JP6459804B2 - 溶湯の液面検知装置 - Google Patents
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Description
この場合、溶湯の供給量を一定に制御するためには、溶湯の液面高さを正確に検知することが重要であり、溶湯保持炉内における溶湯の液面高さの検知は、例えば液面レベルセンサーを用いて行われている。
このように、フロート軸が貫通孔の内周面に接触しながら摺動する場合、フロート軸と貫通孔の内周面との間の摺動抵抗によりフロート軸の上下動が妨げられて、フロートが液面高さの変化に良好に追従せずに、溶湯の液面高さを正確に検知できないおそれがある。
即ち、請求項1記載の如く、溶湯の液面検知装置は、溶湯の液面に浮かぶフロート、および前記フロートから上方へ延出するフロート軸を具備する検知子と、前記フロート軸が挿通されるガイド孔を有し、前記ガイド孔の内周面により前記フロート軸をガイドすることにより、前記検知子を起立姿勢に保持するガイド部材と、前記検知子の高さ位置を計測することにより前記溶湯の液面高さを検知する検知手段を備え、前記ガイド孔の内周面に、凹部が形成されているものである。
ダイカスト鋳造装置1は、キャビティ11が形成される金型10と、金型10に付設される略円筒形状の射出スリーブ20と、射出スリーブ20に摺動自在に挿通される射出チップ30と、溶湯5を内部に貯溜する溶湯保持炉50と、溶湯保持炉50内の溶湯5を射出スリーブ20に供給するための電磁ポンプ40とを備えている。
溶湯保持炉50内に貯溜される溶湯5は、アルミニウム等の溶湯金属である。また、溶湯保持炉50および炉蓋51は耐火材にて構成されている。
電磁ポンプ40の他端部には給湯管41・42が接続されており、電磁ポンプ40により汲み上げた溶湯5を、給湯管41・42を介して射出スリーブ2の内部に供給するように構成している。
給湯管41・42は互いに接続されており、給湯管41は給湯管42の上方に配置されている。そして、給湯管41の上端部が電磁ポンプ40の他端部に接続され、給湯管42の下端部が射出スリーブ20の給湯口6へ臨むように配置されている。
このように、給湯管41・42を、中継管43を介して射出スリーブ20と連結することで、給湯管42の下端部を給湯口21に接触させることなく給湯管41・42と射出スリーブ20とを連結することができ、射出スリーブ20の変位や振動をベローズ43aにより吸収して、当該変位や振動が給湯管41・42へ伝達されることを防止できる。
この場合、中継管43の射出スリーブ20との接続部および給湯管41・42との接続部はシールされており、給湯口21は中継管43により全体的に覆われているため、給湯管41・42から給湯口21を通じて射出スリーブ2内に供給される溶湯5が大気に触れることがない。
金型10には、キャビティ11と連通し、キャビティ11内の空気を吸引するための吸引口12が設けられており、キャビティ11と吸引口12を結ぶ経路にはシャットバルブ13が設けられている。吸引口12は減圧手段に接続されており、減圧手段によりキャビティ11内を減圧可能となっている。
図1、図2に示すように、液面検知装置60は、溶湯5の液面に浮かぶフロート61a、フロート61aから上方へ延出するフロート軸61b、およびフロート軸61bの上端部に形成される検知面61cを具備する検知子61と、フロート軸61bが挿通されるガイド孔63を有し、ガイド孔63の内周面によりフロート軸61bをガイドすることにより、検知子61を起立姿勢に保持するガイド部材62と、検知子61における検知面61cの高さ位置を計測することにより溶湯5の液面高さを検知する検知手段であるレーザ変位計67とを備えている。
フロート61aは、例えばセラミック材にて構成されており、内部に重り部材66が埋設されている。重り部材66は、フロート61aの下部に位置する円錐台形状部分に埋設されており、フロート61aを構成するセラミック材よりも高い比重を有する部材にて構成されている。
検知子61の検知面61cは、フロート軸61bの上端に形成された、フロート軸61bの軸径よりも大径の円板状部の上面である。検知面61cが形成される前記円板状部も、例えばオーステナイト系のステンレス材にて構成されている。
ガイド部材62は、軸心を上下方向(炉蓋51の板面と直交する方向)に向けた姿勢で貫通孔51aに嵌装されており、ガイド部材62の軸心方向の長さ寸法Lは、炉蓋51の厚み寸法Dよりも大きく形成されている。ガイド部材62の上端は炉蓋51の上面と面一となっており、ガイド部材62の下端部は炉蓋51の下面よりも下方に突出している。
ガイド孔63の内周面63aには凹部64が形成されている。凹部64は内周面63aの周方向に沿って円環状に形成されており、凹部64の内径Φ3はガイド孔63の内径Φ2よりも大きく形成されている。
本実施形態においては、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分は、3箇所に存在している。
例えば、図4に示すように、内周面63aの展開図において、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分が、矩形状に形成され、周方向および軸心方向へ千鳥状に配置されるように、凹部64を形成することもできる。
また、図5に示すように、内周面63aの展開図において、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分が、円形状に形成され、周方向および軸心方向へ千鳥状に配置されるように、凹部64を形成することもできる。
従って、凹部64が形成されたガイド孔63においては、ガイド孔63に凹部64を形成しない場合に比べて、ガイド孔63内を摺動するフロート軸61bが接触可能な内周面63aの面積が少なくなっている。
一方、図7に示すように、フロート軸61bの軸心が、前記クリアランスの範囲内でガイド孔63の軸心方向に対して最大に傾斜した場合、つまりガイド孔63に挿通されたフロート軸61bの、ガイド孔63に対する傾斜角度θが最大になったときには、フロート軸61bは、内周面63aにおける凹部64が形成されていない部分のうち、最も上方に位置する部分と、最も下方に位置する部分とのみに接触することとなる。
従って、フロート軸61bの外径Φ1およびガイド孔63の内径Φ2、ならびに内周面63aの凹部64が形成されていない部分のうち最も上端に位置する箇所から、内周面63aの凹部64が形成されていない部分のうち最も下端に位置する箇所までの寸法Ltを、フロート軸61bのガイド孔63に対する傾斜角度θが最大になったときに、フロート軸61bとガイド孔63との間にかじりが生じない程度の大きさとなるような寸法に設定することが好ましい。
また、フロート61aが溶湯5の液面ガイド部材62に浮かんだ起立姿勢の検知子61は、重心位置が高くて完全には自立することができないため、液面検知装置60においては、フロート軸61bをガイド孔63に挿通して、ガイド孔63の内周面63aによりフロート軸61bをガイドすることにより、検知子61の起立姿勢を保持している。つまり、ガイド孔63の内周面63aを有するガイド部材62は、フロート軸61bの外周部に配置されるガイド部材であり、ガイド部材62の内周面63aがフロート軸61bのガイド面となっている。
また、ダイカスト鋳造装置1においては、レーザ変位計67により検知した溶湯5の液面高さを電磁ポンプ40にフィードバックして、電磁ポンプ40による溶湯5の汲み上げ量を制御するようにしている。
従って、フロート軸61bの上下動が妨げられることがなく、検知子61は溶湯5の液面高さの変化に良好に追従することができ、レーザ変位計67による溶湯5の液面高さの検知を正確に行うことが可能となっている。
このようなことから、本実施形態においては、前述のように、ガイド孔63の内周面63aに凹部64を形成し、フロート軸61bと内周面63aとの接触面積を減少させて、フロート軸61bとガイド孔63との間に生じる摺動抵抗を小さくすることにより、検知子61を溶湯5の液面高さの変化に良好に追従できるようにしている。
同様に、フロート軸61bの外周面にも窒化処理(SP処理)を施して、当該外周面の摩擦係数を低減させ、内周面63aにフロート軸61bが接触した場合の、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗を低減させている。
さらに、ガイド部材62の内周面63aに形成される凹部64の内周面64aには、断熱性を有する塗型剤を塗布しており、ガイド部材62の耐熱性を向上させている。
ガイド部62の長さ寸法Lは、ガイド部材62の下端部を炉蓋51の下面よりも下方に突出させるために、例えば炉蓋51の厚み寸法Dが102mmであった場合には、110mm以上の寸法に設定することができる。
つまり、内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162においても、下端部162aを炉蓋51の下面よりも下方に突出させて、異物がガイド孔163とフロート軸61bとの隙間に入り込んで挟まることを防止することができる。
このように、内周面63aにおけるフロート軸61bが接触する部分の下端を、ガイド部材62の下端よりも上方に位置させることで、溶湯5の液面から内周面63aにおけるフロート軸61bが接触する部分の下端までの寸法を大きくしている。これにより、溶湯5がガイド孔63とフロート軸61bとの隙間に入り込むことが抑制され、フロート軸61bと内周面63aとの間の摺動抵抗が大きくなることを防止できる。
また、検知子61の引き上げ力の測定は、溶湯保持炉50と炉蓋51との間にスペーサ70を介装することにより、炉蓋51の水平方向に対する傾斜角度θcを変化させて行った。この場合、炉蓋51の傾斜角度θcは、炉蓋51の上面に設置した傾斜計71により確認を行った。炉蓋51の傾斜角度θcは、0°〜10°の範囲で変化させた。
検知子61の引き上げ力の測定は、液面検知装置60にガイド部材62(ガイド孔63の内周面63aに凹部64が形成されたガイド部)を用いた場合と、ガイド部材162(ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部)を用いた場合とについて、それぞれ行った。
なお、ガイド部材62におけるガイド孔63の内径Φ2と、ガイド部材162におけるガイド孔163の内径Φ2とは同径に設定されており、フロート軸61bとガイド孔63とのクリアランス、およびフロート軸61bとガイド孔163とのクリアランスは同じ寸法となっている。
ガイド孔163の内周面163aに凹部が形成されていないガイド部材162を用いた場合は、炉蓋51の傾斜角度θcが0°から増加するに従って、検知子61の引き上げ力が大きくなっている。
この炉蓋51の傾斜角度θcが0°である状態から増加していくと、フロート軸61bが内周面163aに全体的に接触した状態となる頻度が増えていき、フロート軸61bとガイド孔163との間の摺動抵抗が大きくなっていくため、検知子61の引き上げ力も炉蓋51の傾斜角度θcの増加に伴って増大していくこととなっている。
内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いた場合においては、炉蓋51の傾斜角度θcが5°のときに、検知子61の引き上げ力が、最大の可動引き上げ力Fとなっており、炉蓋51の傾斜角度θcが5°以下であれば、検知子61が溶湯5の液面高さの変化に良好に追従して、安定的に摺動することが可能であることがわかる。
また、液面検知装置60の現実の使用状況においては、炉蓋51の水平方向に対する傾斜角度θcは、5°以下であるので、内周面63aに凹部64が形成されたガイド部材62を用いることで、常に検知子61を溶湯5の液面高さの変化に良好に追従させて、レーザ変位計67による溶湯5の液面高さの検知を正確に行うことが可能となる。
10 金型
11 キャビティ
20 射出スリーブ
30 射出チップ
40 電磁ポンプ
50 溶湯保持炉
51 炉蓋
60 液面検知装置
61 検知子
61a フロート
61b フロート軸
61c 検知面
62 ガイド部材
63 ガイド孔
63a 内周面
64 凹部
67 レーザ変位計
Claims (1)
- 溶湯保持炉内において溶湯の液面に浮かぶフロート、および前記フロートから上方へ延出するフロート軸を具備する検知子と、
前記フロート軸が挿通されるガイド孔を有し、前記ガイド孔の内周面により前記フロート軸をガイドすることにより、前記検知子を起立姿勢に保持するガイド部材と、
前記検知子の高さ位置を計測することにより前記溶湯の液面高さを検知する検知手段を備え、
前記ガイド部材が、前記溶湯保持炉の炉蓋に形成される貫通孔に嵌装され、
前記ガイド部材の下端部が、前記炉蓋の下面よりも下方に突出し、
前記ガイド孔の内周面に、凹部が形成されている、
ことを特徴とする溶湯の液面検知装置。
Priority Applications (1)
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JP2015131914A JP6459804B2 (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 溶湯の液面検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015131914A JP6459804B2 (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 溶湯の液面検知装置 |
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JP2017015537A JP2017015537A (ja) | 2017-01-19 |
JP6459804B2 true JP6459804B2 (ja) | 2019-01-30 |
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Family Applications (1)
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JP2015131914A Active JP6459804B2 (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 溶湯の液面検知装置 |
Country Status (1)
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Family Cites Families (2)
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-
2015
- 2015-06-30 JP JP2015131914A patent/JP6459804B2/ja active Active
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