JP6459804B2 - 溶湯の液面検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶湯の液面高さを検知するための、溶湯の液面検知装置に関する。
従来、ダイカスト鋳造装置においては、金型に設けた射出スリーブに定量の溶湯(溶融金属)を給湯し、その後油圧により駆動されるプランジャの先端に設けたプランジャチップで射出スリーブ内に充填した溶湯を金型のキャビティ内に送り込むことで、ダイカスト鋳造が行われている(特許文献1参照)。
このようなダイカスト鋳造装置では、例えば溶湯保持炉に貯溜された溶湯を電磁ポンプを用いて射出スリーブに充填し、溶湯を電磁ポンプを用いて射出スリーブに供給する際に、溶湯保持炉内の液面高さを検知して電磁ポンプの駆動力にフィードバックすることで、溶湯の供給量を一定に制御するように構成されたものがある。
この場合、溶湯の供給量を一定に制御するためには、溶湯の液面高さを正確に検知することが重要であり、溶湯保持炉内における溶湯の液面高さの検知は、例えば液面レベルセンサーを用いて行われている。
また、液面高さを検知する液面レベルセンサーとしては、例えば特許文献2に開示されるように、溶湯保持炉内に貯溜される溶湯の液面に浮かぶフロートと、前記フロートに連結され、前記溶湯保持炉の上面に形成される貫通孔を通じて前記溶湯保持炉の上方に延出するフロート軸(垂直棒)とを備え、前記フロート軸の上端の上下位置を計測することにより、溶湯の液面高さを検知するように構成されたものが知られている。
特開2012−223779号公報 特開昭64−75142号公報
前述のように、溶湯の液面に浮かぶフロートを液面レベルセンサーとして用いた場合、溶湯の液面高さの変化に伴ってフロートおよびフロート軸が上下方向に移動し、フロート軸が溶湯保持炉上面の貫通孔内を摺動することとなるが、フロート軸が前記貫通孔内を摺動する際には、貫通孔の内周面に接触しながら摺動することがある。
このように、フロート軸が貫通孔の内周面に接触しながら摺動する場合、フロート軸と貫通孔の内周面との間の摺動抵抗によりフロート軸の上下動が妨げられて、フロートが液面高さの変化に良好に追従せずに、溶湯の液面高さを正確に検知できないおそれがある。
そこで、本発明においては、液面レベルセンサーとしてフロートを用いた場合であっても、フロートが溶湯の液面高さの変化に良好に追従して、溶湯の液面高さを正確に検知することができる溶湯の液面検知装置を提供するものである。
上記課題を解決する溶湯の液面検知装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、溶湯の液面検知装置は、溶湯の液面に浮かぶフロート、および前記フロートから上方へ延出するフロート軸を具備する検知子と、前記フロート軸が挿通されるガイド孔を有し、前記ガイド孔の内周面により前記フロート軸をガイドすることにより、前記検知子を起立姿勢に保持するガイド部材と、前記検知子の高さ位置を計測することにより前記溶湯の液面高さを検知する検知手段を備え、前記ガイド孔の内周面に、凹部が形成されているものである。
本発明によれば、フロートが溶湯の液面高さの変化に良好に追従して、溶湯の液面高さを正確に検知することが可能となる。
溶湯の液面検知装置を備えたダイカスト鋳造装置を示す側面断面図である。 溶湯の液面検知装置を示す側面断面図である。 溶湯の液面検知装置におけるガイド部材の内周面を示す展開図である。 ガイド部材の内周面の第二の実施例を示す展開図である。 ガイド部材の内周面の第三の実施例を示す展開図である。 フロート軸の軸心とガイド孔の軸心とが平行な状態で、フロート軸がガイド孔の内周面と接触した様子を示す側面断面図である。 フロート軸のガイド孔に対する傾斜角度が最大になったときの、フロート軸とガイド孔の内周面との接触状態を示す側面断面図である。 ガイド孔の内周面に凹部が形成されていないガイド部材を具備する溶湯の液面検査装置を示す側面断面図である。 ガイド孔の内周面に凹部が形成されていないガイド部材を具備する溶湯の液面検査装置において、フロート軸の軸心とガイド孔の軸心とが平行な状態で、フロート軸がガイド孔の内周面と接触した様子を示す側面断面図である。 ガイド孔の内周面に凹部が形成されていないガイド部材を具備する溶湯の液面検査装置における、フロート軸のガイド孔に対する傾斜角度が最大になったときの、フロート軸とガイド孔の内周面との接触状態を示す側面断面図である。 炉蓋の傾斜角度による検知子の引き上げ力の変化を測定するための試験装置を示す側面断面図である。 炉蓋の傾斜角度と検知子の引き上げ力との関係を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示すダイカスト鋳造装置1は、本発明に係る溶湯の液面検知装置を備えた溶湯保持炉を具備するダイカスト鋳造装置の実施形態である。
ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ11が形成される金型10と、金型10に付設される略円筒形状の射出スリーブ20と、射出スリーブ20に摺動自在に挿通される射出チップ30と、溶湯5を内部に貯溜する溶湯保持炉50と、溶湯保持炉50内の溶湯5を射出スリーブ20に供給するための電磁ポンプ40とを備えている。
溶湯保持炉50は、貯溜する溶湯5の液面高さを検知するための液面検知装置60を備えている。また、溶湯保持炉50は上方の開口部を炉蓋51により閉塞されており、溶湯5を大気から遮断した状態で貯溜している。
溶湯保持炉50内に貯溜される溶湯5は、アルミニウム等の溶湯金属である。また、溶湯保持炉50および炉蓋51は耐火材にて構成されている。
電磁ポンプ40は、その一端部が溶湯保持炉50内の溶湯5に挿入されており、射出制御と連動して電磁力により溶湯5を汲み上げるものである。
電磁ポンプ40の他端部には給湯管41・42が接続されており、電磁ポンプ40により汲み上げた溶湯5を、給湯管41・42を介して射出スリーブ2の内部に供給するように構成している。
給湯管41・42は互いに接続されており、給湯管41は給湯管42の上方に配置されている。そして、給湯管41の上端部が電磁ポンプ40の他端部に接続され、給湯管42の下端部が射出スリーブ20の給湯口6へ臨むように配置されている。
給湯管41・42は、中継管43を介して射出スリーブ20に連結されている。具体的には、中継管43は、振動吸収部である蛇腹構造のベローズ43aと、ベローズ43aの下方に接続される断熱部材43bとを有しており、断熱部材43bの下端部が射出スリーブ20に接続され、ベローズ43aの上端部により上側給湯管41と下側給湯管42との接続部分を支持することにより、給湯管41・42と射出スリーブ20とを連結している。
このように、給湯管41・42を、中継管43を介して射出スリーブ20と連結することで、給湯管42の下端部を給湯口21に接触させることなく給湯管41・42と射出スリーブ20とを連結することができ、射出スリーブ20の変位や振動をベローズ43aにより吸収して、当該変位や振動が給湯管41・42へ伝達されることを防止できる。
射出スリーブ20には、電磁ポンプ40により汲み上げられた溶湯5が、給湯管42の下端部から給湯口21を通じて供給される。
この場合、中継管43の射出スリーブ20との接続部および給湯管41・42との接続部はシールされており、給湯口21は中継管43により全体的に覆われているため、給湯管41・42から給湯口21を通じて射出スリーブ2内に供給される溶湯5が大気に触れることがない。
射出スリーブ20に挿通される射出チップ30は、エアシリンダや油圧シリンダ等からなる図示せぬアクチュエータによって、射出スリーブ20内を軸心方向へ進退するように制御されている。
金型1のキャビティ11は射出スリーブ20と連通されており、射出スリーブ20内に供給された溶湯5が射出チップ30により押し出されると、押し出された溶湯5がキャビティ11内に射出されることとなる。
金型10には、キャビティ11と連通し、キャビティ11内の空気を吸引するための吸引口12が設けられており、キャビティ11と吸引口12を結ぶ経路にはシャットバルブ13が設けられている。吸引口12は減圧手段に接続されており、減圧手段によりキャビティ11内を減圧可能となっている。
このように構成されるダイカスト装置1においては、減圧手段によりキャビティ11内を減圧した状態で、電磁ポンプ40により溶湯保持炉50から給湯管41・42を介して射出スリーブ20の内部に供給した溶湯5を、射出チップ30により金型10側へ押し出してキャビティ11内へ射出することにより、ダイカスト鋳造が行われる。
次に、溶湯保持炉50に設けられる溶湯5の液面検知装置60について説明する。
図1、図2に示すように、液面検知装置60は、溶湯5の液面に浮かぶフロート61a、フロート61aから上方へ延出するフロート軸61b、およびフロート軸61bの上端部に形成される検知面61cを具備する検知子61と、フロート軸61bが挿通されるガイド孔63を有し、ガイド孔63の内周面によりフロート軸61bをガイドすることにより、検知子61を起立姿勢に保持するガイド部材62と、検知子61における検知面61cの高さ位置を計測することにより溶湯5の液面高さを検知する検知手段であるレーザ変位計67とを備えている。
検知子61のフロート61aは上下途中部に最大径部を有しており、前記最大径部より下部が最大径部から下方へいくに従って縮径する円錐台形状に形成され、前記最大径部より上部が最大径部から上方へいくに従って縮径する円錐台形状に形成されている。フロート61aの下部に位置する円錐台形状部分の上下寸法は、上部に位置する円錐台形状の上下寸法よりも大きく形成されている。
フロート61aは、例えばセラミック材にて構成されており、内部に重り部材66が埋設されている。重り部材66は、フロート61aの下部に位置する円錐台形状部分に埋設されており、フロート61aを構成するセラミック材よりも高い比重を有する部材にて構成されている。
検知子61のフロート軸61bは、例えばオーステナイト系のステンレス材にて構成された棒状部材であり、上下方向に沿って配置されている。フロート軸61bの下端部はフロート61aに連結され、上端部は溶湯保持炉50の上方外部へ延出している。
検知子61の検知面61cは、フロート軸61bの上端に形成された、フロート軸61bの軸径よりも大径の円板状部の上面である。検知面61cが形成される前記円板状部も、例えばオーステナイト系のステンレス材にて構成されている。
ガイド部材62は、軸心方向に貫通するガイド孔63を有した略円筒状部材であり、例えばオーステナイト系のステンレス材にて構成されている。ガイド部材62は、溶湯保持炉50の炉蓋51に形成される貫通孔51aに嵌装されている。
ガイド部材62は、軸心を上下方向(炉蓋51の板面と直交する方向)に向けた姿勢で貫通孔51aに嵌装されており、ガイド部材62の軸心方向の長さ寸法Lは、炉蓋51の厚み寸法Dよりも大きく形成されている。ガイド部材62の上端は炉蓋51の上面と面一となっており、ガイド部材62の下端部は炉蓋51の下面よりも下方に突出している。
ガイド部材62のガイド孔63の内径Φ2は、フロート軸61bの外径Φ1よりも大きく形成されており、ガイド孔63にはフロート軸61bが摺動自在に挿通されている。
ガイド孔63の内周面63aには凹部64が形成されている。凹部64は内周面63aの周方向に沿って円環状に形成されており、凹部64の内径Φ3はガイド孔63の内径Φ2よりも大きく形成されている。
図3に示すように、凹部64はガイド孔63の軸心方向に沿って断続的に複数形成されており、ガイド孔63の内周面63aにおいては、凹部64が形成されていない部分と凹部64が形成されている部分とが、軸心方向に沿って交互に現れる。
本実施形態においては、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分は、3箇所に存在している。
図3に示した内周面63aに形成される凹部64は円環状に形成されているが、必ずしも円環状に形成する必要はなく、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分が、内周面の周方向の全ての位相において、ガイド孔63の軸心方向における複数箇所に断続的に出現するように形成されていればよい。
例えば、図4に示すように、内周面63aの展開図において、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分が、矩形状に形成され、周方向および軸心方向へ千鳥状に配置されるように、凹部64を形成することもできる。
また、図5に示すように、内周面63aの展開図において、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分が、円形状に形成され、周方向および軸心方向へ千鳥状に配置されるように、凹部64を形成することもできる。
内周面63aに形成される凹部64の内径Φ3は、ガイド孔63の内径Φ2よりも大きく形成されているため、ガイド孔63に挿通されたフロート軸61bは、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分にのみ接触可能となっており、内周面63aにおける凹部64が形成されている部分(即ち凹部64の内周面64a)には接触しない。
従って、凹部64が形成されたガイド孔63においては、ガイド孔63に凹部64を形成しない場合に比べて、ガイド孔63内を摺動するフロート軸61bが接触可能な内周面63aの面積が少なくなっている。
ガイド孔63の内径Φ2はフロート軸61bの外径Φ1よりも大きく形成されているため、ガイド孔63の内周面63aとフロート軸61bの外周面との間には所定のクリアランスが形成されることとなり、フロート軸61bは、ガイド孔63の軸心方向と直交する方向に、前記クリアランスの範囲内で移動することが可能である。また、フロート軸61bは、フロート軸61bの軸心が、前記クリアランスの範囲内でガイド孔63の軸心方向に対して傾斜可能となっている。
そして、図6に示すように、フロート軸61bの軸心とガイド孔63の軸心とが平行な状態で、フロート軸61bがガイド孔63の内周面63aと接触すると、フロート軸61bは、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分に、軸心方向の上端側から下端側にかけて全体的に接触することとなる。
一方、図7に示すように、フロート軸61bの軸心が、前記クリアランスの範囲内でガイド孔63の軸心方向に対して最大に傾斜した場合、つまりガイド孔63に挿通されたフロート軸61bの、ガイド孔63に対する傾斜角度θが最大になったときには、フロート軸61bは、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分のうち、最も上方に位置する部分と、最も下方に位置する部分とのみに接触することとなる。
フロート軸61bがガイド孔63に対して傾斜し、フロート軸61bが内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分の最も上方に位置する部分と、最も下方に位置する部分とのみに接触した場合、ガイド孔63とフロート軸61bとのクリアランスが大きく、フロート軸61bのガイド孔63に対する傾斜角度θが大きくなりすぎると、フロート軸61bとガイド孔63との間にかじりが生じて、フロート軸61bがガイド孔63内を円滑に摺動できなくなるおそれがある。
従って、フロート軸61bの外径Φ1およびガイド孔63の内径Φ2、ならびに内周面63aの凹部64が形成されていない部分のうち最も上端に位置する箇所から、内周面63aの凹部64が形成されていない部分のうち最も下端に位置する箇所までの寸法Ltを、フロート軸61bのガイド孔63に対する傾斜角度θが最大になったときに、フロート軸61bとガイド孔63との間にかじりが生じない程度の大きさとなるような寸法に設定することが好ましい。
前述のように構成される検知子61は、検知子61を起立姿勢とし、フロート61aを溶湯5の液面に浮かべると、例えばフロート61aの下部に位置する円錐台形状部分が溶湯5内に沈み込み、フロート61aの上部に位置する円錐台形状部分が溶湯5の液面よりも上方に突出するように構成されている。
また、フロート61aが溶湯5の液面ガイド部材62に浮かんだ起立姿勢の検知子61は、重心位置が高くて完全には自立することができないため、液面検知装置60においては、フロート軸61bをガイド孔63に挿通して、ガイド孔63の内周面63aによりフロート軸61bをガイドすることにより、検知子61の起立姿勢を保持している。つまり、ガイド孔63の内周面63aを有するガイド部材62は、フロート軸61bの外周部に配置されるガイド部材であり、ガイド部材62の内周面63aがフロート軸61bのガイド面となっている。
ここで、検知子61の起立姿勢とは、フロート61aが検知子61の下端部に位置するとともに、フロート軸61bの軸心が上下方向に沿った状態となる姿勢である。但し、フロート軸61bは必ずしも完全な垂直姿勢である必要はなく、ガイド孔63aに対して、ガイド孔63aとのクリアランスの範囲内で傾斜した姿勢である場合も含む。
レーザ変位計67は、検知子61の上方に配置されており、検知面61cに向けてレーザ光を照射し、検知面61cで反射した反射光を受光することで、検知面61cの高さ位置を計測し、計測した検知面61cの高さ位置に基づいて溶湯5の液面高さを検知するように構成されている。
また、ダイカスト鋳造装置1においては、レーザ変位計67により検知した溶湯5の液面高さを電磁ポンプ40にフィードバックして、電磁ポンプ40による溶湯5の汲み上げ量を制御するようにしている。
レーザ変位計67により溶湯5の液面高さを検知する場合、溶湯5の液面高さの変化に伴って検知子61が上下動するが、検知子61が上下動する際に、フロート軸61bがガイド孔63の内周面63aに接触した場合、たとえ軸心方向の上端側から下端側にかけて全体的に接触したとしても、内周面63aには凹部64が形成されているため、フロート軸61bが実際に接触する内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分の面積は小さくなり、フロート軸61bとガイド孔63との間に生じる摺動抵抗は小さいものとなる。
従って、フロート軸61bの上下動が妨げられることがなく、検知子61は溶湯5の液面高さの変化に良好に追従することができ、レーザ変位計67による溶湯5の液面高さの検知を正確に行うことが可能となっている。
一方、フロート軸61bをガイドするガイド部材が、図8に示すような、ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162であった場合は、例えばフロート軸61bの軸心とガイド孔163の軸心とが平行な状態で、フロート軸61bがガイド孔163の内周面163aと接触すると、図9に示すようにフロート軸61bが内周面163aの上端側から下端側にかけて全体的に接触する。この場合、フロート軸61bは、内周面163aの上端から下端までの全範囲において接触することとなり、フロート軸61bと内周面163aとの接触面積は、凹部64を形成した内周面63aの場合に比べて大きくなる。従って、フロート軸61bが内周面163aに全体的に接触すると、フロート軸61bとガイド孔163との間に生じる摺動抵抗が大きくなって、検知子161が溶湯5の液面高さの変化に良好に追従できなくなるおそれがある。
このようなことから、本実施形態においては、前述のように、ガイド孔63の内周面63aに凹部64を形成し、フロート軸61bと内周面63aとの接触面積を減少させて、フロート軸61bとガイド孔63との間に生じる摺動抵抗を小さくすることにより、検知子61を溶湯5の液面高さの変化に良好に追従できるようにしている。
なお、図10に示すように、ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162の場合、フロート軸61bとガイド孔163とのクリアランスの範囲内で、フロート軸61bの軸心がガイド孔163の軸心方向に対して最大に傾斜した場合には、フロート軸61bは、内周面163aの最も上方に位置する部分と、最も下方に位置する部分とのみに接触することとなる。
また、ガイド孔63の内周面63aにおいては、少なくとも凹部64が形成されていない部分、即ちフロート軸61bが接触する部分に窒化処理(SP処理)を施して、当該内周面63aの摩擦係数を低減させ、内周面63aにフロート軸61bが接触した場合の、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗を低減させている。
同様に、フロート軸61bの外周面にも窒化処理(SP処理)を施して、当該外周面の摩擦係数を低減させ、内周面63aにフロート軸61bが接触した場合の、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗を低減させている。
また、検知子61においては、フロート61aの下部に重り部材66が埋設されているので、溶重り部材66が埋設されていない場合に比べて、溶湯5の液面に浮かべた際の自立性が向上しており、フロート軸61bが傾斜して内周面63aに接触した場合でも、フロート軸61bの内周面63aに対する接触強度が大きくない、つまりフロート軸61bは内周面63aに軽く接触する程度となるため、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗を小さくすることが可能となっている。
また、ガイド部材62およびフロート軸61bは、オーステナイト系のステンレス材にて構成することにより、耐酸化性を向上させており、溶湯5の熱による酸化を低減している。これにより、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗が、ダイカスト鋳造装置1の稼動時間の増加に伴って大きくなることを抑制することができる。
さらに、ガイド部材62の内周面63aに形成される凹部64の内周面64aには、断熱性を有する塗型剤を塗布しており、ガイド部材62の耐熱性を向上させている。
また、本実施形態では、ガイド部材62の内周面63aにおいて、凹部64が形成されていない部分は3箇所形成されているが、2箇所に形成したり、3箇所よりも多くの箇所に形成したりすることも可能である。
また、液面検知装置60においては、ガイド部材62の下端部62aを炉蓋51の下面よりも下方に突出させているため、炉蓋51を構成する耐火材等の異物がガイド孔63に下方から侵入することを防止できる。これにより、前記異物がガイド孔63とフロート軸61bとの隙間に入り込んで挟まり、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗が大きくなることを防止できる。
ガイド部62の長さ寸法Lは、ガイド部材62の下端部を炉蓋51の下面よりも下方に突出させるために、例えば炉蓋51の厚み寸法Dが102mmであった場合には、110mm以上の寸法に設定することができる。
このガイド部材62の下端部を炉蓋51の下面よりも下方に突出させる構成は、図8に示したガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162にも適用することができる。
つまり、内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162においても、下端部162aを炉蓋51の下面よりも下方に突出させて、異物がガイド孔163とフロート軸61bとの隙間に入り込んで挟まることを防止することができる。
また、ガイド部材62においては、内周面63aの凹部64が形成されていない部分のうち最も下端に位置する箇所、即ち内周面63aにおけるフロート軸61bが接触する部分の下端が、ガイド部材62の下端よりも上方に位置するように構成されている。
このように、内周面63aにおけるフロート軸61bが接触する部分の下端を、ガイド部材62の下端よりも上方に位置させることで、溶湯5の液面から内周面63aにおけるフロート軸61bが接触する部分の下端までの寸法を大きくしている。これにより、溶湯5がガイド孔63とフロート軸61bとの隙間に入り込むことが抑制され、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗が大きくなることを防止できる。
次に、液面検知装置60においてフロート軸61bがガイド孔63内を摺動する際の、フロート軸61bとガイド孔63の内周面63aとの間に生じる摺動抵抗と、炉蓋51の傾斜角度θcとの関係、つまり、フロート軸61bと内周面63aとの間に生じる摺動抵抗の大きさが、炉蓋51の傾斜角度θcによってどのように変化するか、について試験を行ったので説明する。
図11に示すように、本試験においては、フロート61が溶湯5の液面に浮かんでいる状態の検知子61を上方に向けて引き上げるときに必要となる引き上げ力を、検知子61のフロート軸61bとガイド孔63の内周面63aとの間に生じる摺動抵抗として測定した。
また、検知子61の引き上げ力の測定は、溶湯保持炉50と炉蓋51との間にスペーサ70を介装することにより、炉蓋51の水平方向に対する傾斜角度θcを変化させて行った。この場合、炉蓋51の傾斜角度θcは、炉蓋51の上面に設置した傾斜計71により確認を行った。炉蓋51の傾斜角度θcは、0°〜10°の範囲で変化させた。
検知子61の引き上げ力は検知子61に接続したロードセルにより測定した。計測時に用いた溶湯5はアルミニウム合金(ADC12)であり、計測時の溶湯5の温度は680℃であった。検知子61の引き上げは、上下方向における所定範囲の引き上げストロークSにおける下端から上端まで行った。
検知子61の引き上げ力の測定は、液面検知装置60にガイド部材62(ガイド孔63の内周面63aに凹部64が形成されたガイド部)を用いた場合と、ガイド部材162(ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部)を用いた場合とについて、それぞれ行った。
なお、ガイド部材62におけるガイド孔63の内径Φ2と、ガイド部材162におけるガイド孔163の内径Φ2とは同径に設定されており、フロート軸61bとガイド孔63とのクリアランス、およびフロート軸61bとガイド孔163とのクリアランスは同じ寸法となっている。
図12に検知子61の引き上げ力の測定結果を示す。
ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162を用いた場合は、炉蓋51の傾斜角度θcが0°から増加するに従って、検知子61の引き上げ力が大きくなっている。
ここで、検知子61が引き上げられる際には、溶湯5の液面に浮かんでいるフロート61aには溶湯5からの浮力が作用しており、ガイド孔163に挿通されるフロート軸61bはガイド孔163内を水平方向に自由に移動できるため、ガイド孔163内におけるフロート軸61bの水平方向位置やガイド孔163に対する傾斜角度が時々刻々と変化し、フロート軸61bは、図9に示したようなガイド孔163の内周面163aに全体的に接触した状態と、図10に示したようなガイド孔163の内周面163aの上端部および下端部のみに点接触した状態とが混在した状態となる。
そして、炉蓋51の傾斜角度θcが0°の場合は、フロート軸61bがガイド孔163の内周面163aに全体的に接触した状態となる頻度があまり多くなく、フロート軸61bとガイド孔163との間の摺動抵抗はさほど大きくないため、検知子61の引き上げ力はそれほど大きくなっていない。
この炉蓋51の傾斜角度θcが0°である状態から増加していくと、フロート軸61bが内周面163aに全体的に接触した状態となる頻度が増えていき、フロート軸61bとガイド孔163との間の摺動抵抗が大きくなっていくため、検知子61の引き上げ力も炉蓋51の傾斜角度θcの増加に伴って増大していくこととなっている。
一方、ガイド孔63の内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いた場合においても、炉蓋51の傾斜角度θcが0°から増加するに従って、検知子61の引き上げ力が大きくなっているが、引き上げ力の大きさは、内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162を用いた場合に比べて大幅に小さくなっている。
これは、内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いた場合も、炉蓋51の傾斜角度θcが増加するにつれて、フロート軸61bとガイド孔63との間の摺動抵抗が大きくなってはいくが、ガイド孔63の軸心とフロート軸61bの軸心とが平行になった場合でも、内周面63aにおいてフロート軸61bと接触する部分は凹部64が形成されていない箇所のみであって、フロート軸61bと内周面63aとの接触面積は小さくなり、フロート軸61bとガイド孔163との間の摺動抵抗が大きくならないためである。
図12に示すように、検知子61の引き上げ力においては、検知子61が常に溶湯5の液面高さの変化に良好に追従して動くことができる最大の安定可動引き上げ力Fが設定されており、この最大の安定可動引き上げ力F以下の範囲が、検知子61の安定可動域となっている。
内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いた場合においては、炉蓋51の傾斜角度θcが5°のときに、検知子61の引き上げ力が、最大の可動引き上げ力Fとなっており、炉蓋51の傾斜角度θcが5°以下であれば、検知子61が溶湯5の液面高さの変化に良好に追従して、安定的に摺動することが可能であることがわかる。
また、液面検知装置60の現実の使用状況においては、炉蓋51の水平方向に対する傾斜角度θcは、5°以下であるので、内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いることで、常に検知子61を溶湯5の液面高さの変化に良好に追従させて、レーザ変位計67による溶湯5の液面高さの検知を正確に行うことが可能となる。
1 ダイカスト鋳造装置
10 金型
11 キャビティ
20 射出スリーブ
30 射出チップ
40 電磁ポンプ
50 溶湯保持炉
51 炉蓋
60 液面検知装置
61 検知子
61a フロート
61b フロート軸
61c 検知面
62 ガイド部材
63 ガイド孔
63a 内周面
64 凹部
67 レーザ変位計

Claims (1)

  1. 溶湯保持炉内において溶湯の液面に浮かぶフロート、および前記フロートから上方へ延出するフロート軸を具備する検知子と、
    前記フロート軸が挿通されるガイド孔を有し、前記ガイド孔の内周面により前記フロート軸をガイドすることにより、前記検知子を起立姿勢に保持するガイド部材と、
    前記検知子の高さ位置を計測することにより前記溶湯の液面高さを検知する検知手段を備え、
    前記ガイド部材が、前記溶湯保持炉の炉蓋に形成される貫通孔に嵌装され、
    前記ガイド部材の下端部が、前記炉蓋の下面よりも下方に突出し、
    前記ガイド孔の内周面に、凹部が形成されている、
    ことを特徴とする溶湯の液面検知装置。
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