以下に、本発明の実施の形態にかかる送信装置および送信方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示す図である。本実施の形態の通信システムは、基地局1および端末2−1〜2−6を備える。なお、図1では、基地局の数を1、端末の数を6とした例を示しているが、基地局の数は1に限定されず、端末の数は6に限定されない。端末2−1〜2−6は、ユーザ端末またはUEとも呼ばれる通信装置であり、後述する既知信号であるRSを基地局1へ送信する。また、基地局1は、端末2−1〜2−6から基地局1へ向かう方向の通信路であるアップリンクのリソースを、各端末2−1〜2−6に対して割当てる通信装置である。アップリンクの通信においては、端末2−1〜2−6は送信装置であり、基地局1は受信装置である。以下、端末2−1〜2−6を、各々を区別せずに示すときには、適宜、端末2と記載する。
本実施の形態の通信システムは、アップリンクのデータ伝送では、SC−FDMA方式をベースとした通信方式を用いる。基地局1から端末2−1〜2−6へ向かう方向の通信路であるダウンリンクの通信方式はどのような方式を用いてもよい。ダウンリンクの通信方式としては、例えば、OFDM方式を用いる。
図2は、本実施の形態の基地局1の機能構成例を示す図である。基地局1は、アンテナ11−1〜11−R、ビーム制御部12、受信部13、送信部14およびスケジューラ15を備える。Rは2以上の整数である。基地局1は、アンテナ11−1〜11−Rを用いて、送信ビームであるアナログビームを形成する。アナログビームは、1つ以上の方向を照射する指向性を有する。すなわち、アンテナ11−1〜11−Rは、1つ以上の照射方向を照射するビームすなわちアナログビームを形成可能である。また、ビーム制御部12は、後述するように、一定時間、例えばスロット、を単位としてビームを切替えることができる。基地局1が、端末2の方向を把握している場合には、端末2の方向を照射するようにアナログビームを形成する。すなわち、この場合、アナログビームにおける1つ以上の照射方向のそれぞれは、1つ以上の端末のそれぞれに対応する方向に設定される。基地局1は、複数の端末2のそれぞれを照射するアナログビームを形成することにより、複数の端末2と通信を行うことができる。
受信部13は、アンテナ11−1〜11−Rおよびビーム制御部12を介して受信した受信信号に対して受信処理を実施する。受信部13は、1つ以上の端末2から送信されたデータおよびRSを受信する。受信部13の構成および処理の詳細については後述する。送信部14は、端末2ごとに端末2宛てのデータに送信処理を施してデータ信号を生成し、生成したデータ信号をビーム制御部12へ出力する。また、送信部14は、端末2宛ての制御情報を生成して、生成した制御情報に送信処理を施して制御信号を生成し、生成した制御信号をビーム制御部12へ出力する。送信処理には、例えば、符号化処理、変調処理等が含まれる。また、ダウンリンクにOFDM方式が用いられる場合には、送信処理には、IDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理が含まれる。
ビーム制御部12は、アンテナ11−1〜11−Rを用いたアナログビームの形成、すなわちビームフォーミングを制御する。具体的には、例えば、端末2の位置を示す情報である位置情報と基地局1の位置情報とに基づいてアナログビームの指向方向を決定し、指向方向に基づいて、ビームフォーミング用ウェイトを決定する。端末2の位置情報は、例えば、各端末2がGPS(Global Positioning System)を利用して求めた位置情報であり、端末2がこの位置情報を基地局1へ送信する。また、基地局1の位置情報としては、例えば、基地局1がGPSを利用して求めた位置情報を用いる。そして、ビーム制御部12は、送信部14から入力された端末2ごとのデータ信号および制御信号に対してビームフォーミング用ウェイトを乗算してアンテナ11−1〜11−Rへ出力する。また、ビーム制御部12は、アンテナ11−1〜11−Rから受信した信号を受信部13へ出力する。ビーム制御部12は、後述するように、一定時間、例えばスロット、を単位としてアナログビームを切替えることができる。なお、ビーム制御部12およびアンテナ11−1〜11−Rは、同時に複数のアナログビームを形成可能であってもよい。
スケジューラ15は、アンテナ11−1〜11−Rおよび受信部13を介して端末2から接続要求、リソースの割当てを要求するリソース割当て要求等の制御信号を受信し、制御信号に基づいて接続中の端末2を把握する。なお、接続要求、リソース割当て要求等の制御信号としては、端末2が割当てを要求するデータ量が格納されることができる。リソース割当て要求としては、LTE等で用いられる制御信号を用いることができる。また、制御信号に基づいて端末2から要求されているデータ量を取得し、データ量に基づいて端末2へリソースを割当てる。リソースの割当て方法の詳細については後述する。
図3は、本実施の形態の端末2の機能構成例を示す図である。図3に示すように、端末2は、アンテナ21、送信部22および受信部23を備える。受信部23は、アンテナ21により受信した信号に対して受信処理を実施する。また、受信部23は、受信した信号が制御信号である場合には、制御信号により指示された処理を実施する。受信処理には、例えば、復調処理、復号処理等が含まれる。また、ダウンリンクにOFDM方式が用いられる場合には、受信処理には、DFT(Discrete Fourier Transform)処理が含まれる。送信部22は、基地局1へ送信する信号を生成してアンテナ21を介して送信する。送信部22の構成および処理の詳細は後述する。
本実施の形態の通信システムは、上述したように、アップリンクのデータ伝送では、SC−FDMA方式をベースとした通信方式を用いる。
本実施の形態では、基地局1は、スロット単位でアナログビームを切替えることができる場合を例に説明する。図4は、基地局1が形成するアナログビームの一例を示す図である。図4に示すように、基地局1は、複数の端末を照射するアナログビーム3を形成可能である。アナログビーム3は、基地局1が形成するアナログビームの形状の概略の包絡域を模式的に示したものである。図4の31〜34は、端末2−1から2−4からのアップリンクの信号の送信方向を示している。図4の例では、基地局1が端末2−1〜2−4の位置を把握しており、端末2−1〜2−4を照射範囲に含むアナログビーム3を形成した例を示す。
図5は、アンテナビームの切替えの一例を示す図である。図5の例では、基地局1がスロット単位でアンテナビームを切替える例を示しており、k番目のスロットではアナログビーム3を形成し、(k+1)番目のスロットでアナログビーム4を形成した例を示している。なお、kは、スロットの番号を示す整数であり、0以上の整数または1以上の整数である。図5のk番目のスロットで形成されるアナログビーム3は図4の例と同様である。(k+1)番目のスロットでは、端末2−5,2−6に照射するようアナログビーム4が形成される。
図5の例では、2つのスロットにおいて通信対象となる端末2が異なる例を示している。このような場合には、図5に示すように、スロット単位でアナログビームの切替えが行われる。なお、図5では、1スロット単位でアナログビームを切替える例を説明したが、常時1スロット単位でのアナログビームの切り替えを実施していなくてもよい。1つのアナログビームだけで全ての端末2を照射できる場合等には、アナログビームの切り替えを行わなくてもよい。
スロット単位でアナログビームを切替える場合、基地局1がアップリンクで受信する信号の送信元の端末2はスロットごとに変化する。このため、基地局1は、スロットごとに端末2からRSを受信することが望ましい。
図6は、本実施の形態との比較のため、アップリンクの全てのスロットにおいてSC−FDMA方式を用いる場合において、RS用に1つのブロックを割当てた例を示す図である。図6は、基地局1と接続する端末2が1つの場合に、端末2のRS用に1スロットあたり1つのブロックを割当てた例を示している。ハッチングされたブロックがRS用のブロックを示す。図6の例では、1スロットは8ブロックで構成される。なお、基地局1と接続する端末2が1つの場合には、RS用に用いられるブロックは1スロットあたり1つであるが、基地局1と接続する端末2が複数になると、1スロットあたり複数のブロックがRS用に用いられることになる。例えば、基地局1と接続する端末2が4つの場合、1スロットを構成する8ブロックのうち、4ブロックがRS用に用いられることになり、データを伝送するためのブロックが4つとなる。
本実施の形態では、スロット内にRSを送信するために用いられるブロックを1つ以上設け、RSを送信するために用いられるブロックでは、OFDM方式により信号を送信する。以下、SC−FDMA方式により送信される信号をSC−FDMA信号と呼び、OFDM方式により送信される信号をOFDM信号と呼ぶ。また、SC−FDMA信号を送信するブロックをSC−FDMAブロックと呼び、OFDM信号を送信するブロックをOFDMブロックと呼ぶ。
1スロット内の総ブロック数をNBとし、1スロット内のOFDMブロック数をNOとし、1スロット内のSC−FDMAブロック数をNSとすると、NB=NO+NSである。以下、本実施の形態では、NB=5,NO=1,NS=4の例を説明するが、NB,NO,NSの値は、これらに限定されない。
図7は、本実施の形態における各端末2へのリソース割当ての一例を示す図である。図7では、基地局1が端末2−1〜2−4のアップリンクにおける1スロット内のリソースの割当て結果の一例を示している。図7の例では、1スロット内の1番目のブロックを、RSを送信するためのOFDMブロックであるとしている。図7では、各端末2のRS用に割当てられたリソースを、中にpと記載された矩形で示している。
図7に示すように、1スロット内の1番目のOFDMブロックは、帯域5−1〜5−8の8つの周波数帯域で構成される。帯域5−1,5−5は、端末2−1のRS送信用に割り当てられ、帯域5−2,5−6は、端末2−2のRS送信用に割り当てられ、帯域5−3,5−7は、端末2−3のRS送信用に割り当てられ、帯域5−4,5−8は、端末2−4のRS送信用に割り当てられる。また、1スロット内の2番目のブロックであるSC−FDMAブロックは、端末2−1のデータ用に割当てられ、1スロット内の3番目のブロックであるSC−FDMAブロックは、端末2−2のデータ用に割当てられる。また、1スロット内の4番目のブロックであるSC−FDMAブロックは、端末2−3のデータ用に割当てられ、1スロット内の5番目のブロックであるSC−FDMAブロックは、端末2−4のデータ用に割当てられる。
また、データ送信用のリソースの割当て方法については、どのような方法を用いてもよく、例えば、端末2から送信するデータ量が通知されて、通知されたデータ量に応じて端末2にリソースを割当てる方法でもよく、アップリンク通信を行う端末2に均等にリソースを割当てる方法でもよい。端末2から送信するデータ量が通知される方法の場合、基地局1が各端末2へ割り当てるリソースは、各端末2から要求されたデータ量、および空いているリソースによって変わる。リソースの割当て結果を通知する場合、基地局1は、ブロックを指定する場合には、スロット内のブロックの番号により指定することができる。また、OFDMブロック内の帯域を指定する場合、基地局1は、割当てた帯域を例えばキャリア番号等を用いて示す。なお、キャリアとは周波数帯のことを示し、キャリア番号とは周波数帯に対してあらかじめ定められた番号を示す。例えば、LTEなどにおいては、複数キャリアをまとめた単位をリソースブロック(Resource block)と呼ぶ。基地局1は、このリソースブロック単位でOFDMブロック内の帯域を割当て、各端末2に割当てた帯域を、リソースブロック番号を用いて端末2へ通知しても良い。
また、端末2が送信する信号であるRSには、端末2ごとに異なるシンボルを用いてもよいし、端末2間で同じシンボルすなわち同じRSシンボルを用いてもよい。また、図7の例では、端末2ごとに2つの帯域をRS用に割当てているが、端末2は、これら2つの帯域で各々異なるRSシンボルを送信してもよい。例えば、RSシンボルとして、Zadoff-Chu sequenceを用いることができる。なお、前述したとおり、端末2は、RSシンボルをOFDM方式により送信する。
なお、図7は一例であり、1スロット内のOFDMブロック位置、OFDMブロックを構成する各帯域を端末2への割当てる順序は、図7の例に限定されない。例えば、基地局1は、1つの端末2あたり1つの帯域をRS用に割当ててもよく、3つ以上の帯域をRS用に割当ててもよい。また、複数スロット単位でOFDMブロックを設けるようにしてもよい。例えば、複数スロットあたり1つ以上のOFDMブロックを設けるようにしてもよい。すなわち、基地局1は、端末2が、1つ以上のスロットである一定期間ごとに、OFDM伝送を行うOFDMブロックすなわちOFDM伝送期間を設け、OFDM伝送期間以外ではSC−FDMA伝送を行うように、リソースの割当てを行えばよい。
基地局1は、各端末2へRS送信用およびデータ送信用のリソースを割当て、リソースの割当て結果を各端末2へ送信する。基地局1は、リソースの割当てをスロット単位で実施して、スロットごとにダウンリンクにより割当て結果を端末2へ通知してもよいし、リソースの割当てを複数スロット単位で実施して、複数スロットごとにダウンリンクにより割当て結果を端末2へ通知してもよい。リソースの割当ての実施のタイミングおよび割当て結果の通知のタイミングは、これらに限定されず、端末2のアップリンクの送信を行う前に割当て結果が通知されるタイミングであればよい。
図7に示すように、基地局1は、各端末2からの送信信号が送信される周波数または時間が重ならないように各端末2へのリソース割当てを実施する。各端末2は、上述したように、データおよびRSを送信するためのリソースを基地局1より事前に通知されているため、端末2は、互いに周波数および時間のうち少なくとも一方が異なるように送信を行う。図7の例では、例えば、端末2−1は、OFDMブロックを用いたRS送信の直後に、データをSC−FDMA方式により送信し、端末2−3は、OFDMブロックを用いた送信の後2ブロック時間待ってデータをSC−FDMA方式により送信する。また、各端末2から送信されるRSは、帯域が異なっている。
このように、各端末2から送信されるデータおよびRSは、互いに周波数および時間のうち少なくとも一方が異なるため、基地局1がこれらの信号を受信した場合に、各々の信号を分離することができ、また信号間の干渉を避けることができる。また、基地局1は、1スロット内で、複数の端末2からRSを受信することができるため、複数の端末2との間の伝送路のそれぞれについて伝送路の推定を行うことができ、伝送路の推定結果を用いて各端末2から受信した信号を復調することができる。
図7では、OFDMブロックにおいてRSシンボルを送信する例を示したが、OFDMブロックにおいてRSシンボル以外の信号を送信するようにしてもよい。例えば、OFDMブロックの一部の帯域をRS以外の制御信号を送信するために使用してもよい。制御信号としては、例えば、基地局においてアナログビームの指向性を定めるための情報、リソース割り当ての端末から基地局への要求などがある。制御信号の内容および制御信号の送信の有無はスロットごとに変わる可能性があるが、基地局1はあらかじめ制御信号の変化を知ることはできない。このため、例えば、1スロットあたり、制御信号を送信するための帯域をあらかじめ割当てておくことが望ましい。端末2は、送信する制御信号に変化が無い場合、すなわち異なる制御信号の送信を行う必要がない場合、例えば、前回送信した制御信号と同じ内容を制御信号に割当てられた帯域で送信する、または、前回の情報から変化がないことを示すあらかじめ定められた固定の情報を送信するようにしてもよい。また、基地局1は、OFDMブロック内で制御信号を送信するための帯域を割当てるか否かを端末2ごとに決定してもよい。
図8は、制御信号をOFDMブロックで送信する場合のリソース割当ての一例を示す図である。図8の例では、OFDMブロックは、RS用の帯域5−1,5−2,5−4,5−5,5−7,5−8と制御信号用の帯域6−1,6−2で構成される。端末2−1,2−4には、図7の例と同様に、OFDMブロックのうち2つの帯域がRS用に割り当てられる。一方、端末2−2には、OFDMブロックのうち、制御信号用に帯域6−2が割当てられ、RS用に帯域5−2が割り当てられる。また、端末2−3には、OFDMブロックのうち、制御信号用に帯域6−1が割当てられ、RS用に帯域5−7が割り当てられる。
なお、図7,8では、全端末がSC−FDMA方式において同一周波数帯を用いる例を示したが、SC−FDMA方式で用いる周波数帯を複数に分割し、一部の端末に分割した帯域を割当ててもよい。図9は、SC−FDMA方式で用いる周波数帯を分割した帯域を端末に割当てた場合のリソース割当ての一例を示す図である。図9の例では、基地局1は、端末2−1には、SC−FDMA方式で用いる周波数帯を2つに分割したうちの周波数の低い方の帯域を割当て、端末2−2には、周波数の高い方の帯域を割当てている。すなわち、スロット内の2番目のブロックであるSC−FDMAブロックでは、端末2−1と端末2−2とのデータが周波数多重される。この場合にも、RSの送信用に、図7の例と同様にOFDMブロック内の帯域を割当てることができる。端末2−3〜2−5には、SC−FDMA方式で用いる全周波数帯を割当てている。なお、図9では、端末2−1,2−2に周波数上で連続した帯域を割当てたが、非特許文献3に記載されているように、SC−FDMA方式で使用する周波数帯内の分散した帯域を、各端末2に割当てるようにしてもよい。
図10は、本実施の形態の基地局1のスケジューラ15における割当て処理、すなわちリソース割当て処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、スケジューラ15は、各スロット内でリソースを割当てる端末2の数を把握する(ステップS1)。各スロット内でリソース割当てする端末2の数は、例えば、ビーム制御部12から取得する。なお、各スロット内でリソース割当てする端末2は、端末2から取得した端末2の位置と基地局1の位置と1つのアナログビームで指向可能な端末の数の上限値とに基づいて算出する。
例えば、6つの端末2と通信を行う場合に、6つの端末2を1つのアナログビームで照射することができれば、アナログビームの切替えを行わずに6つの端末2を照射するアナログビームを形成することができる。一方、1つのアナログビームで指向可能な端末の数の上限値が5以下である場合、または1つのアナログビームでカバーすることができる範囲外に端末2が存在する場合、基地局1は、アナログビームの切替えを行う。例えば、基地局1は、6つの端末2の位置の幾何中心となる位置を求め、この位置からの距離の最も離れたものを除いた5つを1つのアナログビームで照射可能か否かを判断し、1つのアナログビームで照射可能な場合には、あるスロットでこれら5つの端末2を指向するアナログビームを形成し、次のスロットで残りの1つの端末2を指向するアナログビームを形成する。これらの判断および制御は、ビーム制御部12が実施してもよいし、図示しない他の制御部等が実施してもよい。
次に、スケジューラ15は、ステップS1で把握した端末2、すなわちスロット内でアップリンクのリソースを割当てる端末、から要求されたデータ量と、1スロットを構成するSC−FDMAブロックの数NSとに基づいて、データ用のSC−FDMAブロックを割当てる(ステップS2)。なお、スケジューラ15は、受信部13経由で受信した各端末2からリソース割当て要求に基づいて、各端末2から要求されたデータ量を把握する。この際、図9に示したように、複数の端末2から送信されるデータを1つのSC−FDMAブロックに周波数多重してもよい。例えば、基地局1は、周波数多重の対象となる端末2を予め定めておいてもよいし、要求するデータ量が閾値以下となる端末2が複数存在する場合に、これらの端末2のデータを周波数多重の対象として選択するようにしてもよい。
次に、スケジューラ15は、1スロット内でアップリンクのリソースを割当てる端末2の数に基づいて、OFDMブロックを構成する帯域を端末へ割当てる(ステップS3)。また、この際、スケジューラ15は、OFDMブロックの帯域の割当単位、例えば上述のリソースブロック単位で、端末2ごとに割当てる帯域の数を決定する。例えば、OFDMブロックとして使用可能な周波数帯すなわち直交周波数分割多重伝送で使用可能な周波数帯がNR個のリソースブロックに分割され、スロット内でアップリンクのリソースを割当てる端末2の数がNUEである場合、NR/NUE以下となる最大の整数個のリソースブロックを各端末2へ割当てる。具体的にどのリソースブロックを割当てるかは、例えば、端末2の識別子の若い順、基地局1と接続した時刻が早い順に周波数の高いリソースブロックから順に割当てる等としてもよいし、どのような割当て方法を用いてもよい。また、図7,8,9に示したように、離れた2か所の帯域を割当てる場合には、NUE個のリソースブロックを周波数の高いグループと低いグループとに2分割しておいて、各グループ内で各端末2にRS用の帯域を割当てることができる。RS用の帯域の割当て方法は、これらに限定されず任意の方法を用いることができる。
また、図8に示したように、OFDMブロック内で制御信号用に帯域を割当てる場合には、スケジューラ15は、RS用および制御信号用に上記と同様にOFDMブロック内の帯域を割当てる。なお、どの端末2にOFDMブロック内で制御信号用に帯域を割当てるかについては予め定めておいてもよいし、基地局1が、端末2から要求のあった場合にOFDMブロック内で制御信号用に帯域を割当てるようにしてもよい。
以上のように、スケジューラ15は、一定期間であるスロット内の周波数帯域および送信時間を1つ以上の端末2に対して割当てる上述した割当て処理を実施する。スケジューラ15は、割当て処理では、スロット内に直交周波数分割多重伝送を行う期間すなわちOFDMブロックすなわち直交周波数分割多重伝送期間である第1の伝送期間と、シングルキャリアブロック伝送を行う期間すなわちSC−FDMAブロックとを決定する。そして、スケジューラ15は、1つ以上の端末2からのRSの送信用の送信時間に第1伝送期間を割当て、1つ以上の端末2間で周波数帯域が重複しないよう第1伝送期間におけるRSの送信用の周波数帯域を1つ以上の端末2のそれぞれに割当てる。また、スケジューラ15は、シングルキャリアブロック伝送を行う期間の送信時間および周波数帯域を1つ以上の端末2それぞれにデータの送信用として割当てる。
スケジューラ15は、以上述べた処理をスロット単位で実施して、各スロットのリソースの割当て結果を示す割当て情報を送信部14へ通知する。
割当て情報は、例えば、データ用の割当て結果であるか、RS用の割当て結果であるかまたは制御信号用の割当て結果であるかを示す信号の種別を示す情報である送信信号情報と、該信号に対する割当て結果を示すリソース情報とで構成される。リソース情報は、例えば、スロット内の割当てられたブロックの位置を示す送信タイミング情報と割当てられた帯域を示す使用帯域情報とで構成される。
したがって、例えば、データ用の割当て情報には、送信信号情報としてデータ用の割当て結果であることを示す情報が格納され、リソース情報の送信タイミング情報には端末2に対してデータ用として割当てられたSC−FDMAブロックのスロット内の位置を示す情報が格納され、使用帯域情報には該SC−FDMAブロックを送信するための周波数を示す情報が格納される。また、RS用の割当て情報には、送信信号情報としてRS用の割当て結果であることを示す情報が格納され、リソース情報の送信タイミング情報には端末2に対してRS用として割当てられたOFDMブロックのスロット内の位置を示す情報が格納され、使用帯域情報にはRSを送信するためのOFDMブロック内の帯域を示す情報が格納される。また、制御信号用の割当て情報には、送信信号情報として制御信号用の割当て結果であることを示す情報が格納され、リソース情報の送信タイミング情報には端末2に対して制御信号用として割当てられたOFDMブロックのスロット内の位置を示す情報が格納され、使用帯域情報には制御信号を送信するためのOFDMブロック内の帯域を示す情報が格納される。
送信部14は、各端末2へ割当て処理による割当て結果すなわち割当て情報を制御信号として送信する。なお、上述したように、基地局1は、リソースの割当て処理および割当て結果の通知を、スロットごとに実施してもよいし、複数スロット単位で行ってもよい。
次に、本実施の形態の構成および動作の詳細を説明する。図11は、本実施の形態の端末2の送信部22の構成例を示す図である。図11に示すように、送信部22は、データ生成部201、DFT部202、補間部203、周波数上配置部204、IDFT部205、CP付加部206、RS生成制御情報生成部207(既知信号生成部)、補間部208、周波数上配置部209、IDFT部210、CP付加部211および切り替え装置212を備える。データ生成部201、DFT部202、補間部203、周波数上配置部204、IDFT部205およびCP付加部206は、データに基づいて、SC−FDMA信号すなわちシングルキャリアブロック伝送により送信される第1の信号を生成する第1の信号生成部24を構成する。RS生成制御情報生成部207、補間部208、周波数上配置部209、IDFT部210およびCP付加部211は、既知信号であるRSに基づいて、OFDM信号すなわち直交周波数分割多重伝送により送信される第2の信号を生成する第2の信号生成部25を構成する。
データ生成部201は、データを生成する。具体的には、データ生成部201は、送信するデータを変調したデータ信号を生成する。例えば、データ生成部201は、PSK(Phase Shift Keying)により変調された信号であるPSK信号、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)により変調された信号であるQAM信号等を生成する。
DFT部202は、データ生成部201から出力されるデータ信号にDFT処理を施すことによりデータ信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号を出力する。すなわち、DFT部202は、データを周波数領域信号に変換して出力する時間周波数変換部である。なお、DFT部202の替わりに、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する任意の構成要素を用いることができ、例えば、DFT部202の替わりにFFT(Fast Fourier Transform)を行うFFT部を用いてもよい。
補間部203は、DFT部202から出力される周波数領域信号に対して補間処理を実施する。この補間処理は、例えば、「B.Porat,“A Course in Digital Signal Processing”,John Wiley and Sons Inc.,1997」に記載されている信号補間式等を用いてオーバサンプリング処理(サンプリングレートを上げる、すなわちサンプリング間隔を細かくする処理)を行い、入力される信号に対し、1シンボルあたりのサンプリング点がL個となるようオーバサンプリングを行う。なお、Lは、補間処理後のサンプリングレートの補間前のサンプリングレートに対する比、すなわちオーバサンプリングレートである。この補間処理は、具体的には、DFT部202により周波数領域信号に対して0挿入を行う処理である。すなわち、補間部203は、補間処理後のサンプリングレートに対応する周波数に対応する部分まで0を挿入する。DFT部202から出力される周波数領域信号がNDFT点ある場合、合計の点数がL×NDFT点となるよう0挿入を実施する。なお、補間処理におけるオーバサンプリングレートは1でもよい、すなわち端末2が補間部203を備えなくてもよい。
周波数上配置部204は、制御信号生成部213からの指示に基づいて、補間部203から出力された信号を周波数軸上に配置し、IDFT部205へ出力する。IDFT部205は、周波数上配置部204から出力された信号にIDFT処理を施すことにより、周波数上配置部204から出力された信号を時間領域信号に変換して出力する。すなわち、IDFT部205は、周波数領域信号を時間領域信号に変換して出力する第1の周波数時間変換部である。なお、IDFT部205の替わりに、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する任意の構成要素を用いることができ、例えば、IDFT部205の替わりにIFFTを行うIFFT部を用いてもよい。
CP(Cyclic Prefix)付加部206は、IDFT部205から出力された信号にCPを付加する。すなわち、CP付加部206は、IDFT部205から出力された信号にCPを付加して第1の信号として切り替え装置212へ出力する第1のCP付加部である。具体的には、CP付加部206は、IDFT部205から出力された信号の最後のNCP個のデータを複製し、複製したデータをIDFT部205から出力された信号の先頭に付加して、切り替え装置212へ出力する。以上の処理により、データ生成部201により生成された信号はSC−FDMA信号となり、切り替え装置212に入力される。
RS生成制御情報生成部207は、既知信号を生成する既知信号生成部であり、既知信号であるRSを生成して補間部208へ出力する。補間部208は、補間処理を行い、補間処理後の信号を周波数上配置部209へ出力する。補間処理は、補間部203における補間処理と同様に具体的には例えば0挿入処理である。なお、補間処理におけるオーバサンプリングレートは1でもよい。すなわち端末2が補間部208を備えなくてもよい。
周波数上配置部209は、制御信号生成部213からの指示に基づいて、補間部208から出力された信号を周波数軸上に配置し、IDFT部210へ出力する。すなわち、周波数上配置部209は、自装置からのRSの送信用に割当てられた周波数帯域にRSを配置する。IDFT部210は、周波数上配置部209から出力された信号にIDFT処理を施すことにより、周波数上配置部209から出力された信号を時間領域信号に変換して出力する。すなわち、IDFT部210は、周波数上配置部209から出力された信号を時間領域信号に変換する第2の周波数時間変換部である。なお、IDFT部210の替わりに、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する任意の構成要素を用いることができ、例えば、IDFT部210の替わりにIFFTを行うIFFT部を用いてもよい。
CP付加部211は、IDFT部210から出力された信号にCPを付加する。すなわち、CP付加部211は、IDFT部210から出力された信号にCPを付加して第2の信号として切り替え装置212へ出力する第2のCP付加部である。具体的には、CP付加部211は、IDFT部210から出力された信号の最後のNCP個のデータを複製し、複製したデータをIDFT部210から出力された信号の先頭に付加して、切り替え装置212へ出力する。以上の処理により、RS生成制御情報生成部207により生成されたRSはOFDM信号となり、切り替え装置212に入力される。
また、制御信号をOFDMブロックで送信する場合には、制御信号生成部213の指示により、RS生成制御情報生成部207は、RSシンボルとともに、制御信号として送信する制御情報を生成して補間部208へ出力する。補間部208は、RSシンボルと制御情報とに対して補間処理を行う。周波数上配置部209は、制御信号生成部213の指示により、RSシンボルに対応するデータと制御情報に対応するデータとを周波数軸上に配置する。すなわち、第2の信号生成部25は、制御信号に基づいて、第2の信号を生成し、制御信号生成部213は、第1伝送期間では、直交周波数分割多重伝送で使用可能な周波数帯のうち自装置からの制御信号の送信用に割当てられた周波数帯域に制御信号が配置されるよう第2の信号生成部25を制御する。
制御信号生成部213は、受信部23経由で基地局1から受信した信号に基づいて、送信タイミング情報、使用帯域情報および送信信号情報を把握する。送信タイミング情報、使用帯域情報は、上述したように基地局1により割り当てられたリソースを示すものである。制御信号生成部213は、データ用の使用帯域情報を周波数上配置部204へ指示し、RS用の使用帯域情報を周波数上配置部209へ指示し、制御信号用の使用帯域情報を周波数上配置部209へ指示する。また、制御信号生成部213は、データ用の送信タイミング情報とRS用の送信タイミング情報に基づいて、データ生成部201にデータの生成を指示し、RS生成制御情報生成部207へ、RSまたはRSおよび制御情報の生成を指示する。また、制御信号生成部213は、データ用の送信タイミング情報とRS用の送信タイミング情報とに基づいて、切り替え装置212へ、切り替え装置212から出力する信号の切替えを指示する。制御信号生成部213は、制御信号用のリソース情報が基地局1から通知されている場合には、RS生成制御情報生成部207へ制御情報の生成を指示し、制御信号用のリソース情報が基地局1から通知されていない場合には、データ生成部201へ制御情報の生成を指示する。データ生成部201は、制御信号生成部213から制御情報の生成を指示された場合には、制御情報を生成し、制御情報を変調してDFT部202へ出力する。また、制御信号とデータとの両方を混在させてDFT部202へ出力してもよい。
制御信号生成部213は、OFDMブロックすなわち第1伝送期間では、直交周波数分割多重伝送で使用可能な周波数帯のうち自装置からのRSの送信用に割当てられた周波数帯域にRSが配置されるよう第2の信号生成部25を制御する制御部である。
切り替え装置212は、制御信号生成部213からの指示に基づいて、CP付加部206から出力されたSC−FDMA信号とCP付加部211から出力されるOFDM信号とのうちいずれか一方を選択してアンテナ21へ出力する。すなわち、切り替え装置212は、第1の信号および第2の信号が入力され、第1伝送期間では第2の信号を選択して出力し、SC−FDMAブロックのうち自装置のデータ用に割当てられた期間である第2伝送期間では第1の信号を選択して出力する。図3に示したアンテナ21は、切り替え装置212から出力された信号を送信する。第1伝送期間は、上述のようにOFDMブロックである。第2伝送期間は、端末2が、自装置を含む1つ以上の端末2に対してリソース割り当てを行う装置である基地局1により、一定期間であるスロットのうち第1の伝送期間を除いた期間である第3の伝送期間において自装置からのデータの送信用として割り当てられた期間である。具体的には、図7の例では、第1伝送期間は、一定期間であるスロット内の1番目のブロックであり、第3の伝送期間は2番目から5番目までのブロックすなわち4つのSC−FDMAブロックである。また、例えば、端末2−1の第2伝送期間は、スロット内の2番目のブロックである。
次に、端末2のハードウェア構成について説明する。図3に示した端末2を構成するアンテナ21は、アンテナであり、送信部22は、送信機であり、受信部23は受信機である。図11に示した送信部22を構成する各構成要素は、全てがハードウェアである処理回路として構成されてもよいし、一部または全部がソフトウェアにより実現されてもよい。
図11に示した構成要素のうちソフトウェアにより実現されるものがある場合、ソフトウェアにより実現される構成要素は、例えば、図12に示す制御回路により実現される。図12に示す制御回路400は、外部から入力されたデータを受信する受信部である入力部401と、プロセッサ402と、メモリ403と、データを外部へ送信する送信部である出力部404とを備える。入力部401は、制御回路400の外部から入力されたデータをプロセッサに与えるインターフェース回路であり、出力部404は、プロセッサ又はメモリからのデータを制御回路400の外部に送るインターフェース回路である。図11に示す構成要素のうち少なくとも一部が、図12に示す制御回路400により実現される場合、プロセッサ402がメモリ403に記憶された、ソフトウェアにより実現される送信部22の各々の構成要素に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ403は、プロセッサ402が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
また、図11に示す構成要素が、ハードウェアとして実現される場合、これらの構成要素は図13に示す電子回路500により実現される。図13に示すように電子回路500は、外部から入力されたデータを受信する受信部である入力部501と、処理回路502と、メモリ503と、データを外部へ送信する送信部である送信処理部504とを備える。入力部501は、外部から入力されたデータを処理回路502に与えるインターフェース回路であり、送信処理部504は、処理回路502又はメモリ503からのデータを外部に送るインターフェース回路である。図11に示す構成要素が電子回路500により実現される場合、処理回路502はそれぞれの構成要素に対応する1つ以上の処理回路を備える。また、メモリ503は、処理回路502が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
次に、送信部22における送信処理について説明する。図14は、本実施の形態の送信部22における送信処理手順の一例を示す図である。送信部22は、スロット、すなわち送信スロットの先頭を探知する(ステップS11)。例えば、基地局1は、端末2に対して、送信スロットの先頭位置を決定することが可能な情報を制御信号として送信しているとする。端末2の制御信号生成部213は、この情報に基づいて送信スロット先頭となる時刻を求め、該時刻を送信スロットの先頭として探知する。なお、受信部23において基地局1からの信号を受信してスロットのタイミングを検出し、検出結果をもとに送信部22で探知してもよい。
次に、送信部22は、基地局1から受信した制御信号を参照し、OFDMブロックを用いてRSを送信する(ステップS12)。具体的には、制御信号生成部213は、基地局1から受信した制御信号を参照してRS用のリソースの割当て結果を把握し、割当て結果に基づいてRSを送信するよう、RS生成制御情報生成部207、周波数上配置部209および切り替え部212を制御する。上述したように、RS生成制御情報生成部207は、制御信号生成部213から指示されたタイミングでRSを生成する。生成されたRSは、補間部208、周波数上配置部209、IDFT部210、CP付加部211を経由して切り替え装置212に入力される。切り替え装置212は、制御信号生成部213から指示されたタイミングでCP付加部211から入力された信号を、アンテナ21を介して送信する。
次に、送信部22は、基地局1から受信した制御信号を参照し、SC−FDMAブロックを用いデータを送信する(ステップS13)。具体的には、制御信号生成部213は、基地局1から受信した制御信号を参照してデータ用のリソースの割当て結果を把握し、割当て結果に基づいてデータを送信するよう、データ生成部201、周波数上配置部204および切り替え部212を制御する。上述したように、データ生成部201は、制御信号生成部213から指示されたタイミングでデータを生成する。生成されたデータは、DFT部202、補間部203、周波数上配置部204、IDFT部205、CP付加部206を経由して切り替え装置212に入力される。切り替え装置212は、制御信号生成部213から指示されたタイミングでCP付加部206から入力された信号を、アンテナ21を介して送信する。
次に、送信部22の制御信号生成部213は、送信スロットの末尾まで待ち(ステップS14)、自端末からのデータの送信が終了したか否かを判断する(ステップS15)。自端末からのデータの送信が終了した場合(ステップS15 Yes)、処理を終了する。自端末からのデータの送信が終了していない場合(ステップS15 No)、ステップS11へ戻り、次の送信スロットの送信処理を開始する。
次に、基地局1の受信部13の構成および受信処理について説明する。図15は、本実施の形態の受信部13の構成例を示す図である。図15に示すように、受信部13は、同期処理部101、CP除去部102、DFT部103、等化処理部104、伝送路推定部105および復調処理部106を備える。
同期処理部101は、アンテナ11およびビーム制御部12を介して受信した受信信号がOFDM信号であるかSC−FDMA信号であるかを判別し、同期処理を実施する。また、同期処理部101は、受信信号がOFDM信号であるかSC−FDMA信号であるかの判別結果をCP除去部102、DFT部103、伝送路推定部105および復調処理部106へ入力する。さらに、同期処理部101は、スケジューラ15から取得したリソースの割当て結果に基づいて、OFDM信号の周波数帯域と割当てられた端末2との対応を把握し、該対応を伝送路推定部105へ通知する。また、OFDM信号で制御信号も送信する場合には、同期処理部101は、上記の対応に、帯域ごとの制御信号であるかRSであるかを示す情報も含める。CP除去部102は、同期処理部101から入力された判別結果に基づいて、CPを除去する。CP除去部102は、判別結果がOFDM信号である場合、OFDM信号に対して付加されたCPを除去し、判別結果がSC−FDMA信号である場合、SC−FDMA信号に対して付加されたCPを除去する。なお、OFDM信号およびSC−FDMA信号にそれぞれ付加されるCPの個数は、あらかじめ定められているとする。
DFT部103は、CP除去部102によりCPが除去された後の信号に対してDFT処理を施すことにより、CP除去部102によりCPが除去された後の信号を周波数領域信号に変換し伝送路推定部105および等化処理部104へ入力する。また、DFT部103は、端末2において補間処理として0挿入がなされている場合、0挿入と逆の処理、すなわち0が挿入された部分を削除する処理を実施する。0挿入の位置および0挿入の個数は、OFDM信号とSC−FDMA信号とで異なる場合があるので、DFT部103は、入力された判別結果に応じて0挿入と逆の処理を実施する。伝送路推定部105は、入力された信号に基づいて伝送路推定処理を実施する。伝送路推定処理は、伝送路におけるインパルス応答である伝送路推定値を算出する処理である。伝送路推定処理は周波数領域において実施しても良い。また、RSを用いて伝送路推定を行う場合、伝送路推定部105は、SC−FDMA信号と該SC−FDMA信号の送信元の端末から送信されたRSとを対応付けて、伝送路推定を行い、伝送路推定値を等化処理部104へ出力する。
等化処理部104は、伝送路推定部105により得られた伝送路推定値とDFT部103から入力された信号とに基づいて、周波数領域での等化処理を実施する。なお、周波数領域の等化処理は、周波数領域における歪補正用に用いられる処理であり、最小平均二乗誤差(MMSE)規範の等化処理等どのような方法を用いてもよいが、例えば、非特許文献1に記載されている手法を用いることができる。
復調処理部106は、等化処理後の信号を復調する。また、復調処理部106は、同期処理部101から入力された判別結果が、SC−FDMA信号である場合、等化処理後の信号に対してIDFT処理を実施した後に復調を行う。
次に、基地局1のハードウェア構成について説明する。図2に示した基地局1を構成するアンテナ11は、アンテナであり、送信部14は、送信機であり、受信部13は受信機である。ビーム制御部12および図15に示した受信部13を構成する各構成要素は、全てがハードウェアである処理回路として構成されてもよいし、一部または全部がソフトウェアにより実現されてもよい。
ビーム制御部12および図15に示した受信部13を構成する各構成要素のうちソフトウェアにより実現されるものがある場合、ソフトウェアにより実現される構成要素は、例えば、図12に示す制御回路400により実現される。ビーム制御部12および図15に示した受信部13を構成する各構成要素のうち少なくとも一部がソフトウェアにより実現される場合、プロセッサ402がメモリ403に記憶された、これらの構成要素に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ403は、プロセッサ402が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
また、ビーム制御部12および図15に示した受信部13を構成する各構成要素が、ハードウェアとして実現される場合、これらの構成要素は例えば図16に示す電子回路600により実現される。図16に示すように電子回路600は、外部から入力されたデータを受信する受信部である受信装置601と、処理回路602と、メモリ603と、データを外部へ送信する送信部である出力部604を備える。受信装置601は、外部から入力されたデータを処理回路602に与えるインターフェース回路であり、出力部604は、処理回路602又はメモリ603からのデータを外部に送るインターフェース回路である。電子回路600により実現される構成要素がある場合、処理回路602はそれぞれの構成要素に対応する1つ以上の処理回路を備える。また、メモリ603は、処理回路602が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
図17は、本実施の形態の基地局1の受信部13における受信処理手順の一例を示すフローチャートである。受信部13は、スロットカウンタであるnの値を初期値に設定する、すなわちnを初期化する(ステップS21)。初期値は例えば0である。具体的には、同期処理部101が、nの値を初期化する。
次に、受信部13の同期処理部101は、スケジューラ15からスロットごとのリソースの割当て結果を取得し、割当て結果に基づいて、アンテナ11およびビーム制御部12経由で受信した信号がOFDM信号であるかSC−FDMA信号であるかの判別、すなわち信号種別の判別を行い、OFDM信号を検出する(ステップS22)。判別処理の後、受信部13は、同期処理を実施し、伝送路推定および等化処理を行う(ステップS23)。具体的には、同期処理部101が同期処理を実施し、伝送路推定部105が伝送路推定を行い、等化処理部104が等化処理を行う。
次に、受信部13の復調処理部106は、端末2ごとのSC−FDMA信号を復調する(ステップS24)。次に、復調処理部106は、該スロットで送信を行った全ての端末2の復調を行ったか否かを判断し(ステップS25)、該スロットで送信を行った全ての端末2の復調を行った場合(ステップS25 Yes)、スロットカウンタであるnの値をn+1に更新し(ステップS26)、ステップS22へ戻る。該スロットで送信を行った端末2のうちデータの復調を行っていない端末2がある場合(ステップS25 No)、処理対象の端末2を変更してステップS24を実施する。
次に、ビーム制御部12におけるビーム制御処理について説明する。ビーム制御処理は、プリコーディング行列と呼ばれる行列を乗算することにより、アナログビームを形成する処理である。プリコーディング行列としては、例えば、所望の方向、すなわち端末2の存在する方向等のビーム出力を大きくし、所望の方向以外の出力を小さくするようアンテナウエイトを算出するための行列である。このようなプリコーディング行列を用いるビーム制御としては、例えば、ブロック対角化法等を用いることができる。ビーム制御処理は、これに限らずどのような方法を用いてもよい。
なお、以上述べた基地局1におけるリソースの割当て手順、割当てたリソースの端末2への通知方法、端末2における基地局1から通知されたリソースの割当て結果を反映した送信の実現方法は一例であり、図7〜図9に例示したように、端末2がOFDMブロックによりRSを送信し、SC−FDMAブロックでのデータの送信することができる方法であれば上述した例に限定されず、どのような方法を用いてもよい。
また、本実施の形態では、端末2のアンテナの数を1としたが、端末2のアンテナの数は複数であってもよい。
以上のように、本実施の形態では、端末2からの送信に用いるスロット内にOFDMブロックを設け、端末2は、RSをOFDMブロックで送信し、データをSC−FDMAブロックで送信するようにした。このため、伝送効率の劣化を抑制しつつ、複数の端末2からRSを送信することができる。
実施の形態2.
図18は、本発明にかかる実施の形態2の端末2aの構成例を示す図である。本実施の形態の通信システムの構成は、実施の形態1の端末2を端末2aに替える以外は実施の形態1の通信システムと同様である。基地局1の構成は実施の形態1と同様であり、基地局1の動作は、等化処理部104が、後述するポストコーディング処理を行う以外は、実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分について説明する。
図18に示すように、端末2aは、アンテナ21−1〜21−K、送信部22aおよび受信部23aを備える。Kは2以上の整数である。受信部23aは、アンテナ21−1〜21−Kのうちの少なくとも1つにより受信された信号に対して受信処理を行う受信機である。なお、端末2aは、アンテナ21−1〜21−Kとは別に受信アンテナを備え、受信部23aは、受信アンテナにより受信した信号に対して受信処理を行ってもよい。アンテナ21−1〜21−Kのうち複数のアンテナ21−1〜21−Kで信号を受信した場合、信号を受信したアンテナ21−1〜21−Kのうちの1つを選択し、選択したアンテナで受信した信号に対して受信処理を行ってもよいし、複数のアンテナ21−1〜21−Kで受信した信号を合成してもよい。
図19は、本実施の形態の端末2aの送信部22aの構成例を示す図である。図19に示すように、送信部22aは、データ生成部201−1〜201−M、DFT部202−1〜202−M、プリコーディング(Precoding)部214、補間部203−1〜203−K、周波数上配置部204−1〜204−K、IDFT部205−1〜205−K、CP付加部206−1〜206−K、RS生成制御情報生成部207−1〜207−M(既知信号生成部)、プリコーディング部215、補間部208−1〜208−K、周波数上配置部209−1〜209−K、IDFT部210−1〜210−K、CP付加部211−1〜211−K、切り替え装置212aおよび制御信号生成部213aを備える。Mは、2以上の整数である。
データ生成部201−1〜201−M、DFT部202−1〜202−M、プリコーディング部214、補間部203−1〜203−K、周波数上配置部204−1〜204−K、IDFT部205−1〜205−KおよびCP付加部206−1〜206−Kは、データに基づいて、SC−FDMA信号すなわちシングルキャリアブロック伝送により送信される第1の信号を生成する第1の信号生成部24aを構成する。RS生成制御情報生成部207−1〜207−M、プリコーディング部215、補間部208−1〜208−K、周波数上配置部209−1〜209−K、IDFT部210−1〜210−KおよびCP付加部211−1〜211−Kは、既知信号であるRSに基づいて、OFDM信号すなわち直交周波数分割多重伝送により送信される第2の信号を生成する第2の信号生成部25aを構成する。
実施の形態1では、各端末2が送信するストリームの数が1の例を説明したが、本実施の形態の端末2aは、M個のストリームの伝送を行うマルチストリーム伝送を行う。ストリームは、送信信号を生成する単位であり、例えば、ストリームごとに変調方式などを変えることもできる。以下、データ生成部201−m(m=1,2,…,M)により生成され、DFT部202−mによりDFT処理された信号を、適宜m番目のストリームの信号と呼ぶ。
図20は、本実施の形態のマルチストリーム伝送の一例を示す図である。基地局1のスケジューラ15は、実施の形態1と同様に、スロット内にOFDMブロックを設け、OFDMブロックの帯域をRSシンボル用に割当てている。図20の例では、スロットの1番目のブロックをOFDMブロックとし、スロットの2番目のブロックであるSC−FDMAブロックが本実施の形態の端末2aのうちの1つである端末2a−1に割当てられている。端末2a−1は、端末2a−1に割当てられたSC−FDMAブロックでデータを送信する。このとき、図20に示すように、複数のストリームの信号にプリコーディング処理を実施して、複数のアンテナから送信する。これにより、同一の時間および周波数リソースを用いて複数のストリームの信号を空間多重することができる。
図19の説明に戻り、データ生成部201−1〜201−Mは、各々が送信するストリームのデータを変調したデータ信号を生成する。例えば、データ生成部201−1〜201−Mは、PSKにより変調された信号であるPSK信号、QAMにより変調された信号であるQAM信号等を生成する。データ生成部201−1〜201−Mが生成するデータ信号は、互いに異なっていてもよいし同一であってもよい。
DFT部202−1〜202−Mは、データ生成部201−1〜201−Mからそれぞれ出力されるデータ信号にそれぞれDFT処理を施すことによりデータ信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号を出力する。
プリコーディング部214は、DFT部202−1〜202−Mから出力される信号に対してプリコーディング行列を乗算する。具体的には、次のような処理を実施する。DFT部202−1〜202−Mが施すDFT処理の出力点数をNとする。すなわち、DFT部202−1〜202−Mは、それぞれNポイントDFT処理を実施するとする。プリコーディング部214は、DFT部202−mから出力される信号、すなわちm番目のストリームの信号のN点のデータのうちn番目のデータをsm,nとする。また、Kは、上述の通り端末2aのアンテナの数である。zk,nは、k(k=1,2,…,K)番目のアンテナから送信される信号であり補間部203−kに出力されるn(n=1,2,…,N)番目のデータである。P(太字)nは、サイズがK×Mのプリコーディング行列である。このとき、プリコーディング部214が行うプリコーディング処理は、以下の式(1)で表すことができる。
P(太字)nはnごとに異なっていてもよい。nは周波数のインデックスであるため、伝送路特性において周波数選択性が存在する場合にはP(太字)nをnごとに変える必要がある。P(太字)nは、例えば、あらかじめ定めておいてもよいし、端末2aと基地局1との間の伝送路推定値に基づいて変更してもよい。この場合、例えば、端末2aと基地局1との間の伝送路推定値は、基地局1が端末2aから受信した信号に基づいて算出することができるため、この伝送路推定値を基地局1から取得する。以上のように、プリコーディング部214は、DFT部202−1〜202−Mから出力されたM個の周波数領域信号をアンテナ21−1〜21−Kにそれぞれ対応するK個の信号に変換するための第1のプリコーディング処理を実施する第1のプリコーディング部である。
補間部203−1〜203−Kは、プリコーディング部214から出力される信号に対してそれぞれ補間処理を実施する。この補間処理は、実施の形態1の補間部203における補間処理と同様であり、例えば、0挿入処理である。
周波数上配置部204−1〜204−Kは、制御信号生成部213aからの指示に基づいて、補間部203−1〜203−Kから出力された信号をそれぞれ周波数軸上に配置し、IDFT部205−1〜205−Kへ出力する。
IDFT部205−1〜205−Kは、周波数上配置部204−1〜204−Kからそれぞれ出力された信号にIDFT処理を施すことにより、周波数上配置部204−1〜204−Kから出力された信号を時間領域信号に変換して出力する。
CP付加部206−1〜206−Kは、IDFT部205−1〜205−Kから出力された信号にそれぞれCPを付加して、切り替え装置212aへ出力する。以上の処理により、データ生成部201−1〜201−Kにより生成された信号は、それぞれSC−FDMA信号となり、切り替え装置212aに入力される。
RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mは、RSシンボルを生成してプリコーディング部215へ出力する。RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mが生成するRSシンボルは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。RSシンボルがストリームごとに異なる場合には、基地局1は、伝送路推定処理においてどのRSシンボルが送信されたかを知る必要があるため、基地局1にストリームごとにどのRSシンボルが送信されるかが設定されているとする。
プリコーディング部215は、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mから出力される信号に対して、プリコーディング処理を実施して補間部208−1〜208−Kへ出力する。プリコーディング部215が行うプリコーディング処理は、プリコーディング部214が実施するプリコーディング処理と同様である。プリコーディング部215は、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mから出力されるM個の既知信号をアンテナ21−1〜21−Kにそれぞれ対応するK個の信号に変換するための第2のプリコーディング処理を実施する第2のプリコーディング部である。
補間部208−1〜208−Kは、補間処理を行い、補間処理後の信号を周波数上配置部209−1〜209−Kへ出力する。補間部208−1〜208−Kが行う補間処理は、補間部203−1〜203−Kにおける補間処理と同様であり、例えば0挿入処理である。周波数上配置部209−1〜209−Kは、制御信号生成部213aからの指示に基づいて、補間部208−1〜208−Kから出力された信号をそれぞれ周波数軸上に配置し、IDFT部210−1〜210−Kへ出力する。
IDFT部210−1〜210−Kは、周波数上配置部209−1〜209−Kから出力された信号にIDFT処理を施すことにより、周波数上配置部209−1〜209−Kから出力された信号を時間領域信号に変換して出力する。
CP付加部211−1〜211−Kは、IDFT部210−1〜210−Kから出力された信号にそれぞれCPを付加する。以上の処理により、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Kにより生成されたRSシンボルはOFDM信号となり、切り替え装置212aに入力される。また、制御信号をOFDMブロックで送信する場合には、制御信号生成部213aの指示により、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mは、RSシンボルとともに、制御信号として送信する制御情報を生成して補間部208−1〜208−Kへ出力する。補間部208−1〜208−Kは、RSシンボルと制御情報とに対して補間処理を行う。周波数上配置部209−1〜209−Kは、制御信号生成部213aの指示により、RSに対応するデータと制御情報に対応するデータとを周波数軸上に配置する。すなわち、周波数上配置部209−1〜209−Kは、第2のプリコーディング処理後の信号を自装置からのRSの送信用に割当てられた周波数軸上に配置する。
制御信号生成部213aは、実施の形態1と同様に、受信部13経由で基地局1から受信した信号に基づいて、送信タイミング情報、使用帯域情報および送信信号情報を把握する。送信タイミング情報、使用帯域情報は、上述したように基地局1により割り当てられたリソースを示すものである。制御信号生成部213aは、データ用の使用帯域情報を周波数上配置部204−1〜204−Kへ指示し、RS用の使用帯域情報を周波数上配置部209−1〜209−Kへ指示し、制御信号用の使用帯域情報を周波数上配置部209−1〜209−Kへ指示する。また、制御信号生成部213aは、データ用の送信タイミング情報とRS用の送信タイミング情報に基づいて、データ生成部201−1〜201−Mにデータの生成を指示し、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mへ、RSまたはRSおよび制御情報の生成を指示する。
制御信号生成部213aは、OFDMブロックすなわち第1伝送期間では、直交周波数分割多重伝送で使用可能な周波数帯のうち自装置からのRSの送信用に割当てられた周波数帯域にRSが配置されるよう第2の信号生成部25aを制御する制御部である。
また、制御信号生成部213aは、データ用の送信タイミング情報とRS用の送信タイミング情報に基づいて、切り替え装置212aへ出力する信号の切替えを指示する。制御信号生成部213aは、制御信号用のリソース情報が基地局1から通知されている場合には、RS生成制御情報生成部207−1〜207−Mへ制御情報の生成を指示し、制御信号用のリソース情報が基地局1から通知されていない場合には、データ生成部201−1〜201−Mへ制御情報の生成を指示する。データ生成部201−1〜201−Mは、制御信号生成部213から制御情報の生成を指示された場合には、制御情報を生成し、制御情報を変調してDFT部202−1〜202−Mへ出力する。また、制御信号とデータとの両方を混在させてDFT部202−1〜202−Mへ出力してもよい。
切り替え装置212aは、制御信号生成部213aからの指示に基づいて、CP付加部206−1〜206−Kから出力されたSC−FDMA信号とCP付加部211−1〜211−Kから出力されるOFDM信号とのうちいずれか一方を選択してアンテナ21−1〜21−Kへそれぞれ出力する。すなわち、切り替え装置212aは、第1の信号および第2の信号が入力され、第1伝送期間では第2の信号を選択して出力し、SC−FDMAブロックのうち自装置のデータ用に割当てられた期間である第2伝送期間では第1の信号を選択して出力する。図18に示したアンテナ21−1〜21−Kは、切り替え装置212aから出力された信号を送信する。
以上のように、送信部22aにより、送信するデータおよびRSにプリコーディング処理が施される。各プリコーディング処理におけるプリコーディング行列はデータとRSとで異なっても良い。本実施の形態では同一の時間および周波数リソースを用いて、複数のストリームの信号が空間多重伝送される。
図19に示した送信部22aを構成する各構成要素は、全てがハードウェアである処理回路として構成されてもよいし、一部または全部がソフトウェアにより実現されてもよい。
図19に示した構成要素のうちソフトウェアにより実現されるものがある場合、ソフトウェアにより実現される構成要素は、例えば、図12に示す制御回路400により実現される。図19に示した構成要素のうちソフトウェアにより実現されるものがある場合、プロセッサ402がメモリ403に記憶された、送信部22aのソフトウェアにより実現される各々の構成要素に対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ403は、プロセッサ402が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
また、図19に示す構成要素が、ハードウェアとして実現される場合、これらの構成要素は図13に示す電子回路500により実現される。図19に示す構成要素が電子回路500により実現される場合、処理回路502はそれぞれの構成要素に対応する1つ以上の処理回路を備える。また、メモリ503は、処理回路502が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
基地局1の動作は、等化処理部104が、ポストコーディング処理を実施する以外は、実施の形態1と同様である。ポストコーディング処理は、受信信号にポストコーディング行列をQ(太字)nを乗算する処理である。ポストコーディング行列Q(太字)nは、上述したプリコーディング行列をP(太字)nとし、伝送路行列H(太字)nとするとき、例えばP(太字)nH(太字)nQ(太字)nが、ブロック対角化行列となるように定められる。
以上のように、本実施の形態では、端末2aが複数のストリームの信号をプリコーディング処理により空間多重して送信する場合に、実施の形態1と同様に、OFDMブロックでRSを送信するようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、同一の時間および周波数リソースを用いて、複数のストリームの信号を空間多重伝送することができる。
実施の形態3.
図21は、本発明にかかる実施の形態3の通信システムの構成例を示す図である。図21に示すように、本実施の形態の通信システムは、基地局1aと端末2−1〜2−5で構成される。端末2−1〜2−5は、実施の形態1の端末2と同様である。以下、実施の形態1と異なる部分について説明を行い、実施の形態1と重複する説明を省略する。
基地局1aは、実施の形態1の基地局1と同様に、アナログビームを形成する。基地局1aは、同時に複数のアナログビームを形成可能である。同一のアナログビーム内に複数の端末2が存在する場合、実施の形態1で述べたように、これらの端末2には、アップリンクにおいてスロットの時間および周波数のうち少なくとも一方が異なるように、リソースが割り当てられる。これに対し、基地局1が同時に形成するアナログビームである第1のアナログビームと第2のアナログビームとが隣接するように送信された場合、アナログビーム単位でスロットのリソース割当てがなされると、第1のアナログビーム7−1の照射の対象となる端末2が送信した信号が第2のアナログビーム7−2の照射の対象となる端末2に対する干渉信号となる可能性がある。同様に、第2のアナログビーム7−2の照射の対象となる端末2が送信した信号が第1のアナログビーム7−1の照射の対象となる端末2に対する干渉信号となる可能性がある。このように隣接するアナログビームにより生じる干渉をビーム間干渉と呼ぶ。ビーム間干渉は、特にアナログビームの端で生じる可能性が高い。
図21の例では、第1のアナログビーム7−1により照射される端末2−1から送信された信号と、第2のアナログビーム7−2により照射される端末2−5から送信される信号との間で干渉が生じる可能性がある。
本実施の形態では、ビーム間干渉を避けるため、隣接するすなわち距離が一定値以内にあり、かつ同時に異なるアナログビーム内に存在する端末2が存在する場合、これらの端末2から送信される信号が干渉しないように、端末2へリソースを割当てる。
図22は、本実施の形態のリソース割当ての一例を示す図である。図22に示すように、本実施の形態では、第1のアナログビーム7−1により照射される端末2−1と第2のアナログビーム7−2により照射される端末2−5との送信が、時間および周波数のうち少なくとも一方が異なるように、アップリンクのリソースを割当てる。図22の例では、スロット内の2番目のブロックであるSC−FDMAブロックが端末2−5のデータ用に割り当てられ、スロット内の3番目のブロックであるSC−FDMAブロックが端末2−1のデータ用に割り当てられている。また、図22の例では、スロット内の1番目のブロックであるOFDMブロック内の異なる帯域が端末2−1と端末2−5とに割当てられている。
図23は、本実施の形態の基地局1aの構成例を示す図である。基地局1aは、スケジューラ15の替わりにスケジューラ15aを備える以外は実施の形態の1の基地局1と同様である。スケジューラ15aは、ビーム制御部12からアナログビームごとのアナログビーム照射情報を取得する。アナログビーム照射情報は、アナログビームが形成されるスロット番号と該アナログビームで照射方向として設定される端末2を示す情報とを含む。また、スケジューラ15aは、各端末2の位置情報を受信部13から取得する。スケジューラ15aは、アナログビーム照射情報と端末2の位置情報とに基づいて、ビーム間干渉を避けるように端末2のアップリンクのリソース割当てを行う。
図24は、本実施の形態のスケジューラ15aにおけるリソース割当て手順の一例を示すフローチャートである。まず、スケジューラ15aは、異なるアナログビームで照射される端末2間の距離がしきい値以下となるか否かを判断する(ステップS31)。具体的には、スケジューラ15aは、アナログビーム照射情報と端末2の位置情報とに基づいて、同時に照射される異なるアナログビームで照射される端末2間の距離をそれぞれ算出する。そして、スケジューラ15aは、計算した距離のうちしきい値以下となるものが1つでもある場合に、異なるアナログビームで照射される端末2間の距離がしきい値以下となると判断し、計算した距離のうちしきい値以下となるものが1つもない場合に、異なるアナログビームで照射される端末2間の距離がしきい値以下でないと判断する。
例えば、図22の例では、第1のアナログビーム7−1が端末2−1〜2−4に向けて照射方向に設定され、第2のアナログビーム7−2が端末2−5に向けて照射方向に設定され、第1のアナログビーム7−1と第2のアナログビーム7−2が同時に形成される。この場合、スケジューラ15aは、端末2−5と端末2−1〜2−4のそれぞれとの距離を算出する。計算された距離のうち、端末2−5と端末2−1との距離がしきい値以下であり、端末2−5と端末2−2〜2−4のそれぞれとの距離はしきい値より大きかったとする。この場合、スケジューラ15aは、ステップS31ではYesと判断する。なお、図22の例では、第2のアナログビーム7−2が照射する端末の数が1つであるが、第2のアナログビーム7−2が照射する端末の数が複数の場合には、複数の端末のそれぞれについて、第1のアナログビーム7−1で照射される端末2−1〜2−4との距離それぞれを計算する。
次に、スケジューラ15aは、距離が第1のしきい値以下となる端末2のうちの1つである第1の端末の送信タイミングおよび周波数を決定する(ステップS32)。送信タイミングとは、データ用のスロット内のSC−FDMAブロックの位置を示す。また、周波数とは、RSまたはRSおよび制御信号用のOFDMブロック内の帯域を示す。また、SC−FDMAブロック内で周波数多重を行っている場合には、周波数にはデータ用の帯域も含む。例えば、図22の例で、端末2−1を第1の端末であるとすると、端末2−1のRS用のOFDMブロックにおける帯域と、端末2−1のデータ用のSC−FDMAブロックの位置とが決定される。
次に、スケジューラ15aは、距離が第1のしきい値以下となる端末2のうち第1の端末でない第2の端末の送信タイミングおよび周波数を、第1の端末と干渉しないように決定する(ステップS33)。具体的には、スケジューラ15aは、第2の端末の送信タイミングおよび周波数を第1の端末に割当てた送信タイミングおよび周波数のうち少なくとも一方が重ならないように、データ用およびRS用(またはRSおよび制御信号用)に送信タイミングおよび周波数を割当てる。例えば、図22の例で、端末2−5を第2の端末であるとすると、端末2−5のRS用のOFDMブロックにおける帯域と、端末2−5のデータ用のSC−FDMAブロックの位置とが決定される。
そして、スケジューラ15aは、アナログビームごとに、該アナログビームで照射する端末2の送信タイミングおよび周波数を決定し(ステップS34)、処理を終了する。ステップS34では、既に送信タイミングおよび周波数が決定されている第1の端末および第2の端末を除いた端末2の送信タイミングおよび周波数が決定される。この際、実施の形態1と同様に、アナログビームで照射される端末2間で送信タイミングおよび周波数のうち少なくとも一方が異なるように送信タイミングおよび周波数が決定される。例えば、図22の例では、ステップS34では、アナログビーム7−1で照射される端末2−1〜2−4のうち端末2−2〜2−4の送信タイミングおよび周波数が決定される。また、アナログビーム7−2で照射される端末2は端末2−5だけであるため、ステップS34ではアナログビーム7−2で照射される端末2への割当ては実施されない。
ステップS31で、スケジューラ15aは、異なるアナログビームで照射される端末2間の距離がしきい値以下でないと判断した場合(ステップS31 No)、ステップS34へ進む。なお、距離がしきい値以下となる端末2が複数存在する場合には、ステップS32およびステップS33を繰り返した後に、ステップS34へ進む。
なお、以上の例では、ビーム間干渉を避けるため、隣接する端末2の送信タイミングおよび周波数のうち少なくとも一方を異ならせるようにしたが、この替わりに、データに拡散符号を乗算する方法等を用いてビーム間干渉を低減させても良い。また、本実施の形態の例において端末間の距離を用いてリソース割当を行ったが、他アナログビームからの干渉電力を測定し、干渉電力を用いて端末2の送信タイミングおよび周波数のうち少なくとも一方を異ならせるようにしてもよい。
また、スケジューラ15aは、例えば、ソフトウェアにより実現される。この場合、スケジューラ15aは図25に示した制御回路700により実現することができる。外部から入力されたデータを受信する受信部である入力部701と、プロセッサ702と、メモリ703と、データを外部へ送信する送信部である出力部704とを備える。入力部701は、制御回路の外部から入力されたデータを受信してプロセッサに与えるインターフェース回路であり、出力部704は、プロセッサ702又はメモリ703からのデータを制御回路の外部に送るインターフェース回路である。スケジューラ15aが図25に示す制御回路700により実現される場合、プロセッサ702がメモリ703に記憶された、ソフトウェアにより実現されるスケジューラ15aに対応するプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、メモリ703は、プロセッサ702が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。本実施の形態では、アナログビーム照射情報と各端末2の位置情報とがスケジューラ15aへの入力値となり、リソースの割当て結果がスケジューラ15aの出力となる。これらの入力値が入力されるたびに、プロセッサ702が処理を行ってもよいし、一定期間の入力値をメモリ703に蓄えて、プロセッサ702が、一括処理を行うようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、端末2が実施の形態1と同様である場合に、ビーム間干渉を避ける処理を行うようにしたが、実施の形態2の端末2aに対して、ビーム間干渉を避ける処理を行うようにしてもよい。この場合、実施の形態2の基地局1のスケジューラを本実施の形態のスケジューラ15aに変更し、本実施の形態と同様にビーム間干渉を避ける処理を実施する。
以上のように、本実施の形態では、実施の形態1と同様にスロットにOFDMブロックを設けてOFDMブロックで端末2がRSを送信し、同時に形成される異なるアナログビームで照射される端末2間の距離がしきい値以下となる場合には、距離がしきい値以下となる端末2の送信タイミングおよび周波数のうち少なくとも一方が異なるように決定するようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、ビーム間干渉を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。