JP6454905B2 - ハイパーブランチポリマー - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、好ましくは本明細書に記載される特定の最終用途および/または用途のうちの1つ以上における使用に好適な、改善された特性を有するポリエステルアミドの分野に関する。本発明の特に好ましい実施形態において、ポリエステルアミドはハイパーブランチである。
多くの種類の工業用および/または家庭用のプロセスまたは用途において、高温でおよび/または塩の存在下で溶液中に存続しなければならない高分子物質が使用されている。そのような物質の例としては、製紙および食器洗浄水洗剤(dishwater detergent)において使用される凝集剤が挙げられる。
これらの用途において典型的に使用される水溶性ポリマーは、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマー、ポリエトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアルコール誘導体およびカチオン性またはアニオン性高分子電解質である。
しかしながら、これらの水溶性ポリマーは、特定の不利点を有する。それらは非生分解性であり得、このことが、特定の分野(例えば、下水処理)におけるそれらの使用を妨げている。一部のフェノールポリマーの不利点は、それらの疑われるヒト内分泌系への干渉である。他の水溶性ポリマーは、水生生物に対して毒性である。したがって、高温および/または高塩濃度において依然として可溶のままであり、かつ本明細書に記載される不利点の一部または全部を有さない、水溶性ポリマーに対する必要性が存在する。
ハイパーブランチポリエステルアミドは、異なる官能基を含む様々な異なる種類において登録商標Hybrane(登録商標)の下でDSMから市販されている。多くの汎用型のそのようなハイパーブランチポリマーが存在するが、それらは全てがあらゆる用途に好適であるわけではない。本明細書に記載される用途の一部または全部に特に好適なハイパーブランチポリマーを見出すことが望ましいであろう。
現用のハイパーブランチポリマーは、低い曇り点を有しており、高温に遭遇した場合に、そのような物質は、液体媒体(例えば、水性分散液中)に添加されると、それらの曇り点よりも上では相分離を示し得、粘着性の沈積物およびより低い濃度を結果としてもたらし、したがって、たとえそれらが冷却時に完全に再溶解され得るとしても、それらの最終用途においてそれほど有効ではないことが見出された。したがって、現在利用可能なものよりも高い曇り点を有するハイパーブランチポリマーを提供することが望ましいであろう。驚くべきことに、混合物中の特定の塩の存在もまた、曇り点を低下させることにおいて大きな影響を有しており、硫酸イオンおよび炭酸イオンが、著しい影響を有することも見出された。
Malcolm A.Kelland(J.App.Poly.Sci.15 Aug 2011 pp 2282−2290)は、特定のハイパーブランチポリエステルアミドを、それらの水中での下部臨界溶液温度(LCST)(光学的曇り点として測定される)を調べるために、ジイソプロパノールアミンおよび環状ジカルボン酸無水物から調製することを報告している。Kellandは、「低LCSTを有するポリエステルアミドが生物学的および医学的用途にとって興味深いのに対して、高LCST値を有するポリエステルアミドは...高塩分の生産流体のために...有用であり得る」と結論付けている。
この一般的な記載にもかかわらず、このKellandの論文は、ポリエステルアミドのどの最終用途のためにどの具体的な曇り点値が実際に有用であり得るかについて多くの詳細を提供しておらず、また、わずかに2、3種類のポリエステルアミドの合成しか記載しておらず、したがって、これらはごく限られた数の最終用途についてしか試験されていない。したがって、Kellandにおける結論は、不確かであると見なされ得、新規のおよび既存の最終用途のためにポリエステルアミド製品を開発または最適化することにおいて多くの実際的な支援となるには曖昧すぎると見なされ得る。Kellandは、ベタイン(または類似の)官能基(例えば、本明細書に記載されるもの)を含有するポリエステルアミドを何ら記載も調製もしていない。
本明細書において特定された問題の一部または全部を解決すること、ならびに異なる用途のために最適化された改良されたポリエステルアミドおよびそれらの改善された調製方法を提供することが、本発明の好ましい目的である。
驚くべきことに、本出願人は、(本明細書に規定される条件下において試験された場合に)ある最小値よりも高い曇り点値を有する特定のハイパーブランチポリエステルアミドが、本明細書に記載される最終用途(本明細書において総称して最終用途とも呼ぶ)のうちの1つ以上(例えば、凝集剤としての使用)において特に有用であることを発見した。
したがって、概して、本発明によれば、ポリエステルアミドが、カチオン性部位に隣接しないものであり得る負荷電の部分(例えば、カルボキシレート基)に任意選択で共有結合される水素原子を有さない正荷電のカチオン性部分、好ましくはオニウムイオン(より好ましくは第4級アンモニウムまたはホスホニウムカチオン)を含む任意選択で中性の末端基の少なくとも1種のエステルおよび/またはアミドを含む、(本明細書に記載される値(例えば、少なくとも50℃)のうちの少なくとも1つの曇り点を任意選択で有する)ハイパーブランチポリエステルアミドが提供される。
本発明のハイパーブランチポリエステルアミドは、式1:
Figure 0006454905

[式中、矢印は、式1基からポリエステルアミドへの(例えば、窒素カチオンからポリエステルアミドへの)結合点を示し、および
は、任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボを示し、
Yは、NRまたはOを示し(式中、Rは、Hまたは任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボである)、
は、任意選択で1個以上のヘテロ原子、任意選択で好ましくは1個以上のNまたはOによって置換されている、任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボから選択され、および
式1が双性イオンである場合、すなわち、基R、Rおよび/もしくはRのいずれかが窒素カチオンを相殺するのに適切な量の負電荷を含む場合、pは0であり、すなわち、X−は存在せず、または
基R、RおよびRが中性基である場合、Xは好適なアニオンを表しかつpは窒素カチオンを相殺するのに適切な整数(Xが単一の負電荷を有する場合、好ましくは1)を表し、および
およびRは、独立して、任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボ基(好都合には、任意選択で置換されているC1〜6ヒドロカルボ)を示すか、またはそれらが結合している窒素と一緒に、20個までのC原子および任意選択で1個以上のヘテロ原子を含む環状部分を、全体的にまたは部分的に構成する]
で表される末端基(本明細書において「ベタイン型エステル」基および/またはベタインエステル誘導体とも示される)から選択される少なくとも1個の末端基をその上に含む。
有用には、RおよびRは、独立して、任意選択で置換されているC1〜4ヒドロカルビル基を含み、より好ましくは、両方がメチルである(この場合、式1は、本明細書において「ベタインヒドロカルボエステル誘導体」とも称される、一価のジイメチルグリシニル(diimethylglycinyl)基のヒドロカルボエステルまたはアミドを表す)。
およびRが一緒に環(の一部)を構成し得る代替形態において、それらは共に、任意選択で置換されているC1〜6ヒドロカルビレンを示し得、したがって、それらが結合している窒素カチオンと一緒に環を構成する。RおよびRが環を構成する場合、式1中の矢印が、その環上の任意の好適な箇所に位置し得ること、すなわち、式1の部分が、その環上の任意の原子を介してポリエステルアミドに結合され得ることも理解されるであろう。R、Rおよび/またはRのうちの任意の2つ(例えば、RおよびRまたはRおよびR)は一緒に(1個以上のヘテロ原子(例えば、N、Oおよび/またはS)を任意選択で含む)環を全体的にまたは部分的に構成し得、そのような実施形態もまた、式1の一般範囲に包含されることも理解されるであろう。
その非エステル基均等物と比較したエステル末端基を有することの利点としては、エステルは、一般的に固体ではなく液体であるため、輸送がより容易であり、また、エステルの調製においてより少ない塩が副生物として生じることが挙げられ得る。
有用には、本発明のハイパーブランチポリエステルアミド(特にそれらがカチオン性基も含有する場合)は、少なくとも1種の有機(モノまたはポリ)カルボン酸から得られるおよび/または得られ得る1個以上のアニオン性カルボン酸対イオン(例えば、式1中のX)も含み得る。有用には、Xは、1個以上のカルボン酸アニオンを表す。
好ましい対アニオンは、
6〜22直鎖カルボン酸およびその酸性塩、より好ましくは、C6〜20のモノ不飽和、ジ不飽和または飽和の酸およびその酸性塩;さらにより好ましくは、C6〜18のモノ不飽和または飽和の酸およびその酸性塩;最も好ましくは、クエン酸[HOC(CHCOOH)COOH]、クエン酸の酸性塩(例えば、クエン酸二水素コリン[2−(ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムシトレート])、グルコン酸[HOCH(CHOH)COOH]、オレイン酸[n−オクタデカン−9−エン酸]および/またはリノール酸[n−オクタデカン−9,12−ジエン酸]から選択されるもの;例えば、クエン酸およびその酸性塩(クエン酸が特に好ましい)
を含む、有機カルボン酸から誘導され得る。
本発明の別の態様の一実施形態によれば、(本明細書に記載される値(例えば、少なくとも50℃)のうちの少なくとも1つの曇り点を任意選択で有する)本発明のハイパーブランチポリエステルアミドを調製するための方法が提供され、この方法は、
a)非水性溶媒に反応物を分散させる(好ましくは溶解させる)工程と、
b)反応物をそれに反応させて、非水性溶媒に分散した(好ましくは溶解した)本発明に従うハイパーブランチポリエステルアミドを得る工程と
を含む。
分散させるとは、物質がキャリア流体と混合され、巨視的なスケールではその中に実質的に均一に置かれるが、微視的なスケールでは不均一であり得、(例えば、混合物全体にわたって位置する小さな固体粒子および/もしくはミセル(例えば、コロイドまたはエマルジョン)として)2つ以上の相を形成する場合、ならびに/または、さらに物質がキャリア流体に溶解され、単一の相を形成する場合、ならびに、例えば溶解した物質(溶質)が裸眼で見えないおよび/もしくは濾過により収集できない場合の両方を意味する。
本発明の一実施形態の別の態様は、ポリエステルアミドが、カチオン性部位に隣接しないものであり得る負荷電の部分に共有結合される水素原子を有さない正荷電のカチオン性部分を含む少なくとも1個の末端基を含む、(任意選択で本発明の方法により得られたおよび/または得られ得る)非水性溶媒中の本発明に従うハイパーブランチポリエステルアミドの分散体(好ましくは溶液)を提供する。
好ましい中性の末端基は、第4級アンモニウム双性イオン性末端基(すなわち、正荷電の窒素原子に結合したアニオン性基(好ましくはカルボキシレート)を有する双性イオンを含む)を含む。
本発明の一実施形態において、本発明のハイパーブランチポリエステルアミドは、非水性溶媒中で行われるプロセスから得られるおよび/または得られ得るものであり得る。
好適な非水性溶媒は、本発明の機能性ハイパーブランチポリエステルアミドを溶解する任意の溶媒を含み得る。有用には、好適な溶媒は、標準的な条件下において実質的に完全にエバポレートするものである。
本発明の一実施形態において、溶媒は、5より高い、より好ましくは9より高い、さらにより好ましくは10より高い、最も好ましくは12より高い(例えば、≧15の)親水親油バランス(HLB)を有する溶媒から選択され得る。HLBについての値(これは、0〜20のスケールの無次元数である)は、HLB=20×M/Mという式から算出され、ここで、Mは溶媒の親水性部分の分子質量であり、Mは溶媒全体の分子質量であり、より低いHLB値は、より疎水性の高い溶媒を示す。
溶媒を用いることの別の利点は、配合物の他の成分を含むことができることである。
好適な非水性溶媒は、本発明の機能性ハイパーブランチポリエステルアミドを溶解し、かつその溶液が別の溶媒もしくは水で希釈されることを可能にする、またはその溶液が水性環境において使用されることを可能にする、任意の溶媒を含み得る。好ましくは、他の溶媒は水である。任意選択で、溶媒は、水と混和性である。
具体的な非水性溶媒は、
脂肪族アルコール、非プロトン性極性溶媒(DMSO、エーテル(例えば、THF))、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコール)および/またはそれらの好適な混合物
からなる群から選択され得る。好ましい非水性溶媒は、プロピレングリコールおよび/またはエチレングリコール(例えば、エチレングリコール)から選択される。
本発明の別の実施形態において、本発明のハイパーブランチポリエステルアミドはまた、その上のカチオン性官能基に対アニオンの一部または全部を提供し得る、酸ならびに/または少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、より好ましくは少なくとも20重量%の任意の有機カルボン酸および/もしくはそれらの混合物(例えば、上に記載された任意のもの)を含む水性酸混合物から得られるおよび/または得られ得るものであってもよい。
有用には、本発明のハイパーブランチポリエステルアミド(特にそれらが他のカチオン性基も含有する場合)は、少なくとも1種の有機(モノまたはポリ)カルボン酸(その酸性塩および/または水素塩を含む)から得られるおよび/または得られ得る1個以上のアニオン性カルボン酸対イオンも含み得る。好ましい対アニオンは、
1〜22直鎖カルボン酸およびその酸性塩、より好ましくは、C1〜20のモノ不飽和、ジ不飽和または飽和の酸およびその酸性塩;さらにより好ましくは、C1〜18のモノ不飽和または飽和の酸およびその酸性塩;最も好ましくは、クエン酸[HOC(CH2COOH)2COOH]、クエン酸の酸性塩(例えば、クエン酸二水素コリン[2(ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムシトレート])、グルコン酸[HOCH2(CHOH)4COOH]、オレイン酸[nオクタデカン9エン酸]および/またはリノール酸[nオクタデカン9,12ジエン酸]から選択されるもの;例えば、クエン酸およびその酸性塩(クエン酸が特に好ましい)
を含む、有機カルボン酸から誘導され得る。
本明細書で使用される場合(文脈が明らかに別のことを示さない限り)、有機カルボン酸という用語は、1個または複数のカルボキシ基を(COOHをその上に)有する有機酸、および多塩基カルボン酸の部分中和によって得られ得る全ての酸性塩を包含する。
本発明の別の態様によれば、本明細書に記載される本発明に従うハイパーブランチポリエステルアミドの、凝集剤としての使用が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、水性媒体中に分散した物質を供給する工程と、前記媒体中に分散した物質を凝集させるのに十分な量の本明細書に記載される本発明のハイパーブランチポリエステルアミドのうちの1つ以上および/または本発明のハイパーブランチポリエステルアミドを含む組成物をそこに添加する工程とを含む、水性媒体中に分散した物質を凝集させる方法が提供される。
本発明のハイパーブランチポリエステルアミドは、脱塩水(DMW)においておよび/または塩溶液(例えば、本明細書においてブラインと記載されるもの)において本明細書に記載される試験のうちの1つ以上で測定される場合に、少なくとも50℃、好都合には少なくとも55℃、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは少なくとも80℃、最も好ましくは少なくとも90℃、特に少なくとも100℃の曇り点を有する。ブラインは、様々な種類の塩の水溶液と定義される。塩の種類および濃度は様々であり得、最終用途によって異なり得る。好都合には、本発明のポリエステルアミドは、DMWおよびブラインのうちの少なくとも一方において、より好都合にはブラインにおいて、最も好都合にはDMWおよびブラインの両方において先に記載した値のうちの少なくとも1つの曇り値を有する。
本発明のポリエステルアミドがハイパーブランチポリマーである場合、それらは、下記の刊行物のうちの1つ以上に記載される方法(およびそれらの組み合わせ)によって調製され得る、および/またはそこに記載される構造を有し得る。これらの文献の内容は、参照により援用される。ポリエステルアミドのコア構造は、他の点では本明細書における本発明と一致する下記の文献に記載されている知られている方法のうちの任意のもので、記載されているように形成され得ることが理解されるであろう。本発明は、その上の末端基の性質による新規の改良されたポリエステルアミドに関し、そのコア構造は、本明細書に記載される有利な特性にとってそれほど重要ではない。
本発明の一実施形態において、本発明のハイパーブランチポリエステルアミドは、コア構造として、1種以上のジアルカノールアミンと1種以上の環状無水物との間の重縮合反応から得られるまたは得られ得る部分を含み得る。任意選択で、本明細書に記載されるようにさらなる末端基がコア構造に結合され得る。
本発明のハイパーブランチポリエステルアミドを調製するために使用される環状無水物は、コハク酸無水物、C〜C18アルキルコハク酸無水物、C〜C18アルケニルコハク酸無水物、ポリイソブテニルコハク酸無水物、フタル酸無水物、シクロへキシル−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−3,4−イル−1,2−ジカルボン酸無水物および/またはそれらのうちの2つ以上のものの混合物のうちの少なくとも1つを含み得る。
本発明の別の態様は、本明細書に記載される本発明のハイパーブランチポリエステルアミドを希釈剤(好都合には水)と一緒に含む組成物を提供する。好ましくは、ポリエステルアミドは、重量百分率により組成物全体の0.1%〜50%、より好ましくは0.1%〜10%、最も好ましくは0.1%〜5%の量で組成物中に存在する。
ハイパーブランチポリマーは、多数の分岐部位を含有するポリマーである。2個の末端基を含有するにすぎない従来の線状ポリマーと比べて、ハイパーブランチポリマーは、多数の末端基、例えば、平均して少なくとも5個の末端基、好ましくは平均して少なくとも8個の末端基を、高分子1個当たりに有している。ハイパーブランチポリエステルアミドは、欧州特許第1036106号明細書、欧州特許出願公開第1306401号明細書、国際公開第00/58388号パンフレット、国際公開第00/56804号パンフレットおよび/または国際公開第07/098888号パンフレットに記載されているように、末端基の任意選択の改変を伴って、ジアルカノールアミンと環状無水物との重縮合によって製造され得る。
ポリエステルアミドの化学的性質は、ポリエステルアミドに他の追加の特性を付与するのに有用であり得る種々の官能基の導入を可能にする。好ましい官能性末端基は、−OH、−COOH、−NR(式中、RおよびRは、同じまたは異なるC1〜22アルキルであり得る)、−OOC−Rまたは−COOR(式中、Rは、アルキル基またはアラルキル基である)を含む(例えば、それである)。他の可能な末端基は、ポリマー、シリコーンまたはフルオロポリマーから誘導される。さらに他の末端基は、環状化合物(例えば、ピペリジンおよび/またはその誘導体)から誘導される。これらの官能基を有するハイパーブランチポリエステルアミドは、任意の好適な方法によって製造され得る。例えば、カルボキシ官能性ハイパーブランチポリエステルアミドポリマーは、国際公開第2000/056804号パンフレットに記載されている。ジアルキルアミド官能性ハイパーブランチポリエステルアミドポリマーは、国際公開第2000/058388号パンフレットに記載されている。エトキシ官能性ハイパーブランチポリエステルアミドポリマーは、国際公開第2003/037959号パンフレットに記載されている。ヘテロ官能基化ハイパーブランチポリエステルアミドは、国際公開第2007/090009号パンフレットに記載されている。第2級アミドのハイパーブランチポリエステルアミドは、国際公開第2007/144189号パンフレットに記載されている。ポリマーの望ましい特性を得るために単一のハイパーブランチポリエステルアミド分子において多くの異なる末端基官能基を組み合わせることが可能であり、多くの場合、望ましくさえある。
ハイパーブランチポリエステルアミドの特性は、ポリマー構造を構築するために使用される環状無水物を選択することによって改変され得る。好ましい環状無水物は、コハク酸無水物、アルキルコハク酸無水物(アルキル鎖の長さはC〜C18で変化し得る)、アルケニルコハク酸無水物(アルケニル鎖の長さはC〜C18で変化し得る)、ポリイソブテニルコハク酸無水物、フタル酸無水物、シクロへキシル−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−3,4−イル−1,2−ジカルボン酸無水物および他の環状無水物である。特に好ましいのは、コハク酸無水物およびシクロへキシル−1,2−ジカルボン酸無水物である。所望の追加の特性を有するハイパーブランチポリエステルアミドを製造するために、2種類以上の無水物を組み合わせることが可能である。
さらに、無水物は、同じ生成物を得るために、対応するジカルボン酸に部分的に置き換えられ得る(例えば、コハク酸無水物は、コハク酸に部分的に置き換えられ得るなど)。
一実施形態において、本発明のポリエステルアミドは、同じプロセスにおいて一緒に使用される環状無水物および二酸の両方によって得られ得る。好ましくは、この二酸は、この環状無水物から誘導される。無水物の量についての好ましい重量百分率は、無水物および二酸の総重量に対して1〜99%、より好ましくは10〜90%、最も好ましくは20〜80%である。二酸の好ましい重量百分率は、無水物および二酸の総重量に対して1〜99%、より好ましくは10〜90%、最も好ましくは20〜80%である。
本発明のポリエステルアミドの構造および特性は、広い範囲の極性および界面特性にわたって変更され得る。これにより、これらのハイパーブランチポリエステルアミドは、高温および/またはブラインにおいて水溶性ポリマーが必要とされる場合に様々な問題を解決するために利用可能となる。
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載される用途(最終用途)のいずれか(例えば、例えば紙を製造するための凝集剤としての使用)におけるポリエステルアミド(好ましくはハイパーブランチポリエステルアミド)の使用を広く提供する。
本発明のポリエステルアミドが有利であり得る好ましい最終用途および/または用途は、下記のもののうちの1つ以上である:高温でおよび/または塩の存在下でポリエステルアミドが溶液中に存続することを必要とする用途(例えば、炭酸カルシウム生成の存在下における用途など);地熱エネルギー生産のための地熱井、冷却塔、工業プラントおよび/または熱交換器における冷却水において;例えば製紙における凝集剤、レオロジー改変剤および/または固体粒子の分散剤として、例えばより高い温度および塩が通常存在する食器洗い機における洗剤として;材料工学用途;化学工学、分離プロセス(例えば、抽出蒸留、溶媒抽出、吸収、膜および/またはクロマトグラフィー)、添加剤(例えば、塗料用および/または樹脂用)、生物工学的反応器に基づくプロセス、機能塗料および/もしくは保護塗料の生成、低粘度および/もしくは速乾性を有する塗料の生成、薄膜および/もしくはセンサーの生成、ナノサイズの物質の生成、表面の汚染除去および防汚、生体模倣物質の生成、ならびに/または上述のものの任意の好適な組み合わせ(本明細書において総称して最終用途と呼ぶ)。本発明のポリエステルアミドはまた、生物学的および/または医学的用途(例えば、遺伝子および/もしくは薬物送達、生体適合物質ならびに/または生体相互作用)においても有用であり得る。
本発明において使用され得るハイパーブランチポリエステルアミドは、水溶性であり、かつ任意選択で多くの有機溶媒に可溶であり得る。本発明のなおさらにさらなる他の態様は、本明細書に記載される本発明の方法のうちの任意のものにおける、本明細書に記載されるポリエステルアミド(好ましくはハイパーブランチポリエステルアミド)の使用を広く提供する。
本発明の方法は、ハイパーブランチポリエステルアミドを、単独で、または、具体的な用途によって必要が生じた場合は、他の有効成分を含む組み合わせもしくは配合物として使用し得る。特定の活性を有する他の化合物の例は、腐食防止剤、消泡剤、殺生物剤、洗剤、レオロジー改変剤、および用途によって必要になる他の機能である。本発明に従う方法におけるハイパーブランチポリエステルアミドの適用は、固体もしくは液体として、または当業者により選択され得る溶媒に溶解したものとしてであり得る。
好ましくは、本発明のおよび/または本発明において使用されるポリエステルアミドは、より好ましくは少なくとも100の分子量を有する、3個以上のポリマー中心(polymeric centre)を有する実質的に非線状の分岐高分子(例えば、ポリマー)である。有用には、ポリエステルアミドは、3次元ハイパーブランチポリマー、星形ポリマーまたはデンドリマー高分子である。
好適な無極性基(末端基)は、少なくとも4個の炭素原子を含む任意選択で置換されているヒドロカルボ基であり得る。
本発明のおよび/または本発明において使用される好ましいポリエステルアミドは、極性基と無極性基との(平均)比が約1.1〜約20、より好ましくは1.2〜10、最も好ましくは1.5〜8.0であるものを含む。これらの比は、重量比および/またはモル比であり得、好ましくは重量比である。
本発明のおよび/または本発明において使用されるハイパーブランチポリエステルアミドは、少なくとも1個の有機構成単位および少なくとも1個の、有機価(organo valent)が3(またはそれより高い)の分岐単位から得られるおよび/または得られ得るものであり得、その少なくとも1個の構成単位は、その少なくとも1個の分岐単位と反応することが可能であり;および、その構成単位および/または分岐単位のうちの少なくとも一方(好都合には分岐単位)は、極性部分を含む末端基を含む。
本発明のおよび/または本発明において使用されるより好ましいハイパーブランチポリエステルアミドは、1種以上のポリカルボン酸ならびに/または1種以上のポリカルボン酸から得られるおよび/もしくは得られ得る1種以上の無水物を含む少なくとも1個の構成単位と、少なくとも1個の3官能性窒素原子を含む少なくとも1個の分岐単位とから得られるおよび/または得られ得るものであり得、その少なくとも1個の分岐単位は、極性部分を含む末端基を含む。
構成単位として使用され得るおよび/または構成単位を調製するために使用され得る好適なポリカルボン酸は、好都合には、ジカルボン酸(例えば、C2〜12ヒドロカルボジカルボン酸);より好都合には、直鎖二酸および/または環状二酸;最も好都合には、末端カルボン酸基を有する直鎖二酸(例えば、2−エタン二酸(シュウ酸);3−プロパン二酸(マロン酸);4−ブタン二酸(コハク酸)、5−ペンタン二酸(グルタール酸);6−ヘキサン二酸(アジピン酸);−ヘプタン二酸(ピメリン酸);8−オクタン二酸(スベリン酸);それらの組み合わせ;およびそれらの混合物などの飽和二酸;ならびにZ−(cis)−ブテン二酸(マレイン酸);E−(trans)−ブテン二酸(フマル酸);2,3−ジヒドロキシブタン二酸(酒石酸);それらの組み合わせ;および/またはそれらの混合物などの不飽和二酸からなる群から選択されるもの)であり得る。
本発明のおよび/または本発明において使用される有用なハイパーブランチポリエステルアミドは、任意選択で置換されているC2〜30ヒドロカルボ二酸および/もしくはそれらの無水物、同じ部分上のそれらの組み合わせ;ならびに/または異なる部分上のそれらの混合物を含む少なくとも1個の構成単位から得られるおよび/または得られ得るものであり得る。
本発明における使用のより有用なハイパーブランチポリエステルアミドは、C4〜16アルケニル;C2〜10二酸無水物;C4〜16シクロアルキルジカルボン酸無水物;C2〜10アルカン二酸無水物;フタル酸無水物;同じ部分上のそれらの組み合わせおよび/または異なる部分上のそれらの混合物を含む少なくとも1個の構成単位から得られるおよび/または得られ得るものであり得る。
本発明における使用の最も有用なハイパーブランチポリエステルアミドは、ドデセニル(すなわち、C12アルケニル)コハク酸(すなわち、4−ブタン二酸)無水物;シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物;コハク酸(すなわち、4−ブタン二酸)無水物;同じ部分上のそれらの組み合わせ;および/または異なる部分上のそれらの混合物を含む少なくとも1個の構成単位から得られるおよび/または得られ得るものであり得る。
本発明のおよび/または本発明において使用されるハイパーブランチポリエステルアミドを調製するために使用され得る好適な分岐単位は、3次元(分岐)生成物を生成するために分岐単位上の3つ以上の部位において構成単位および/またはその前駆体(例えば、本明細書に記載されるもののうちの任意のもの)と反応することが可能な任意の部分であり得る。分岐単位とは、ハイパーブランチポリエステルアミドのコア構造を構成し、必ずしも末端基を構成するわけではない単位を示す。
分岐単位は、ポリオキシアルキレン反復単位(例えば、好適な非置換または置換アルキレン基、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびイソブチレン)を含む1個以上のポリオキシアルキレン部分を含み得る。これらの反復単位のうちの1つ以上を含むポリオキシアルキレン部分は、ホモ、ブロックもしくはランダムポリマー、またはそれらの任意の好適な混合物であり得る。好ましくは、本明細書における分岐単位における使用に好適なポリオキシアルキレン部分中の反復単位の平均総数は、2〜100、より好ましくは5〜60、最も好ましくは10〜50(例えば、16または45)である。
好適な中性末端基は、第4級アンモニウム双性イオン性末端基などの本明細書に記載されるもの、すなわち、正荷電の窒素原子に結合したアニオン性基(好ましくはカルボキシレート)を有する双性イオンを含むもの、より好ましくは、式1の末端基から選択され得る。
本発明のおよび/または本発明において使用される有用な機能性ハイパーブランチポリエステルアミドは、
任意選択で置換されているC2〜30ヒドロカルボ二酸、
その無水物;
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1個の構成単位
から得られるおよび/または得られ得るものであってもよい。
本発明における使用のより有用なハイパーブランチポリエステルアミドは、
4〜16アルケニルC2〜10二酸無水物;
4〜16シクロアルキルジカルボン酸無水物;
2〜10アルカン二酸無水物;
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1個の構成単位
から得られるおよび/または得られ得るものであり得る。
本明細書に記載される少なくとも1個の構成単位は、
第4級化したカルボキシレートC1〜12ヒドロカルボ(例えば、C1〜6ヒドロカルビルカルボキシレート)置換アミノ
任意選択で中和されているカルボン酸基;
任意選択で置換されている窒素含有C3〜10環(例えば、モルホロ);
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1個の末端基を含み得る。
本発明における使用の最も有用な機能性ハイパーブランチポリエステルアミドは、ドデセニル(すなわち、C12アルケニル)コハク酸(すなわち、4−ブタン二酸)無水物;
シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物;
コハク酸(すなわち、4−ブタン二酸)無水物;
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1個の構成単位、
ジイソプロパノールアミン;ジエタノールアミン;
トリスヒドロキシメチレンアミノメタン;
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1個の分岐単位
から得られるおよび/または得られ得るものであってもよく、
少なくとも1個の末端基は、
第4級化したC1〜6アルキルカルボキシレート置換アミノ
任意選択でアンモニアで中和されているカルボン酸基;
モルホリン;
同じ部分上のそれらの組み合わせ;および
異なる部分上のそれらの混合物
からなる群から選択される。
有利には、本発明のおよび/または本発明において使用されるハイパーブランチポリエステルアミドは、約500〜約50000g/mol;より有利には、約800〜約30000g/mol;最も有利には、約1000〜約20000g/mol;さらにより特定すれば、約1200〜約17000g/molの(理論)数平均分子量(M)を有し得る。
末端基(または試薬および/もしくはその前駆体)は、ポリエステルアミドの調製における任意の段階で導入され得るが、典型的には最初に導入される。
本発明のおよび/または本発明において使用される特定の好ましいハイパーブランチポリエステルアミドの典型的な理想的と考えられる構造の具体例が、以下に示される。
末端基、分岐単位および/または構成単位の例として本明細書に列挙される化学種には、文脈が指示するように全ての好適な誘導体および/またはそれらの前駆体が含まれることが理解されるであろう。例えば、ある部分がポリエステルアミドの一部を構成している(すなわち、高分子中の他の部分に結合している)場合、化合物への言及には、本発明のポリエステルアミドを構成している他の部分に結合しているそれらの対応するラジカル部分(例えば、一価または二価のラジカル)も含まれる。
本明細書で使用される場合の用語「任意選択の置換基」および/または「任意選択で置換されている」は(他の置換基の列挙が後に続かない限り)、以下の基のうちの1つ以上(またはこれらの基による置換)を意味する:カルボキシ、スルホ、スルホニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィン、ホルミル、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、メチル、メトキシおよび/またはそれらの組み合わせ。これらの任意選択の基には、同じ部分における前述の基のうちの複数(好ましくは2つ)のものの全ての化学的に可能な組み合わせが含まれる(例えば、アミノおよびスルホニルは、互いに直接結合されている場合、スルファモイル基を表す)。好ましい任意選択の置換基は、カルボキシ、スルホ、ヒドロキシ、アミノ、メルカプト、シアノ、メチル、ハロ、トリハロメチルおよび/またはメトキシを含み、より好ましくは、メチルおよび/またはシアノである。
本明細書で使用される場合の同義語「有機置換基」および「有機基」(本明細書において「オルガノ」とも略される)は、1個以上の炭素原子および任意選択で1個以上の他のヘテロ原子を含む(任意選択で1個以上の他の部分に結合している)任意の一価または多価の部分を意味する。有機基は、炭素を含有する一価の基を含み、したがって有機であるが、それらの自由原子価を炭素以外の原子において有する、オルガノヘテリル基(有機元素基としても知られている)(例えば、オルガノチオ基)を含み得る。有機基は、代替的にまたは追加的に、官能性の種類に関わらず、1自由原子価を炭素原子において有する任意の有機置換基を含むオルガニル基を含み得る。有機基はまた、複素環式化合物(少なくとも2種の異なる元素(この場合は1種は炭素である)の原子を環員として有する環状化合物)の任意の環原子から1個の水素原子を除去することにより形成される一価の基を含むヘテロシクリル基も含み得る。好ましくは、有機基中の非炭素原子は、水素、ハロ、リン、窒素、酸素、ケイ素および/または硫黄から、より好ましくは、水素、窒素、酸素、リンおよび/または硫黄から選択され得る。
最も好ましい有機基は、以下の炭素含有部分、すなわち、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、カルボキシ、カルボニル、ホルミルおよび/またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上を、任意選択で以下のヘテロ原子含有部分、すなわち、オキシ、チオ、スルフィニル、スルホニル、アミノ、イミノ、ニトリロおよび/またはそれらの組み合わせのうちの1つ以上と組み合わせて含む。有機基には、同じ部分における前述の炭素含有部分および/またはヘテロ原子部分のうちの複数(好ましくは2つ)のものの全ての化学的に可能な組み合わせが含まれる(例えば、アルコキシおよびカルボニルは、互いに直接結合されている場合、アルコキシカルボニル基を表す)。
本明細書で使用される場合の用語「ヒドロカルボ基」は、有機基のサブセットであり、1個以上の水素原子および1個以上の炭素原子からなりかつ1個以上の飽和部分、不飽和部分および/または芳香族部分を含み得る(任意選択で1個以上の他の部分に結合している)任意の一価または多価の部分を意味する。ヒドロカルボ基は、以下の基のうちの1つ以上を含み得る。ヒドロカルビル基は、炭化水素から1個の水素原子を除去することにより形成される一価の基を含む(例えば、アルキル)。ヒドロカルビレン基は、炭化水素から2個の水素原子を除去することにより形成される2価の基を含み、その自由原子価は二重結合に関与しない(例えば、アルキレン)。ヒドロカルビリデン基は、炭化水素の同じ炭素原子から2個の水素原子を除去することにより形成される2価の基(これは「RC=」で表され得る)を含み、その自由原子価は二重結合に関与する(例えば、アルキリデン)。ヒドロカルビリジン基は、炭化水素の同じ炭素原子から3個の水素原子を除去することにより形成される3価の基(これは「RC≡」で表され得る)を含み、その自由原子価は三重結合に関与する(例えば、アルキリジン)。ヒドロカルボ基はまた、飽和炭素−炭素単結合(例えば、アルキル基中);不飽和二重および/もしくは三重炭素−炭素結合(例えば、それぞれアルケニル基およびアルキニル基中);芳香族基(例えば、アリール基中)ならびに/または同じ部分内のそれらの組み合わせを含み得、また示される場合は、他の官能基で置換され得る。
本明細書で使用される場合の用語「アルキル」またはその相当語句(例えば、「アルク(alk)」)は、適切な場合および文脈が明らかに別のことを示さない限り、(例えば、二重結合、三重結合、芳香族部分(例えば、それぞれアルケニル、アルキニルおよび/またはアリール)および/またはそれらの組み合わせ(例えば、アラルキル)ならびに2個以上の部分を連結する任意の多価のヒドロカルボ化学種(例えば、2価のヒドロカルビレンラジカル、例えば、アルキレン)を含む本明細書に記載されるものなどの任意の他のヒドロカルボ基を包含する用語に容易に置き換えられ得る。
本明細書で(例えば、置換基として)述べられるいずれのラジカル基または部分も、別段の記載がない限りまたは文脈が明らかに別のことを示さない限り(例えば、2個の他の部分を連結する2価のヒドロカルビレン部分)、多価または1価のラジカルであり得る。しかしながら、本明細書で示される場合、そのような1価または多価の基は、任意選択の置換基もさらに含み得る。3個以上の原子の鎖を含む基は、鎖が全体としてまたは部分的に直鎖であり得る、分岐であり得る、および/または環(スピロ環および/または縮合環を含む)を形成し得る基を意味する。特定の原子の総数が、特定の置換基について特定される(例えば、C1〜Nオルガノは、1〜N個の炭素原子を含むオルガノ部分を意味する)。本明細書における式のうちの任意のものにおいて、1個以上の置換基がある部分中の(例えば、鎖および/または環に沿った特定の位置の)任意の特定の原子に結合されたものとして示されていない場合、その置換基は、任意のHと置換し得る、ならびに/またはその部分上の化学的に好適なおよび/もしくは有効な任意の利用可能な位置に位置し得る。
好ましくは、本明細書に列挙されるオルガノ基のうちの任意のものは、炭素原子を1〜36個、より好ましくは1〜18個含む。オルガノ基中の炭素原子の数は、12個まで、特に、1〜10(1も10も含む)個(例えば、1〜4個)の炭素原子であることが特に好ましい。
本明細書で使用される場合、括弧内に示される特徴を含む化学用語(具体的に特定された化合物に対するIUAPC名以外)(例えば、(アルキル)アクリレート、(メタ)アクリレートおよび/または(コ)ポリマー)は、文脈が指示するように括弧内のその部分が任意選択であることを示しており、したがって、例えば、用語(メタ)アクリレートは、メタクリレートおよびアクリレートの両方を示す。
本明細書に記載される本発明の一部もしくは全部を構成するおよび/または本発明の一部もしくは全部において使用される特定の部分、化学種、基、反復単位、化合物、オリゴマー、ポリマー、材料、混合物、組成物および/または配合物は、1種以上の異なる形態、例えば、以下の非網羅的な列挙におけるもののうちのいずれかとして存在し得る:立体異性体(例えば、鏡像異性体(例えば、E形および/またはZ形)、ジアステレオ異性体および/または幾何異性体);互変異性体(例えば、ケト形および/またはエノール形)、配座異性体、塩、双性イオン、錯体(例えば、キレート、クラスレート、クラウン化合物、シプタンド(cyptand)/クリプテード(cryptade)、包接化合物、層間化合物、侵入型化合物、配位子錯体、有機金属錯体、不定比錯体、π付加物、溶媒和物および/または水和物);同位体置換形態、ポリマー形態[例えば、ホモまたはコポリマー、ランダム、グラフトおよび/またはブロックポリマー、線状および/または分岐ポリマー(例えば、スターおよび/または側鎖分岐)、架橋および/またはネットワーク化ポリマー、2価および/または3価の反復単位から得られ得るポリマー、単分散デンドリマー(本明細書における文脈が明らかに別のことを示さない限り)、異なる立体規則性のポリマー(例えば、イソタクチック、シンジオタクチックまたはアタクチックポリマー)];多形体(例えば、侵入型形態、結晶形態および/または非結晶形態)、異なる相、固溶体;ならびに/またはそれらの組み合わせおよび/もしくはそれらの混合物(可能な場合)。本発明は、全ての本明細書で規定されるような有効な形態を含むおよび/または使用する。
本発明のポリエステルアミドはまた、有用には、本明細書に記載される最終用途および/または用途のうちの1つ以上において有用であるために他の特性も示し得る。例えば、本発明のポリエステルアミドは、相互に排他的ではない本明細書に記載される所望の特性および/またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを示し得る。
本発明の有用なポリエステルアミドは、知られているポリエステルアミドに対して改善された1つ以上の特性(例えば、本明細書に記載されるもの)を示し得る。より有用には、そのような改善された特性は、相互に排他的ではない下記の特性のうちの複数、最も有用には3つ以上においてであり得る。
好都合には、本発明のポリエステルアミドは、知られているポリエステルアミドに対して匹敵する1つ以上の特性(例えば、本明細書に記載されるもの)を示し得る。より有用には、そのような匹敵する特性は、改善されていないおよび/または相互に排他的ではない下記の特性のうちの2つ以上、最も有用には3つ以上(例えば、全て)においてであり得る。
本明細書で使用される場合の改善された特性とは、本発明のポリエステルアミドの1つ以上のパラメータの値が、本明細書に記載される対照についてのそのパラメータの値の>+8%、より好ましくは>+10%、さらにより好ましくは>+12%、最も好ましくは>+15%であることを示す。
本明細書で使用される場合の匹敵する特性とは、本発明のポリエステルアミドの1つ以上のパラメータの値が、本明細書に記載される対照についてのそのパラメータの値の+/−6%、より好ましくは+/−5%、最も好ましくは+/−4%の範囲内であることを意味する。
これらの比較のための知られている対照ポリエステルアミドは、比較される本発明のポリエステルアミドと同じ量で使用される(かつ適切な場合には同じ組成で使用され、同じ条件下で試験される)比較例COMP1’(本明細書に記載されるように調製される)である。
本明細書における改善されたおよび匹敵する特性についての百分率差は、特性が同じ方法で同じ単位で測定される場合の本発明のポリエステルアミドと比較例COMP1’(本明細書に記載されるように調製される)との間の分数差(fractional difference)をいう(すなわち、これは、比較されるべき値も百分率として測定される場合、絶対差を示すものではない)。
本発明のポリエステルアミド(より好ましくはハイパーブランチポリエステルアミド)は、比較例COMP1’(本明細書に記載されるように調製される)と比較して改善された有用性(当業者に知られている任意の好適なパラメータにより測定される)を本明細書に記載される最終用途のうちの1つ以上において有することが好ましい。
本発明の多くの他の変形実施形態が当業者には明らかであろうが、そのような変形形態は、本発明の広い範囲内で企図される。
本発明のさらなる態様およびその好ましい特徴は、本明細書における特許請求の範囲に示される。
[試験方法]
[曇り点を測定する方法]
ポリエステルアミドの曇り点を測定するために、以下の手順に従った。
50mlのガラスバイアル中で140mgのポリマーを計量し、そこに水またはブライン溶液を総重量が20gになるまで添加した。アミン含有ポリエステルアミドの場合は、pHを、所望のpHが得られるように5%w/wHCl溶液で調整した。Teflonコーティング(「Teflon」は登録商標)されたスターラー棒をバイアルに加え、熱電対を少なくとも1cmにわたりバイアルのほぼ中央で溶液に浸漬した。バイアルをスターラー/ヒーター上に置き、撹拌しながら温度を徐々に上昇させた。溶液を温めながら視覚的に観察し、溶液の最初の曇りの徴候によって曇り点が示された。
[組成物塩溶液(本明細書においてブラインとも呼ぶ)]
ブライン溶液中の曇り点の測定のために、以下の塩組成物を作製した。
140gの塩化ナトリウム
30gの塩化カルシウム.6H
8gの塩化マグネシウム.6H
これらの塩を1リットルの脱塩水に溶解させた。溶液のpHを、0.1M塩酸溶液で4(または特定されるとおりの別の所望のpH)に調整した。
[実施例]
次に、本発明を、例示としてだけのものである以下の非限定的な実施例を参照して詳細に説明する。下記の実施例は、溶媒中の本発明に従うポリエステルアミドの調製を含む。
[調製1A]
加熱マントルにより加熱され得る6Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、メチルシクロヘキサンを充填したDean Stark蒸留トラップおよび窒素連結部を取り付ける。反応器に、1037.4gのジイソプロパノールアミン、1459.2gのN,N−ビス(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アミンおよび2268.3gのヘキサヒドロフタル酸無水物を投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。反応混合物を500rpmで撹拌し、120℃まで加熱する。この温度を30分間維持する。温度を180℃まで上昇させると共沸蒸留が開始する。残留カルボン酸含有量が<10mgKOH/g(滴定分析)になるまで加熱を維持する。反応混合物を130℃まで冷却し、この温度で真空蒸留によりメチルシクロヘキサンを留去する。得られた生成物を次の工程で使用する。
この生成物は次のように特徴付けられた:酸価=9.3mgKOH/g(滴定分析)、アミン価=183.6mgKOH/g(滴定分析)、分子量Mw=5200g/mol。
[調製1B]
加熱マントルにより加熱され得る3Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、冷却器および窒素連結部を取り付ける。反応器に、450.0gの調製1Aで得られた生成物および550.0gのエチレングリコールを投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。混合物を撹拌し、80℃まで加熱して溶液を得る。143.9gのクロロ酢酸メチルを1時間かけて添加する。混合物に119.7gのエチレングリコールを添加し、混合物を100℃まで加熱する。この温度を、未反応のクロロ酢酸メチルの量が<50ppm(H−NMRにより決定する)になるまで維持する。所望の固形分を得るために、生成物を56.2gのエチレングリコールで希釈する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=44.5w%(160°のハロゲン乾燥器)。粘度=1220mPa・s(23℃)。実施例1。
[調製1C]
加熱マントルにより加熱され得る3Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、冷却器および窒素連結部を取り付ける。反応器に、500.0gの調製1Aで得られた生成物および611.1gのエチレングリコールを投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。混合物を撹拌し、80℃まで加熱して溶液を得る。124.3gのクロロ酢酸メチルを1時間かけて添加する。混合物に92.9gのエチレングリコールを添加し、混合物を100℃まで加熱する。この温度を、未反応のクロロ酢酸メチルの量が<50ppm(H−NMRにより決定する)になるまで維持する。所望の固形分を得るために、生成物を59.0gのエチレングリコールで希釈する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=46.0w%(160°のハロゲン乾燥器)。粘度=1430mPa・s(23℃)。実施例2。
[調製1D]
1LのPEジャー中で、625.0gの調製1Cで得られた生成物を、43.4gのクエン酸および67.0gのエチレングリコールと混合する。混合物を、それが均一になるまで振盪する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=45.0w%(計算された)。粘度=1425mPa・s(23℃)。実施例3。
[調製1E]
1LのPEジャー中で、595.0gの調製1Cで得られた生成物を、63.6gのクエン酸二水素コリンおよび90.9gのエチレングリコールと混合する。混合物を、それが均一になるまで振盪する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=45.0w%(計算された)。粘度=1005mPa・s(23℃)。実施例4。
[調製2A]
加熱マントルにより加熱され得る3Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、蒸留ヘッドならびに真空および窒素連結部を取り付ける。反応器に、207.1gのジイソプロパノールアミンおよび437.0gのN,N−ビス(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アミンを投入する。反応器を40℃まで加熱し、892.5gのドデセニルコハク酸無水物を添加する。混合物を160℃まで加熱し、この温度を1時間維持する。次いで、反応水を除去するために、圧力を、<10ミリバールの最終圧力まで徐々に低下させる。残留カルボン酸含有量が<8mgKOH/g(滴定分析)になるまで加熱および真空を維持して、次の工程で使用される生成物を得た。
この生成物は次のように特徴付けられた:酸価=5.5mgKOH/g(滴定分析)、アミン価=158.6mgKOH/g(滴定分析)、分子量Mw=3500g/mol。
[調製2B]
加熱マントルにより加熱され得る500mLのガラス反応器に、メカニカルスターラー、冷却器および窒素連結部を取り付ける。反応器に、150.0gの調製2Aで得られた生成物および183.3gのエチレングリコールを投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。混合物を撹拌し、80℃まで加熱して溶液を得る。41.4gのクロロ酢酸メチルを1時間かけて添加する。混合物に32.5gのエチレングリコールを添加し、混合物を100℃まで加熱する。この温度を、未反応のクロロ酢酸メチルの量が<50ppm(H−NMR)になるまで維持する。所望の固形分を得るために、生成物を18.1gのエチレングリコールで希釈する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=41.0w%(160°のハロゲン乾燥器)。実施例5。
[調製3A]
加熱マントルにより加熱され得る6Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、メチルシクロヘキサンを充填したDean Stark蒸留トラップおよび窒素連結部を取り付ける。反応器に、967.5gのジイソプロパノールアミン、1597.5gのN,N−ビス(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アミンおよび2190.9gのヘキサヒドロフタル酸無水物を投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。反応混合物を500rpmで撹拌し、120℃まで加熱する。この温度を30分間維持する。温度を180℃まで上昇させると共沸蒸留が開始する。残留カルボン酸含有量が<10mgKOH/g(滴定分析)になるまで加熱および蒸留を維持する。反応混合物を130℃まで冷却し、この温度で真空蒸留によりメチルシクロヘキサンを留去する。得られた生成物を次の工程で使用する。
この生成物は次のように特徴付けられた:酸価=7.8mgKOH/g(滴定分析)、アミン価=197.7mgKOH/g(滴定分析)、分子量Mw=2900g/mol。
[調製3B]
加熱マントルにより加熱され得る3Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、冷却器および窒素連結部を取り付ける。反応器に、500.0gの調製3Aで得られた生成物および541.7gのエチレングリコールを投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。混合物を撹拌し、80℃まで加熱して溶液を得る。133.6gのクロロ酢酸メチルを1時間かけて添加する。混合物に92.2gのエチレングリコールを添加し、混合物を100℃まで加熱する。この温度を、未反応のクロロ酢酸メチルの量が<50ppm(H−NMRにより決定する)になるまで維持する。所望の固形分を得るために、生成物を56.2gのエチレングリコールで希釈する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=53.1wt%(160°のハロゲン乾燥器)。粘度=3470mPa・s(23℃)。実施例6。
[調製4A]
循環熱油により加熱され得る3Lの二重壁ガラス反応器に、メカニカルスターラー、真空ポンプに連結された連結部および窒素連結部を取り付ける。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。反応器を80℃まで温め、それに131.6gのジイソプロパノールアミン、185.0gのN,N−ビス(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アミンを投入する。220.0gのヘキサヒドロフタル酸無水物を25分間かけてゆっくりと添加する。反応混合物をおよそ300rpmで撹拌する。この温度を80℃で10分間維持し、263,4の600の平均分子量を有するポリエチレングリコールビスカルボキシメチレンエーテルを添加する。温度を170℃まで上昇させ、圧力を9時間かけて50ミリバールまで徐々に低下させる。残留カルボン酸含有量が<10mgKOH/g(滴定分析)になるまで加熱および真空を維持する。得られた生成物を次の工程で使用する。
この生成物は次のように特徴付けられた:酸価=10.2mgKOH/g(滴定分析)、アミン価=115.3mgKOH/g(滴定分析)、分子量Mw=7000g/mol。
[調製4B]
加熱マントルにより加熱され得る1Lのガラス反応器に、メカニカルスターラー、冷却器および窒素連結器を取り付ける。反応器に、91.5gの調製4Aで得られた生成物および111.8gのエチレングリコールを投入する。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。混合物を撹拌し、100℃まで加熱して溶液を得る。12.6gのクロロ酢酸メチルを添加する。混合物に追加の22.5gのエチレングリコールを添加し、混合物を100℃で撹拌する。この温度を、未反応のクロロ酢酸メチルの量が<50ppm(H−NMRにより決定する)になるまで維持する。所望の固形分を得るために、生成物を10.4gのエチレングリコールで希釈する。
この生成物は次のように特徴付けられた:固形分=45.8wt%(160°のハロゲン乾燥器)。粘度=512mPa・s(23℃、2.5rpm)。実施例7。
[調製5A]
加熱マントルにより加熱され得る1Lの二重壁ガラス反応器に、メカニカルスターラー、真空ポンプに連結された連結部および窒素連結部を取り付ける。穏やかな窒素流をガラス反応器に適用する。反応器に、142.5gのヘキサヒドロフタル酸無水物および297.2gの750g/molの平均分子量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテルを投入する。反応混合物を500rpmで撹拌し、80℃まで加熱する。この温度を30分間維持する。次いで、反応器に7.5gのモルホリンを投入し、10分間撹拌する。52.8gのジイソプロパノールアミンおよび34.4gの1−メチルピペラジンを添加する。温度を120℃まで上昇させ、1時間撹拌する。次いで、温度を170℃まで上昇させ、この温度を1時間維持する。圧力を、完全な真空に達するまで、5分間におよそ50ミリバールずつ徐々に低下させる。これを、残留カルボン酸含有量が<10mgKOH/g(滴定分析)になるまで維持する。得られた生成物を次の工程で使用する。
この生成物は次のように特徴付けられた:酸価=8.4mgKOH/g(滴定分析)、アミン価=36.8mgKOH/g(滴定分析)、分子量Mw=3800g/mol。
[調製5B]
湯浴により加熱され得る370mLのガラス反応器に、gneticlスターラーを取り付ける。反応器に、2−ブトキシエタノール中の5Aで得られた生成物の50wt%溶液200gを投入し、6.4gのクロロ酢酸メチルを添加する。混合物を80℃で20時間撹拌して、実施例8の最終生成物を得る。
[比較A]
メカニカルスターラー、蒸留ヘッド、真空および窒素連結器が取り付けられた、熱油により加熱され得る二重壁ガラス反応器に、192.5gのコハク酸無水物を投入する。反応器を125℃まで加熱した。コハク酸無水物が溶融した時に、307.5gのジイソプロパノールアミンを添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、温度を160℃まで上げた。4時間かけて、圧力を<10ミリバールの最終圧力まで徐々に低下させて、反応水を留去した。残留カルボン酸含有量が<0.2meq/g(滴定分析)になるまで加熱および真空を維持した。分子量Mn=1200。AV=5.2mgKOH/g
[比較B]
メカニカルスターラー、蒸留ヘッド、真空および窒素連結器が取り付けられた、熱油により加熱され得る二重壁ガラス反応器に、245.5gのヘキサヒドロフタル酸無水物を投入する。反応器を80℃まで加熱した。無水物が溶融した時に、254.5gのジイソプロパノールアミンを添加した。反応混合物を1時間撹拌し、次いで、温度を160℃まで上げた。4時間かけて、圧力を<10ミリバールの最終圧力まで徐々に低下させて、反応水を留去した。残留カルボン酸含有量が<0.2meq/g(滴定分析)になるまで加熱および真空を維持した。分子量Mn=1500。AV=6.4mgKOH/g。
Figure 0006454905

Claims (15)

  1. ハイパーブランチポリエステルアミドであって、式1:
    Figure 0006454905

    [式中、矢印は、式1基から前記ポリエステルアミドへの結合点を示し、および
    は、任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボを示し、
    Yは、NRまたはOを示し(式中、Rは、Hまたは任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボである)、および
    式1が双性イオンである場合、すなわち、基R、Rおよび/もしくはRのいずれかが窒素カチオンを相殺するのに適切な量の負電荷を含む場合、pは0であり、すなわち、X−は存在せず、または
    基R、RおよびRが中性基である場合、Xは好適なアニオンを表しかつpは前記窒素カチオンを相殺するのに適切な整数(Xが単一の負電荷を有する場合、好ましくは1)を表し、および
    およびRは、独立して、任意選択で置換されているC1〜20ヒドロカルボ基(好都合には、任意選択で置換されているC1〜6ヒドロカルボ)を示すか、またはそれらが結合している窒素と一緒に、20個までのC原子および任意選択で1個以上のヘテロ原子を含む環状部分を、全体的にまたは部分的に構成する]
    で表される末端基から選択される少なくとも1個の末端基をその上に含む、ハイパーブランチポリエステルアミド。
  2. が、1個以上のヘテロ原子、任意選択で好ましくは1個以上のNまたはOによって置換されている、C1〜20ヒドロカルボである、請求項1に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  3. 少なくとも50℃の曇り点を有する、請求項1または2に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミドであって、少なくとも75℃の曇り点を有し、かつ、任意選択で、その上の前記少なくとも1個の末端基が、正荷電の窒素原子に結合したアニオン性カルボン酸エステルを有する少なくとも1個の双性イオンを含む、ハイパーブランチポリエステルアミド。
  5. 少なくとも80℃の曇り点を有し、かつ、前記少なくとも1個の末端基が、式1a:
    Figure 0006454905

    [式中、RおよびRは、独立して、任意選択で置換されているC1〜6ヒドロカルボ基を示す]
    で表される基を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  6. 式1において、RおよびRが、独立して、C1〜4ヒドロカルビル基を示す、請求項1〜5のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  7. 式1において、RおよびRが、独立して、メチルを示す(すなわち、式1は、「ベタイン誘導体」である)、請求項1〜6のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミドであって、その上にカチオン性官能基を含み、かつ、少なくとも1種の有機(モノまたはポリ)カルボン酸(その酸性塩および/または水素塩を含む)から得られるおよび/または得られ得る1個以上のカルボン酸対アニオンを含む、ハイパーブランチポリエステルアミド。
  9. クエン酸および/またはその任意の好適な酸性塩から得られるおよび/または得られ得る1個以上のカルボン酸対イオンを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  10. ヘキサヒドロフタル酸無水物から得られ得るコアを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  11. ブライン中で少なくとも100℃の曇り点を有し、
    前記ブラインは、140gの塩化ナトリウムと、30gの塩化カルシウム.6H Oと、8gの塩化マグネシウム.6H Oとを、1リットルの脱塩水に溶解させて、溶液のpHを、0.1M塩酸溶液で4に調整することにより得られる組成物塩溶液である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  12. 少なくとも1個のヘキサヒドロフタル酸無水物から得られ得るコアと、少なくとも1個のカチオン性末端基と、少なくとも1個のクエン酸対アニオンとを含み、ブライン中で少なくとも100℃の曇り点を有し、
    前記ブラインは、140gの塩化ナトリウムと、30gの塩化カルシウム.6H Oと、8gの塩化マグネシウム.6H Oとを、1リットルの脱塩水に溶解させて、溶液のpHを、0.1M塩酸溶液で4に調整することにより得られる組成物塩溶液である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミド。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のハイパーブランチポリエステルアミドと、好適な希釈剤とを含む、凝集剤としての使用に好適な組成物。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のポリエステルアミドおよび/または請求項13に記載の組成物の、凝集剤としての使用。
  15. 水性媒体中に分散した物質を供給する工程と、前記媒体中に分散した前記物質を凝集させるのに十分な量の請求項1〜12のいずれか一項に記載の1種以上のポリエステルアミドおよび/または請求項13に記載の組成物をそこに添加する工程とを含む、水性媒体中に分散した物質を凝集させる方法。
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