JP6458935B2 - 虚像表示装置および画像投影装置 - Google Patents

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本発明は、虚像表示装置および画像投影装置に関するものである。
ヘッドアップディスプレイにおいて、小型スクリーン上に中間像を形成し、その中間像の拡大画像を反射光学系で形成する技術が知られている。
小型スクリーンとしてマイクロレンズアレイ板を使用することにより、スクリーン上の画像を高解像度にすることができる。一方で、レーザ走査用の偏向ミラー装置がマイクロレンズアレイ板に近接して配置されていると、偏向ミラー装置で発生した熱によりマイクロレンズアレイ板の温度が上昇してしまう。その結果、マイクロレンズアレイ板が膨張して、画素ピッチが変化したり、マイクロレンズの曲率変化により画素上での光線の屈折角度が変化してしまい、安定した画像性能を得るのが困難である。
これまでにも、投射器からのレーザ光を導いてスクリーン部材に照射するプリズム部材に、レンズ面を各々構成する入・出射面とミラー面が一体に形成されているヘッドアップディスプレイ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、スクリーンに表示光を拡散する拡散領域と、非可視光を受光手段に向けて反射する反射領域とを備える虚像表示装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、被走査面素子がハニカム型配列に配列された微細凸レンズ構造をなし、X方向の実効画素ピッチおよびY方向の実効画素ピッチの比が1より大きい2次元画像表示装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、偏向ミラー装置からスクリーンに伝達する熱量が小さい虚像表示装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる虚像表示装置は、画像を投影する画像投影装置と、画像の虚像を形成する観察光学系と、を備え、画像投影装置は、レーザ光源からの出射光線が入射する第1結像光学系と、第1結像光学系からの出射光線を偏向走査する偏向ミラー装置と、偏向ミラー装置からの出射光線が入射する第2結像光学系と、第2結像光学系から出射した光束が投影され、観察光学系に光束を出射するスクリーンと、を有し、第1結像光学系は、偏向ミラー装置とスクリーンの間に第1中間像を形成し、第2結像光学系は、スクリーン上に第2中間像を形成し、スクリーンの一方の面は、複数のマイクロレンズを2次元状に並べたマイクロレンズアレイ面であり、該マイクロレンズアレイ面が内側になるように湾曲した曲面であることを特徴とする。
本発明によれば、偏向ミラー装置からスクリーンに伝達する熱量を小さくすることができる。
本発明にかかる虚像表示装置の実施の形態を示す光学配置図である。 上記虚像表示装置が備える画像投影装置の内部の光学配置図である。 上記虚像表示装置が備えるマイクロレンズアレイ板への入射光およびマイクロレンズアレイ板を透過する光を示す光路図である。 上記マイクロレンズアレイ板の配置の様子を示す側面図である。 上記マイクロレンズアレイ板を覆う遮断体の断面図である。 本発明にかかる虚像表示装置の別の実施の形態が備えるマイクロレンズアレイ板を示す側面図である。 従来の画像投影装置の例における、画像投影装置内部の光学配置図である。 従来の画像投影装置の別の例における、画像投影装置内部の光学配置図である。 従来の画像投影装置のさらに別の例における、画像投影装置内部の光学配置図である。
●虚像表示装置●
以下、本発明にかかる虚像表示装置について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、虚像表示装置1は、観察光学系2および画像投影装置3を備える。
虚像表示装置1は、一例として、車両、航空機、船舶等の移動体に搭載され、移動体の運転者100が観察光学系2を経由して虚像52を視認する装置である。虚像52によっては、移動体の操縦に必要なナビゲーション情報(例えば車速、走行距離等の情報)などが表示されている。図1では車体に組み込まれた虚像表示装置を示したが、コンバイナ方式と呼ばれる、運転者の目の近辺に小型の虚像表示装置を組み付ける方式でもよい。ここでは観察光学系2の方式として、フロントガラス22を使用する方式で説明するが、画像投影装置3については、コンバイナ方式であっても車体組み込み方式であってもよい。
●観察光学系2
観察光学系2は、凹面鏡21およびフロントガラス22が光路中にこの順に配置されている。観察光学系2は、画像投影装置3から出射した光束の虚像52をフロントガラス22の運転者100側とは反対側に結像させる。フロントガラス22は、虚像52を結像する光束を運転者100の側へ反射する。運転者100は、フロントガラス22で反射された光束の光路上の所定の観察位置から、虚像52を視認する。
●画像投影装置3
図2に示すように、画像投影装置3は、レーザ光源31、第1結像光学系32、偏向ミラー装置33、第2結像光学系34および小型スクリーン4が光路中にこの順に配置されている。レーザ光源31、第1結像光学系32、偏向ミラー装置33、第2結像光学系34および小型スクリーン4は、外気を遮断する筐体35に収容されている。
小型スクリーン4を含む上述の光学系全体を筐体35で密閉することにより、小型スクリーン4へのごみの付着を防ぐことができる。
第1結像光学系32は、コリメートレンズ321および集光レンズ322で構成されている。第2結像光学系34は、第1ミラー341および第2ミラー342によって構成されていて、光路上にこの順に配置されている。
レーザ光源31は、例えば半導体レーザである。レーザ光源31から出射された発散光束は、第1結像光学系32で収束光束に変換されて、偏向ミラー装置33に向かう。
偏向ミラー装置33で反射された出射光線は、第1中間像50の位置で集光してレーザ光源31の発光点の実像、すなわちビームスポットを形成する。このビームスポットを、偏向ミラー装置33が傾いた姿勢で回転して偏向走査することで、偏向ミラー装置33から小型スクリーン4に至る光路に、ビームスポットの走査画像が第1中間像50として形成される。第1中間像50は、第2結像光学系34によって小型スクリーン4上に走査結像される。小型スクリーン4上に走査結像された像は、すなわち第2中間像51である。
第1中間像50を形成することにより、偏向ミラー装置33と第2中間像51の間に配置できる第2結像光学系34の屈折力を強くすることができる。従来方式であれば、偏向ミラー装置で反射した光をそのままスクリーンに集光するだけの屈折力のみが得られる。これに対し、第1中間像50を形成することにより、第1中間像50として集光する屈折力と、さらに第2中間像51として集光する屈折力が得られる。したがって、第1中間像50を形成することは、収差補正上、自由度が高まる。
●小型スクリーン4
図3に示すように、小型スクリーン4は、複数のマイクロレンズ40−kを2次元状に並べたマイクロレンズアレイ板である。マイクロレンズアレイ板は、複数のマイクロレンズ40−kが形成されているマイクロレンズアレイ面41と、レンズのない平面42を有する。平面42は、マイクロレンズアレイ面41の反対側にある。マイクロレンズアレイ面41に入射した平行光束803は、発散光束804に変換されて平面42から運転者100に向かって出射する。
小型スクリーン4にマイクロレンズアレイ板を用いることで、運転者100に向かう光束が発散光束になるため、運転者100のアイボックス(運転者100が虚像52を視認できる空間的な領域)を大きくすることができる。すなわち、運転者100が首を上下左右に動かしたときにも、虚像52を視認できる範囲が広がる。
図4に示すように、マイクロレンズアレイ板のマイクロレンズアレイ面41は、重力方向に対して下向きに傾いて配置されている。言い換えれば、マイクロレンズアレイ面41の中心に引いた垂線の、重力方向とのなす角は90度以下に配置されている。マイクロレンズアレイ面41は、平面42に比べて凹んだ部分があり、ごみが付着しやすい。マイクロレンズアレイ面41を重力方向下向きに傾けて配置することで、マイクロレンズアレイ板に付着するごみの堆積を抑えることができる。
マイクロレンズアレイ板が有する1枚のマイクロレンズ40−kは、1画素に相当する。高解像度の画像を形成するためには、マイクロレンズ40−kを小さくする必要がある。1枚のマイクロレンズ40−kが小さくなると、小さなごみであっても画素全体がごみによってふさがれてしまい、画素欠けの原因となる。高解像度の画像を形成するマイクロレンズアレイ板は、低解像度のスクリーンよりもごみの付着に対する対策が重要である。
図5に示すように、外気を遮断する筐体36で小型スクリーン4を覆ってもよい。筐体36は、光を透過する透過板361および透過板362を備える。透過板361はマイクロレンズアレイ面41と対向し、透過板362はマイクロレンズアレイ板の平面42と対向する。透過板361はマイクロレンズアレイ面41へ入射する光束805を透過し、透過板362は平面42から出射する光束805を筐体36の外部へ透過する。
筐体36は、遮断体の例である。透過板361および透過板362は、光透過部材の例である。
小型スクリーン4を筐体36で覆うことにより、ごみが小型スクリーン4に付着するのを防ぐことができる。小型スクリーン4のみを筐体36で覆う場合は、光学系全体を覆う筐体は孔があってもよい。この構成により、光学系の空気の通りを良くし、偏向ミラー装置33などの駆動装置が発生する熱を逃がしやすくすることができる。
図6に示すように、小型スクリーン4は、マイクロレンズアレイ面41が内側になるように湾曲した曲面であってもよい。小型スクリーン4が曲面であることにより、マイクロレンズアレイ面41の上から下に向かう気流60による、マイクロレンズアレイ面へのごみの付着を抑えることができる。特に、湾曲したマイクロレンズアレイ面を重力方向に傾けて配置することで、ごみの付着をさらに抑えることができる。
●偏向ミラー装置33から小型スクリーン4への熱の伝達について
偏向ミラー装置33のミラー角度は、高速で変化するため、偏向ミラー装置33はその駆動のために発熱する。偏向ミラー装置33で発生した熱により小型スクリーン4の温度が上昇する。その結果、小型スクリーン4が膨張して、画素ピッチが変化したり、マイクロレンズの曲率変化により画素上での光線の屈折角度が変化してしまう。
図2に示すように光学系全体を筐体35で密閉したり、図5に示すように小型スクリーン4を筐体36で密閉すると、筐体35および筐体36の内部に熱がよりこもりやすい。したがって、偏向ミラー装置33と小型スクリーン4の距離は、離れていた方がよい。
図7に示すように、従来の画像投影装置303においては、レーザ光源331のレーザ光線が第1結像光学系332を経由して偏向ミラー装置333にて偏向し、第2結像光学系334によって小型スクリーン304上に走査結像する。
この構成においては、偏向ミラー装置333と小型スクリーン304の距離が、本発明にかかる画像投影装置3に比べて短い。
図8に、従来の構成において偏向ミラー装置333と小型スクリーン304の距離を長くした場合の、画像投影装置403の内部の光路図を示す。この場合も、レーザ光源431のレーザ光線が第1結像光学系432を経由して偏向ミラー装置433にて偏向し、第2結像光学系434によって小型スクリーン404上に走査結像する。
偏向ミラー装置333と小型スクリーン304の距離を長くすると、レーザ光源431と小型スクリーン404の距離も離れてしまう。この構成では、小型スクリーン404上での像側NAが小さくなり、ビームスポット径が大きくなるため、高解像度の画像を得ることができない。
また、図9に示すように、従来の構成において高解像度の画像を得るためには、第2結像光学系434などの光学素子を大型化しなければならない。
これに対し、本発明にかかる画像投影装置3は、第1中間像50を形成することにより、光学素子を大型化することなく、偏向ミラー装置33と小型スクリーン4の距離を長く保ちながら、高解像度の画像を得ることができる。
●第1中間像50と第2中間像51の大きさについて
偏向ミラー装置33から小型スクリーン4に伝達する熱量を小さくするため、第1中間像50から第2中間像51までの光路長は長い方がよい。第1中間像50と第2中間像51の横倍率を1倍に設定すると、第1中間像50から第2中間像51までの光路長が最短になるため、望ましくない。第1中間像50から第2中間像51までの光路長を長くするには、第1中間像50と第2中間像51を異なった大きさにする必要がある。
第1中間像50を第2中間像51よりも大きく構成すると、第2結像光学系34を小型スクリーン4寄りに配置しなければならない。その結果、さらに第2結像光学系34を大きくしなければならず、望ましくない。したがって、第1中間像50は、第2中間像51よりも小さく構成される。第1中間像50を第2中間像51よりも小さくすることで、光学系全体を小型に構成することができ、筐体35を小さくすることができる。
以上説明した実施の形態によれば、偏向ミラー装置とスクリーンの間に第1の中間像を形成することで、偏向ミラー装置とスクリーンの距離を遠くできるため、偏向ミラー装置からスクリーンに伝達する熱量を小さくすることができる。
1 虚像表示装置
2 観察光学系
3 画像投影装置
4 小型スクリーン
31 レーザ光源
32 第1結像光学系
33 偏向ミラー装置
34 第2結像光学系
50 第1中間像
51 第2中間像
特開2014−142423号公報 特許5392276号公報 特開2014−139656号公報

Claims (7)

  1. 画像を投影する画像投影装置と、
    前記画像の虚像を形成する観察光学系と、
    を備え、
    前記画像投影装置は、
    レーザ光源からの出射光線が入射する第1結像光学系と、
    前記第1結像光学系からの出射光線を偏向走査する偏向ミラー装置と、
    前記偏向ミラー装置からの出射光線が入射する第2結像光学系と、
    前記第2結像光学系から出射した光束が投影され、前記観察光学系に前記光束を出射するスクリーンと、
    を有し、
    前記第1結像光学系は、前記偏向ミラー装置と前記スクリーンの間に第1中間像を形成し、
    前記第2結像光学系は、前記スクリーン上に第2中間像を形成し、
    前記スクリーンの一方の面は、複数のマイクロレンズを2次元状に並べたマイクロレンズアレイ面であり、該マイクロレンズアレイ面が内側になるように湾曲した曲面である
    ことを特徴とする、虚像表示装置。
  2. 記マイクロレンズアレイ面の中心に引いた垂線の、重力方向とのなす角が90度以下である、請求項1記載の虚像表示装置。
  3. 前記スクリーンは、外気を遮断する遮断体によって覆われている、請求項1又は2記載の虚像表示装置。
  4. 前記遮断体は、光を透過する光透過部材を有し、前記光透過部材は前記スクリーンへの入射光および前記スクリーンからの出射光を透過する、請求項3記載の虚像表示装置。
  5. 前記第1中間像は前記第2中間像よりも小さい、請求項1乃至のいずれかに記載の虚像表示装置。
  6. 前記第1結像光学系は、前記レーザ光源から出射された光束を収束光束に変換する、請求項1乃至のいずれかに記載の虚像表示装置。
  7. レーザ光源からの出射光線を偏向ミラー装置に向かって出射する第1結像光学系と、
    前記第1結像光学系からの出射光線を偏向走査する偏向ミラー装置と、
    前記偏向ミラー装置からの出射光線が入射する第2結像光学系と、
    前記第2結像光学系から出射した光束が投影されるスクリーンと、
    を備え、
    前記第1結像光学系は、前記偏向ミラー装置と前記スクリーンの間に第1中間像を形成し、
    前記第2結像光学系は、前記スクリーン上に第2中間像を形成し、
    前記スクリーンの一方の面は、複数のマイクロレンズを2次元状に並べたマイクロレンズアレイ面であり、該マイクロレンズアレイ面が内側になるように湾曲した曲面である
    ことを特徴とする、画像投影装置。
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