JP6459857B2 - ターボチャージャおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インペラを備えるターボチャージャと、インペラを備えるターボチャージャの製造方法とに関する。
車両に搭載されるエンジンに取り付けられるターボチャージャは、エンジンからの排気を動力源として回転する回転体を有している。この回転体の回転により、エンジンの燃焼室に空気が強制的に送り込まれる。
ターボチャージャの回転体は、高速で回転する。回転体に質量のアンバランスが存在すると、回転体の振動および騒音の原因となる。そのため従来、回転体の一部を除去することによりバランス調整を行なう技術が提案されている(たとえば、特許文献1および2参照)。
特開昭58−211845号公報 実開昭56−139802号公報
回転体は、単独でバランス調整を行なう必要があるほか、その回転体を含む機器の組立後に、機器全体でのバランス調整を行なう必要がある。上記特許文献1,2では、インペラのハブ部の背面にバランス調整用の突起を設けることが開示されているが、機器の組立後にハブ部の背面の突起を切削することはできない。そのため、組立後の機器全体でのバランス調整が困難であった。
本発明の目的は、インペラを含む機器全体での組立後のバランス調整を容易にするターボチャージャと、インペラを備えるターボチャージャの製造方法とを提供することである。
本発明に係るインペラは、略円錐台状のハブ部と、複数の翼部とを備えている。ハブ部は、回転軸方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面を有している。翼部は、回転軸方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する。翼部は、ハブ部の外周面から径方向外側に突出して形成されている。隣り合う2つの翼部の間に、翼部に挟まれた翼間空間が形成されている。インペラはさらに、突起部を備えている。突起部は、翼間空間において外周面から突起している。突起部は、翼間空間を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向に沿って延びている。
上記インペラにおいて好ましくは、翼部の根元部と突起部とは、径方向に対して同じ方向に湾曲している。隣接する2つの翼部のうち、突起部の湾曲の外側にある一方の翼部の根元部の延びる方向に沿って、突起部が延びている。
上記インペラにおいて好ましくは、流体の流れ方向における上流側の突起部の端部が、鋭角を形成している。
上記インペラにおいて好ましくは、ハブ部は、外周縁部を有している。突起部の、流体の流れ方向における下流側の端部が、外周縁部まで延びている。
上記インペラにおいて好ましくは、突起部には、突起部の一部が削除された切欠き部が形成されている。
本発明に係るターボチャージャは、排気通路に配設されたタービンと、吸気通路に配設されたインペラと、タービンとインペラとを連結するシャフトと、を備えている。インペラは、略円錐台状のハブ部と、複数の翼部と、突起部とを有している。ハブ部は、回転軸方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面を有している。翼部は、回転軸方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する。翼部は、ハブ部の外周面から径方向外側に突出して形成されている。突起部は、隣接する2つの翼部に挟まれた翼間空間において外周面から突起している。突起部は、翼間空間を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向に沿って延びている。
本発明のターボチャージャによると、インペラを含む機器全体での、組立後のバランス調整を容易に行なうことができる。
ターボユニットの外観の斜視図である。 ターボチャージャの回転軸に沿った断面図である。 インペラの外観を説明する斜視図である。 インペラの外観を説明する平面図である。 図3,4に示すインペラの一部の断面図である。 第1の例の突起部を拡大して示す部分断面図である。 第1の例の突起部に切欠き部が形成された状態を示す断面図である。 第2の例の突起部を拡大して示す部分断面図である。 第3の例の突起部を有するインペラの一部の断面図である。 第3の例の突起部を拡大して示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
まず、ターボチャージャ1の全体構造について説明する。なお、本実施の形態では、車両に搭載される内燃機関に取り付けられるターボチャージャ1を例にして説明する。
図1は、ターボユニットの外観の斜視図である。ターボユニットは、ターボチャージャ1の吸気流入口20Aに、インレットエルボ2の吸気吐出口2Bを接続して構成されている。ターボチャージャ1は、吸気ハウジング20とインペラとにて構成されるコンプレッサ、および排気ハウジング10を有している。
インレットエルボ2は、略筒状形状に形成されており、吸気流入口2Aと吸気吐出口2Bとを有している。ターボユニットを車両のエンジンルーム内の限られた搭載スペース内に収めるために、インレットエルボ2は、種々の方向に湾曲した形状とされている。図1に点線にて示す流線2Zは、湾曲したインレットエルボ2内を通過する吸気(空気)の流線を示している。
図2は、ターボチャージャ1の回転軸ZC方向に沿った断面図である。ターボチャージャ1は、排気ハウジング10、吸気ハウジング20、および軸受ハウジング30、の3つのハウジングを有している。
軸受ハウジング30内には、シャフト31が設けられている。シャフト31は、軸受によって、回転軸ZC回りに回転可能に支持されている。排気ハウジング10内には、タービン40が設けられている。吸気ハウジング20内には、インペラ50が設けられている。
タービン40は、シャフト31における排気ハウジング10の側の先端に固定されている。インペラ50には、シャフト31を貫通させる貫通孔が形成されている。インペラ50は、シャフト31における吸気ハウジング20の側の先端付近に、ナット32を用いて固定されている。タービン40とインペラ50とは、シャフト31によって連結されている。タービン40とシャフト31とインペラ50とは、一体となって回転軸ZC回りに回転可能である。
排気ハウジング10には、内燃機関からの排気ガスを流入させる排気流入口10A(図1参照)、流入させた排気ガスをタービン40に導くスクロール室10S、および、タービン40にてエネルギーが回収された排気を吐出する排気吐出口10Bが形成されている。排気ハウジング10内には、スクロール室10Sからタービン40に向かって流れる排気ガスの流速を調節する可変ノズル60、および可変ノズルを支持するプレート61,62が設けられている。
吸気ハウジング20には、内燃機関が吸入する吸気(空気)を流入させる吸気流入口20A、吸気ハウジング20内に流入してインペラ50にて移送(圧送)された空気の通路となるスクロール室20C、および、移送(圧送)された空気の出口となる吸気吐出口20B(図1参照)が形成されている。吸気ハウジング20内には、シュラウド部材21およびスクロール部材22が設けられている。シュラウド部材21およびスクロール部材22は、スクロール室20Cを形成している。
ターボチャージャ1の動作について説明する。内燃機関から排出された排気ガスは、排気通路を流れる過程で、排気流入口10Aからターボチャージャ1に流入する。排気ガスは、排気ハウジング10のスクロール室10Sにおいて、隣り合う可変ノズル60間の通路を通り、タービン40に吹付けられる。
この排気ガスの吹付けにより、タービン40が回転駆動される。タービン40の回転は、シャフト31を介して、タービン40と同軸上のインペラ50に伝達される。これにより、インペラ50がタービン40と一体となって回転する。ターボチャージャ1のインペラ50の回転によって、内燃機関の燃焼室に空気が強制的に送り込まれる(過給される)。このようにして、燃焼室への空気の充填効率が高められる。インペラ50は、タービン40の回転動力を用いて内燃機関に過給するための部材である。
次に、本実施の形態のインペラ50の形状について説明する。図3は、インペラ50の外観を説明する斜視図である。図4は、インペラ50の外観を説明する平面図である。図5は、図3,4に示すインペラ50の一部の断面図である。なお図4には、インペラ50を回転軸ZCに沿う方向から見た平面図が示されている。図5には、回転軸ZCを含む切断面に沿うインペラ50の断面が示されている。
図3、図4および図5に示すように、インペラ50は、ハブ部51を有している。ハブ部51は、略円錐台状の形状を有している。ハブ部51は、先端部54と、外周縁部55と、背面51bを有している。先端部54は、ハブ部51における排気の流入側の端部である。外周縁部55は、ハブ部51における外径が最大の部位であって、径方向外側に向けて排気を排出する部位である。背面51bは、図2に示すインペラ50が組み立てられた状態において軸受ハウジング30に向くインペラ50の外表面である。背面51bは、空気の流路を形成しないインペラ50の外表面である。
ハブ部51は、外周面(ハブ面)56を有している。外周面56は、回転軸ZC方向に沿って、先端部54から外周縁部55へ向かって放物線状に径が大きくなるように形成されている。
ハブ部51の表面には、複数の翼部が形成されている。翼部は、回転軸ZC方向に沿って先端部54側から流入してきた流体を径方向外側に移送(圧送)して、外周縁部55へ導く。
翼部は、回転軸ZC方向の長さが互いに異なる複数の全翼(長翼)52と複数の半翼(短翼)53とを有している。全翼52と半翼53とは、インペラ50の外周面56において、回転軸ZCを中心とする周方向に交互に設けられている。本実施の形態においては、6つの全翼52と6つの半翼53とが、インペラ50の周方向に交互に設けられている。
全翼52は、流体の入口部を構成する先端部54の近傍から、流体の出口部を構成する外周縁部55にかけて、ハブ部51の外周面56から径方向外側に突出して形成されている。半翼53は、隣り合う全翼52,52の間に形成された流路の途中位置から外周縁部55にかけて、ハブ部51の外周面56から径方向外側に突出して形成されている。半翼53は、全翼52よりも、流体の流れ方向F(図5)の長さが短くなっている。
図3,4中に、インペラ50の回転方向が破線で示されている。全翼52と半翼53とは、外周縁部55に近づくにつれてインペラ50の回転方向の下流に向くように曲がった、湾曲形状を有している。全翼52と半翼53とは、回転方向後方側のサクション面と、回転方向前方側のプレッシャー面とを有している。
隣り合う全翼52と半翼53との間に、翼間空間58が形成されている。翼間空間58は、全翼52と半翼53とによって挟まれている。全翼52のサクション面と、半翼53のプレッシャー面と、外周面(ハブ面)56とによって、翼間空間58の三方が囲まれている。全翼52に対して回転方向の後方側、かつ半翼53に対して回転方向の前方側に、6つの翼間空間58が形成されている。
6つの翼間空間58の各々に、突起部57が形成されている。突起部57は、全翼52と同数設けられている。突起部57は、半翼53と同数設けられている。突起部57の設けられる数は、全翼52の数と半翼53の数とを合計した数の約数のうち、1以外の数とされている。本実施の形態では全翼52と半翼53との合計数は12であるため、突起部57の数は、2,3,4,6または12であってもよい。
突起部57は、ハブ部51の外周面56から径方向外側に突出して形成されている。突起部57は、全翼52と半翼53との間に形成された翼間空間58の、流体の流れ方向Fにおける途中位置に形成されている。突起部57は、流体の流れ方向Fに沿って延びている。翼間空間58を流れる流体(空気)は、図5に示すように、インペラ50の外周縁部55へ向けて径方向外側へ向かって流れる。
図6は、第1の例の突起部57を拡大して示す部分断面図である。図6中には、突起部57と、全翼52のうちの根元部52b(図3も併せて参照)と、半翼53のうちの根元部53b(図3も併せて参照)とを、回転軸ZCに沿う方向から見た拡大平面図が示されている。図6中に示す全翼52は、根元部52bを残して切断した断面であり、半翼53は、根元部53bを残して切断した断面である。
図6に示す第1の例の突起部57は、翼形状を有している。突起部57は、流体の流れ方向Fにおける上流側の端部となるリーディングエッジ57Lと、流体の流れ方向Fにおける下流側の端部となるトレーリングエッジ57Tとを有している。リーディングエッジ57Lは、インペラ50の径方向における内側の、突起部57の縁を構成している。トレーリングエッジ57Tは、インペラ50の径方向における外側の、突起部57の縁を構成している。
突起部57は、側壁57A,57Bを有している。側壁57Aは、半翼53と向かい合う突起部57の側面である。側壁57Bは、全翼52と向かい合う突起部57の側面である。
側壁57Aと側壁57Bとは、リーディングエッジ57Lにおいて互いに接合されており、トレーリングエッジ57Tにおいて互いに接合されている。リーディングエッジ57Lは、流体の流れ方向Fにおける、側壁57A,57Bの上流側の縁部を構成している。トレーリングエッジ57Tは、流体の流れ方向Fにおける、側壁57A,57Bの下流側の縁部を構成している。リーディングエッジ57Lにおいて、側壁57Aと側壁57Bとは、鋭角を形成している。トレーリングエッジ57Tの近傍において、側壁57Aと側壁57Bとは、円筒面形状を有している。
図6中に一点鎖線で示す中心線CLは、側壁57Aと側壁57Bとから等しい距離にある点を、リーディングエッジ57Lからトレーリングエッジ57Tまで繋いだ線である。
隣り合う全翼52と半翼53との間に形成されている翼間空間58は、突起部57によって仕切られている。突起部57は、翼間空間58を、突起部57と半翼53との間の翼間空間58aと、全翼52と突起部57との間の翼間空間58bとに仕切っている。翼間空間58aは、突起部57と半翼53とによって挟まれている。翼間空間58bは、突起部57と全翼52とによって挟まれている。全翼52と半翼53との間を流れる流体は、突起部57のリーディングエッジ57Lに到達すると、翼間空間58aと翼間空間58bとのいずれか一方に分かれて流れる。
突起部57の側壁57Aと、半翼53のプレッシャー面と、外周面(ハブ面)56とによって、翼間空間58aの三方が囲まれている。突起部57の側壁57Bと、全翼52のサクション面と、外周面(ハブ面)56とによって、翼間空間58bの三方が囲まれている。
図6に示すように、全翼52の根元部52bと、半翼53の根元部53bと、突起部57の中心線CLとは、インペラ50の径方向に対して同じ方向に湾曲している。より具体的には、根元部52b,53bと突起部57の中心線CLとは、径方向外側へ向かうにつれて回転方向の後方側へ向かうように、湾曲している。図6に示すインペラ50は時計回り方向を回転方向とし、根元部52b,53bと突起部57の中心線CLとは、インペラ50の外周縁部55に近づくにつれて反時計方向へ向くように、湾曲している。
全翼52と半翼53とは、異なる曲率を有している。インペラ50の外周縁部55の近傍において、半翼53は、全翼52よりも曲率が大きい。
半翼53は、突起部57の湾曲の内側に配置されている。全翼52は、突起部57の湾曲の外側に配置されている。突起部57の中心線CLは、全翼52の根元部52bと等しい曲率を有している。突起部57の中心線CLは、半翼53の根元部53bと異なる曲率を有している。隣接する全翼52と半翼53とのうち、突起部57の湾曲の外側にある全翼52の根元部52bの延びる方向に沿って、突起部57が延びている。
インペラ50は、母材からの切削加工(いわゆる削り出し)、または精密鋳造による製造方法によって、成形される。切削によりインペラ50を製造する場合には、切削の未加工部分を突起部57の形状に形作ることで、容易に突起部57を形成することができる。鋳造によりインペラ50を製造する場合には、突起部57を含む金型を準備することで、容易に突起部57を形成することができる。
図7は、第1の例の突起部57に切欠き部59が形成された状態を示す断面図である。図7に示すように、ハブ部51の外周面56から突起部57が突き出した先端部分の一部が切り欠かれて、切欠き部59が形成されている。このような切欠き部59は、ハブ部51の先端部54側からボールエンドミルなどの加工工具を用いて突起部57の一部を削除することにより、容易に形成され得る。工具を用いた加工のほか、レーザ加工などの他の任意の加工手段を用いて、切欠き部59を形成してもよい。
図7に示す実施の形態では、突起部57の先端部分の一部が切り欠かれた形状の切欠き部59が形成されているが、切欠き部59の形状はこの例に限られない。突起部57の延びる方向における端部(図6に示すリーディングエッジ57Lまたはトレーリングエッジ57T)のいずれか一方または両方が切り欠かれてもよい。突起部57の先端部分の全体が加工されて、突起部57が外周面56から突き出す高さを全体的に小さくするように、切欠き部59を形成してもよい。突起部57の全部を削除する加工が行なわれてもよい。突起部57の全部を削除した後にさらにハブ部51の外周面56に窪みを形成するまで、加工が行なわれてもよい。
図8は、第2の例の突起部57を拡大して示す部分断面図である。突起部57は、図6を参照して説明した翼形状に限られるものではない。突起部57は、翼間空間58を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向Fに沿って延びる形状であれば、どのような形状であってもよい。より具体的には、リーディングエッジ57Lとトレーリングエッジ57Tとの間の中心線CLに沿う長さが、流体の流れ方向Fに直交する方向における側壁57Aと側壁57Bとの間の寸法の最大値よりも大きくなるように、突起部57は形成されればよい。
突起部57は、流体の流れ方向Fに沿う方向を長手方向とし、流体の流れ方向Fに直交する方向を短手方向(厚み方向)とするように、形成されればよい。突起部57は、リーディングエッジ57Lとトレーリングエッジ57Tとの間の中心線CLに沿う長さを長径とし、側壁57Aと側壁57Bとの間の寸法を短径とするように、形成されればよい。
たとえば図8に示すように、流体の流れ方向Fにおける側壁57Aの中央部分が半翼53に向けて突き出し、流体の流れ方向Fにおける側壁57Bの中央部分が全翼52に向けて突き出してもよい。図8に示す突起部57では、側壁57Aと側壁57Bとは、リーディングエッジ57Lとトレーリングエッジ57Tとの両方において、鋭角を形成している。このような突起部57は、切削加工によって容易に形成することができる。
図9は、第3の例の突起部57を有するインペラの一部の断面図である。図10は、第3の例の突起部57を拡大して示す部分断面図である。第3の例の突起部57では、流体の流れ方向Fにおける下流側の端部であるトレーリングエッジ57Tが、インペラ50の外周縁部55にまで延びている。第3の例の突起部57は、ハブ部51の外周面56のうち、回転軸ZC方向において先端部54から最も離れている位置に、形成されている。
上述した説明と一部重複する部分もあるが、本実施の形態の特徴的な構成を以下、列挙する。本実施の形態のインペラ50は、図3〜5に示すように、略円錐台状のハブ部51と、複数の翼部を構成する全翼52および半翼53とを備えている。ハブ部51は、回転軸ZC方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面56を有している。全翼52および半翼53は、回転軸ZC方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する。全翼52および半翼53は、ハブ部51の外周面56から径方向外側に突出して形成されている。隣り合う全翼52と半翼との間に、全翼52と半翼53とに挟まれた翼間空間58が形成されている。インペラ50はさらに、突起部57を備えている。突起部57は、翼間空間58においてハブ部51の外周面56から突起している。
インペラの翼間空間に突起部が形成されていない従来の構成において、ターボチャージャ組立後の回転体全体としてのバランス修正は、シャフトにインペラを締結するナットの一部を切削除去することによって行なわれることが一般的である。回転体全体でのアンバランスは、軸方向の異なる2面で修正しなければ、完全には修正できない。そこで、ナットに加えてインペラの外周面(ハブ面)を切削除去して、軸方向の異なる2面でのバランス修正が行なわれている。しかしながら、インペラは高速回転する部材であり、かつハブ面は流路を形成する部分であるので、ハブ面を大きく切削すると、インペラの強度低下、および、切削箇所が流体の流れに対する抵抗となり流れが阻害されることによるインペラの性能低下、などの虞がある。そのため、ハブ面の複数箇所を少量ずつ切削除去してバランス修正を行なう必要があり、回転体の試験的な回転とハブ面の切削加工とを何度も繰り返して行なう作業が必要とされ、効率が悪かった。
本実施の形態においては、ハブ部51の外周面(ハブ面)56から突起する突起部57が設けられている。たとえば、図7に示すように、ターボチャージャ1の組立後に、この突起部57を必要に応じて切削除去することによって、ターボチャージャ1全体でのバランス修正が容易に可能になる。突起部57が切削除去できる重量を増加させていることにより、1箇所の突起部57を切削除去してバランス修正を行なうことができるので、多点に分割して切削除去する必要がない。したがって、バランス修正に係る作業性を向上することができる。
図6,8および10に示すように、突起部57は、翼間空間58を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向Fに沿って延びている。このように突起部57を形成することで、切削除去されずにハブ部51の外周面(ハブ面)56に存在する突起部57は、翼間空間58に設けられたスプリッターとしての機能を発揮する。突起部57は、翼間空間58aから翼間空間58bへの流体の横すべりを防止する機能を有している。これにより、流体には、インペラ50の径方向外側へ向かう方向の力が、より強く作用する。流体の流れを妨げることなく、却って流体の流れを促進する形状に突起部57を形成することで、突起部57の設けられたインペラ50の性能を向上することができる。
また図6,8および10に示すように、全翼52の根元部52b、半翼53の根元部53b、および突起部57は、インペラ50の径方向に対して同じ方向に湾曲している。全翼52と半翼53とのうち、突起部57の湾曲の外側に全翼52が存在している。全翼52の根元部52bの延びる方向に沿って、突起部57が延びている。このように突起部57を形成することで、翼間空間58を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向Fに沿って延びるように、確実に突起部57を形成することができる。
また図6,8および10に示すように、流体の流れ方向Fにおける上流側の突起部57の端部が、鋭角を形成している。
ハブ部51の外周面56は略円錐面状の形状を有しているため、全翼52と半翼53との間隔は、回転軸ZCから離れるにつれてより大きくなる。全翼52と半翼53との間隔は、ハブ部51の外周縁部55に近づくにつれて、より大きくなる。全翼52と半翼53との間隔は、流体の流れ方向Fにおける下流側に向かうにつれて、より大きくなる。翼間空間58において、流体の流れ方向Fの下流側ほど流路幅が拡大しているので、突起部57に許容される厚みがより大きくなる。
よって、リーディングエッジ57Lが鋭角を形成するように突起部57を形成することにより、翼間空間58を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向Fに沿って延びるように、確実に突起部57を形成することができる。また、翼間空間58aと翼間空間58bとに分かれる流路抵抗を、より低減することができる。
また図3,4に示すように、ハブ部51は、外周縁部55を有している。図9,10に示すように、突起部57の、流体の流れ方向Fにおける下流側の端部が、外周縁部55まで延びている。このように突起部57を形成することにより、回転軸ZC方向において図2に示すナット32からより離れた位置に突起部57が形成されるので、突起部57を切削除去することによるターボチャージャ1全体でのバランス修正がより容易になる。さらに、切削除去されずにハブ部51の外周面56に存在する突起部57によって、インペラ50の性能をより向上することができる。
また図7に示すように、突起部57には、突起部57の一部が削除された切欠き部59が形成されている。切欠き部59は、突起部57の一部をバランス修正のために切削除去した後の形状を示している。よって、切欠き部59の形成されたインペラ50を有するターボチャージャ1では、ターボチャージャ1全体でのアンバランスが確実に低減されている。
本実施の形態50のターボチャージャ1は、図2に示すように、排気通路の配設されたタービン40と、吸気通路に配設されたインペラ50と、タービン40とインペラ50とを連結するシャフト31と、を備えている。インペラ50は、図3〜5に示すように、略円錐台状のハブ部51と、複数の翼部を構成する全翼52および半翼53とを有している。ハブ部51は、回転軸ZC方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面56を有している。全翼52および半翼53は、回転軸ZC方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する。全翼52および半翼53は、ハブ部51の外周面56から径方向外側に突出して形成されている。隣り合う全翼52と半翼との間に、全翼52と半翼53とに挟まれた翼間空間58が形成されている。インペラ50はさらに、突起部57を有している。突起部57は、翼間空間58においてハブ部51の外周面56から突起している。図6,8および10に示すように、突起部57は、翼間空間58を径方向外側へ向けて流れる流体の流れ方向Fに沿って延びている。
このような突起部57を有するインペラ50を用いたターボチャージャ1は、組立後に突起部57を必要に応じて切削除去することによって、ターボチャージャ1全体でのバランス修正が容易に可能になる。流体の流れを促進する形状に突起部57を形成することで、突起部57の設けられたインペラ50を備えるターボチャージャ1の性能を向上することができる。
これまでに説明したターボチャージャは、内燃機関を搭載した車両に限定されず、種々の用途に適用することが可能である。また、これまでに説明したインペラは、ターボチャージャに限定されず、種々の回転機械に適用することが可能である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ターボチャージャ、10 排気ハウジング、20 吸気ハウジング、30 軸受ハウジング、31 シャフト、32 ナット、40 タービン、50 インペラ、51 ハブ部、51b 背面、52 全翼、52b,53b 根元部、53 半翼、54 先端部、55 外周縁部、56 外周面、57 突起部、57A,57B 側壁、57L リーディングエッジ、57T トレーリングエッジ、58,58a,58b 翼間空間、59 切欠き部、CL 中心線、F 流れ方向、ZC 回転軸。

Claims (6)

  1. 排気通路に配設されたタービンと、
    吸気通路に配設されたインペラと、
    前記タービンと前記インペラとを連結するシャフトと、を備える、ターボチャージャであって、
    前記インペラは、
    回転軸方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面を有する、略円錐台状のハブ部と、
    前記ハブ部の前記外周面から径方向外側に突出して形成され、前記回転軸方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する、複数の翼部と、を備え、
    隣り合う2つの前記翼部の間に、前記翼部に挟まれた翼間空間が形成され、
    さらに、前記翼間空間において前記外周面から突起し、前記翼間空間を径方向外側へ向けて流れる前記流体の流れ方向に沿って延びる、前記ターボチャージャの組立後に必要に応じて切削除去することによって前記ターボチャージャ全体でのバランス修正を行なうための突起部を備える、ターボチャージャ
  2. 前記翼部の根元部と前記突起部とは、径方向に対して同じ方向に湾曲しており、
    前記突起部が延びる方向が、隣接する2つの前記翼部のうち、前記突起部の湾曲の外側にある一方の翼部の根元部の延びる方向に沿、請求項1に記載のターボチャージャ
  3. 前記流体の流れ方向における上流側の前記突起部の端部が、鋭角を形成する、請求項1または2に記載のターボチャージャ
  4. 前記ハブ部は、外周縁部を有し、
    前記突起部の、前記流体の流れ方向における下流側の端部が、前記外周縁部まで延びる、請求項1から3のいずれか1項に記載のターボチャージャ
  5. 前記突起部には、前記突起部の一部が削除された切欠き部が形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のターボチャージャ
  6. 排気通路に配設されたタービンと、吸気通路に配設されたインペラと、前記タービンと前記インペラとを連結するシャフトと、を備えるターボチャージャの製造方法であって、
    前記インペラは、
    回転軸方向に沿って徐々に径が大きくなる外周面を有する、略円錐台状のハブ部と、
    前記ハブ部の前記外周面から径方向外側に突出して形成され、前記回転軸方向から流入してきた流体を径方向外側に圧送する、複数の翼部と、を備え、
    隣り合う2つの前記翼部の間に、前記翼部に挟まれた翼間空間が形成され、
    さらに、前記翼間空間において前記外周面から突起し、前記翼間空間を径方向外側へ向けて流れる前記流体の流れ方向に沿って延びる、突起部を備え、
    前記ターボチャージャを組み立てるステップと、
    前記突起部を切削除去することによって前記ターボチャージャ全体でのバランス修正を行なうステップと、を備える、ターボチャージャの製造方法
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