JP6454682B2 - グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンの量を決定する方法およびキット - Google Patents

グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンの量を決定する方法およびキット Download PDF

Info

Publication number
JP6454682B2
JP6454682B2 JP2016504619A JP2016504619A JP6454682B2 JP 6454682 B2 JP6454682 B2 JP 6454682B2 JP 2016504619 A JP2016504619 A JP 2016504619A JP 2016504619 A JP2016504619 A JP 2016504619A JP 6454682 B2 JP6454682 B2 JP 6454682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pgn
sample
reporter gene
amount
calibration curve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016504619A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016514468A (ja
Inventor
ラノ ピエール
ラノ ピエール
ビゲ マルク
ビゲ マルク
ベルナール ロズリーヌ
ベルナール ロズリーヌ
アラン ファブリス
アラン ファブリス
カルパンティエ マチュー
カルパンティエ マチュー
デニ アニエス
デニ アニエス
アシン−ゲルビ エラ
アシン−ゲルビ エラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Roquette Freres SA
Original Assignee
Roquette Freres SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=50397130&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP6454682(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Roquette Freres SA filed Critical Roquette Freres SA
Publication of JP2016514468A publication Critical patent/JP2016514468A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6454682B2 publication Critical patent/JP6454682B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/5005Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving human or animal cells
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/46Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans from vertebrates
    • G01N2333/47Assays involving proteins of known structure or function as defined in the subgroups
    • G01N2333/4701Details
    • G01N2333/4722Proteoglycans, e.g. aggreccan
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/705Assays involving receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • G01N2333/70596Molecules with a "CD"-designation not provided for elsewhere in G01N2333/705
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2400/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving carbohydrates
    • G01N2400/10Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • G01N2400/38Heteroglycans, i.e. polysaccharides having more than one sugar residue in the main chain in either alternating or less regular sequence, e.g. gluco- or galactomannans, e.g. Konjac gum, Locust bean gum, Guar gum
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2400/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving carbohydrates
    • G01N2400/10Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • G01N2400/38Heteroglycans, i.e. polysaccharides having more than one sugar residue in the main chain in either alternating or less regular sequence, e.g. gluco- or galactomannans, e.g. Konjac gum, Locust bean gum, Guar gum
    • G01N2400/40Glycosaminoglycans, i.e. GAG or mucopolysaccharides, e.g. chondroitin sulfate, dermatan sulfate, hyaluronic acid, heparin, heparan sulfate, and related sulfated polysaccharides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、試料、特に、グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンのアッセイに関する。
無菌性炎症の発症は、治療目的(たとえば、腹膜透析、非経口栄養、静脈経路による注射)で製造された製品を用いた治療時に観察される主な合併症である。これらの炎症の発症のいくつかは、化学的性質の問題(化学汚染物質の偶発的存在、または特定の化合物の不適正投与)と関係があるが、ほとんどの症例は、製造プロセス時に放出される微生物由来の汚染物質の存在に起因する。現在では、リポ多糖(LPS)およびペプチドグリカン(PGN)は、製造された製品中に痕跡程度で存在する場合に、そのような炎症の発症を引き起こすリスクの高い主な汚染物質であることが明らかになっている。
LPSによる汚染を検出およびアッセイするために、LAL(カブトガニ血球抽出成分)アッセイが、多くの品質管理研究室によって日常的に使用されている。このアッセイは、リムルス属(カブトガニ)の血リンパから抽出された感知複合体によるエンドトキシンの認識に基づく。
治療に使用される製品中のPGNを検出するために、現在、無脊椎動物の血リンパの抽出物の反応性に基づく他のアッセイも提案されている(SLP−Wako,Immunetics)。しかしながら、微生物起源の他の分子、たとえば、β−グルカンとも反応するので、これらのアッセイは、それほど特異的ではないという欠点を有する。さらに、これらの方法では、この使用のために特別な装置の購入が必要となるので、コストが大幅に増加し、ひいてはこれらのアッセイ技術の利用が制限される。
さらに、LPSおよびPGNは、それらの細菌起源に応じて構造が変わりやすいので、炎症反応性に大きな差を生じる原因となる。そのため、標準分子(たとえば、LALアッセイでの大腸菌(E.coli)のLPS)に換算した単位でアッセイの結果を表現することがさらに必要となる。
さらに、これらの分子は、ほとんどの場合、高分子複合体の形態で存在するので、それにより、それらの溶解性およびそれらの炎症の値が影響を受ける。たとえば、PGNは、大きさが非常に変わりやすく、多くの場合、リポテイコ酸やリポペプチドなどの細菌壁の他の分子と凝集を起こす。
したがって、「生物学的」方法は、これらの分子に関連する炎症の負荷のみを考慮して開発されてきた。炎症反応のエフェクター細胞は、感染性因子により特異的に生成される分子構造を認識するための特別なセンサーを有する。病原体関連分子パターン分子に因んでPAMPと呼ばれるこれらの分子は、本質的にTLR(Toll様受容体)およびNLR(Nod様受容体)により認識され、それらの特異性は、異なる種類の炎症性分子の分子構造に関連している。LPS(TLR4型受容体により認識されるリガンドである)とは対照的に、PGNは、TLR2型受容体により認識されるリガンドである。
近年、炎症応答の動物モデルを置き換えるべく、in vitroでの細胞アッセイが開発されてきている。これらのアッセイのほとんどは、汚染された製品の存在下での単球細胞の培養と、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6、IL−8、RANTES)の産生の逆滴定と、に基づく。しかしながら、血液から単離された一次細胞
を用いたアッセイは、ドナーの個体間変動をかなり受けやすいため、これが実験の偏りの原因となる。
これとは対照的に、単球細胞株は一定の反応を与えるので、このことが、一次細胞よりも一般に好ましい理由の説明になっている。しかしながら、これら株もまた、完全には満足すべきものではない。たとえば、ほとんどが一過的に発現され、培養培地中の濃度が必ずしも炎症性分子の実際の負荷を反映するわけではないので、サイトカインの選択は批判されることが多い。すべての単球細胞がTLR/NLRの大部分を発現するので、それらの使用に基づくアッセイは、汚染物質の1つのタイプに対して選択的ではなく、全てに対して炎症反応を与えるであろう。
さらに、主な問題は、異なる炎症性分子に対する細胞の感受性の違いにより、生じる。このように、TLR2のリガンドであるPGNは、LPSよりも反応性がはるかに低いので、このことが、これらの方法による検出を困難にしている。実際に、LPSはng/mL程度の濃度に対して有意な反応を誘導するが、PGNは同様の応答(w/w比)を得るのに100倍の濃度が必要である。
数年間にわたり、炎症性化合物の反応性を検出および定量するための生物学的アッセイで上記のモデルを置き換えるために、トランスフェクト細胞株が提案されてきた。これらの非炎症性の株(たとえば、HEK−293)は、ある種類の炎症性アゴニストの特異的な受容体をコードする遺伝子により安定的にトランスフェクトされる。それらはまた、合成が炎症性受容体の活性化に依存する酵素(たとえば、ルシフェラーゼまたはアルカリホスファターゼ)をコードするレポーター遺伝子に対する発現ベクターも含む。したがって、適切な受容体を発現する細胞により汚染物質が認識されると、酵素の合成がトリガーされるので、その生成に続いて、その基質から着色生成物または発光性の生成物への変換が起こる。この生成物は容易に定量可能であるので、この方法により汚染物質の種類に関連する炎症反応の迅速なアッセイが可能になる。
これらの細胞モデルは、多くの利点を有する。すなわち、サイトカインのELISAアッセイが酵素アッセイにより置き換えられ、系の安定性に起因してアッセイの再現性が高く、発現される受容体の関数として特定の種類の炎症性分子が標的となり、非常に低い閾値で汚染物質が検出される。
したがって、所与のTLRまたはNLRのアゴニストである炎症因子を特異的に標的として、このアゴニストに関連する炎症応答を定量できるので、これらの細胞モデルは、in vitroでのサイトカイン応答のアッセイと置き換えることができる。たとえば、TLR2およびTLR4を特異的に発現する細胞は、食品中の汚染物質を検出するためにすでに使用されている(Clett Erridge of the Department of Cardiovascular Sciences of Leicester University−UK in British Journal of Nutrition,Vol.105/issue 01/Jan 2011,pp15−23の研究)。
さらに、InvivoGenなどの会社は、現在、種々のTLRまたはNRL受容体でトランスフェクトされた広範にわたるHEK−293系の細胞(HEK−Blue(商標))を市販している。これらの細胞は、炎症性アゴニストに対する応答の迅速かつ容易な比色アッセイを可能にする分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP:分泌型胎盤アルカリホスファターゼ)をコードする遺伝子をレポーターとして含有する。
これらのHEK−Blue(商標)細胞は、グルコースポリマーの濃厚溶液中の汚染物
質の存在およびそれらの相乗効果を検出するために、すでに使用され、成功を収めている(国際公開第2012/143647号パンフレット)。この出願に明記された目的は、炎症活性を呈する形態の汚染物質を単に検出することであるので、この特許出願に記載の方法は、試料中に含まれるPGNの全量の測定に適していない。実際に、可溶性PGN(MM≒120kDa)は、TLR2受容体を介して炎症応答を誘導するものである。したがって、炎症性であったり他の分子と凝集を起こしたりするのに好適なサイズを有しないPGNは、この出願に記載の方法により検出されない。
したがって、試料、特に、グルコースポリマーの試料において全PGNをアッセイする代替法を開発する必要性が、常に存在する。
したがって、本発明は、試料、特に、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカンをアッセイする方法に関する。
特に、本発明は、
a)超音波処理、加熱、および/またはアルカリ化によりグルコースポリマーの試料を処理すること、
b)処理された試料またはその稀釈液を、TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞に接触させることであって、前記レポーター遺伝子が、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードすること、
c)レポーター遺伝子由来のシグナルを測定すること、
d)PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線を用いて、試料中のPGNの量を決定することと、
を含む、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカン(PGN)をアッセイする方法に関する。
好ましくは、超音波処理、加熱、および/またはアルカリ化により試料を処理することにより、試料中に含まれるPGNの断片化および分解を可能にし、特に、TLR2受容体の活性化が可能になるようにする。特に、試料を処理することにより、主に約120kDaのサイズを有するPGNの生成を可能にする。
好ましくは、レポーター遺伝子は、分泌型アルカリホスファターゼである。好ましい実施形態では、細胞は、HEK−Blue(商標)hTLR2細胞である。
好ましくは、PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線は、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius)から、好ましくは、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから、選択される細菌に由来するPGNを用いて調製されたものである。特に、本方法は、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、枯草菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから、好ましくは、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから選択される細菌に由来するPGNを用いて検量線を作成する予備工程を含む。
好ましくは、試料は、必要であれば、検量線の直線部に対応するレポーター遺伝子由来のシグナルを生成するように希釈される。
好ましくは、試料は、イコデキストリンの溶液の試料である。
好ましくは、PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線は、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準を用いて、標準化または較正される。
他の実施形態では、PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線は、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準を用いて作成されたものである。特に、本方法は、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準を用いて、検量線を作成する予備工程を含む。
本発明はさらに、
−TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞であって、前記レポーター遺伝子が、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードする組換え細胞と、
−PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線、またはPGN標準、好ましくは、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、枯草菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから、好ましくは、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから選択される細菌に由来するもの、またはTLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準、のいずれかと、
−任意で、使用説明書および/または試料を前処理するための溶液と、
を含む、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカン(PGN)をアッセイするためのキットに関する。
好ましくは、キットは、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準をさらに含む。
PGN濃度の増加の関数としての細胞応答の理論曲線。 HEK−Blue(商標)−hTLR2細胞を用いて得られた黄色ブドウ球菌のPGN濃度の関数としての細胞応答の検量線。 異なる細菌種に由来するPGN濃度の増加の関数としてのHEK−Blue(商標)−hTLR2細胞の応答。 異なるロットから得られた黄色ブドウ球菌のPGN濃度の増加の関数としてのHEK−Blue(商標)−hTLR2細胞の応答。 PAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩(PAM3(cys))の構造。 HEK−Blue(商標)−hTLR2細胞において黄色ブドウ球菌のPGNおよびPAM3(cys)により誘導された応答の比較。 補正されたPGN濃度の関数としてのHEK−Blue(商標)−hTLR2細胞の応答。 補正応答活性PGN濃度の関数としてのHEK−Blue(商標)−hTLR2細胞の応答の検量線。
したがって、本発明は、試料、特に、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカンをアッセイする方法に関する。
特に、本発明は、
a)超音波処理、加熱、および/またはアルカリ化によりグルコースポリマーの試料を処理すること、
b)処理された試料またはその稀釈液を、TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞に接触させることであって、前記レポーター遺伝子が、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードすること、
c)レポーター遺伝子由来のシグナルを測定すること、
d)PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線を用いて、試料中のPGNの量を決定すること、
を含む、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカン(PGN)をアッセイする方法に関する。
好ましくは、グルコースポリマーは、腹膜透析、経腸栄養および非経口栄養、ならびに新生児哺乳に供することが意図される。好ましい実施形態では、試験されるグルコースポリマーは、イコデキストリンまたはマルトデキストリンである。特に、それらは、腹膜透析用に調製することが意図さる。それらは、それらの調製の1つ以上の段階で、特に原材料のレベルで、それらの調製プロセスの任意の工程で、および/またはプロセスの最終生成物のレベルで試験可能である。それらはまた、腹膜透析用の溶液の試料として試験される。
本方法の第1の工程では、グルコースポリマーの試料は、超音波処理、加熱、および/またはアルカリ化により処理される。この処理の目的は、凝集体中に含有またはトラップされたPGNを断片化および/またはPGNを分解することであり、その目的は、TLR2受容体と相互作用してそれを活性化しうるPGNを生成することである。以上に述べたように、この処理により、凝集体中に含有またはトラップされたPGNを分解したり、大きすぎるPGNを断片化したりして、特に、30〜5000kDa、特に、約120kDaのサイズを有する可溶性PGNを生成できるはずである。しかしながら、その処理は、TLR2受容体と相互作用するPGNの能力に影響を及ぼしてはならない。好ましくは、TLR2と相互作用して受容体を活性化するPGNが最大に放出されるように、およびTLR2上のすでに活性なPGNが最大に貯蔵されるように、最適化される。
第1の実施形態では、試料の処理は、少なくとも1回の超音波処理工程を含む。任意で、超音波処理は30秒間〜5分間を要し、20〜40kHzの周波数を使用し、かつ/または1回以上の超音波処理サイクル(たとえば、1〜5サイクル)を含む。好ましい実施形態では、試料は、単一サイクルにより35kHzで1分間かけて超音波処理により処理される。任意で、超音波処理による処理は、加熱および/またはアルカリ化による処理と組み合わされる。
第2の実施形態では、試料の処理は、少なくとも1回のアルカリ化工程を含む。好ましくは、アルカリ化剤は、特に0.1〜1Mの濃度のNaOHである。任意で、アルカリ化工程の継続時間は5分間〜60分間である。任意で、アルカリ化工程は、高温、特に、20、40、60、または80℃の温度、たとえば、20℃〜80℃の温度で行われる。任意で、アルカリ化による処理は、超音波処理による処理と組み合わさる。
第2の実施形態では、試料の処理は、少なくとも1回の加熱工程を含む。任意で、加熱工程の継続時間は5分間〜60分間である。任意で、加熱工程は、高温、特に20℃〜80℃の温度、たとえば、20、40、60、または80℃の温度で行われる。任意で、加熱処理は、超音波処理によるおよび/またはアルカリ化による処理と組み合わされる。
試料処理の方法は、酵素処理、特にムタノリシンによる工程を含まない。
後続ステップでは、試料および/またはその希釈液は、TLR2受容体を発現する組換え細胞に接触される。細胞は、TLR2受容体、好ましくはヒトTLR2受容体をコードする核酸の導入により修飾された細胞であり、その初期の細胞はTLR2を発現しないので、組換え体として適している。
TLR2受容体の活性は、前記受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下にあるレポーター遺伝子を用いて検出される。好ましくは、このレポーター遺伝子は、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードする。特に、レポーター遺伝子は、アルカリホスファターゼをコードする。特に、レポーター遺伝子は、合成がTLR2に関連するシグナル伝達経路の直接依存下にある分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP:分泌型胎盤アルカリホスファターゼ)を産生する。
好ましい実施形態では、使用される細胞株は、ヒトTLR2をコードするベクターを用いて安定なトランスフェクションにより修飾されたHEK−10 Blue(商標)株(InvivoGen社により市販されている)、すなわち、HEK−Blue(商標)hTLR2株である。しかしながら、当業者はまた、市販の他の株(Imgenex)を使用してもよく、または、それを調製可能であることに留意すべきである。
細胞がHEK−Blue(商標)hTLR2である場合、細胞は、好ましくは、96ウェルプレートに対して約50,000細胞/ウェルの密度で使用される。
特定の実施形態では、グルコースポリマーの試料またはその稀釈液は、5〜50mg/mL、好ましくは5〜10、20、30、または40mg/mLの濃度のグルコースポリマーを有する。好ましい実施形態では、グルコースポリマーの試料またはその稀釈液は、約37.5mg/mLの濃度のグルコースポリマーを有する。
他の特定の実施形態では、グルコースポリマーの試料またはその稀釈液は、3.75%(重量/体積)、好ましくは3%の最大濃度のグルコースポリマーを有する。
たとえば、試料は、3.75%(重量/体積)、好ましくは3%の濃度のグルコースポリマーを有するように調製され、かつ試料は、本発明に係るアッセイ方法に付され、試料さらには1/10、1/100、および1/1000希釈液がアッセイされる。
好ましくは、グルコースポリマーの試料またはその稀釈液と細胞との接触は、約5〜48時間、好ましくは10〜36時間、より好ましくは16〜24時間行われる。
次いで、本方法は、レポーター遺伝子由来のシグナルの測定を含む。
HEK−Blue(商標)hTLR2細胞を用いた好ましい実施形態では、シグナルはアルカリホスファターゼの活性の尺度である。好ましくは、酵素反応は、1:3のアッセイ培地対SEAP試薬比(たとえば、50μLの培地および150μLのSEAP試薬)
を用いて行われる。さらに、少なくとも60分間の反応時間が好ましい。
最後に、試料中のPGNの量は、PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線を用いて決定される。
この曲線は、好ましくは、同一の細胞を用いて、同一の条件で、漸増用量のPGN、特にPGN標準を用いて得られる。
PGN標準は、細菌起源の任意のPGNである。たとえば、PGNは、次の微生物、すなわち、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、大腸菌、枯草菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスに由来する。特に、使用される標準は、精製かつ部分消化されたPGNである。そのような標準は、市販されている(大腸菌由来のInvitrogenカタログ番号tlrl−pgnecまたはtlrl−pgnek、枯草菌由来のカタログ番号tlrl−pgnb2、黄色ブドウ球菌由来のカタログ番号tlrl−pgnsa)(M.ルテウス由来のWako Pure Chemicalカタログ番号162−18101)。
PGN標準は、好ましくは、活性PGNに換算した単位で結果を表現するように、TLR2のアゴニストである内部標準を用いて較正される。内部標準は、リポペプチド、好ましくは合成品、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩(ここで、Pam3(cys)、PAM、またはPamは、パルミチン酸を意味する)である(図5参照)。したがって、PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線は、好ましくは、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準を用いて、標準化または検量される。この内部標準は、好ましくは、合成品であるかまたは明確な構造/組成を有するものである。検量または標準化は、各用量応答曲線の直線部の傾きを比較することにより、かつ検量標準およびPGN標準を用いて得られた曲線の重畳を可能にする補正率を計算することにより、行われる。
たとえば、検量線は、0.001〜1000ng/mL、特に0.01〜100ng/mLの濃度のPGNを用いて取得される。
この検量線は、PGNのみを用いるか、または規定量のPGNが添加されたグルコースポリマーの溶液を用いるかのいずれかにより得られる。特に、使用されるグルコースポリマーの溶液は、3.75%(重量/体積)、好ましくは3%のグルコースポリマーを含む。
PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応のこの曲線はまた、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準を用いて、特に、同一の細胞を用いて、同一の条件で、漸増用量のTLR2アゴニスト内部標準を用いて、取得可能である。この内部標準は、好ましくは、合成品であるかまたは明確な構造/組成を有するものである。PGNの場合とまったく同様に、グルコースポリマーの不在下または好ましくは存在下で、取得可能である。
典型的には、検量線は、シグモイド型の細胞応答の古典的な曲線である(図1)。
−(A)部は、TLR2の有効活性化を与える濃度未満の低濃度のPGNで得られる応答に対応する。したがって、この非線形ゾーンは、本方法の検出限界に対応する。本方法の変動を含めると、この検出の閾値は、バックグラウンドノイズ(刺激の不在下で得られる反応)の3倍の値であると推定される。
−(B)部は、線形応答が観測されるので、最も興味深い。有効応答を有するこのゾー
ンにより、細胞応答とPGNレベルとの間の直接的関係を決定することが可能である。したがって、これはアッセイゾーンである。
−(C)部は、過剰濃度のPGNの存在下での細胞応答の飽和に対応する。実際に、TLR2受容体の飽和が存在する。
検量線の直線部が考慮の対象となり、この部分は、PGNの量がレポーター遺伝子由来のシグナルに正比例するゾーン(B部)に対応する。
PGNでかなり汚染されている可能性のある試料の場合、常に線形ゾーン内に位置するように、複数回の段階希釈を行う必要がある。他の場合、低濃度のPGNでは、アッセイの感度を増加させることが望まれるのであれば、試料を濃縮する工程が必要となる。
任意で、本方法は、TLR2を発現しない、より一般的には、先天性免疫受容体発現しない対照細胞を用いたアッセイをさらに含む。たとえば、HEK−Blue(商標)Null2細胞を使用できる。これは対照系であり、その使用は、グルコースポリマーの試料が、内因性機序による酵素の産生を誘導しないことを検証するのに有用である。
本発明はまた、
−TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞であって、前記レポーター遺伝子が、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードし、特に、細胞が、好ましくは、HEK−Blue(商標)hTLR2細胞であり、ネガティブコントロールとして、キットがまた、先天性免疫受容体を発現しない細胞、たとえば、HEK−Blue(商標)Null2細胞を含む組換え細胞と、
−PGNの量とレポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線、または検量されたPGN標準、好ましくは、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、大腸菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから、好ましくは、黄色ブドウ球菌から選択される細菌に由来するもの、またはTLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準、のいずれかであって、任意で、キットが、両方、すなわち、検量線、さらにはこの検量線の作成に使用したのと同一の微生物に由来する検量されたPGN標準を含む、いずれかと、
−任意で、使用説明書、試料を前処理するための溶液、レポーター遺伝子の反応を測定するために使用される試薬、マイクロプレートなどと、
を含む、グルコースポリマーの試料においてペプチドグリカン(PGN)をアッセイするためのキットに関する。
好ましくは、キットは、TLR2のアゴニスト、好ましくはリポペプチド、特にPAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩である内部標準をさらに含む。
アッセイは、TLR2受容体を発現する系によるPGNの特異的認識と、TLR2に関連するシグナル伝達経路の活性化を介して測定可能な酵素活性の生成と、に基づく。
細胞物質
このアッセイに関する実験のために、以下の2つの種が使用される。
−HEK−Blue(商標)hTLR2細胞(HEK−TLR2):可溶性PGNに対して強い反応性を有する、TLR2リガンドに対する特異的反応。
−HEK−Blue(商標)Null2細胞(HEK−Null):試料の細胞毒性に関連する非特異的反応。
供給業者(InvivoGen)の推奨事項に従って細胞を培養する。75%のコンフルエンスの時に、細胞を0.28×10細胞/mLの密度で再懸濁させる。刺激の前に、180μLの細胞懸濁液を培養ウェル(96ウェルプレート)中に分配する(すなわち、50,000細胞/ウェル)。次いで、37.5%(重量/体積)のグルコースポリマーの試料を20μL添加することにより(すなわち、3.75%の試料の最終稀釈液)、細胞を24時間刺激する。24時間の刺激後、生成された酵素活性を定量することにより、細胞応答を測定する。
1−用量応答曲線の作成
37.5%(重量/体積)で調製された汚染されていないイコデキストリン溶液中に黄色ブドウ球菌のPGN標準を異なる量で希釈することにより(図2)、用量応答曲線を作成した(図2)。
結果は、シグモイド型の細胞応答の古典的な曲線である。
−(A)部は、TLR2の有効的な活性化を与える濃度未満の低濃度のPGNで得られる応答に対応する。したがって、この非線形ゾーンは、本方法の検出限界に対応する。
−(B)部は、線形応答が観測されるので、最も興味深い。有効な応答のこのゾーンにより、細胞応答とPGN量との間の直接的関係を決定することが可能である。したがって、これはアッセイゾーンである。
−(C)部は、過剰な濃度のPGNの存在下での細胞応答の飽和に対応する。実際、TLR2受容体の飽和が存在する。
黄色ブドウ球菌のPGNに対するHEK−TLR2細胞の応答の標準曲線は、0.07〜10ng/mL(すなわち、2〜267ng/gイコデキストリン)の濃度で線形ゾーンを有する。
2−内部標準を用いたPGNの生物学的アッセイの検量線の作成
37.5%(重量/体積)で調製された汚染されていないマルトデキストリン溶液中に異なる細菌種のPGNを希釈することにより(P−11.11参照)、用量応答曲線を作成した。アッセイされるPGNは、黄色ブドウ球菌(Sigma、カタログ番号77140)、ミクロコッカス・ルテウス(Sigma、カタログ番号53243)、枯草菌(InvivoGen、番号tlrl−pgnb2)、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウス(個人的な調製)から抽出される。
得られた曲線は、細胞物質を用いて行われるアッセイ(バイオアッセイ)で観測される応答の古典的な曲線である(図3)。0.2未満の吸光度は、細胞応答を誘導するには低すぎるPGN濃度であることの裏付けとなり、一方、2超の値は、TLR2受容体の飽和に関連するプラトー効果を示す。したがって、吸光度のこれらの2つの限界値間のゾーンのみが、SEAPの産生と試料中に存在するPGNの量との相関を可能にする。
観測された反応は、各種のPGNに関連する細胞応答性の大きな変動を示す。実際に、最大反応の50%に等しい応答を与える濃度(EC50)は、黄色ブドウ球菌および枯草菌のPGNでは約20ng/mL、M.ルテウスでは1500ng/mL、ならびにA.アシドカルダリウスおよび大腸菌K12から抽出されたものでは2000ng/mL超である。
しかしながら、PGNは、その細菌起源に依存して異なる構造を有し、このことが、炎症応答性に大きな変動を生じる原因となるので、これらの差は、予想されるものであった。これらの観測から、PGNに換算した単位で結果を表現できるように、内部標準を規定
することの重要性が際立つ。
HEK−TLR2細胞の応答を変化させる可能性のある他の因子は、PGNのサイズであり、これは、その溶解性およびTLR2に対する応答性に影響を与える。したがって、この高分子の精製のための手順は、抽出条件がPGNのサイズを変化させ、さらには部分分解を引き起こすので、細胞の応答にかなりの影響を及ぼす。この仮説を試験するために、黄色ブドウ球菌から抽出されたPGNの3つの個別のロット、すなわち、2つのSigmaロット(カタログ番号77140:ロット1、0001442777、ロット2、BCBH7886V)および1つのInvivoGenロット(番号tlrl−pgnsa)を用いて、アッセイを再現した。
結果は、3つのロット間の応答性の変動を示す(図4)。実際に、EC50値は、3つのロットにおいて、それぞれ、4、20、および400ng/mLである。これらのデータから、同一の供給業者からロットを入手して、同一の手順によりあらかじめ抽出したとしても、同一の細菌種から抽出されたPGNが、応答性の違いを示す危険性があることが示唆される。したがって、PGNの変動に関連する誤差を回避して、「活性」PGNの量として結果を表現するようにすべく、検量線に対して内部標準を導入する必要があるように思われる。
PAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩(PAM3(cys)、図5)は、細菌リポペプチドの構造を模倣するトリアシル化合成リポペプチドであり、TLR2の強力なアゴニストとして作用する。均質構造であるので、それは、多くの場合、TLR2受容体を発現する細胞の応答を検量するためのポジティブコントロールとして使用される。
したがって、我々の試験で、PGNをPAM3(cys)に置き換えて実験を再現した。予想どおり、HEK−TLR2細胞は、この化合物に対して強い応答性を示す。さらに、用量応答曲線の形状はPGNの存在下で得られたものに類似しており、EC50は、10ng/mLと推定された(図6)。これらの結果から、PAM3(cys)は、最も応答性のあるPGNと等価な応答を誘導するが、後者とは対照的に、構造変動を示さないことが示唆される。したがって、PGNのロットを検量し、標準化された検量線を作成するためにこの合成リポペプチドを使用することが可能であり、これにより、「活性」PGNの量で、すなわち、同一量のPAM3(cys)を用いて得られるものに等しいTLR2応答を与えるPGNの量で、結果を定式化することが可能である。
各用量応答曲線の直線部の傾きを比較し、補正率を計算してPGNの曲線をPAM3(cys)の曲線に重ね合わせることにより、PGNの各ロットをPAM3(cys)に対して較正する。図6に提示された実施例では、補正率は、ロット1、2、および3に対して、それぞれ、0.4、2、および40と推定された。このことは、PAM3(cys)により誘導されるものと同一の応答を得るためにロット1のPGNでは1/2.5にする必要があり、ロット2のPGNでは2倍におよびロット3のPGNでは40倍にする必要があることを意味する。PGNの生の量を補正した後、PAM3(cys)を用いて得られたものに重ね合わせることが可能な同一曲線上にすべての点が整列されていることが分かる(図7)。したがって、内部標準を用いて、PGNのすべてのロットに対する補正濃度を取得し、活性PGNに対して較正された用量応答曲線を作成することが可能である。
この方法を適用すると、HEK−TLR2細胞の応答の標準曲線は、0.5〜200ng/mL(図8)または13〜5400ng/gのグルコースポリマーの活性PGNの濃度に対して線形ゾーンを有する。

Claims (8)

  1. グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカン(PGN)の量を決定する方法であって、
    a)超音波処理、加熱、および/またはアルカリ化により前記グルコースポリマーの試料を処理して前記試料中に含まれるPGNを断片化および分解し、30〜5000kDaのサイズを有する可溶性PGNを生成すること
    b)前記処理された試料またはその稀釈液を、TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞に接触させることであって、前記レポーター遺伝子が分泌型アルカリホスファターゼであること
    c)前記レポーター遺伝子由来のシグナルを測定すること、
    d)前記PGNの量と前記レポーター遺伝子由来のシグナルの強度との間の対応の検量線を用いて、前記試料中のPGNの量を決定すること、
    を含み、
    前記PGNの量と前記レポーター遺伝子由来のシグナルの強度との対応の検量線が、PAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩を用いて標準化または較正されることを特徴とする、方法。
  2. 前記細胞が、HEK−Blue(商標)hTLR2細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記PGNの量と前記レポーター遺伝子由来のシグナル強度との対応の検量線が、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、枯草菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから選択される細菌に由来するPGNを用いて作成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記方法が、黄色ブドウ球菌、ミクロコッカス・ルテウス、枯草菌、およびアリシクロバチルス・アシドカルダリウスから選択される細菌に由来するPGNを用いて、検量線を作成する予備工程を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記方法が、PAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩を用いて前記検量線を作成する予備工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 必要に応じて、前記試料が、前記検量線の直線部に対応する前記レポーター遺伝子由来のシグナルを生成するように希釈されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記試料が、イコデキストリン溶液の試料であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカン(PGN)の量を決定するためのキットであって、
    −TLR2受容体に関連するシグナル伝達経路の直接依存下で外因性TLR2受容体(Toll様受容体2)とレポーター遺伝子とを発現する組換え細胞であって、前記レポーター遺伝子が、有色タンパク質もしくは蛍光タンパク質または基質を用いてもしくは用いずに活性を測定可能なタンパク質をコードする、組換え細胞と、
    GN標準と
    −任意で、使用説明書および前記試料を前処理するための溶液と、
    −PAMCys−Ser−(Lys)4三塩酸塩と、
    を含む、キット。
JP2016504619A 2013-03-26 2014-03-25 グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンの量を決定する方法およびキット Active JP6454682B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1352732 2013-03-26
FR1352732 2013-03-26
FR1357197 2013-07-22
FR1357197 2013-07-22
PCT/EP2014/055888 WO2014154651A1 (fr) 2013-03-26 2014-03-25 Dosage biologique des peptidoglycanes

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016514468A JP2016514468A (ja) 2016-05-23
JP6454682B2 true JP6454682B2 (ja) 2019-01-16

Family

ID=50397130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016504619A Active JP6454682B2 (ja) 2013-03-26 2014-03-25 グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンの量を決定する方法およびキット

Country Status (13)

Country Link
US (2) US9857355B2 (ja)
EP (1) EP2979091B1 (ja)
JP (1) JP6454682B2 (ja)
KR (1) KR102318190B1 (ja)
CN (1) CN105122059B (ja)
AU (1) AU2014243145B2 (ja)
BR (1) BR112015024577A2 (ja)
CA (1) CA2904965C (ja)
ES (1) ES2679493T3 (ja)
MX (1) MX2015013735A (ja)
RU (1) RU2680885C2 (ja)
SG (1) SG11201507708WA (ja)
WO (1) WO2014154651A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3495816A1 (fr) * 2011-04-08 2019-06-12 Roquette Freres Methodes de detection de contaminants dans des solutions contenant des polymeres de glucose
EP3102692B2 (fr) 2014-02-07 2022-02-16 Roquette Frères Dosage biologique des peptidoglycanes

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2077723C1 (ru) * 1993-02-11 1997-04-20 Научно-исследовательский конструкторско-технологический институт биологически активных веществ Научно-производственного объединения "Вектор" Способ определения липополисахаридов
US7118857B2 (en) 2004-02-27 2006-10-10 Baxter International Inc. Methods and compositions for detection of microbial contaminants in peritoneal dialysis solutions
JP4455933B2 (ja) * 2004-05-17 2010-04-21 株式会社タクマ 汚泥の水素発酵方法
US20090239819A1 (en) * 2008-03-20 2009-09-24 Run Wang Peritoneal dialysis solution test method
GB2481267B (en) * 2010-06-15 2016-04-20 Univ Leicester Assay for determining the risk of a toll-like receptor containing foodstuff for causing systemic inflammation in vivo
EP3495816A1 (fr) 2011-04-08 2019-06-12 Roquette Freres Methodes de detection de contaminants dans des solutions contenant des polymeres de glucose
JP5821358B2 (ja) * 2011-07-20 2015-11-24 ソニー株式会社 核酸抽出方法及び核酸抽出用カートリッジ
CN104364648B (zh) 2012-05-29 2017-04-26 罗盖特兄弟公司 用于生产葡萄糖聚合物和葡萄糖聚合物的水解产物的净化回路的方法

Also Published As

Publication number Publication date
US9857355B2 (en) 2018-01-02
SG11201507708WA (en) 2015-10-29
CA2904965C (fr) 2021-11-16
MX2015013735A (es) 2016-06-21
JP2016514468A (ja) 2016-05-23
US20180188233A1 (en) 2018-07-05
KR20150135302A (ko) 2015-12-02
EP2979091A1 (fr) 2016-02-03
RU2680885C2 (ru) 2019-02-28
CA2904965A1 (fr) 2014-10-02
WO2014154651A1 (fr) 2014-10-02
AU2014243145A8 (en) 2015-10-15
CN105122059B (zh) 2019-04-30
RU2015145785A (ru) 2017-05-02
AU2014243145A1 (en) 2015-10-08
AU2014243145B2 (en) 2020-04-02
CN105122059A (zh) 2015-12-02
EP2979091B1 (fr) 2018-04-25
US20160054301A1 (en) 2016-02-25
KR102318190B1 (ko) 2021-10-28
ES2679493T3 (es) 2018-08-27
BR112015024577A2 (pt) 2017-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Shi et al. Inflammatory caspases are innate immune receptors for intracellular LPS
Case et al. Asc and Ipaf Inflammasomes direct distinct pathways for caspase-1 activation in response to Legionella pneumophila
Eugster et al. Rapid analysis of Listeria monocytogenes cell wall teichoic acid carbohydrates by ESI-MS/MS
Singh et al. L-Asparaginase of Leishmania donovani: Metabolic target and its role in Amphotericin B resistance
Safina et al. Flow-injection assay of the pathogenic bacteria using lectin-based quartz crystal microbalance biosensor
Wang et al. Proteomics analysis reveals the effect of Aeromonas hydrophila sirtuin CobB on biological functions
JP6454682B2 (ja) グルコースポリマーの試料中のペプチドグリカンの量を決定する方法およびキット
KR20140012119A (ko) 글루코스 중합체를 함유하는 용액 중의 오염물을 검출하는 방법
CN102809654A (zh) 一种双粒子复合的c-反应蛋白检测试剂盒
Hacine-Gherbi et al. Use of Toll-like receptor assays for the detection of bacterial contaminations in icodextrin batches released for peritoneal dialysis
Asiamah et al. Natural and synthetic pathogen associated molecular patterns modulate galectin expression in cow blood
JP6370390B2 (ja) ペプチドグリカンの生物検定
Son et al. Peptidoglycan induces the production of interleukin-8 via calcium signaling in human gingival epithelium
Zheng et al. Evaluation of the pathogenesis of meningitis caused by Streptococcus suis sequence type 7 using the infection of BV2 microglial cells
Liggins et al. Comparison of sporulation and germination conditions for Clostridium perfringens type A and G strains
Lee et al. In vitro bioassay of endotoxin using fluorescein as a pH indicator in a macrophage cell culture system
Li et al. Development and characterization of stable reporter cells for fast and sensitive detection of pyrogen
KR101503830B1 (ko) 동물 세포를 이용한 바이오센싱 방법 및 동물 세포를 이용한 감염 진단 바이오 키트
Mishra et al. FIA-EQCN biosensor for analysis of sulphadiazine residues in milk
MR et al. keshavarz lelekami A, Mohammadi M, Mirhosseini SA. Clostridium Neurotoxins Detection Systems Based on Biosensors
Maffei et al. Infection-driven activation of transglutaminase 2 boosts glucose uptake and hexosamine biosynthesis
槇光輝 Studies on the regulation mechanism of the NF-κB-like transcription factor Relish through the polyamine-modification catalyzed by transglutaminase

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170222

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170511

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180328

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180528

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6454682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250