JP6457799B2 - 軌道分岐部の異物除去装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道分岐部の異物除去装置に関する。
従来、鉄道の軌道分岐部は、基本レールと、当該基本レールの隣りに位置するトングレールと、を備え、当該トングレールが、基本レールに対して接近するように移動する、あるいは基本レールから離れるように移動することにより、当該軌道分岐部を通過する列車の進行方向が変更される。このような軌道分岐部が例えば降雪地方に設置された場合には、基本レールとトングレールとの間に雪氷等の異物が蓄積することがある。基本レールとトングレールとの間に雪氷等の異物が蓄積すると、トングレールが基本レールに対して接触不可となる可能性がある。そこで、特許文献1および特許文献2では、基本レールとトングレールとの間の異物を除去するための異物除去装置が提案されている。
特許文献1の異物除去装置は、図11に示すように、基本レール71を挟んでトングレール72の反対側から基本レール71の底面73の下方に亘って延びるジョイント部74と、当該ジョイント部74のトングレール72側の端部に繋がる屈曲部75と、当該屈曲部75に繋がるとともに基本レール71とトングレール72との間に配置されたノズル部76と、を備えている。特許文献1の異物除去装置では、外部のエアタンクからジョイント部74に送られた圧縮空気が屈曲部75を通じてノズル部76から噴射し、これにより基本レール71とトングレール72との間に蓄積された雪氷等の異物が除去される。
また、特許文献2の異物除去装置は、図12に示すように、基本レール81を挟んでトングレールの反対側から基本レール81の底面82の下方に亘って延びる配管ジョイント部83と、当該配管ジョイント部83のトングレール側の端部に繋がるとともに基本レール81とトングレールとの間において各レールの長さ方向に沿って延びる角パイプ84と、当該角パイプ84に設けられたノズル部と、を備えている。ここで、配管ジョイント部83は、基本レール81の底面82の下方において一方部83aと他方部83bとに分割されており、当該一方部83aと他方部83bとがネジ部材85によって互いに固定されている。特許文献2の異物除去装置では、外部の圧縮空気源装置から配管ジョイント部83に送られた圧縮空気が角パイプ84を通じてノズル部から噴射し、これにより基本レール81とトングレールとの間に蓄積された雪氷等の異物が除去される。
国際公開第2013/038657号 特開2000−144602号公報
特許文献1の異物除去装置において例えばジョイント部74、屈曲部75、およびノズル部76が一体に形成されている場合、当該異物除去装置を軌道分岐部に設置するのが困難となる。具体的に、軌道分岐部における基本レール71とトングレール72との間隔が比較的狭い部位では、前記一体に形成された異物除去装置におけるジョイント部74を基本レール71とトングレール72との間から基本レール71の底面73の下方へ挿入することは困難である。このため、前記一体に形成された異物除去装置を軌道分岐部に設置するには、基本レール71を挟んでトングレール72の反対側から基本レール71の下方にノズル部76、屈曲部75、およびジョイント部74を挿入した上で、ノズル部76を基本レール71とトングレール72との間に配置する方法が考えられる。しかしながら、例えば軌道分岐部がスラブ軌道に適用される場合、基本レール71の底面73の下方の空間が狭く、ノズル部76および屈曲部75を当該空間に挿入することが困難である。
一方、特許文献2の異物除去装置では、配管ジョイント部83が基本レール81の底面82の下方において一方部83aと他方部83bとに分割されている。このため、特許文献2の異物除去装置を軌道分岐部に設置する場合、例えば、一方部83a、角パイプ84、およびノズル部を一体に形成した状態で基本レール81とトングレールとの間から所定の設置箇所に配置する。そして、基本レール81を挟んでトングレールの反対側から基本レール81の下方に他方部83bを挿入する。これにより、基本レール81の底面82の下方の空間が狭い場合であっても、異物除去装置を軌道分岐部に容易に設置することができる。しかしながら、このような方法にて特許文献2の異物除去装置を軌道分岐部に設置する場合、基本レール81の底面82の下方において一方部83aと他方部83bとをネジ部材85によって固定する作業が必要となり、作業性が低下する虞がある。
本発明は、上記の観点からなされたものであり、その目的は、作業性の低下を抑止しつつ容易に設置可能な軌道分岐部の異物除去装置、および軌道分岐部の異物除去装置の設置方法を提供することにある。
本発明に係る軌道分岐部の異物除去装置は、基本レールと、前記基本レールの隣りに位置し当該基本レールに対して接近するように移動可能であるとともに当該基本レールから離れるように移動可能であるトングレールと、を備える軌道分岐部の異物除去装置であって、異物除去用媒体が導入される導入流路を有し、前記基本レールの底面の下方において当該基本レールの幅方向に延びる導入側部材と、前記基本レールと前記トングレールとの間に前記異物除去用媒体を噴射するノズル部と前記導入流路とを連通させる連絡流路を有する連結部と、を備え、前記連結部は、前記基本レールの前記底面よりも下方の領域において前記導入側部材の一端部に連結されており、上面視において前記基本レールの底面の外側に位置する前記導入側部材の他端部は、前記導入側部材の前記一端部を前記連結部に連結させるための操作が可能であり、前記基本レールは、垂直方向に延びるレール本体と、前記レール本体の下端に繋がるとともに前記レール本体よりも前記トングレール側に延びる第1脚部および前記第1脚部の反対側に延びる第2脚部を含む脚部と、を有しており、前記連結部は、前記基本レールの幅方向において前記第1脚部に対向する対向部を有しており、前記第2脚部に取り付けられるホールドプレートと、前記導入側部材に引っ掛けられ、前記ホールドプレートにて反力を取りつつ前記対向部が前記第1脚部に押し付けられるように前記導入側部材に対して引張り力を加える引張部材と、をさらに備え、前記ホールドプレートは、前記基本レールの幅方向における前記導入側部材に対する前記引張部材の相対位置を変更可能なように、前記引張部材を保持する。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、導入側部材と連結部とが分離しており、基本レールの底面よりも下方の領域において当該導入側部材の一端部が連結部に連結されている。ここで、導入側部材の他端部は、上面視において基本レールの底面の外側に位置している。このため、異物除去装置の設置作業者は、例えば基本レールとトングレールとの間から所定の設置箇所に連結部を設置し、上面視における基本レールの底面の外側の領域にて導入側部材の他端部を操作することにより、導入側部材を基本レールの底面の下方に挿入しつつ、導入側部材の一端部を連結部に連結させることができる。このように、上記の軌道分岐部の異物除去装置では、導入側部材と連結部とが分離しているため、基本レールの底面の下方の空間が狭いような場合であっても設置作業が容易であるとともに、基本レールの底面の下方において煩雑な固定作業等を行う必要がないため、作業性の低下を抑止できる。
また、上記の軌道分岐部の異物除去装置では、導入側部材およびこれを保持する連結部は、引張部材によって基本レールの幅方向におけるトングレールの反対側へ引っ張られる。これにより、対向部が第1脚部に押し付けられ、基本レールに対する連結部およびノズル部の相対位置が固定される。ここで、例えば基本レールの製造工程において当該基本レールの幅方向における第1脚部の長さに寸法誤差が生じた場合、第1脚部に対向部が押し付けられた状態において前記幅方向における導入側部材の位置がずれることになる。基本レールの幅方向における導入側部材の位置がずれると、当該導入側部材に対する引張部材の引掛位置もずれる可能性がある。上記の軌道分岐部の異物除去装置では、基本レールの幅方向における導入側部材に対する引張部材の相対位置が変更可能であるため、前記引掛け位置のずれに応じて導入側部材に対する引張部材の相対位置を変更可能である。したがって、前記相対位置を変更した引張部材をホールドプレートに保持させることができる。このため、例えば基本レールの寸法に製造誤差が生じた場合であっても、当該基本レールに対して異物除去装置を安定して固定することができる。
また、前記導入側部材は、前記一端部から前記他端部に亘って直線形状をなしていることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、当該異物除去装置を設置するに際して、導入側部材を基本レールの底面の下方に挿入した状態で当該導入側部材の他端部を回動することが容易となる。このため、導入側部材の他端部を回動させつつ当該導入側部材の一端部を連結部に連結させる操作が容易となり、作業性が向上する。
また、前記連結部は、雌ネジ部を有しており、前記導入側部材の前記一端部は、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有していることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、当該異物除去装置を設置するに際して、導入側部材の他端部を回動させつつ雄ネジ部を雌ネジ部に螺合させることにより、導入側部材の一端部を連結部に連結させることが容易になる。
また、前記雄ネジ部は、前記一端部の先端に向けて径が小さくなるテーパ形状をなしていることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、雄ネジ部がテーパ形状をなしているため、当該雄ネジ部を雌ネジ部に螺合するに際して、導入側部材の軸回りの向きを容易に調整することができる。また、テーパ形状の雄ネジ部が雌ネジ部に螺合することにより、導入側部材の一端部と連結部との間から異物除去用媒体が漏れ出すことを抑止できるため、導入側部材の一端部と連結部との間にガスケットを設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
また、前記導入側部材は、前記基本レールの底面の下方において、第1突出部と、前記第1突出部の反対側に突出する第2突出部と、を有しており、前記第1突出部および前記第2突出部のうちの一方が前記基本レールの底面に接しており、前記第1突出部および前記第2突出部のうちの他方に前記引張部材が引掛けられることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、互いに反対向きに突出した第1突出部および第2突出部の一方が基本レールの底面に対する当て座の役割を担い、他方が引張部材に引掛けられる役割を担う。このため、導入側部材の向きに応じて第1突出部と第2突出部との役割を適宜変更することが可能であり、当該導入側部材の設置が容易となる。
また、前記第1脚部と前記対向部との間に設けられたシム部材をさらに備えることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置では、基本レールの寸法の製造誤差に応じて、第1脚部と対向部との間にシム部材を設けることにより、レール本体に対するノズル部の相対位置を最適な位置に設定することができる。
また、前記ノズル部は、前記基本レールと前記トングレールとの間に配置されており、前記ノズル部と前記基本レールとの間には、空隙が設けられていることが好ましい。
上記の軌道分岐部の異物除去装置は、基本レールに対してノズル部を密着させない態様であるため、基本レールの寸法の製造誤差に応じて当該基本レールに対するノズル部の相対位置を微調整する必要がない。
本発明に係る軌道分岐部の異物除去装置の設置方法は、基本レールと、前記基本レールの隣りに位置し当該基本レールに対して接近するように移動可能であるとともに当該基本レールから離れるように移動可能であるトングレールと、を備える軌道分岐部の異物除去装置の設置方法であって、異物除去用媒体を噴射するノズル部と連通する連絡流路を有する連結部を少なくとも一部が前記基本レールの底面よりも下方の領域に位置するように配置する配置工程と、上面視における前記基本レールの底面の外側において、前記連絡流路に連通するとともに前記異物除去用媒体が導入される導入流路を有する導入側部材の他端部を操作することにより、前記導入側部材を前記基本レールの底面の下方に挿入しつつ、前記基本レールの底面よりも下方の領域において前記導入側部材の一端部を前記連結部に連結させる連結工程と、を備える。
上記の軌道分岐部の異物除去装置の設置方法では、導入側部材と連結部とが分離しており、基本レールとトングレールとの間から所定の設置箇所に連結部を設置しつつ基本レールの底面の下方に導入側部材を挿入するため、基本レールの底面の下方の空間が狭いような場合であっても設置が容易となる。また、上面視における基本レールの底面の外側の領域にて導入側部材の他端部を操作することにより、導入側部材の一端部を連結部に連結させるため、基本レールの底面の下方において煩雑な固定作業を行う必要がなく、作業性の低下を抑止できる。
本発明によれば、作業性の低下を抑止しつつ容易に設置可能な軌道分岐部の異物除去装置、および軌道分岐部の異物除去装置の設置方法が提供される。
本実施形態に係る軌道分岐部、異物除去装置、および圧縮空気源の概略構成図である。 本実施形態に係る異物除去装置の概略構成を示す斜視図であって、基本レールに取り付けられた状態を示す。 本実施形態に係る異物除去装置の概略構成を図2の反対側から示した斜視図であって、基本レールに取り付けられた状態を示す。 本実施形態に係る異物除去装置の概略構成を示す側面図である。 本実施形態に係る異物除去装置の要部断面図であって、ホールドプレートおよび引張部材を省略した図である。 本実施形態に係る異物除去装置の変形例の概略構成を示す側面図である。 本実施形態に係る異物除去装置の他の変形例の概略構成を示す図であって、連結部をトングレール側から見た正面図である。 本実施形態に係る異物除去装置の他の変形例の概略構成を示す要部斜視図であって、導入側部材の一端部を導出側部材の連結部に保持させる以前の状態を示す。 図8に示す変形例における連結部の下端部の要部正面図である。 本実施形態に係る異物除去装置の他の変形例の概略構成を示す側面図である。 特許文献1に記載された異物除去装置の概略構成を示す側面図である。 特許文献2に記載された異物除去装置の概略構成を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、本発明の一実施形態の構成部材のうち、本実施形態を説明するために必要な主要部材を簡略化して示したものである。
図1は、列車の軌道が分岐する部分である軌道分岐部X1と、軌道分岐部X1に設置された異物除去装置Y1と、異物除去装置Y1に圧縮空気を供給するための圧縮空気源Z1と、を示す。
軌道分岐部X1は、列車の線路において当該列車の進行方向を切り替える部分である。本実施形態では、軌道分岐部X1は、複数の枕木が並ぶとともに各枕木の間に砂利が敷き詰められたバラスト軌道に適用されている。なお、軌道分岐部X1は、スラブ軌道に適用されてもよい。
軌道分岐部X1は、所定の間隔で設置された一対の基本レール100と、当該一対の基本レール100間に設置された一対のトングレール200と、を有している。トングレール200は、基本レール100の幅方向において当該基本レール100の隣りに位置しており、当該幅方向に移動することで、基本レール100に対して接近するように移動可能であるとともに、基本レール100から離れるように移動可能である。具体的に、一対のトングレール200の先端には、共通の転轍棒210が取り付けられており、図示しないポイント切替装置によって当該転轍棒210が操作されることにより、一対のトングレール200が所定の間隔を保った状態で一対の基本レール100間を幅方向に移動する。これにより、一方のトングレール200が一方の基本レール100に対して接近するとともに他方のトングレール200が他方の基本レール100から離れる状態と、他方のトングレール200が他方の基本レール100に対して接近するとともに一方のトングレール200が一方の基本レール100から離れる状態と、の間で軌道分岐部X1が切り替えられる。
基本レール100は、図2〜図4に示すように、レール本体110と、脚部120と、を有している。
レール本体110は、第1部位111と、第2部位112と、を有している。第1部位111は、レール本体110のうち垂直方向に延びる部位であり、第2部位112を支持する。第1部位111は、トングレール200側に位置する第1側面111aと、当該第1側面111aの反対側に位置する第2側面111bと、を有している。第2部位112は、第1部位111の上端に繋がっており、基本レール100の幅方向において第1部位111よりも幅が大きく形成されている。列車の車輪は、第2部位112の上面を転動する。また、第2部位112は、トングレール200が接触する部位である。トングレール200が基本レール100の第2部位112と接触した状態において、トングレール200と第1部位111の第1側面111aとの間には、空隙が存在する。なお、図1では、一対の基本レール100のうち一方の基本レール100の第2部位112の図示を部分的に省略している。
脚部120は、レール本体110を支持する部位である。脚部120は、第1部位111の下端に繋がっている。脚部120は、基本レール100の幅方向において、レール本体110よりもトングレール200側に延びる第1脚部121と、当該第1脚部121の反対側に延びる第2脚部122と、を有している。脚部120における下面は、基本レール100の底面B1となる。ここで、図4に示すように、基本レール100の底面B1と当該底面B1の下方に位置する地面との間には、空隙が設けられている。
異物除去装置Y1は、基本レール100とトングレール200との間に蓄積した雪氷等の異物を除去する装置である。本実施形態では、異物除去装置Y1は、図1に示すように基本レール100の長さ方向に沿って所定の間隔を空けて複数設けられており、バラスト軌道を構成する複数の枕木間において基本レール100に取り付けられている。なお、図1では、一対の基本レール100のうち一方の基本レール100に取り付けられた異物除去装置Y1のみを図示しているが、一対の基本レール100のうち他方の基本レール100にも同様に異物除去装置Y1が取り付けられている。
異物除去装置Y1は、圧縮空気源Z1から供給される圧縮空気を基本レール100とトングレール200との間において噴射する。具体的に、圧縮空気源Z1は、各異物除去装置Y1に対して共通に接続された接続管300と、当該接続管300を開閉する電磁弁400と、電磁弁400よりも上流側において接続管300に接続された空気タンク500と、当該空気タンク500に接続されたコンプレッサ600と、を備えている。圧縮空気源Z1は、電磁弁400を開くことにより、コンプレッサ600によって圧縮した空気タンク500中の空気を、接続管300を通じて各異物除去装置Y1に導入する。そして、各異物除去装置Y1は、圧縮空気源Z1から導入された圧縮空気を基本レール100とトングレール200との間において噴射することにより、雪氷等の異物を除去する。
なお、本実施形態では、異物除去装置Y1には、雪氷等の異物を除去するための異物除去用媒体として圧縮空気が導入されるが、これに限らない。例えば、異物除去用媒体として温水等を異物除去装置Y1に導入し、これにより基本レール100とトングレール200との間に蓄積された雪氷等の異物を溶かすことによって当該異物の除去を達成してもよい。
図2〜図4に示すように、異物除去装置Y1は、導出側部材2と、シム部材3と、導入側部材4と、ホールドプレート5と、引張部材6と、を有している。
導出側部材2は、圧縮空気源Z1から異物除去装置Y1に導入された圧縮空気を導出する部材である。導出側部材2は、ノズル部21と、連結部22と、を有している。本実施形態では、ノズル部21と連結部22とは、一体に形成されている。
ノズル部21は、基本レール100とトングレール200との間に圧縮空気を噴射する部位である。ノズル部21は、トングレール200と基本レール100との間に配置されている。本実施形態では、ノズル部21は、扁平状の部材であって、平面視して略矩形状をなしている。ノズル部21は、レール本体110における第1部位111の第1側面111aに沿って配置されている。ノズル部21と第1側面111aとの間には、空隙S1が設けられている。なお、ノズル部21と第1側面111aとは、互いに接触していてもよい。
ノズル部21は、圧縮空気を噴射する複数の流出口21aを有している。流出口21aは、圧縮空気を基本レール100の長さ方向に噴射するように、ノズル部21の長さ方向の端面において開口している。
連結部22は、ノズル部21と導入側部材4とを連結する部材である。連結部22は、ノズル部21に繋がっており、当該ノズル部21よりも下方に延びている。具体的に、連結部22は、図2に示すように、基本レール100の長さ方向においてノズル部21よりも小さい幅を有している。また、基本レール100の長さ方向における連結部22の幅は、導入側部材4の径よりも少し大きい。連結部22の上端部22Aは、略矩形状のノズル部21のうち基本レール100の長さ方向における中央部分の下端に繋がっている。連結部22の下端部22Bは、底面B1の下方に位置している。連結部22は、上端部22Aから他端部22Bにかけて、第1部位111の第1側面111a、第1脚部121、および底面B1に沿うように設けられており、垂直方向において上端部22Aと下端部22Bとが第1脚部121を挟んでいる。
連結部22は、対向部22aと、雌ネジ部22bと、連絡流路22cと、を有している。
対向部22aは、上端部22Aと他端部22Bとを繋ぐ部位であって、基本レール100の幅方向において第1脚部121に対向している。
対向部22aは、基本レール100の幅方向において第1脚部121に対向する対向面を有しており、当該対向面にシム部材3が設けられている。シム部材3は、基本レール100の幅方向において第1脚部121と対向部22aとに挟み込まれている。なお、シム部材3はなくともよく、基本レール100の幅方向において第1脚部121と対向部22aの対向面とが直接的に接していてもよい。
雌ネジ部22bは、導入側部材4のうち後述する雄ネジ部41aと連結される部位である。雌ネジ部22bは、底面B1の下方に位置している。具体的に、雌ネジ部22bは、下端部22Bのうち、基本レール100の幅方向における導入側部材4側の面の一部がトングレール200側に凹むように形成されている。雌ネジ部22bは、基本レール100の長さ方向における連結部22の中央部分に形成されている。なお、本実施形態では、雌ネジ部22bは、底面B1の下方に位置しているが、これに限らず、底面B1よりも下方の領域に位置していればよい。すなわち、雌ネジ部22bは、底面B1を水平方向に延長した仮想面の下方に位置していればよい。
連絡流路22cは、ノズル部21の各流出口21aと後述する導出側部材2の導入流路44とを連絡する流路である。連絡流路22cは、各流出口21aに共通して繋がるとともに、雌ネジ部22bにおいて開口している。
導入側部材4は、圧縮空気源Z1から圧縮空気が導入される部材である。導入側部材4は、一端部41、他端部42、当該一端部41と他端部42との間の中間部43、および一端部41から他端部42に亘って直線状に延びる導入流路44を有している。導入側部材4は、一端部41から他端部42に亘って直線形状をなす管材によって構成されている。
導入側部材4の一端部41は、基本レール100の底面B1の下方に位置している。一端部41は、雄ネジ部41aを有している。雄ネジ部41aは、一端部41の先端に向けて径が小さくなるテーパ形状をなしている。また、雄ネジ部41aは、雌ネジ部22bに螺合しており、これにより一端部41が連結部22に連結されている。この状態において、一端部41が基本レールの幅方向において連結部22に抜け止めされた状態で保持され、雄ネジ部41aにおいて開口した導入流路44が雌ネジ部22bにおいて開口した連絡流路22cに繋がる。
導入側部材4の他端部42は、上面視における基本レール100の底面B1の外側に位置しており、基本レール100の幅方向に延びている。このため、他端部42は、一端部41を連結部22に連結させるに際して保持可能な部位となる。すなわち、他端部42は、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させるに際して保持可能な部位である。異物除去装置Y1の設置作業者は、上面視における基本レール100の底面B1の外側において他端部42を保持した状態で当該他端部42を回動し、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させることにより、一端部41を連結部22に連結させることが可能である。他端部42は、圧縮空気源Z1における接続管300に接続され、当該接続管300から他端部42において開口した導入流路44に圧縮空気が導入される。
導入側部材4の中間部43は、一端部41と他端部42との間において底面B1の下方に位置している。中間部43は、図4および図5に示すように、第1突出部43aと第2突出部43bとを有している。第1突出部43aは、垂直方向の一方に突出している。また、第2突出部43bは、第1突出部43aの反対側に突出している。すなわち、第1突出部43aと第2突出部43bとは、導入側部材4の軸回りに180°の位相差で設けられている。本実施形態では、第1突出部43aが底面B1に接しており、第2突出部43bに後述する引張部材6のUボルト61に引っ掛けられている。第1突出部43aと第2突出部43bとは、互いに独立しており、略同一の厚みT1を有している。
なお、本実施形態では、第1突出部43aが垂直方向の上方に突出しているが、これに限らず、第1突出部43aが垂直方向の下方に突出していてもよい。この場合、第2突出部43bが底面B1に接するとともに、第1突出部43aに後述する引張部材6のUボルトが引掛けられることになる。
また、本実施形態では、中間部43が第1突出部43aおよび第2突出部43bの2つの突出部を有しているが、これに限らず、1つあるいは3つ以上の突出部を有していてもよい。また、本実施形態では、第1突出部43aと第2突出部43bとが導入側部材4の軸回りに180°の位相差で設けられているが、各突出部の位相差はこれに限らず、例えば90°等であってもよい。
ホールドプレート5および引張部材6は、異物除去装置Y1を基本レール100に固定するための部材である。
ホールドプレート5は、抑え部51と、傾斜部52と、を有している。抑え部51は、第2脚部122の上面に接触するように配置されており、当該第2脚部122を上方から抑える部位である。傾斜部52は、抑え部51に繋がっており、基本レール100の幅方向における第1脚部121の反対側に向かって下方に傾斜するように抑え部51から延びている。傾斜部52には、当該傾斜部52の傾斜方向に沿って延びる長穴52a,52bが形成されている。長穴52a,52bは、上面視において導入側部材4を挟むように位置している。
引張部材6は、Uボルト61と、ナット62a,62bと、を有している。Uボルト61は、屈曲部分が第2突出部43bに引っ掛けられているとともに、両端部分が長穴52a,52bのそれぞれに挿入されている。そして、長穴52a,52bのそれぞれに挿入されたUボルト61の両端部分は、ナット62a,62bに締結されており、これによりUボルト61が傾斜部52に直交する方向に延びた状態で当該傾斜部52に固定されている。
ここで、Uボルト61は、ナット62a,62bによって傾斜部52に固定された状態において第2突出部43bに力を加える。これにより、引張部材6は、ホールドプレート5において反力を取りつつ基本レール100の幅方向の他端部42側に導入側部材4を引っ張る。これに応じて、導入側部材4に連結された導出側部材2にも引張り力が加わることになり、基本レール100の幅方向において対向部22aがシム部材3を挟んで第1脚部121に押し付けられる。このようにして、ホールドプレート5および引張部材6によって対向部22aを第1脚部121に押し付けることにより、異物除去装置Y1が基本レール100に取り付けられる。
次に、異物除去装置Y1の設置方法について説明する。
1)配置工程
まず、基本レール100とトングレール200との間に上方から導出側部材2を挿入する。このとき、連結部22の下端部22Bを基本レール100の底面B1よりも下方の領域まで挿入する。そして、基本レール100の幅方向において第1脚部121と対向部22aとが対向する位置にて挿入を停止し、上端部22Aと下端部22Bとが垂直方向において第1脚部121を挟み込むように連結部22を配置する。これにより、下端部22Bに設けられた雌ネジ部22bは、底面B1の下方にて基本レール100の幅方向においてトングレール200側へと凹むように配置される。
2)連結工程
次に、導入側部材4の他端部42を保持し、基本レール100の幅方向に沿って当該導入側部材4の一端部41を第2脚部122側から底面B1の下方に挿入する。このとき、作業者は、基本レール100および導出側部材2を上面視しつつ、基本レール100の長さ方向における連結部22の中央部分に向けて導入側部材4の一端部41を挿入することにより、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに挿入する。続けて、上面視における底面B1の外側において他端部42を保持して当該他端部42を回動することにより、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させる。これにより、導入側部材4の一端部41を連結部22に連結させる。この状態で、導入側部材4の一端部41が基本レール100の幅方向において連結部22に抜け止めされた状態で保持され、雄ネジ部41aにおいて開口した導入流路44が雌ネジ部22bにおいて開口した連絡流路22cに繋がる。
このとき、第1突出部43aが垂直方向の上方に突出し底面B1に接するように雌ネジ部22bに対する雄ネジ部41aの螺合位置を調整する。なお、第1突出部43aが垂直方向の上方に突出するように導入側部材4の軸回りの向きを調整することが困難である場合、第2突出部43bが垂直方向の上方に突出するように雌ネジ部22bに対する雄ネジ部41aの螺合位置を調整してもよい。
3)取付け工程
次に、抑え部51が第2脚部122上に位置するとともに傾斜部52が第1脚部121の反対側に向かって下方に傾斜するように、ホールドプレート5を配置する。そして、Uボルト61の屈曲部分を第2突出部43bに引掛け、当該Uボルト61の両端部分を傾斜部52に形成された長穴52a,52bのそれぞれに挿入する。Uボルト61の両端部分を長穴52a,52bのそれぞれに挿入した後、当該Uボルト61を傾斜部52に対して直交する姿勢に保ちつつ、この状態でUボルト61の両端部分とナット62a,62bのそれぞれとを締結する。これにより、Uボルト61が傾斜部52にて反力を取りつつ導入側部材4に引っ張る力を加えた状態で固定され、導入側部材4を保持する連結部22が基本レール100側に引っ張られることによって、シム部材3を挟んで対向部22aが第1脚部121に押し付けられる。このようにして、異物除去装置Y1が基本レール100に取り付けられ、当該異物除去装置Y1の設置が完了する。
なお、Uボルト61とナット62a,62bとを締結するに際しては、第2突出部43bの位置に応じて、長穴52a,52b内におけるUボルト61の位置を適宜変更する。具体的に、基本レール100の幅方向において第2突出部43bが連結部22側に寄っている場合、Uボルト61の両端部分を長穴52a,52bの上端に近い部分に通過させ、この状態で当該両端部分とナット62a,62bとを締結する。一方、基本レール100の幅方向において第2突出部43bが連結部22の反対側に寄っている場合、Uボルト61の両端部分を長穴52a,52bの下端に近い部分に通過させ、この状態で当該両端部分とナット62a,62bとを締結する。このようにして、長穴52a,52bとUボルト61との相対位置を適宜変更することによって、第2突出部43bの位置に応じて導入側部材4に対するUボルト61の相対位置を変更し、これにより傾斜部52とUボルト61とを直交させた状態で当該Uボルト61を傾斜部52に固定する。
以上説明した異物除去装置Y1では、導入側部材4と連結部22とが分離しており、基本レール100の底面B1よりも下方の領域において導入側部材4の一端部41が連結部22に連結されている。ここで、導入側部材4の他端部42は、上面視において基本レール100の底面B1の外側に位置している。このため、異物除去装置Y1の設置作業者は、基本レール100とトングレール200との間から所定の設置箇所に導出側部材2を設置し、上面視における基本レール100の底面B1の外側の領域にて導入側部材4の他端部42を保持して当該他端部42を回動することにより、導入側部材4を基本レール100の底面B1の下方に挿入しつつ、導入側部材4の一端部41を連結部22に連結させることができる。そのため、基本レール100の底面B1の下方が狭いような場合であっても設置作業が容易であるとともに、基本レール100の底面B1の下方において煩雑な固定作業等を行う必要がないため、作業性の低下を抑止できる。
さらに、異物除去装置Y1では、導入側部材4が一端部41から他端部42に亘って直線形状をなしているため、当該異物除去装置Y1を設置するに際して、導入側部材4を基本レール100の底面B1の下方に挿入した状態で他端部42を回動することが容易となる。このため、他端部42を回動させつつ一端部41を連結部22に連結させる操作が容易となり、作業性が向上する。
さらに、異物除去装置Y1では、当該異物除去装置Y1を設置するに際して、他端部42を回動させつつ雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させることにより、一端部41を連結部22に連結させることが容易になる。
さらに、異物除去装置Y1では、雄ネジ部41aおよび雌ネジ部22bが基本レール100の底面B1の下方に位置している。このため、基本レール100の底面B1の下方のスペースを有効に活用して連結部22に導入側部材4の一端部41を保持させることができる。
さらに、異物除去装置Y1では、雄ネジ部41aがテーパ形状をなしているため、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合するに際して、導入側部材4の軸回りの向きを容易に調整することができる。また、テーパ形状の雄ネジ部41aが雌ネジ部22bに螺合することにより、一端部41と連結部22との間から圧縮空気が漏れ出すことを抑止できるため、当該一端部41と連結部22との間にガスケットを設ける必要がなく、部品点数を削減できる。特に、本実施形態では、導出側部材2においてノズル部21と連結部22とが一体に形成されているため、当該導出側部材2においても流出口21a以外の部位から圧縮空気が漏れ出すことがない。このため、圧縮空気源Z1から異物除去装置Y1に導入される圧縮空気の利用効率が高まる。
さらに、異物除去装置Y1では、ホールドプレート5に長穴52a,52bが形成されており、当該長穴52a,52b内におけるUボルト61の位置を変更することにより、導入側部材4に対するUボルト61の相対位置を変更可能である。このため、例えば基本レール100の幅方向における第1脚部121の長さに寸法誤差が生じ、当該基本レール100に異物除去装置Y1を固定した状態における第2突出部43bの位置にずれが生じたとしても、当該第2突出部43bにUボルト61を安定して引掛けることができる。
さらに、異物除去装置Y1では、長穴52a,52b内にUボルト61の位置をどのように変更したとしても、Uボルト61を傾斜部52に直交する姿勢にて当該傾斜部52に固定することができる。このため、Uボルト61を傾斜部52に安定して固定することができる。
さらに、異物除去装置Y1では、互いに反対向きに突出した第1突出部43aおよび第2突出部43bの一方が基本レール100の底面B1に対する当て座の役割を担い、他方がUボルト61に引掛けられる役割を担う。このため、導入側部材4の向きに応じて第1突出部43aと第2突出部43bとの役割を適宜変更することが可能であり、当該導入側部材4の設置が容易となる。具体的には、例えば第1突出部43aおよび第2突出部43bのうち当て座の役割を担う第1突出部43aのみが設けられていた場合、基本レール100の底面B1に対する第1突出部43aの位置がずれている際に、雌ネジ部22bに対して雄ネジ部41aを回転させて締め込むことにより、第1突出部43aを適切な位置に調整する必要がある。このとき、最大で雄ネジ部22bを360°近く回転させる必要がある。これに対し、異物除去装置Y1では、基本レール100の底面B1に対する第1突出部43aの位置がずれていることにより、当該第1突出部43aを基本レール100の当て座として利用し難い場合に、雌ネジ部22bに対して雄ネジ部41aを回転させて締め込むことにより、第2突出部43bを基本レール100の当て座として適切な位置に調整することができる。このとき、雄ネジ部22bの回転量は最大でも180°以下であるため、当該雄ネジ部22bを360°近く回転させる必要がある上記の場合と比べて、少ない力で取付け作業を行うことができる。
さらに、異物除去装置Y1では、基本レール100の寸法の製造誤差に応じて、第1脚部121と対向部22aとの間にシム部材3を設けることにより、レール本体110に対するノズル部21の相対位置を最適な位置に設定することができる。
さらに、異物除去装置Y1は、基本レール100における第1側面111aとノズル部21との間に空隙S1を設ける態様である。このため、列車の走行に応じた振動が基本レール100を介してノズル部21に伝達される可能性を低減することができ、これにより当該振動の伝達によるノズル部21と連結部22との連結箇所における応力集中を抑止することができる。そして、このような態様においては、基本レール100寸法の製造誤差に応じて第1側面111aにノズル部21が接するように当該ノズル部21の位置を微調整する必要がないため、異物除去装置Y1の設置作業が容易となる。
なお、本実施形態では、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させることによって、一端部41を連結部22に連結させたが、これに限らず、雄ネジ部41aおよび雌ネジ部22bはなくともよい。
例えば、連結部22の下端部22Bのうち基本レール100の幅方向における導入側部材4側の面に圧入口を形成し、当該圧入口に一端部41を圧入することにより、一端部41を連結部22に連結させてもよい。
また、管継手を用いて一端部41を連結部22に連結させてもよい。管継手は、二部材から構成されており、一方の部材を一端部41に取り付けるとともに他方の部材を連結部22に取り付け、この状態で他端部42を保持して一端部41を基本レール100の底面B1の下方に挿入することにより、当該下方において管継手の一方の部材と他方の部材とを連結させる。これにより、一端部41と連結部22とが連結されることになる。
また、図6に示す変形例では、連結部22は、雌ネジ部22bに代えて貫通孔22dを有しており、導入側部材4は、雄ネジ部41aに代えてフランジ部45を有している。
貫通孔22dは、連結部22のうち基本レール100の底面B1よりも下方の領域に位置する部位に設けられており、基本レール100の幅方向において下端部22Bを貫通している。連絡流路22cは、貫通孔22dを形成する下端部22Bの内周面における上方の部位にて開口している。
フランジ部45は、導入側部材4の一端部41における先端に設けられている。導入流路44は、フランジ部45よりも他端部42側の位置において、導入側部材4の外周面における上方の部位にて開口している。フランジ部45は、貫通孔22dよりも大きい径を有している。また、導入側部材4のうちフランジ部45以外の部位は、貫通孔22dよりも少し小さい径を有している。
導入側部材4は、貫通孔22dに挿入されており、フランジ部45が下端部22Bのうちトングレール200側の面に接している。これにより、導入側部材4が連結部22に連結される。この状態において、導入側部材4は、基本レール100の幅方向のうち当該基本レール100を挟んでトングレール200の反対側へ向かう方向において連結部22に抜け止めされた状態で保持される。また、この状態において、下端部22Bの内周面における上方の部位にて開口した連絡流路22cと、導入側部材4の外周面における上方の部位にて開口した導入流路44とが、互いに繋がる。
図6に示す変形例にて、導入側部材4を連結部22に連結させるには、作業者は、フランジ部45を保持した状態でトングレール200側から貫通孔22dに他端部42を挿入する。そして、基本レール100を挟んでトングレール200の反対側において基本レール100の底面B1の外側まで至った他端部42を保持し、当該他端部42を引っ張ることによって、フランジ部45を下端部22Bのうちトングレール200側の面に接触させる。
このように、図6に示す変形例では、貫通孔22dに他端部42を挿入した後、上面視における底面B1の外側において他端部42を保持し、当該他端部42を引っ張ることにより、フランジ部45を下端部22Bのうちトングレール200側の面に接触させ、これにより一端部41を連結部22に連結させることができる。
なお、図7に示すように、連結部22には、貫通孔22dに代えて凹部22eが設けられてもよい。凹部22eは、貫通孔22dと同様の部位に設けられており、連結部22bが下方から上方に向かって凹むように形成されている。この場合、導入側部材4の一部が底面B1の下方の挿入された状態において、基本レール100を挟んでトングレール200の反対側において底面B1の外側に位置する他端部42を保持し、導入側部材4を上方へ持ち上げることにより当該導入側部材4を凹部22eに嵌め込む。そして、導入側部材4を凹部22eに嵌め込んだ状態でフランジ部45を下端部22Bのうちトングレール200側の面に接触させることにより、一端部41を連結部22に連結させることができる。
また、図8および図9に示す変形例では、導入側部材4は、雄ネジ部41aに代えて一方凸部46と他方凸部47とを有しており、結部22は、雌ネジ部22bに代えて開口部22fを有している。なお、図8では、説明の便宜上基本レール100の図示を省略している。また、図9は、図8に示した連結部22の下端部22Bのうち基本レール100の幅方向における導入側部材4側の面を正面視した図である。
一方凸部46は、一端部41の先端に形成されており、当該一端部41の径方向における一方に突出している。他方凸部47は、一端部41の先端に形成されており、当該一端部41の径方向において一方凸部46の反対側に突出している。
開口部22fは、下端部22Bのうち、基本レール100の幅方向における導入側部材4側の面の一部がトングレール200側に凹むように形成されている。開口部22fは、一方凹部22gと、他方凹部22hと、を有している。一方凹部22gは、一端部41を開口部22fに挿入するに際して、一方凸部46が通過する部分である。また他方凹部22hは、一端部41を開口部22fに挿入するに際して、他方凸部47が通過する部分である。
ここで、連結部22の下端部22Bには、一方溝部22iと、他方溝部22jと、が設けられている。具体的に、一方溝部22iは、開口部22fのうちトングレール200側の端部の一部が径方向に凹むように形成されている。一方溝部22iのうち、周方向における一端は、一方凹部22gに繋がっている。一方溝部22iの幅は、一方凸部46の厚みよりも少し大きく形成されている。また、他方溝部22jは、開口部22fのうちトングレール200側の端部の一部が径方向に凹むように形成されており、当該径方向において一方溝部22iの反対側に位置している。他方溝部22jのうち、周方向における一端は、他方凹部22hに繋がっている。一方溝部22iの幅は、他方凸部47の厚みよりも少し大きく形成されている。
図8および図9に示す変形例に係る異物除去装置Y1を設置するに際して、設置作業者は、上面視における底面B1の外側において他端部42を保持しつつ、導入側部材4の一端部41を底面B1の下方に挿入する。そして、一方凸部46および他方凸部47の位置を一方凹部22gおよび他方凹部22hの位置に合わせ、導入側部材4の一端部41を開口部22fに挿入する。最後に、一端部41が開口部22fのトングレール200側の端部に至った時点で、上面視における底面B1の外側において他端部42を図9に示す矢印A1方向に回動することにより、一方凸部46および他方凸部47を一方溝部22iおよび他方溝部22jに嵌め込む。
このように、図8および図9に示す変形例では、上面視における底面B1の外側において他端部42を回動することにより、一方凸部46および他方凸部47を一方溝部22iおよび他方溝部22jに嵌め込み、これにより一端部41を連結部22に連結させることができる。
また、図10に示す変形例では、連結部22は、基本レール100の幅方向において互いに離間する2点において、脚部120における第1脚部121の上面に接触している。
連結部22の上端部22Aは、基本レール100の幅方向において、第1部位111側に位置しておりノズル部21が繋がる先端部22mと、当該先端部22mの反対側に位置しており対向部22aに繋がる基端部22nと、を含んでいる。そして、連結部22は、先端部22mが第1脚部121のうち第1部位111側の部位の上面に接触するとともに、基端部22nが第1脚部121のうち対向部22a側の部位の上面に接触するように配置されている。
なお、上記の実施形態では、連結部22の上端部22Aは、第1脚部121のうち第1部位111側の部位には接触しておらず、第1脚部121のうち対向部22a側の部位にのみ接触している。これに対して、図10に示す変形例では、連結部22における上端部22Aの先端部22mは、垂直方向におけるノズル部21の下方において、第1脚部121のうち第1部位111側の部位に接触している。すなわち、図10に示す変形例では、上記の実施形態に比してノズル部21に近い側において連結部22が基本レール100の脚部120に接触している。
また、図10に示す変形例では、上記の実施形態とは異なり、シム部材3が設けられていない。このため、図10に示す変形例では、基本レール100の幅方向において、第1脚部121と対向部22aとの間に空隙が形成されている。なお、第1脚部121と対向部22aとは、基本レール100の幅方向において接触していてもよい。
このように、図10に示す変形例では、連結部22は、先端部22mおよび基端部22nの2点において基本レール100に接触するように配置されるため、異物除去装置Y1を軌道分岐部X1に設置するに際して、当該異物除去装置Y1が安定し、設置が容易となる。しかも、図10に示す変形例では、脚部120における第1脚部121の上面に先端部22mおよび基端部22nの2点が接触するとともに、脚部120における底面B1に第1突出部43aが接触している。このため、異物除去装置Y1は、上下の両側から脚部120を挟み込むように、当該脚部120に3点で接触することになる。そのため、異物除去装置Y1がより安定する。
なお、図10に示す変形例では、連結部22は、先端部22mおよび基端部22nの2点において基本レール100に接触するように配置されているが、これに限らず、3点以上において基本レール100に接触するように配置されていてもよい。
さらに、図10に示す変形例では、先端部22mおよび基端部22nの2点が基本レール100に接触することにより、連結部22を基本レール100に安定して取り付けることができるため、シム部材3を設けなくともよく、部品点数を削減することができる。
さらに、図10に示す変形例では、連結部22の先端部22mが第1脚部121のうち第1部位111側の部位に接触している。具体的には、図10に示す変形例では、連結部22は、ノズル部21の垂直方向における下方において、基本レール100の脚部120に接触している。そして、導出側部材2のうち、先端部22mよりもノズル部21側の部位は、片持ち状態となっている。図10に示す変形例では、連結部22と基本レール100との接触点をノズル部21に近づけることができ、これによりノズル部21と連結部22との結合部位の剛性が高まるとともに、導出側部材2のうち片持ち状態となった部位の長さを短くすることができる。これにより、振動の影響によるノズル部21の変位を小さくすることができるとともに、当該ノズル部21における応力を抑制できる。具体的には、ノズル部21における最大応力を上記の実施形態に比して40%程度減少させることができるとともに、安全率を2倍以上とすることができる。これにより、振動によってノズル部21が破損する可能性を低減することができる。
さらに、図10に示す変形例では、連結部22の先端部22mを第1脚部121のうち第1部位111側の部位に接触させるだけで、ノズル部21に破損が生じる可能性を低減することができるため、異物除去装置Y1の構造をコンパクトにすることができる。
以上説明した本実施形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記の実施形態および変形例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記の実施形態および変形例では、ホールドプレート5は、抑え部51と傾斜部52との間で折れ曲がった形状をなしており、抑え部51と第2脚部122の上面とが面接触しているが、これに限らない。ホールドプレート5は、折れ曲がりのない平板形状をなしていてもよい。この場合、平板形状のホールドプレート5は、導入側部材4の上面と第2脚部122の先端上面とに跨るように傾斜配置され、第2脚部122と線接触することになる。
また、上記の実施形態では、導出側部材2を基本レール100における所定の位置に配置した後、導入側部材4の一端部41を第2脚部122側から底面B1の下方に挿入し、当該一端部41を連結部22に連結させたが、これに限らない。例えば、基本レール100の底面B1の下方の空間が十分に広い場合、あるいは基本レール100の底面B1の下方のバラストを掘ることにより当該下方の空間を広くすることが可能な場合であれば、導入側部材4を導出側部材2に連結させた状態で基本レール100の下方に配置し、その後当該基本レール100に固定することが可能である。
この場合、まず始めに、雄ネジ部41aを雌ネジ部22bに螺合させることにより、導入側部材4の一端部41を連結部22に連結させる。そして、導入側部材4が第1脚部121側から底面B1の下方に挿入され、且つノズル部21がトングレール200の下方から当該トングレール200と基本レール100との間に挿入されるように、導出側部材2および導入側部材4の連結体を配置する。このようにして、導出側部材2および導入側部材4を基本レール100における所定の位置に配置した後、Uボルト61を第2突出部43bに引っ掛けるようにして配置する。そして、Uボルト61の両端部分をホールドプレート5の長穴52a,52bに挿入し、ナット62a,62bによってUボルト61をホールドプレート5に固定する。これにより、異物除去装置Y1が基本レール100に取り付けられる。
B1 基本レールの底面
X1 軌道分岐部
Y1 異物除去装置
2 導出側部材
3 シム部材
4 導入側部材
5 ホールドプレート
6 引張部材
21 ノズル部
21a 流出口
22 連結部
22a 対向部
22b 雌ネジ部
22c 連絡流路
41 一端部
41a 雄ネジ部
42 他端部
43 中間部
43a 第1突出部
43b 第2突出部
44 導入流路
100 基本レール
110 レール本体
120 脚部
121 第1脚部
122 第2脚部
200 トングレール

Claims (7)

  1. 基本レールと、前記基本レールの隣りに位置し当該基本レールに対して接近するように移動可能であるとともに当該基本レールから離れるように移動可能であるトングレールと、を備える軌道分岐部の異物除去装置であって、
    異物除去用媒体が導入される導入流路を有し、前記基本レールの底面の下方において当該基本レールの幅方向に延びる導入側部材と、
    前記基本レールと前記トングレールとの間に前記異物除去用媒体を噴射するノズル部と前記導入流路とを連通させる連絡流路を有する連結部と、を備え、
    前記連結部は、前記基本レールの前記底面よりも下方の領域において前記導入側部材の一端部に連結されており、
    上面視において前記基本レールの底面の外側に位置する前記導入側部材の他端部は、前記導入側部材の前記一端部を前記連結部に連結させるための操作が可能であり、
    前記基本レールは、垂直方向に延びるレール本体と、前記レール本体の下端に繋がるとともに前記レール本体よりも前記トングレール側に延びる第1脚部および前記第1脚部の反対側に延びる第2脚部を含む脚部と、を有しており、
    前記連結部は、前記基本レールの幅方向において前記第1脚部に対向する対向部を有しており、
    前記第2脚部に取り付けられるホールドプレートと、
    前記導入側部材に引っ掛けられ、前記ホールドプレートにて反力を取りつつ前記対向部が前記第1脚部に押し付けられるように前記導入側部材に対して引張り力を加える引張部材と、をさらに備え、
    前記ホールドプレートは、前記基本レールの幅方向における前記導入側部材に対する前記引張部材の相対位置を変更可能なように、前記引張部材を保持する、軌道分岐部の異物除去装置。
  2. 前記導入側部材は、前記一端部から前記他端部に亘って直線形状をなしている、請求項1に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
  3. 前記連結部は、雌ネジ部を有しており、
    前記導入側部材の前記一端部は、前記雌ネジ部に螺合する雄ネジ部を有している、請求項1または2に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
  4. 前記雄ネジ部は、前記一端部の先端に向けて径が小さくなるテーパ形状をなしている、請求項3に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
  5. 前記導入側部材は、前記基本レールの底面の下方において、第1突出部と、前記第1突出部の反対側に突出する第2突出部と、を有しており、
    前記第1突出部および前記第2突出部のうちの一方が前記基本レールの底面に接しており、
    前記第1突出部および前記第2突出部のうちの他方に前記引張部材が引掛けられる、請求項に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
  6. 前記第1脚部と前記対向部との間に設けられたシム部材をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
  7. 前記ノズル部は、前記基本レールと前記トングレールとの間に配置されており、
    前記ノズル部と前記基本レールとの間には、空隙が設けられている、請求項1〜のいずれか一項に記載の軌道分岐部の異物除去装置。
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