24B及び白線24Cに対する距離g、iのいずれか一方を認識して、認識した距離g、iのいずれか一方が所定の範囲内になるように構成してもよい。
ステップS74において、距離g、iの差が所定の範囲内にある場合には、車両10が幅方向において駐車枠22Aの中央にいると判定され、駐車枠22A内での車両10の幅方向における位置制御は終了する。
上記実施形態では、車両10の後方の白線24Aを認識して、車両10が駐車枠22内に収まったか否かを判断していたが、前方の白線24Dを認識して、車両10が前方の白線24Dから所定の距離離れたかを認識して、車両10が駐車枠22内に収まったか否かを判断してもよい。
また、側方の白線24Bまたは白線24Cの少なくとも一方に基づいて長さ方向(車両10の進行方向)における車両10の位置を認識することで、車両10が駐車枠22内に収まったか否かを判断してもよい。この変形例について、図17を参照して具体的に説明する。
図17は、車両10の後部が駐車枠22Aの白線24Aに近づいてきた状態を示す拡大図である。この変形例では、図17に示す白線検出領域42Bは、車両10の後端よりも、所定の距離hだけ離れた位置に設定される。具体的には、白線検出領域42Bは、車両10の後端から50cm程度離れた場所に設定される。
車両10が駐車枠22A内を後進していくと、白線検出領域42B内に駐車枠22Aの白線24Aが入り込んでくる。これにより、画像処理装置2が白線24Aを認識し、車両10が駐車枠22A内に収まったと判断して、車両10の誘導を終了する。このように、白線検出領域42Bを車両10の後端よりも所定の距離hだけ離れた位置に設定することで、車両10が白線24Aに到達する前に、車両10の誘導を終了することができるので、車両10を確実に駐車枠22A内に収まるように誘導できる。
なお、前進駐車によって自動駐車させる場合には、白線検出領域42Aを車両10の前端よりも、所定の距離hだけ離れた位置に設定すればよい。
また、後方の白線24Aや前方の白線24Dが描かれていない場合でも、車両10の側面に設定された白線検出領域42によって、駐車枠22Aの側部の白線24B、24Cの端部を認識することで、車両10が駐車枠22A内に収まったかどうかを判断することができる。なお、駐車誘導装置100では、側部の白線24B、24Cのいずれか一方のみを認識するようにしてもよい。
以上の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
駐車誘導装置100では、駐車枠22A内に描かれた目標駐車マーカ23Aに基づいて車両を誘導し、その後、駐車枠22Aに基づいて車両10を誘導する。駐車する始めの段階では、目標駐車マーカ23Aは駐車枠22Aに比べて全体を認識しやすい。このため、駐車枠22A内に描かれた目標駐車マーカ23Aに基づいて車両10を誘導することで、駐車枠22A内に精度良く誘導することができる。また、駐車する終わりの段階では、目標駐車マーカ23Aが車両10の車体によって隠されてしまう前に、目標駐車マーカ23Aに基づく駐車指令から駐車枠22Aに基づく駐車指令に切り換えて車両10を誘導する。これにより、車両10を駐車枠22Aに誘導中、常に制御目標を認識できるので、車両10を正確に駐車枠22A内に駐車することができる。
駐車誘導装置100では、周辺画像40a、40bに限定領域41を設定し、限定領域41内において目標駐車マーカ23Aを探索するため、周辺画像40a、40bに複数の駐車マーカ23が映り込んでも、目標に設定された目標駐車マーカ23Aを確実に認識することができる。これにより、画像処理装置2が二つの駐車マーカ23を同時に認識することによって制御が混乱することが防止されるので、車両10を目標とする駐車枠22Aに安定して誘導することができる。
駐車誘導装置100では、車両10の移動にともなって限定領域41の移動をさせるため、目標駐車マーカ23Aを探索する領域を小さくできる。これにより、画像処理装置2の処理の負担を軽くすることができる。さらに、限定領域41を一方向にのみ移動させることで、画像処理装置2の処理の負担をさらに軽くすることができる。
駐車誘導装置100では、少なくとも二つの白線検出領域42A、42Bを間隔をおくように設定し、その領域された内において白線部分43A、43Bを探索し、白線部分43A、43Bのそれぞれの中心44A、44Bを結ぶ直線を算出して白線24A〜24Dの位置を認識する。これにより、白線24A〜24Dの位置を認識するために周辺画像40a全体を探索する必要がなく、白線24A〜24Dの位置を簡単に探索することができるので、画像処理装置2の処理の負担を軽くすることができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
駐車誘導装置100は、車両10の周辺画像40aを撮像する撮像部(カメラ1)と、撮像部(カメラ1)によって撮像された周辺画像40aから駐車枠22の少なくとも一部の白線24を認識する認識部(画像処理装置2)と、認識部(画像処理装置2)によって認識された白線24に基づいて車両10を誘導するための駐車指令を生成する制御部(駐車誘導コントローラ3)と、を備え、認識部(駐車誘導コントローラ3)は、周辺画像40aにおいて白線24と交差するとともに間隔をあけて少なくとも二つの白線検出領域42を設定し、白線検出領域42内において白線部分43を探索し、白線検出領域42内の白線部分43のそれぞれを結ぶ直線fに基づいて駐車枠22を構成する白線24を認識することを特徴とする。
この構成では、間隔をあけて設定された少なくとも二つの白線検出領域42内から白線24を探索し、検出された白線検出領域42内の白線部分43のそれぞれを結ぶ直線fを算出して白線の位置を認識する。このため、白線の位置を認識するために周辺画像全体を探索する必要がない。
駐車誘導装置100は、白線検出領域42は、車両10の側面に対して略直交する方向に設定されることを特徴とする。
この構成では、白線検出領域42は、車両10の側面に対して略直交する方向に設定されるので、車両10の側面に対向する白線24B、24Cを認識することができる。これにより、車両10と車両10の側面に対向する白線24B、24Cとの位置関係を認識できるので、車両10を車両10の幅方向に対して駐車枠22内に正確に収めることができる。
駐車誘導装置100は、車両10の側面に対して略直交する方向に設定された白線検出領域42の一つは、車両10が駐車枠22に向かって進行する方向において車両10よりも前方に設定されることを特徴とする。
この構成では、白線検出領域42の一つが、車両10が駐車枠22に向かって進行する方向において車両10よりも前方に設定される。これにより、駐車枠22の白線24B、24Cの端部に到達する前に白線24B、24Cの端部を認識できるので、車両10を駐車枠22内において停止することができる。
駐車誘導装置100は、白線検出領域42は、車両10の前面又は後面に対して略直交する方向に設定されることを特徴とする。
この構成では、白線検出領域42は、車両10の前面又は後面に対して略直交する方向に設定されるので、車両10の前面又は後面に対向する駐車枠22の白線24A、24Dを認識することができる。これにより、車両10を車両10の進行方向に対して駐車枠22内に正確に収めることができる。
なお、本実施形態では、走行ライン21に基づいて走行しながら、空いている駐車枠22を探す構成としていたが、駐車場20の入口で空き駐車枠22の情報を取得し、その情報に基づいて、駐車枠22まで車両10を誘導するように構成してもよい。
また、図5における位置A付近まで、ドライバが車両10を運転し、その後、駐車誘導装置100によって自動駐車させてもよい。