以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態に係る貨幣処理装置(紙葉類処理装置の一種である)を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る貨幣処理装置100の構成例を示す概略図であり、図2は、図1の貨幣処理装置の制御系の構成を示す概略ブロック図である。もっとも、本実施の形態は、本発明を限定するものではない。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の貨幣処理装置100は、紙幣や商品券を含む紙葉類が投入される投入部10と、投入された紙葉類の各々を識別する識別部20と、識別された紙葉類を搬送しながら4種別に分類する搬送分類機構30と、分類された紙葉類が一時的に集積される4つの集積部41〜44と、4つの集積部41〜44の一部である2つの集積部43、44にそれぞれ対応して設けられた2つの収納部53、54と、を備えている。
本実施の形態の投入部10は、紙葉類ホッパとして構成されており、投入された紙葉類(紙幣/商品券)を受入れて、1枚ずつ繰出すようになっている。
本実施の形態の識別部20は、イメージセンサを有して構成されており、紙幣/商品券の区別の他、各紙幣の金種や、各商品券の種別などを識別するようになっている。商品券の種別の識別とは、当該店舗(及びそのチェーン店舗)で発行された商品券/他社で発行された商品券の区別や、当該店舗において処分可能な商品券/他の管理センターへの回収が必要な商品券の区別や、使用期限内の有効な商品券/使用期限切れの無効な商品券(リジェクトされる)の区別等である。
本実施の形態において、識別部20による識別は、紙葉類の各々が搬送されている間に行われるようになっている。この時の搬送速度は、後述する搬送分類機構30による搬送速度と同じになっている。
本実施の形態の搬送分類機構30は、紙葉類を搬送する搬送ベルト機構35と、搬送路を切り換えるための3つの切換機構31〜33と、当該3つの切換機構31〜33を制御する紙幣制御部36とを有して構成されており、紙幣制御部36が識別部20による識別結果に基づいて3つの切換機構31〜33を制御することによって、識別された紙葉類を4つの集積部41〜44に分類して搬送するようになっている。
ここで、本実施の形態の切換制御部36は、搬送分類機構30の搬送速度をも切り換えるようになっている(特許請求の範囲における「搬送制御部」としての機能)。具体的には、切換制御部36は、搬送分類機構30の搬送速度を、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードと、紙葉類として商品券を処理する商品券処理モードと、紙葉類として紙幣及び商品券を処理する混在処理モードと、のいずれかに従って選択的に切り換えるようになっている。
本実施の形態では、紙幣処理モードにおける搬送分類機構30の搬送速度は、2000mm/secであり、商品券処理モード及び混在処理モードにおける搬送分類機構30の搬送速度は、1200mm/secである。これらの速度は、それぞれ、識別部20による紙葉類の読取速度として、12枚/sec、5〜7枚/sec、に相当している。
本実施の形態の第1の集積部41は、紙葉類リジェクト部として構成されており、リジェクト対象の紙幣類が集積されるようになっている。第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)は、常時外部に解放されていて、常時外部から取出し可能となっている。
本実施の形態の第2の集積部42は、紙葉類スタッカ部として構成されており、100枚程度までの紙幣類が集積されるようになっている。第2の集積部42(紙葉類スタッカ部)は、シャッタ42sを介して外部からアクセス可能となっていて、シャッタ42sの開放時に外部から取出し可能となっている。もっとも、シャッタ42sの設置を省略することも可能である。その場合は、第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)と同様に、常時外部からアクセス可能(紙葉類の取出し可能)となる。
本実施の形態の第3の集積部43及び第4の集積部44は、それぞれ紙葉類一時保留部として構成されており、100枚程度までの紙幣類が集積されるようになっている。そして、当該貨幣処理装置100の操作者による承認の後には、当該紙葉類一時保留部の底面が開放されるようになっていて、一時保留されていた紙葉類が対応する収納部53、54に送り込まれるようになっている。また、本実施の形態では、当該貨幣処理装置100の操作者によって非承認とされた後には、当該紙葉類一時保留部43、44が当該貨幣処理装置100の前方へ引き出し可能となって、一時保留されていた紙葉類を当該貨幣処理装置100の前方から取出し可能となっている。
本実施の形態の2つの収納部53、54は、2つの集積部43、44に対応して設けられており、紙葉類を収納可能なカセットで構成されている。各カセットは、収容された紙葉類の回収条件を個別に設定可能となっており、設定された回収条件が満たされた場合にのみ当該貨幣処理装置の外側からアクセス可能となっている。
例えば、2つの収納部53、54の少なくとも一つに対して設定される回収条件は、貨幣処理装置100が設置される店舗が紙葉類の回収を許可しているという条件とされ、2つの収納部53、54の少なくとも他の一つに対して設定される回収条件は、警送業者が紙葉類の回収を許可しているという条件とされ得る。このように回収条件が設定されることにより、店舗自身による回収作業と、警送業者による回収作業とを、それぞれ個別に設定して管理することが可能である。
本実施の形態では、各収納部53、54への貨幣処理装置100の外側からのアクセスを制限する構成として、図1及び図2に示すように、公知のロック機構63、64と、当該ロック機構63、64を制御するロック制御部65と、が採用されている。当該ロック制御部65には、ターミナル70に内蔵された全体制御部73を介してICカードリーダ71が接続されており、店舗所属の操作者が保有するICカードをICカードリーダ71が読み取った時、店舗が紙葉類の回収を許可していると判断し、そのような回収条件が設定されている収納部53、54に対するアクセスが解放され(ロックが解除され)、警送業者所属の操作者が保有するICカードをICカードリーダ71が読み取った時、当該警送業者が紙葉類の回収を許可していると判断し、そのような回収条件が設定されている収納部53、54に対するアクセスが解放される(ロックが解除される)ようになっている。
ターミナル70には、全体制御部73とICカードリーダ71とに加えて、タッチパネル等で構成された表示・操作部72が設けられている。表示・操作部72は、操作ガイダンスや入金処理時の取引データ等を表示すると共に、操作者の指示入力を受け付けるようになっている。
また、本実施の形態の貨幣処理装置100には、所定の種別の紙葉類、例えば所定の種別の商品券を無効化するための無効化処理部としての消し込み部75が設けられている。本実施の形態の消し込み部75は、インクジェットプリンタを有して構成されており、無効化情報を商品券に印字できるようになっている。本実施の形態の消し込み部75は、後述する記憶部80に記憶される情報に基づいて、印字内容を任意に設定可能である他、印字する/しないの設定(切換)も可能である。また、本実施の形態の消し込み部75は、搬送中の紙葉類の上下面のいずれにも対応可能(上下両面に無効マークを印字する)となっている。
続いて、図1及び図2に示すように、本実施の形態の貨幣処理装置100は、硬貨が投入される硬貨投入部110と、投入された硬貨の各々を識別する硬貨識別部120と、識別された硬貨を搬送しながら3種別に分類する硬貨搬送分類機構130と、分類された硬貨が一時的に集積される3つの硬貨集積部141〜143と、3つの硬貨集積部141〜143の一部である2つの硬貨集積部142、143にそれぞれ対応して設けられた2つの硬貨収納部152、153と、を備えている。
本実施の形態の硬貨投入部110は、硬貨ホッパとして構成されており、投入された硬貨を受入れて、1枚ずつ繰出すようになっている。
本実施の形態の硬貨識別部120は、磁気センサ等を有して構成されており、真偽の区別の他、各硬貨の金種を識別するようになっている。
本実施の形態の硬貨搬送分類機構130は、硬貨制御部136によって制御されるソレノイド付き選別部材を有する強制選別機構によって構成されており、識別された硬貨を3つの硬貨集積部141〜143に分類して搬送するようになっている。本実施の形態の硬貨搬送分類機構130は、振分ける硬貨の種別を任意に設定できるようになっている。
本実施の形態の第1の硬貨集積部141は、硬貨リジェクト部として構成されており、リジェクト対象の硬貨が集積されるようになっている。第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)は、常時外部に解放されていて、常時外部から取出し可能となっている。
本実施の形態の第2の硬貨集積部142及び第3の硬貨集積部143は、それぞれ硬貨一時保留部として構成されており、100枚程度までの硬貨が集積されるようになっている。そして、当該貨幣処理装置100の操作者による承認の後には、当該硬貨一時保留部の枠体が移動されるようになっていて、一時保留されていた硬貨が対応する収納部152、153に送り込まれるようになっている。また、本実施の形態では、当該貨幣処理装置100の操作者によって非承認とされた後には、当該硬貨一時保留部143、144の底板が逃げて、一時保留されていた硬貨が当該硬貨一時保留部143、144の下方の硬貨返却箱145、146に送り込まれ、当該硬貨返却箱145、146を介して取出し可能となっている。
本実施の形態の2つの硬貨収納部152、153は、2つの硬貨集積部142、143に対応して設けられており、硬貨を収納可能なカセットで構成されている。各硬貨カセットは、収容された硬貨の回収条件を個別に設定可能となっており、設定された回収条件が満たされた場合にのみ当該貨幣処理装置の外側からアクセス可能となっている。
例えば、2つの硬貨収納部152、153の少なくとも一つに対して設定される回収条件は、貨幣処理装置100が設置される店舗が硬貨の回収を許可しているという条件とされ、2つの硬貨収納部152、153の少なくとも他の一つに対して設定される回収条件は、警送業者が硬貨の回収を許可しているという条件とされ得る。このように回収条件が設定されることにより、店舗自身による回収作業と、警送業者による回収作業とを、それぞれ個別に設定して管理することが可能である。
本実施の形態では、各硬貨収納部152、153への貨幣処理装置100の外側からのアクセスを制限する構成として、図1及び図2に示すように、公知のロック機構162、163と、当該ロック機構162、163を制御するロック制御部65と、が採用されている。前述のように、当該ロック制御部65には、ICカードリーダ71が接続されており、店舗所属の操作者が保有するICカードをICカードリーダ71が読み取った時、店舗が硬貨の回収を許可していると判断し、そのような回収条件が設定されている硬貨収納部152、153に対するアクセスが解放され(ロックが解除され)、警送業者所属の操作者が保有するICカードをICカードリーダ71が読み取った時、当該警送業者が硬貨の回収を許可していると判断し、そのような回収条件が設定されている硬貨収納部152、153に対するアクセスが解放される(ロックが解除される)ようになっている。
更に、本実施の形態では、下部ユニットの引出操作(図5参照)に対するロック機構165と、当該ロック機構165を制御するロック制御部65と、が採用されている。すなわち、ロック制御部65は、5つのロック機構63、64、163、163、165を制御するようになっている。
また、本実施の形態の貨幣処理装置100には、識別された紙葉類ないし硬貨の各集積部41〜44ないし各硬貨集積部141〜143への分類条件(分類パターン)を記憶しておく記憶部80が設けられている。本実施の形態の記憶部80は、ターミナル70内に設けられている。記憶部80に記憶された当該分類条件は、搬送分類機構30による紙葉類の搬送ないし分類を制御するための紙幣制御部36、及び、硬貨搬送分類機構130による硬貨の搬送ないし分類を制御するための硬貨制御部136、に適時に読み出されるようになっている。
本実施の形態では、記憶部80は、各収納部53、54及び各硬貨収納部152、153に対して設定される回収条件も記憶するようになっており、各収納部53、54及び各硬貨収納部152、153への貨幣処理装置100の外側からのアクセスの制限/許容を判別して制御するためにロック制御部65に適時に読み出されるようになっている。
さらに、本実施の形態の記憶部80は、識別部20による紙葉類の識別のための詳細情報(例えば識別処理に用いる辞書データ等)を記憶しており、識別部20に適時に読み出されるようになっている。
また、本実施の形態の記憶部80は、紙葉類の種別と消し込み部75による無効化処理の実施の有無(印字する/しない)との対応付けを記憶しており、消し込み部75に適時に読み出されるようになっている。さらに、本実施の形態の記憶部80は、紙葉類の種別と消し込み部75による無効化処理の内容(印字内容/印字位置)との対応付けをも記憶しており、消し込み部75に適時に読み出されるようになっている。なお、紙幣については、「消し込み無し」しか対応付けられない。
また、本実施の形態の貨幣処理装置100には、入金処理時の取引データや、締め時/回収時等における集計データをプリントアウトするプリンタ装置95が設けられている。
さらに、本実施の形態の貨幣処理装置100には、外部機器(管理コンピュータ)等と通信可能で、識別情報や分類条件(分類パターン)を取得したり、入金結果等を送信可能なI/F部96も設けられている。
次に、以上のような貨幣処理装置100を用いた貨幣処理方法について説明する。まずは、紙幣及び硬貨を処理する場合の分類条件(1)(2)について説明する。図3に示すように、これらの分類条件(1)(2)においては、商品券の投入は想定されておらず、紙幣と硬貨とが分類されて収納される。
具体的には、分類条件(1)では、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に、売上金として回収予定の紙幣が搬送されていき、収納部53に装着されたカセット1がフル状態になる時に、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に、売上金として回収予定の紙幣が搬送されていく。識別部20によってリジェクト紙幣と識別された紙葉類は、第1の集積部41である紙葉類リジェクト部に送られるようになっている。分類条件(1)では、第2の集積部42である紙葉類スタッカ部は使用されない。
硬貨についても同様で、分類条件(1)では、硬貨収納部152に装着されたカセット1に対応する第2の硬貨集積部142に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていき、硬貨収納部152に装着されたカセット1がフル状態になる時に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に対応する第3の硬貨集積部143に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていく。識別部20によってリジェクト硬貨と識別された硬貨は、第1の集積部141である硬貨リジェクト部に送られるようになっている。
次に、図4を参照しながら、分類条件(1)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図4は、分類条件(1)に対応する集積状況を示す図である。
(ステップS101)予め、記憶部80に、前記した分類条件(1)が記憶される。
(ステップS102)また、予め、記憶部80に、分類条件(1)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態では、全ての紙幣/硬貨が売上金として警送業者によって回収されることを想定し、回収条件は、警送業者が収容された紙幣/硬貨の回収を許可しているという条件とされている。具体的には、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(この回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は全てのロック機構63、64、162、163、165を解除するようになっている。)
(ステップS103)また、予め、分類条件(1)に対応する処理モードとして、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS111)以上の状態で、紙葉類が投入部10に投入される。
(ステップS112)投入された紙葉類の各々は、識別部20によって識別される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御され、識別部20による紙幣の読取速度は、12枚/secとされる。
(ステップS113)識別された紙葉類は、搬送分類機構30によって分類条件(1)に従って、リジェクト紙幣であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、正常紙幣であれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御される。
(ステップS114)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)または第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送された各紙幣は、そこで一時的に集積される。
(ステップS115)第3の集積部43に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。
(ステップS120)識別部20による識別結果をカウントすることで所定の枚数の正常紙幣がカセット1に収納されることが見込まれると、分類条件(1)に従って、搬送分類機構30による制御態様が変更される。具体的には、紙幣制御部36において、識別された紙葉類が正常紙幣である場合について、それまでの第3の集積部43への搬送制御が、第4の集積部44への搬送制御に切り換えられる。
(ステップS121、S122)前記搬送制御の切り換え後、投入部10に投入された紙葉類の各々は、同様に識別部20によって識別される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御され、識別部20による紙幣の読取速度は、12枚/secとされる。
(ステップS123)識別された紙葉類は、搬送分類機構30によって分類条件(1)に従って、リジェクト紙幣であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、正常紙幣であれば、今度は第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御される。
(ステップS124)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各紙幣は、そこで一時的に集積される。
(ステップS125)第4の集積部44に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の紙幣が先ずは収納部53に装着されたカセット1に装填されていき、当該カセット1がフル状態になった後に、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
そして、後述する回収作業によりカセット1の回収が行われることにより、その後、カセット2がフル状態になった後に、新たに装着されたカセット1に正常紙幣が装填されていく、という制御を実現することができる。
硬貨についても同様で、最初に(ステップS101)及び(ステップS102)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS131)硬貨が硬貨投入部110に投入される。
(ステップS132)投入された硬貨の各々は、硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS133)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(1)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS134)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS135)第2の硬貨集積部142に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部152に収納される。すなわち、硬貨収納部152に装着されたカセット1内に収納される。
(ステップS140)硬貨識別部120による識別結果をカウントすることで所定の枚数の正常硬貨がカセット1に収納されることが見込まれると、分類条件(1)に従って、硬貨搬送分類機構130による制御態様が変更される。具体的には、硬貨制御部136において、識別された硬貨が正常硬貨である場合について、それまでの第2の硬貨集積部142への搬送制御が、第3の硬貨集積部143への搬送制御に切り換えられる。
(ステップS141、S142)前記搬送制御の切り換え後、硬貨投入部110に投入された硬貨の各々は、同様に硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS143)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(1)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば、今度は第3の硬貨集積部143(他方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS144)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第3の硬貨集積部142(他方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS145)第3の集積部143に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部153に収納される。すなわち、硬貨収納部153に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の硬貨が先ずは硬貨収納部152に装着されたカセット1に装填されていき、当該カセット1がフル状態になった後に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
そして、後述する回収作業によりカセット1の回収が行われることにより、その後、カセット2がフル状態になった後に、新たに装着されたカセット1に正常紙幣が搬送されていく、という制御を実現することができる。
続いて、図5を参照しながら、分類条件(1)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図5は、分類条件(1)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS161)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS162)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が全てのロック機構63、64、162、163、165を解除する。
(ステップS163)ロック制御部65がロック機構165を解除をすると、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS164)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63、64、162、163が解除された各収納部53、54及び各硬貨収納部152、153からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。もっとも、カセットの空容量が未だ十分にある場合には、操作者の裁量で空のカセットへの交換を行わないという選択も採用可能である。
(ステップS165)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構63、64、162、163が再びロックされる。
(ステップS166)交換されたカセットの情報が例えば表示・操作部72を介して入力されると、当該情報に基づいて収納枚数のカウント情報が適宜に補正される。具体的には、対応する集積部(一時保留部)に紙幣/硬貨が既に一時的に集積されている場合には、当該紙幣/硬貨からのカウント値に補正され、対応する集積部(一時保留部)に紙幣/硬貨が未だ集積されていない場合には、ゼロに補正される。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ収納された紙幣及び硬貨を回収させることを、確実に実現することが可能である。
次に、分類条件(1)に対して代替的に採用することができる分類条件(2)についての詳細を説明する。分類条件(2)では、図3に示すように、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43に、釣銭準備金として再利用予定の紙幣が搬送されていき、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44に、売上金として回収予定の紙幣が搬送されていく。識別部20によってリジェクト紙幣と識別された紙葉類は、第1の集積部41である紙葉類リジェクト部に送られるようになっている。分類条件(1)では、第2の集積部42である紙葉類スタッカ部は使用されない。
硬貨についても同様で、分類条件(1)では、硬貨収納部152に装着されたカセット1に対応する第2の硬貨集積部142に、釣銭準備金として再利用予定の硬貨が搬送されていき、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に対応する第3の硬貨集積部143に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていく。識別部20によってリジェクト硬貨と識別された硬貨は、第1の集積部141である硬貨リジェクト部に送られるようになっている。
図6を参照しながら、分類条件(2)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図6は、分類条件(2)に対応する集積状況を示す図である。
(ステップS201)予め、記憶部80に、前記した分類条件(2)が記憶される。
(ステップS202)また、予め、記憶部80に、分類条件(2)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態の回収条件は、収納部53及び硬貨収納部152に対しては、当該貨幣処理装置100が設置されている店舗が回収を許可しているという条件とされ、他の収納部54及び硬貨収納部153に対しては、警送業者が回収を許可しているという条件とされている。具体的には、収納部53及び硬貨収納部152に対しては、店舗所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされており、他の収納部54及び硬貨収納部153に対しては、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(各回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は、対応するロック機構63、162、または、ロック機構64、163を解除するようになっている。)
(ステップS203)また、予め、分類条件(2)に対応する処理モードとして、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS211)以上の状態で、紙葉類が投入部10に投入される。
(ステップS212)投入された紙葉類の各々は、識別部20によって識別される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御され、識別部20による紙幣の読取速度は、12枚/secとされる。
(ステップS213)識別された紙葉類は、搬送分類機構30によって分類条件(2)に従って、リジェクト紙幣であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、釣銭準備金として再利用対象となる紙幣であれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送され、売上金として回収対象となる紙幣であれば第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送される。この時、紙幣処理モードに従って、紙幣の搬送速度は、2000mm/secに制御される。
(ステップS214)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)、第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各紙幣は、そこで一時的に集積される。
(ステップS215)第3の集積部43に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。同様に、第4の集積部44に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、釣銭準備金として再利用予定の紙幣がカセット1に装填されていき、売上金として回収予定の紙幣がカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
硬貨についても同様で、最初に(ステップS201)及び(ステップS202)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS231)硬貨が硬貨投入部110に投入される。
(ステップS232)投入された硬貨の各々は、硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS233)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(1)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、釣銭準備金として再利用対象となる硬貨であれば第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送され、売上金として回収対象となる硬貨であれば第3の硬貨集積部143(他方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS234)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)、第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)または第3の硬貨集積部143(他方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS215)第2の硬貨集積部142に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部152に収納される。すなわち、硬貨収納部152に装着されたカセット1内に収納される。同様に、第3の硬貨集積部143に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部153に収納される。すなわち、硬貨収納部153に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、釣銭準備金として再利用予定の硬貨がカセット1に装填されていき、売上金として回収予定の硬貨がカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
続いて、図7を参照しながら、分類条件(2)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図7は、分類条件(2)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS261)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS262)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、店舗所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部53及び硬貨収納部152に対応するロック機構63、162、及び、下部ユニット全体のロック機構165を解除する。
(ステップS263)ロック制御部65がロック機構165を解除すると、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS264)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63、162が解除された収納部53及び硬貨収納部152からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS265)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構63、162が再びロックされる。
以上のようなフローにより、店舗所属の操作者によってのみ釣銭準備金として再利用する紙幣及び硬貨を回収させることを、確実に実現することが可能である。
これに対して、売上金としての紙幣及び硬貨の回収は、以下のようなフローに従って行われる。最初に(ステップS261)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS272)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部54及び硬貨収納部153に対応するロック機構64、163、及び、下部ユニット全体のロック機構165を解除する。
(ステップS273)ロック制御部65がロック機構165を解除すると、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS274)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構64、163が解除された収納部54及び硬貨収納部153からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS275)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構64、163が再びロックされる。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ売上金として収納された紙幣及び硬貨を回収させることを、確実に実現することが可能である。
以上のような態様によれば、回収紙幣ないし回収硬貨については警送業者による回収作業が可能である一方、釣銭準備金については店舗による回収作業が可能となり、回収作業の効率が顕著に向上される。
前記態様において、下部ユニット全体のロック機構165を解除しない回収作業も可能である。例えば、図8に示すように、下部ユニットの全体を引き出すことなく、収納部53のみを取り出して回収作業を実施してもよい。この場合には、収納部53に対応するロック機構63のみが解除され、他のロック機構64、162、163、165はロックされた状態を維持する。
次に、商品券のみを処理対象とする場合の分類条件(3)(4)について説明する。図9に示すように、これらの分類条件(3)(4)においては、紙幣と硬貨の投入は想定されておらず、商品券が種別毎に分類されて収納される。
具体的には、分類条件(3)では、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43に、自社発行の商品券Aが搬送されていき、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44に、他社(例えばクレジット会社)発行の商品券B、C(、D・・・)が搬送されていく。
ここで、図9に示すように、自社発行の商品券Aについては、搬送の途中で消し込み部75による無効化処理が実施され、他社発行の商品券B、C(、D・・・)については、消し込み部75による無効化処理は実施されない。また、当該分類条件(3)では、識別部20が、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて、各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別するようになっている。
識別部20によってリジェクト商品券と識別された紙葉類は、第1の集積部41であるリジェクト部に送られるようになっている。分類条件(3)では、第2の集積部42であるスタッカ部は使用されないが、第2の集積部42にある種別の商品券を集積させる態様も採用可能である。
次に、図10を参照しながら、分類条件(3)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図10は、分類条件(3)に対応する集積状況を示す図である。
(ステップS301)予め、記憶部80に、前記した分類条件(3)が記憶される。
(ステップS302)また、予め、記憶部80に、分類条件(3)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態では、全ての商品券が売上金として警送業者によって回収されることを想定し、回収条件は、警送業者が収容された商品券の回収を許可しているという条件とされている。具体的には、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(この回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は全てのロック機構63、64、162、163、165を解除するようになっている。)
(ステップS303)また、予め、分類条件(3)に対応する処理モードとして、紙葉類として商品券を処理する商品券処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS304)また、予め、記憶部80に、商品券Aに対して無効化処理の実施有りという対応付け、更には、商品券Aに対する無効化処理の内容(印字内容や印字位置)も記憶される。
(ステップS311)以上の状態で、商品券が投入部10に投入される。
(ステップS312)投入された商品券の各々は、識別部20によって識別される。この時、商品券処理モードに従って、商品券の搬送速度は、1200mm/secに制御され、識別部20による商品券の読取速度は、5〜7枚/secとされる。識別部20は、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別する。
(ステップS313)識別された商品券は、搬送分類機構30によって分類条件(3)に従って、リジェクト商品券であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、自社発行の商品券Aであれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送され、他社発行の商品券B、C(、D・・・)であれば第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送されていく。この時、商品券処理モードに従って、商品券の搬送速度は、1200mm/secに制御される。また、商品券Aについては、搬送の途中で、消し込み部75による無効化処理が実施される。この無効化処理の内容(印字内容や印字位置)は、商品券Aのために予め記憶部80に記憶されていた通りに行われる。
(ステップS314)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)、第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各商品券は、そこで一時的に集積される。
(ステップS315)第3の集積部43に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。同様に、第4の集積部44に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の商品券が種別毎にカセット1、2に装填されていく、という制御を実現することができる。また、無効化処理を直ちに実施するべき商品券Aと、そうでない商品券B、C(、D・・・)とが混在している場合において、無効化処理の実施を自動的に好適に実現することができる。
続いて、図11を参照しながら、分類条件(3)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図11は、分類条件(3)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS361)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS362)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が全てのロック機構63、64、162、163、165を解除する。
(ステップS363)ロック制御部65がロック機構165を解除すると、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS364)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63、64が解除された各収納部53、54からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS365)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構63、64、162、163が再びロックされる。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ収納された商品券を回収させることを、確実に実現することが可能である。
次に、分類条件(3)に対して代替的に採用することができる分類条件(4)についての詳細を説明する。分類条件(4)では、図9に示すように、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43に、当該店舗で直ちに回収予定の商品券が搬送されていき、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44に、売上金として別の管理センター等で回収予定の商品券が搬送されていく。
ここで、分類条件(3)と同様に、自社発行の商品券Aについては、搬送の途中で消し込み部75による無効化処理が実施され、他社発行の商品券B、C(、D・・・)については、消し込み部75による無効化処理は実施されない。また、識別部20が、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて、各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別する。
識別部20によってリジェクト紙幣と識別された紙葉類は、第1の集積部41である紙葉類リジェクト部に送られるようになっている。分類条件(4)でも、第2の集積部42である紙葉類スタッカ部は使用されない。
図10を参照しながら、分類条件(4)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図10は、分類条件(4)に対応する集積状況を示す図としても見ることができる。
(ステップS401)予め、記憶部80に、前記した分類条件(4)が記憶される。
(ステップS402)また、予め、記憶部80に、分類条件(4)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態の回収条件は、収納部53に対しては、当該貨幣処理装置100が設置されている店舗が回収を許可しているという条件とされ、他の収納部54に対しては、警送業者が回収を許可しているという条件とされている。具体的には、収納部53に対しては、店舗所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされており、他の収納部54に対しては、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(各回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は、対応するロック機構63、または、ロック機構64を解除するようになっている。)
(ステップS403)また、予め、分類条件(4)に対応する処理モードとして、紙葉類として商品券を処理する商品券処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS404)また、予め、記憶部80に、商品券Aに対して無効化処理の実施有りという対応付け、更には、商品券Aに対する無効化処理の内容(印字内容や印字位置)も記憶される。
(ステップS411)以上の状態で、商品券が投入部10に投入される。
(ステップS412)投入された商品券の各々は、識別部20によって識別される。この時、商品券処理モードに従って、商品券の搬送速度は、1200mm/secに制御され、識別部20による商品券の読取速度は、5〜7枚/secとされる。識別部20は、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別する。
(ステップS413)識別された商品券は、搬送分類機構30によって分類条件(4)に従って、リジェクト商品券であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、自社発行の商品券Aであれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送され、他社発行の商品券B、C(、D・・・)であれば第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送されていく。この時、商品券処理モードに従って、商品券の搬送速度は、1200mm/secに制御される。商品券の搬送速度は、紙幣の搬送速度ほど速くはない。これは、商品券と紙幣との識別速度の差や、商品券と紙幣とのサイズないし厚みの差に対応する搬送用モータの制約に基づく。また、商品券Aについては、搬送の途中で、消し込み部75による無効化処理が実施される。この無効化処理の内容(印字内容や印字位置)は、商品券Aのために予め記憶部80に記憶されていた通りに行われる。
(ステップS414)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)、第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各商品券は、そこで一時的に集積される。
(ステップS415)第3の集積部43に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。同様に、第4の集積部44に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、店舗で直ちに回収予定の商品券と、別の管理センター等で回収予定の商品券とが、カセット1、2に分類されて装填されていく、という制御を実現することができる。また、店舗で直ちに回収予定の商品券Aにのみ無効化処理を実施する、という制御を実現することができる。
続いて、図12を参照しながら、分類条件(4)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図12は、分類条件(4)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS461)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS462)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、店舗所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部53に対応するロック機構63を解除する。
(ステップS463)ロック制御部65が収納部53に対応するロック機構63を解除したことが条件となって、収納部53、54及び硬貨収納部152、153の全体のロック機構165が解除され、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS464)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63が解除された収納部53からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS465)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と収納部53に対応するロック機構63とが再びロックされる。
以上のようなフローにより、店舗所属の操作者によってのみ店舗で直ちに回収予定の商品券を回収させることを、確実に実現することが可能である。
これに対して、別の管理センター等で回収予定の商品券の回収は、以下のようなフローに従って行われる。最初に(ステップS461)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS472)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部54に対応するロック機構64を解除する。
(ステップS473)ロック制御部65が収納部54に対応するロック機構64を解除をしたことが条件となって、収納部53、54及び硬貨収納部152、153の全体のロック機構165が解除され、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS474)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構64が解除された収納部54からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS475)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と収納部54に対応するロック機構64とが再びロックされる。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ別の管理センター等で回収予定の商品券を回収させることを、確実に実現することが可能である。
以上のような態様によれば、別の管理センター等で回収予定の商品券については警送業者による回収作業が可能である一方、店舗で直ちに回収予定の商品券については店舗による回収作業(自店処理)が可能となり、回収作業の効率が顕著に向上される。
次に、紙幣、硬貨及び商品券を処理する場合の分類条件(5)(6)について説明する。図13に示すように、これらの分類条件(5)(6)においては、紙幣と硬貨と商品券の混合投入が想定されている。
具体的には、分類条件(5)では、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43に、売上金として回収予定の商品券が搬送されていき、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44に、売上金として回収予定の紙幣が搬送されていく。
ここで、図13に示すように、商品券については、搬送の途中で消し込み部75による無効化処理が実施される。もっとも、当該分類条件(5)では、識別部20が、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて、各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別するようになっている。
識別部20によってリジェクト紙幣ないしリジェクト商品券と識別された紙葉類は、第1の集積部41である紙葉類リジェクト部に送られるようになっている。分類条件(1)では、第2の集積部42である紙葉類スタッカ部は使用されないが、第2の集積部42にある種別の商品券を分類して集積させる態様も採用可能である。
硬貨については、分類条件(1)と同じく、硬貨収納部152に装着されたカセット1に対応する第2の硬貨集積部142に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていき、硬貨収納部152に装着されたカセット1がフル状態になる時に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に対応する第3の硬貨集積部143に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていく。識別部20によってリジェクト硬貨と識別された硬貨は、第1の集積部141である硬貨リジェクト部に送られるようになっている。
図14を参照しながら、分類条件(5)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図14は、分類条件(5)に対応する集積状況を示す図である。
(ステップS501)予め、記憶部80に、前記した分類条件(5)が記憶される。
(ステップS502)また、予め、記憶部80に、分類条件(5)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態では、全ての商品券/紙幣/硬貨が売上金として警送業者によって回収されることを想定し、回収条件は、警送業者が収容された商品券/紙幣/硬貨の回収を許可しているという条件とされている。具体的には、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(この回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は全てのロック機構63、64、162、163、165を解除するようになっている。)
(ステップS503)また、予め、分類条件(5)に対応する処理モードとして、紙葉類として紙幣及び商品券を処理する混在処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS504)また、予め、記憶部80に、商品券に対して無効化処理の実施有りという対応付け、更には、商品券に対する無効化処理の内容(印字内容や印字位置)も記憶される。
(ステップS511)以上の状態で、紙葉類が投入部10に投入される。
(ステップS512)投入された紙葉類の各々は、識別部20によって識別される。この時、混在処理モードに従って、紙葉類の搬送速度は、1200mm/secに制御され、識別部20による紙幣の読取速度は、5〜7枚/secとされる。識別部20は、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別する。
(ステップS513)識別された紙葉類は、搬送分類機構30によって分類条件(5)に従って、リジェクト紙幣であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、商品券であれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送され、紙幣であれば第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送される。この時、混在処理モードに従って、紙葉類の搬送速度は、1200mm/secに制御される。また、商品券については、搬送の途中で、消し込み部75による無効化処理が実施される。この無効化処理の内容(印字内容や印字位置)は、商品券のために予め記憶部80に記憶されていた通りに行われる。
(ステップS514)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)、第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各紙葉類は、そこで一時的に集積される。
(ステップS515)第3の集積部43に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。また、第4の集積部44に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の商品券がカセット1に装填されていき、売上金として回収予定の紙幣がカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。すなわち、複数設けられた紙葉類の収納部53、54を利用して、紙幣と商品券とが混在している場合において、紙幣と商品券とを分けて収納することを実現することができる。特に、本実施の形態の貨幣処理装置100の搬送分類機構30によれば、商品券の搬送と紙幣の搬送との間で機構的な調整が不要である。具体的には、本実施の形態の搬送分類機構30のゲート部は、接触式になっていて、紙葉類の厚みの相違を吸収できるようになっている。
変形例として、紙幣/商品券の分別の代わりに、紙幣を金種毎に収納したり、商品券を種類毎に収納したり、といったことも実現可能である。
硬貨については、最初に(ステップS501)及び(ステップS502)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS531)硬貨が硬貨投入部110に投入される。
(ステップS532)投入された硬貨の各々は、硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS533)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(5)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS534)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS535)第2の硬貨集積部142に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部152に収納される。すなわち、硬貨収納部152に装着されたカセット1内に収納される。
(ステップS540)硬貨識別部120による識別結果をカウントすることで所定の枚数の正常硬貨がカセット1に収納されることが見込まれると、分類条件(5)に従って、硬貨搬送分類機構130による制御態様が変更される。具体的には、硬貨制御部136において、識別された硬貨が正常硬貨である場合について、それまでの第2の硬貨集積部142への搬送制御が、第3の硬貨集積部143への搬送制御に切り換えられる。
(ステップS541、S542)前記搬送制御の切り換え後、硬貨投入部110に投入された硬貨の各々は、同様に硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS543)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(5)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば、今度は第3の硬貨集積部143(一方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS544)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第3の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS545)第3の集積部143に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部153に収納される。すなわち、硬貨収納部153に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の硬貨が先ずは硬貨収納部152に装着されたカセット1に装填されていき、当該カセット1がフル状態になった後に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
そして、後述する回収作業によりカセット1の回収が行われることにより、その後、カセット2がフル状態になった後に、新たに装着されたカセット1に正常紙幣が搬送されていく、という制御を実現することができる。
続いて、図15を参照しながら、分類条件(5)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図15は、分類条件(5)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS561)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS562)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が全てのロック機構63、64、162、163、165を解除する。
(ステップS563)ロック制御部65がロック機構165を解除すると、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS564)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63、64、162、163が解除された各収納部53、54及び各硬貨収納部152、153からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。もっとも、カセットの空容量が未だ十分にある場合には、操作者の裁量で空のカセットへの交換を行わないという選択も採用可能である。
(ステップS565)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構63、64、162、163が再びロックされる。
(ステップS566)交換されたカセットの情報が例えば表示・操作部72を介して入力されると、当該情報に基づいて紙幣/硬貨/商品券の収納枚数のカウント情報が適宜に補正される。具体的には、対応する集積部(一時保留部)に紙幣/硬貨/商品券が既に一時的に集積されている場合には、当該紙幣/硬貨/商品券からのカウント値に補正され、対応する集積部(一時保留部)に紙幣/硬貨/商品券が未だ集積されていない場合には、ゼロに補正される。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ収納された商品券、紙幣及び硬貨を回収させることを、確実に実現することが可能である。
次に、分類条件(5)に対して代替的に採用することができる分類条件(6)についての詳細を説明する。分類条件(6)では、図13に示すように、収納部53に装着されたカセット1に対応する第3の集積部43に、当該店舗にて直ちに回収予定の商品券が搬送されていき、もう一つの収納部54に装着されたカセット2に対応する第4の集積部44に、売上金として回収予定の紙幣が搬送されていく。
ここで、図13に示すように、商品券については、搬送の途中で消し込み部75による無効化処理が実施される。もっとも、当該分類条件(6)でも、識別部20が、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて、各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別するようになっている。
識別部20によってリジェクト紙幣ないしリジェクト商品券と識別された紙葉類は、第1の集積部41である紙葉類リジェクト部に送られるようになっている。分類条件(6)では、第2の集積部42である紙葉類スタッカ部は使用されないが、第2の集積部42にある種別の商品券を分類して集積させる態様も採用可能である。
硬貨については、分類条件(1)、(5)と同じく、硬貨収納部152に装着されたカセット1に対応する第2の硬貨集積部142に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていき、硬貨収納部152に装着されたカセット1がフル状態になる時に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に対応する第3の硬貨集積部143に、売上金として回収予定の硬貨が搬送されていく。識別部20によってリジェクト硬貨と識別された硬貨は、第1の集積部141である硬貨リジェクト部に送られるようになっている。
図14を参照しながら、分類条件(6)に基づく貨幣処理のフローの前半を説明する。図14は、分類条件(6)に対応する集積状況を示す図としても見ることができる。
(ステップS601)予め、記憶部80に、前記した分類条件(6)が記憶される。
(ステップS602)また、予め、記憶部80に、分類条件(6)に対応する回収条件が記憶される。本実施の形態の回収条件は、収納部53に対しては、当該貨幣処理装置100が設置されている店舗が回収を許可しているという条件とされ、他の収納部54、硬貨収納部152、153に対しては、警送業者が回収を許可しているという条件とされている。具体的には、収納部53に対しては、店舗所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされており、他の収納部54及び硬貨収納部152、153に対しては、警送業者所属の操作者が保有するICカードがICカードリーダ71を介して読み取られることが、回収条件とされている。(各回収条件が満たされた時に、ロック制御部65は、対応するロック機構63、または、ロック機構64、162、163を解除するようになっている。)
(ステップS603)また、予め、分類条件(6)に対応する処理モードとして、紙葉類として紙幣及び商品券を処理する混在処理モードが選択され、その情報が記憶部80に記憶される。
(ステップS604)また、予め、記憶部80に、商品券に対して無効化処理の実施有りという対応付け、更には、商品券に対する無効化処理の内容(印字内容や印字位置)も記憶される。
(ステップS611)以上の状態で、紙葉類が投入部10に投入される。
(ステップS612)投入された紙葉類の各々は、識別部20によって識別される。この時、混在処理モードに従って、紙葉類の搬送速度は、1200mm/secに制御され、識別部20による紙幣の読取速度は、5〜7枚/secとされる。識別部20は、貨幣管理装置100のカレンダー機能を用いて各商品券が有効期限内であるか否かも判別し、有効期限内でない商品券(無効な商品券)についてはリジェクト商品券と識別する。
(ステップS613)識別された紙葉類は、搬送分類機構30によって分類条件(6)に従って、リジェクト紙幣であれば第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送され、商品券であれば第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)に搬送され、紙幣であれば第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送される。この時、混在処理モードに従って、紙葉類の搬送速度は、1200mm/secに制御される。また、商品券については、搬送の途中で、消し込み部75による無効化処理が実施される。この無効化処理の内容(印字内容や印字位置)は、商品券のために予め記憶部80に記憶されていた通りに行われる。
(ステップS614)第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)、第3の集積部43(一方の紙葉類一時保留部)または第4の集積部44(他方の紙葉類一時保留部)に搬送された各紙葉類は、そこで一時的に集積される。
(ステップS615)第3の集積部43に集積された商品券は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部53に収納される。すなわち、収納部53に装着されたカセット1内に収納される。また、第4の集積部44に集積された紙幣は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する収納部54に収納される。すなわち、収納部54に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、店舗にて直ちに回収予定の商品券がカセット1に装填されていき、売上金として回収予定の紙幣がカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。すなわち、複数設けられた紙葉類の収納部53、54を利用して、紙幣と商品券とが混在している場合において、紙幣と商品券とを分けて収納することを実現することができる。
硬貨については、最初に(ステップS601)及び(ステップS602)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS631)硬貨が硬貨投入部110に投入される。
(ステップS632)投入された硬貨の各々は、硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS633)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(6)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS634)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第2の硬貨集積部142(一方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS635)第2の硬貨集積部142に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部152に収納される。すなわち、硬貨収納部152に装着されたカセット1内に収納される。
(ステップS640)硬貨識別部120による識別結果をカウントすることで所定の枚数の正常硬貨がカセット1に収納されることが見込まれると、分類条件(6)に従って、硬貨搬送分類機構130による制御態様が変更される。具体的には、硬貨制御部136において、識別された硬貨が正常硬貨である場合について、それまでの第2の硬貨集積部142への搬送制御が、第3の硬貨集積部143への搬送制御に切り換えられる。
(ステップS641、S642)前記搬送制御の切り換え後、硬貨投入部110に投入された硬貨の各々は、同様に硬貨識別部120によって識別される。
(ステップS643)識別された硬貨は、硬貨搬送分類機構130によって分類条件(5)に従って、リジェクト硬貨であれば第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)に搬送され、正常硬貨であれば、今度は第3の硬貨集積部143(他方の硬貨一時保留部)に搬送される。
(ステップS644)第1の硬貨集積部141(硬貨リジェクト部)または第3の硬貨集積部143(他方の硬貨一時保留部)に搬送された各硬貨は、そこで一時的に集積される。
(ステップS645)第3の集積部143に集積された硬貨は、適宜のタイミングで(一般には、操作者による承認がなされた後で)、対応する硬貨収納部153に収納される。すなわち、硬貨収納部153に装着されたカセット2内に収納される。
以上のようなフローにより、売上金として回収予定の硬貨が先ずは硬貨収納部152に装着されたカセット1に装填されていき、当該カセット1がフル状態になった後に、もう一つの硬貨収納部153に装着されたカセット2に装填されていく、という制御を実現することができる。
そして、後述する回収作業によりカセット1の回収が行われることにより、その後、カセット2がフル状態になった後に、新たに装着されたカセット1に正常紙幣が搬送されていく、という制御を実現することができる。
続いて、図16を参照しながら、分類条件(6)に基づく貨幣処理のフローの後半を説明する。図16は、分類条件(6)に対応する回収状況を示す図である。
(ステップS661)回収作業を行おうとする操作者のICカードが、ICカードリーダ71を介して読み取られる。
(ステップS662)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、店舗所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部53に対応するロック機構63を解除する。
(ステップS663)ロック制御部65が収納部53に対応するロック機構63を解除したことが条件となって、収納部53、54及び硬貨収納部152、153の全体のロック機構165が解除され、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS664)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構63が解除された収納部53からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS665)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と収納部53に対応するロック機構63が再びロックされる。
以上のようなフローにより、店舗所属の操作者によってのみ当該店舗にて直ちに回収予定の商品券を回収させることを、確実に実現することが可能である。
これに対して、売上金としての紙幣及び硬貨の回収は、以下のようなフローに従って行われる。最初に(ステップS661)が実施され、その後、以下のフローが続く。
(ステップS672)ICカードリーダ71を介して読み取られたICカードが、警送業者所属の操作者が保有するICカードであると判別されると、ロック制御部65が収納部54及び硬貨収納部152、153に対応するロック機構64、162、163を解除する。
(ステップS673)ロック制御部65が収納部54及び硬貨収納部152、153に対応するロック機構64、162、163を解除したことが条件となって、収納部53、54及び硬貨収納部152、153の全体のロック機構165が解除され、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出すことが可能となる。
(ステップS674)この状態で、回収作業を行おうとする操作者は、収納部53、54及び硬貨収納部152、153を貨幣処理装置100の前方に引き出して、ロック機構64、162、163が解除された収納部54及び硬貨収納部152、153からカセットを回収し、代わりに空のカセットを装着する。
(ステップS675)収納部53、54及び硬貨収納部152、153が貨幣処理装置100の前方から元に戻されると、全体のロック機構165と各ロック機構64、162、163が再びロックされる。
以上のようなフローにより、警送業者所属の操作者によってのみ売上金として収納された紙幣及び硬貨を回収させることを、確実に実現することが可能である。
以上のような態様によれば、回収紙幣ないし回収硬貨については警送業者による回収作業が可能である一方、店舗にて回収する商品券については店舗による回収作業が可能となり、回収作業の効率が顕著に向上される。
図17に、図1の貨幣処理装置の回収パターン例(回収権限の設定パターン例)を、纏めて示しておく。
紙幣と商品券とが混在していて、それらを識別して分類する場合には、それらの識別結果に基づく計数結果が別々に表示されると便利である。そのような表示の一例を、図18に示す。
その他、本実施の形態によれば、商品券を識別して収納する際に、消し込み部75を利用して、商品券の無効化処理を実施することができる。この場合、本実施の形態の消し込み部75は、搬送中の商品券の上下面のいずれにも対応可能であるので、投入される商品券の表裏は問われないが、搬送中の商品券の上下面のいずれか一方にのみ対応可能である場合には、表裏が適切に対応しない態様で投入された商品券は一旦リジェクト商品券としてリジェクトされる。すなわち、消し込み部75が、無効化処理の実施の対象である商品券について、所定面(例えば表面)にのみ無効処理を実施するようになっている場合には、識別部20が当該商品券について裏面であるか表面であるかを識別する必要があり、無効処理にとって逆側の面が識別された商品券は分類搬送機構30によって第1の集積部41(紙葉類リジェクト部)に搬送される。
本実施の形態では、消し込み部75がインクジェットプリンタを有する構成(印字方式を採用する構成)であるため、無効化処理として、無効のマーク(×印やライン)の印字に加えて、処理日付や当該貨幣管理装置100の号機番号などの印字を実施してもよい。
また、消し込み部75としては、印字方式を採用する構成に限られず、孔あけ機構によって無効化処理を実施するものや、切り込みを入れる機構によって無効化処理を実施するものであってもよい。孔あけ機構や切り込みを入れる機構が採用される場合であっても、孔あけ位置や切り込み位置との関連で、消し込み部75は所定面(例えば表面)にのみ無効処理を実施するようになっていてよい。
なお、前記実施の形態の貨幣処理装置100は、2つの紙葉類用の収納部53、54と2つの硬貨用の収納部152、153とを備えていたが、それらの個数を更に増やしてもよい。この場合、分類パターンが増えて、多岐に亘る分類条件を設定することができる。具体的には、例えば、紙幣や硬貨を金種毎に収納したり、商品券をより細かく分類したり、といったことが実現可能である。
分類条件や回収条件や処理モード選択結果を記憶部80に記憶させる工程(S101、S102、S103、S201、S202、S203、S301、S302、S303、S401、S402、S403、S501、S502、S503、S601、S602、S603)は、貨幣処理装置100の設置前に、工場において実施されてもよいし、貨幣処理装置100の設置時に、表示・操作部72を介して実施されてもよいし、外部I/F95を介して外部装置(管理装置等)によって実施されてもよい。例えば、外部I/F95を介して接続され得るバーコード読取装置によって、売上金に関するバーコード情報が印刷されたレシートの当該バーコード情報を読み取ることによって実施されてもよいし、外部I/F95を介して接続され得るICリーダによって、売上金に関するデータが記憶されたICチップの当該データを読み取ることによって実施されてもよい。
更に、分類条件や回収条件や処理モードは、収納部53、54ないし硬貨収納部152、153に装着される各カセットに設けられたカセット情報記憶部に記憶されたカセット情報に基づいて決定ないし選択されて、記憶部80に記憶されてもよい。カセット情報記憶部は、例えばICタグであり、当該ICタグに記憶されたカセット情報は、ICタグリーダによって読み出され得る。カセット情報記憶部は、識別スイッチ部として形成されて、当該識別スイッチ部に表現されたカセット情報がフォトセンサによって識別されてもよい。
ここで、カセット情報とは、当該カセットによって収納される収納対象物の区別(売上金紙幣、釣銭準備金紙幣、店舗回収商品券、他社回収商品券、・・・)であったり、当該カセットに対してアクセス可能な操作者の区別(店舗所属の操作者/警送業者所属の操作者)等である。
貨幣処理装置100が前記のようなカセット情報記憶部の情報を読み取る構成を採用すれば、カセットの装着不良(装着忘れ)を検知することもできる。この場合、表示・操作部72等を介して、そのような警告表示を実施することができる。さらに、その収納部ないし硬貨収納部においてカセットの装着が不要な態様で貨幣処理装置100を稼働する場合のために、そのような確認入力を求める旨の表示を実施してもよい。例えば、操作者の指示によって、1つのカセットに複数種類の収納対象物を混合収納してもよい。この場合、例えば、「1個カセットによる縮退運用」である旨の表示が実施されることが好ましい。
また、前記実施の形態の貨幣処理装置100は、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードと、紙葉類として商品券を処理する商品券処理モードと、紙葉類として紙幣及び商品券を処理する混在処理モードと、の3つの処理モードのいずれかが選択されるようになっているが、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードと、紙葉類として商品券を処理する商品券処理モードと、の2つの処理モードのみが用意されてそれらのいずれかが選択されるようになっていてもよいし、紙葉類として紙幣を処理する紙幣処理モードと、紙葉類として紙幣及び商品券を処理する混在処理モードと、の2つの処理モードのみが用意されてそれらのいずれかが選択されるようになっていてもよい。
紙幣処理モードと商品券処理モードとの2つの処理モードのいずれかが選択される場合、入金処理される最初の紙葉類、あるいは、入金処理に先だってモード選択のために投入される入金処理予定の紙葉類を投入部10に投入し、その識別部20による識別結果に基づいて、選択がなされてもよい。すなわち、識別部20による識別結果が「紙幣」であれば紙幣処理モードが選択され、「商品券」であれば商品券処理モードが選択されてよい。識別部20による識別結果が「リジェクト紙葉類」であれば、その次の紙葉類の識別結果に基づいて、選択がなされてよい。この時の搬送速度としては、遅い方の速度(1200mm/secが用いられる。
紙幣処理モードと混在処理モードとの2つの処理モードのいずれかが選択される場合においては、入金処理される最初の紙葉類を10枚程度、あるいは、入金処理に先だってモード選択のために投入される入金処理予定の紙葉類を10枚程度、投入部10に投入し、それらの識別部20による識別結果に基づいて、選択がなされてもよい。すなわち、識別部20による識別結果が「紙幣」のみであれば紙幣処理モードが選択され、「商品券」が含まれていれば混在処理モードが選択されてよい。この時の搬送速度としては、遅い方の速度(1200mm/secが用いられる。
紙幣処理モードでは、商品券はリジェクトされ、商品券処理モードでは、紙幣はリジェクトされる。選択されている処理モードに基づいて紙葉類の処理を開始した結果、所定枚数(例えば、5枚程度)の紙葉類が連続でリジェクトされた場合(識別部20による識別結果がリジェクト紙葉類であった場合)、処理モードの選択が誤っている可能性がある。そのような場合、処理を一旦停止させて、処理モードの確認を促す画面をタッチパネル90に表示することが好ましい。
また、図15に示すような表示画面において、紙幣処理モードでは、商品券に関する表示部分を網掛け表示にしたり、非表示としてもよい。同様に、商品券処理モードでは、商品券に関する表示部分を網掛け表示にしたり、非表示としてもよい。
なお、前記の実施の形態では、処理モードに基づいて制御されるのは、識別部20及び搬送分類機構30における紙葉類の搬送速度であるが、これに加えて、あるいは、これに代えて、識別部20による識別制御の態様が切り換えられてもよい。例えば、識別に用いる画像処理方法が切り換えられてもよい。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、様々な貨幣処理装置を形成できる。あるいは、前記実施の形態に示された全構成要素から幾つかの構成要素が削除されてもよい。