JP6456701B2 - 手持ち具 - Google Patents

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Description

本発明は、刃体などの機能部をホルダに対し出没させることができる医療用刃物などの手持ち具に関するものである。
従来、例えば下記の特許文献1に開示された医療用刃物においては、機能部を有する可動体がホルダに移動可能に支持され、往復操作手段により、この可動体の機能部がホルダ内に収容される収容移動位置とホルダの頭端部から突出する突出移動位置との間で可動体を往復移動させることができる。この往復操作手段においては、可動体の操作部がホルダの尻端部から突出し、ホルダに設けられたガイドとしてのスリットと可動体に設けられたストッパとしてのピンとの係脱により、ホルダに対する可動体の移動位置を設定することができる。
実公昭62−13606号公報
しかし、このような医療用刃物においては、使用時に可動体の突出移動位置で可動体の操作部が不用意に押されると、可動体が突出移動位置から収容移動位置に移動してしまうおそれがあり、支障を来たす場合があった。
この発明は、医療用刃物などの手持ち具において、使用時に可動体が突出移動位置から収容移動位置に不用意に移動するのを防止することを目的としている。
後記実施形態(図1〜10に示す第1実施形態、図11〜12に示す第2実施形態、図13に示す第3実施形態、図14に示す第4実施形態)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明(第1,2,4実施形態に対応)にかかる手持ち具は下記(イ)〜(ハ)の特徴を有している。
(イ) 機能部(44)を有する可動体(23)をホルダ(1)に往復移動可能に支持し、この可動体(23)は機能部(44)がホルダ(1)内に収容される収容移動位置(A)とホルダ(1)から突出する突出移動位置(B)とを取り、ホルダ(1)と可動体(23)との間には機能部(44)の突出移動位置(B)で互いに係脱される突出時係脱部(8,33)を設け、機能部(44)の突出移動位置(B)で互いに操作方向の異なる複数の操作の組合せにより、可動体(23)の突出時係脱部(33)をホルダ(1)の突出時係脱部(8)に係脱させて、突出時係脱部(8,33)の係止状態で可動体(23)の移動方向(X)に沿う機能部(44)の収容向き(XA)へ可動体(23)が移動するのを阻止し得る。
従って、機能部(44)の突出移動位置(B)で互いに操作方向の異なる複数の操作を組合せて突出時係脱部(8,33)の係止を解除するので、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができる。
(ロ) 前記可動体(23)は突出時係脱部(33)を設けた係脱ばね(30)を備え、この係脱ばね(30)の突出時係脱部(33)は、係止状態でホルダ(1)の突出時係脱部(8)に係脱ばね(30)による付勢力により係止されるとともに、離脱状態でその付勢力に抗してその係止が解除される。従って、係脱ばね(30)の機能により、可動体(23)の突出時係脱部(33)とホルダ(1)の突出時係脱部(8)とを円滑に係脱させることができる。
(ハ) 前記係脱ばね(30)は片持ち梁であって、その係脱ばね(30)には自由端部側に設けた突出時係脱部(33)より基端部側に突出時係脱部(33)を操作する指当部(34)を設けた。従って、片持ち梁の基端部側にある指当部(34)を押圧することにより、指当部(34)に対する操作距離と比較して、片持ち梁の自由端部側にある突出時係脱部(33)の移動距離が大きくなるので、突出時係脱部(8,33)の係脱を容易に行うことができる。
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記片持ち梁である係脱ばね(30)は機能部(44)の収容向き(XA)側に自由端部を有している。請求項2の発明では、片持ち梁である係脱ばね(30)を可動体(23)にコンパクトに配設することができる。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記係脱ばね(30)は可動体(23)の移動方向(X)に沿って延設されている。請求項3の発明では、可動体(23)に片持ち梁である係脱ばね(30)を可動体(23)の移動方向(X)に沿ってコンパクトに配設することができる。
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記ホルダ(1)にはホルダ(1)の突出時係脱部(8)より機能部(44)の突出向き(XB)側で移動許容部(G)を設け、機能部(44)の突出移動位置(B)で前記係脱ばね(30)の指当部(34)はこの移動許容部(G)において可動体(23)の移動方向(X)に沿って機能部(44)の突出向き(XB)側に移動し得る。請求項4の発明では、ホルダ(1)の移動許容部(G)により指当部(34)に対するスライド操作を可能にする。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項5の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記可動体(23)の突出時係脱部(33)は、機能部(44)の突出移動位置(B)でホルダ(1)の突出時係脱部(8)に係止される係止位置(P1)と、ホルダ(1)の突出時係脱部(8)に対し可動体(23)の移動方向(X)へ離間する中間位置(P2)と、その中間位置(P2)に対し可動体(23)の移動方向(X)に直交する方向(Z)へ離間する離脱位置(P3)とを取り、前記複数の操作は、この可動体(23)に設けた指当部(34)により、可動体(23)の突出時係脱部(33)をこの係止位置(P1)と中間位置(P2)との間で移動させるスライド操作とこの中間位置(P2)と離脱位置(P3)との間で移動させる押圧操作との組合せである。請求項5の発明では、指当部(34)に対するスライド操作と押圧操作との組合せにより、突出時係脱部(8,33)を互いに係脱させるので、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができる。
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明(第2実施形態に対応)において、前記ホルダ(1)には機能部(44)の突出移動位置(B)で可動体(23)の指当部(34)に対する操作を規制し得る規制壁(13)を設け、前記スライド操作では可動体(23)の指当部(34)がこの規制壁(13)内から規制壁(13)外に可動体(23)の移動方向(X)へ突出し、前記押圧操作では可動体(23)の指当部(34)がこの規制壁(13)外で可動体(23)の移動方向(X)に対し直交する方向(Z)へ移動される。請求項6の発明では、規制壁(13)により指当部(34)に対する操作を規制するので、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができる。
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項7の発明(第1,2,3実施形態に対応)にかかる手持ち具においては、機能部(44)を有する可動体(23)をホルダ(1)に往復移動可能に支持し、この可動体(23)は機能部(44)がホルダ(1)内に収容される収容移動位置(A)とホルダ(1)から突出する突出移動位置(B)とを取り、ホルダ(1)と可動体(23)との間には機能部(44)の突出移動位置(B)で互いに係脱される一組の突出時係脱部(8,33)(17,36)を複数組設け、機能部(44)の突出移動位置(B)で各組の突出時係脱部(8,33)(17,36)を互いに係脱させて、突出時係脱部(8,33)(17,36)の係止状態で可動体(23)の移動方向(X)に沿う機能部(44)の収容向き(XA)へ可動体(23)が移動するのを阻止し得る。
請求項7の発明では、複数組の突出時係脱部(8,33)(17,36)を共に操作しない限り、可動体(23)を移動させることができないので、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができる。
請求項7の発明を前提とする請求項8の発明(第1,2,3実施形態に対応)において、前記複数組の係脱ばね(30,31)のうち少なくとも二組の係脱ばね(30,31)に設けた指当部(34,36)は、可動体(23)の移動方向(X)の周囲で周方向へ互いにずれて配設される。請求項8の発明では、係脱ばね(30,31)の機能により、可動体(23)の突出時係脱部(33,36)とホルダ(1)の突出時係脱部(8,17)とを円滑に係脱させることができるとともに、周方向へのずれにより、指当部(34,36)に対する不用意な操作を防止することができる。
請求項7の発明を前提とする請求項9の発明(第1,2,3実施形態に対応)において、前記複数組の係脱ばね(30,31)のうち少なくとも二組の係脱ばね(30,31)に設けた指当部(34,36)は、可動体(23)の移動方向(X)へ互いにずれて配設される。請求項9の発明では、係脱ばね(30,31)の機能により、可動体(23)の突出時係脱部(33,36)とホルダ(1)の突出時係脱部(8,17)とを円滑に係脱させることができるとともに、移動方向(X)へのずれにより、指当部(34,36)に対する不用意な操作を防止することができる。
請求項1〜9のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項10の発明(第1,2,3,4実施形態に対応)において、前記可動体(23)はホルダ(1)に支持された収容ばね(40)により機能部(44)の突出移動位置(B)側から機能部(44)の収容移動位置(A)側へ付勢されている。請求項10の発明では、収容ばね(40)により可動体(23)を突出移動位置(B)から収容移動位置(A)へ容易に移動させることができる。
請求項4の発明を前提とする第11の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記複数の操作は、前記ホルダ(1)の移動許容部(G)において係脱ばね(30)の指当部(34)を可動体(23)の移動方向(X)に対し直交する方向(Z)へ移動させる押圧操作と可動体(23)の移動方向(X)へ移動させるスライド操作との組合せである。第11の発明では、指当部(34)に対するスライド操作と押圧操作との組合せにより、突出時係脱部(8,33)を互いに係脱させるので、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができる。
第11の発明を前提とする第12の発明(第1,2,4実施形態に対応)において、前記係脱ばね(30)の突出時係脱部(33)が機能部(44)の突出移動位置(B)でホルダ(1)の突出時係脱部(8)に係止される係止位置(P1)において、係脱ばね(30)の突出時係脱部(33)とホルダ(1)の突出時係脱部(8)との間には前記押圧操作時に係脱ばね(30)の付勢力に抗してその係止位置(P1)を維持し得る掛止部(8a,33b)を設けた。第12の発明では、指当部(34)をスライド操作後に押圧操作するばかりでなく押圧操作後にスライド操作することができる。
請求項6の発明を前提とする第13の発明(第2実施形態に対応)において、前記規制壁(13)は可動体(23)の移動方向(X)に対し直交する幅方向(Y)における両側で可動体(23)の指当部(34)を挟む対向壁(13a)を有している。第13の発明では、規制壁(13)の両対向壁(13a)で指当部(34)を挟んでいるので、指当部(34)に対する操作を規制することができるばかりでなく、両対向壁(13a)間の上方開放部で指当部(34)を操作することができる。
請求項7の発明を前提とする第14の発明(第1,2,3実施形態に対応)にかかる複数組の突出時係脱部(8,33)(17,36)のうち少なくとも二組の突出時係脱部(8,33)(17,36)において、機能部(44)の突出移動位置(B)における係止位置(P1)は、可動体(23)の移動方向(X)の周囲で周方向へ互いにずれて配設される。第14の発明では、周方向へのずれにより、可動体(23)の突出時係脱部(33,36)に対する不用意な操作を防止することができる。
請求項7の発明を前提とする第15の発明(第1,2,3実施形態に対応)にかかる複数組の突出時係脱部(8,33)(17,36)のうち少なくとも二組の突出時係脱部(8,33)(17,36)において、機能部(44)の突出移動位置(B)における係止位置(P1)は、可動体(23)の移動方向(X)へ互いにずれて配設される。第15の発明では、移動方向(X)へのずれにより、可動体(23)の突出時係脱部(33,36)に対する不用意な操作を防止することができる。
請求項7の発明または第14,15の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第16の発明(第1,2,3実施形態に対応)にかかる複数組の突出時係脱部(8,33)(17,36)のうち少なくとも二組の突出時係脱部(8,33)(17,36)において、機能部(44)の突出移動位置(B)で一方の組の突出時係脱部(8,33)を操作する第一の指と他方の組の突出時係脱部(17,36)を操作する第一の指以外の指とにより可動体(23)を摘んでホルダ(1)と可動体(23)との間の突出時係脱部(8,33)(17,36)を互いに係脱させる。第16の発明では、突出時係脱部(8,33)(17,36)を容易に操作することができる。
請求項7の発明または第14,15,16の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第17の発明(第1,2,3実施形態に対応)において、前記可動体(23)は、可動体(23)の移動方向(X)に沿って延設された片持ち梁である係脱ばね(30)、または、可動体(23)の移動方向(X)に沿って延設された両持ち梁である係脱ばね(31)を備え、この係脱ばね(30,31)には前記可動体(23)の突出時係脱部(33,36)を設け、この係脱ばね(30,31)の突出時係脱部(33,36)は、係止状態でホルダ(1)の突出時係脱部(8,17)に係脱ばね(30,31)による付勢力により係止されるとともに、離脱状態でその付勢力に抗してその係止が解除される。第17の発明では、係脱ばね(30,31)の機能により、可動体(23)の突出時係脱部(33,36)とホルダ(1)の突出時係脱部(8,17)とを円滑に係脱させることができる。
請求項1〜10のうちいずれか一つの請求項の発明、または、第11〜17の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第18の発明(第1,2,3,4実施形態に対応)において、前記ホルダ(1)は、前記可動体(23)の機能部(44)が出没する頭端部(3)と、その頭端部(3)に対し可動体(23)の移動方向(X)で反対側になる尻端部(4)とを有し、前記ホルダ(1)の突出時係脱部(8,17)はこの頭端部(3)と尻端部(4)との間に設けられ、前記可動体(23)において機能部(44)を有する頭部(26)に対し可動体(23)の移動方向(X)で反対側になる尻側には操作部(27)をホルダ(1)の尻端部(4)から露出させて設け、前記可動体(23)の突出時係脱部(33,36)はこの機能部(44)と操作部(27)との間に設けられている。第18の発明では、指当部(34,36)ばかりでなく、ホルダ(1)の尻端部(4)から露出させた可動体(23)の操作部(27)によっても、可動体(23)を機能部(44)の収容移動位置(A)と突出移動位置(B)との間で往復移動させる操作を容易に行うことができる。
本発明は、医療用刃物などの手持ち具において、使用時に可動体(23)が突出移動位置(B)から収容移動位置(A)に不用意に移動するのを防止することができるばかりでなく、片持ち梁の基端部側にある指当部(34)を押圧することにより、指当部(34)に対する操作距離と比較して、片持ち梁の自由端部側にある突出時係脱部(33)の移動距離が大きくなるので、突出時係脱部(8,33)の係脱を容易に行うことができる。
(a)は第1実施形態にかかる医療用刃物などの手持ち具においてホルダから可動体を取り出した分解状態を示す斜視図であり、(b)は同じくホルダを下側から見て示す斜視図である。 (a)は図1のホルダを側面側から見た断面図であり、(b)は図1の可動体を示す側面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体の収容状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体の収容状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図であり、(c)は(b)のD−D線部分断面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体の突出状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体の突出状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。 (a)(b)はそれぞれ図1の医療用刃物において刃体を突出状態から収容状態に移動させる途中状態を側面側から見た断面図である。 (a)(b)(c)はそれぞれ図1の医療用刃物において刃体を突出状態から収容状態に移動させる途中状態を側面側から見た断面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体のロック状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。 (a)は図1の医療用刃物において刃体のロック状態を示す平面図であり、(b)は同じく平面側から見た断面図である。 (a)は第2実施形態にかかる医療用刃物などの手持ち具において刃体の突出状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図であり、(c)は同じく平面図である。 (a)は図11の医療用刃物において刃体を突出状態から収容状態に移動させる途中状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図であり、(c)は同じく平面図である。 (a)は第3実施形態にかかる医療用刃物などの手持ち具において刃体の突出状態を示す側面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図であり、(c)は同じく平面図である。 (a)は第4実施形態にかかる医療用刃物などの手持ち具において刃体の収容状態を側面側から見た断面図であり、(b)は同じく刃体の突出状態を側面側から見た断面図であり、(c)は同じく刃体のロック状態を側面側から見た断面図である。
まず、第1実施形態の医療用刃物について図1〜10を参照して説明する。
図1,2に示すホルダ1においては、細長い筒壁2が頭端部3(前端部)とその反対側の尻端部4(後端部)との間で収容孔5により貫通されて前後方向Xへ延設され、筒壁2の後部には前後方向Xに対し直交する上下方向Zの両側のうち上側でガイド6が形成されている。ガイド6は、前後方向X及び上下方向Zに対し直交する左右方向Y(幅方向)で相対向する端縁部を有するとともに収容孔5に連通する第一係脱孔7、第二係脱孔8、第三係脱孔9、第四係脱孔10及び第五係脱孔11を上係脱部として備えている。第四係脱孔10と第一係脱孔7と第五係脱孔11と第二係脱孔8と第三係脱孔9とは尻端部4側から順次頭端部3側へ向けて並べられている。第二係脱孔8と第三係脱孔9とは長孔12により互いに連通されて長孔12が収容孔5に貫通されている。第四係脱孔10、第一係脱孔7及び第二係脱孔8における両端縁部間の幅方向寸法は、第五係脱孔11及び第三係脱孔9における両端縁部間の幅方向寸法より大きく設けられている。
ホルダ1の筒壁2の上側には頭端部3とガイド6の第三係脱孔9との間で片持ち梁状の板ばね14が尻端部4側から頭端部3側に延設されている。図2(a)及び図4(c)に示すように板ばね14の自由端部の下側には左右両受け部15が互いに間隔をあけて収容孔5側へ突設されている。左右両受け部15間には円形状の窪み15aが形成されている。
ホルダ1の筒壁2の下側には第三係脱孔9及び長孔12の下方で長孔16が前後方向Xへ延設されて収容孔5に貫通されている。長孔16の後端部には下係脱部17が第二係脱孔8と第三係脱孔9との間の下方で収容孔5側へ突設されている。下係脱部17は第二係脱孔8と第三係脱孔9に対し筒壁2の周方向へずれているとともに前後方向Xへずれている。下係脱部17において、前側に形成された前当接面17aは上下方向Zへ延びる鉛直面になっており、後側には後方へ向かうに従い下方へ傾斜する後当接面17bが形成されている。下係脱部17と尻端部4との間の収容孔5でホルダ1の筒壁2の内周下側には案内溝18が前後方向Xへ延設されている。
ホルダ1の筒壁2の前部において、筒壁2の内周上側には頭端部3から押圧部19が後方へ延設され、押圧部19から段差19aを介して連続する押圧回避孔20が後方へ板ばね14の前方まで延設されて収容孔5に貫通されている。筒壁2の内周下側には頭端部3から案内溝21が押圧部19及び押圧回避孔20の下方で後方へ延び、案内溝21から段差21aを介して連続する案内部22が押圧回避孔20の下方で後方へ長孔16まで延設されている。
図1,2に示す可動体23においては、前可動台24と後可動台25とが前後方向Xで並設され、前可動台24の前端部から頭部26が前方へ延設されているとともに、後可動台25の後端部から操作部27が後方へ延設されている。操作部27は把持し易い形状に形成され、操作部27の後端部には膨出部27aが形成されている。
可動体23の後可動台25においてストッパ28は、上下両側で互いに撓み許容部29をあけて配設された係脱ばね30と係脱ばね31とを有している。下係脱ばね31は連結部としても兼用されている。
上係脱ばね30においては、片持ち梁状の板ばね32が下係脱ばね31の上方で後方へ延設され、板ばね32の自由端部側には上係脱部33が上方へ突設されているとともに、その上係脱部33より前方で板ばね32の基端部側に指当部34が上方へ突設されている。上係脱部33の幅方向寸法は、指当部34の幅方向寸法や第五係脱孔11の幅方向寸法より大きく設けられているとともに、第一係脱孔7、第二係脱孔8及び第四係脱孔10の幅方向寸法より若干小さく設けられている。指当部34の幅方向寸法は第三係脱孔9及び第五係脱孔11の幅方向寸法より若干小さく設けられている。上係脱部33における前後方向Xの両側のうち、前側に形成された前当接面33aと後側に形成された後当接面33bとは、共に、後方へ向かうに従い上方へ傾斜している。指当部34における前後方向Xの両側のうち、前側に形成された前当接面34aは上下方向Zへ延びる鉛直面になっており、後側では前方へ向かうに従い上方へ傾斜する後当接面34bが形成されているとともに、後当接面34bに対し板ばね32側で連続して上下方向Zへ延びる鉛直面をなす後当接面34cが形成されている。
下係脱ばね31において、両持ち梁状の板ばね35の下側には上係脱ばね30の上係脱部33と指当部34との間の下方で下係脱部36が下方へ突設されている。この下係脱部36は上係脱部33と指当部34に対し可動体23の周方向へずれているとともに前後方向Xへずれている。下係脱部36において、前側には後方へ向かうに従い下方へ傾斜する前当接面36aが形成され、後側に形成された後当接面36bは上下方向Zへ延びる鉛直面になっている。
可動体23の前可動台24においては、載置部37の上方で前端部から後方へ延設された腕部38と後端部から前方へ延設された腕部39とを有し、収容ばね40(圧縮コイルばね)がこれらの腕部38,39の先端部間の隙間を利用して腕部38,39に挿入される。
可動体23の頭部26においては、前可動台24の前端部から板ばね41が前方へ延設され、板ばね41の先端部に刃部42が取着されている。刃部42においては、支持部43の端面部に機能部としての刃体44が取着され、支持部43の上下両側に案内突部45,46が形成されている。
可動体23を操作部27側からホルダ1の頭端部3内に挿入すると、ホルダ1の板ばね14が可動体23との当接により上方へ撓むため、左右両受け部15に対する可動体23の干渉を避けて、可動体23をさらに挿入することができ、可動体23の操作部27がホルダ1の尻端部4から後方へ常時露出して突出する。前可動台24の腕部38,39に挿入された収容ばね40は、載置部37の上方で板ばね14の左右両受け部15と前可動台24の後端部との間に支持される。図4(c)に示すように収容ばね40の前端部は左右両受け部15間の窪み15aで支えられる。ホルダ1に対する可動体23の挿入に伴い、腕部38,39は左右両受け部15間に挿入されて前後方向Xへ移動し、刃部42の支持部43において、上側の案内突部45はホルダ1の押圧部19及び押圧回避孔20で案内されるとともに、下側の案内突部46はホルダ1の案内溝21及び案内部22で案内される。
可動体23を下記の往復操作手段(ストッパ28の係脱ばね30,31、ガイド6の係止孔7,8,9など)により図3〜4に示す収容移動位置Aと図5〜6に示す突出移動位置Bとの間で移動させる場合について説明する。
図3〜4に示す収容移動位置Aでは、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力により後方へ移動し、可動体23の上係脱部33がホルダ1の第一係脱孔7に係入されるとともに、可動体23の指当部34がホルダ1の第二係脱孔8に係入される。また、可動体23の下係脱部36がホルダ1の案内溝18に係入される。その際、第一係脱孔7に上係脱部33が当接して、第一係脱孔7の端縁部が収容ばね40の付勢力を受けるとともに、第二係脱孔8に指当部34が当接して、第二係脱孔8の端縁部に形成された段差部8aが収容ばね40の付勢力を受け、可動体23がホルダ1に対し静止して刃部42の刃体44がホルダ1の収容孔5に収容される。
図3〜4に示す収容移動位置Aで、可動体23の操作部27を収容ばね40の付勢力に抗して前方(突出向きXB)へ押すと、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力に抗して前方へ移動し、図5〜6に示す突出移動位置Bとなる。その際、可動体23の上係脱部33の前当接面33aがホルダ1の第一係脱孔7に当接して片持ち梁状の板ばね32が収容孔5側へ撓むため、上係脱部33は第一係脱孔7から離脱され、上係脱部33より幅方向寸法の小さいホルダ1の第五係脱孔11に係入されることなく、板ばね32の復帰に伴いホルダ1の第二係脱孔8に係入される。
また、可動体23の指当部34は、第二係脱孔8から離脱されて長孔12を移動し、板ばね32の復帰に伴いホルダ1の第三係脱孔9に係入される。その際、第二係脱孔8に対し上係脱部33の後当接面33bが当接して第二係脱孔8の段差部8aが収容ばね40の付勢力を受けて収容向きXAへの可動体23の移動を阻止し、可動体23がホルダ1に対し静止して刃部42の刃体44が上向きの傾動状態でホルダ1の収容孔5から突出する。指当部34の前当接面34aに対し突出向きXB側で対向する第三係脱孔9の端縁部とその前当接面34aとの間で若干の隙間G(移動許容部)が生じる。指当部34は隙間Gで可動体23の移動方向Xに沿って突出向きXB側に移動し得る。
一方、可動体23の下係脱部36は両持ち梁状の板ばね35の撓みに伴い前当接面36aでホルダ1の案内溝18から下係脱部17を乗り越えた後にホルダ1の長孔16に係入されて後当接面36bで下係脱部17の前当接面17aに係止される。突出移動位置Bにおいて、ホルダ1の下係脱部17と可動体23の下係脱部36(指当部)とによる係止位置P1は、ホルダ1の第二係脱孔8と可動体23の上係脱部33とによる係止位置P1や、ホルダ1の第三係脱孔9で係止位置P1にある可動体23の指当部34に対し、可動体23の移動方向Xの周囲で周方向へずれて配設されるとともに、可動体23の移動方向Xへずれて配設される。
図5〜6に示す突出移動位置Bにおいて、例えば、親指(第一の指)と人差し指(第一の指以外の指)とにより可動体23を摘んで、指爪などにより指当部34を第三係脱孔9の隙間Gで前方(突出向きXB)側へスライド操作すると、図7(a)に示すように、上係脱部33の後当接面33bが第二係脱孔8の段差部8aから前方へ離脱されて、上係脱部33及び指当部34が係止位置P1から中間位置P2になる。さらに、指爪などにより指当部34を収容孔5側へ押圧操作すると、図7(b)に示すように、板ばね32の撓みに伴い、指当部34が第三係脱孔9の端縁部から離脱されて中間位置P2から離脱位置P3になるとともに、上係脱部33が第二係脱孔8から収容孔5側へ離脱されて中間位置P2から離脱位置P3になる。また、指当部34に対する操作に加えて、指爪などにより下係脱部36(指当部)を収容孔5側へ押圧操作すると、板ばね35の撓みに伴い、下係脱部36が下係脱部17から上方へ離脱されて係止位置P1から離脱位置P3になる。それらの離脱に伴い、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力により後方(収容向きXA)へ移動して、図3〜4に示す収容移動位置Aに戻る。この場合、板ばね32の基端部に対する上係脱部33の距離は、その基端部に対する指当部34の距離より大きくなるので、上係脱部33の位置における板ばね32の撓み量(上係脱部33の移動距離)が指当部34の位置における板ばね32の撓み量(指当部34に対する操作距離)より大きくなる。そのため、指当部34を第三係脱孔9から離脱させれば、上係脱部33を第二係脱孔8から自ずと離脱させることができる。
指当部34をスライド操作した後に押圧操作することに代えて、まず指当部34を押圧操作すると、図8(a)に示すように、上係脱部33の後当接面33b(掛止部)が第二係脱孔8の段差部8a(掛止部)に係止されたまま、板ばね32が下方へ撓む。次に、指当部34を押圧操作したまま、操作部27を前方(突出向きXB)側へ押して指当部34を第三係脱孔9の隙間Gで前方(突出向きXB)側へスライド操作すると、図8(b)に示すように上係脱部33の後当接面33bが第二係脱孔8の段差部8aから前方へ離脱される。その直後に、図8(c)に示すように上係脱部33が第二係脱孔8から収容孔5側へ離脱されて上係脱部33及び指当部34が係止位置P1から離脱位置P3になる。また、指当部34に対する操作に加えて、指爪などにより下係脱部36(指当部)を収容孔5側へ押圧操作すると、板ばね35の撓みに伴い、下係脱部36が下係脱部17から上方へ離脱されて係止位置P1から離脱位置P3になる。それらの離脱に伴い、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力により後方(収容向きXA)へ移動して、図3〜4に示す収容移動位置Aに戻る。
前述したスライド操作や押圧操作については、操作タイミングを互いにずらして行ってもよいし同時に行ってもよい。
可動体23を下記のロック操作手段(ストッパ28の係脱ばね30,31、ガイド6の係止孔10,11など)により図3〜4に示す収容移動位置Aから図9〜10に示すロック移動位置Cに移動させる場合について説明する。
図3〜4に示す収容移動位置Aから図9〜10に示すロック移動位置Cにする場合には、まず、一方の手の指爪などにより可動体23の指当部34を収容孔5側へ押すと、板ばね32が収容孔5側へ撓んで、指当部34の後当接面34bがホルダ1の第二係脱孔8の段差部8aに圧接される。次に、一方の手の指爪などにより指当部34を収容孔5側へ押したまま、他方の手で可動体23の操作部27を後方へ引くと、指当部34の傾斜状後当接面34bが第二係脱孔8の段差部8aで押されて指当部34がホルダ1の第二係脱孔8から収容孔5側へ離脱される。この場合、可動体23において、上係脱部33の位置における板ばね32の撓み量は、指当部34の位置における板ばね32の撓み量より大きくなるため、指当部34を第二係脱孔8から離脱させれば、上係脱部33を第一係脱孔7から自ずと離脱させることができる。そのため、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力により後方(収容向きXA)へ移動する。上係脱部33は板ばね32の復帰に伴いホルダ1の第四係脱孔10に係入されるとともに、指当部34は板ばね32の復帰に伴いホルダ1の第五係脱孔11に係入され、可動体23がホルダ1に対し静止して、図9〜10に示すロック移動位置Cになる。ロック移動位置Cでは、指当部34の前当接面34a及び後当接面34cが上下方向Zへ延びる鉛直面になっているため、前当接面34aが突出向きXBの移動力を受けても突出向きXBへの移動を規制するとともに、後当接面34cが収容向きXAの移動力を受けても収容向きXAへの移動を規制し、指当部34が第五係脱孔11から容易に離脱しない。その際、収容ばね40が伸び切っているので、収容ばね40の付勢力は可動体23に付与されない。刃体44はホルダ1の収容孔5に収容されて収容移動位置Aの場合より後方へ離間する。必要に応じて、図9〜10に示すロック移動位置Cから図3〜4に示す収容移動位置Aにすることも可能である。
医療用刃物を使用する場合について説明する。
刃体44を突出移動位置Bにした状態でホルダ1を把持して医療用刃物を使用する場合に、指当部34をスライド操作かつ押圧操作するとともに、下係脱部36(指当部)を操作した場合に限り、可動体23が突出移動位置Bから収容移動位置Aへ移動する。従って、指当部34に対する不用意な操作を規制するばかりでなく、指当部34と下係脱部36とのうち一方を不用意に操作しても、突出移動位置Bから収容ばね40の付勢力による収容移動位置Aへの刃体44の戻りを阻止する。
ちなみに、医療用刃物における前後方向Xの全長については、刃体44の収容移動位置Aで約150mmに設定され、刃体44の突出移動位置Bで約148mmに設定され、刃体44のロック移動位置Cで約156mmに設定されている。また、医療用刃物における左右方向Yの幅寸法が約10mmに設定されている。
次に、第2実施形態の医療用刃物について第1実施形態との主な相違点を中心に図11〜12を参照して説明する。なお、第2実施形態の図11(a)、図11(b)及び図11(c)はそれぞれ第1実施形態の図5(a)、図5(b)及び図6(a)に対応する。
図11に示すように、ホルダ1のガイド6において第三係脱孔9の周辺で規制壁13が形成されている。突出移動位置Bにおいて規制壁13は可動体23の移動方向Xに対し直交する左右方向Y(幅方向)における両側で可動体23の指当部34を挟む対向壁13aを有している。両対向壁13a間の前方において指当部34の前当接面34aに対し突出向きXB側で対向する第三係脱孔9の端縁部とその前当接面34aとの間で若干の隙間G(移動許容部)が生じる。
突出移動位置Bにおいて、可動体23の指当部34が両対向壁13a間内で第三係脱孔9に挿入されて係止位置P1にある状態では、可動体23の上係脱部33はホルダ1の第二係脱孔8に係止される係止位置P1にあり、可動体23の下係脱部36はホルダ1の下係脱部17に係止される係止位置P1にある。
図12に示すように、可動体23の操作部27を収容ばね40の付勢力に抗して前方(突出向きXB側)へ若干移動させると、指当部34が第三係脱孔9で突出向きXB側へ若干移動して両対向壁13a間内から両対向壁13a間外の隙間Gへ突出する。このようなスライド操作により、上係脱部33及び指当部34は係止位置P1から突出向きXB側へ離間する中間位置P2になり、下係脱部36も同様に下係脱部17から離間する中間位置P2になる。
突出移動位置Bで、親指(第一の指)と人差し指(第一の指以外の指)とにより可動体23を摘んで、中間位置P2にある指当部34を収容孔5側へ押圧操作すると、板ばね32の撓みに伴い、指当部34が第三係脱孔9から離脱されて中間位置P2から離脱位置P3になるとともに、上係脱部33が第二係脱孔8から離脱されて中間位置P2から離脱位置P3になる。
次に、第3実施形態の医療用刃物について第1実施形態との主な相違点を中心に図13を参照して説明する。なお、第3実施形態の図13(a)、図13(b)及び図13(c)はそれぞれ第1実施形態の図5(a)、図5(b)及び図6(a)並びに第2実施形態の図11(a)、図11(b)及び図11(c)に対応する。
ホルダ1のガイド6において第三係脱孔9の周辺で規制壁13が第2実施形態の規制壁13より可動体23の移動方向Xへ長く形成されている。突出移動位置Bにおいて規制壁13は可動体23の移動方向Xに対し直交する左右方向Y(幅方向)における両側で可動体23の指当部34を挟む対向壁13aを有している。両対向壁13aの高さが第2実施形態の規制壁13より低く形成されて指当部34が両対向壁13aから上方へ突出しているため、指当部34を指爪などにより押さえ易い。両対向壁13a間で指当部34の前当接面34aに対し突出向きXB側で対向する第三係脱孔9の端縁部とその前当接面34aとの間では、隙間G(移動許容部)が生じていないために、指当部34をスライド操作することができない点が第2実施形態と異なる。
突出移動位置Bにおいて、例えば、親指(第一の指)と人差し指(第一の指以外の指)とにより可動体23を摘んで、両対向壁13a間に入れた指爪などにより指当部34を収容孔5側へ押圧操作すると、板ばね32の撓みに伴い、指当部34が第三係脱孔9から離脱されるとともに、上係脱部33が第二係脱孔8から下方へ離脱される。また、指当部34に対する押圧操作に加えて、指爪などにより下係脱部36(指当部)を収容孔5側へ押圧操作すると、板ばね35の撓みに伴い、下係脱部36が下係脱部17から上方へ離脱される。それらの離脱に伴い、可動体23がホルダ1に対し収容ばね40の付勢力により後方(収容向きXA)へ移動して、収容移動位置Aに戻る。
次に、第4実施形態の医療用刃物について第1実施形態との主な相違点を中心に図14を参照して説明する。なお、第4実施形態の図14(a)、図14(b)及び図14(c)はそれぞれ第1実施形態の図3(b)、図5(b)及び図9(b)に対応する。
第4実施形態のホルダ1においては、第1実施形態の長孔16、下係脱部17及び案内溝18が省略されている。また、可動体23においては、第1実施形態の下係脱ばね31が省略されている。従って、下係脱部36(指当部)に対する操作を必要としない点が第1実施形態と異なる。
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) 第1,2,4実施形態では、可動体23の突出移動位置Bにおいて、上係脱ばね30の指当部34に対するスライド操作と押圧操作との組合せにより、上係脱ばね30の上係脱部33をホルダ1の第二係脱孔8に係脱することができるので、使用時に可動体23が突出移動位置Bから収容移動位置Aに不用意に移動するのを防止することができる。
(2) 第1,2,3実施形態では、可動体23の突出移動位置Bにおいて、上係脱ばね30の指当部34に対する操作と、下係脱ばね31の下係脱部36(指当部)に対する操作とを共に行うことにより、上係脱ばね30の上係脱部33をホルダ1の第二係脱孔8に係脱することができるとともに、下係脱ばね31の下係脱部36をホルダ1の下係脱部17に係脱することができるので、使用時に可動体23が突出移動位置Bから収容移動位置Aに不用意に移動するのを防止することができる。
(3) 第1,2,3,4実施形態では、可動体23の移動方向Xに沿って延設されて収容向きXA側に自由端部を有する片持ち梁である上係脱ばね30において、その自由端部側に上係脱部33を設けるとともに、その基端部側に指当部34を設けたので、片持ち梁の基端部側にある指当部34を押圧することにより、指当部34に対する操作距離と比較して、片持ち梁の自由端部側にある上係脱部33の移動距離が大きくなるので、上係脱ばね30の上係脱部33をホルダ1の第二係脱孔8、第一係脱孔7及び第四係脱孔10に容易に係脱することができる。
(4) 第2,3実施形態では、可動体23の突出移動位置Bにおいて、規制壁13により上係脱ばね30の指当部34に対する操作を規制するので、使用時に可動体23が突出移動位置Bから収容移動位置Aに不用意に移動するのを防止することができる。
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 前記各実施形態において、ロック操作手段を省略してもよい。
・ 第2実施形態においては、指当部34の一部が中間位置P2で両対向壁47間内から両対向壁13a間外の隙間Gへ突出するが、指当部34の全部を隙間Gへ突出させるようにしてもよい。
・ 前記各実施形態では、可動体23において上係脱ばね30の上係脱部33または指当部34と下係脱ばね31の下係脱部36(指当部)とが、可動体23の移動方向Xの周囲で周方向へ互いにずれて配設されるとともに、可動体23の移動方向Xへ互いにずれて配設される。それらのずれのうち少なくとも一方のずれをなくした状態で配設することができる。すなわち、移動方向Xのずれをなくして移動方向Xに直交する面上で周方向へ互いにずらして並べたり、周方向のずれをなくして移動方向Xへ互いにずらして並べたりする。
・ 第1,2,3実施形態にかかる可動体23のストッパ28において、三以上の係脱ばねを周方向へ等角度間隔で配設するとともに、ホルダ1において三以上のガイドを三以上の係脱ばねに合わせて周方向へ等角度間隔で配設することができる。
・ 前記各実施形態において、収容ばね40を省略してもよい。その場合、ホルダ1に対し可動体23をそれらの間の摩擦抵抗に抗して移動させることができる。
・ 第1,2,3実施形態にかかる下係脱ばね31において、板ばね35を連結部として兼用せずに連結部に対し別々に設けてもよい。この場合には、板ばね35として両持ち梁でなく片持ち梁を採用することができる。
・ 第1,2,3実施形態では、下係脱ばね31において下係脱部36を指当部としても兼用したが、下係脱部36以外に指当部を設けてもよい。
・ 前記各実施形態の上係脱ばね30において、片持ち梁状の板ばね32は前端部側から後端部側へ向けて後方へ延設されているが、片持ち梁状の板ばね32を後端部側から前端部側へ向けて前方へ延設してもよい。
・ 前記各実施形態において、ガイド6の係脱孔の数やストッパ28の係脱部の数を変更することができる。
・ 前記各実施形態では、ホルダ1のガイド6において、第一係脱孔7と第二係脱孔8と第三係脱孔9と第四係脱孔10と第五係脱孔11とのうち、第二係脱孔8と第三係脱孔9とが長孔12により互いに連通されているが、長孔12を省略して第二係脱孔8と第三係脱孔9とを別々に設けたり、すべての係脱孔7,8,9,10,11を互いに連通させたり、任意の二以上の係止孔を互いに連通させたりしてもよい。
・ 前記各実施形態において、ホルダ1の筒壁2については、その一部または全部で可動体23を外側から見ることができるように透明または半透明に成形して、刃体44の種類や収容ばね40の伸縮状態を確認できるようにしたり、可動体23の色に応じて品種を区別できるようにしたりしてもよい。
・ 前記各実施形態において、可動体23の頭部26に設ける機能部としては、医療用刃物において眼科メス用刃や皮膚切除用円筒刃などの刃体を採用してもよく、それらの刃体に合わせて頭部26や前可動台24の構造を変更する。また、本発明を医療用刃物以外の手持ち具に応用することができる。
1…ホルダ、8…ホルダの係脱孔(上係脱部)、13…ホルダの規制壁、17…ホルダの下係脱部、23…可動体、30…可動体の上係脱ばね、31…可動体の下係脱ばね、33…上係脱ばねの係脱部、34…上係脱ばねの指当部、36…下係脱ばねの係脱部(指当部)、40…収容ばね、44…刃体(機能部)、X…可動体の移動方向、A…収容移動位置、B…突出移動位置、XA…収容向き、XB…突出向き、G…ホルダの隙間(移動許容部)、P1…係止位置、P2…中間位置、P3…離脱位置。

Claims (10)

  1. 機能部を有する可動体をホルダに往復移動可能に支持し、この可動体は機能部がホルダ内に収容される収容移動位置とホルダから突出する突出移動位置とを取り、ホルダと可動体との間には機能部の突出移動位置で互いに係脱される突出時係脱部を設け、機能部の突出移動位置で互いに操作方向の異なる複数の操作の組合せにより、可動体の突出時係脱部をホルダの突出時係脱部に係脱させて、突出時係脱部の係止状態で可動体の移動方向に沿う機能部の収容向きへ可動体が移動するのを阻止し、
    前記可動体は突出時係脱部を設けた係脱ばねを備え、この係脱ばねの突出時係脱部は、係止状態でホルダの突出時係脱部に係脱ばねによる付勢力により係止されるとともに、離脱状態でその付勢力に抗してその係止が解除され、
    前記係脱ばねは片持ち梁であって、その係脱ばねには自由端部側に設けた突出時係脱部より基端部側に突出時係脱部を操作する指当部を設けた
    ことを特徴とする手持ち具。
  2. 前記片持ち梁である係脱ばねは機能部の収容向き側に自由端部を有していることを特徴とする請求項1に記載の手持ち具。
  3. 前記係脱ばねは可動体の移動方向に沿って延設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手持ち具。
  4. 前記ホルダにはホルダの突出時係脱部より機能部の突出向き側で移動許容部を設け、機能部の突出移動位置で前記係脱ばねの指当部はこの移動許容部において可動体の移動方向に沿って機能部の突出向き側に移動し得ることを特徴とする請求項3に記載の手持ち具。
  5. 前記可動体の突出時係脱部は、機能部の突出移動位置でホルダの突出時係脱部に係止される係止位置と、ホルダの突出時係脱部に対し可動体の移動方向へ離間する中間位置と、その中間位置に対し可動体の移動方向に直交する方向へ離間する離脱位置とを取り、前記複数の操作は、この可動体に設けた指当部により、可動体の突出時係脱部をこの係止位置と中間位置との間で移動させるスライド操作とこの中間位置と離脱位置との間で移動させる押圧操作との組合せであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手持ち具。
  6. 前記ホルダには機能部の突出移動位置で可動体の指当部に対する操作を規制し得る規制壁を設け、前記スライド操作では可動体の指当部がこの規制壁内から規制壁外に可動体の移動方向へ突出し、前記押圧操作では可動体の指当部がこの規制壁外で可動体の移動方向に対し直交する方向へ移動されることを特徴とする請求項5に記載の手持ち具。
  7. 前記可動体とホルダとに設けた一組の突出時係脱部は複数組設けられ、機能部の突出移動位置で各組の突出時係脱部を互いに係脱させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手持ち具。
  8. 前記複数組の係脱ばねのうち少なくとも二組の係脱ばねに設けた指当部は、可動体の移動方向の周囲で周方向へ互いにずれて配設されることを特徴とする請求項7に記載の手持ち具。
  9. 前記複数組の係脱ばねのうち少なくとも二組の係脱ばねに設けた指当部は、可動体の移動方向へ互いにずれて配設されることを特徴とする請求項7に記載の手持ち具。
  10. 前記可動体はホルダに支持された収容ばねにより機能部の突出移動位置側から機能部の収容移動位置側へ付勢されていることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか一つの請求項に記載の手持ち具。
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