JP6460816B2 - 固体状態で不斉選択性の切り替えが可能な光学異性体分離剤 - Google Patents
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R1及びR1’は、独立してそれぞれ、置換されていてもよいC1−6アルキル基、ホルミル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、又は*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基又は−R7−(O−R8)n1−(ここで、R7は、C1−4アルキレン基を示し、R8は、C1−4アルキレン基を示し、n1は、1乃至3の整数を示す。)を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)を示し;
R2は、OR9、SR9、NHCOR9、CONHR9、OCOR9、OCON(R9’)(R9’’)、又はCO2R9(ここで、R9は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示し、R9’は、水素原子又は置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示す。)を示し;
R2’は、OH、SH又はNH2を示し;
R3、R3’、R4及びR4’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、又は置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
rは、0.05未満を示し;且つ
nは、100以上の整数を示す。]
で表されるポリアセチレン化合物(以下、「らせん化合物(I)」と称する場合がある。)を、前記基R2’にて、架橋させて固定化してなる固定化担体を光学異性体分離剤として使用することにより、固体状態でも効率良く、光学異性体を分離することができると共に、該固定化担体のらせんの巻き方向を反転させることができ、また、耐溶剤性も良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]担体上に、式(I):
R1及びR1’は、独立してそれぞれ、置換されていてもよいC1−6アルキル基、ホルミル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、又は*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基又は−R7−(O−R8)n1−(ここで、R7は、C1−4アルキレン基を示し、R8は、C1−4アルキレン基を示し、n1は、1乃至3の整数を示す。)を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)を示し;
R2は、OR9、SR9、NHCOR9、CONHR9、OCOR9、OCON(R9’)(R9’’)、又はCO2R9(ここで、R9は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示し、R9’は、水素原子又は置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示す。)を示し;
R2’は、OH、SH又はNH2を示し;
R3、R3’、R4及びR4’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、又は置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
rは、0.05未満を示し;且つ
nは、100以上の整数を示す。]
で表されるポリアセチレン化合物(以下、単に「化合物(I)」と称する場合がある。)を、前記基R2’にて、架橋させて固定化してなることを特徴とする、固定化担体。
[2]R1及びR1’が共に*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基を示し、R6は、C1−6アルキル基を示す。)であり、R2がOCOR9(ここで、R9は、C4−20アルキル基を示す。)又はOCON(R9’)(R9’’)(ここで、R9’は、水素原子を示し、R9’’は、C1−6アルキル基を示す。)であり、R2’がOHであり、並びにR3、R3’、R4及びR4’が共に水素原子である、上記[1]記載の固定化担体。
[3]R1及びR1’が共にメトキシメチル基であり、且つR2がペンタノイロキシ基又はブチルカルバモイルオキシ基である、上記[2]記載の固定化担体。
[4]rが0.002より大きく、0.02未満の範囲である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の固定化担体。
[5]架橋させるための架橋剤がジカルボン酸誘導体である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の固定化担体。
[6]担体がシリカゲルである、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の固定化担体。
[7]ポリアセチレン化合物が一方向巻きのらせん構造を有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の固定化担体。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の固定化担体からなる、クロマトグラフィー用充填剤。
[9]上記[7]記載の固定化担体からなる、光学異性体分離剤。
[10]担体上に、一方向巻きらせん構造を有する式(I):
R1及びR1’は、独立してそれぞれ、置換されていてもよいC1−6アルキル基、ホルミル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、又は*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基又は−R7−(O−R8)n1−(ここで、R7は、C1−4アルキレン基を示し、R8は、C1−4アルキレン基を示し、n1は、1乃至3の整数を示す。)を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)を示し;
R2は、OR9、SR9、NHCOR9、CONHR9、OCOR9、OCON(R9’)(R9’’)、又はCO2R9(ここで、R9は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示し、R9’は、水素原子又は置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示す。)を示し;
R2’は、OH、SH又はNH2を示し;
R3、R3’、R4及びR4’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、又は置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
rは、0.05未満を示し;且つ
nは、100以上の整数を示す。]
で表されるポリアセチレン化合物を架橋させて固定化してなる固定化担体の製造方法であって、一方向巻きらせん構造を有さない前記式(I)で表されるポリアセチレン化合物が固定化された固定化担体を、光学活性な低分子化合物又はそれを含む溶液に固体状態で含浸させた後、該低分子化合物を溶媒洗浄により除去する工程を含むことを特徴とする、方法。
[11]上記[10]記載の製造方法により得られる一方向巻きのらせん構造を有するポリアセチレン化合物固定化担体を、上記[10]で使用する低分子化合物の鏡像異性体若しくは異なる種類の光学活性低分子化合物又はそれを含む溶液に固体状態で含浸させた後、該鏡像異性体若しくは異なる種類の光学活性低分子化合物を溶媒洗浄により除去することにより、らせんの巻き方向を反転させる工程を更に含む、上記[10]記載の方法。
[12]光学活性低分子化合物が、(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコール又は(S)−(+)−1−フェニルエチルアルコールである、上記[10]又は[11]に記載の方法、に関する。
担体上に架橋基を介して固定化させる、化合物(I)は、下記式(I):
で表されるポリアセチレン化合物である。
rが0.05以上であると、担体上に化合物(I)を強固に固定化することが可能であるが、化合物(I)の自由度が著しく低下するため、らせんのキラリティーを誘起することが難しくなる。
[化合物(I−1)]
R1及びR1’が、ともに*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)であり;
R2が、OR9、OCOR9及びOCON(R9’)(R9’’)(ここで、R9は、置換されていてもよいC4−20アルキル基を示す。)からなる群より選択される基であり;
R2’が、OH又はNH2であり;
R3、R3’、R4及びR4’が、全て水素原子であり;
rが、0.05未満であり;並びに
nが、100以上の整数である、化合物(I)。
R1及びR1’が、ともに*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)であり;
R2が、OCOR9又はOCON(R9’)(R9’’)(ここで、R9は、置換されていてもよいC4−20アルキル基を示し、R9’は、水素原子を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)であり;
R2’が、OHであり;
R3、R3’、R4及びR4’が、全て水素原子であり;
rが、0.05未満であり;並びに
nが、100以上の整数である、化合物(I)。
[化合物(I−3)]
R1及びR1’が、ともにメトキシメチル基であり;
R2が、ペンタノイロキシ基であり;
R2’が、OHであり;
R3、R3’、R4及びR4’が、全て水素原子であり;
rが、0.002よりも大きく、0.02未満;並びに
nが、400以上10000以下の整数である、化合物(I)。
R1及びR1’が、ともにメトキシメチル基であり;
R2が、n−ブチルカルバモイルオキシ基であり;
R2’が、OHであり;
R3、R3’、R4及びR4’が、全て水素原子であり;
rが、0.002よりも大きく、0.02未満;並びに
nが、400以上10000以下の整数である、化合物(I)。
化合物(I)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の製造法に示されるような工程を経て合成することができる。
また、以下の工程において、反応後の処理は、通常行われる方法で行えばよく、単離精製は、必要に応じて、慣用される方法を適宜選択し、また組み合わせて行えばよい。
(製造法)
当該工程は、化合物1と化合物2を共重合させることにより、化合物(I)へと変換する工程である。使用する化合物1と化合物2のモル比によりrの値が決定される。
当該反応は、反応に影響を及ぼさない溶媒中、窒素雰囲気下、塩基存在下で金属触媒を用いて行われる。
該金属触媒の使用量は、化合物1及び化合物2の総量(1モル)に対して、通常0.00001〜0.1モル、好ましくは、0.001〜0.05モルである。
該塩基は、共溶媒として使用することもでき、該塩基の使用量は、化合物1及び化合物2の総量(1モル)に対して、通常1〜1000モルである。
反応時間は、通常0.5〜24時間である。
化合物(I)は、前記した架橋剤の存在下で、従来公知の方法またはこれらに準ずる方法に従って、化合物(I)のR2’基(すなわち、OH、SH又はNH2)及び担体(例、シリカゲル)上の水酸基と、架橋剤の両末端の反応性官能基(例、カルボキシ基、イソシアナート基等)とを、エステル結合又はウレタン結合を介して結合させることにより固定化することができる。
担体上に固定化された化合物(I)(以下、「化合物(I)固定化担体」と称することもある。)への固体状態での一方向巻きのらせんキラリティーの誘起は、例えば、以下の方法により行うことができる。
含浸させる時間は、使用する低分子化合物にもよるが、通常、数分間から1週間である。
らせん化合物(I)固定化担体のらせんの巻き方向を固体状態で反転させるには、前記した一方向巻きのらせんキラリティーの誘起方法と同様の方法により行うことができる。
1H及び13C−NMRスペクトルは、JEOL ECA500を用い、重クロロホルムを溶媒として測定した。1H−NMRについてのデータは、化学シフト(δppm)、多重度(s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、quint=クインテット、m=マルチプレット、dd=ダブルダブレット、brs=ブロードシングレット)、カップリング定数(Hz)、積分及び割当てとして報告する。
フラッシュクロマトグラフィーは、関東化学株式会社(日本、東京)のシリカゲル60Nを用いて行った。
平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(日本分光製高速液体クロマトグラフィーポンプ PU−2080、日本分光製紫外可視検出器 UV−970、日本分光製カラムオーブン CO−1560、Shodex製カラム KF−805L)によりポリスチレン換算で算出した。
光学分割能の測定には日本分光製高速液体クロマトグラフィーポンプPU−2080、日本分光製紫外可視検出器 MD−2018、及び日本分光製円二色性検出器 CD−2095を用いた。赤外吸収測定は、日本分光製赤外分光光度計 FT/IR−460を用いて行った。熱重量分析は、SIIナノテクノロジー製TG/DTA6200を用いて行った。
以下の実施例中の「室温」は通常約25℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
化合物(I−1)の合成
IR(KBr,cm−1):3276(≡CH),2105(C≡C);
1H−NMR(500MHz,CDCl3,rt):δ7.34(s,1H,Ar−H),7.19−7.18(m,3H,Ar−H),7.08(d,J=8.2Hz,1H,Ar−H),6.76(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),6.54(dd,J=5.9Hz,2.3Hz,1H,Ar−H),5.05(d,J=6.4Hz,4H,OCH2O),4.78(brs,1H,OH),3.36(d,J=1.8Hz,6H,OCH3),3.08(s,1H,C≡C−H);
13C−NMR(125MHz,CDCl3,rt):δ156.38,155.90,154.91,132.03,131.84,130.06,125.84,122.09,120.84,119.20,108.77,103.32,95.36,95.24,83.75,77.19,56.11,56.07.
IR(KBr,cm−1):3241(≡CH),2106(C≡C),1712(C=O);
1H−NMR(500MHz,CDCl3,rt):δ7.35(s,1H,Ar−H),7.21−7.16(m,3H,Ar−H),7.02(d,J=1.8Hz,1H,Ar−H),6.86(dd,J=8.5,2.1Hz,1H,Ar−H),5.06(s,4H,OCH2O),5.00(t,1H,NH),3.35(d,J=2.7Hz,6H,OCH3),3.29(dd,J=13.3,6.9Hz,2H,NCH2),3.08(s,1H,C≡C−H),1.61−1.54(m,2H,CH2),1.41(m,2H,CH2),0.96(t,J=7.3Hz,3H,CH3);
13C−NMR(125MHz,CDCl3,rt):δ155.22,154.70,154.40,151.37,131.51,131.30,129.53,125.60,125.02,122.22,118.85,114.80,109.08,95.09,95.08,83.52,77.13,55.95,53.42,40.95,31.87,19.89,13.72.
(i)化合物(I−1a)(r=0.01)の合成
IR(KBr,cm−1):1720(C=O);
1H−NMR(400MHz,CDCl3,55℃):δ7.50−6.71(br,4H,Ar−H),6.59(br,1H,Ar−H),6.42(br,1H,Ar−H),5.98(br,1H,C≡C−H),5.21(br,1H,NH),4.74(br,4H,OCH2O),3.22(br,2H,NCH2),3.05(br,6H,OCH3),1.58−1.34(br,4H,2CH2),0.94(t,3H,CH3).
窒素雰囲気下、重合管に化合物1b(2mg,6μmol)及び化合物1c(130mg,0.31mmol)を入れ、1時間真空乾燥させた。脱水THF(0.20mL)を加えてモノマーを溶解させた後、トリエチルアミン(0.13mL)を加え、モノマー溶液を調製した。[Rh(nbd)Cl]2(5.5mg,12μmol)を脱水THF(2.3mL)に溶解し、触媒溶液を調製した。触媒溶液0.3mLをモノマー溶液に加えてすぐに撹拌し、重合を開始した([モノマー]=0.5M,[モノマー]/[Rh]=100)。30℃の恒温槽で3時間静置した後、大量のメタノールに再沈殿させ、遠心分離により不溶部の化合物(I−1b)(130mg)を収率99%で回収した。得られた化合物(I−1b)のSEC測定により求めたポリスチレン換算の数平均分子量Mnは3.5×105であり分散度Mw/Mnは2.24であった。また、化合物(I−1b)の1H−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3中,55℃で測定)より、化合物(I−1b)の立体規則性は、ほぼ100%シス−トランソイドであることが分かった。
IR(KBr,cm−1):1720(C=O);
1H−NMR(400MHz,CDCl3,55℃):δ7.03−6.70(br,4H,Ar−H),6.59(br,1H,Ar−H),6.43(br,1H,Ar−H),5.98(br,1H,C≡C−H),5.19(br,1H,NH),4.73(br,4H,OCH2O),3.22(br,2H,NCH2),3.05(br,6H,OCH3),1.61−1.33(br,4H,2CH2),0.95(t,3H,CH3).
(1)化合物(I−1a)の担体(シリカゲル)上への固定化とカラム充填
(i)化合物(I−1a)の担体(シリカゲル)上への固定化
実施例1の(3)(i)で得られた化合物(I−1a)(90mg)をTHF(4mL)に溶解し、HPLC用のシリカゲル(590mg、ダイソー製:粒径5μm)に物理的に吸着させ、化合物(I−1a)担持シリカゲルを得た。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。
窒素雰囲気下、前記化合物(I−1a)担持シリカゲル(600mg)をジメチルスルホキシド(12ml)に分散させた。テトラデカン二酸(270mg,1.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(250mg,2.1mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(400mg,2.1mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、吸引濾過によりシリカゲルを回収し、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄することで、固定化できなかったポリマーを除去した。真空乾燥後、得られた粉末状物質(510mg)をメタノールに分散させた。2.0Mトリメチルシリルジアゾメタン−ジエチルエーテル溶液(0.3mL,0.6mmol)を加えて5時間振盪機で撹拌を行った。溶媒を溜去した後、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄した。真空乾燥後、化合物(I−1a)固定化シリカゲル(507mg)を回収した。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、9%であった。
(ii)化合物(I−1a)固定化シリカゲルの充填によるカラム調製
前記(1)(i)で得られた化合物(I−1a)固定化シリカゲルをスラリー法(溶媒:ヘキサン)により長さ25cm、内径0.20cmのステンレスカラムに充填し、カラム(以下、「カラムA1」という)を作製した。
(i)化合物(I−1b)の担体(シリカゲル)上への固定化
実施例1の(3)(ii)で得られた化合物(I−1b)(93mg)をTHF(4mL)に溶解し、HPLC用のシリカゲル(600mg、ダイソー製:粒径5μm)に物理的に吸着させ、化合物(I−1b)担持シリカゲルを得た。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。
窒素雰囲気下、前記化合物(I−1b)担持シリカゲル(600mg)をジメチルスルホキシド(12ml)に分散させた。テトラデカン二酸(270mg,1.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(250mg,2.1mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(400mg,2.1mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、吸引濾過によりシリカゲルを回収し、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄することで、固定化できなかったポリマーを除去した。真空乾燥後、得られた粉末状物質(600mg)をメタノールに分散させた。2.0Mトリメチルシリルジアゾメタン−ジエチルエーテル溶液(0.3mL,0.6mmol)を加えて5時間振盪機で撹拌を行った。溶媒を溜去した後、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄した。真空乾燥後、化合物(I−1b)固定化シリカゲル(540mg)を回収した。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、12%であった。
ポリマー中に含有するフェノール性水酸基の割合を2%に高めることにより、前記(1)(化合物(I−1a)の固定化)の場合(9%)と比べてより、効率良くポリマーを固定化できることが分かった。
(ii)化合物(I−1b)固定化シリカゲルの充填によるカラム調製
前記(2)(i)で得られた化合物(I−1b)固定化シリカゲルをスラリー法(溶媒:ヘキサン)により長さ25cm、内径0.20cmのステンレスカラムに充填し、カラム(以下、「カラムA2」という)を作製した。
化合物(I−2)の合成
IR(KBr,cm−1):3259(≡CH),2103(C≡C),1761(C=O);
1H−NMR(500MHz,CDCl3,rt):δ7.35(s,1H,Ar−H),7.21−7.18(m,3H,Ar−H),6.97(d,J=2.3Hz,1H,Ar−H),6.81(dd,J=6.0,2.3Hz,1H,Ar−H),5.06(s,4H,OCH2O),3.35(d,J=1.4Hz,6H,OCH3),3.09(s,1H,C≡C−H),2.57(t,J=7.8Hz,2H,COCH2),1.74(quint,J=7.3Hz,2H,CH2),1.44(m,2H,CH2),0.97(t,J=7.3Hz,3H,CH3);
13C−NMR(125MHz,CDCl3,rt):δ172.24,155.41,154.27,151.07,131.50,131.46,129.45,125.66,125.55,122.36,118.94,114.79,109.04,95.18,95.14,83.52,77.34,77.21,77.02,76.70,55.99,34.14,26.96,22.27,13.75.
(i)化合物(I−2a)(r=0.01)の合成
IR(KBr,cm−1):1758(C=O);
1H−NMR(400MHz,CDCl3,55℃):δ7.09−6.69(br,4H,Ar−H),6.55(br,1H,Ar−H),6.45(br,1H,Ar−H),5.99(br,1H,C≡C−H),4.74(br,4H,OCH2O),3.04(br,6H,OCH3),2.48(br,2H,OCOCH2),1.75−1.36(br,4H,2CH2),0.95(t,3H,CH3).
窒素雰囲気下、重合管に化合物1b(0.2mg,0.63μmol)及び化合物1d(100mg,0.25mmol)を入れ、1時間真空乾燥させた。脱水THF(0.16mL)を加えてモノマーを溶解させた後、トリエチルアミン(0.10mL)を加え、モノマー溶液を調製した。[Rh(nbd)Cl]2(4.4mg,9.7μmol)を脱水THF(1.9mL)に溶解し、触媒溶液を調製した。触媒溶液0.24mLをモノマー溶液に加えてすぐに撹拌し、重合を開始した。30℃の恒温槽で3時間静置した後、大量のメタノールに再沈殿させ、遠心分離により不溶部の化合物(I−2b)(96mg)を収率96%で回収した。得られた化合物(I−2b)のSEC測定により求めたポリスチレン換算の数平均分子量Mnは4.7×105であり分散度Mw/Mnは1.78であった。また、化合物(I−2b)の1H−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3中,50℃で測定)より、化合物(I−2b)の立体規則性は、ほぼ100%シス−トランソイドであることが分かった。
IR(KBr,cm−1):1759(C=O);
1H−NMR(400MHz,CDCl3,55℃):δ7.05−6.65(br,4H,Ar−H),6.56(br,1H,Ar−H),6.46(br,1H,Ar−H),6.00(br,1H,C≡C−H),4.74(br,4H,OCH2O),3.04(br,6H,OCH3),2.47(br,2H,OCOCH2),1.78−1.37(br,4H,2CH2),0.95(t,3H,CH3).
窒素雰囲気下、重合管に化合物1d(300mg,0.75mmol)を入れ、1時間真空乾燥させた。脱水THF(0.48mL)を加えてモノマーを溶解させた後、トリエチルアミン(0.30mL)を加え、モノマー溶液を調製した。[Rh(nbd)Cl]2(13mg,29μmol)を脱水THF(5.7mL)に溶解し、触媒溶液を調製した。触媒溶液0.72mLをモノマー溶液に加えてすぐに撹拌し、重合を開始した。30℃の恒温槽で3時間静置した後、大量のメタノールに再沈殿させ、遠心分離により不溶部の化合物(I−2c)(267mg)を収率89%で回収した。得られた化合物(I−2c)のSEC測定により求めたポリスチレン換算の数平均分子量Mnは3.3×105であり分散度Mw/Mnは4.5であった。また、化合物(I−2c)の1H−NMRスペクトル(500MHz,CDCl3中,50℃で測定)より、化合物(I−2c)の立体規則性は、ほぼ100%シス−トランソイドであることが分かった。
IR(KBr,cm−1):1758(C=O);
1H−NMR(400MHz,CDCl3,55℃):δ6.96−6.36(br,6H,Ar−H),6.05−5.90(br,1H,C≡C−H),4.91−4.55(br,4H,OCH2O),3.20−2.89(br,6H,OCH3),2.55−2.40(br,2H,OCOCH2),1.75−1.64(br,2H,CH2),1.47−1.36(br,2H,CH2),1.00−0.90(br,3H,CH3).
(1)化合物(I−2a)の担体(シリカゲル)上への固定化
実施例3の(2)(i)で得られた化合物(I−2a)(90mg)をTHF(4mL)に溶解し、HPLC用のシリカゲル(590mg、ダイソー製:粒径5μm)に物理的に吸着させ、化合物(I−2a)担持シリカゲルを得た。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。
窒素雰囲気下、前記化合物(I−2a)担持シリカゲル(600mg)をジメチルスルホキシド(12ml)に分散させた。テトラデカン二酸(270mg,1.0mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(250mg,2.1mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(400mg,2.1mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、吸引濾過によりシリカゲルを回収し、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄することで、固定化できなかったポリマーを除去した。真空乾燥後、得られた粉末状物質(560mg)をメタノールに分散させた。2.0Mトリメチルシリルジアゾメタン−ジエチルエーテル溶液(0.3mL,0.6mmol)を加えて5時間振盪機で撹拌を行った。溶媒を溜去した後、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄した。真空乾燥後、固定化シリカゲル(550mg)を回収した。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。
実施例3の(2)(ii)で得られた化合物(I−2b)(90mg)をTHF(4mL)に溶解し、HPLC用のシリカゲル(590mg、ダイソー製:粒径5μm)に物理的に吸着させ、化合物(I−2b)担持シリカゲルを得た。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。
窒素雰囲気下、前記化合物(I−2b)担持シリカゲル(500mg)をジメチルスルホキシド(10ml)に分散させた。テトラデカン二酸(220mg,0.85mmol)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(210mg,1.7mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(330mg,1.7mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、吸引濾過によりシリカゲルを回収し、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄することで、固定化できなかったポリマーを除去した。真空乾燥後、得られた粉末状物質(440mg)をメタノールに分散させた。2.0Mトリメチルシリルジアゾメタン−ジエチルエーテル溶液(0.3mL,0.6mmol)を加えて5時間振盪機で撹拌を行った。溶媒を溜去した後、ジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄した。真空乾燥後、固定化シリカゲル(420mg)を回収した。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、2%であった。
実施例3の(2)(iii)で得られた化合物(I−2c)(130mg)をTHF(6mL)に溶解し、HPLC用のシリカゲル(845mg、ダイソー製:粒径5μm)に物理的に吸着させ、化合物(I−2c)担持シリカゲルを得た。熱重量分析によりシリカゲル上の有機物の割合を算出したところ、13%であった。化合物(I−2c)担持シリカゲル(50mg)をジクロロメタンとテトラヒドロフランを用いて洗浄した。真空乾燥後、回収したシリカゲル上の有機物の割合を熱重量分析により算出したところ、0.2%であった。
(1)カラム内における化合物(I−1a)固定化シリカゲルへの一方向巻きのらせんキラリティーの誘起(らせん化合物(I−1a)固定化シリカゲルへの変換)と、当該カラムを用いたHPLCによる不斉識別
(i)カラム内における化合物(I−1a)固定化シリカゲルへの一方向巻きのらせんキラリティーの誘起
実施例2の(1)(ii)により調製したステンレスカラム(カラムA1)に、光学的に純粋な(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコール/トルエン(1/1(v/v))を送液し、カラム内を満たした。25℃で24時間静置した後、ヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を流し、カラム内を置換して、(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコールを除去することによりカラムA1−aを調製した。
上記(i)の操作で調製されたキラルカラム(カラムA1−a)を用いて、3,3’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールの光学分割をHPLCにより行った(カラム温度:10℃)。溶離液にはヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を用いて、流速は0.2mL/分とした。また、溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。その結果、k1=2.08(−)、α=1.35と見積もられた(図1)。
カラムA1−aを用いて、様々な化合物のラセミ体の光学分割をHPLCにより行った。その結果を表1にまとめて示した。流速は0.2mL/分とした。また、溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。
上記(1)(i)の操作で調製されたカラムA1−aに、光学的に純粋な(S)−(+)−1−フェニルエチルアルコール/トルエン(1/1(v/v))を送液し、カラム内を満たした。25℃で24時間静置した後、ヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を流し、カラム内を置換して、(S)−(+)−1−フェニルエチルアルコールを除去することによりカラムA1−bを調製した。カラムA1−bを用いて、3,3’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールの光学分割をHPLCにより行った(カラム温度:10℃)。溶離液にはヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を用いて、流速は0.2mL/分とした。また、溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。その結果、k1=2.06(+)、α=1.34と見積もられた(図1)。図1の3,3’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールの分割クロマトグラムから、各光学異性体の溶出順序が逆転したことが確認された。また、上記の操作で得られたカラムA1−bを用いて、様々なラセミ体の光学分割をHPLCにより行った。その結果を表2にまとめて示した。
上記(2)の操作で調製されたカラムA1−bに、光学的に純粋な(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコール/トルエン(1/1(v/v))を送液し、カラム内を満たした。25℃で24時間静置した後、ヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を流し、カラム内を置換して、(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコールを除去することによりカラムA1−cを調製した。カラムA1−cを用いて、3,3’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールの光学分割をHPLCにより行った(カラム温度:10℃)。溶離液にはヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を用いて、流速は0.2mL/分とした。また、溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。その結果、k1=2.13(−)、α=1.34と見積もられた(図1)。図1の3,3’−ジフェニル−1,1’−ビ−2−ナフトールの分割クロマトグラムから、各光学異性体の溶出順序が再度逆転したことが確認された。また、上記の操作で得られたカラムA1−cを用いて、様々なラセミ体の光学分割をHPLCにより行った。その結果を表3にまとめて示した。
(i)カラム内における化合物(I−1b)固定化シリカゲルへの一方向巻きのらせんキラリティーの誘起
実施例2の(2)(ii)により調製したステンレスカラム(カラムA2)に、光学的に純粋な(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコール/トルエン(1/1(v/v))を送液し、カラム内を満たした。25℃で24時間静置した後、ヘキサン/2−プロパノール=97/3(v/v)を流し、カラム内を置換して、(R)−(−)−1−フェニルエチルアルコールを除去することによりカラムA2−aを調製した。
上記(i)の操作で調製されたカラム(カラムA2−a)を用いて、様々な化合物のラセミ体の光学分割をHPLCにより行った。その結果を表4にまとめて示した。流速は0.2mL/分とした。また、溶離液がカラムを素通りする時間t0は1,3,5−トリ−tert−ブチルベンゼンの溶出時間から求めた。
Claims (6)
- 担体上に、式(I):
[式中、
R1及びR1’は、独立してそれぞれ、置換されていてもよいC1−6アルキル基、ホルミル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、又は*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基又は−R7−(O−R8)n1−(ここで、R7は、C1−4アルキレン基を示し、R8は、C1−4アルキレン基を示し、n1は、1乃至3の整数を示す。)を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)を示し;
R2は、OR9、SR9、NHCOR9、CONHR9、OCOR9、OCON(R9’)(R9’’)、又はCO2R9(ここで、R9は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示し、R9’は、水素原子又は置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示す。)を示し;
R2’は、OH、SH又はNH2を示し;
R3、R3’、R4及びR4’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、又は置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
rは、0.002より大きく、0.02未満を示し;且つ
nは、100以上の整数を示す。]
で表されるポリアセチレン化合物を、前記基R2’にて、架橋させて固定化してなることを特徴とする、固定化担体。 - ポリアセチレン化合物が一方向巻きのらせん構造を有する、請求項1に記載の固定化担体。
- 請求項1又は2に記載の固定化担体からなる、クロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項1又は2に記載の固定化担体からなる、光学異性体分離剤。
- 担体上に、一方向巻きらせん構造を有する式(I):
[式中、
R1及びR1’は、独立してそれぞれ、置換されていてもよいC1−6アルキル基、ホルミル基、置換されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ−カルボニル基、置換されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、又は*−R5−O−R6(ここで、*は、酸素原子との結合位置を示し、R5は、C1−4アルキレン基又は−R7−(O−R8)n1−(ここで、R7は、C1−4アルキレン基を示し、R8は、C1−4アルキレン基を示し、n1は、1乃至3の整数を示す。)を示し、R6は、置換されていてもよいC1−6アルキル基を示す。)を示し;
R2は、OR9、SR9、NHCOR9、CONHR9、OCOR9、OCON(R9’)(R9’’)、又はCO2R9(ここで、R9は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示し、R9’は、水素原子又は置換されていてもよいC1−6アルキル基を示し、R9’’は、置換されていてもよいC1−30アルキル基を示す。)を示し;
R2’は、OH、SH又はNH2を示し;
R3、R3’、R4及びR4’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1−6アルキル基、又は置換されていてもよいC1−6アルコキシ基を示し;
rは、0.002より大きく、0.02未満を示し;且つ
nは、100以上の整数を示す。]
で表されるポリアセチレン化合物を、架橋させて固定化してなる固定化担体の製造方法であって、一方向巻きらせん構造を有さない前記式(I)で表されるポリアセチレン化合物が固定化された固定化担体を、光学活性な低分子化合物又はそれを含む溶液に固体状態で含浸させた後、該低分子化合物を溶媒洗浄により除去する工程を含むことを特徴とする、方法。 - 請求項5記載の製造方法により得られる一方向巻きのらせん構造を有するポリアセチレン化合物固定化担体を、請求項5で使用する低分子化合物の鏡像異性体若しくは異なる種類の光学活性低分子化合物又はそれを含む溶液に固体状態で含浸させた後、該鏡像異性体若しくは異なる種類の光学活性低分子化合物を溶媒洗浄により除去することにより、らせんの巻き方向を反転させる工程を更に含む、請求項5に記載の方法。
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