JP6456407B2 - 蒸発缶 - Google Patents

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Description

本発明は、化学パルプ工場の黒液蒸発プラントにおいて、蒸発する黒液を濃縮するための蒸発缶に関するものであり、黒液の予備蒸発を蒸気圧縮蒸発(vapor compression evaporation)を使用する新規な方法で行うものである。
回収ボイラーにおける燃焼のために、黒液は、最も一般的には多重効用式蒸発(MEE)プラントにおいて濃縮される。効用缶の番号付け(numbering)は、それらの蒸気流によって規定される順番に基づく。最も一般的には、蒸発プラントは、最も高い圧力下にある蒸発缶が、例えばフレッシュスチームを熱源として受け入れ、フレッシュスチームが蒸発缶の液側の液体を沸騰させるように稼働し、これによって蒸発缶のスチーム側に導入されたスチームの圧力より低い圧力を有する蒸気が発生する。発生した蒸気は、黒液が加熱スチーム又は蒸気に対して向流に蒸発プラントを流れるときに、次のより低い圧力下にある蒸発缶を加熱するために使用される。同様に、第3効用缶、第4効用缶等において、同一のプロセスが行われるが、これらのプロセスは、蒸気流に関して最後の効用缶からの蒸気の圧力及び温度が十分に低くなり、技術的な意味及び総合的な経済性の観点の両方で継続する価値がなくなるまで行われる。最も低い圧力にある蒸気は、水又は空気を用いて凝縮器において通常凝縮される。典型的には、蒸発プラントは5〜7基の効用缶を含む。従来の蒸発ユニットタイプの1つは、いわゆる液膜流下式蒸発器であり、この蒸発器において、高い加熱効率とするために黒液が薄膜の形態で加熱エレメントの表面上を下方向に流れるように導入される。
燃焼用黒液を得るための黒液の濃縮において、蒸気圧縮蒸発も用いられているが、これは機械的蒸気再圧縮(mechanical vapor recompression MVR)とも呼ばれ、溶液から蒸発された蒸気の圧力、従って飽和温度が、エジェクターによりスチームで、又はコンプレッサー若しくはファンにより機械的に高く上昇されるので、この蒸気は同一の効用缶の加熱媒体として使用できる。圧縮は、蒸発効用缶において(over the evaporation effect)十分な温度差をつくり出すために蒸気の飽和温度を上昇させるために必要とされる。飽和温度の増大は、沸点上昇より大きくなければならない。コンプレッサー又はファンの電力要求は圧力増加に相関するので、蒸気圧縮蒸発は沸点上昇が低いときに主に使用されている。黒液の蒸発において機械的蒸気再圧縮の制限要因は、黒液の沸点上昇である。黒液中の乾燥固形分含量が増大すると、沸点上昇が迅速に進み、使用可能な温度差が減少する。実際には、硫酸塩パルプ工業におけるファン蒸発器の使用は予備蒸発器に限られ、そこでは黒液が約20〜25%の乾燥固形分含量に蒸発される。予備蒸発の後には上述の多重効用式蒸発が続き、回収ボイラーにおける燃焼のために黒液の乾燥固形分含量を好ましい乾燥固形分含量、典型的には75〜85%、さらに90%に増大させる。典型的には、液膜流下式蒸発器が小さな温度差でも効率的に稼働するので、圧縮蒸発器としての使用に適している。
蒸気圧縮蒸発の経済的な適用は、電気エネルギーのコストが利用可能な熱エネルギーのコストと比較して十分に低いという事実に依存している。この蒸発法の利点は、外部スチーム源が必要ないことである。
追加的な燃料やグリーン電力(この用語は化石燃料以外でつくられた電力を一般に意味する)のコストが増大し続けているので、工場のスチーム消費を減少させるための種々のプラント改善策(solutions)は増々費用効率がよくなっている。スチーム消費が減少すると、工場収支(mill balance)が追加的な燃料において削減され、又はより多くの電力が電力生産のためのタービンの凝縮部で使用可能となる。パルプ工場は、経済性への関心が増していることによって、より多くの電力を外部に販売する傾向にある。化学パルプ工場に加えて、他の生産プラント、例えば製紙工場なども、より効率的で、より経済的なエネルギー消費を目指している。
ファンが使用されればファン予備蒸発プラントとも呼ばれる機械的蒸気圧縮予備蒸発プラント(mechanical vapor compression pre-evaporation plant)のエネルギー消費は、例えば、7基の効用缶を直列に連結した蒸発プラントに比べて、金額で計算した場合、70%以下も低くなることがよくある。初期のファン予備蒸発プラントは、主に、蒸発プラントのさらなるキャパシティーを得るために、硫酸塩パルプ工場において使用されてきた。必要とされる総蒸発の一部だけが、ファン予備蒸発プラントにおいて行われるが、その理由は、蒸発されるべき黒液の乾燥固形分含量が過度に高いと、沸点が上昇し、ファン又はコンプレッサーからの高い圧力増加が必要となり、エネルギー消費が増加するからである。
WO2009/053518号公報は、黒液の蒸発のために使用される多重効用式蒸発プラントにおける蒸発缶の配置を開示している。この配置において、機械的蒸気再圧縮を使用する黒液蒸発は、多重効用式蒸発プラント中の1基の効用缶に組み込まれている。蒸発プラントの蒸発缶は、蒸気圧縮蒸発セクション及び蒸発セクションを備えており、これらは共通のハウジング内に配置されている。2つの異なる黒液が蒸発されるとき、2次蒸気のためのスペースが中間壁により分割されており、中間壁は、ハウジング内の中間壁によって形成された2つのセクション間の圧力を均等にするための1つ又は複数の開口を有する。2次蒸気のそれぞれは別々の排出導管を介して排出され、1つの排出導管はスチームの流れの方向に次の蒸発効用缶に連結され、蒸気の一部が加熱媒体として直接取り出される。2次蒸気のための1つの排出導管は、蒸気圧力を増加させ、圧力増加後の蒸気の一部を蒸発器プラントの蒸気圧縮セクションに戻すために、例えばファンなどの圧力増加装置に連結される。WO公報に従って、蒸気圧縮蒸発を多重効用式蒸発プラントの一基の蒸発効用缶に組み込むことによって、スチーム消費が通常の多重効用式蒸発プラントと比較して減少するが、スチーム効率をさらに改善することが必要とされている。
本発明の目的は、熱効率の観点及び経済性の観点でより有利な方法で、蒸気圧縮蒸発を多重効用式黒液蒸発プラントに一体化させる方法を提供することである。
これらの目的を達成するために、本発明は、パルプ工場における黒液のための多重効用式蒸発プラントの蒸発缶に関し、この蒸発缶は、
ハウジングを含み、このハウジング内部において、
液膜流下式熱伝導表面及び加熱蒸気のための入口を有する熱交換器ユニットをそれぞれ含む第1及び第2蒸発セクション、
蒸発されるべき黒液を、第1及び第2蒸発セクションへ、及び熱伝導ユニットの熱伝導表面上へそれぞれ導入するための供給入口ライン、
蒸発済みの黒液を抜き出すためにハウジングにそれぞれ連結された排出ライン、
多重効用式蒸発プラントにおける前の効用缶の蒸気出口に連結された、第1蒸発セクションの熱交換器ユニットの蒸気入口、及び
蒸発で発生した蒸気のための蒸気出口ラインを含み、
この蒸気ラインは、そこの蒸気の少なくとも一部を導くために蒸気圧力増加装置に連結され、
圧力増加装置からの排出ラインは、第2セクションの熱交換器ユニットの蒸気入口に連結されている。
本発明に従う蒸発缶は、ハウジングが2つの蒸発セクション間に仕切りを備え、それによって仕切りはハウジングの下部部分を共通の蒸気スペースを有する2つの液体区画に分割し、そこに熱交換器ユニットが位置される。共通の蒸気スペースは蒸気出口ラインに連結されている。典型的には、蒸発セクションにそれぞれ供給される黒液は異なる乾燥固形分含量を有し、例えば希薄黒液、及びMEEプラントの効用缶からの黒液である。
本発明は、蒸気圧縮蒸発の熱交換器ユニット及び多重効用式蒸発プラントの熱交換器ユニットが同一のハウジング(槽)内、すなわち共通の蒸発缶内に配置されるように構成されている。このように、単一の蒸発缶本体が2つの熱交換器ユニットを有し、このうち1つは蒸気圧力増加装置からの蒸気を加熱媒体として使用し、もう1つは多重効用式蒸発プラントにおける先行する効用缶で発生した蒸気を使用する。黒液は熱交換器ユニットの外表面上で蒸発されるので、蒸発で発生した蒸気は、ハウジングによって規定された同一のスペースに入り、典型的にはハウジング内の、さらに典型的にはその上部部分に位置された1つ又は複数の導管を介して排出される。この蒸気の一部は、より低い圧力にある後続の蒸発効用缶で使用され、蒸気の一部の圧力は増加され、加熱スチームとして、蒸気圧縮蒸発プラントのユニットに戻される。本発明の必須の構成要件は共通の蒸気スペースであり、黒液区画だけが仕切りによって互いに分離されていることである。このことは、1つの蒸発セクションで発生した蒸気が他の蒸発セクションに流れ、他の蒸発セクションで蒸発している黒液が加熱されることを可能にする。例えば、もし希薄黒液の温度が低ければ、MEEプラントに連結された蒸発セクションからの蒸気が蒸発されるべき希薄黒液を予備加熱することができ、このようにして、分離した予備加熱器が必要ない。
熱交換器ユニットの好ましい熱伝導表面は、液膜流下式蒸発器であり、その蒸発表面は多数のラメラ又はチューブで形成されている。好ましくは、蒸発されるべき黒液はラメラの外表面上又はチューブの内表面上を流れ、一方、加熱スチームはラメラの内部又はチューブの外側に導かれる。例えばプレート型液膜流下ラメラ式蒸発器において、蒸発表面の垂直部分のほとんど全て又は全ては周囲の蒸気スペースに接触しており、それによって自由スペースが、それらの表面上で発生した蒸気を放出するために熱伝導エレメト間に残される。自由液膜流下の原理で稼働する蒸発器において、蒸気はハウジング槽によって規定されたスペース内を自由に流れるが、その槽の内部に熱伝導エレメントユニットが位置されている。発生した蒸気は、熱伝導エレメントユニットと、ハウジング槽の壁との間の自由スペースを、本質的に垂直上方に、ハウジング槽の上部部分に向けて流れる。通常、蒸気は降下分離器(drop separator)に捕集され、槽の上部部分から流れ出るようにされる。多重効用缶を直列に連結した蒸発プラントにおける効用缶のそれぞれは、ハウジング内部に配置された1つの熱交換器ユニット、又はハウジング内部にそれぞれ配置されたいくつかの平行に連結された熱交換表面器ユニットを含む。
本発明の好ましい実施形態に従えば、第2蒸発セクションは黒液の予備蒸発器として機能する。第2蒸発セクションの供給ラインはパルプ工場の希薄黒液タンクに連結される。このように本発明に従えば、MVR予備蒸発器はMEE蒸発器効用缶(典型的には2〜7基の効用缶)の1基と一体化され、それらは同一の蒸発缶本体に配置される。効用缶は各黒液セクションに分割され、1つのセクションは希薄黒液予備蒸発用であり、もう1つは通常のMEE黒液用である。蒸発表面も各セクションに分割され、1つのセクションは希薄黒液予備蒸発用であり、もう1つは通常のMEE黒液用である。予備蒸発セクションにおいて蒸発された蒸気分は、蒸気コンプレッサーにおいて圧縮され、コンプレッサーの後に、予備蒸発器セクションにおける加熱スチームとして使用される。先行するMEE効用缶からの蒸気は、MEEセクションにおいて加熱スチームとして使用され、このセクションにおいて蒸発された蒸気分は次のMEE効用缶に続く。この場合に、共通の蒸気スペースが、蒸気の一部をスチームの流れの方向に、多重効用式蒸発プラントの次の効用缶へ導くための導管にさらに連結される。
典型的には、熱交換器ユニットは液体区画の上に位置され、仕切りは実質的に垂直であり、ユニットの下部端のレベルに延びている。
典型的には、蒸気圧力増加装置はファン又はコンプレッサーである。
実施形態の1つによれば、蒸気圧縮蒸発セクション(第2蒸発セクション)の熱交換器ユニットの蒸気入口は、バイパスバルブを備えるラインを介して多重効用式蒸発プラントの1つの効用缶の蒸気出口にも連結されており、このことは蒸発システムの適応性(flexibility)を増大させる。MVR予備蒸発セクション、そして蒸気コンプレッサーが稼働しているとき、バイパスバルブは閉鎖される。しかしながら、もし蒸気コンプレッサーがある理由で使用されないならば、バイパスバルブは開放し、MVRセクションはMEEプラントの別の効用缶からの蒸気によって加熱される。このように、工場のエネルギー状況に依存して、予備蒸発はMVR蒸発からスチーム運転に切り替えられる。この2セクション蒸発器は蒸気コンプレッサーが稼働不能であったり、又は蒸発プラントにおける他の障害があったりしても稼働できる。
典型的には、蒸気圧縮蒸発の熱交換器ユニットにおいて発生した非凝縮性ガスの排出、すなわち排気は、多重効用式蒸発プラントのそれぞれの装置により行われる。
典型的には、蒸気圧縮蒸発の熱交換器ユニットにおいて発生した凝縮物の排出及び処理は、多重効用式蒸発プラントの専用装置で行われる。
本発明を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に従う蒸発缶を詳細に模式的に示し、
図2は、本発明に従う多重効用式蒸発プラントにおける蒸発缶の連結状態を模式的に示し、
図3は、本発明に従う別の好ましい蒸発缶を模式的に示す。
図1はハウジング2を備える蒸発缶を示し、その内部において蒸気圧縮蒸発セクションの熱交換器ユニット4及び多重効用式蒸発セクションの熱交換器ユニット3が配置され、両者は液膜流下の原理で稼働する。この実施形態において、熱伝導表面ユニットは多数のラメラで形成され、ラメラの内部に加熱スチームが供給され、蒸発されるべき黒液がラメラの外部表面上を流れ、それによって黒液は熱交換器ユニットの内部の蒸気との間接接触により加熱される。ラメラの代わりにチューブも使用でき、これにより黒液がその内表面又は外表面上を流れる。ハウジング2の下部部分は仕切り6を備え、底部を2つの黒液区画7、8に分割している。
蒸発されるべき希薄黒液(供給液)は、導管5を介して黒液区画8に供給され、そこから黒液はポンプ10により導管11を介して、熱伝導ユニット4の上に位置されている分配装置19にポンプ移送される。分配装置において、黒液は開口、又は開口に相当する部分を介してラメラの外表面に流れ、そこで黒液が蒸発される。蒸発済みの黒液は黒液区画8に集められ、そこからライン13を介して後続の蒸発効用缶に排出される。
多重効用式蒸発プラントの熱伝導ユニット3は、加熱媒体として、典型的には蒸気を、導管12を介して、より高い圧力で稼働している先行の蒸発効用缶から受け入れる。蒸気圧縮蒸発セクションの熱伝導表面ユニット4は、加熱媒体として、蒸気をライン14を介して蒸気圧力増加装置9から受け入れる。
蒸気圧縮蒸発セクションの熱交換器ユニット4及び多重効用式蒸発プラントの熱交換器ユニット3は同一のハウジング2内に位置されているので、それらの外表面上で黒液から蒸発された蒸気のそれぞれは、2つの熱交換器ユニットが位置されている共通のスペース15に流れる。導管10(正しくは「14」)がそこに連結されている。導管14は蒸気圧力増加装置9を備えており、これは典型的にはコンプレッサー又はファンである。蒸気圧力増加装置9において、蒸気圧力は、蒸気が加熱媒体として同一の効用缶に戻ることができるレベルまで増加され、蒸気圧縮熱伝導表面ユニット4に戻る。分岐導管16も導管14に連結され、この分岐導管を介して、ハウジング2から排出された蒸気の一部が、他の蒸発効用缶への加熱媒体として取り出される。
黒液は、ライン17を介して、他の蒸発効用缶から多重効用式蒸発セクションの黒液区画7に導入される。黒液区画7から、黒液は多重効用式蒸発プラントの熱交換器ユニット3にさらに導かれる。黒液は、ライン11を介して、ポンプ10により前述のユニットの上部に搬送され、その外側表面上を下方向に流れるようにされる。蒸発済みの黒液は、ライン21を介して次の蒸発効用缶に導かれる。蒸発された2次蒸気は、上述したように、ハウジング2内の共通の蒸気スペースに流れる。凝縮物はライン19及び20を介して、熱交換器ユニットの内部から多重効用式蒸発プラントの凝縮物処理に排出される。前記ユニットにおいて発生した非凝縮性ガスも、共通ライン18を介して、さらなる処理に排出される。本発明の利点は、凝縮物の処理及び非凝縮性ガスの処理が同一の装置、すなわち多重効用式蒸発プラントの装置で行われ、蒸気圧縮蒸発が独自の分離した装置を必要としないことである。
本発明の利点は、公知の連結法(couplings)と比較して、黒液やスチームのための輸送配管、多重効用式蒸発プラントの凝縮システム及び真空システムのような装置の利用の可能性がより高いことである。
図2は7基の多重効用缶が直列に連結された黒液蒸発プラントを示す。この場合に、蒸発プラントは連続する効用缶1〜7を含み、これらはスチームの流れの方向に連続して減少する圧力及び温度で稼働する。黒液の最後の蒸発効用缶1A、1Bは、工程IA及びIBを含む。図2に示されている蒸発器は、液膜流下ラメラ式蒸発器であるが、黒液の蒸発に適した他の蒸発器もこの場合に同様に使用できる。図2は、可能なところは図1と同じ参照番号を使用している。
蒸発のために、工場のフレッシュスチームがチャネル30を介して蒸発効用缶Iの工程IA及びIBに供給され、スチームが黒液を温め、同時に凝縮する。蒸発効用缶Iにおいて、蒸気は黒液から分離し、この蒸気は加熱媒体としてチャネル31を介して効用缶2Aに搬送される。蒸発効用缶2Aにおいて、蒸発効用缶Iにおけるより低い温度にある蒸気が分離し、この蒸気はチャネル32を介して後続の蒸発効用缶3Aにさらに導かれる。したがって、蒸発効用缶3A、4A、5A及び6Aにおいて、黒液から分離された2次蒸気は、黒液を温め、蒸発させるために、後続の蒸発効用缶4A、5A、6A及び7Aにそれぞれ搬送される。
希薄黒液(供給液)は、ライン5を介して効用缶4Aの蒸気圧縮蒸発セクションに導入され、そこからライン13を介して効用缶7Aに流れる。効用缶7Aからの黒液は、蒸発のためにライン40を介して効用缶6Aに導入され、ライン42における中間黒液の形成のために、ライン41を介して効用缶5Aにさらに導入される。中間黒液は効用缶4Aにさらに導かれ、そこから黒液は蒸発効用缶3A及び2Aを介して、液側に連続して連結された2つの工程IA及びIBを備えた最後の蒸発効用缶1A、1Bに搬送される。黒液は工程IBで先ず蒸発され、そこから黒液は、高乾燥固形分含量、すなわち約75〜90%にまで黒液を蒸発するために工程IAに導かれる。濃縮された黒液はライン43を介して燃焼のために排出される。
最後の効用缶7Aにおいて、生成した蒸気はライン33を介して蒸発プラントの真空システムに搬送され、そこで蒸気は、例えば表面凝縮器(真空凝縮器)(図示せず)において冷却水により冷却される。
本発明に従えば、蒸気圧縮蒸発セクションは、多重効用式蒸発プラントの、黒液の流れの方向に関して最初の蒸発効用缶に組み込まれる。その組み込み方法は図1により詳細に示されているものと類似である。効用缶4Aは、蒸気圧縮蒸発セクションの熱交換器ユニット4及び多重効用式蒸発セクションの熱交換器ユニット3を備え、これらのユニットは液膜流下の原理で稼働し、共通のハウジング内に位置されている。ハウジングの底部部分は、底部を2つの黒液区画に分割する仕切りを備えている。希薄黒液(供給液)5は蒸発装置ハウジングの底部部分に導入され、そこから黒液は分配装置を介して熱交換器ユニット3の外表面にポンプ輸送され、これによって黒液が表面上を下方向に流れるにつれて、蒸気がそこから蒸発される。蒸気圧縮セクションは、黒液の予備蒸発器として機能する。
液膜流下の原理で稼働する多重効用式蒸発セクションの熱交換器ユニット3は、効用缶4Aの共通のハウジング内に位置されている。黒液は、第2蒸発効用缶から、ライン42を介して、ハウジング2に位置されている多重効用式蒸発プラントの熱交換器ユニット3に導入される。黒液は前記ユニットの上部部分にポンプにより搬送され、その外表面を下方向に流される。
効用缶4Aにおける蒸発で形成された2次蒸気は、導管14を介して蒸発缶の上部部分から排出される。蒸気の一部は、ライン16を介してスチームの流れの方向に次の蒸発効用缶5Aに搬送される。蒸気の一部は、導管14に配置されている蒸気圧力増加装置9に再び導かれ、そこで蒸気の圧力が増加されるので、この蒸気は加熱媒体として、蒸気圧縮蒸発プラントの熱伝導表面ユニット4’に戻すことができる。熱交換器ユニットにおいて発生した凝縮物19及び20(図1)は、多重効用式蒸発プラントの凝縮物処理システムにおいて処理される。
図3は、蒸気圧縮蒸発セクション(第2蒸発セクション)の熱交換器ユニット4の蒸気入口も、ライン45を介して多重効用式蒸発プラントの効用缶の蒸気出口に連結されている実施形態を示し、ライン45はバイパスバルブ46を備えており、これが蒸発システムの適応性を高める。MVR予備蒸発セクション、そして蒸気コンプレッサー9が稼働下にあるとき、バイパスバルブ46は閉鎖され、コンプレッサーの下流及び上流のバルブ47及び48は開放している。蒸気コンプレッサーが停止しているとき、バイパスバルブは開放している。次いで第2蒸発セクションが多重効用式蒸発プラントの1つの効用缶からの蒸気によって加熱され、この蒸気はライン45及び14’を介して導かれる。
本発明に従って、黒液蒸気圧縮予備蒸発器を多重効用式蒸発プラントに連結することによって、少なくとも下記の利点が得られる。
・予備蒸発器のキャパシティーを、針葉樹材の黒液スイートニングが予備蒸発器で行われるように選択することができる。
・黒液の予備加熱のために、(フレッシュスチームのような)外部熱が必要としない。
・希薄黒液の温度が低い場合、予備加熱のために必要とされる熱が、通常の蒸発セクションから蒸気の形態で予備蒸発セクションに伝導される。
・工場のエネルギー状況に依存して、予備蒸発をMVR蒸発からスチーム運転に切り替えることができる。
・単独設置の予備蒸発器(stand-alone pre-evaporator)と比較して有意にコストを削減できる:
*MEE本体と共用の1つのみの蒸発缶本体
*MEE効用缶と共用の凝縮物捕集タンク
*分離した供給又は排出ポンプを必要としない。
*分離した真空システムを必要とせず、MEEと共用のシステムが使用される。
*MEE効用缶と一緒に設置される。
本発明は、現在最も実用的で、最も好ましいと考えられるものとの関係で示され、説明されたが、当業者であれば多くの修正が本発明の範囲でなされ得ることが明らかであり、本発明の範囲は、全ての対応するシステム及び方法をカバーするように添付の特許請求の範囲に従い最も広い解釈がなされるべきである。

Claims (5)

  1. パルプ工場における黒液のための多重効用式蒸発プラントの蒸発缶であって、この蒸発缶は、
    ハウジングを含み、このハウジングの内部において、
    液膜流下式熱伝導表面及び加熱蒸気のための入口を有する熱交換器ユニットと、黒液区画と、蒸発により生じた蒸気のための蒸気スペースとをそれぞれ含む、多重効用式蒸発プラントの他の効用缶から供される黒液のための第1蒸発セクションおよび希薄黒液のための第2蒸発セクション、
    蒸発されるべき黒液を、第1及び第2蒸発セクションへ、及び熱伝導ユニットの熱伝導表面上へそれぞれ導入するための供給入口ライン、
    蒸発済みの黒液を抜き出すためにハウジングに連結された排出ライン、
    多重効用式蒸発プラントの他の効用缶の蒸気出口に連結された、第1蒸発セクションの熱交換ユニットの蒸気入口、及び
    蒸発で発生した蒸気のための蒸気出口ラインを含み、
    この蒸気出口ラインは、そこの蒸気の少なくとも一部を導くために蒸気圧力増加装置に連結され、
    蒸気圧力増加装置からの排出ラインは、第2蒸発セクションの熱交換ユニットの蒸気入口に連結されており、
    ハウジングが第1及び第2蒸発セクション間に仕切りを備え、それによって仕切りはハウジングの下部部分を2つの液体区画に分割し、当該2つの液体区画の上部に各々前記熱交換器ユニットが配置されるとともにこれ等複数の熱交換器ユニットの周囲に共通の蒸気スペースが形成され、当該共通の蒸気スペースは蒸気出口ラインに連結されていること、
    及び
    熱交換器ユニットが液体区画の上に位置され、仕切りが実質的に垂直であり、ハウジングの底部から熱交換器ユニットの下部端のレベルに延びている
    ことを特徴とする多重効用式蒸発プラントの蒸発缶。
  2. 第2蒸発セクションが黒液予備蒸発器として機能し、前記第2蒸発セクションの供給ラインがパルプ工場の希薄黒液タンクに連結されていることを特徴とする請求項1に従う蒸発缶。
  3. 共通の蒸気スペースが、蒸気の一部を、多重効用式蒸発プラントの次の効用缶へ導くための導管にさらに連結されていることを特徴とする請求項1又は2に従う蒸発缶。
  4. 蒸気圧力増加装置がファン又はコンプレッサーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに従う蒸発缶。
  5. 第2蒸発セクションの熱交換器ユニットの蒸気入口が、バイパスバルブを備えるラインを介して、多重効用式蒸発プラントのの効用缶の蒸気出口にさらに連結されている請求項1に従う蒸発缶。
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