JP6464970B2 - オキサジリジン化合物の製造方法 - Google Patents

オキサジリジン化合物の製造方法 Download PDF

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Description

本発明は、オキサジリジン化合物の製造方法に関し、より詳しくは、次亜塩素酸ソーダを酸化剤として使用し、イミン類を酸化してオキサジリジン化合物を製造する新規なオキサジリジン化合物の製造方法に関するものである。
オキサジリジン化合物は、炭素、窒素、酸素からなる三員環構造を基本骨格として有しており、この三員環構造の歪みにより窒素と酸素の結合は弱く、この窒素と酸素との結合の弱さを利用して、酸化剤、アミノ化剤、エポキシ化剤、水酸基導入剤、ヒドロキシアミン基導入剤及び漂白剤などの多彩な用途として、様々な反応に用いられることが知られている。例えば、Davisらが開発したオキサジリジン(Davis' オキサジリジン)を用いて、これによりスルフィドからスルホキシドへ酸化する方法(非特許文献1参照)や、金属エノラートのα位に水酸基を導入する方法(非特許文献2参照)などが報告されている。
そして、このようなオキサジリジン化合物については、イミン類を基質として酸化剤で酸化する合成方法が考えられていたが、一般的に用いられる酸化剤(例えば、クロム酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硫酸等)では、仮にオキサジリジンが生成したとしてもこれら酸化力が比較的強い酸化剤によって生成するオキサジリジン化合物が分解されてしまうおそれがあることから、比較的温和な条件での酸化が求められており、例えば、従来からいくつかの報告がなされている。
例えば、Davisらによれば、スルホニルイミン類を基質として、これをメタクロロ過安息香酸(m-CPBA)により酸化する方法(非特許文献3参照)や、OXONE(商品名)と呼ばれる三重塩からなる過硫酸塩化合物により酸化する方法(非特許文献4参照)が知られている。
同じく、特許文献1及び2には、シクロアルカノンにアンモニアを反応させた後に、これを有機過酸化物又は無機過酸化物で酸化することにより3,3−アルキレンオキサジリジンを得る方法が開示されており、また、特許文献3には、30℃以下の温度で水溶性塩基及び水と混和性の溶剤の存在下で、N−アルキル−アリール−又は−ヘテロアリールアルジミンを芳香族過カルボン酸又はその塩を用いて酸化することにより、2−アルキル−3−アリール−又は−ヘテロアリールオキサジリジンを得る方法が開示されている。
しかしながら、これら非特許文献3〜4や特許文献1〜3によるオキサジリジンの合成又は製造方法は、いずれも過酸化物や過硫酸塩を用いたものであり、場合によっては爆発などの危険性があるため取り扱いが難しく、工業的な製法としては適していないばかりか、m-CPBAなどの過酸は一般的に高価であり、工業的な製法には適していないといった問題がある。さらには、非特許文献3や特許文献1〜3で用いられる過酸化物や過硫酸塩を使用する場合には、反応系にこれら過酸化物と副生する酸を添加することになるため、反応生成物中に不要な有機成分が残存する可能性があり、一方で、非特許文献4で使用されるOXONE(商品名)には硫黄が含まれることから、これを使用すると反応生成物中に硫黄が残存するおそれがあり、硫黄分の混入が特に避けられる分野(例えば、電子材料分野など)では使用が制限される等といった、別の問題もある。
また、非特許文献5には、ニトロン類に紫外光を照射することによりニトロン骨格を光環化して、オキサジリジン化合物を得る方法が開示されている。この方法では、反応に紫外光を用いるために反応物や生成物などが光分解してしまうことが懸念される。
このようにオキサジリジン化合物は、多用途であって有用性が高いことが知られているものの、これまで安全且つ簡便に、しかも不純物などの混入を可及的に排除しながら効率的にオキサジリジン化合物を製造する方法は見出されておらず、しかも価格も高いものであった。そのため、安全且つ簡便に、しかも効率的にオキサジリジン化合物を製造できる方法の開発が望まれていたが、そのような報告はこれまでは殆どなされていなかった。
特開2001−048868号公報 特開2001−048869号公報 特表2004−502765号公報
F. A. Davis et al., Tetrahedron, 1989, 45, 5703 F. A. Davis et al., J. Org. Chem., 1984, 49, 3241 F. A. Davis et al., J. Org. Chem., 1982, 47, 1775 F. A. Davis et al., J. Org. Chem., 1988, 53, 2087 Hoffmann-La Roche, J. Org. Chem., 1970, 35, 2243
そこで、本発明者らは、このようなオキサジリジン化合物について、安全且つ簡便であって、しかも不純物などの混入を可及的に排除しながら効率的に目的物のオキサジリジン化合物を製造できる方法について鋭意検討した結果、次亜塩素酸ソーダが安定で取り扱い易く、爆発などの危険性も無く、しかも副生物が塩化ナトリウムであって不純物となる硫黄成分や有機成分が副生されることが無い酸化剤である点に着目し、これを酸化剤として使用して、所定の条件下においてイミン類を酸化させることにより、オキサジリジン化合物を収率良く製造できることを新たに見出して、本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、酸化剤など多彩な用途として様々な反応に用いられる目的物のオキサジリジン化合物を、安全且つ簡便に、しかも不純物などの混入を可及的に排除しながら効率的に製造できる新しいオキサジリジン化合物の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)pHが11以上14以下の条件下において、下記一般式(1)
Figure 0006464970
(式中、Aは保護基としてのp-トルエンスルホニル基又はベンゼンスルホニル基、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、電子供与基としてのメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基若しくは水酸基、又は電子求引基としてのニトロ基、カルボニル基若しくはカルボキシ基を示す。)で表されるイミン類を酸化して下記一般式(2)
Figure 0006464970
〔式中、A、R及びXは、上記一般式(1)と同様である。〕で表されるオキサジリジン化合物を製造するオキサジリジン化合物の製造方法であり、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを使用することを特徴とするオキサジリジン化合物の製造方法。
(2)前記イミン類の酸化は、塩化物塩の存在下で行なわれることを特徴とする(1)に記載のオキサジリジン化合物の製造方法。
(3)前記塩化物塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(2)に記載のオキサジリジン化合物の製造方法。
本発明の製造方法によれば、酸化剤など多彩な用途として様々な反応に用いられる目的物のオキサジリジン化合物を、安全で簡便であって、しかも不純物などの混入を可及的に排除しながら効率的に製造できる。また、本発明の製造方法は、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを使用するものであるため、反応後の副生成物は主に塩化ナトリウムであって、環境保護の面でも非常に好ましい。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のオキサジリジン化合物の製造方法において、基質としてのイミン類としては、上記一般式(1)で表されるイミン類である。
ここで、式中の保護基Aは、反応系の他の化合物とは反応性を有さず、反応系に影響を与えないながらも確実にイミン骨格を安定化できるものであればいずれも使用可能であり、例えば、p-トルエンスルホニル基(Ts)、ベンゼンスルホニル基が挙げられるが、p-トルエンスルホニル基(Ts)が好ましい。
また、上記一般式(1)中のRは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を使用することができ、限定されるものではないが、オキサジリジン骨格を形成する際の立体障害による安定性への影響の観点から、好ましくは、Rがメチル基又は水素原子であり、更に好ましくは、水素原子とする。
さらに、上記一般式(1)中のXは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、電子供与基、又は電子求引基を広く使用することができる。電子供与性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、水酸基等を使用することができ、また、電子引性基としては、ニトロ基、カルボニル基、カルボキシ基等を使用することができ、これらを芳香環にいくつ有していてもよい。オキサジリジン骨格を形成する際の三員環への電子的な影響の観点から、好ましくは、Xがメチル基、クロロ基又は水素原子であり、更に好ましくは、水素原子とする。
また、本発明において、酸化剤として使用する次亜塩素酸ソーダについては、一般水溶液や5水和物(NaOCl・5H2O)として一般に市販されているものでよく、特に限定されるものではないが、通常、有効塩素濃度が12%のものを用いることが良い。
このうち、高純度の結晶で取り扱いが良く、水溶液よりも保存時の分解が少なくてより安定な次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)を用いることが好ましい。そして、次亜塩素酸ソーダ5水和物の中でも、有効塩素濃度が39質量%以上、好ましくは約42質量%であって、高純度の結晶であるのがよい。有効塩素濃度が39質量%より低くなると保存中にその水分により液状化し次亜塩素酸ソーダの分解が進む虞がある。このような次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)は、公知の方法により製造することができる。
本発明において、酸化剤として使用する次亜塩素酸ソーダは、一般水溶液ではそのまま添加するか、水酸化ナトリウム水溶液または塩酸などを用いてpHを調整してから使用し、また、次亜塩素酸ソーダ5水和物として使用する場合は、粉末状の結晶としてそのまま使用するか、或いは水に溶解して水溶液として、水酸化ナトリウム水溶液または塩酸などを用いてpHを調整してから使用することもできる。添加量については、基質である上記一般式(1)のイミン類に対して、通常1〜15当量、好ましくは3〜12当量の範囲で使用される。
本発明において、上記一般式(1)のイミン類に、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを添加して行なう反応は、pHが11以上14以下、好ましくはpHが12〜13の条件下にて行なう。pHが11未満では、生成する上記一般式(2)のオキサジリジン化合物が分解してしまい、収率が低下するためである。pHの調整方法は、反応系内の基質、反応生成物、酸化剤などとは反応性を有さないもの及び方法であればいずれも公知の方法を用いることができ、例えば、1〜15Mの水酸化ナトリウム水溶液などや、1〜37%の塩酸などを用いてpHの調整を行なう。例えば、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、又はこれらのカリウム塩若しくはマグネシウム塩類は、酸化剤である次亜塩素酸ソーダ及び反応生成物であるオキサジリジン化合物と反応するおそれがあるため、使用が避けられるが、この限りでない。
また、本発明では、反応系の温度が0〜40℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは温度が0℃〜室温(30℃程度)とする。反応系の温度が40℃以上とすると、反応生成物が徐々に分解する傾向があり、収率が低下する傾向があるためである。また、温度0℃未満では、反応系が固化するおそれがあり反応速度の低下招くほか、0℃未満とするために特別に設備的な対応が必要となるなど利点が少ない。本発明では意図的な加熱や冷却操作を行なわなければ、通常は前記温度範囲を満足するが、不可避的に反応系の温度が前記の温度範囲を満足しない場合には、加熱や冷却操作を行なって反応系の温度を調整することは、もちろん可能である。
また、上記一般式(1)のイミン類に、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを添加して行なう反応は、基質としてのイミン類を溶解する有機溶媒を使用する溶媒中で実施できる。使用する有機溶媒としては、溶媒自体が、酸化剤である次亜塩素酸ソーダに酸化されないものである必要があり、例えばジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジクロリドなどのハロゲン系溶媒や、ベンゼン、トルエン、o-クロロトルエンなどの芳香族系溶媒や、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒などを例示することができ、又はこれらと水との混合溶媒も挙げられる。好適には、ニトリル系溶媒やこれと水との混合溶媒であり、より好ましくは、前記ニトリル系溶媒がアセトニトリルである。
また、本発明においては、反応系に塩化物塩を共存させて反応を行なうことが好ましい。このような塩化物塩を反応系に共存させることにより、反応生成物であるオキサジリジン化合物の収率を向上できることが分かっている。このような塩化物塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムが好ましく、より好ましくは、塩化ナトリウムである。このように塩化物塩を添加することで、反応生成物であるオキサジリジン化合物の収率が向上する理由は定かではないが、本発明者らの検証によれば、塩化物塩の添加により水相の塩濃度が高くなり、塩析効果によって水相中のオキサジリジンを有機相で効率的に抽出できるようになったためであると推定される。
また、本発明においては、触媒の存在下において反応を行なうこともでき、触媒としては、金属触媒が好適に用いられ、ジフェニルジゼレニドなどのセレン(Se)触媒、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)などをカーボンなどに担持させた固体担持触媒や、或いは、配位子を有するこれらの金属の金属錯体触媒を用いることもでき、必要に応じて適宜選択して使用することができる。
そして、本発明においては、上記のような基質、酸化剤などを用いて、所定の条件により反応を行なうことで、前記一般式(2)のオキサジリジン化合物を製造する。反応後は、常法に従って必要に応じて分液、抽出、洗浄、乾燥、濃縮などの精製処理を行うことにより、前記一般式(2)のオキサジリジン化合物を分離精製する。精製方法としては、反応生成物であるオキサジリジン化合物が更に反応したり分解されたりする方法や不純物が混入される方法は避ける必要があるが、何ら限定されるものではない。好ましくは、無機塩類の混入を避けることや、純度を向上させる目的において、カラムクロマトグラフィーによる精製を行なうことがよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明がこれにより限定されて解釈されるものではない。
なお、実施例に用いた次亜塩素酸ソーダ5水和物を水に溶解させた水溶液にすると有効塩素濃度10〜30%の範囲でpH10〜11程度になる。
<基質の合成>
[合成例1]
以下の[化学式1]の通り、前述の一般式(1)のイミン類(A1)を合成した。
先ず、ベンズアルデヒド 2.04mL(20mmol)を300mLナスフラスコに入れ、また、これにギ酸(HCOOH)30mLとH2O30mLとを添加して溶解させた。さらに、ナスフラスコ中にp−トルエンスルフィン酸ナトリウム(p-TsNa、1.0eq、20mmol)とp−トルエンスルホンアミド(p-TsNH2、1.0eq、20mmol)とを加えて、室温下で反応させた。
反応開始から12時間後、吸引ろ過で析出物を回収し、H2Oで2回洗浄した後に、n-ペンタンで洗浄した。得られた析出物を別の500mLナスフラスコに入れ、これにジクロロメタン(CH2Cl2)200mLを添加した。次いで、これに飽和炭酸水素ナトリウム(sat. NaHCO3)水溶液140mLを添加して反応させた。10分程度攪拌した後、溶液を500mL分液漏斗に移し、有機相を分液した。水相からジクロロメタン抽出(50mL×5回)を行い、先の有機相に加え、有機相に固体の炭酸水素ナトリウムを加えて乾燥させた。その後、ろ過で炭酸水素ナトリウムを取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで留去し、イミン類(A1)(N-Benzylidene-4-methylbenzene sulfonamide)を白色固体で得た(2.70g、収率52%)。同定は、核磁気共鳴分析分析(1H-NMR、13C-NMR)、質量分析(MS)、赤外吸収分析(IR)、及び融点測定により行なった。
なお、分析機器としては、以下を用いた。
1H(13C) NMR: 日本電子株式会社製 JNM-ECX400
MS: 株式会社島津製作所製 GCMS-QP1100EX
Mp: 株式会社ヤナコ機器開発研究所製 微量融点測定装置 MP-J3
IR: 日本分光株式会社製 FT/IR-6100型
HPLC: 株式会社島津製作所製 LC-2010AHT〔カラム:CAPCELL PAC C18(TYPE UG120、5μm、4.6mmφ、250mm)、溶離液:アセトニトリル/H2O、検出波長:254nm〕
Figure 0006464970
(A1の同定結果)
1H-NMR(CDCl3)δ: 2.44(3H, s)、7.35(2H, d, J=8.4 Hz)、7.49(2H, t, J=8.0 Hz)、7.62(1H, t, J=7.8 Hz)、7.89-7.94(4H, m)、9.04(1H, s)
13C-NMR(CDCl3)δ: 21.6、128.1-129.8、131.3、134.9、144.6、170.1
IR(neat)cm-1: 1600、1318、1156、1087、783、676、543、483
MS(m/z): 259(M+)、155(M+-C7H6N)、104(M+-C7H7O2S)、91(M+-C7H6O2NS)
mp:96〜102℃
<pHによるオキサジリジン化合物の製造>
[実施例1]
下記の[化学式2]の通り反応させて、オキサジリジン化合物(B1)を得た。
50mLナスフラスコに、次亜塩素酸ソーダ5水和物の粉末結晶(ニッケイジアソー5水塩、有効塩素濃度42%)1.9743g(12mmol、基質に対して12当量)を入れ、H2O 5.5mLに溶解し次亜塩素酸ソーダ水溶液とした。pHメーターで水溶液のpHを確認しつつ、12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを14としたのち、0℃に冷却した。別途用意した30mLフラスコに前記合成例1で得られたイミン類(A1、0.2590g、1mmol)を入れ、含水アセトニトリル5mLを加えて溶解した。このアセトニトリル溶液を次亜塩素酸ソーダ水溶液に添加し、0℃で10分間撹拌した。10分経過後、反応液を室温にし、さらに20分間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC、展開溶媒Hexane:AcOEt=3:1、ヨウ素呈色)で原料のA1(Rf=0.45)が消失したことを確認後、系内にH2O(50mL)を加えて、AcOEtで抽出(30mL×3回)した。分液した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相に無水硫酸マグネシウムを入れて脱水乾燥し、その後、ろ過操作でそれを取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで留去することで、オキサジリジン化合物(B1)(3-Phenyl-2-tosyl-1,2-oxaziridine)を白色固体で得た。なお、副生成物として、ベンズアルデヒド(C)も得られた。
NMRにより、B1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。なお、同定は、上記合成例1と同様の方法を用いて行なった。
Figure 0006464970
(B1の同定結果)
1H-NMR(CDCl3)δ:2.43(3H, s)、5.38(1H, s)、7.33〜7.42(7H, m)、7.86(2H, d, J=8.4Hz)
13C-NMR(CDCl3)δ:20.8、28.7、75.3、127.2、127.7、128.4、129.0、129.5、130.4、145.4
IR(neat)cm-1:2924、2856、1596、1351、1170、1087、807、712、569、543、421
MS(m/z):259(M+-O)、155(M+-C7H6ON)、91(M+-C7H6O3NS)
mp:87〜92℃
[実施例2]
前記実施例1において、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物に代えて、市販の12%次亜塩素酸ソーダ水溶液(ニッケイジアソー、有効塩素濃度12%)6.1〜7.4mL(NaOCl、12mmol、基質に対して12当量)を使用し、12.5M水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH14とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例3]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下することによりpHを13とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例4]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下することによりpHを13とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例2と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例5]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下することによりpHを12とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例6]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを12とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例2と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例7]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを11とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[実施例8]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に35%塩酸を滴下することによりpHを11とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析にてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
[比較例1]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に35%塩酸を滴下することによりpHを10.5とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例8と同様に、HPLC分析にてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例1においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
[比較例2]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に35%塩酸を滴下することによりpHを10.5とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例8と同様に、HPLC分析にてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例1においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
[比較例3]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを10とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例3においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
[比較例4]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを10とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例2と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例4においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
[比較例5]
前記実施例1において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを8とした以外は、実施例1と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例1と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例5においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
[比較例6]
前記実施例2において、pHの調整を次亜塩素酸ソーダ水溶液に37%塩酸を滴下することによりpHを8とした以外は、実施例2と同様の方法でオキサジリジン化合物(B1)を合成した。実施例2と同様に、NMRにてB1とCとの比を求めた。結果を以下の表1にまとめて記載する。
この比較例6においては、オキサジリジン化合物(B1)は得られず、その代わりに安息香酸(オキサジリジン化合物B1の分解物と考えられる。)が得られた。
Figure 0006464970
<NaCl添加の効果>
[実施例9]
50mLナスフラスコにNaCl 0.7016g(12mmol、基質に対して12当量)、次亜塩素酸ソーダ5水和物の粉末結晶(ニッケイジアソー5水塩、有効塩素濃度42%)1.976g(12mmol、基質に対して12当量)を入れ、H2O 5.5mLに溶解し次亜塩素酸ソーダ水溶液とした。pHメーターで水溶液のpHを確認しつつ、12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを13.02としたのち、0℃に冷却した。別途用意した30mLフラスコに前記合成例1で得られたイミン類(A1、0.2590g、1mmol)を入れ、含水アセトニトリル5mLを加えて溶解した。このアセトニトリル溶液を次亜塩素酸ソーダ水溶液に添加し、0℃で10分間撹拌した。10分経過後、反応液を室温にし、さらに20分間撹拌した。 薄層クロマトグラフィー(TLC、展開溶媒Hexane:AcOEt=3:1、ヨウ素呈色)で原料のA1(Rf=0.45)が消失したことを確認後、系内にH2O(50mL)を加えて、AcOEtで抽出(30mL×3回)した。分液した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相に無水硫酸マグネシウムを入れて脱水乾燥し、その後、ろ過操作でそれを取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで留去することで、粗生成物0.2479gを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲルmesh 40〜50μm、カラムφ=2cm、展開溶媒Hexane:AcOEt=20:1およびHexane:AcOEt=10:1)によって精製し、オキサジリジン化合物(B1)(3-Phenyl-2-tosyl-1,2-oxaziridine)を白色固体として0.2422g(0.88mmol)、単離収率88%で得た。
なお、同定は上記実施例1と同様に行ない、単離収率は以下の[数式1]に基づいて算出した。
[実施例10]
50mLナスフラスコに、次亜塩素酸ソーダ5水和物の粉末結晶(ニッケイジアソー5水塩、有効塩素濃度42%)1.974g(12mmol、基質に対して12当量)を入れ、H2O 5.5mLに溶解し次亜塩素酸ソーダ水溶液とした。pHメーターで水溶液のpHを確認しつつ、12.5M水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを13.06としたのち、0℃に冷却した。別途用意した30mLフラスコに前記合成例1で得られたイミン類(A1、0.2596g、1mmol)を入れ、含水アセトニトリル5mLを加えて溶解した。このアセトニトリル溶液を次亜塩素酸ソーダ水溶液に添加し、0℃で10分間撹拌した。10分経過後、反応液を室温にし、さらに20分間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC、展開溶媒Hexane:AcOEt=3:1、ヨウ素呈色)で原料のA1(Rf=0.45)が消失したことを確認後、系内にH2O(50mL)を加えて、AcOEtで抽出(30mL×3回)した。分液した有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相に無水硫酸マグネシウムを入れて脱水乾燥し、その後、ろ過操作でそれを取り除き、ろ液をロータリーエバポレーターで留去することで、粗生成物0.2750gを得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲルmesh 40〜50μm、カラムφ=2cm、展開溶媒Hexane:AcOEt=20:1およびHexane:AcOEt=10:1)によって精製し、オキサジリジン化合物(B1)(3-Phenyl-2-tosyl-1,2-oxaziridine)を白色固体として0.1893g(0.69mmol)、単離収率69%で得た。
なお、同定は、上記合成例1と同様に行ない、単離収率は以下の[数式1]に基づいて算出した。
Figure 0006464970

Claims (3)

  1. pHが11以上14以下の条件下において、下記一般式(1)
    Figure 0006464970
    (式中、Aは保護基としてのp-トルエンスルホニル基又はベンゼンスルホニル基、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アラルキル基、又はアリール基、Xは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、電子供与基としてのメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基若しくは水酸基、又は電子求引基としてのニトロ基、カルボニル基若しくはカルボキシ基を示す。)で表されるイミン類を酸化して下記一般式(2)
    Figure 0006464970
    〔式中、A、R及びXは、上記一般式(1)と同様である。〕で表されるオキサジリジン化合物を製造するオキサジリジン化合物の製造方法であり、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを使用することを特徴とするオキサジリジン化合物の製造方法。
  2. 前記イミン類の酸化は、塩化物塩の存在下で行なわれることを特徴とする請求項1に記載のオキサジリジン化合物の製造方法。
  3. 前記塩化物塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び塩化カルシウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2に記載のオキサジリジン化合物の製造方法。
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