発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解される。
本発明の非限定的な実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様のコンポーネントおよび要素には同じ参照番号が付されている。
既知の被災報知システムを用いる場合、救助隊の各隊員が被災報知用の受信機を携帯して各担当範囲を探索して、各受信機が被災報知用の送信機からの被災報知信号を受信することとなる。この場合、探索範囲外の位置にある送信機からの被災報知信号は、受信機で受信できない。また、既知の被災報知システムを用いる場合、救助隊は、広域を探索するために、複数の受信機を統制的に移動させることが求められる。しかし、複数の救助隊の探索範囲の境界付近では、一人の救助要請者が、複数の救助隊に探知され、同時に複数の救助隊が重複して要請者の救助に向かうことがある。従って、複数の救助隊は救助活動を互いに調整することとなり、救助活動が遅延する傾向がある。さらに、受信機相互間で、送信機の情報が交換され、各受信機が送信機の現在状況を記憶して表示するので、複数の受信機が重複して同じ情報を記憶することがある。
実施形態の目的は、応募者または参加者の無線端末が、或る無線基地局の隣接の無線基地局からマルチキャストで送信される募集存在情報または参加要請存在情報を受信できるようにすることである。また、実施形態の別の目的は、ネットワークでの処理負荷を抑えつつ、応募者または参加者の無線端末が、無線基地局の隣接の無線基地局から送信される要請者の無線端末に関する要請情報を受信できるようにすることである。これらの目的は、実施形態によって達成することができる。ここで、応募者は救助者であり、募集は救助者募集または救助要請であり、要請者は救助要請者であってもよい。
発明者は、無線基地局が自局へのアクセス情報をマルチキャストで送信し、応募者の無線端末が、探索範囲を段階的に拡張して、より広い探索範囲の無線基地局によるマルチキャスト配信に参加要求を送信すれば、アクセス情報を受信できるようになる、と認識した。
発明者は、無線基地局を、例えば次の形態で動作させることによって、救助要請者の無線端末に救助者の無線端末を効率的に割り当てて、救助者の無線端末が救助要請者の無線端末の情報を取得して救助要請者の無線端末と通信できるようにすればよい、と認識した。
その無線基地局の動作形態は、次の(1)〜(6)の通りである。
(1)救助要請者の無線端末が、自端末の近隣にある第1の無線基地局(以下、単にAPとも称する)に救助要請情報を送信する。
(2)第1のAPは救助要請者の無線端末に対応付けてエージェントを生成し、エージェントは無線端末から受信した救助要請情報を記憶する。ここで、エージェント(agent)は、無線端末からの救助要請情報を管理する機能を有する仮想的な装置である。
(3)第1のAPは、エージェントに対する救助者の無線端末の割当てを管理する。第1のAPは、救助者の無線端末の割当てが完了していないエージェントが存在する場合、救助要請の存在を表す要請存在通知を要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。
(4)一方、救助者の無線端末は、探索開始の第1の周期で、救助者の無線端末の近隣にある近隣APを探索範囲i=1として、エージェントを含む可能性のあるAPを探索する。そのために、救助者の無線端末は、近隣の第2のAPを介して、要請存在通知グループ宛てに要請存在通知参加または参加要求(join)をマルチキャストで送信する。ここで、要請存在通知参加のマルチキャスト・アドレス情報は、近隣APを送信元として含み、近隣APによってマルチキャスト配信される情報を受信できるように設定される。その後、救助者の無線端末は、隣接APから要請存在通知を受信するまで、周期(i+1)毎に、APの探索範囲(i+1)を、探索範囲iのAPの近隣APにまで順次拡張する。第(i+1)周期でのAPの探索範囲(i+1)は、例えば、探索範囲(i+1)={ap|ap∈近隣AP(ap_i)、ap_i∈探索範囲i}で表される。ここで、近隣AP(ap_i)は、探索範囲iのときの各AP(ap_i)の近隣にあるAPを表す。ap∈近隣AP(ap_i)は、近隣APに属するAPを表す。それによって、救助者の無線端末は、周期毎に、参加する要請存在通知グループの送信元のAPを順次拡張することができる。救助者の無線端末は、第1のAPから要請存在通知を受信すると、救助参加を第1のAPに送信する。
(5)第1のAPは、救助者の無線端末から受信した応募または救助参加に対して、救助者の無線端末にエージェントを割り当てる。次いで、第1のAPにおいて、エージェントは、要請状態通知を要請状態通知グループ宛にマルチキャストで送信する。第1のAPは、救助者の無線端末に、割り当てたエージェントの情報を参加確認で通知する。
(6)救助者の無線端末は、第1のAPのエージェントから参加確認を受信し、エージェントの要請状態通知グループ宛てに要請状態通知参加(join)をマルチキャストで送信する。それによって、救助者の無線端末は、第1のAPよって割り当てられたエージェントから救助要請者の無線端末の情報を取得できるようになる。その情報は、救助要請者の無線端末のアドレスを含み、救助要請者の状態に関する情報を含んでいてもよい。
次は、実施形態による無線通信システムの概略的な構成(configuration)を説明する。
図1は、実施形態による、ルータ10、12、14および16、ルータ10〜16に接続された無線基地局20、21、22、25、26、27、30、31および33を含む無線通信システム2の概略的構成(configuration)の例を示している。ここで、無線基地局20および21は、ルータ10に接続されている。また、無線基地局25および26は、ルータ12に接続されている。また、無線基地局22、27、30〜33は、ルータ14に接続されている。無線通信システム2は、さらに、救助要請者の無線端末40、41および42と、救助者の無線端末45、46および47とを含んでいる。無線端末40〜47は、移動端末であり、無線基地局20〜33のいずれかの通信可能範囲内にあって、無線基地局20〜33のいずれかと通信する。
図1において、無線端末40、41および42は、救助要請者の無線端末であることを示すために、それぞれx、x2およびx3で識別される。また、無線端末45、46および47は、救助者の無線端末であることを示すために、それぞれy、y2およびy3で識別される。また、無線基地局20、21および22は、救助要請者の無線端末x、x2およびx3から救助要請信号を受信することを示すためにそれぞれa、a2およびa3で識別される。また、無線基地局25、26および27は、救助者の無線端末y、y2およびy3から参加表明信号を受信することを示すためにそれぞれb、b2およびb3で識別される。ルータ10、12、14および16は、ルータであることを示すために、それぞれr1、r2、r3およびr4で識別される。
無線端末40(x)は無線通信可能範囲7を有し、無線端末40(x)の無線通信可能範囲7内には、近隣の無線基地局a、αおよびγが存在する。無線端末41(x2)の無線通信範囲内には、近隣の無線基地局aが存在する。無線端末45(y)は無線通信可能範囲9を有し、無線端末45(y)の無線通信可能範囲9内には、近隣の無線基地局b、βおよびγが存在する。無線端末46(y2)に無線通信可能範囲内には、近隣の無線基地局b2が存在する。無線端末47(y3)の無線通信可能範囲内には、近隣の無線基地局b3が存在する。
ネットワーク5は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワーク、ISDN(Integrated Services Digital Network)、光回線、DSL(Digital Subscriber Line)、パケット網、公衆電話網、及び/又はCATV(Cable Television)網を含んでもよい。無線基地局20〜33は、無線基地局装置であり、例えば、第3世代または第4世代の移動体通信用の基地局(アクセスポイント)装置であっても、または無線LANの無線基地局であってもよい。無線端末40〜47は、移動端末であり、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型またはノートブックのパーソナル・コンピュータのようなモバイル型の情報処理端末であってもよい。
次は、無線端末40〜47および無線基地局(AP)20〜33の概略的な構成(configurations)について説明する。
図2は、無線端末40〜47の各々の概略的な構成(configuration)の例を示している。
図2において、無線端末40〜47の各々は、内部バスに接続された、プロセッサ402、記憶部404、表示部412、音響部414、入力部416、制御部418、および無線通信部420を含んでいる。
プロセッサ402は、コンピュータ用のCPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部404は、例えば、主記憶装置および半導体メモリ、SD(セキュア・ディジタル)メモリまたはUSBメモリ等のフラッシュ・メモリのような他の半導体メモリを含み、さらに、ハードディスク・ドライブ(HDD)を含んでいてもよい。
無線端末40〜47の各々は、外付けドライブ430に接続可能であってもよい。ドライブ430は、ソフトウェアまたはプログラムが記録された例えば光ディスクまたは磁気ディスクのような記録媒体436を読み取るためのものであってもよい。そのソフトウェアは、例えば、OS、データベース管理システム(DBMS)、アプリケーション・プログラム、等を含んでいてもよい。アプリケーション・プログラムは、救助要請処理および救助支援処理用のアプリケーションを含んでいてもよい。
プロセッサ402は、例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。また、プロセッサ402は、記憶部404に格納されたOSおよびアプリケーション・プログラムに従って動作するものであってもよい。アプリケーション・プログラムは、記録媒体436に格納されていて、ドライブ430によって記録媒体436から読み出されて無線端末40〜47にインストールされてもよい。代替形態として、アプリケーション・プログラムは、ネットワーク5上のサーバ装置からダウンロードされて無線端末40〜47にインストールされてもよい。
表示部412は、例えば、液晶表示装置、またはタッチパネル付き液晶表示装置であってもよい。音響部414は、例えば、マイクロホン、スピーカ、およびレシーバを含んでいてもよい。入力部416は、例えば、複数のキー、タッチパッド、テンキー、キーボード、タッチパネル、および/またはポインティング・デバイスを含んでいてもよい。
制御部418は、無線通信部420を制御してもよい。無線通信部420は、移動体通信用の無線基地局20〜33を介してネットワーク5に接続することができる。
図3は、無線基地局(AP)20〜33の各々の概略的な構成(configuration)の例を示している。
図3において、無線基地局(AP)20〜33の各々は、例えば、プロセッサまたは制御部202、記憶部204、入出力制御部206、パケット転送制御部208、有線通信部210、および無線通信部212を含んでいる。プロセッサ202は、有線通信部210を介してネットワーク5に接続する。プロセッサ202は、無線通信部212を介して無線端末40〜47と通信する。無線基地局20〜33の各々は、外付けのドライブ230に接続可能であってもよい。プロセッサ202は、有線通信部210および無線通信部212を制御してもよい。
プロセッサ202は、コンピュータ用のCPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部204は、主記憶装置および補助記憶装置を含んでいる。主記憶装置は、半導体メモリ等の記憶装置を含んでいる。補助記憶装置は、例えば、フラッシュ・メモリのような半導体メモリを含んでいてもよい。ドライブ230は、ソフトウェアが記録された例えば光ディスクまたは磁気ディスクのような記録媒体236を読み取るためのものであってもよい。そのソフトウェアは、例えば、OS、データベース管理システム(DBMS)、アプリケーション・プログラム、等を含んでいてもよい。アプリケーション・プログラムは、通信制御および救助支援用のアプリケーションを含んでいてもよい。
プロセッサ202は、例えば集積回路として実装された専用のプロセッサであってもよい。また、プロセッサ202は、記憶部204に格納されたアプリケーション・プログラムに従って動作するものであってもよい。アプリケーション・プログラムは、記録媒体236に格納されていて、ドライブ230によって記録媒体236から読み出されて無線基地局20〜33にインストールされてもよい。
図4は、無線端末40〜47のプロセッサ402の概略的な構成(configuration)の例を示している。
図4において、無線端末40〜47のプロセッサ402は、制御部4020、アプリケーション部4022、救助要請処理部4024、救助支援処理部4026、およびその他の処理部4028を含んでいる。制御部4020は、アプリケーション部4022、救助要請処理部4024、救助支援処理部4026および処理部4028に制御信号を供給して、これらの要素の動作を制御してもよい。
救助要請処理部4024は、救助要請者の救助要請情報を管理して無線基地局20等に送信または登録するのを支援する。救助支援処理部4026は、救助者の救助者情報を管理し、救助要請情報の送信元の無線基地局20等を探索し、無線基地局20から救助要請情報を受信して管理するのを支援する。
図5は、無線基地局(AP)20〜33のプロセッサ202の概略的な構成(configuration)の例を示している。
図5において、無線基地局(AP)20〜33のプロセッサ202は、制御部2020、アプリケーション部2022、救助支援管理部2024、およびその他の処理部2028を含んでいる。制御部4020は、アプリケーション部2022、救助支援管理部2024および処理部2028に制御信号を供給して、アプリケーション部2022、救助支援管理部2024および処理部2028の動作を制御してもよい。
救助支援管理部2024は、救助要請者による無線端末40〜42の救助要請情報の登録を支援し、救助要請情報をエージェントで管理し、救助要請情報の存在をマルチキャストで送信する。エージェントは、無線端末40〜42の救助要請情報を管理する端末情報管理部であり、救助要請者状態情報を含む救助要請情報を要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。また、救助支援管理部2024は、救助要請者に救助者を割当てるために、救助要請者の無線端末40〜42に対応するエージェントに、救助者の無線端末45〜47を割り当て、エージェントの救助要請情報を無線端末45〜47に送信する。
次は、例えば、地震のような災害発生時における、無線端末x、x2およびy〜y3、無線基地局a、b〜b2、b3、α、βおよびγ、ルータr1〜r4の間での送受信シーケンスの例を説明する。
図23Aおよび23Bは、無線端末xおよびy、無線基地局a、b、b2、α、βおよびγ、およびルータr1〜r4の間での送受信シーケンスの例を示している。
図24Aおよび24Bは、図23Bの後の、無線端末x2およびy〜y3、無線基地局a、b〜b3、およびルータr1〜r4の間での送受信シーケンスの例を示している。
図23Aを参照すると、無線端末xは、地震速報のような災害速報を受信した後、一定の時間(例、3分)が経過しても、無線端末xを携帯する所持者による操作が無いか、または救助要請の操作入力を受けた場合、ステップ502の処理を実行する。即ち、ステップ502において、無線端末xは、所持者を救助要請者とする救助要請メッセージを近隣のAPaに送信する。災害速報は、例えばブロードキャストまたはマルチキャストで無線端末xに配信されてもよい。
ステップ504において、APaは、救助要請メッセージの受信に応答して、無線端末xに対応付けてエージェントxを生成し、無線端末xから受信した情報(例えば、救助要請者の状態情報)をエージェントxの記憶領域に保存する。ステップ506において、APaは、救助要請メッセージの受信に応答して、無線端末xに応答メッセージを送信する。
ステップ508において、APaは、ネットワーク5を介して、周期的に、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。
一方、災害速報を受信した後、無線端末yは、救助者の入力操作に従って、無線基地局の探索機能を起動する。次いで、ステップ510において、無線端末yは、要請存在通知メッセージを受信するために、近隣のAPbを介して、要請存在通知参加(join)メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。この場合、要請存在通知参加メッセージは、要請存在通知メッセージの送信元アドレス(例えば、IPアドレス)として、近隣APb、βおよびγのアドレスを含んでいる。要請存在通知参加メッセージは、APbに達し、ルータr2、r4、r3を介して転送されてAPβおよびγに達する。その際、APbは、ネットワーク5上で、ルータr2、r4およびr3を介して、要請存在通知参加メッセージをAPβおよびAPγに転送する。APb、APβおよびAPγ、およびルータr2、r4およびr3において、要請存在通知グループに無線端末yが追加される。この時点では、要請存在通知メッセージは、APaに達しない。従って、無線端末yは、要請存在通知メッセージを受信しない。
APの探索範囲をAPb、APβおよびAPγの近隣APにまで拡張するために、ステップ522において、無線端末yは、近隣APを問い合わせるための近隣AP問合せメッセージをAPbにユニキャストで送信する。ステップ524において、APbは、APbの近隣APβおよびγのAP識別子を含む応答メッセージを無線端末yにユニキャストで送信する。APaは、DSN(Domain Name System)の名前解決法に従って、AP識別子からAPのIPアドレスを取得することができる。但し、AP識別子としてAPのIPアドレスそのものが用いられてもよい。
ステップ526において、無線端末yは、同様に近隣AP問合せメッセージをAPγにユニキャストで送信する。ステップ528において、APγは、APγの近隣APa、α、b、b2およびβのAP識別子を含む応答メッセージを無線端末yにユニキャストで送信する。ステップ530において、無線端末yは、同様に近隣AP問合せメッセージをAPβにユニキャストで送信する。ステップ532において、APβは、APβの近隣APaおよびγのAP識別子を含む応答メッセージを無線端末yにユニキャストで送信する。
ステップ534において、無線端末yは、APbを介して、要請存在通知参加メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。この場合、要請存在通知参加メッセージは、要請存在通知メッセージの送信元アドレスとして、近隣APb2、αおよびaのアドレスを含んでいる。それによって、無線端末yは、受信した近隣APa、α、b、b2、β、γのAP識別子の中の新しい近隣APb2、αおよびaによって送信される要請存在通知メッセージを受信することができる。要請存在通知参加メッセージは、ルータr1〜r4を介して転送されてAPb2、αおよびaに達する。APb2、αおよびa、およびルータr2、r4、r1およびr3は、要請存在通知グループに無線端末yを追加する。このようにして、MLDおよびIGMPに従って、上流へと、受信への参加が通知されて登録される。
図23Bを参照すると、ステップ542において、APaは、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末yは、APbを介して、要請存在通知メッセージを受信する。
ステップ544において、無線端末yは、要請存在通知メッセージの受信に応答して、救助参加または応募メッセージをAPaにユニキャストで送信する。救助参加メッセージは、エージェントにおける無線端末xに関する情報を要求する情報要求信号でもある。ステップ546において、APaは、無線端末yに対してエージェントxを割り当てて、エージェントxの救助要請情報を含む参加確認メッセージを無線端末yにユニキャストで送信する。参加確認メッセージは、救助参加メッセージに対する応答メッセージであり、情報要求信号に対する応答信号でもある。
ステップ548において、無線端末yは、参加確認メッセージの受信に応答して、救助要請情報を保存し、APbを介して、要請存在通知離脱メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請存在通知離脱メッセージは、ルータr1〜r4を介して転送されてAPb、b2、α、β、γ、aに達する。APb、b2、α、β、γ、aおよびルータr1〜r4は、要請存在通知グループから無線端末yを削除する。
ステップ550において、無線端末yは、エージェントxへの要請状態通知参加メッセージを要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請状態通知参加メッセージは、ルータr1、r2およびr4を介して転送されてAPaに達する。APbおよびAPa、およびルータr2、r4およびr1は、要請状態通知グループに無線端末yを追加する。
ステップ552において、エージェントxは、参加確認メッセージの送信後、周期的に、無線端末xから受信した現在の救助要請情報を含む要請状態通知メッセージを、要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末yは、APbを介して、要請状態通知メッセージを受信する。その後、無線端末yは、救助者の操作に従って、救助要請者の無線端末xと通信可能になる。このようにして、救助者は、無線端末yを操作して、救助のための情報をやりとりするために、無線端末xを介して救助要請者と通話しまたは無線端末xとの間でデータを送受信することができるようになる。
図24Aを参照すると、ステップ562において、無線端末y2は、救助者の入力操作によって無線基地局の探索機能が起動されると、近隣のAPb2を介して、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。この場合、要請存在通知メッセージは、要請存在通知メッセージの送信元アドレスとしてAPb2およびaのアドレスを含んでいる。要請存在通知メッセージは、ルータr2、r4およびr1を介して転送されてAPaに達する。APb2は、ネットワーク5上で、ルータr2、r4およびr1を介して、要請存在通知メッセージをAPaに転送する。APb2およびAPa、およびルータr2、r4およびr1は、要請存在通知グループに無線端末y2を追加する。
ステップ564において、無線端末y3は、救助者の入力操作によって無線基地局の探索機能が起動されると、近隣のAPb3を介して、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。この場合、要請存在通知メッセージは、要請存在通知メッセージの送信元アドレスとしてAPb3およびaのアドレスを含んでいる。要請存在通知参加メッセージは、ルータr3を介してルータr1に転送される。要請存在通知参加メッセージはAPaに達する。APb3およびAPa、およびルータr1は、要請存在通知グループに無線端末y3を追加する。
ステップ572において、APaは、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末y2およびy3は、要請存在通知メッセージを受信する。
ステップ574において、無線端末y2は、要請存在通知メッセージの受信に応答して、APb2を介して、救助参加メッセージをAPaにユニキャストで送信する。ステップ576において、無線端末y3は、要請存在通知メッセージの受信に応答して、APb3を介して、救助参加メッセージをAPaにユニキャストで送信する。
ステップ578において、APaは、無線端末y2に対してエージェントxを割り当てて、エージェントxの救助要請情報を含む参加確認メッセージを無線端末y2にユニキャストで送信する。その際、参加した救助者の人数が救助者募集人数に達した場合、APaは、エージェントxに関する要請存在通知メッセージの送信を停止する。その後のステップ580において、参加した救助者の人数が救助者募集人数に達していた場合、APaは、無線端末y3に対してエージェントを割り当てず、募集の終了を表す参加確認メッセージを無線端末y3にユニキャストで送信する。
ステップ582において、無線端末y2は、参加確認メッセージの受信に応答して、APb2を介して、要請存在通知離脱メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末y2からの要請存在通知離脱メッセージは、ルータr1に達する。APbおよびルータr1は、要請存在通知グループから無線端末y2を削除する。この場合、無線端末y3のための要請存在通知グループのマルチキャストのルートは維持される。
ステップ584において、無線端末y2は、APb2を介して、エージェントxへの要請状態通知参加メッセージを要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請状態通知参加メッセージはルータr2に達する。APb2およびルータr2は、要請状態通知グループに無線端末y2を追加する。この場合、無線端末yによって、要請状態通知グループのマルチキャストのルートが先に形成されている。
ステップ586において、APaにおいて、エージェントxは、無線端末xから受信した救助要請情報を含む要請状態通知メッセージを要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。救助要請情報は、無線端末xによって周期的に更新されてもよい。無線端末yおよびy2は、要請状態通知メッセージを受信する。その後、無線端末y2は、救助者の操作に従って、救助要請者の無線端末xと通信可能になる。このようにして、救助者は、無線端末y2を操作して、救助のための情報をやりとりするために、無線端末xを介して救助要請者と通話しまたは無線端末xとの間でデータを送受信することができるようになる。
図24Bを参照すると、無線端末x2は、災害速報を受信した後、一定または閾値の時間が経過しても、無線端末x2を携帯する所持者による操作が無いか、または救助要請の操作入力を受けた場合、ステップ592の処理を実行する。即ち、ステップ592において、無線端末x2は、所持者を救助要請者とする救助要請メッセージを近隣のAPaに送信する。
ステップ594において、APaは、救助要請メッセージの受信に応答して、無線端末x2に対応付けてエージェントx2を生成し、無線端末x2から受信した情報をエージェントx2に保存する。ステップ596において、APaは、救助要請メッセージの受信に応答して、無線端末x2に応答メッセージを送信する。
ステップ602において、APaは、ネットワーク5を介して、周期的に、要請存在通知メッセージを、要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末y3は、既にAPaにおける要請存在通知グループに参加しているので、要請存在通知メッセージを受信する。
ステップ604において、無線端末y3は、APb3を介して、要請存在通知メッセージの受信に応答して、救助参加メッセージをAPaにユニキャストで送信する。ステップ606において、APaは、無線端末y3に対してエージェントx2を割り当てて、エージェントx2の救助要請情報を含む参加確認メッセージを無線端末y3にユニキャストで送信する。
ステップ608において、無線端末y3は、参加確認メッセージの受信に応答して、救助要請情報を保存し、APb3を介して、要請存在通知離脱メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請存在通知離脱メッセージは、ルータr3およびr1を介してAPaに達する。APb3およびAPa、およびルータr3およびr1は、要請存在通知グループから無線端末y3を削除する。
ステップ610において、無線端末y3は、APb3を介して、エージェントx2への要請状態通知参加メッセージを要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請状態通知参加メッセージは、ルータr3およびr1を介して転送されてAPaに達する。APb3およびAPa、およびルータr3およびr1は、要請状態通知グループに無線端末y3を追加する。
ステップ612において、APaにおいて、エージェントx2は、無線端末x2から受信した情報を含む要請状態通知メッセージを、要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。無線端末y3は、要請状態通知メッセージを受信する。その後、無線端末y3は、救助者の操作に従って、救助要請者の無線端末x2と通信可能になる。このようにして、救助者は、無線端末y3を操作して、救助のための情報をやりとりするために、無線端末x2を介して救助要請者と通話しまたは無線端末x2との間でデータを送受信することができるようになる。
次は、救助要請者の無線端末40〜42、救助者の無線端末45〜47、および無線基地局20〜33によって保存されるデータおよび送受信されるメッセージについて説明する。
図6は、無線端末40〜47および無線基地局20〜33において生成されて保存される近隣APリストの例を示している。
近隣APリストは、無線端末40〜47および無線基地局20〜33の各々の近隣にある1つ以上のAPのAP識別子を含んでいる。AP20〜33の近隣APリストは、AP20〜33の記憶部204に保存される。救助要請者および救助者の無線端末40〜47の近隣APリストは、無線端末40〜47の記憶部404に保存される。
無線端末40〜47は、無線通信可能な範囲にある近隣のAPのAP識別子を収集して、近隣APリストを生成して保存する。例えば、無線端末40は、無線通信可能範囲にあるAP20、30および33のAP識別子“#a”、“#α”および“#γ”を生成して記憶部404に保存する。無線端末40〜47は、DSNの名前解決法に従って、AP識別子からAPのIPアドレスを取得することができる。但し、AP識別子としてAPのIPアドレスが用いられてもよい。
一方、各AP20〜33の近隣APリストは、各AP20〜33の隣接にある1つ以上のAPのAP識別子を含み、AP20〜33の管理者によって設定されて記憶部204に保存されてもよい。あるいは、各AP20〜33は、通常動作時において、無線端末による通信エリアまたはセル間の移動によって生じるハンドオーバの際に、制御信号からハンドオーバ元およびハンドオーバ先のAPのAP識別子を収集して、近隣APリストを生成してもよい。あるいは、各AP20〜33は、通信エリア内の無線端末40〜47から受信した近隣APリストを統合して自己の近隣APリストとして保存してもよい。また、各AP20〜33における各エージェントは、救助要請者の無線端末40〜42から受信した近隣APリストを自己の近隣APリストとして保存してもよい。
図7は、救助要請者の無線端末40等におけるデータの例を示している。
救助要請者の無線端末40〜42のデータは、記憶部404に格納され、自端末識別子、自端末アドレス、エージェント・アドレス、救助要請者状態、およびタイムスタンプの各フィールドを含んでいる。エージェント・アドレスは、AP20または22から受信したものであり、AP20または22において救助要請者の無線端末40〜42に対応付けられたエージェントのアドレスである。救助要請者状態は、無線端末40〜42に対応して設けられた身体測定器またはセンサによって検知された値または状態を含んでいる。タイムスタンプは、救助要請者状態が更新された時刻である。
無線端末40のデータは、例えば、自端末識別子“#x”、自端末アドレス“ADDR_#x”、エージェント・アドレス“ADDR_Agent#x”、および救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97...”を含んでいる。タイムスタンプは、例えば“2014/08/20 09:00:00:000”(2014年8月20日9時)であってもよい。
図8は、AP20等におけるエージェント・リストの例を示している。
エージェント・リストは、記憶部204に格納され、AP20または22におけるエージェントのエージェント識別子および救助者募集表示の各フィールドを含んでいる。エージェント識別子は、AP20または22内でのエージェントのエージェント識別子である。救助者募集表示は、各エージェントに対応する現在の救助者募集状態(募集中または確保済)を表す。AP20のエージェント・リストは、例えば、エージェント識別子“Agent#x”および“Agent#x2”と、それぞれの救助者募集表示“募集中”および“確保済”とを含んでいる。
図9は、AP20等における各エージェントのデータの例を示している。
AP20および22における各エージェントは、記憶部204に格納され、自エージェント識別子、要請者端末識別子、要請者端末アドレス、自エージェント・アドレス、救助要請者状態、救助者募集人数、およびタイムスタンプの各フィールドを含んでいる。要請者端末アドレスは、エージェントに対応付けられた無線端末40〜42のアドレスである。自エージェント・アドレスは、各AP20、22内のエージェントのアドレスであり、各AP20、22によって割り当てられてもよい。救助要請者状態は、エージェントに対応付けられた無線端末40〜42から受信した救助要請者状態である。救助者募集人数は、救助要請者を救助するのに必要な救助者の人数であり、救助要請者によって設定および変更可能であってもよい。また、救助者募集人数は、救助者の無線端末45〜47によって変更されてもよい。タイムスタンプは、受信した救助要請者状態のタイムスタンプである。
AP20における無線端末40のエージェントは、例えば、自エージェント識別子“Agent#x”、 要請者端末識別子“#x”、および要請者端末アドレス“ADDR_#x” を含んでいる。 無線端末40のエージェントは、さらに、例えば、自エージェント・アドレス“ADDR_Agent#x”、救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97”、および救助者募集人数“2”を含んでいる。
図10は、AP20等における各エージェントにおける救助者リストの例を示している。
エージェントの救助者リストは、記憶部204に格納され、救助者端末識別子、端末アドレス、および任意に人数の各フィールドを含んでいる。救助者端末識別子は、救助者の無線端末45〜47の端末識別子である。端末アドレスは、救助者の無線端末のアドレスである。人数は、任意のフィールドであって、各無線端末45等から受信した無線端末45等毎の1つの救助隊における救助者の人数がエージェントに保存または登録される。各無線端末45〜47における人数が常に1人である場合、救助者リストにおける人数の合計は、救助要請を受けた無線端末の数を表す。
AP20のエージェント“Agent#x”の救助者リストは、例えば、救助者端末識別子“#y”および“#y2”、それぞれの端末アドレス“ADDR_#y”および“ADDR_#y2”を含み、任意に、人数“1”および“2”を含んでいてもよい。
図11は、各AP20等におけるデータの例を示している。
AP20および22のデータは、記憶部204に格納され、自AP識別子、自APアドレス、要請存在通知グループ・アドレス、および要請状態通知グループ・アドレスの各フィールドを含んでいる。要請存在通知グループ・アドレスは、要請存在通知グループのマルチキャスト・アドレスである。要請状態通知グループ・アドレスは、要請状態通知グループのマルチキャスト・アドレスである。AP20のデータは、例えば、自AP識別子“#a”、自APアドレス“ADDR_#a”、要請存在通知グループ・アドレス“MC_ADDR_#m1”、および要請状態通知グループ・アドレス“MC_ADDR_#m2”を含んでいる。
図12は、救助者の各無線端末45等における要請存在通知グループ送信元リストの例を示している。
各無線端末45〜47の要請存在通知グループ送信元リストは、探索範囲の各拡張段数における要請存在通知グループの送信元APのAP識別子のリストである。要請存在通知グループ送信元リストは、記憶部404に格納され、各無線端末45〜47における各周期の拡張段数iにおける探索範囲のAPのAP識別子およびその拡張段数の各フィールドを含んでいる。拡張段数は、各APが探索範囲に含まれるようになった時点の拡張段数である。
要請存在通知グループ送信元リストにおいて、或る拡張段数iでのAPの近隣APリスト中のAP識別子が、拡張段数(i+1)のものとして追加される。無線端末45の要請存在通知グループ送信元リストは、例えば、AP識別子“#b”、“#β”および“#γ”と、それぞれの拡張段数“1”とを含んでいる。無線端末45における要請存在通知グループ送信元リストは、さらに、AP識別子“#b”、“#β”および“#γ”のAPの近隣のAPのAP識別子“#a、#α、#b2”と、それぞれの拡張段数“2”とを含んでいる。
図13は、救助者の無線端末45等におけるデータの例を示している。
無線端末45〜47のデータは、記憶部404に格納され、自端末識別子、自端末アドレス、要請存在通知グループ・アドレス、探索範囲拡張段数、要請状態通知グループ・アドレス、要請状態通知グループ送信元アドレス、および任意に人数の各フィールドを含む。また、各無線端末45〜47のデータは、要請者端末識別子、要請者端末近隣APリスト、救助要請者状態、およびタイムスタンプの各フィールドを含んでいる。人数は、任意のフィールドであって、各無線端末45等に登録されて保存された1つの救助隊における救助者の人数である。
要請存在通知グループ・アドレスは、要請存在通知グループのマルチキャスト・アドレスであり、無線端末45〜47において既知である。探索範囲拡張段数は探索範囲の拡張段数である。要請状態通知グループ・アドレスは、要請状態通知グループのマルチキャスト・アドレスであり、無線端末45〜47において既知である。要請状態通知グループ送信元アドレスは、救助者の無線端末45〜47が要請状態通知メッセージを受信しようとする送信元のエージェントのアドレスである。送信元のエージェントのアドレスは、AP25〜27に保存されているものである。人数は、救助者によって各無線端末45〜47で設定可能な救助者または救助隊の人数である。要請者端末識別子は、AP25〜27によって救助者の無線端末45〜47に割り当てられたエージェントの無線端末40〜42の端末識別子である。救助要請者状態は、AP20または22の無線端末40〜42またはそのエージェントから受信した救助要請者の状態である。タイムスタンプは、受信したエージェントの救助要請者状態のタイムスタンプである。
無線端末45のデータは、例えば、自端末識別子“#y”、自端末アドレス“ADDR_#y”、要請存在通知グループ・アドレス“MC_ADDR_#m1”、および探索範囲拡張段数“2”を含んでいる。無線端末45のデータは、さらに、例えば、要請状態通知グループ・アドレス“MC_ADDR_#m2”、要請状態通知グループ送信元アドレス“ADDR_Agent#x”、および要請者端末識別子“#x”を含んでいる。無線端末45のデータは、さらに、例えば、要請者端末近隣APリスト“#a、#α、#γ”、および救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97”を含んでいる。
図14Aは、救助要請者の無線端末40等によってAP20等に送信される救助要請メッセージの例を示している。
救助要請メッセージは、L1(レイヤ1)ヘッダ、L2(レイヤ2)ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、救助要請者の無線端末40〜42における、端末識別子、近隣APリスト、救助要請者状態、およびタイムスタンプを含んでいる。
送信元アドレスは、救助要請者の無線端末40〜42のアドレスである。宛先アドレスは、宛先のAP20または22のアドレスである。近隣APリストは、メッセージ送信元の無線端末40〜42の近隣APリストである。救助要請者状態は、メッセージ送信元の無線端末40〜42の救助要請者状態である。
無線端末40の救助要請メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#x”、および宛先アドレス“ADDR_#a”を含んでいる。TCPデータは、例えば、救助要請者の無線端末40における、端末識別子“#x”、近隣APリスト“#a、#α、#γ”、および救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97”を含んでいる。
図14Bは、AP20等によって送信される応答メッセージの例を示している。
応答メッセージは、救助要請メッセージに対する応答メッセージであり、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、エージェント・アドレスを含んでいる。
送信元アドレスは、AP20および22のAPアドレスである。宛先アドレスは、宛先の救助要請者の無線端末40〜42の端末アドレスである。エージェント・アドレスは、AP20および22における、無線端末40〜42のエージェントのアドレスである。
AP20の応答メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#a”、宛先アドレス “ADDR_#x”、およびエージェント・アドレス“ADDR_Agent#x”を含んでいる。
図15は、AP20等によって送信される要請存在通知メッセージの例を示している。
要請存在通知メッセージは、救助要請者の無線端末40〜42に対応するエージェントの存在を示すメッセージであり、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、AP識別子を含んでいる。
送信元アドレスは、メッセージの送信元であるAP20および22のアドレスである。宛先アドレスは、要請存在通知グループのマルチキャスト・アドレスである。AP識別子は、エージェントが存在するAP20または22のAP識別子である。
要請存在通知メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#a”、宛先アドレス “MC_ADDR_#m1”、およびAP識別子“#a”を含んでいる。
図16は、救助者の無線端末45等によってAP20等に送信される救助参加メッセージの例を示している。救助参加メッセージは、無線端末40〜42(x)に関する情報を要求する情報要求信号でもある。
救助参加メッセージは、救助者の救助活動への参加または応募を示すメッセージであり、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、無線端末45〜47における、端末識別子、近隣APリスト、拡張段数、および任意に人数を含んでいる。人数は、任意のフィールドであって、各無線端末45等に登録されて保存された1つの救助隊における救助者の人数である(図13)。
送信元アドレスは、メッセージ送信元である救助者の無線端末45〜47のアドレスである。宛先アドレスは、エージェントが存在するAP20または22のアドレスである。端末識別子は、救助参加メッセージの送信元である救助者の無線端末45〜47の端末識別子である。近隣APリストは、救助参加メッセージの送信元である救助者の無線端末45〜47の近隣APリストである。拡張段数は、送信元である無線端末45〜47における要請存在通知グループ送信元リスト中の宛先APの拡張段数である。
無線端末45の救助参加メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#y”、宛先アドレス“ADDR_#a”、端末識別子“#y”、近隣APリスト“#b、#β、#γ”、および拡張段数“2”を含んでいる。
図17は、AP20等によって救助者の無線端末45等に送信される参加確認メッセージの例を示している。
参加確認メッセージは、救助参加メッセージに対する応答であり、救助者の救助活動への参加の申し出または応募に対する参加確認を示すメッセージである。参加確認メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、救助参加の申し出の結果(参加要請または応募終了)、端末識別子、端末アドレス、エージェント、救助者リスト、近隣APリスト、救助要請者状態、およびタイムスタンプを含んでいる。
送信元アドレスは、AP20または22のアドレスである。宛先アドレスは、救助者の無線端末45〜47のアドレスである。結果は、参加確認メッセージを受信した救助者が救助に参加してよいかどうかを表し、“参加要請”または“募集終了”の表示を含んでいる。参加要請は、救助者としての参加が許可されたことを示す。募集終了は、募集人数の救助者が確保済みであり、参加が許可されなかったことを示す。端末識別子は、AP20または22において救助者の無線端末45〜47に割り当てられたエージェントに対応する無線端末40〜42の端末識別子である。端末アドレスは、無線端末40〜42のアドレスである。エージェントは、AP20または22において救助者の無線端末45〜47に割り当てられたエージェントのアドレスである。救助者リストは、AP20または22においてエージェントを割り当てられた救助者の無線端末45〜47のアドレスのリストである。近隣APリストは、エージェントに対応する救助要請者の無線端末40〜42の近隣APのリストである。救助要請者状態は、エージェントの救助要請者状態である。タイムスタンプは、エージェントにおけるタイムスタンプである。
AP20によって送信される参加確認メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#a”、宛先アドレス“ADDR_#y”、結果“参加要請”または“募集終了”、端末識別子“#x”、および端末アドレス“ADDR_#x” を含んでいる。AP20からの参加確認メッセージは、さらに、例えば、エージェント“ADDR_Agent#x”、救助者リスト“ADDR_#y、ADDR_#y2”および近隣APリスト“#a、#α、#γ”を含んでいる。AP20からの参加確認メッセージは、さらに、例えば、救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97”を含んでいる。
図18は、AP20等によって送信される要請状態通知メッセージの例を示している。
要請状態通知メッセージは、救助要請の現在の状態を通知するメッセージである。要請状態通知メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびUDP(User Datagram Protocol)データの各フィールドを含んでいる。UDPデータは、端末識別子、救助者リスト、近隣APリスト、救助要請者状態、およびタイムスタンプを含んでいる。
送信元アドレスは、AP20または22のエージェントのアドレスである。宛先アドレスは、要請状態通知グループ・アドレスである。端末識別子は、AP20または22において救助者に割り当てられたエージェントにおける救助要請者の無線端末40〜42の端末識別子である。救助者リストは、エージェントを割り当てられた救助者の無線端末45〜47のアドレスのリストである。近隣APリストは、エージェントにおける救助要請者の無線端末40〜42の近隣APリストである。救助要請者状態は、エージェントにおける救助要請者状態である。タイムスタンプは、エージェントにおけるタイムスタンプである。
AP20によって送信される要請状態通知メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_Agent#x”、および宛先アドレス“MC_ADDR_#m2”を含んでいる。要請状態通知メッセージは、さらに、例えば、端末識別子“#x”、救助者リスト“ADDR_#y、ADDR_#y2”、近隣APリスト“#a、#α、#γ”、および救助要請者状態“脈拍:80、酸素飽和度:97”を含んでいる。
図19は、救助者の無線端末45等によって送信される要請存在通知参加メッセージ(MLD−join)の例を示している。
要請存在通知参加メッセージは、リスナーが受信しようとする要請存在通知グループ宛ての要請存在通知をランデブポイントまたは送信元APに伝えるものである。要請存在通知参加メッセージは、参加要請存在情報に関するマルチキャスト配信またはマルチキャスト・グループへの参加信号、参加表明信号または参加要求信号でもある。要請存在通知参加メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびICMPv6(Internet Control Message Protocol for IPv6)データの各フィールドを含んでいる。ICMPv6データは、タイプ、およびマルチキャスト・アドレス・レコードを含んでいる。
送信元アドレスは、救助者の無線端末45〜47のアドレスである。宛先アドレスは、全てのマルチキャスト・ルータに対するマルチキャスト・アドレスである。タイプは、ルータにマルチキャストを受信させるための、リスナーのレポートを表す“Type = Version 2 Multicast Listener Report”である。マルチキャスト・アドレス・レコードは、レコード・タイプ、マルチキャスト・アドレス、および受信するマルチキャスト配信のAPの送信元アドレス(SA)を含んでいる。APの送信元アドレスは、DSNの名前解決法によって、AP識別子から取得することができる。代替形態として、AP識別子はAPのIPアドレスであってもよい。
無線端末45からの要請存在通知参加メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#y”、および宛先アドレス“FF02:0:0:0:0:0:0:16”を含んでいる。マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、レコード・タイプ“Record Type = Allow_New_Sources”、およびマルチキャスト・アドレス(要請存在通知グループ・アドレス)“MC_ADDR_#m1”を含んでいる。マルチキャスト・アドレス・レコードは、さらに、例えば、マルチキャスト配信のAPの送信元アドレス“ADDR_#b”、“ADDR_#β”および“ADDR_#γ”を含んでいる。
図20は、救助者の無線端末45等によって送信される要請状態通知参加メッセージ(MLD−join)の例を示している。
要請状態通知参加メッセージは、リスナーが受信しようとする要請状態通知グループ宛ての要請状態通知をランデブポイントまたは送信元APに伝えるものである。要請状態通知参加メッセージは、救助要請情報に関するマルチキャスト配信またはマルチキャスト・グループへの参加表明信号または参加要求信号でもある。要請状態通知参加メッセージは、要請存在通知参加メッセージと同様に、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびICMPv6データの各フィールドを含んでいる。
送信元アドレスは、救助者の無線端末45〜47のアドレスである。宛先アドレスは、全てのマルチキャスト・ルータに対するマルチキャスト・アドレスである。この場合、マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、マルチキャスト・アドレス(要請状態通知グループ・アドレス)“MC_ADDR_#m2”およびマルチキャスト配信のエージェントの送信元アドレス“ADDR_Agent#x”を含んでいる。
図21は、救助者の無線端末45等によって送信される要請存在通知離脱メッセージ(MLD−leave)の例を示している。
要請存在通知離脱メッセージは、リスナーが離脱しようとする要請存在通知グループをランデブポイントまたは送信元APに伝えるものである。要請存在通知離脱メッセージは、参加要請存在情報に関するマルチキャスト配信またはマルチキャスト・グループから離脱するための離脱信号でもある。要請存在通知離脱メッセージは、要請存在通知参加メッセージと同様に、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびICMPv6データの各フィールドを含んでいる。
送信元アドレスおよび宛先アドレスは、要請存在通知参加メッセージと同様の各フィールドを含んでいる。この場合、マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、レコード・タイプ“Record Type = Block_Old_Sources”、およびマルチキャスト・アドレス(要請存在通知グループ・アドレス)“MC_ADDR_#m1”を含んでいる。マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、APの送信元アドレス“ADDR_#a”、“ADDR_#α”、“ADDR_#γ”、“ADDR_#b”、“ADDR_#b2”および“ADDR_#b3”を含んでいる。
図22は、救助者の無線端末45等によって送信される要請状態通知離脱メッセージ(MLD−leave)の例を示している。
要請状態通知離脱メッセージは、リスナーが離脱しようとする要請状態通知グループをランデブポイントまたは送信元APに伝えるものである。要請状態通知離脱メッセージは、救助要請情報に関するマルチキャスト配信またはマルチキャスト・グループから離脱するための離脱信号でもある。要請状態通知離脱メッセージは、要請状態通知参加メッセージと同様の各フィールドを含んでいる。この場合、マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、レコード・タイプ“Record Type = Block_Old_Sources”、およびマルチキャスト・アドレス(要請状態通知グループ・アドレス)“MC_ADDR_#m2”を含んでいる。マルチキャスト・アドレス・レコードは、例えば、マルチキャスト・アドレス(要請状態通知グループ・アドレス)“MC_ADDR_#m2”、およびマルチキャストのエージェントの送信元アドレス“ADDR_Agent#x”を含んでいる。
次は、救助要請者の無線端末40〜42における救助要請メッセージの生成と、AP20および22におけるエージェントの生成とについて説明する。以下の無線端末40に関する動作および処理の説明は、他の無線端末41、42等にも同様に適用される。また、以下のAP20に関する動作および処理の説明は、他のAP22等にも同様に適用される。
無線端末40は、無線端末40が災害速報を受信した後で一定または閾値の時間経過しても救助要請者となる所持者による操作が無いことを検出するか、または救助要請者によって無線端末40の救助要請処理機能を起動する操作が行われる。その際、無線端末40は、例えば、気象庁、地方自治体または移動体通信会社から災害速報をブロードキャストまたはユニキャストで受信してもよい。上述の無操作が検出されまたは救助要請処理機能が起動されると、無線端末40のプロセッサ402(またはその救助要請処理部4024)は、救助要請処理を開始し、近隣AP20、30および33の1つのAP20(a)に救助要請メッセージを送信する。AP20は、救助要請メッセージを受信して受け付け、応答メッセージを無線端末40に送信する。その際、無線端末40は、図7に例示された無線端末40のデータを使用する。
図25は、救助要請者の無線端末40によって実行される救助要請メッセージの生成および送信、およびAP20によって実行されるエージェントの生成および応答メッセージの送信のための処理のフローチャートの例を示している。
図25を参照すると、ステップ652において、無線端末40のプロセッサ402(救助要請処理部4024)は、無線通信範囲7にある近隣のAP20等と無線通信して近隣のAP20等の情報を収集して、近隣APリストを生成して記憶部404に保存する。近隣APリストは図6に例示されている。
ステップ654において、プロセッサ402(救助要請処理部4024)は、無線端末40の所持者である救助要請者の状態情報を収集して記憶部404に保存する。救助要請者の状態情報は、無線端末40〜42のまたは無線端末40〜42に接続された身体測定器またはセンサによって検知された値または状態であっても、または救助要請者の操作によって無線端末40に入力された値または状態であってもよい。
ステップ656において、プロセッサ402(救助要請処理部4024)は、端末識別子、近隣APリスト、救助要請者状態およびタイムスタンプを含む救助要請メッセージを生成して、無線通信部420を介してAP20に送信する。AP20のプロセッサ202(またはその救助支援管理部2024)は、救助要請メッセージを、無線通信部212を介して受信する。救助要請メッセージは図14Aに例示されている。
ステップ672において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、受信した救助要請メッセージから端末識別子を取り出す。ステップ674において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、生成されたエージェントが存在する場合、記憶部404における、取り出した端末識別子を含むエージェントを検索する。
ステップ676において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、取り出した端末識別子を含むエージェントがあるかどうかを判定する。端末識別子を含むエージェントが存在すると判定された場合、手順はステップ678に進む。端末識別子を含むエージェントが存在しないと判定された場合、手順はステップ680に進む。
ステップ678において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、受信した救助要請メッセージの救助要請情報を、記憶部404における無線端末40(x)のエージェント(Agent#x)に対応づけて保存する。エージェント(Agent#x)のデータは、図9に例示されている。その後、手順はステップ684に進む。
ステップ680において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、無線端末40(x)のエージェント(Agent#x)を生成して、受信した救助要請メッセージの救助要請情報をエージェントに対応づけて記憶部404に保存する。ステップ682において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェント・リストにおける無線端末40のエージェント(Agent#x)の救助者募集表示を“募集中”と設定する。エージェント・リストは、図8に例示されている。その後、手順はステップ684に進む。
ステップ684において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェント・アドレスを含む応答メッセージを、無線通信部212を介して無線端末40に送信する。ステップ658において、無線端末40のプロセッサ402(救助要請処理部4024)は、応答メッセージを、無線通信部420を介して受信する。応答メッセージは、図14Bに例示されている。
ステップ660において、プロセッサ402(救助要請処理部4024)は、受信した応答メッセージのエージェント・アドレスを記憶部404に保存する。その後、手順は図25のルーチンを出る。
このようにして、AP20は、救助要請者に関する救助要請情報を含む無線端末40のエージェントを生成して保持することができる。
次は、救助者の無線端末45〜47における無線基地局探索のための処理について説明する。以下の無線端末45に関する動作および処理の説明は、他の無線端末46、47等にも同様に適用される。
図26は、救助者の無線端末45によって実行される、無線基地局探索のための処理のフローチャートの例を示している。
図26を参照すると、ステップ742において、無線端末45のプロセッサ402(またはその救助支援処理部4026)は、無線通信範囲9にある近隣のAP25等と無線通信してAP25等の情報を収集して、近隣APリストを生成して記憶部404に保存する。その際、無線端末45は、図13に例示された無線端末45のデータを使用する。無線端末45のデータは、図6に例示された近隣APリストを含んでいる。
ステップ744において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、近隣APリスト中のAP識別子を、その拡張段数を1として、記憶部404における救助要請存在通知グループ送信元リストに登録する。救助者の無線端末45の救助要請存在通知グループ送信元リストは、図12に例示されている。
ステップ746において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、現在の探索範囲拡張段数を1に設定する。
ステップ748において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請存在通知参加メッセージを、要請存在通知グループ宛てにAP25を介してマルチキャストで送信する。要請存在通知参加メッセージは、要請存在通知グループ送信元リスト中の各AP識別子のAPアドレスを、マルチキャスト・アドレス・レコードの送信元アドレス(SA)として含んでいる。APの送信元アドレスは、DSNの名前解決法によって、AP識別子から取得することができる。代替形態として、AP識別子はAPアドレスであってもよい。要請存在通知参加メッセージは、図19に例示されている。
このようにして、無線端末45によって送信された要請存在通知参加メッセージは、拡張段数1のAP25、31および33に達することができる。
救助者の無線端末45は、要請存在通知参加メッセージを送信した後で一定または閾値の時間が経過しても、現在の探索範囲でAP(25、31等)からマルチキャストで送信された救助要請存在通知メッセージを受信しない場合に、探索範囲を拡張する。
図27は、救助者の無線端末45によって実行される、探索範囲拡張のための処理のフローチャートの例を示している。以下のAP25に関する動作および処理の説明は、他のAP26、27等にも同様に適用される。
図28Aは、救助者の無線端末45によって送信される近隣AP問合せメッセージの例を示している。また、図28Bは、問合せ先のAP(31、33等)によって送信される、近隣AP問合せメッセージに対する応答メッセージの例を示している。
図28Aにおいて、近隣AP問合せメッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)を含んでいる。例えば、送信元アドレスは救助者の無線端末45のアドレス“ADDR_#y”であり、宛先アドレスは問合せ先のAP33のアドレス“ADDR_#γ”である。
図28Bにおいて、応答メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)、宛先アドレス(DA)、およびTCPデータを含んでいる。例えば、送信元アドレスは問合せ先のAPのアドレス“ADDR_#γ”であり、宛先アドレスは救助者の無線端末45のアドレス“ADDR_#y”である。TCPデータは、例えば、AP33の近隣APリスト“#a、#α、#b、#b2、#b3、#β”(AP識別子)を含んでいる。
図27を参照すると、ステップ762〜772は、救助者の無線端末45における要請存在通知グループ送信元リストにおいて、現在の探索範囲拡張段数(例えば、1)と等しい拡張段数の各AP(25、31、33)について繰り返し実行される。
ステップ764において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、近隣AP問合せメッセージを、AP25を介して上述の拡張段数の1つのAP(33等)に送信する。AP(33等)のプロセッサ202(またはその処理部2028)は、有線通信部210を介して、近隣AP問合せメッセージを受信する。
ステップ766において、近隣AP問合せメッセージを受信したAP(33等)のプロセッサ202は、自己の近隣APリストの情報を含む応答メッセージを、有線通信部210を介して無線端末45に送信する。
ステップ768において、無線端末45のプロセッサ402(救助支援処理部4026)は、AP25を介し無線通信部420を介して応答メッセージを受信する。ステップ770において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、受信した応答メッセージにおける近隣APリスト内のAPのうち、要請存在通知グループ送信元リストにおいて未登録のAPを、要請存在通知グループ送信元リストに追加する。その際、追加されるAP識別子の拡張段数は、現在の探索範囲拡張段数+1と設定される。
ステップ762〜772によって、救助要請の探索範囲が、探索済みのAPの隣接のAPまで拡張できる。
ステップ772の後のステップ774において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、現在の探索範囲拡張段数に1を加算する(+1)。
ステップ776において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請存在通知参加メッセージを生成し、要請存在通知参加メッセージを、要請存在通知グループ宛てにAP25を介してマルチキャストで送信する。その際、要請存在通知参加メッセージにおいて、現在の探索範囲拡張段数(例、2)と等しい拡張段数の各AP(20、30、26等)、即ちステップ770で追加されたAPのアドレスが、マルチキャスト・アドレス・レコードの送信元アドレスとして設定される。それによって、次の探索範囲拡張段数(例えば、2)のAP(20、30、26、27)において、要請存在通知グループに無線端末45が追加できる。
図27の処理は、無線端末40が要請存在通知参加メッセージを送信した後で要請存在通知メッセージを受信するまで繰り返し実行される。それによって、探索範囲を段階的に拡張することが可能である。
このようにして、現在の探索範囲の境界領域にあるAPに対してのその近隣APを問い合わせて近隣APに要請存在通知参加メッセージを送信する処理を繰り返すことにより、救助要請存在通知メッセージを受信しようとする送信元APの範囲が拡大可能である。それによって、救助者の無線端末45に対して、距離的に概してより近いAP20の通信範囲に位置する救助要請者の無線端末40を対応付けることが可能である。
次は、AP20における、救助要請者の無線端末40(x)に対応するエージェント(Agent#x)に関する要請存在通知メッセージおよび救助要請状態通知メッセージの生成とマルチキャストでの送信のための処理について説明する。
図29は、AP20によって実行される、要請存在通知メッセージおよび救助要請状態通知メッセージを生成してマルチキャストで送信するための処理のフローチャートの例を示している。図29の処理は、例えば、10秒のような周期で繰り返し実行されてもよい。
図29を参照すると、ステップ802において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェント・リスト中に、救助者募集表示が“募集中”のエージェントが存在するかどうかを判定する。“募集中”のエージェントが存在すると判定された場合、手順はステップ804に進む。“募集中”のエージェントが存在しないと判定された場合、手順はステップ806に進む。
ステップ804において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、自APアドレスを送信元として、要請存在通知メッセージを要請存在通知グループ宛てにマルチキャストで、有線通信部210を介して送信する。要請存在通知メッセージは、図15に例示されている。その後、手順はステップ806に進む。
ステップ806〜812は、エージェント・リスト中の各エージェントについて繰り返し実行される。
ステップ808において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、1つのエージェントの救助者リスト中に救助者の無線端末が存在するかどうかを判定する。無線端末が存在すると判定された場合、手順はステップ810に進む。無線端末が存在しないと判定された場合、手順はステップ812に進む。エージェントの救助者リストは、図10に例示されている。
ステップ810において、プロセッサ202(救助支援管理部2024のエージェント(x))は、救助要請者の無線端末40に関する要請状態通知メッセージを、要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで、有線通信部210を介して送信する。ここで、要請状態通知メッセージは、端末識別子、救助者リスト、近隣APリスト、救助要請者状態、およびタイムスタンプを含んでいる。要請状態通知メッセージは、図18に例示されている。ステップ808〜810がエージェント・リストの各エージェントについて繰り返された後、手順は図29のルーチンを出る。
このようにして、要請存在通知メッセージおよび救助要請状態通知メッセージは、救助者の無線端末45等によって受信可能になる。
次は、救助者の無線端末45によって実行される救助参加メッセージの送信、およびAP20によって実行される参加確認メッセージの送信のための処理について説明する。
図30Aおよび30Bは、要請存在通知メッセージの受信時に救助者の無線端末45によって実行される救助参加メッセージの送信、およびAP20によって実行される参加確認メッセージの送信のための処理のフローチャートの例を示している。
図30Aを参照すると、救助者の無線端末45が無線通信部420を介して要請存在通知メッセージを受信すると、無線端末45によってステップ852が実行される。ステップ852において、無線端末45のプロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請存在通知メッセージの送信元APに対応する、記憶部204の要請存在通知グループ送信元リスト中の拡張段数を取得する。
ステップ854において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、自己の端末識別子、近隣APリストおよび拡張段数を含む救助参加メッセージを生成して、要請存在通知メッセージの送信元のAP20宛てにユニキャストでAP25を介して送信する。救助参加メッセージは、図16に例示されている。
図30Bを参照すると、ステップ860において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、救助参加メッセージを、有線通信部210を介して受信する。ステップ862において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェント・リスト中の、救助者募集状態が“募集中”のエージェントを選択する。
ステップ864において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、救助者募集状態が“募集中”のエージェントが存在するかどうかを判定する。“募集中”のエージェントが存在すると判定された場合は、手順はステップ872に進む。“募集中”のエージェントが存在しないと判定された場合は、手順はステップ870に進む。
ステップ870において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、“募集終了”を含む参加確認メッセージを、無線端末45にユニキャストで有線通信部210を介して送信する。参加確認メッセージは、図17に例示されている。その後、手順は図30Bのルーチンを出る。
ステップ872において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、“募集中”のエージェント(Agent#x)に対応する救助者リストに、受信した救助参加メッセージの端末識別子(#y)を追加する。それによって、AP20は、救助要請者の無線端末40を救助者の無線端末45に割当てることができる。
ステップ874において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、救助者リストにおける救助者の登録人数が募集人数の閾値以上となったかどうかを判定する。登録人数が閾値以上となったと判定された場合は、手順はステップ876に進む。登録数が閾値以上でないと判定された場合は、手順はステップ880に進む。
ステップ876において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェント(Agent#x)に対応する救助者募集表示に“確保済”を設定する。それによって、AP20は、各無線端末40の救助者募集人数が確保できるまで、1人以上の救助者の無線端末45〜47に、順次、各無線端末40を割当てることができる。
ステップ880において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、“参加要請”を含む参加確認メッセージを無線端末45にユニキャストで、有線通信部210を介して送信する。図30Aのステップ890において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、参加確認メッセージを受信する。
ステップ892において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、参加確認メッセージが“参加要請”を含むかどうかを判定する。参加確認メッセージが“参加要請”を含むと判定された場合、手順はステップ894に進む。参加確認メッセージが“参加要請”を含まないと判定された場合、手順は図30Aのルーチンを出る。
ステップ894において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請存在通知離脱メッセージを、要請存在通知グループ宛てにマルチキャストでAP25を介して送信し、自己の要請存在通知グループ送信元リスト中の全てのレコードを削除する。要請存在通知離脱メッセージは、図21に例示されている。
ステップ896において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、参加確認メッセージの救助要請情報を記憶部404に保存する。
ステップ898において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請状態通知参加メッセージを、要請状態通知グループ宛てにマルチキャストでAP25を介して送信する。その際、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、要請状態通知参加メッセージにおいて、受信した参加確認メッセージ中のエージェント・アドレスを、マルチキャスト・アドレス・レコードの送信元アドレスとして設定する。それによって、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、AP20のエージェント(Agent#x)から要請状態通知メッセージを受信できるようになる。要請状態通知参加メッセージは、図20に例示されている。また、要請状態通知メッセージは、図18に例示されている。
このようにして、救助者は救助要請者の存在を知ることができ、無線端末45は、救助要請者の無線端末40を割り当てられて、無線端末40の端末アドレスおよび救助要請者状態を取得することができる。
その後、例えば救助要請者の救助が開始された後で要請状態通知グループから離脱する場合、無線端末45は、救助者の操作に従って、要請状態通知離脱メッセージを要請状態通知グループ宛てにマルチキャストで送信する。要請状態通知離脱メッセージは、図22に例示されている。
次は、図23Aおよび23Bの送受信シーケンスによる無線基地局aおよび無線端末yにおけるデータの変化について説明する。
図31Aは、図23Aの送受信シーケンスにおける初期の時間T0での、APaにおける図6および8〜10の一部のデータの例を示している。
図31Aにおいて、救助要請者の無線端末xのエージェントxに関する、エージェント識別子、救助者募集表示、要請者端末識別子、近隣APリスト、救助者募集人数、および救助者リストは、初期状態なので、空白である。
図31Bは、図23Aの送受信シーケンスにおける初期の時間T0での、救助者の無線端末yにおける図6、12および13の一部のデータの例を示している。
図31Bにおいて、救助者の無線端末yに関する、近隣APリスト、要請存在通知グループ送信元リスト、および要請状態通知グループ送信元アドレス(エージェント識別子)は、初期状態なので、空白であり、探索範囲拡張段数は値0である。
図32Aは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T1での、APaにおける図6および8〜10の一部のデータの例を示している。
図32Bは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T1での、救助者の無線端末yにおける図6、12および13の一部のデータの例を示している。
APaは、図23Aのステップ502において救助要請者の無線端末xから救助要請メッセージを受信し、ステップ504においてエージェントxを生成し、ステップ508において要請存在通知メッセージをマルチキャストで送信する。従って、図32Aにおいて、時間T1では、APaでの、無線端末xのエージェントxに関する、エージェント識別子、救助者募集表示、要請者端末識別子は、“Agent#x”、“募集中”、“#x”となる(破線)。また、APaでの、無線端末xに関する、近隣APリスト、救助者募集人数は、無線端末xから受信する“#a、#α、#γ”、“2”(破線)となる。
図32Bにおいて、救助者の無線端末yは通信前なので、無線端末yに関する、近隣APリスト、要請存在通知グループ送信元リスト、探索範囲拡張段数、および要請状態通知グループ送信元アドレスには、変化がない。
図33Aは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T2での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図32Bは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T2での、救助者の無線端末yにおける図6、12および13の一部のデータの例を示している。
救助者の無線端末yは、図23Aのステップ510において、近隣APリストを生成し、探索範囲拡張段数を最初の値“1”にして、要請存在通知参加メッセージをAPb、βおよびγに送信する。従って、図32Bにおいて、時間T2では、無線端末yに関する、近隣APリスト、要請存在通知グループ送信元リスト、探索範囲拡張段数は、“#b、#β、#γ”、拡張段数“1”が設定された“#b、#β、#γ”、“1”と変化している。
一方、図23Aのステップ510において、救助者の無線端末yから送信された要請存在通知参加メッセージはAPb、βおよびγに達しているが、APaには達してない。従って、図33Aにおいて、APaにおける、無線端末xのエージェントxに関する、エージェント識別子、救助者募集表示、要請者端末識別子、近隣APリスト、および救助者募集人数には、時間T2において、変化がない。
図34Aは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T3での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図34Bは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T3での、救助者の無線端末yにおける図6、12および13の一部のデータの例を示している。
救助者の無線端末yは、図23Aのステップ522〜532において、APb、βおよびγからそれぞれの近隣APリストを取得する。次いで、無線端末yは、ステップ534において、探索範囲拡張段数を値“2”にして、要請存在通知参加メッセージをAPa、α、b2、b3に送信する。従って、図34Bにおいて、時間T3では、無線端末yに関する、要請存在通知グループ送信元リストは、拡張段数“2”がそれぞれ設定される“#a、#α、#b2、#b3”が追加され、探索範囲拡張段数は“2”に更新されている(破線)。一方、図34Aにおいて、APaにおける、無線端末xのエージェントxに関する、エージェント識別子、救助者募集表示、要請者端末識別子、近隣APリスト、および救助者募集人数には、変化がない。
図35Aは、図23Bの送受信シーケンスにおける時間T4での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図35Bは、図23Bの送受信シーケンスにおける時間T4での、救助者の無線端末yにおける図6、12および13の一部のデータの例を示している。
救助者の無線端末yは、図23Bのステップ542〜546において、要請存在通知メッセージを受信して救助参加メッセージをAPaに送信し、APaから参加確認メッセージを受信する。従って、図35Bにおいて、時間T4では、無線端末yに関する、要請状態通知グループ送信元アドレスには、エージェント・アドレス“ADDR_Agent#x”が追加されている。一方、図35Aにおいて、時間T4では、APaにおける、救助者リストには、無線端末yの端末識別子“#y”が追加されている。
また、無線端末yは、図23Bのステップ548において、要請存在通知離脱メッセージをAPb、β、γ、a、α、b2、b3に送信する。従って、図35Bにおいて、時間T4では、無線端末yに関して、要請存在通知グループ送信元リスト中の全てのAP識別子が削除され(一点鎖線)、探索範囲拡張段数が初期の値“0”に変化している(破線)。
このようにして、救助者の無線端末yは、未知の救助要請者の無線端末xの端末アドレスを取得して無線端末xと通信できるようになり、それによって救助要請者に関する他の情報も取得できるようになる。
次は、図24Aの送受信シーケンスによるAPaおよび無線端末y、y2、y3におけるデータの変化について説明する。
図36Aは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T4での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。図36Aは、図35Aと同様である。
図36B〜36Dは、図23Aの送受信シーケンスにおける時間T4での、救助者の無線端末y〜y3における図6、12および13の一部のデータの例を示している。図36Bは、図35Bと同様である。
図36Cおよび36Dにおいて、救助者の無線端末y2、y3に関する、近隣APリスト、要請存在通知グループ送信元リスト、および要請状態通知グループ送信元アドレス(エージェント識別子)は、初期状態なので、空白であり、探索範囲拡張段数は値0である。
図37Aは、図24Aの送受信シーケンスにおける時間T5での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図37B〜37Dは、図24Aの送受信シーケンスにおける時間T5での、救助者の無線端末y〜y3における図6、12および13の一部のデータの例を示している。
図37Cから、救助者の無線端末y2は、図24Aのステップ562の前に、近隣APリスト“#b2”を生成し、探索範囲拡張段数を値“1”、“2”に順次変更して、要請存在通知参加メッセージをAPb2、およびAPγおよびbに順次送信したことが分かる。その後、無線端末y2は、ステップ562において、探索範囲拡張段数を値“3”に変更して(破線)、要請存在通知参加メッセージをAPa、α、b3およびβに順次送信する(破線)。それによって、要請存在通知参加メッセージがAPaに到達する。
図37Dから、救助者の無線端末y3は、図24Aのステップ564の前に、近隣APリスト“#b3”を生成し、探索範囲拡張段数を値“1”、“2”に順次変更して、要請存在通知参加メッセージをAPb3、およびAPβおよびγに順次送信することが分かる。その後、無線端末y3は、ステップ564において、探索範囲拡張段数を値“3”に変更して(破線)、要請存在通知参加メッセージをAPa、α、bおよびb2に順次送信する(破線)。それによって、要請存在通知参加メッセージがAPaに到達する。
従って、図37Cにおいて、時間T5では、無線端末y2に関する、近隣APリストおよび探索範囲拡張段数は、“#b2”および“3”となっている。また、要請存在通知グループ送信元リストは、拡張段数“1”が設定された“#b2”、拡張段数“2”が設定された“#γ、#b”、および拡張段数“3”が設定された“#a、#α、#b3、#β”を含んでいる。
また、図37Dにおいて、時間T5では、無線端末y3に関する、近隣APリストおよび探索範囲拡張段数は、“#b3”および“3”となっている。また、要請存在通知グループ送信元リストは、拡張段数“1”が設定された“#b3”、拡張段数“2”が設定された“#β、#γ”、および拡張段数“3”が設定された“#a、#α、#b、#b2”を含んでいる。
図38Aは、図24Aの送受信シーケンスにおける時間T6での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図38B〜38Dは、図24Aの送受信シーケンスにおける時間T6での、救助者の無線端末y〜y3における図6、12および13の一部のデータの例を示している。
救助者の無線端末y2は、図24Aのステップ572、574、578において、要請存在通知メッセージを受信して救助参加メッセージをAPaに送信し、APaから参加確認メッセージを受信する。従って、図38Cにおいて、時間T6では、無線端末y2に関する、要請状態通知グループ送信元アドレスには、エージェント・アドレス“ADDR_Agent#x”が追加されている。一方、図38Aにおいて、時間T6では、APaにおける救助者リストには、無線端末y2の端末識別子“#y2”が追加され、APaにおける救助者募集表示が“確保済”に変化している。
また、無線端末y2は、図24Bのステップ582において、要請存在通知離脱メッセージを送信する。従って、図38Cにおいて、時間T6では、無線端末y2に関して、要請存在通知グループ送信元リストの全てのAP識別子が削除され(一点鎖線)、探索範囲拡張段数が初期値“0”に変化している。
また、救助者の無線端末y3は、図24Aのステップ572、576、580において、要請存在通知メッセージを受信して救助参加メッセージをAPaに送信し、APaから募集の終了を表す参加確認メッセージを受信する。従って、図38Dにおいて、時間T6では、無線端末y3に関するエージェント・アドレスに変化がない。
このようにして、救助者の無線端末y2は、未知の救助要請者の無線端末xの端末アドレスを取得して無線端末xと通信できるようになり、それによって救助要請者に関する他の情報も取得できるようになる。
次は、図24Bの送受信シーケンスによる無線基地局aおよび無線端末y、y2、y3におけるデータの変化について説明する。
図39Aは、図24Bの送受信シーケンスにおける時間T7での、APaにおける図6および8〜10の一部のデータの例を示している。
図39B〜39Dは、図23Bの送受信シーケンスにおける時間T7での、救助者の無線端末y〜y3における図6、12および13の一部のデータの例を示している。
APaは、図24Bのステップ592において救助要請者の無線端末x2から救助要請メッセージを受信し、ステップ594においてエージェントx2を生成して無線端末x2に送信する。従って、図39Aにおいて、時間T7では、APaでの、無線端末x2のエージェントx2に関する、エージェント識別子、救助者募集表示、要請者端末識別子は、“Agent#x2”、“募集中”、および“#x2”となる(破線)。また、APaでの、無線端末x2に関する、近隣APリスト、および救助者募集人数は、無線端末x2から受信した“#a”、“2”(破線)となる。
図40Aは、図24Bの送受信シーケンスにおける時間T8での、APaにおける図6、および8〜10の一部のデータの例を示している。
図40B〜40Dは、図24Bの送受信シーケンスにおける時間T8での、救助者の無線端末y〜y3における図6、12および13の一部のデータの例を示している。
救助者の無線端末y3は、図24Bのステップ602〜606において、要請存在通知メッセージを受信して救助参加メッセージをAPaに送信し、APaから参加確認メッセージを受信する。従って、図40Dにおいて、時間T8では、無線端末y3に関する、要請状態通知グループ送信元アドレスには、エージェント・アドレス“ADDR_Agent#x2”が追加されている。一方、図40Aにおいて、時間T8では、APaにおける、救助者リストには、エージェント識別子“Agent#x2”の無線端末y3の端末識別子“#y3”が追加されている。
また、無線端末y3は、図24Bのステップ608において、要請存在通知離脱メッセージを送信する。従って、図40Dにおいて、時間T8では、無線端末y3に関して、要請存在通知グループ送信元リストの全てのAP識別子が削除され(一点鎖線)、探索範囲拡張段数が初期値“0”に変化している。
このようにして、救助者の無線端末y3は、未知の救助要請者の無線端末x2の端末アドレスを取得して無線端末x2と通信できるようになり、それによって救助要請者に関する他の情報も取得できるようになる。
次は、救助者の無線端末45〜47による、AP20のエージェント(Agent#x)における救助者募集人数の変更について説明する。救助者は、救助要請者の状況を考慮して、エージェントのデータにおける救助者募集人数では足りないまたは多すぎると判断し、救助者募集人数を増加させたいことがある。
図41は、救助者の無線端末45〜47およびAP20および22によって実行される、AP20および22のエージェントxにおける救助者募集人数を追加するための処理のフローチャートの例を示している。
図42Aは、無線端末45によってAP20のエージェントに送信される募集人数変更メッセージの例を示している。
図42Bは、AP20のエージェントによって無線端末45に送信される応答メッセージの例を示している。
図42Aの募集人数変更メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、募集人数を含んでいる。
図42Aにおいて、送信元アドレスは、救助者の無線端末45〜47のアドレスである。宛先アドレスは、宛先のAP20または22のエージェント・アドレスである。募集人数は、無線端末45〜47において救助者によって入力された人数である。
募集人数変更メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#y”、および宛先アドレス“ADDR_Agent#x”を含んでいる。TCPデータは、例えば、募集人数“5”を含んでいる。
図42Aの募集人数変更メッセージは、L1ヘッダ、L2ヘッダ、IPヘッダに送信元アドレス(SA)および宛先アドレス(DA)、およびTCPデータの各フィールドを含んでいる。TCPデータは、募集人数を含んでいる。
図42Bにおいて、送信元アドレスは、宛先のAP20または22のエージェント・アドレスである。宛先アドレスは、募集人数変更メッセージを送信した無線端末45〜47のアドレスである。募集人数は、AP20または22のエージェントにおいて設定された救助者募集人数である。
募集人数変更メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_Agent#x”、および宛先アドレス“ADDR_#y”を含んでいる。TCPデータは、例えば、募集人数“3”を含んでいる。
応答メッセージは、例えば、送信元アドレス“ADDR_#y”、および宛先アドレス“ADDR_Agent#x”を含んでいる。TCPデータは、例えば、募集人数“5”を含んでいる。
図41を参照すると、ステップ922において、無線端末45のプロセッサ402(救助支援処理部4026)は、無線端末45上で救助者によって入力された募集人数を受け付ける。ステップ924において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、募集人数変更メッセージに募集人数を設定して、AP20のエージェント・アドレス宛てに送信する。AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、募集人数変更メッセージを受信する。
ステップ930において、AP20のプロセッサ202(救助支援管理部2024)は、受信した募集人数変更メッセージから募集人数を取り出す。
ステップ932において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェントのデータにおける救助者募集人数と、受信した募集人数とを比較して、救助者募集人数が募集人数より少ないかどうかを判定する。救助者募集人数が募集人数より少ないと判定された場合は、手順はステップ934に進む。救助者募集人数が募集人数以上であると判定された場合は、手順はステップ940に進む。エージェントにおける救助者募集人数が、受信した募集人数以上である場合は、救助者募集人数が維持される。
ステップ934において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェントのデータにおける救助者募集人数に、受信した募集人数を設定する。それによって、AP20は、救助者の要求に従って、救助者の無線端末45に割り当てたエージェントにける救助者募集人数を変更することができる。救助者募集人数は、図9に例示されている。
ステップ936において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、現在の救助者リストの人数が、エージェントの救助者募集人数以上であるかどうかを判定する。現在の救助者リストの人数が既にエージェントの救助者募集人数以上であると判定された場合は、救助者募集状態が確保済になっており、救助者を追加募集しなくてよいので、手順はステップ940に進む。現在の救助者リストの人数が募集人数より少ないと判定された場合は、手順はステップ938に進む。
ステップ938において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、エージェントに対応する救助者募集表示を“募集中”と設定する。
ステップ940において、プロセッサ202(救助支援管理部2024)は、応答メッセージにおける募集人数にエージェントの救助者募集人数を設定する。ステップ942において、無線端末45のプロセッサ402(救助支援処理部4026)は、応答メッセージを無線端末45に送信する。エージェントにおける救助者募集人数が、受信した募集人数より多い場合、応答メッセージにおける募集人数は、助者募集人数変更メッセージにおける募集人数より多いことがある。
ステップ950において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は応答メッセージを受信する。ステップ952において、プロセッサ402(救助支援処理部4026)は、応答メッセージにおける募集人数を現在の救助者募集人数として、表示部412に表示する。
このようにして、無線端末45〜47およびAP20および22は、救助者の無線端末45等から受信した救助者募集人数変更情報に従って、AP20および22における各エージェントの救助者募集人数を追加することができる。
上述のように、実施形態によれば、救助者の無線端末45〜47は、未知の救助要請者の無線端末40〜42と通信できるようになり、救助要請者に関する情報を取得できるようになる。また、救助要請者の無線端末40〜42は、未知の救助者の無線端末45〜47と通信できるようになり、救助要請者に関する情報を提供できるようになる。
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない、と理解される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができる、と理解される。
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)第1の無線端末からの救助要請信号の受信に応答して、当該第1の無線基地局へのアクセス情報をマルチキャスト・グループ宛てにマルチキャストで送信する第1の無線基地局と、
第2の無線端末からの近隣無線基地局探索要求信号の受信に応答して、隣接の無線基地局の識別子を含む応答信号を前記第2の無線端末に送信する第2の無線基地局と、
を含み、
前記応答信号に含まれる無線基地局の識別子に基づく前記第2の無線端末によるマルチキャスト配信への参加表明信号が送信されることを特徴とする、無線通信システム。
(付記2)前記参加表明信号に前記第1の無線基地局(20,a)の識別子が含まれる場合、前記第1の無線基地局からの前記アクセス情報が前記第2の無線端末に送信されることを特徴とする、付記1に記載の無線通信システム。
(付記3)前記参加表明信号に前記第1の無線基地局の識別子が含まれない場合、前記参加表明信号に含まれる識別子の第3の無線基地局が、前記第2の無線端末からの近隣無線基地局探索要求信号の受信に応答して、隣接の無線基地局の識別子を含む応答信号を前記第2の無線端末に送信することを特徴とする、付記1または2に記載の無線通信システム。
(付記4)前記第1の無線基地局からの前記アクセス情報が前記第2の無線端末に送信された後、前記第1の無線基地局に前記第2の無線端末から情報要求信号が送信されることを特徴とする、付記1または2に記載の無線通信システム。
(付記5)前記第1の無線基地局は、前記情報要求信号の受信に応答して、前記第1の無線端末に前記第2の無線端末を割当てる端末情報管理部の識別子を含む別の応答信号を前記第2の無線端末に送信することを特徴とする、付記4に記載の無線通信システム。
(付記6)前記第1の無線基地局は、前記救助要請信号の受信に応答して、さらに、前記第1の無線基地局の前記端末情報管理部の救助要請情報を別のマルチキャスト・グループ宛てにマルチキャストで送信することを特徴とする、付記5に記載の無線通信システム。
(付記7)前記別の応答信号の送信後で、前記別の応答信号に含まれる前記端末情報管理部の識別子に基づく前記第2の無線端末による別のマルチキャスト配信への別の参加表明信号が送信されることを特徴とすることを特徴とする、付記6に記載の無線通信システム。
(付記8)前記別の参加表明信号の送信後で、前記第1の無線基地局からの前記救助要請情報が前記第2の無線端末に送信されることを特徴とする、付記7に記載の無線通信システム。
(付記9)前記第1の無線基地局は、前記第1の無線端末に割当てられた無線端末の数または人数が閾値以上になったとき、前記第1の無線端末に関する前記アクセス情報の送信を停止するものであることを特徴とする、付記5乃至8のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記10)前記特定の数は変更可能であることを特徴とする、付記9に記載の無線通信システム。
(付記11)前記第2の無線基地局は、別の無線基地局の隣接の無線基地局であることを特徴とする、付記1乃至10のいずれかに記載の無線通信システム。
(付記12)第1の無線基地局が、第1の無線端末からの救助要請信号の受信に応答して、前記第1の無線基地局へのアクセス情報をマルチキャスト・グループ宛てにマルチキャストで送信し、
第2の無線基地局が、第2の無線端末からの近隣無線基地局探索要求信号の受信に応答して、隣接の無線基地局の識別子を含む応答信号を前記第2の無線端末に送信し、
前記応答信号に含まれる無線基地局の識別子に基づく前記第2の無線端末によるマルチキャスト配信への参加表明信号が送信される
処理を実行する無線通信方法。