JP6466199B2 - 塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する球状造粒物及びその製造方法 - Google Patents

塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する球状造粒物及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物を含む造粒物及びその製造方法に関するものである。
塩素化イソシアヌル酸化合物は、水溶性で化学的に安定な固体の化合物であって、水と接触させると加水分解して、強い酸化能を有し、且つ安定性に優れた活性塩素を放出する。
このような塩素化イソシアヌル酸化合物は、例えば、台所、浴室、洗面所、トイレ等の排水管や貯水部の洗浄、あるいは衣類等の洗濯に使用される固形洗浄剤の漂白剤、殺菌剤、消臭剤成分として、用途に応じて粉末で使用されたり、顆粒や錠剤に成形されて使用されている。
また、塩素化イソシアヌル酸化合物の成形品は、打錠やチルソネーティング、ローラコンパクティングなどに代表される加圧成形により加工されるのが一般的である。
例えば、特許文献1には、粉末又は顆粒の塩素化イソシアヌル酸配合物の製造方法が開示されている。この製造方法では、塩素化イソシアヌル酸化合物を、滑沢性の優れた成形助剤としてα-オレフィンスルホネートを使用して連続造粒又は打錠することで、優れた滑沢及び離型効果が付与される。しかし、得られた塩素化イソシアヌル酸配合物は、形状が制御されておらず不定形であり流動性が低いため、取り扱い性の観点において大いに改善の余地があった。
特許文献2及び3には、塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する円柱状(形)の成形物が記載されている。特許文献2に記載の円柱状の塩素化イソシアヌル酸成形物は、成形物を水中に浸漬した場合等に膨張や崩壊を防ぎ、長期にわたり均一に溶解することができ、また、特許文献3に記載の円柱形の錠剤は、水に接触した際の溶解性能を調節することができる。しかし、円柱状(形)であるため、円柱の側面部の曲線に沿って転がることができるものの、円柱の底面部が平面であり、底面部と側面部の境界に存在する角部が存在するため、これらが転がりを阻害し十分な転がり性(流動性)を得ることができない。
さらに、これら成形物や錠剤の底面の直径は通常数10mm以上で高さは通常10数mm以上になるため、原料として使用するには大きすぎ、直接洗浄や漂白に使用する場合においても開口部の小さい排水口などに直接入れることができず、使用し難いという欠点を有していた。また、これら成形物や錠剤の大きさを小さくすると、単位質量当たりの製造コストが高くなるという欠点も有していた。
特許文献4には、湿潤状態の固形塩素剤のケーキを押出造粒により直径0.2〜5mmの円柱状に造粒し、これを転動造粒機等により直径0.2〜5mmの球形状に造粒することが記載されている。しかし、この造粒方法では、湿潤状の円柱状粒から球形整粒機を用いて球状粒を得るため、仕込んだ円柱状粒に比べて得られる球状粒の量が確実に減少することになり歩留まりが極めて低い。また、得られる球状粒も実際は真球には遠く、転がり性及び流動性の観点から、さらなる改善の余地があった。
特開昭60−019774号公報 特開平5−43407号公報 特開2008−189560号公報 特開昭63−283736号公報
より良好な転がり性を有することにより流動性に優れる球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物、及び該球状造粒物を効率よく製造する方法を提供する。
本発明者らは、上記の問題に鑑み鋭意検討をした結果、新たな造粒方法を用いて塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する造粒物の形状をより真球に近づけることができ、これにより優れた転がり性を付与できることを見いだした。更に検討を加えることにより本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、以下の塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する球状造粒物及びその製法を提供する。
項1 投影図の真円率が0%以上から18%以下である球状化された(又は、球状の)塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
項2 塩素化イソシアヌル酸化合物が、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上である項1記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
項3 さらに、有機物、無機物及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の添加剤を含有する項1又は2記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
項4 当該造粒物に含まれる塩素化イソシアヌル酸化合物の含有量が50質量%以上である項1〜3のいずれかに記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
項5 当該造粒物に含まれる塩素化イソシアヌル酸化合物が一体化してなる項1〜4のいずれかに記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
項6 塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を流動状態に維持して、液体を当該不定形粒子に接触させて表面を濡らす工程と、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)を当該不定形粒子に接触させることにより造粒する工程とを含む、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
項7 液体が、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上である項6記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
項8 液体が、有機物、無機物及びこれらの混合物の群から選択される1以上を、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上と混合した液体である項6記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
本発明の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物によれば、投影図の真円率が所定の範囲になるように形状が制御されているため、転がり性を有することで流動性が改善し、取扱い性に優れる。また、本発明の造粒物は、耐ケーキング性に優れるとともに、金属等に対する付着性が低いという特徴を有している。
塩素化イソシアヌル酸化合物が、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物及びジクロロイソシアヌル酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上のいずれかであることにより、漂白剤や殺菌剤としての効果に優れるとともに安全に使用でき、経済上許容可能なコストとなる。
さらに、有機物、無機物及びこれらの群から選択される1以上の添加剤を含むことにより、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の硬さや溶解性を所望の範囲に調節することができるとともに、発泡、芳香、着色等の機能をさらに付与し使用時の使用感を改善することができる。
本発明の製造方法によれば、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子に、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)を用いて造粒することにより、効率的に球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を製造することができる。
本発明の製造方法に用いられる液体として水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上を使用することにより、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の表面を効率的に濡らすことにより加工を促進し、濡れた表面において塩素化イソシアヌル酸化合物が溶解と析出を繰り返すことにより、中心核となる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子と塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の結合を促しつつ形状を制御して、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を低コストで製造できる。
このようにして製造された球状造粒物は、球状を有するため流動性が改善され、しかも加圧成形しなくとも崩壊しにくい(形状保持性に優れる)という特長を有している。
造粒工程において、液体として有機物、無機物及びこれらの混合物の群から選択される1以上を、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上と混合した液体を用いることにより、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造時に、中心核となる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子と塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の結合をさらに促し、加えて、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の硬さや溶解性を所望の範囲に調節することができるとともに、発泡、芳香、着色等の使用時の使用感を改善することを同時に行なうことができる。
実施例1記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図である。 実施例2記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図である。 実施例3記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図である。 比較例1記載の形状を制御しない不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物は球状であり、その投影図の真円率が0%以上から18%以下であることを特徴とする。
本発明の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製法は、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)を用いて造粒することを特徴とする。具体的には、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を流動状態に維持して、液体を当該不定形である塩素化イソシアヌル酸化合物に接触させて表面を濡らす工程と、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)をその不定形粒子に接触させることにより造粒する工程と、を含むことを特徴とする。この製法で得られる球状造粒物では、中心核の塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子と、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)は区別なく一体化している。そのため、球状の造粒物が形状保持性に優れるという特長を有している。
本発明に用いられる塩素化イソシアヌル酸化合物としては、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム及びこれらの混合物が挙げられる。入手容易性及び安全性の観点から、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物及びこれらの混合物が好ましく、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物及びこれらの混合物がより好ましい。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物には、有機物、無機物及びこれらの混合物の群から選択される1以上を添加剤としてさらに含有することができる。
有機物としては、有機酸、多糖類、界面活性剤、色素、香料などが挙げられる。
有機酸としては、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、乳酸、安息香酸などが挙げられる。
多糖類としては、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸のアルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、その他のセルロース誘導体などが挙げられる。
界面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤および両性界面活性剤が挙げられ、酸化剤に対する安定性が優れている点において、陰イオン系界面活性剤または非イオン系界面活性剤が好ましい。
陰イオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、α―スルホ脂肪酸塩等が挙げられ、非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
色素としては、スカーレットGコンク、パーマネントレッドGY、セイカファーストカーミン3870、セイカファーストエロー2200、セイカファーストエロー2700(B)(以上、大日精化工業(株)製)、Acid Blue 9、Direct Yellow 12(以上、東京化成工業(株)製)、フタロシアニンブルー、リボフラビン(以上、和光純薬工業(株)製)、「ウルトラマリンブルー」(林純薬工業(株)製)などが挙げられる。
香料としては、従来知られた香料を使用することができる。
無機物としては、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩などの塩が挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、セスキ炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウムなどが挙げられ、硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどが挙げられ、リン酸塩としては、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウム、トリポリリン酸ナトリウムなどが挙げられ、酢酸塩としては酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の大きさは、特に限定されないが、平均粒子径が1μm〜5000μmの範囲であることが好ましく、10μm〜3000μmがより好ましく、100μm〜3000μmがさらに好ましい。当該造粒物を洗浄剤などへの配合原料として使用する場合、平均粒子径が5000μm以下の場合は、粒子として大きすぎず取り扱い性が良く、3000μm以下ではさらに取り扱い性が良い。また、平均粒子径が5000μm以下の場合は、直接洗浄や漂白に使用する場合においても開口部の小さい排水口などに直接入れることができるため使用し易く、3000μm以下ではさらに使用し易い。一方、平均粒子径が1μm以上であれば、取り扱い時に僅かな風や静電気で飛散することが少ないため使用し易く、10μm以上ではより使用し易く、100μm以上ではさらに使用し易い。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法において用いる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子には、様々な形状のものを使用することができる。本発明において不定形であるとは、球状、円柱状、円錐状、その他の多面体、針状等のいずれの形状でも良く、これらの混合物でも良い。また、チルソネーター等による押出し成型品、押出し成形品の粉砕物、打錠、造粒などの加工を事前に施した塩素化イソシアヌル酸化合物を使用しても良い。これらの不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物としては、入手容易性及び取扱い性の観点から、チルソネーターによる押出し成型品の粉砕物を用いることが好ましい。
また、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の大きさは加工時(造粒時)の取扱い性の観点から、平均粒子径が1μm〜3000μmの範囲であることが好ましく、10μm〜2000μmがより好ましく、10μm〜1000μmがさらに好ましい。平均粒子径が3000μm以下の場合は、不定形粒子の製造時の取り扱いが容易で加工がし易く、2000μm以下ではより加工し易く、1000μm以下ではさらに加工し易い。一方、平均粒子径が1μm以上であれば、取扱い時に僅かな風や静電気で飛散することが少ないため加工がし易く、10μm以上であればより加工し易い。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法において使用する塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)は、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を中心核としてその周囲に付着できる程度の大きさであればよい。例えば、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の平均粒子径は、中心核となる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の平均粒子径より小さければ特に限定はなく、例えば、該微粉と不定形粒子の平均粒子径の比が、3/5以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。両者の平均粒子径の比が3/5以下であると、加工による表面の凹凸が小さくなめらかな球状になりやすく、1/3以下であるとよりなめらかな球状になりやすい。
塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の平均粒子径の下限は特に限定されないが、0.1μmより大きいことが好ましく、1μmより大きいことがより好ましい。0.1μmより大きければ僅かな風や静電気で飛散の恐れがあるものの取り扱いが過度に難しくならず、1μm以上であれば、取扱い時に僅かな風や静電気で飛散することが少なく、加工しやすい。
平均粒子径の測定は次のようにして行うことができる。目開き75μm、106μm、150μm、250μm、425μm、600μm、710μm、850μm、1000μm、1180μm、1400μm、1700μm、2000μmの13段のふるいと受け皿を用いて、受け皿の上に目開きの大きいふるいが上段になるように積み重ねる。最上部の目開き2000μmのふるいの上から試料を入れ、重ねたふるいを片手で支え、一分間に約120回の割合でふるい枠をたたく。時折、ふるいを水平に置き、ふるい枠を数回強くたたく。この操作を繰り返し、ふるい分けを十分に行なう。試料が凝集している場合や、ふるいの内側や裏面に微粉が付着している場合には、ブラシで静かに試料をほぐし、ふるい分け操作を再度行ない、ふるい網を通過したものはふるい下とする。なお、ふるい下とは、ふるい分け終了までに、ふるい網を通過した試験試料のことをいう。試料に粒径2000μmを超える粒子が含まれる場合は、目開き2360μm、2800μm、3350μm、4000μm、4750μm、5600μm、又はそれ以上の目開きのふるいを追加しても良く、粒径75μm以下の粒子が多い場合には、目開き63μm、53μm、45μm、38μm、又はそれ以下の目開きのふるいを追加しても良い。
それぞれのふるい及び受け皿上に残留した粒子の質量を測定し、各ふるい上の粒子の質量割合(%)を算出する。受け皿から順に目開きの小さなふるい上の粒子の質量割合を積算していく。積算した質量割合が50%以上となる最初のふるいの目開きをaμmとし、aμmよりも一段大きいふるいの目開きをbμmとし、受け皿からaμmのふるいまでの積算した質量割合をc%、またaμmのふるい上の質量割合をd%とした場合、平均粒子径は次の式から求められる。
Figure 0006466199
本発明において、平均粒子径が小さいとは、前記の方法で測定される平均粒子径が小さいことを意味するが、常に平均粒子径を測定することを要しない。即ち、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)が、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の平均粒子径以下の目開きのふるいを全量通過すれば、当然に塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の平均粒子径より小さいと考えることができる。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法において用いる液体は、特に限定されないが、入手し易さ及び取り扱い易さの観点から、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエンなどの有機溶媒、水及びこれらの混合物が好ましい。特に、水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物は、塩素化イソシアヌル酸化合物を適度に溶解し、濡れた表面において塩素化イソシアヌル酸化合物の溶解と析出が繰り返されることにより、中心核となる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子と塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の結合が促進されるため、より好ましい。
前記液体として、有機物、無機物及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の溶質を、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上の溶媒と混合した液体を使用することができる。この時の液体の性状は、溶質が完全に溶媒に溶解した溶液状態でもよく、完全に溶解していないスラリーや、溶質が膨潤して分散している液体を用いても良い。
有機物、無機物及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上を、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上と混合した液体としては、特に限定されない。例えば、多糖類の水溶液、塩の水溶液、多糖類のメタノール溶液、多糖類のエタノール溶液が好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液、硫酸ナトリウムの水溶液、ヒドロキシプロピルセルロースのメタノール溶液及びヒドロキシプロピルセルロースのエタノール溶液がより好ましい。多糖類や塩が塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の濡れた表面において析出し、中心核となる塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子と塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の結合をさらに促進して、製造に要する時間を短縮して、製造コストを下げることができる。
前記液体で塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を濡らす方法については、特に限定されない。例えば、スプレーノズルなどから排出して飛沫化された液体を作用させても良いし、液体を直接滴下しても良い。均一に液体を作用させるという観点から、スプレーノズルから排出した飛沫化された液体を作用させることが好ましい。
液体が塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の表面に付着し、表面が濡れることにより、不定形粒子と塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉(微粒子)の結合を促進し、当該微粉が結合する際に粒子の形状が整えられて球状化する。
本発明において用いることができるスプレーノズルは特に限定されないが、二流体ノズルが好ましく、例えば、AMノズル、BNノズル、CNPノズル(以上、(株)アトマックス製)などを採用することができる。
このようにして得られた塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する球状造粒物は、必要に応じ乾燥工程等を経て、最終製品とすることができる。
本発明の球状化された造粒物は、塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する。ここで、「塩素化イソシアヌル酸化合物を含有する」とは、当該球状化された造粒物が塩素化イソシアヌル酸化合物のみからなる場合と、塩素化イソシアヌル酸化合物及び他の成分(添加剤、水等)からなる場合のいずれをも意味する。当該球状化された造粒物中の塩素化イソシアヌル酸化合物の含有量は、通常、50質量%以上であり、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは99質量%以上である。
塩素化イソシアヌル酸化合物として、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物を原料に用いた場合、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物は、その製造時に用いた水が乾燥工程を経ても完全に除去されない場合、大気中の水分が塩素化イソシアヌル酸化合物に吸収された場合などに、微量の水分を含むことがある。
塩素化イソシアヌル酸化合物に含まれる水分含有量(質量%)は、110℃に設定した恒温乾燥器内で恒量になるまで乾燥させた際の質量減少量で定義され、次式で表される。
Figure 0006466199
本発明で製造される球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の水分含有量は特に限定されないが、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。水分含有量が少ないと造粒物の質量当りの有効塩素含有量を高くできると共に、水分に起因する塩素の分解を抑制し、不快な塩素臭を抑えることができる。
塩素化イソシアヌル酸化合物の有効塩素含有量(Cl換算値)は、よう素滴定法を用いて算出することができる。すなわち、活性塩素とよう化カリウムとが反応して遊離するよう素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、次式により有効塩素含有量を算出する。
Figure 0006466199
例えばトリクロロイソシアヌル酸の理論上の有効塩素含有量は91.53%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムでは64.48%であり、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物では55.40%である。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物には、前述の添加剤を含んでいてもよい。該造粒物中の添加剤の含有量は特に制限はなく、50質量%未満が好ましく、30質量%未満がさらに好ましく、1質量%未満がより好ましい。添加剤の含有量が一定量以下であれば塩素化イソシアヌル酸化合物の純度が高くなり、有効塩素含有量を比較的高く維持することができる。
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物に含まれる添加剤の含有量は、次式により該造粒物の有効塩素含有量から算出することができる。
Figure 0006466199
本発明の製造方法(造粒工程)に使用される加工装置は特に限定されず、市販の攪拌翼がついた混合機、転動造粒機、流動層造粒機およびこれらを組合せた装置の群から選択される1以上の加工装置を使用することができる。好ましくは転動造粒機、流動層造粒機及びこれらを組み合わせた装置の群から選択される1以上の加工装置である。
加工装置の具体例としては、転動造粒機DPZ−01(アズワン(株)製)、ニューグラマシン((株)セイシン企業製)、スワラー(日本ニューマチック工業(株)製)、レーディゲミキサー((株)マツボー製)、グラニュレックス(フロイント産業(株)製)、スパイラフロー(フロイント産業(株)製)、CFグラニュレーター(フロイント産業(株)製)、ハイスピードミキサー((株)アーステクニカ製)、ハイスピードバキュームドライヤー((株)アーステクニカ製)、ダイナミックドライヤー((株)アーステクニカ製)、マルチプレックス(パウレック(株)製)、バーチカルグラニュレータ(パウレック(株)製)、アグロマスタ(ホソカワミクロン(株)製)、NARA MIXER & GRANULATOR((株)奈良機械製作所製)などが挙げられる。
好ましくは、転動造粒機DPZ−01(アズワン(株)製)、ニューグラマシン((株)セイシン企業製)、グラニュレックス(フロイント産業(株)製)、スパイラフロー(フロイント産業(株)製)、CFグラニュレーター(フロイント産業(株)製)、ハイスピードミキサー((株)アーステクニカ製)、ハイスピードバキュームドライヤー((株)アーステクニカ製)、ダイナミックドライヤー((株)アーステクニカ製)、マルチプレックス(パウレック(株)製)、バーチカルグラニュレータ(パウレック(株)製)が挙げられる。
本発明の製造方法において、原料である塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子の流動状態は、当該不定形粒子が破壊されない強度に設定されることが好ましい。
流動状態が、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子が破壊されない強度であるか否かの判別は、当該不定形粒子を前記の加工装置またはその他の方法で流動状態にして、球状造粒物の製造に要する時間に渡って流動させた場合に、当該不定形粒子の平均粒子径の推移を測定することにより判別できる。即ち、原料となる当該不定形粒子のみを所定の時間流動状態で処理した後の平均粒子径が、流動させる前のその平均粒子径より小さくなっている場合は、流動状態の強度が強すぎるために当該不定形粒子が破壊されていることが示唆される。
流動状態の強度が強すぎる場合は、塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子同士が結合する一方で粒子が破壊されるので球状造粒物の製造に時間を要することになる。その場合は流動状態の強度を下げることが好ましい。流動状態の強度は、攪拌機や混合機の回転数や流動層装置の流動エアーの流量を低下することにより下げることができる。従って、当該不定形粒子のみを所定の時間流動状態で処理した後の平均粒子径が、処理前の平均粒子径より小さくなり過ぎる場合は流動状態の強度が強すぎるので、回転数やエアー流量を低下して流動強度を下げることが好ましい。上記流動状態の強度は、当業者が適宜条件設定できる。
本明細書における真円度とは、測定顕微鏡で観察した試料の投影図について、試料の投影図を二つの同心の幾何学的円で挟んだとき、同心二円の半径の最大値(Rmax)と最小値(Rmax)の間隔が最小となる場合(最小二乗中心)の、二円の半径の差で表し、mmと表示する。本発明における真円率は、試料の投影図から測定される真円度を、同じく試料の投影図から測定される試料の直径で除することにより求められ、次式で表される。試料の投影図から測定される直径は、最小二乗中心により求められた円の中心に対するすべての測定点の半径の平均値を2倍にすることにより求めることができる。真円率が0となる場合には試料の投影図が完全な真円であることを意味する。
Figure 0006466199
球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の真円率は、0%以上から18%以下であり、好ましくは0%以上から15%以下であり、より好ましくは0%以上から10%以下である。投影図の真円率が小さいほど粒子は球に近づくので、流動性と転がり性に優れる。
本発明において球状化されたとは、投影図を試料のいずれの方向から作成した場合であっても真円率が所定の範囲内であることを意味する。
例えば、前記特許文献3に記載されているトリクロロイソシアヌル酸とジクロロイソシアヌル酸ナトリム2水和物からなる底面の直径が20mmで厚さが12mmの円柱形の錠剤において、円柱形の底面に向かう方向から光を当てて作成した投影図は底面の形状と一致するため円となるが、側面部に向かう方向から光をあてて作成した投影図は長辺が20mmで短辺が12mmの長方形となる。この長方形の投影図について、真円率を求めると、半径の最大値(Rmax)は長方形の対角線の1/2に相当するので計算により11.66mmと求められ、半径の最小値(Rmin)は長方形の短辺の1/2に相当するので計算により6mmと求められる。この場合の試料の投影図から測定される直径は、最小二乗中心により求められた円の中心に対する測定点の半径がRmaxとRminの2点のみとするとその平均値は8.83mmとなり、これを2倍にすると17.66mmとなる。この場合の真円率は32.0%となる。したがって、直径が20mmで厚さが12mmの円柱形の錠剤は、側面部に向かう方向から光をあてて作成した投影図の真円率が18%を超えているので、球状化されたということはできない。
真円度の測定に使用することができる測定顕微鏡としては、例えば、JIS B 7153に規定されている測定顕微鏡が挙げられる。例えば、測定顕微鏡MM−800、測定顕微鏡MM−400(以上、(株)ニコン製)、測定顕微鏡MF−A2010C、測定顕微鏡MF−G2017D(以上、(株)ミツトヨ製)などが挙げられる。
これらの測定顕微鏡で測定した試料投影図について、真円度を計測するために市販の画像解析システムを使用することができる。これらの画像解析システムとしては、例えば、顕微鏡用デジタルカメラシステムImageX PRO 3000((株)ミツトヨ製)などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に、実験に用いられた主な薬剤を説明する。
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物:四国化成工業(株)製「ネオクロール55G」、平均粒子径710μm
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム:四国化成工業(株)製「ネオクロール60G」、平均粒子径946μm
・ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム:四国化成工業(株)製「ネオクロール60MG」、平均粒子径377μm
・メタノール:和光純薬工業(株)製「試薬特級」
・ヒドロキシプロピルセルロース:和光純薬工業(株)製「試薬特級」
・硫酸ナトリウム:和光純薬工業(株)製「試薬特級」
・微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物:四国化成工業(株)製「ネオクロール55G」を、シングルトラックジェットミル((株)セイシン企業製)に1kg/hrの速度で供給し、空気圧0.2MPaで5分間粉砕した後、目開き75μmのふるいを通過したものを使用した。
<実施例1>
塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子として、ネオクロール55Gを用いた。500gのネオクロール55Gをグラニュレックス(フロイント産業(株)製)に投入し、流動エアー温度を23℃に、流動エアー流量を200L/分に設定し、ローター回転数を300rpmに調節した。流動状態のネオクロール55Gに蒸留水を9g/分の速度でスプレーし、表面を濡らしながら、微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物500gをスパチュラで約40分かけて添加した。蒸留水360gをスプレーし終えたところで作業を完了し、1236gの球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を得た。この段階で加工が不十分な粒子を除外することが出来る。この球状化された造粒物を110℃の恒温乾燥器内で3時間乾燥した。球状化された造粒物の平均粒子径は877μmであった。
(1)有効塩素含有量
乾燥後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物 約0.2gの質量を正確に測定して200mlコニカルビーカーに入れ、蒸留水を加えて約100mlとし、よう化カリウム約1gと50%酢酸水溶液を約5ml加えて約5分攪拌する。遊離したよう素を0.1Nのチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、溶液の黄色が薄くなってから指示薬としてでんぷん水溶液(10g/L)を約1ml加え、生じたよう素でんぷんの青い色が消えるまで滴定を継続し、チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴定量から有効塩素含有量(%)を求めた。乾燥後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の有効塩素含有量は64.18%であった。乾燥により、原料に用いたネオクロール55G(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物)の水和水が除去され、ほぼジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの理論値通りの有効塩素含有量を有していることが確認された。
(2)真円率
乾燥後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図は、測定顕微鏡MF−A2010C((株)ミツトヨ製)を用いて測定した。測定時の倍率は約60倍に設定し、光源は透過照明(測定物を載せるガラスステージの下から光を当てる照明)のみを用いて、任意の方向から光を当てて投影図を得た。実施例1で作成した球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図は図1の通りであった。また、投影図から測定顕微鏡で測定した直径と真円率は表1の通りであった。
(3)流動性と転がり性の評価
実施例1で作成した球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の流動性と転がり性を評価するために、安息角と転がる角度を測定した。結果は表2の通りであった。
[安息角]
安息角は、多機能型粉体物性測定器マルチテスターMT-1001型((株)セイシン企業製)を用いて測定した。排出角法により上部ロートから試料を落下させ、安息角測定用テーブルの上に堆積した試料の山の裾野と頂点を結ぶ直線の角度を安息角とした。粉体の流動性が良いと安息角は小さくなることが知られている。試料が転がり、安息角測定用テーブルに試料が堆積しない場合は、安息角が0度であるとした。安息角が30度未満の場合に流動性を「○」と判定し、30度以上の場合に流動性を「×」と判定した。
[転がる角度]
ホーローバット(長辺340mm×短辺245mm×深さ45mm)の一方の短辺側に0.1gの試料を置いて、試料を置いた側の短辺側のみを静かに持ち上げてホーローバットを傾ける。試料全量が反対側の短辺側に落ちた時に持ち上げるのを止め、その時にホーローバットの底面と水平面の成す角度を転がる角度とした。試料が転がらずに滑り落ちた場合も転がる角度は同様に評価した。転がる角度が小さいほど転がり性が良いことを意味する。転がる角度が30度未満の場合に転がり性を「○」と判定し、30度以上の場合に転がり性を「×」と判定した。
<実施例2>
塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子として、ネオクロール55Gを用いた。500gのネオクロール55Gをグラニュレックスに投入し、流動エアー温度を23℃に、流動エアー流量を200L/分に設定し、ローター回転数を300rpmに調節した。流動状態のネオクロール55Gに10質量%の濃度のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を4.5g/分の速度でスプレーし、表面を濡らしながら、微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物500gをスパチュラで約30分かけて添加した。10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液244.8gをスプレーし終えたところで作業を中断し、1173gの仕掛り品を得て1回目の作業を終了した。
この仕掛り品から、凝集物と未結合の微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物を除くため、粒径が710μm以下の粒子と1400μm以上の粒子をふるいで除去した後の981gの仕掛品から500gを取り出し、再びグラニュレックスに投入し、2回目の作業を行なった。2回目の作業では微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物500gを約15分かけて添加し、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液144.7gをスプレーし終えたところで作業を中断し、1108gの仕掛り品を得て2回目の作業を終了した。
この仕掛り品から、粒径を整えるために1000μm以下の粒子と1400μm以上の粒子をふるいで除去した後の815gの仕掛り品を再びグラニュレックスに投入し、3回目の作業を行なった。3回目の作業では微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物800gを約20分かけて添加し、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液173.0gをスプレーし終えたところで作業を完了し、1122gの球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を得た。この球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を110℃の恒温乾燥器内で乾燥したところ、恒量になるまでに3時間を要した。3時間後の質量減少量から、加工直後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物は、原料に用いたネオクロール55Gの水和水を含めて、約14%の水分を含んでいたと考えられた。乾燥工程により球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の水分はほぼ完全に除去された。球状化された造粒物の平均粒子径は1540μmであった。
有効塩素含有量、真円率、安息角及び転がる角度は、実施例1の場合と同様の方法で測定した。乾燥後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の有効塩素含有量は57.1%であり、添加剤としてヒドロキシプロピルセルロースを11.4%含んでいると考えられた。実施例2で作成した球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図は図2の通りであった。また、投影図から測定顕微鏡で測定した直径と真円率は表1の通りであった。安息角と転がる角度は表2の通りであった。
<実施例3>
塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子として、ネオクロール55Gを用いた。500gのネオクロール55Gをグラニュレックスに投入し、流動エアー温度を23℃に、流動エアー流量を200L/分に設定し、ローター回転数を300rpmに調節した。流動状態のネオクロール55Gに20質量%の濃度の硫酸ナトリウム水溶液を10g/分の速度でスプレーし、表面を濡らしながら、微粉のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2水和物500gをスパチュラで約47分かけて添加した。20%硫酸ナトリウム水溶液483gをスプレーし終えたところで作業を完了し、1354gの球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を得た。この球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物を110℃の恒温乾燥器内で3時間乾燥したところ、恒量になるまでに3時間を要した。3時間後の質量減少量から、造粒直後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物は、原料に用いたネオクロール55Gの水和水を含めて、約22%の水分を含んでいたと考えられた。球状化された造粒物の平均粒子径は1024μmであった。
有効塩素含有量、真円率、安息角及び転がる角度は、実施例1の場合と同様の方法で測定した。乾燥後の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の有効塩素含有量は58.0%であり、添加剤として硫酸ナトリウムを9.9%含んでいると考えられた。また、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の投影図は図3の通りであった。また、投影図から測定顕微鏡で測定した粒径と真円率は表1の通りであった。安息角と転がる角度は表2の通りであった。
<比較例1>
不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物としてネオクロール60Gを用い、このネオクロール60Gについて、有効塩素含有量、真円率、安息角及び転がる角度を実施例1の場合と同様の方法で測定した。ネオクロール60Gの投影図は図4の通りであった。また、投影図から測定顕微鏡で測定した直径と真円率は表1の通りであった。安息角と転がる角度は表2の通りであった。ネオクロール60G、ネオクロール55G及びネオクロール60MGはいずれもチルソネーターで加圧成形されたのち、整粒機で粉砕されるので、いずれも類似した不定形の形状となる。
<比較例2>
不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物としてネオクロール55Gを用い、このネオクロール55Gについて、安息角と転がる角度を測定した。安息角と転がる角度は表2の通りであった。
<比較例3>
不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物としてネオクロール60MGを用い、このネオクロール60MGについて、安息角と転がる角度を測定した。安息角と転がる角度は表2の通りであった。
<比較例4>
不定形の塩素化イソシアヌル酸化合物としてネオクロール60Gを用い、それをシングルトラックジェットミル((株)セイシン企業製)に1kg/hrの速度で供給し、空気圧0.2MPaで5分間粉砕して、微粉の塩素化イソシアヌル酸化合物を得た。この微粉の塩素化イソシアヌル酸化合物について、安息角と転がる角度を測定した。安息角と転がる角度は表2の通りであった。
Figure 0006466199
Figure 0006466199
<実施例4>(耐ケーキング性の評価)
実施例1〜3で得られた球状化造粒物(3種類)、ネオクロール55Gおよびネオクロール60Gを、それぞれ直径2cm高さ4.5cmの円筒型のガラス瓶に入れ、開口状態で40℃/75%RHの恒温恒湿器中に放置した。経時的にガラス瓶を取り出し、各サンプルのケーキングの様子を下記のように評価した。これらの評価結果は表3の通りであった。
○:ケーキング無し・・・ガラス瓶を90度傾けた時にサンプルが試験開始前と同様に動く。
△:ケーキング傾向・・・ガラス瓶を90度傾けた時に粉が動くが部分的に凝集が発生している。
×:ケーキング発生・・・ガラス瓶を90度傾けた時にサンプルが動かない。
Figure 0006466199
表3より、実施例1〜3で得られた球状化造粒物は、76時間後まで全くケーキングが発生しなかった。これに対し、ネオクロール55Gは開始から1.5時間後でケーキングが発生し、ネオクロール60Gは開始から6.5時間後にケーキング傾向が認められた。
<実施例5>(耐付着性の評価)
耐付着性の評価は次のようにして行った。
(1)SUS304の試験片(厚さ1mm、縦50mm×横50mm)(日本テストパネル製)を冷凍庫内(−5℃)に3時間放置した後に40℃/75%RHの恒温恒湿器中に5分間放置し、SUS304の表面に人工的に結露を生じさせ、質量を精密天びんAUX220((株)島津製作所製)で測定した。
(2)ガラスシャーレ(直径9.5cm、深さ1cm)に実施例2で得られた球状化造粒物、又はネオクロール60Gをそれぞれ15g入れ、平らにならした。実施例2で得られた球状化造粒物とネオクロール60Gの平均粒子径の差を小さくするために、ここで用いたネオクロール60Gは目開き1000μmのふるいを通過した粒子を除外した。目開き1000μmのふるいを通過した粒子を除外した後のネオクロール60Gの平均粒子径は、1121μmであった。
(3)上記(1)で調整した試験片を結露発生後すぐに上記(2)のガラスシャーレに入れ、50mm×50mmの面をサンプルに接触させ、サンプルが付着した試験片の質量を測定した。
(4)上記(3)で測定した質量から、上記(1)で測定した質量を差し引き、試験片に付着したサンプル量を求めた。同様の試験を3回行った。これらの評価結果は表4の通りであった。
Figure 0006466199
表4より、1回目と2回目の実施例2のサンプルの付着量は、ネオクロール60Gの半分程度であった。3回目の実施例2のサンプルの付着量は、ネオクロール60Gの1/20程度であった。人工的に生じさせた結露の状態などに起因する誤差の影響で、試験回数毎の付着量が異なるものの、いずれの試験でも実施例2の球状化造粒物はネオクロール60Gと比べて付着量が減少した。
実施例4及び5の結果より、耐ケーキング性が向上し及び付着性が低下する理由は、造粒物が球状になることにより、接触点の面積が最小になるためと考えられる。球状が真球に近いほどこれらの効果が顕著になると考えられ、真円率が低い(真球に近い)塩素化イソシアヌル酸に特有の効果と考えられる。
本発明により提供される球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物は、転がり性を有することにより流動性が改善される。これより、台所、浴室、洗面所、トイレ等の排水管や貯水部の洗浄、あるいは衣類等の洗濯に使用される固形洗浄剤の漂白剤、殺菌剤、消臭剤などの分野で好適に用いられる。
Figure 0006466199

Claims (8)

  1. 投影図の真円率が0%以上から18%以下である球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物であって、当該造粒物に含まれる塩素化イソシアヌル酸化合物の含有量が50質量%以上である、造粒物。
  2. 塩素化イソシアヌル酸化合物が、トリクロロイソシアヌル酸、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの水和物、ジクロロイソシアヌル酸カリウム及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上である請求項1記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
  3. さらに、有機物、無機物及びこれらの混合物からなる群から選択される1以上の添加剤を含有する請求項1又は2記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
  4. 投影図の真円率が0%以上から15%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
  5. 当該造粒物に含まれる塩素化イソシアヌル酸化合物が一体化してなる請求項1〜4のいずれかに記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物。
  6. 塩素化イソシアヌル酸化合物の不定形粒子を流動状態に維持して、液体を当該不定形粒子に接触させて表面を濡らす工程と、塩素化イソシアヌル酸化合物の微粉を当該不定形粒子に接触させることにより造粒する工程とを含む、球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
  7. 液体が、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上である請求項6記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
  8. 液体が、有機物、無機物及びこれらの混合物の群から選択される1以上を、水、有機溶媒及びこれらの混合物の群から選択される1以上と混合した液体である請求項6記載の球状化された塩素化イソシアヌル酸化合物含有造粒物の製造方法。
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