JP6464726B2 - 車両用電動シートシステムの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電動シートシステムの制御装置に関するものである。
従来、車両シートのシートバックの傾動やシートクッションの前後移動等を電動駆動可能に構成した車両用電動シートシステムがある(例えば特許文献1参照)。このようなものでは、モータの駆動が車両シートに内蔵の減速機構等を介してシートバックやシートクッションに伝達され、それらの電動駆動が実現される。
特開2002−65388号公報
ところで、上記のような車両用電動シートシステムでは、作動時においてモータに掛かる負荷が減速機構の特性等によって変動すると、その負荷変動に応じてモータの回転速度が変化し、それにより、車両シートの動作がぎこちない動きとなったり、モータ作動音が変化(音の周波数や大きさが変化)する問題があった。特に、上記特許文献1に示すようなシートバックの電動リクライニング装置では、モータの回転を減速する減速機構が内歯ギヤとその内歯ギヤに対して偏心運動しつつ噛合する外歯ギヤとを備えており、その外歯ギヤの偏心運動によって負荷変動が生じやすいため、上記の問題が顕著となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、作動時における車両シートの挙動を改善することができる車両用電動シートシステムの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用電動シートシステムの制御装置は、モータの回転力に基づき車両シートを電動駆動させる車両用電動シートシステムの制御装置であって、一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を行うことで前記モータの回転速度を一定に保持するフィードバック制御手段を備え、前記速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように、前記速度指令値が設定されるものであり、前記モータの電源電圧が閾値以上のとき、前記速度フィードバック制御を実行し、前記電源電圧がその閾値未満のときには、前記速度フィードバック制御を実行せずに前記電源電圧を成り行きで前記モータに印加するオープン制御を実行する
この構成によれば、作動時においてモータに掛かる負荷が変動しても、速度フィードバック制御によってモータの回転速度が一定に保たれるため、車両シートの動作がぎこちない動きとなったり、モータ作動音が変化したりすることを抑制することができる。また、速度フィードバック制御における一定の速度指令値は、該制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように設定される。このため、速度フィードバック制御によって一定の回転速度でモータを駆動させたときに、電動シートシステムが継続して共振することを防止することができる。
また、電源電圧の低下時には、速度フィードバック制御によってモータの回転速度を速度指令値に追従させることが困難となるため、その時には速度フィードバック制御ではなくオープン制御を実行することで無駄な演算を減らすことができる。
上記課題を解決する車両用電動シートシステムの制御装置は、モータの回転力に基づき車両シートを電動駆動させる車両用電動シートシステムの制御装置であって、一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を行うことで前記モータの回転速度を一定に保持するフィードバック制御手段を備え、前記速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように、前記速度指令値が設定されるものであり、車両に搭載の外気温センサの検出結果に基づく外気温検出値が閾値以上のとき、前記速度フィードバック制御を実行し、前記外気温検出値がその閾値未満のときには、前記速度フィードバック制御を実行せずに電源電圧を成り行きで前記モータに印加するオープン制御を実行する。
この構成によれば、作動時においてモータに掛かる負荷が変動しても、速度フィードバック制御によってモータの回転速度が一定に保たれるため、車両シートの動作がぎこちない動きとなったり、モータ作動音が変化したりすることを抑制することができる。また、速度フィードバック制御における一定の速度指令値は、該制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように設定される。このため、速度フィードバック制御によって一定の回転速度でモータを駆動させたときに、電動シートシステムが継続して共振することを防止することができる。
また、モータの起動特性が悪化する低温時において、速度フィードバック制御ではなくオープン制御を実行することで、モータが起動しないといった不具合を防止することができる。
上記車両用電動シートシステムの制御装置において、前記速度指令値は、前記速度指令値は、予め把握した前記電動シートシステムに共振を発生させる共振発生速度を避けて設定されていることが好ましい。
この構成によれば、速度指令値は、予め把握した電動シートシステムに共振を発生させる共振発生速度を避けて設定される。このため、速度フィードバック制御に基づく定速駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該システムの共振周波数と重ならない回転速度でモータを駆動させることができる。
上記車両用電動シートシステムの制御装置において、前記車両シートの振動を検出する振動検出手段と、前記振動検出手段の検出結果に基づき、前記電動シートシステムに共振を発生させる前記モータの共振発生速度を把握する共振発生速度把握手段と、前記速度指令値を前記共振発生速度と一致しないように変更する速度指令値変更手段とを備えていることが好ましい。
この構成によれば、例えば電動シートシステムの経年変化によって該システムの共振周波数が変化した場合においても、速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が共振周波数と重ならないように速度指令値が変更される。これにより、電動シートシステムが継続して共振することをより好適に防止することができる。
本発明の車両用電動シートシステムの制御装置によれば、作動時における車両シートの挙動を改善することができる。
実施形態の車両シート制御装置の電気ブロック図である。 同形態の速度フィードバック制御における速度指令値の設定態様を説明するための説明図である。 同形態における制御回路の処理を説明するためのフロー図である。
以下、車両用電動シートシステムの制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示すように、車両シート1は、座部としてのシートクッション2と、シートクッション2の後端部に傾動可能に設けられたシートバック3と、シートバック3の傾動駆動の駆動源としてのモータMとを備える。モータMは、給電ブラシ及び整流子(ともに図示略)を有するブラシ付きモータにて構成されている。モータMの回転は、車両シート1が備える減速機構(図示略)を介してシートバック3の傾動動作に変換される。本実施形態の車両シート制御装置10は、モータMの回転駆動を制御することでシートバック3の傾動動作を制御する。なお、上記の減速機構は、内歯ギヤとその内歯ギヤに対して偏心運動しつつ噛合する外歯ギヤ(共に図示略)とを備えた公知の機構である。
車両シート制御装置10は、モータMに駆動電力を供給する駆動回路11と、駆動回路11を介してモータMの駆動を制御する制御回路12と、モータMの回転を検出する回転センサ13とを備える。制御回路12は、例えばシートクッション2の側面に設けられた操作スイッチSWからの操作信号Smの入力に基づいて駆動回路11を通じてモータMを回転駆動させ、シートバック3を傾動させる。
回転センサ13は、例えばモータMに搭載されたホールIC等からなり、モータMの回転に応じた回転検出信号Sp(パルス信号)を出力する。制御回路12は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいて制御信号(PWM駆動信号)Scを生成し、その制御信号Scを駆動回路11に出力することにより駆動回路11をPWM駆動させ、モータMの駆動を制御する。
制御回路12は、速度算出部21、減算器22、速度指令値演算部23、FB制御部(フィードバック制御部)24、PWM制御部25、位置カウント部26を備えている。
速度算出部21は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいて回転速度検出値ωを算出する。減算器22は、速度指令値演算部23から出力された速度指令値ωdと、速度算出部21により演算されたモータMの回転速度検出値ωとの差分値(速度偏差Δω=ωd−ω)を演算し、演算した速度偏差ΔωをFB制御部24に出力する。
FB制御部24は、速度偏差Δωに基づいて速度フィードバック制御を実行する。本実施形態のFB制御部24が実行する速度フィードバック制御はPI制御である。すなわち、FB制御部24は速度偏差ΔωにP(比例)制御の比例ゲインKpを乗ずることにより比例成分を演算するとともに、速度偏差Δωの積分値にI(積分)制御の積分ゲインKiを乗ずることにより積分成分を演算する。そして、これら比例成分及び積分成分を加算することにより電圧指令値Vdを演算し、これをPWM制御部25に出力する。
PWM制御部25は、電圧指令値Vdに基づくDUTY指令値を演算するとともに、そのDUTY指令値に示されるオンDUTY比を有する制御信号Scを生成して駆動回路11に出力することで、駆動回路11をPWM駆動させる。これにより、制御信号Scに応じた駆動電力が駆動回路11からモータMに出力される。
次に、速度指令値演算部23における速度指令値ωdの設定態様について説明する。
位置カウント部26は、回転センサ13から出力される回転検出信号Spに基づいてシートバック3の位置情報Pを算出し、これを速度指令値演算部23に出力する。シートバック3の位置情報Pは、例えば、シートバック3の角度に対応する回転検出信号Spの立ち上がり及び立ち下がりのカウント数である。速度指令値演算部23は、シートバック3の位置情報Pに対応する速度指令マップが格納されたメモリ27を有し、該マップに基づき速度指令値ωdを演算する。
図2は、速度指令値演算部23から減算器22に出力される速度指令値ωdの変化の一例を示すグラフである。同図を用いた以下の説明では、シートバック3の後方側への傾動時について言及するが、前方側への傾動と後方側への傾動とではモータMの回転方向が切り替わるのみであって制御自体は同一であるため、以下では前方側への傾動時についての詳細な説明は省略する。
速度指令値演算部23は、操作スイッチSWからの操作信号Smが入力された時点でのシートバック3の位置(傾動開始位置Ps)から、シートバック3が所定量ΔPaだけ変位されるまで、一定値である低速一定指令値ωLを速度指令値ωdに設定する。つまり、シートバック3が傾動開始位置Psから前記所定量ΔPaだけ変位されるまで、減算器22には一定値である指令値(低速一定指令値ωL)が出力され、上記の速度フィードバック制御によってシートバック3が一定の低速度で傾動される。
その後、シートバック3の傾動開始位置Psからの連続的な変位が所定量ΔPaとなったとき(シートバック3が位置P1に達したとき)、速度指令値ωdが低速一定指令値ωLから徐々に増加される増速区間に移行する。この増速区間では、速度指令値ωdが低速一定指令値ωLから後述する高速一定指令値ωHまでシートバック3の変位に対して例えば一次関数的に増加するように設定されている。増速区間は、シートバック3が前記位置P1から所定量ΔPbだけ変位されるまで継続される。
その後、シートバック3の傾動開始位置Psからの連続的な変位がΔPa+ΔPbとなったとき(シートバック3が位置P2に達したとき)、速度指令値演算部23は一定値である高速一定指令値ωHを速度指令値ωdに設定する。このとき、速度指令値演算部23から減算器22に一定値である指令値(高速一定指令値ωH)が出力され、上記の速度フィードバック制御によってシートバック3が一定の高速度で傾動される。
速度指令値演算部23は、シートバック3が位置P2から後方側の端点位置Pr(シートバック3を最も後側に倒したときの位置)の手前の位置P3に達するまで高速一定指令値ωHを速度指令値ωdに設定する。そして、シートバック3が位置P3に達したとき、速度指令値ωdが高速一定指令値ωHから徐々に減少される減速区間に移行する。この減速区間では、速度指令値ωdが高速一定指令値ωHからシートバック3の変位に対して例えば一次関数的に減少するように設定されている。減速区間は、シートバック3が位置P3から端点位置Prに到達するまで継続される。また、本実施形態の減速区間では、端点位置Pr(又は端点位置Pr付近)で速度指令値ωdがゼロとなるように設定され、その位置でモータMの駆動が停止されてシートバック3が停止する。つまり、シートバック3が徐々に減速して端点位置Prで停止する所謂スローストップ動作となる。
なお、上記の速度指令値演算部23における速度指令値ωdの設定態様では、シートバック3の傾動範囲の機械的な端点間(前方側の端点位置Pfと後方側の端点位置Prまでの間)における任意の位置からシートバック3の傾動を開始することを想定している。シートバック3の傾動開始の位置によっては、高速一定区間(速度指令値ωdが高速一定指令値ωHに設定された状態)が極端に短い場合や、前記増速区間から高速一定区間を経ずに前記減速区間に移行することもあり得る。
また、シートバック3の前方側への傾動時には、前方側の端点位置Pfの手前の所定位置から前述と同様の減速区間が開始され、それにより、シートバック3が徐々に減速して端点位置Pfで停止するスローストップ動作となる。なお、前方側への傾動及び後方側への傾動時における減速区間開始の判断は、シートバック3の位置とモータMの回転方向に基づいてなされる。
上記の低速一定指令値ωL及び高速一定指令値ωHは、メモリ27に予め記憶されている。これら低速一定指令値ωL及び高速一定指令値ωHは、該指令値ωL,ωHに基づく定速駆動によって電動シートシステム(車両シート1内に設けられたモータM及び減速機構等の内部部品を含めたシステム全体)に発生する力の周波数が該システムの共振周波数と重ならないように設定されている。換言すれば、低速一定指令値ωL及び高速一定指令値ωHは、該指令値ωL,ωHに基づく定速駆動によって電動シートシステムに発生する力が該システムに共振を起こさせる速度(以下、共振発生速度という)を避けて設定されている。
ここで、共振発生速度は、例えば工場段階(車両出荷前の段階)において車両シート1を車両に組み付けた状態で予め把握されるものである。例えば、モータMの回転速度に応じた車両シート1の振動を、車両シート1の複数箇所で振動センサ(図示略)によってそれぞれ検出し、その各検出結果から前記複数箇所にそれぞれ対応した前記共振発生速度が把握される。本実施形態では、一例として車両シート1の3点に対応する共振発生速度ω1,ω2,ω3(ω1<ω2<ω3)を予め把握し、それら各共振発生速度ω1,ω2,ω3を避けて低速一定指令値ωL及び高速一定指令値ωHが設定されている(図2参照)。なお、本実施形態では、低速一定指令値ωLは共振発生速度ω1,ω2の間の値に設定され、高速一定指令値ωHは共振発生速度ω2,ω3の間の値に設定されている。
制御回路12は、車両の上位ECU30と接続され、該上位ECU30からの信号に基づいて駆動回路11の制御を上記速度フィードバック制御又はオープン制御(オープンループ制御)に切替可能に構成されている。オープン制御では、速度フィードバック制御はなされず、モータMには車載バッテリ(図示略)からの成り行きの電圧が供給(つまり、オンDUTY比が100%で給電)される。
上位ECU30には、前記車載バッテリの電圧を監視する電圧センサ(図示略)から出力されたバッテリ電圧検出信号Sbと、車両に搭載の外気温センサ(図示略)から出力された外気温検出信号Stとが入力される。上位ECU30は、バッテリ電圧検出信号Sbに基づいてバッテリ電圧検出値Vbを算出し、外気温検出信号Stに基づいて外気温検出値Tを算出する。そして、上位ECU30は、算出したバッテリ電圧検出値Vb及び外気温検出値Tを制御回路12に出力する。
次に、本実施形態の車両シート制御装置10の動作及び作用について説明する。
図3に示すように、制御回路12は、操作スイッチSWからの操作信号Smが入力されると、ステップS101において、外気温検出値Tと閾値T1とを比較し、外気温検出値Tが閾値T1未満である場合に、駆動回路11の制御を上記オープン制御とする。外気温検出値Tが閾値T1以上である場合には、ステップS102に移行する。
ステップS102では、制御回路12は、バッテリ電圧検出値Vbと閾値Vb1とを比較し、バッテリ電圧検出値Vbが閾値Vb1未満である場合に、駆動回路11の制御を上記オープン制御とする。そして、バッテリ電圧検出値Vbが閾値Vb1以上である場合には、駆動回路11の制御を上記速度フィードバック制御とする。
このように、外気温検出値T及びバッテリ電圧検出値Vbがそれぞれ各閾値T1,Vb1以上の場合に、制御回路12は、回転速度検出値ωを速度指令値ωdに追従させるべく速度フィードバック制御を実行する。ここで、メモリ27に予め記憶された一定値である速度指令値(高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωL)は、前記電動シートシステムに共振を発生させる共振発生速度ω1,ω2,ω3を避けて設定されている。これにより、速度フィードバック制御によってモータMの回転速度が一定に保持される状況において、電動シートシステムが継続して共振することを防止することができ、その結果、電動シートシステムの振動に伴う異音の発生を抑制することができる。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)制御回路12は、一定値である高速一定指令値ωH(又は低速一定指令値ωL)と回転速度検出値ω(実速度)との差分を基に速度フィードバック制御を行うことでモータMの回転速度を一定に保持する。これによれば、作動時においてモータMに掛かる負荷が変動しても、速度フィードバック制御によってモータMの回転速度が一定に保たれるため、シートバック3の傾動動作がぎこちない動きとなったり、モータMの作動音が変化したりすることを抑制することができる。特に、本実施形態のように、モータMの回転を減速する減速機構が前記内歯ギヤ及び外歯ギヤを備えた構成では、外歯ギヤの偏心運動によって負荷変動が生じやすいため、より顕著な効果を得ることができる。また、速度フィードバック制御によってシートバック3の後方側への傾動スピードと前方側への傾動スピードとを同一とすることが可能となり、そうすることでシートバック3の挙動の違和感を搭乗者に与えにくくすることができる。
そして、上記速度フィードバック制御に基づく定速駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該システムの共振周波数と重ならないように、該制御の速度指令値(高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωL)が共振発生速度ω1,ω2,ω3を避けて設定される。このため、速度フィードバック制御によって一定の回転速度でモータMを駆動させたときに、電動シートシステムが継続して共振することを防止することができ、その結果、電動シートシステムの振動に伴う異音の発生を抑制することができる。
(2)前記共振発生速度ω1,ω2,ω3は、例えば工場段階において予め把握される。これによれば、予め把握した共振発生速度ω1,ω2,ω3を避けた回転速度でモータMを定速駆動することができる。
(3)制御回路12は、モータMの電源電圧(バッテリ電圧検出値Vb)が閾値Vb1以上のとき、上記の速度フィードバック制御を実行し、バッテリ電圧検出値Vbが閾値Vb1未満のときには、速度フィードバック制御を実行せずにバッテリ電圧を成り行きでモータMに印加するオープン制御を実行する。これによれば、バッテリ電圧の低下時には、速度フィードバック制御によってモータMの回転速度(回転速度検出値ω)を速度指令値ωdに追従させることが困難となるため、その時には速度フィードバック制御ではなくオープン制御を実行することで無駄な演算を減らすことができる。
(4)外気温検出値Tが閾値T1以上のとき、速度フィードバック制御を実行し、外気温検出値Tが閾値T1未満のときには、速度フィードバック制御を実行せずにバッテリ電圧を成り行きでモータMに印加するオープン制御を実行する。低温時では常温時に比べてモータMの起動特性が悪く、より大きな起動電流が必要となるため、制御余裕を考慮してモータ印加電圧が抑えられた(つまり、オンDUTY比が100%未満に設定された)速度フィードバック制御を行わずにオープン制御を実行することで、モータMが起動しないといった不具合を防止することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、図1に示すように、車両シート1に加速度センサ等の振動検出センサ40(振動検出手段)を設け、速度指令値演算部23は、振動検出センサ40から出力される振動検出信号Svに基づいて高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωLを変更するように構成してもよい。
例えば、高速一定指令値ωHに基づく速度フィードバック制御が実行されてシートバック3が一定の高速度で傾動しているときに、振動検出センサ40が所定の振幅以上の振動を検出した場合、つまり、制御回路12は、現状の高速一定指令値ωHが、電動シートシステムに共振を発生させる前記共振発生速度と一致していると判定する。つまり、制御回路12は、振動検出信号Svに基づいて前記共振発生速度を把握する。そして、その判定に基づいて、速度指令値演算部23は、メモリ27に記憶されている高速一定指令値ωHの値を、該高速一定指令値ωHから所定値だけ減算(又は加算)した値に書き換える。これにより、高速一定指令値ωHが共振発生速度と一致しないように変更される。なお、低速一定指令値ωLに基づく速度フィードバック制御が実行されてシートバック3が一定の低速度で傾動しているときにも、上記態様で低速一定指令値ωLの書き換えが実行される。
上記の制御によれば、例えば電動シートシステムの経年変化によって該システムの共振周波数が変化した場合においても、高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωLが共振発生速度と一致しないように設定することができる。なお、この制御を備える場合には、工場段階において共振発生速度を予め測定しなくてもよく、メモリ27に記憶させておく高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωLを、電動シートシステムの共振(つまり、共振発生速度)を考慮しない任意の値に設定することが可能である。
なお、上記の例では、振動検出センサ40の検出結果を基に高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωLを変更するが、これ以外に例えば、モータMの回転速度(回転速度検出値ω)やモータMへの印加電圧値(又は電流値)等の特性値のFFT(高速フーリエ変換)演算から車両シート1の振動を検出し、その検出結果に基づいて高速一定指令値ωH及び低速一定指令値ωLを変更してもよい。
・上記実施形態では、低速一定指令値ωLに基づく速度フィードバック制御による前記低速一定区間と、高速一定指令値ωHに基づく速度フィードバック制御による前記高速一定区間との間に、速度指令値ωdが低速一定指令値ωLから高速一定指令値ωHまで徐々に増加される増速区間を設けたが、この増速区間を省略してもよい。
・上記実施形態では、シートバック3が変位に応じて徐々に減速する減速区間は、シートバック3が位置P3から端点位置Prに到達するまで継続されるが、これに限らず、例えば、低速一定指令値ωLに基づく速度フィードバック制御による低速一定区間を、シートバック3が位置P3から端点位置Prに到達するまでの間に設けてもよい。
・上記実施形態では、低速一定指令値ωLに基づく速度フィードバック制御によってシートバック3が一定の低速度で始動する所謂スロースタート制御を実装したが、これに限らず、高速一定指令値ωHに基づく高速度でシートバック3を始動させてもよい。
・上記実施形態において、シートバック3の傾動スピードを調整するための速度調整スイッチ(速度調整手段)をシートクッション2の側面等に備えてもよい。この場合、例えば、前記共振発生速度を避けて設定された段階的な複数の速度指令値(例えば、5段階の速度指令値ωd1〜ωd5)をメモリ27に予め記憶させておく。そして、速度指令値演算部23は、速度調整スイッチの操作に応じた速度指令値を速度指令値ωd1〜ωd5から読み出して減算器22に出力する。この場合、前記速度調整スイッチを、速度上昇スイッチと速度下降スイッチとを備えた構成とし、速度上昇スイッチの1回の操作に応じて減算器22に出力する速度指令値を例えば速度指令値ωd1から次段の速度指令値ωd2に変更するように構成してもよい。また、速度指令値ωd1〜ωd5にそれぞれ対応する複数のスイッチを備えた構成としてもよい。
このような構成によれば、搭乗者のスイッチ操作によってシートバック3の傾動スピードを変更することが可能となる。このため、微調整がしたい場合や、シートバック3を後方に倒した状態から早く起こしたい場合等、状況に応じたシートバック3の傾動スピードを搭乗者が選択することが可能となり、使い勝手の良い電動シートシステムを提供できる。
・上記実施形態における速度フィードバック制御を、P制御やPID制御等に変更してもよい。
・上記実施形態では、シートバック3の傾動を制御する車両シート制御装置10に適用したが、これに特に限定されるものではなく、例えば、シートクッション2の前後移動や高さ調整動作(リフタ動作)等を制御する制御装置に適用してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)制御装置によって制御されるモータの回転力に基づき車両シートを電動駆動させる車両用電動シートシステムであって、
前記制御装置は、一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を行うことで前記モータの回転速度を一定に保持するフィードバック制御手段を備え、
前記速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように、前記速度指令値が設定される。
この構成によれば、作動時においてモータに掛かる負荷が変動しても、速度フィードバック制御によってモータの回転速度が一定に保たれるため、車両シートの動作がぎこちない動きとなったり、モータ作動音が変化したりすることを抑制することができる。また、速度フィードバック制御における一定の速度指令値は、該制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように設定される。このため、速度フィードバック制御によって一定の回転速度でモータを駆動させたときに、電動シートシステムが継続して共振することを防止することができる。
1…車両シート、10…車両シート制御装置、12…制御回路(共振発生速度把握手段)、23…速度指令値演算部(速度指令値変更手段)、24…FB制御部(フィードバック制御手段)、40…振動検出センサ(振動検出手段)、M…モータ。

Claims (4)

  1. モータの回転力に基づき車両シートを電動駆動させる車両用電動シートシステムの制御装置であって、
    一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を行うことで前記モータの回転速度を一定に保持するフィードバック制御手段を備え、
    前記速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように、前記速度指令値が設定されるものであり、
    前記モータの電源電圧が閾値以上のとき、前記速度フィードバック制御を実行し、前記電源電圧がその閾値未満のときには、前記速度フィードバック制御を実行せずに前記電源電圧を成り行きで前記モータに印加するオープン制御を実行することを特徴とする車両用電動シートシステムの制御装置。
  2. モータの回転力に基づき車両シートを電動駆動させる車両用電動シートシステムの制御装置であって、
    一定値である速度指令値と前記モータの回転速度の実速度との差分を基に前記モータの回転速度を前記速度指令値に追従させる速度フィードバック制御を行うことで前記モータの回転速度を一定に保持するフィードバック制御手段を備え、
    前記速度フィードバック制御に基づく駆動によって電動シートシステムに発生する力の周波数が該電動シートシステムの共振周波数と重ならないように、前記速度指令値が設定されるものであり、
    車両に搭載の外気温センサの検出結果に基づく外気温検出値が閾値以上のとき、前記速度フィードバック制御を実行し、前記外気温検出値がその閾値未満のときには、前記速度フィードバック制御を実行せずに電源電圧を成り行きで前記モータに印加するオープン制御を実行することを特徴とする車両用電動シートシステムの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用電動シートシステムの制御装置において、
    前記速度指令値は、予め把握した前記電動シートシステムに共振を発生させる前記モータの共振発生速度を避けて設定されていることを特徴とする車両用電動シートシステムの制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用電動シートシステムの制御装置において、
    前記車両シートの振動を検出する振動検出手段と、
    前記振動検出手段の検出結果に基づき、前記電動シートシステムに共振を発生させる前記モータの共振発生速度を把握する共振発生速度把握手段と、
    前記速度指令値を前記共振発生速度と一致しないように変更する速度指令値変更手段とを備えたことを特徴とする車両用電動シートシステムの制御装置。
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