(第1の実施形態)
図1〜図8を参照して、像検査装置および像検査方法の第1の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態の像検査装置および像検査方法では、ホログラムから再生される像を用いてこの像を検査することにより、ホログラムの形成の良否が検査される。
[検査対象物の構成]
像検査装置、および、像検査装置が行う像検査方法の説明に先立ち、検査の対象である対象物について説明する。
図1に示されるように、対象物10は、支持体11を備え、支持体11上に、表示体の一例であるインク画像部12と、ホログラム部13とを有している。対象物10は、例えば、パスポートや種々の会員証等に具体化されるが、対象物10の用途はこれらに限定されない。支持体11は、例えば、冊子状に綴じられた紙であってもよいし、カード状に成形された樹脂であってもよく、インク画像部12およびホログラム部13を形成可能な材料および形状から構成されればよい。
インク画像部12は、インクによって描かれた画像であるインク画像が形成された部分である。インク画像は、表示体の表示する表示画像の一例であって、複数の色によって表現されていてもよいし、単色によって表現されていてもよい。
ホログラム部13は、所定の方向から所定の波長の光が照射されたときに、特定の方向に向けて像が再生されるホログラムが形成された部分である。像の再生に要する光の照射方向および波長は特に限定されないが、例えば、ホログラム部13は、ホログラムに対して垂直に白色光が照射されたとき、白色光の入射方向に対して45度の角度を有する位置にて、ホログラムから再生される像の観察が可能なように構成される。ホログラムから再生される像である再生像は、複数の色によって表現されていてもよいし、単色によって表現されていてもよい。
第1の実施形態の像検査装置では、インク画像部12が有するインク画像とホログラム部13が有するホログラムの再生像とが一致するか否かが検査される。インク画像と再生像が一致すると判定される場合、ホログラム部13が正常に形成されていると判断され、対象物10は良品であると判定される。一方、インク画像と再生像が一致しないと判定される場合、ホログラム部13が正常に形成されていないと判断され、対象物10は不良品であると判定される。
インク画像と再生像とは、例えば、同一人物の同一の顔の像に具体化されるが、インク画像と再生像とは、顔の像に限らず、文字や記号、図形、模様、もしくは、これらの組み合わせ等、公知のパターン認識技術を用いて一致する像であるか否かの判定が可能な像であればよい。
また、良品と判定される対象物10において、インク画像と再生像とは、公知のパターン認識技術を用いて一致すると判定可能な範囲であれば、完全に同一の像である必要はなく、例えば、互いに異なる大きさを有していてもよいし、一方の像には他方の像に含まれない文字等が含まれていてもよい。インク画像と再生像とが、どの程度の一致度を有しているときに一致すると判定されるかは、対象物10の用途等に応じて、再生像に求められる精度を考慮して設定されればよい。
なお、インク画像部12が有するインク画像とホログラム部13が有するホログラムとは、同一の層に形成されている必要はなく、例えば、支持体11上にて、インク画像を含む層の上にホログラムを含む層が積層されていてもよいし、これらの層の間にさらに別の層が挿入されていてもよい。
また、像検査装置によって検査される段階にて、対象物10には、インク画像部12とホログラム部13とが形成されていればよく、対象物10は、検査工程の前に製品として完成していてもよいし、検査工程の後に、更なる加工が施されることにより対象物10が製品として完成されてもよい。
[像検査装置の全体構成]
図2を参照して、像検査装置の全体構成について説明する。
図2に示されるように、像検査装置20は、インク画像形成部21と、ホログラム形成部22と、再生像撮影部23と、収容部24と、搬送部25とを備えている。なお、図2では、各部が有する機構を簡略化して示している。
インク画像形成部21は、支持体11にインク画像部12を形成するための機構を備えている。インク画像部12の形成方法は特に限定されず、公知の印刷方法が用いられればよい。例えば、インク画像部12は、中間媒体上に印刷されたインク画像が支持体11に転写される中間転写方式を用いて形成される。通常、インク画像は、CMYKカラーモデルによる色の表現法を用いて形成される。
なお、インク画像形成部21は、インク画像を形成するための機構に加えて、インク画像の下地となる層や、インク画像を保護する層等を形成するための機構を備えていてもよい。
ホログラム形成部22は、支持体11にホログラム部13を形成するための機構を備えている。ホログラム部13の形成方法は特に限定されず、公知のホログラムの形成方法のうち、複数の支持体11ごとに、異なる像が再生されるホログラムを形成可能な方法が用いられればよい。例えば、ホログラム部13は、中間媒体上に形成されたホログラムが支持体11に転写される中間転写方式を用いて形成される。こうしたホログラムは、例えば、入射光に対して所定の方向に所定の波長の回折光を出す複数種類の回折格子が画素状に配置されることによって形成されている。
なお、ホログラム形成部22は、ホログラムを形成するための機構に加えて、ホログラムの下地となる層や、ホログラムを保護する層等を形成するための機構を備えていてもよい。
再生像撮影部23は、ホログラム部13の有するホログラムから再生される像を撮影する機構を備えており、具体的には、照射部23aと受光部23bと調整部23cとを備えている。以下では、ホログラム部13が、ホログラムに対して垂直に白色光が照射されたとき、白色光の入射方向に対して45度の角度を有する位置にて、再生像の観察が可能に構成されている場合の再生像撮影部23の構成について説明する。
照射部23aは、ホログラム部13の有するホログラムに対して、垂直に、白色光を照射する。照射部23aが照射する照射光の照射範囲には、ホログラム部13の有するホログラムの全体が含まれる。照射光は、350nm〜650nm程度の波長の光を含む可視光であって、指向性が高いことが好ましい。例えば、照射部23aは、レーザーであってもよいし、LEDであってもよいし、キセノンランプであってもよい。レーザーは、指向性の高い単一波長の光を照射することが可能であるため、照射部23aとして用いることに適している。また、LEDは安価で入手が容易であり、キセノンランプは平滑な波長の光の照射に適している。
受光部23bは、照射光に含まれる波長の光を撮影可能な撮影装置であって、ホログラム部13への照射光の入射方向に対して45度の角度を有する位置に設置される。そして、受光部23bは、ホログラム部13の有するホログラムから、照射光の入射方向に対して45度の角度に反射される回折光を受光して、この回折光によって形成される像を撮影する。
調整部23cは、例えばレンズやしぼりから構成され、調整部23cの角度や位置や開度が調整されることによって、照射光の指向性が調整される。調整部23cが設けられていることによって、照射光の指向性の微調整が可能である。
再生像撮影部23において、照射部23aと受光部23bと調整部23cとが配置される空間を区画する内壁は、植毛紙で覆われていることが好ましい。こうした構成によれば、再生像の撮影される区域が暗室とされて、余計な光の反射が抑えられるため、より鮮明な再生像の撮影が可能となる。
なお、照射部23aが照射する照射光の照射角度や波長、および、受光部23bの位置や受光部23bの撮影可能な光の波長は、ホログラム部13における再生像の形成条件、すなわち、ホログラム部13の有するホログラムから像が再生される際の照射光の照射角度や波長、および、回折光の出射角度や波長等に応じて設定されればよい。例えば、ホログラム部13の有するホログラムが紫外線の照射を受けて像を再生する構成を有する場合には、照射部23aは照射光として紫外領域の光を照射し、受光部23bは紫外領域の光を撮影可能に構成されればよい。
収容部24は、不良品であると判定された対象物10を収容部24の内部に収容する。収容部24は、収容部24の内部と外部とを繋ぐ開閉可能な収容口24aを有し、対象物10は、開かれた収容口24aから収容部24に入れられる。収容口24aは、対象物10が搬送される経路上において、再生像撮影部23における再生像の撮影位置よりも後段に設けられている。例えば、第1の実施形態では、撮影位置にて対象物10を支持している支持台が傾くことによって、収容口24aが開き、支持台上の対象物10が収容部24の内部に落ちるように構成されている。
一方、収容部24においては、収容部24に収容されている対象物10の取出しが制限されている。例えば、第1の実施形態では、収容部24における対象物10の取出し口が施錠され、権限を有する特定の人物のみが、収容されている対象物10を取り出すことができる。
搬送部25は、支持体11が搬送される搬送路や、支持体11を搬送する機構、および、収容部24の収容口24aを開閉する機構を備えている。
搬送部25は、インク画像部12およびホログラム部13の双方が形成されていない支持体11を、像検査装置20における外部からの支持体11の搬入口等から、インク画像形成部21に搬送する。さらに、搬送部25は、インク画像部12が形成され、ホログラム部13が形成されていない支持体11を、インク画像形成部21からホログラム形成部22に搬送する。さらに、搬送部25は、インク画像部12およびホログラム部13の双方が形成された支持体11である対象物10を、ホログラム形成部22から再生像撮影部23に搬送する。
そして、インク画像と再生像との比較に基づいて行われる良否判定の結果、対象物10が良品であると判定されたとき、搬送部25は、対象物10を、再生像撮影部23から、像検査装置20における外部への対象物10の搬出口等へ搬送する。一方、良否判定の結果、対象物10が不良品であると判定されたとき、搬送部25は、収容口24aを開いて、対象物10を収容部24へ搬送する。
また、インク画像形成部21において、インク画像部12の形成の過程で支持体11の移動が必要である場合や、ホログラム形成部22において、ホログラム部13の形成の過程で支持体11の移動が必要である場合にも、搬送部25は、支持体11を搬送する。
なお、インク画像形成部21への支持体11の搬送元は、像検査装置20の内部であってもよいし、再生像撮影部23からの良品の対象物10の搬送先も、像検査装置20の内部であってもよい。
[像検査装置の電気的構成]
図3を参照して、像検査装置の電気的な構成について説明する。
図3に示されるように、像検査装置20は、上述の各部に加えて、これら各部の動作を制御する制御部30を備えている。制御部30は、CPUや、ROM、RAM等から構成され、機能的な構成として、インク画像形成制御部31と、ホログラム形成制御部32と、再生像撮影制御部33と、良否判定部34と、搬送制御部35と、記憶部36とを備えている。
記憶部36は、各種の制御プログラムやデータを永続的もしくは一時的に記憶する。制御部30は、記憶部36に記憶されている各種の制御プログラムに基づいて各種処理を実行する。
ここで、記憶部36は、上記データの一例として、インク画像を形成するための画像データであるインク画像データを記憶している。インク画像データは、例えば、インク画像として顔画像が形成される場合には、顔写真のデータに具体化される。インク画像データは、RGBカラーモデルに基づいて表現されたビットマップデータであってもよいし、このビットマップデータから変換されたデータであって、CMYKカラーモデルに基づいて表現されたデータであってもよい。
インク画像形成制御部31は、各種のドライバを介して、インク画像形成部21に対し、インク画像形成部21が有する各種の機構の動作を指示する。そして、インク画像形成制御部31は、インク画像形成部21にインク画像部12を形成させる。詳細には、インク画像部12の形成に際して、インク画像形成制御部31は、記憶部36に記憶されているインク画像データに基づいて、インク画像形成部21に、インク画像データに従った画像を形成させる。なお、インク画像データがRGBカラーモデルを用いたデータである場合には、インク画像データはCMYKカラーモデルを用いたデータに変換され、この変換されたデータに基づいてインク画像部12が形成される。
ホログラム形成制御部32は、各種のドライバを介して、ホログラム形成部22に対し、ホログラム形成部22が有する各種の機構の動作を指示する。そして、ホログラム形成制御部32は、ホログラム形成部22にホログラム部13を形成させる。詳細には、ホログラム部13の形成に際して、ホログラム形成制御部32は、記憶部36に記憶されているインク画像データを、ホログラムを形成するためのデータであるホログラムデータに変換し、ホログラムデータに基づいて、ホログラム形成部22にホログラムを形成させる。ホログラムデータは、例えば、回折格子の配置を示すデータであって、インク画像データの示す色の配置が、これらの色に対応する波長の回折光を所定の方向に出す回折格子の配置に、所定のアルゴリズムを用いて変換されることによって生成される。
再生像撮影制御部33は、各種のドライバを介して、再生像撮影部23が備える照射部23a,受光部23b,調整部23cの動作を指示する。そして、再生像撮影制御部33は、再生像撮影部23に、ホログラム部13の有するホログラムの再生像を撮影させる。詳細には、再生像の撮影に際して、再生像撮影制御部33は、まず、受光部23bのシャッターを開かせて、受光部23bによる撮影を開始させる。次いで、再生像撮影制御部33は、照射部23aに照射光を照射させ、受光部23bに再生像を撮影させる。次いで、再生像撮影制御部33は、照射部23aに照射光の照射を停止させた後、受光部23bのシャッターを閉じさせて、受光部23bによる撮影を終了させる。また、再生像撮影制御部33は、撮影に際し、必要に応じて、調整部23cの角度や位置や開度を変更させて、照射光の指向性を調整する。撮影された再生像の画像データである再生像データは、再生像撮影制御部33に取り込まれる。
良否判定部34は、記憶部36に記憶されているインク画像データと、再生像撮影部23の撮影によって生成された再生像データとを用いて、インク画像と再生像とが一致するか否かを判定する。この判定には、公知のパターン認識技術が用いられればよい。例えば、インク画像データと再生像データとに基づき、インク画像と再生像との各々について、外形等の外観から特徴点が抽出され、その一致度が所定の閾値以上である場合に、インク画像と再生像とが一致すると判定される。閾値は、対象物10の用途等に応じて、再生像に求められる精度を考慮して設定されればよいが、例えば、85%以上とされる。
搬送制御部35は、各種のドライバを介して、搬送部25に対し、搬送部25が有する各種の機構の動作を指示する。具体的には、搬送制御部35は、インク画像形成制御部31、ホログラム形成制御部32、再生像撮影制御部33の各々と連携し、インク画像部12の形成状況やホログラム部13の形成状況や再生像の撮影状況に応じて、像検査装置20内での各部への支持体11の搬送のタイミングを決定する。そして、搬送制御部35は、決定したタイミングに従って、搬送部25に支持体11を搬送させる。
また、搬送制御部35は、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致する、すなわち、対象物10が良品であると判定したとき、判定結果を受けて、再生像撮影部23から所定の場所へ、搬送部25に対象物10を搬送させる。一方、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致しない、すなわち、対象物10が不良品であると判定したとき、判定結果を受けて、搬送制御部35は、搬送部25に、収容口24aを開かせ、再生像撮影部23から収容部24へ対象物10を搬送させる。収容部24への対象物10の収容後、搬送制御部35は、搬送部25に収容口24aを閉じさせる。
[像検査装置の動作]
図4〜図8を参照して、上述した構成を有する像検査装置20の動作について説明する。なお、図4〜図8においては、対象物10の形成と検査との手順を理解しやすくするため、支持体11上におけるインク画像部12とホログラム部13とを強調して示している。
図4に示されるように、まず、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25が、インク画像部12およびホログラム部13の双方が形成されていない支持体11を、インク画像形成部21に搬送する。そして、インク画像形成制御部31の指示を受けて、インク画像データに基づき、インク画像形成部21は、支持体11にインク画像部12を形成する。
図5に示されるように、インク画像部12の形成が完了すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、インク画像部12が形成された支持体11を、ホログラム形成部22に搬送する。そして、ホログラム形成制御部32の指示を受けて、インク画像データから変換されたホログラムデータに基づき、ホログラム形成部22は、支持体11にホログラム部13を形成する。ホログラム部13の形成が完了すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、インク画像部12およびホログラム部13が形成された支持体11である対象物10を、再生像撮影部23に搬送する。
図6に示されるように、再生像撮影部23は、再生像撮影制御部33の指示に基づき、ホログラム部13が有するホログラムの再生像を撮影する。
詳細には、まず、受光部23bがシャッターを開いて撮影を開始し、次いで、照射部23aが照射光をホログラム部13に対して垂直に照射する。これにより、照射光の入射方向に対して45度の位置に形成される再生像が、受光部23bによって撮影される。その後、照射部23aが照射光の照射を停止した後、受光部23bはシャッターを閉じて撮影を終了する。
再生像撮影部23による再生像の撮影が完了して、再生像データが再生像撮影制御部33に取り込まれると、良否判定部34は、インク画像データと再生像データとを取得し、これらのデータを用いて、インク画像と再生像とが一致する否かを判定する。
図7に示されるように、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致する、すなわち、対象物10が良品であると判定すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、対象物10を、外部への搬出口等の所定の場所へ搬送する。
図8に示されるように、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致しない、すなわち、対象物10が不良品であると判定すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、収容部24の収容口24aを開く。その結果、不良品と判定された対象物10が、収容部24に収容される。
このように、第1の実施形態の像検査装置20では、インク画像を示す画像データであるインク画像データと、再生像を示す画像データである再生像データとを用いて、ホログラム部13の有するホログラムからインク画像部12の有するインク画像と同一の像が再生されるか否かの検査、すなわち、ホログラム部13が正常に形成されているか否かの検査が行われる。その結果、製造担当者の目視に拠らずにホログラム部13の検査を行うことができるため、検査に要する負担が軽減され、検査工程を含めた対象物10の生産工程における生産効率の低下を抑えることも可能となる。
特に、第1の実施形態では、再生像データと比較されるデータとして、インク画像の形成に用いられた画像データが利用される。こうした構成では、インク画像から良否判定のためのデータが別途生成される構成と比較して、インク画像と再生像とが一致するか否かの検査に要するデータの準備についての負荷が軽減される。また、再生像データと比較されるデータが、インク画像の特徴を精確に示すデータであるため、良否判定の精度が高められる。
また、良品であると判定された対象物10と不良品であると判定された対象物10とが互いに異なる搬送先に搬送され、不良品であると判定された対象物10は、像検査装置20の内部の収容部24に収容される。収容部24は、施錠によって、対象物10の取出しが制限されているため、不良品であると判定された対象物10が不用意に取り出されて良品と混合されたり、偽造等に悪用されたりすることが抑えられる。
従来のように、製造担当者の目視によってホログラム部13の検査が行われる構成では、良品と不良品とを互いに異なる場所に収めようとしても、対象物10の搬送に人間の作業が介在するため、検査が行われた後の対象物10の搬送先への振り分けが正確に行われない場合があった。この点、上記構成によれば、ホログラム部13の検査が行われた後に、対象物10を良品と不良品とのそれぞれの搬送先に搬送することまでが像検査装置20によって行われる。したがって、良品と不良品との分別の正確性が高められ、員数管理の正確性も高められる。
さらに、ホログラム部13が設けられる対象物10は、パスポートのように、偽造等の不正な利用や情報の漏えいを防ぐために、製造段階においても、また、不良品であっても、管理に高いセキュリティを要する物であることが多い。この点、上記構成によれば、収容部24に収容された対象物10の取出しが制限されているため、こうした対象物10の管理に対するセキュリティが高められる。
なお、第1の実施形態では、インク画像データが表示画像を示す表示画像データとして機能し、インク画像形成部21が表示画像形成部を構成し、良否判定部34が、再生像取得部と表示画像取得部と判定部とを構成する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)像検査装置20が、インク画像を示す画像データと、再生像を示す画像データとを用いて、インク画像と再生像とが一致するか否かを判定する。したがって、製造担当者の目視に拠らずに検査を行うことができるため、ホログラムから再生される像の検査に要する負担を軽減することができる。
(2)像検査装置20によって再生像が撮影されて再生像データが生成されるため、像検査装置20以外の装置によって再生像データが生成される構成と比べて、再生像データの取扱いが容易である。
(3)再生像データと比較されるデータとして、インク画像を形成するための画像データが利用される。したがって、インク画像から良否判定のためのデータが別途生成される構成と比較して、検査に要するデータの準備についての負荷が軽減される。
(4)像検査装置20は、インク画像データに基づいて、インク画像部12を形成し、かつ、インク画像データをホログラムの形成のためのデータに変換したデータに基づいて、ホログラム部13を形成する。したがって、像検査装置20の内部でインク画像部12やホログラム部13の形成に用いられるデータが、ホログラム部13の検査に用いられるため、これらに別々のデータが用いられる構成と比較して、像検査装置20の構成が簡易になり、効率のよいデータの利用が可能となる。また、像検査装置20にて、対象物10における検査の対象であるホログラムが形成される。そのため、検査の対象と検査の結果との整合が容易である。
(5)良品であると判定された対象物10と不良品であると判定された対象物10とが互いに異なる搬送先に搬送されるため、検査後の良品と不良品との分別の正確性が高められる。また、不良品であると判定された対象物10が像検査装置20の内部の収容部24に収容され、収容部24に収容された対象物10の取出しが制限されている。したがって、不良品と判定された対象物10の管理に対するセキュリティが高められる。
(第2の実施形態)
図9〜図15を参照して、像検査装置および像検査方法の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、良否判定に用いられるデータが異なる。以下では、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態の対象物10と同様の構成を有する対象物が検査の対象とされ、ホログラムから再生される像を用いてこの像を検査することにより、ホログラムの形成の良否が検査される。
[像検査装置の全体構成]
図9を参照して、像検査装置の全体構成について説明する。なお、図9では、像検査装置40の各部が有する機構を簡略化して示している。
図9に示されるように、像検査装置40は、第1の実施形態のインク画像形成部21に代えて、インク画像撮影部41を備えている。また、ホログラム形成部22、再生像撮影部23、および、収容部24は、第1の実施形態と同様の構成を有している。第2の実施形態において、対象物10のインク画像部12は、像検査装置40の外部にて、像検査装置40とは別の装置によって形成される。
インク画像撮影部41は、支持体11に形成されたインク画像部12を撮影するための機構を備えている。
搬送部25は、インク画像部12が形成され、ホログラム部13が形成されていない支持体11を、像検査装置20における外部からの支持体11の搬入口等からインク画像撮影部41に搬送する。さらに、搬送部25は、この支持体11を、インク画像撮影部41からホログラム形成部22に搬送する。さらに、搬送部25は、インク画像部12およびホログラム部13の双方が形成された支持体11である対象物10を、ホログラム形成部22から再生像撮影部23に搬送する。
そして、良否判定の結果、対象物10が良品であると判定されたとき、搬送部25は、対象物10を再生像撮影部23から、像検査装置20における外部への対象物10の搬出口等へ搬送し、対象物10が不良品であると判定されたとき、搬送部25は、収容口24aを開いて、対象物10を再生像撮影部23から収容部24へ搬送する。
[像検査装置の電気的構成]
図10を参照して、像検査装置の電気的な構成について説明する。
図10に示されるように、像検査装置40の備える制御部50は、第1の実施形態のインク画像形成制御部31に代えて、インク画像撮影制御部51を備えている。第2の実施形態において、記憶部36には、インク画像データが記憶されていなくてよい。
インク画像撮影制御部51は、各種のドライバを介して、インク画像撮影部41に対し、インク画像撮影部41が有する各種の機構の動作を指示することにより、インク画像部12を撮影させる。撮影されたインク画像の画像データである撮影画像データは、インク画像撮影制御部51に取り込まれる。
ホログラム形成制御部32は、各種のドライバを介して、ホログラム形成部22に対し、ホログラム形成部22が有する各種の機構の動作を指示することにより、ホログラム部13を形成させる。この際、ホログラム形成制御部32は、インク画像撮影制御部51に取り込まれた撮影画像データを、ホログラムを形成するためのホログラムデータに変換し、ホログラムデータに基づいて、ホログラム形成部22にホログラムを形成させる。撮影画像データからホログラムデータへの変換は、第1の実施形態におけるインク画像データからホログラムデータへの変換と同様に行われればよい。
再生像撮影制御部33は、第1の実施形態と同様に、再生像撮影部23に、ホログラム部13から再生される像を撮影させる。
良否判定部34は、インク画像撮影部41によるインク画像の撮影によって生成された撮影画像データと、再生像撮影部23による再生像の撮影によって生成された再生像データとを用いて、インク画像と再生像とが一致するか否かを判定する。判定の方法は、第1の実施形態と同様の方法によって行われればよい。
搬送制御部35は、各種のドライバを介して、搬送部25に対し、搬送部25が有する各種の機構の動作を指示する。具体的には、搬送制御部35は、インク画像撮影制御部51、ホログラム形成制御部32、再生像撮影制御部33の各々と連携し、インク画像部12の撮影状況やホログラム部13の形成状況や再生像の撮影状況に応じて、像検査装置20内での各部への支持体11の搬送のタイミングを決定し、搬送部25に支持体11を搬送させる。
また、搬送制御部35は、第1の実施形態と同様に、良否判定部34の判定結果に応じて、搬送部25に、良品の搬送先である所定の場所、もしくは、収容部24へ、対象物10を搬送させる。
[像検査装置の動作]
図11〜図15を参照して、上述した構成を有する像検査装置40の動作について説明する。なお、図11〜図15においては、対象物10の形成と検査との手順を理解しやすくするため、支持体11上におけるインク画像部12とホログラム部13とを強調して示している。
図11に示されるように、まず、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25が、インク画像部12が形成され、かつ、ホログラム部13が形成されていない支持体11を、インク画像撮影部41に搬送する。そして、インク画像撮影制御部51の指示を受けて、インク画像撮影部41は、支持体11に形成されているインク画像部12を撮影する。
図12に示されるように、インク画像部12の撮影が完了すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、支持体11をホログラム形成部22に搬送する。そして、ホログラム形成制御部32の指示を受けて、インク画像部12の撮影によって生成された撮影画像データから変換されたホログラムデータに基づき、ホログラム形成部22は、支持体11にホログラム部13を形成する。ホログラム部13の形成が完了すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、インク画像部12およびホログラム部13が形成された支持体11である対象物10を、再生像撮影部23に搬送する。
図13に示されるように、再生像撮影部23は、再生像撮影制御部33の指示に基づき、ホログラム部13が有するホログラムの再生像を撮影する。撮影の手順は第1の実施形態と同様に行われる。再生像撮影部23による再生像の撮影が完了して、再生像データが再生像撮影制御部33に取り込まれると、良否判定部34は、撮影画像データと再生像データとを取得し、これらのデータを用いて、インク画像と再生像とが一致するか否かを判定する。
図14に示されるように、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致する、すなわち、対象物10が良品であると判定すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、対象物10を、外部への搬出口等の所定の場所へ搬送する。
図15に示されるように、良否判定部34が、インク画像と再生像とが一致しない、すなわち、対象物10が不良品であると判定すると、搬送制御部35の指示を受けて、搬送部25は、収容部24の収容口24aを開く。その結果、不良品と判定された対象物10が、収容部24に収容される。
このように、第2の実施形態の像検査装置40では、インク画像を示す画像データである撮影画像データと、再生像を示す画像データである再生像データとを用いて、ホログラム部13の有するホログラムからインク画像部12の有するインク画像と同一の像が再生されるか否かの検査、すなわち、ホログラム部13が正常に形成されているか否かの検査が行われる。こうした構成によっても、製造担当者の目視に拠らずにホログラム部13の検査を行うことができるため、検査に要する負担が軽減され、検査工程を含めた対象物10の生産工程における生産効率の低下を抑えることも可能となる。
また、第2の実施形態では、再生像データと比較されるデータとして、インク画像の撮影によって生成された画像データが利用される。こうした構成によれば、インク画像部12の表示する実際の画像が検査の結果に的確に反映される。また例えば、像検査装置40にてインク画像部12の形成が行われない場合のように、像検査装置40がインク画像の形成のための画像データを有していなくても、ホログラム部13の検査を行うことができる。したがって、像検査装置40によって検査可能な対象が拡大する。
なお、第2の実施形態では、撮影画像データが表示画像を示す表示画像データとして機能し、インク画像撮影部41が表示画像撮影部を構成し、良否判定部34が、再生像取得部と表示画像取得部と判定部とを構成する。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の(1),(2),(5)の効果に加えて、以下に列挙する効果を得ることができる。
(6)再生像データと比較されるデータとして、インク画像の撮影によって生成された画像データが利用される。したがって、インク画像部12の表示する実際の画像が検査の結果に的確に反映される。
(7)像検査装置40によってインク画像が撮影されて撮影画像データが生成されるため、像検査装置40以外の装置によって撮影画像データが生成される構成と比べて、撮影画像データの取扱いが容易である。そして、像検査装置40は、撮影画像データをホログラムの形成のためのデータに変換したデータに基づいて、ホログラム部13を形成する。したがって、像検査装置20の内部でホログラム部13の形成に用いられるデータが、ホログラム部13の検査に用いられるため、ホログラム部13の形成とホログラム部13の検査とに別々のデータが用いられる構成と比較して、像検査装置20の構成が簡易になり、効率のよいデータの利用が可能となる。
(変形例)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。
・第1の実施形態の像検査装置20から、インク画像形成部21およびインク画像形成制御部31が割愛されてもよい。この場合、像検査装置とは別の装置にてインク画像部12の形成が行われ、その形成に用いられたインク画像データが、対象物10の検査に先駆けて像検査装置に入力される。そして、像検査装置にて、インク画像データと再生像データとが用いられて良否判定が行われる。さらに、こうした構成の像検査装置からホログラム形成部22およびホログラム形成制御部32が割愛され、ホログラム形成装置とは別の装置によってインク画像部12とホログラム部13とが形成された対象物10が検査対象とされてもよい。
このように、良否判定に用いられるインク画像データは、インク画像の形成に用いられたデータであればよく、像検査装置が、インク画像データを用いてインク画像部12を形成する構成を有していなくてもよい。また、インク画像データとホログラムを形成するためのデータとが異なっていてもよい。
・第2の実施形態の像検査装置40から、ホログラム形成部22およびホログラム形成制御部32が割愛されてもよい。この場合、対象物10のホログラム部13は、像検査装置とは別の装置によって形成される。そして、像検査装置には、インク画像部12とホログラム部13との双方が形成された対象物10が搬入され、インク画像部12の撮影とホログラム部13の再生像の撮影とが行われて、生成された撮影画像データと再生像データとが用いられて良否判定が行われる。こうした構成によれば、インク画像部12とホログラム部13とが既に形成された対象物10に対して、インク画像データが入手できない場合にも、検査が可能となる。このように、撮影画像データとホログラムを形成するためのデータとが異なっていてもよい。
・上述の変形例の他、像検査装置は、少なくとも、再生像データを取得する機能と、表示画像データを取得する機能と、これらのデータを用いて良否判定を行う機能とを備える良否判定部34を備えていれば、その他の構成は限定されない。
例えば、第1の実施形態の像検査装置20に、第2の実施形態のインク画像撮影部41およびインク画像撮影制御部51が付加され、インク画像部12とホログラム部13の形成にはインク画像データが用いられる一方で、良否判定には撮影画像データが用いられてもよい。あるいは、ホログラム部13の形成に撮影画像データが用いられる一方で、インク画像部12の形成と良否判定にインク画像データが用いられてもよい。
また、インク画像部12よりも先に、ホログラム部13が形成されてもよく、像検査装置ではインク画像部12のみが形成され、ホログラム部13は像検査装置とは別の装置で形成されてもよい。
さらには、再生像の撮影が像検査装置とは別の装置にて行われ、像検査装置に再生像データと、表示画像データとしてインク画像データあるいは撮影画像データとが入力され、像検査装置にて、これらのデータを用いて良否判定が行われてもよい。すなわち、像検査装置は、再生像撮影部23および再生像撮影制御部33を備えていなくてもよい。
・再生像の撮影は、ホログラム部13が支持体11上に配置される前に行われてもよく、例えば、中間転写方式にてホログラム部13が形成される途中に、中間媒体上に形成されたホログラムに対して再生像の撮影が行われてもよい。
・良否判定部34による良否判定にて、再生像データとの比較に用いられるデータは、インク画像データや撮影画像データに限らず、表示体の表示する画像を示す画像データであればよい。表示体の表示する画像を示す画像データである表示画像データには、表示画像の外観が反映され、表示画像の形状や色彩や大きさ等、良否判定にてパターン認識に用いられる特徴が抽出可能な要素が含まれればよい。また、良否判定にて、ホログラムデータのように、表示画像データが変換されたデータと再生像データとが比較されてもよく、この場合、変換前の表示画像データおよび再生像データを取得し、表示画像データの変換と良否判定とをホログラム形成制御部32や良否判定部34等を通じて行う制御部30,50が、再生像取得部と表示画像取得部と判定部とを構成する。
・良否判定部34による良否判定の精度を高めるために、再生像の撮影方法や良否判定の手順が改良されてもよい。例えば、ホログラム部13の有するホログラムから、赤の光から形成される像と、緑の光から形成される像と、青の光から形成される像とが、それぞれ別の波長の照射光に対して再生され、再生像が、これらの三色の像の重ね合わせによって形成される場合、照射部23aが照射する照射光の波長を変更することによって、三色の像が別々に撮影されてもよい。そして、表示画像データから、赤緑青の色ごとのデータが抽出され、これらの色ごとに、表示画像データと再生像データが比較されることによって、良否判定が行われてもよい。
なお、こうした撮影の態様に応じて、再生像撮影部23は、複数の照射部23aを備えていてもよいし、複数の受光部23bを備えていてもよいし、照射部23aごとに調整部23cが設けられていてもよい。また、再生像の撮影に際しての照射部23aと受光部23bとの駆動の手順は、上記各実施形態に記載の手順に限られない。
また、ホログラム部13の有するホログラムの下地の層が、他のホログラムや模様を有している場合、像検査装置は、ホログラム部13が形成される前に下地の層を撮影する補助撮影部を備えていてもよい。そして、像検査装置は、補助撮影部の撮影によって生成されたデータを用いて、再生像データから、他のホログラムや模様に起因する像を取り除いた後に、表示画像データとの比較によって良否判定を行ってもよい。また、再生像データとの比較に撮影画像データが用いられる場合、撮影画像データからも、下地の層に起因する像の除去が行われてもよい。さらに、下地の層が複数ある場合には、下地の層が形成される度に、補助撮影部による撮影が行われてもよい。
なお、下地の層によって形成される像が予め定まっている場合には、像検査装置は、予め、下地の層によって形成される像のデータを記憶し、このデータを用いて、再生像データや撮影画像データから、下地の層に起因する像の除去を行ってもよい。
・対象物10が備える表示体は、インク画像部12に限らず、表示画像として写真画像を示す写真自体であってもよいし、表示画像は、鉛筆等で描かれた画像であってもよい。また、表示体は、ホログラム部13の有するホログラムとは異なる他のホログラムが形成された部分であって、表示画像として再生像を示す他のホログラム部であってもよい。
・上記各実施形態では、搬送部25は、収容口24aの開閉によって、不良品と判定された対象物10を収容部24に落下させたが、不良品と判定された対象物10の収容部24への搬送の態様はこれに限られない。例えば、良品の搬送路と不良品の搬送路とが途中で分岐し、不良品と判定された対象物10が搬送路を通って収容部24へ搬送されてもよい。
・収容部24に収容された対象物10の取出しの制限は、収容部24の施錠に限られない。例えば、収容部24が、シュレッダー等のように対象物10を破壊する機構を備え、収容部24に収容された対象物10は、収容部24の内部で破壊されてもよい。こうした構成においては、対象物10を、対象物10としての構成を保った状態で収容部24から取出すことが困難になり、これによって、収容部24からの対象物10の取出しが制限される。こうした構成では、収容部24が施錠される構成と比較して、収容部24からの対象物10の取出しがより困難になるため、不良品と判定された対象物10の管理に対するセキュリティがより高められる。なお、収容部24は、施錠されたうえで、対象物10を破壊する機構を備えていてもよい。
また、上記構成において、対象物10を破壊する機構は、対象物10に加えて、インク画像部12やホログラム部13の形成に用いられたインクリボンやシート等の廃棄物を破壊してもよい。対象物10が、パスポート等のように個人情報等の重要度の高い情報を有する場合、こうした情報が、対象物10の形成に用いられたインクリボン等を通じて漏洩することを抑えるために、インクリボン等は破壊された後に破棄される。対象物10を破壊する機構が上記廃棄物を破壊する構成では、対象物10と廃棄物とがまとめて破壊されるため、像検査装置にて、情報漏えいを抑えるための処理を効率よく行うことができる。
・上記各実施形態では、1つの制御部が、像検査装置20,40の各部の動作を統括して制御する構成を示したが、像検査装置20,40の各部ごとに、その部の動作を制御する制御部が設けられていてもよい。この場合、各部ごとの制御部が互いにデータや信号の授受を行うことによって、対象物10の形成や検査が行われる。あるいは、像検査装置は、各部ごとの制御部と、これらの制御部とのデータや信号の授受によってこれらの制御部の動作を統括して制御する制御部とを備えていてもよい。
・上記各実施形態では、ホログラム部13の有するホログラムが、ホログラム部13にて照射光が反射した光によって再生像が形成されるホログラムである場合を対象とした像検査装置の構成を示した。これに代えて、ホログラム部13の有するホログラムが、ホログラム部13を照射光が透過した光によって再生像が形成されるホログラムである場合を対象として、像検査装置が構成されてもよい。この場合、再生像撮影部23にて、照射光がホログラム部13を透過した光を撮影可能な位置に、受光部23bが配置されればよい。
・上記各実施形態では、像検査装置は、ホログラムから再生される像を用いてこの再生像を検査することにより、ホログラム部13が正常に形成されているか否かを検査することを目的としたが、像検査装置の検査の目的はこれに限られない。例えば、像検査装置は、ホログラム部13に対して、例えばインク画像部12である表示体が正常に形成されているかを検査することを目的としてもよい。要は、像検査装置は、像の検査として、ホログラムから再生される再生像と表示体の表示する表示画像とが一致するか否かを判定する装置であればよく、判定結果の利用態様は限定されない。