JP6458299B2 - 発酵装置、及び、発酵方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発酵装置、及び、発酵方法に関するものである。
例えば、特許文献1には、食品微生物による発酵過程において、通電加熱により発酵温度を所定の温度範囲に制御し及び/又は前記食品微生物による培養液に交流電圧を印加する通電処理により微生物の増殖・代謝を促進することを特徴とする発酵温度及び/又は発酵微生物の増殖・代謝制御方法が開示されている。
また、特許文献2には、大豆や小麦などの醤油材料を混ぜ合わせ、麹菌を添加して製麹する製麹工程と、前記製麹工程により得られた醤油麹に食塩水を加える仕込みを行ない、前記仕込みにより醤油麹に食塩水が加えられてなる諸味を発酵させ熟成させる発酵・熟成工程と、前記発酵・熟成工程により熟成した諸味を圧搾して生揚醤油を搾り出し、この生揚醤油を加熱する火入れを行なった後におり引きする圧搾・加熱工程とからなる醤油の製造方法であって、前記発酵・熟成工程における前記食塩水に予め木材チップや木材角、木材板などの木材体を入れ、この木材体が入れられた状態の食塩水を前記醤油麹に加えることを特徴とする醤油の製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、醤油を洋酒樽に入れ、放置(貯蔵)すること特徴とする、香味の改善された醤油の製造法が開示されている。
特開2013−118860号公報 特開2007−20470号公報 特開2006−149376号公報
本発明は、発酵菌を含む液体を効率的に加熱する発酵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発酵装置は、木材で構成され、発酵菌を含む液体を貯留する容器と、前記容器内に貯留された前記液体に少なくとも一部が浸漬する位置に配置された電極とを有し、前記電極から前記液体に電流を流すことにより発生するジュール熱により、当該液体を加熱する。
好適には、前記容器と、当該容器が設置される基礎との間に配置される絶縁部をさらに有し、前記液体は、塩分濃度12%以上の醤油であり、前記容器の壁面は、板厚65mm〜85mmの木材を組み合わせて構成され、前記絶縁部は、前記液体に流れる電流が前記容器から前記基礎に流れることを防止する。
好適には、前記電極は、チタン材で構成され、前記電極は、互いに離間して前記容器の内壁面側に配置され、当該電極の浸漬している端部が前記容器の底部近傍に設置される。
好適には、前記容器は、内壁面に漆を塗布されている。
本発明に係る発酵方法は、木材で構成される容器に、発酵菌を含む液体を貯留する工程と、前記液体にジュール熱を発生させるよう、当該液体に浸漬する位置に配置した電極に電流を流す工程とを有する。
本発明によれば、発酵菌を含む液体を効率的に加熱し発酵させることができる。
発酵装置50を例示する正面図である。 図1に例示する発酵装置50の内部構造を例示する断面図である。 容器2の壁面構造を説明する図である。 図1に例示する発酵装置50の一部を拡大した斜視図である。 電極10を容器2の内側に配置する位置を例示する平面図である。
まず、本実施形態に係る背景を説明する。
例えば、酒、醤油、味噌、チーズ、納豆、ヨーグルト等を含む発酵食品の製造において、適切な温度や湿度管理と、所定の期間を置くことで、発酵菌が原料を加工することにより発酵食品が製造されている。
発酵食品のうち、例えば、醤油の場合、醤油は、原料である大豆、小麦、及び、米等の穀物と、麹菌、乳酸菌、及び、酵母を含む発酵菌と、食塩水とを混合し、これらを混合した液体を発酵・熟成させて製造されている。
醤油の製造工程は、概ね、製麹工程、発酵・熟成工程、圧搾工程、及び、火入れ工程がある。
これらの工程のうち、発酵・熟成工程に掛かる期間は、例えば、自然環境の温度変化に任せて醸造する、いわゆる天然醸造法となると、約1年から約3年の期間である。そのため、旨味を深めるには、発酵・熟成工程に掛かる期間を少なくとも約1年以上寝かせる必要があった。
一方、発酵・熟成工程に掛かる期間を短縮するために、発酵菌を含む液体を別の熱源により加熱する方法もある。しかし、温度管理が難しく、液体内の温度が均一にならないため、上質な醤油を製造できない。また、超音波を用いて発酵菌を含む液体を加熱して発酵菌の増殖及び代謝を効率的に促進させる方法もある。しかし、一度に醸造する量が多くなるとそれに伴って、超音波を発生させる装置も大きくする必要があるため、経済的に難しい。
そこで、本実施形態に係る発酵装置は、発酵・熟成工程に掛かる期間を短縮するために、通電加熱(ジュール熱)を利用して発酵菌の増殖及び代謝を効率的に促進させる。
本実施形態に係る発酵装置は、木材で構成され、発酵菌を含む液体を貯留するための容器と、この容器に貯留された液体に少なくとも一部が浸漬される位置に配置される電極とを含んで構成されている。また、発酵装置は、板厚65mm〜85mmの木材を組み合わせて構成された容器に、塩分濃度12%以上の醤油となる発酵菌を含む液体が貯留される。また、発酵装置は、容器が設置される基礎との間に配置され、液体に流れる電流が容器から基礎に流れることを防止する絶縁部が設けられている。
発酵装置は、電極から発酵菌を含む液体に電流を流し、液体の電気抵抗よって発熱させてジュール熱を発生させる。発酵装置は、ジュール熱を用いて、発酵菌を含む液体を加熱することにより、発酵菌の増殖及び代謝を促進させる適切な温度管理を行うことができ、経済的にも好適である。
次に、本実施形態に係る発酵装置50の概要を説明する。
以下、本発明の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。また、本実施形態に係る発酵装置50は、種々の大きさに構成することができ、構成を理解するためにどのサイズにも共通して例示している。
図1は、発酵装置50を例示する正面図である。
図2は、図1に例示する発酵装置50の内部構造を例示する断面図である。
図1及び図2に例示するように、発酵装置50は、容器2、基礎4、固定部6、絶縁部8、制御装置10、電極12、空気供給部14、温度センサ16、及び、取出部18により構成されている。
発酵装置50は、容器2に液体30を貯留し、貯留した液体30に少なくとも一部が浸かるような位置に電極12を配置している。発酵装置50は、電極12を介して、外部から供給された電流を液体30に直接流し、液体30の電気抵抗よってジュール熱を発熱させる。
ここで、液体30は、発酵菌を含む液体であり、具体的には、原料である大豆、小麦、及び、米等の穀物と、麹菌、乳酸菌、及び、酵母を含む発酵菌と、食塩水とを混合した液体である。液体30は、食塩水を含んでいるため電流を流すことができる。
また、発酵菌とは、例えば、麹菌、酵母菌、乳酸菌、納豆菌、酢酸菌、及び、イースト菌等である微生物が含まれる。また、発酵装置50は、上記発酵菌を含む発酵食品である、例えば、酒、醤油、味噌、チーズ、ヨーグルト、塩麹、酢、漬物、魚の発酵食品、及び、みりん等を含む発酵食品の製造工程に応用することができる。
本実施形態での発酵装置50は、醤油を製造する発酵・熟成工程に用いる場合を具体的な一例として説明する。そのため、液体30は、麹菌、酵母菌、及び、乳酸菌を含み、例えば、塩分濃度12%以上の液体である。例えば、濃口醤油、たまり醤油、及び、再仕込み醤油を製造する場合、製品となった醤油の塩分濃度が約16%となるように、液体30の塩分を調整する。また、淡口醤油を製造する場合、製品となった醤油の塩分濃度が約18%〜約19%となるように液体30の塩分を調整する。また、白醤油を製造する場合、製品となった醤油の塩分濃度が約18%となるように液体30の塩分を調整する。また、減塩醤油を製造する場合、製品となった醤油の塩分濃度が約12%〜約13%となるように液体30の塩分を調整する。
ここで、醤油とは、大豆や米を原料とする醤油を一例として具体的に例示するが、これに限定せず、醤(ひしお)である草醤、魚醤、肉醤、及び、穀醤を含む概念である。
[容器2]
容器2は、本発明に係る容器の一例である。
図1及び図2に例示するように、容器2は、発酵菌を含む液体30を貯留するための容器である。
容器2は、例えば、金属部材、合成樹脂部材、及び、木材で構成することができる。容器2は、金属部材で構成される場合、例えば、ステンレス鋼、及び、アルミニウム合金で構成されてもよい。また、容器2は、合成樹脂部材で構成される場合、例えば、繊維強化プラスチックで構成され、具体的には、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックで構成されてもよい。また、容器2は、木材で構成される場合、例えば、ヒノキ、サワラ、ヒバ、コウヤマキ、及び、スギで構成され、望ましくはスギで構成される。なお、本実施形態の容器2は、木材で構成する場合を具体例として説明する。容器2は、木材で構成する場合、具体的には、樽、及び、桶等である。容器2は、電流あるいは熱を通しにくい性質である絶縁体である木材で構成することによって、調湿性、断熱性、及び、保温性に優れ、塩分によって錆びることのない容器として構成することができる。
また、容器2は、例えば、壁面が複数の木材を組み合せて構成されている。容器2は、組み合せて構成された壁面の水平断面形状が略円形状、略楕円状、及び、略四角形状となるよう構成され、好ましくは、略円形状となるよう構成されている。また、容器2は、節のないスギ材を用いて容器2の壁面を構成されている。容器2は、節のないスギ材を用いるため、容器2の壁面における強度を落とさず構成される。さらに、容器2は、容器2に貯留された液体30が節から漏れ出ることを防止することができる。
また、容器2は、容器2の外側に配置された複数の締付用バンド2aにより、木材を組み合せた壁面を締め付けて固定されて構成されている。締付用バンド2aは、例えば、金属部材で構成されている。締付用バンド2aは、いわゆる箍である。また、締付用バンド2aは、合成樹脂製や竹製の装飾を外装として取り付けられてもよい。
また、容器2は、容器2の開口を塞ぐための蓋2cを備えてもよい。
図3は、容器2の壁面構造を説明する図である。
図3は、容器2の壁面を構成する木材2bの形状を例示する図であり、図2(b)は、図3(a)に例示する木材2bを組み合せた状態を例示する図である。
図3(a)に例示するように、容器2は、端面又は断面の形状が略長方形の形状をしている木材を複数組み合せて構成された壁面を備えている。具体的には、容器2は、壁面を略円形状や略楕円状に構成する場合、組み合せる木材の数や容器2の形状に応じて曲げ加工した木材を組み合せて構成された壁面を備えている。
ここで、本実施形態の容器2は、容量約40kリットル(約40000リットル)を貯留でき、壁面高さ約4m、内径約4.2mとした木製の容器である場合を一例として具体的に説明する。この容器2の壁面を構成する木材(以下、木材2bとする)は、端面又は断面の形状が略長方形の形状をしており、木材2bの長辺の寸法Aは、約100mmから約120mmの範囲であり、好ましくは約110mmである。また、木材2bの短辺の寸法B(板厚)は、約65mmから約85mmの範囲であり、好ましくは約70mmである。
また、木材2bは、一方の短辺を含む長手方向の面に突出し、長手方向に連続して設けられる突起3aを備える。突起3aは、例えば、半円状や楔状に突出して形成されている。本実施例の容器2は、突起3aが楔状に突出して形成されている場合を一例として具体的に説明する。
突起3aの設けられる面から突出する高さ寸法Dは、例えば、約7mmから約12mmの範囲であり、好ましくは約10mmである。また、突起3aの基端の長さ寸法Eは、例えば、約7mmから約12mmの範囲であり、好ましくは約10mmである。
また、容器2は、他方の短辺を含む長手方向の面(突起3aの設けられる面の反対側の面)に凹んで、長手方向に連続して設けられる溝3bを備える。溝3bは、例えば、半円状や楔状に凹んで形成されている。本実施例の容器2は、突起3aと同様に、溝3bが楔状に凹んで形成されている場合を一例として具体的に説明する。
溝3bの設けられる面からの凹み寸法dが、例えば、約7mmから約12mmの範囲であり、好ましくは約10mmである。また、溝3bの基端の長さ寸法eは、例えば、約7mmから約12mmの範囲であり、好ましくは約10mmである。
このように、容器2の壁面を構成する木材2bは、形成されている。
また、図3(b)に例示するように、容器2は、複数の木材2bを組み合せて壁面を構成される。具体的には、容器2は、突起3aと溝3bとを嵌め合うよう、互いの突起3aを備える面と、溝3bを備える面とを突き合わせて配置し壁面を構成される。このように、容器2は、複数の木材2bを組み合せて壁面を構成されている。本実施例の容器2は、互いに突き合わせる面に一対の突起3a及び溝3bを配置したが、複数配置してもよい。
[基礎4]
図1及び図2に例示するように、基礎4は、例えば、コンクリートで構成され、容器2を安定させて支えるために設けられる。また、基礎4は、容器2の底面領域と地面とを接触させないよう、容器2の底面領域と地面との間を既定量離間させるために地面より高くなっている。基礎4は、例えば、容器2の底面領域から地面までの既定離間が約30cmから約60cmの範囲となるよう配置されている。この基礎4の高さは、例えば、作業者が容器2の底面領域の点検作業を行うために、容器2の底面領域と地面との間に入り込める程度の間隔を設けることが望ましい。
[固定部6]
図1及び図2に例示するように、固定部6は、アンカーボルト部6aと、アンカーベルト部6bとを含む。固定部6は、アンカーボルト部6aと、アンカーベルト部6bとを組み合せて、容器2を基礎4に配置した状態で基礎4から落ちないよう固定している。
アンカーボルト部6aは、例えば、金属部材で構成されている。アンカーボルト部6aは、基礎4に取り付けられたボルトである。アンカーボルト部6aは、例えば、地震や容器2の転倒による引抜力に耐えるよう、基礎4に取り付けられる。また、アンカーボルト部6aは、その一部をボルト等により基礎4に結合されてもよいし、基礎4と一体に取り付けられてもよい。
また、アンカーベルト部6bは、例えば、金属部材で構成されている。アンカーベルト部6bは、容器2の外壁面を巻くように配置され、アンカーボルト部6aとナットにて固定されている。
[絶縁部8]
図4は、図1に例示する発酵装置50の一部を拡大した斜視図である。
図4(a)は、図1に例示するA部を拡大した斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に例示するB部を拡大した斜視図である。
絶縁部8は、本発明に係る絶縁部の一例である。
図1に例示すように、絶縁部8は、容器2と基礎4との間に配置され、電流が容器2から基礎4に流れることを防止している。絶縁部8は、絶縁体で構成され、例えば、ゴムで構成されている。また、絶縁部8は、容器2と基礎4との間に配置されるためにシート状に形成されている。
また、絶縁部8は、液体30を貯留する容器2が大型化すると木材を組み合せた隙間部分から液体30が染み出る可能性があるため、液体30を基礎4に接触させないよう設けられ、染み出した液体30から電流が基礎4に流れることを防止している。
また、図4(a)及び図4(b)に例示するように、絶縁ワッシャー7は、アンカーベルト部6bを固定するアンカーボルト部6aとナットとの締結に用いられる。絶縁ワッシャー7は、電流が容器2から固定部6に流れることを防止している。絶縁ワッシャー7は、絶縁体で構成され、例えば、ゴムや合成樹脂で構成されている。
このように、絶縁部8及び絶縁ワッシャー7は、導電性のある固定部6を介して、容器2から基礎4に電流が流れることを防止している。
[制御装置10]
図2に例示するように、制御装置10は、電極12と接続されている。制御装置10は、外部から供給される電流を電極12に流す。具体的には、制御装置10は、外部から供給される電流を調整し、調整された電流を電極12に流す。制御装置10は、例えば、電極12から液体30に対して流す電流を13A〜18Aの範囲となるよう制御する。好ましくは、制御装置10は、電極12から液体30に15A〜16Aの範囲となる電流を流すよう制御する。
また、制御装置10は、空気供給部14を介して液体30に空気を供給する。制御装置10は、空気供給部14に含まれる空気供給装置(不図示)による空気の供給量を制御する。
また、制御装置10は、温度センサ16と接続されている。制御装置10は、容器2に貯留する液体30に浸漬する位置に配置される温度センサ16により、測定された液体30の温度を表示する。
制御装置10は、温度センサ16により測定された液体30の温度に基づいて、電極12に流す電流を自動的に調整してもよいし、作業者により電極12に流す電流を手動で調整されてもよい。
[電極12]
電極12は、例えば、金属部材で構成され、具体的にはステンレス鋼、白金、及び、チタン材等で構成されている。電極12は、液体30の塩分によって錆びにくい、いわゆる耐食性の示す材料を選択する必要がある。
また、電極12は、例えば、棒状又は板状に形成されている。電極12は、板状である場合、例えば、板厚が1mm〜3mmの範囲の厚さであり、板幅が13mm〜17mmの範囲である。また、電極12は、長さが容器2の高さとほぼ同じであり、容器2の壁面高さ約4mである場合、例えば3.9mである。
また、図2に例示するように、電極12は、制御装置10と接続されている。電極12は、制御装置10により外部から供給された電圧を印加される。
また、電極12は、それぞれの電極12が互いに離間して容器2の内壁面側となる位置に配置されている。電極12は、互いに離間する距離をより確保することにより、電流を流す範囲をより広くすることができるため、発酵装置50は、加熱する範囲を広くすることができる。また、電極12は、容器2の内部に貯留された液体30に少なくとも一部が浸漬されるような位置に配置されている。具体的には、電極12は、液体30に浸漬している端部を容器2の底部近傍に配置している。本例では、電極12の端部を容器2の底部近傍に配置して、電極12の長さを容器2に貯留した液体30の水位と同じ若しくは長くなるよう構成している。発酵装置50は、電極12の長さを容器2に貯留した液体30の水位と同じ若しくは長くなるよう構成することにより、容器2に貯留する液体30の上方領域と下方領域との温度のバラツキを少なくすることが期待できる。
図5は、電極12を容器2の内側に配置する位置を例示する平面図である。
また、電極12は、例えば、陽極と陰極とを含む一対だけでもよいし、これを複数組としてもよい。本実施形態の電極12は、三対を配置する場合を一例として具体的に説明する。
図5(a)に例示するように、電極12は、容器2の内壁面側に配置され、略六角形の頂点となる位置にそれぞれ配置してもよい。また、図5(b)に例示するように、電極12は、例えば、陽極と陰極とを互いに対向するよう離間して、容器2の内壁面側に近接するような位置に配置してもよい。また、図5(c)に例示するように、電極12は、容器2の中心領域に近い位置で、互いに対向するよう離間して配置してもよい。また、図5(d)に例示するように、電極12は、容器2の内壁面に接触させて配置してもよい。
このように、電極12は、容器2の内側に配置することができる。また、電極12は、配置位置をこれに限定するものではなく、液体30を効率的に加熱することのできる配置とすることが望ましい。また、電極12は、例えば、既定の時間で印加する電極12を順番に切り替えてもよい。
[空気供給部14]
図1及び図2に例示するように、空気供給部14は、例えば、合成樹脂部材で構成されている管と、空気を液体30に送り込む空気供給装置(不図示)とを含み、容器2に貯留される液体30の内部に空気を供給する。空気供給部14は、敷設された管のうち、液体30に浸かっている部分に設けられる開口部分から、液体30の内部に空気を供給する。空気供給部14は、容器2に貯留される液体30に空気を供給することで、発酵菌に空気を供給することができる。また、空気供給部14は、液体30に空気を供給することで液体30を攪拌するため、粘度の高い場合でも対応することができる。
空気供給部14は、容器2に貯留される液体30に対して満遍なく空気を供給し、かつ、攪拌することのできる位置に、配管や開口部分を配置することが望ましい。
[温度センサ16]
図2に例示するように、温度センサ16は、容器2に貯留される液体30の温度を測定する。温度センサ16は、制御装置10と接続されている。温度センサ16は、液体30に浸漬する位置に配置され、例えば、容器2の中心領域となる位置に配置されている。
[取出部18]
図1及び図2に例示するように、取出部18は、容器2の底面に配置される開閉自在な口である。取出部18は、開口することにより、容器2に貯留される液体30を容器2の内部から取り出すことができる。
このように、発酵装置50は、容器2、基礎4、固定部6、絶縁部8、制御装置10、電極12、空気供給部14、温度センサ16、及び、取出部18により構成されている。
次に、本実施形態に係る発酵装置50を用いた発酵方法を説明する。
ステップ100(S100)において、作業者は、容器2に液体30を貯留する。
具体的には、作業者は、原料である大豆、小麦、及び、米等の穀物と、製麹された麹菌と、食塩水とを容器2に投入し、液体30として貯留する。
作業者が食塩水を加えることで、麹菌から生成された酵素が働き始める。
ステップ105(S105)において、作業者は、液体30にジュール熱を発生させるよう、電極12に電流を流す。
作業者は、制御装置10を介して、電極12に、例えば、13A〜18Aの範囲の電流を流す。具体的には、作業者は、温度センサ16の測定結果と、液体30の発酵・熟成する状態に基づいて、例えば、13A〜18Aの範囲のうち、15A〜16Aの範囲となる電流を電極12に流す。作業者は、電極12に電流を流すことで液体30に直接電流を流して、液体30にジュール熱を発生させて液体30を加熱させることができる。
また、作業者は、液体30に対して空気の供給、及び、液体30の攪拌を行う。作業者は、温度センサ16の測定結果と、液体30の発酵・熟成する状態に基づいて、液体30に空気を供給する共に、液体30を攪拌する。作業者は、液体30を攪拌することにより、効率的に液体30全体に熱を伝達させて、温度の均一化を図ることができる。
このとき、液体30は、液体30に含まれる麹菌から生成された酵素(例えばプロテアーゼ)により穀物に含まれる一部のタンパク質をアミノ酸に分解され、さらに、別の酵素(例えばアミラーゼ)により穀物に含まれる一部のでんぷん質を糖に分解される。また、液体30は、乳酸菌により乳酸が生成され、酵母により一部の糖からアルコールに分解される。
このように、発酵装置50は、液体30にジュール熱を発生させて加熱しながら、液体30を発酵・熟成させて粘性のある液体状の醤油諸味を生成する。
発酵装置50は、ジュール熱を用いて液体30を加熱することにより、液体30の過加熱、局所的加熱による温度ムラ、及び、焦げ等を防ぐことができる。また、発酵装置50は、ジュール熱を用いて液体30を加熱することにより、発酵菌を死滅させずに、発酵菌により適した環境を構成することができるため、効率的に発酵菌を育成(増殖及び代謝)することができる。
また、液体30には、塩分濃度12%以上であるため、耐塩性のある乳酸菌や酵母菌が生存でき、雑菌の増殖を抑えることができる。
よって、発酵装置50は、アルコール含有量の高く、甘味、酸味、苦味、旨味等のバランスの取れた優れた品質の醤油を製造することが期待できる。また、発酵装置50は、発酵菌が活発に生存する環境を構成するため、色の変色を抑え、赤みの帯びた醤油を製造することが期待できる。
以上説明したように、本発明に係る発酵装置50は、木材で構成された容器2に、発酵菌を含む液体30を貯留し、貯留された液体30に浸漬するような位置に電極を配置して構成することにより、電極30から液体30に直接電流を流してジュール熱を発生させる。発酵装置50は、ジュール熱で液体30を加熱することにより、加熱用の熱媒体が別途不要であり、さらに電気による加熱であるため消費エネルギーを抑えることができる。さらに、発酵装置50は、ジュール熱を利用するため、均一に加熱することができるため、焦げ付きや部分的な過加熱を防ぐことができる。
また、発酵装置50は、液体30を貯留する容器2を木材で構成することにより、調湿性、断熱性、及び、保温性があるため、外気温度の影響をうけにくく、液体30の温度を一定に保つことができる。さらに、発酵装置50は、絶縁体である木材で容器2を構成することにより、液体30に流した電流を容器2の外部に漏電することを防ぐことが期待できる。
また、発酵装置50は、ジュール熱を用いて液体30を加熱することにより、過加熱、局所的加熱による温度ムラ、及び、焦げ等の要因がなく、発酵菌に適した環境を構成できるため、効率的に発酵菌を育成(増殖及び代謝)することができる。よって、発酵装置50は、アルコール含有量の高い優れた品質の醤油を製造することができる。
また、発酵装置50は、容器2を木材で構成することにより、金属製や合成樹脂製に比べて藻の発生が少なく、塩分によって錆ない容器とすることができるため、液体30を腐敗させにくいという効果が期待できる。また、発酵装置50は、木材の風味を醤油につけることが期待できる。
また、発酵装置50は、見学者等に対して視覚的に伝統的な醤油や酒等の製造法のイメージを想起させることが期待できる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
[変形例]
上記実施形態では、容器2と基礎4との間に絶縁部8を配置した場合を説明したが、これに限定するものではない。
本変形例では、容器2の内壁面に漆を塗布する構成とする場合を説明する。
容器2は、内壁面に漆を塗布される。容器2は、内壁面に漆を塗布されることにより、木材を組み合せて構成された壁面から液体30が漏れ出さないようにすることができる。また容器2は、絶縁体である漆を塗布されることにより、漏電を防止することが期待できる。また、容器2は、内壁面だけでなく外壁面にも塗布されてもよいし、木材の組み合せた接合部分にのみ塗布されてもよい。
このように、発酵装置50は、容器2の壁面に漆を塗布されることにより、容器2の壁面から液体30が漏れることを防止できる。
50 発酵装置
30 液体
2 容器
2a 箍
2b 木材
2c 蓋
3a 突起
3b 溝
4 基礎
6 固定部
6a アンカーボルト部
6b アンカーベルト部
8 絶縁部
7 絶縁ワッシャー
10 制御装置
12 電極
14 空気供給部
16 温度センサ
18 取出部

Claims (4)

  1. 木材で構成され、発酵菌を含む液体を貯留する容器と、
    前記容器内に貯留された前記液体に少なくとも一部が浸漬する位置に配置された電極と
    前記容器と、当該容器が設置される基礎との間に配置される絶縁部と
    を有し、
    前記電極から前記液体に電流を流すことにより発生するジュール熱により、当該液体を加熱し、
    前記液体は、塩分濃度12%以上の醤油であり、
    前記容器の壁面は、板厚65mm〜85mmの木材を組み合わせて構成され、
    前記絶縁部は、前記液体に流れる電流が前記容器から前記基礎に流れることを防止する
    発酵装置。
  2. 前記電極は、チタン材で構成され、
    前記電極は、互いに離間して前記容器の内壁面側に配置され、当該電極の浸漬している端部が前記容器の底部近傍に設置される
    請求項1に記載の発酵装置。
  3. 前記容器は、内壁面に漆を塗布されている
    請求項に記載の発酵装置。
  4. 木材で構成され、発酵菌を含む液体を貯留する容器と、前記容器内に貯留された前記液体に少なくとも一部が浸漬する位置に配置された電極と、前記容器と、当該容器が設置される基礎との間に配置される絶縁部とを有し、前記電極から前記液体に電流を流すことにより発生するジュール熱により、当該液体を加熱し、前記液体は、塩分濃度12%以上の醤油であり、前記容器の壁面は、板厚65mm〜85mmの木材を組み合わせて構成され、前記絶縁部は、前記液体に流れる電流が前記容器から前記基礎に流れることを防止する発酵装置を用いて、
    前記容器に、発酵菌を含む液体を貯留する工程と、
    前記液体にジュール熱を発生させるよう、前記電極に電流を流す工程と
    を有する発酵方法。
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