JP6454622B2 - 原子炉隔離時冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外部電源と非常用電源が失われた時に炉心の冷却を維持し、炉心溶融等のシビアアクシデントを防止する原子炉隔離時冷却装置に関する。
原子炉は、核燃料ペレットを封止した燃料棒と、燃料棒を束ねた燃料集合体を装荷する炉心と、炉心を内包する原子炉圧力容器(圧力容器)と、さらに圧力容器を気密構造で格納する格納容器とを備える。炉心で発生した蒸気は、圧力容器から主蒸気隔離弁を備える主蒸気管を通ってタービンに送られ、タービンを回した後、復水器で凝縮されて復水貯蔵タンクに貯められる。復水貯蔵タンクの水は、給水ポンプによって圧力容器内に給水される。格納容器内には、主蒸気管破断時等に漏洩した蒸気を、ベント管を通してプール水中で凝縮させて格納容器内の圧力を下げる圧力抑制プールが設けられる。
原子炉には、自然災害や事故による原子炉の緊急停止後に崩壊熱を除去して安全に炉心を冷却するための非常用炉心冷却系として、定格運転時の圧力以上の高圧条件では、圧力容器内に復水貯蔵タンクの復水をポンプ注水できる高圧注水系を備える。
また、給水系の故障等の原因で高圧注水系が機能しない場合においても、原子炉で発生した蒸気でタービン駆動ポンプを回して圧力容器内に冷却水を注水する原子炉隔離時冷却装置が設けられている。原子炉隔離時冷却装置の水源として、復水貯蔵タンクや圧力抑制プール水が用いられ、タービンを駆動した蒸気は、低圧の復水貯蔵タンクや圧力抑制プールに導かれる。
原子炉隔離時冷却装置による注水では、炉心における加熱による蒸発量を超える注水量があれば、圧力容器内の水位は上昇する。また、他系統の注水系と併用する圧力容器内の水位上昇は顕著となる。
圧力容器内の水位が、主蒸気管ノズル部を超えると、冷却水が主蒸気管を通ってタービンに流入し、原子炉隔離時冷却装置の機能が失われるとともに、再起動が困難になる可能性がある。
したがって、圧力容器内の水位は炉心溶融を防ぐため炉心上端より高く、且つ主蒸気管ノズル等より低く制御しなければならない。このため、原子炉隔離時冷却装置の運転では圧力容器内の水位の計測値に基づいて流量調節弁等を開閉してタービンに送る蒸気流量を調節するか、仕切弁で蒸気の流れをオン・オフ制御する必要がある。
原子炉は、地震、風水害等で外部電源が喪失した場合においても、複数の非常用発電機を用いて非常用炉心冷却系の動力用電源、及び計装や弁の開度を調節する制御用電源を確保できるように設計されている。
また、全ての非常用発電機が機能せず動力用電源が失われても、原子炉隔離時冷却装置の動力は原子炉で発生した蒸気であり、電池等の制御電源が確保されている間は、水位の計測や弁開度の制御が継続し、非常用炉心冷却系の機能は確保される。
しかし、上記の電池等を使い切った後や電池等に不具合が生じて計装、制御電源が絶たれると、原子炉隔離時冷却装置が停止する、あるいは注水流量の制御が困難になる等の問題が生じる。
これに対して、原子炉隔離時冷却装置を無電源でも受動的、自動的に制御できれば、さらに高い原子炉の安全性が確保される。
原子炉隔離時冷却装置による注水流量を制御する従来技術として、特許文献1には、タービン駆動ポンプ流量を計測する流量計と、タービン制御装置を設けタービン駆動ポンプの定格流量設定値と該流量計測値を比較し、タービンへの蒸気流量を調節する技術が開示されている。
さらに、特許文献1には、その実施例に、タービン駆動ポンプの吐出側の流路に流路面積縮小部を設け、該縮小部の前後に差圧検出配管を設け、タービンへの蒸気流量調節弁の開度調節軸にピストンを取り付けて、ポンプ流量に相関する該差圧検出配管の圧力差によって、該ピストンを動かし、蒸気流量を調節する技術が開示されている。
特開2003−302490号公報
上述した特許文献1に記載の技術では、制御電源が失われた場合においても、流路面積縮小部の前後の差圧を用いて、機械的に蒸気流量を調節し、圧力容器への冷却水の注水流量を制御可能である。
しかし、特許文献1に記載の技術にあっては、制御電源が失われた場合の圧力容器内の水位計測手段が無く、注水流量を一定値に制御するだけでは時々刻々の圧力容器内の除熱状態が不定であるため、圧力容器内の水位を炉心上端より上方で、且つ主蒸気管ノズル等の上限目標値より下方に保つ水位制御機能が得られないという課題がある。
本発明の目的は、原子炉の外部電源及び非常用電源が喪失した場合においても、原子炉隔離時冷却装置の運転を無電源で受動的、自動的に調節し、圧力容器内の水位を炉心上端より上方で、且つ主蒸気管ノズル等の上限目標値より下方に保つことが可能な原子炉隔離時冷却装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
原子炉隔離時冷却装置において、炉心を内包する原子炉圧力容器に接続される主蒸気管から蒸気を蒸気タービンに供給するタービン給気流路と、上記タービン給気流路に配置され、上記蒸気タービンの上流側に配置され、上記蒸気タービンに供給される蒸気を調整する流量調整弁と、水を貯留し、上記原子炉圧力容器内より低圧の低圧空間を有する貯水プールと、上記蒸気タービンにより駆動され、上記貯水プールに貯留された水を上記原子炉圧力容器内に供給するポンプと、上記蒸気タービンと上記貯留プールとを接続し、上記主蒸気管と上記貯水プールとを上記蒸気タービンを介して連通するタービン排気流路と、上記原子炉圧力容器内に配置される主蒸気管ノズルより下方であって、かつ、上記炉心の上端より上方の空間に位置される取水口を有する給水流路と、上記給水流路から上記原子炉圧力容器内の水が供給され、供給された水の動圧または水頭圧を動力に変換し、上記流量調整弁を開方向又は閉方向に駆動する圧力回収装置と、上記圧力回収装置と上記貯水プールとの間に接続され、上記圧力回収装置から排出された水を上記貯水プールに供給する排水流路と、を備える。
本発明によれば、原子炉の外部電源及び非常用電源が喪失した場合においても、原子炉隔離時冷却装置の運転を無電源で受動的、自動的に調節し、圧力容器内の水位を炉心上端より上方で、且つ主蒸気管ノズル等の上限目標値より下方に保つことが可能な原子炉隔離時冷却装置を実現することができる。
本発明の実施例1に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。 本発明の実施例1に係る圧力回収装置の構造を説明する断面図である。 本発明の実施例1の変形例に係る圧力回収装置の構造を説明する断面図である。 本発明の実施例2に係る圧力回収装置の構造を説明する断面図である。 本発明の実施例2の変形例に係る圧力回収装置の構造を説明する断面図である。 本発明の実施例3に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。 実施例3に係わる圧力回収装置の構造を説明する断面図である。 本発明の実施例4に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。 本発明の実施例4における取水管の取水口の断面図である。 本発明の実施例5に係る原子炉隔離時冷却装置の概略構成図である。 本発明の実施例5に係る原子炉隔離時冷却装置の概略構成図である。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る原子炉隔離時冷却装置は、沸騰水型原子炉、加圧水型原子炉等の軽水炉、及び高速増殖炉、新型転換炉、高温ガス炉他の各種原子炉に適用可能である。
以下、これら各種原子炉のうち沸騰水型原子炉に本発明を適用する場合を例に説明するが、これに限られるものではなく、また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の変形が可能である。
(実施例1)
本発明の実施例1について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。図1において、核燃料集合体が装架された炉心2が原子炉圧力容器1内に設置(内包)されている。原子炉圧力容器1の上部には炉心2で発生した蒸気を蒸気タービン4に供給する主蒸気管3が取り付けられ、この主蒸気管3は原子炉圧力容器1内に位置する主蒸気管ノズル3Nに接続されている。主蒸気管3には逃がし安全弁17や主蒸気隔離弁16が取り付けられている。なお、主蒸気管ノズル3Nは、図1以外の他の図では省略している。
また、水を貯留する貯水プール6は、格納容器外に設置された復水貯蔵タンクや、格納容器内の圧力抑制プール等の原子炉圧力容器1内に比較して低圧雰囲気の貯水プールを代表して表す。貯水プール6が圧力抑制プールの場合には、ポンプ給水流路35、タービン排気流路34、排水流路36、及び逃がし安全弁排気流路18が、貯水プール6に連通している。貯水プール6が復水貯蔵タンクの場合、ポンプ給水流路35は、復水貯蔵タンクである貯水プール6に連通するが、タービン排気流路34、排水流路36、及び逃がし安全弁排気流路18は、圧力抑制プールに連通する。
主蒸気管3と貯水プール6との間に、タービン給気流路31、自動弁21、流量調節弁7、蒸気タービン4、弁11、タービン排気流路34、自動弁23が設けられている。蒸気タービン4は、同軸駆動のポンプ5とともに、タービン駆動ポンプ型の原子炉隔離時冷却装置の注水系を構成する。ポンプ5は、その上流側が自動弁24を介してポンプ給水流路35により貯水タンク6に連通し、ポンプ5の下流側が自動弁26を介してポンプ注水流路33により原子炉圧力容器1に連通する。
タービン給気流路31、タービン排気流路34、ポンプ給水流路35、ポンプ注水流路33の系統は、従来の原子炉隔離時冷却装置の蒸気タービン4の上流下流、給水ポンプ5の上流下流の系統と並列に設けても良く、従来の系統に置き換えても良い。
ここで、自動弁とは空気圧、電動モータ、油圧等のアクチュエータで弁開度を遠隔で調節する弁を表し、本発明の実施例においては特に記載の無い弁は手動弁を表すものとする。本実施例1では、注水流路、給水流路に必要となる弁の開閉、流量調節機能を最小限の弁で表しており、同じ機能の弁類を複数配置することを否定するものではなく、また、システム概念の説明に自動弁を手動弁の操作で記述しても構わない。
好ましくは、自動弁21、自動弁23、自動弁24、自動弁26は流路の開閉用の弁であり、型式は仕切弁、あるいはボール弁が適している。また、自動弁21、自動弁23、自動弁24、自動弁26は、全交流電源が断たれ、さらに非常用バッテリー等の制御電源も失われた場合に、弁が開となるノーマル・オープン型の弁である。
一方、弁11は流量調節用の手動弁であり、型式はダイアフラム弁、玉形弁、バタフライ弁が適している。弁11は、原子炉の全交流電源、及び非常用バッテリー等の制御電源が失われた場合に、ノーマル・オープン型の自動弁が全て開いた後の、タービン4の蒸気流量とタービン駆動のポンプ5の注水流量が目標値になるように、予め開度が設定される。
上記の原子炉隔離時冷却装置において、本発明の実施例1ではタービン給気流路31に、タービン4への蒸気流量を調節するための流量調節弁7を設け、原子炉圧力容器1における主蒸気管3との接合部より下方で且つ炉心2の上端より上方の高さに連通する取水口32Pを有し、かつ、自動弁25を備えた給水流路32を設け、給水流路32に接続され給水流路32を流れる水の動圧や水頭圧を動力に変換する圧力回収装置8を設け、圧力回収装置8と貯水タンク6を弁10と自動弁27を備える排水流路36で連通する。
なお、取水口32Pは図1以外の他の図では省略する。圧力回収装置8と流量調節弁7を流体継手9で接続し、圧力回収装置8で得られた軸駆動力を、流体継手9を介して流量調節弁駆動軸14に伝達し、流量調節弁7の開度調整を可能とする。
好ましくは、自動弁25、自動弁27は流路32、36の開閉用の弁であり、型式は仕切弁、あるいはボール弁が適している。また、自動弁25、自動弁27は、全交流電源が断たれ、さらに非常用バッテリー等の制御電源も失われた場合に、弁が開となるノーマル・オープン型の弁である。弁10は、流量調節用の手動弁であり、型式はダイアフラム弁、玉形弁、バタフライ弁が適している。弁10は、圧力回収装置8で回収される動圧が、流量調節弁7の開度調整に必要な軸駆動力になるように、予め開度が設定される。このため、弁10の代わりにオリフィスを用いても良い。
図2は、本発明の実施例1に係る圧力回収装置8の構造を説明する断面図である。本実施例1の圧力回収装置8は、水の動圧(流れで生じる圧力)を回収して動力に変換する動圧回収装置であり、図2では動圧回収装置として反動型水車のプロペラ水車を用いた例を示している。図2の(A)は、圧力回収装置8及び流体継手9の断面図を示し、図2の(B)は、圧力回収装置8を説明するための断面図である。
図2において、圧力回収装置8は、動圧回収装置であって、ケーシング59の内部にランナー58とランナーに取り付けられた羽根であるベーン57、ランナー58を取り付けたシャフト60を備えている。図示していないが、シャフト、駆動軸には円滑に回転するように、軸受けやグランドパッキン等の軸封部品が用いられる。シャフト60は、流体継手駆動軸13に接合され、流体継手駆動軸13が流体継手9内の入力側羽根車50に接合される。
流体継手9の内部は流体であるオイル(作動油)15で満たされており、入力側羽根車50が回転すると、オイルの流動を通して回転の動力が出力側羽根車49に伝達される。出力側羽根車49の回転は、出力側羽根車49に接合された流量調節弁駆動軸14に伝わり、流量調節弁7が閉じる方向に回転する。流量調節弁駆動軸14に取り付けられた復座機構48は、ばね等の復元力を利用するもので、流体継手駆動軸13が回る間は流量調節弁7が閉じるのと並行してばねが収縮し、流体継手駆動軸13の回転が低下すると逆に、ばねの復元力が支配的となって、流量調節弁7が開く方向に回転する作用を利用している。出力側の流量調節弁7の完全閉で出力側羽根車49の回転が停止することやトルク向上を考慮して、トルクコンバータ型の流体継手を用いても良い。流量調節弁7は、流体継手駆動軸13が回り切った時点で完全閉止して良く、また、完全閉止せず最小流量の蒸気の通過が可能な弁座構造としても良い。完全閉止しない場合は、弁の閉固着防止や最小注水流量の維持機能が得られる。
以下、本発明の実施例1に係る原子炉隔離時冷却装置の動作を説明する。
自然災害等による原子炉の緊急停止時において、図1に示す主蒸気隔離弁16が全閉になった場合には、原子炉圧力容器1内の上昇した原子炉圧力が主蒸気逃がし安全弁17の開閉で抑制されるとともに、原子炉隔離時冷却装置によって原子炉蒸気を消費しながら原子炉が減圧され、炉心2で発生する崩壊熱も除去される。
外部電源が失われている場合においても、複数の非常用発電機を用いて非常用炉心冷却系の動力用電源、及び計装や弁の開度を調節する制御用電源を確保できるように設計されている。万が一、全ての非常用発電機が機能せず動力用電源が失われても、原子炉隔離時冷却装置の動力は炉心2で発生した蒸気であり、電池等の制御電源が確保されている間は、水位の計測や弁開度の制御が継続し、非常用炉心冷却系の機能は確保される。
しかし、上記の電池等を使い切った後や電池等に不具合が生じて計装、制御電源が絶たれた場合に、本実施例1に示した自動弁構成の原子炉隔離時冷却装置を用いない場合は、蒸気タービン4で駆動されるポンプ5による原子炉圧力容器1内への注水は継続するものの、原子炉圧力容器1内の水位制御は困難になる。水位が上昇すると、主蒸気管3から溢水し、タービン給気流路31を通って、蒸気タービン4に冷却水が流入し、蒸気タービン4を浸した水によって、原子炉隔離時冷却装置の運転や再起動が困難になる可能性がある。
本発明の実施例1では、原子炉隔離時冷却装置等による注水で原子炉圧力容器1の水位が図1のレベルH1(炉心2の上端部より上方かつ取水口32Pより下方)より上方の取水口32Pを超えると、給水流路32から圧力回収装置8への冷却水流入が始まり、図2に示したプロペラ水車のランナー58が回転を開始する。原子炉圧力容器1の水位がさらに上昇すると、水頭と弁10の圧力損失で定まる流量に達して、圧力回収装置8のプロペラ水車の回転が増加し、十分な動力が発生する。この動力が、図2の流体継手9の入力側羽根車50を回し、流体継手9内のオイルを介して出力側羽根車49が回転する。この時、水位はレベルH2(主蒸気管ノズル3Nより下方)まで到達する。
その結果、流量調節弁7が徐々に閉まり、図1の蒸気タービン4への蒸気流量が減少して、ポンプ5による原子炉圧力容器1内への給水流量が低下する。
このとき、復座機構48には、弁を開く方向の力(開方向への駆動力)が蓄積される。
給水流量の減少によって、原子炉圧力容器1の水位は低下する。この時、炉心2で発生する蒸気は、原子炉圧力容器1の圧力が過大になると主蒸気逃がし安全弁17等から放出される。
原子炉圧力容器1の水位低下にともなって、水位が給水流路32以下になると、圧力回収装置8への冷却水流入が停止する。その結果、入力側羽根車50が停止して出力側羽根車49への動力が無くなり、復座機構48によって流量調節弁7が徐々に開いていく。この時、水位はレベルH1まで低下する。
流量調節弁7が開くことによって、再び蒸気が蒸気タービン4に流入し、原子炉圧力容器1へのポンプ5による給水流量が増加して、原子炉圧力容器1の水位が上昇する。
以上の動作が繰り返されることによって、原子炉圧力容器1内の水位をレベルH1からレベルH2の間に保ち、炉心2の冷却に必要な給水流量が保たれた状態が継続する。動作の時間遅れを考慮して、レベルH1が炉心2の上端より下方にならないように、また、レベルH2が主蒸気管ノズル3Nより上方にならないように、取水口32Pの高さを決定する。
圧力回収装置8に、図2に示したプロペラ水車を用いる場合、特に低水頭でも動圧を回収し易い特性が得られる。
図3は、本発明の実施例1の変形例に係る圧力回収装置8の構造を説明する断面図であり、図1の構成で圧力回収装置8に反動型水車のフランシス水車を用いた例である。
つまり、図3に示すように、ケーシング59と間隙41を有し、ベーン43を備えるランナー42が配置され、排水流路36とケーシング59とは吸出管61を介して排出流路36と接続されている。給水流路32からケーシング59の駆動流体入口(水入口)から、ケーシング59と吸出管61と接続部分である駆動流体出口(水出口)までを、駆動流体である水がランナー42を迂回して通過するために間隙41が形成されている。この間隙41は微小流量の蒸気抜き流路として機能する。
図3に示したフランシス水車の例は、原子炉隔離時冷却装置の作用は、プロペラ水車を用いた場合と同じであるが、フランシス水車では特に、プロペラ水車より動力回収の効率が高い特性を有する。
以上のように、本実施例1によれば、原子炉の外部電源及び非常用電源が喪失した場合においても、原子炉隔離時冷却装置の運転を無電源で受動的、自動的に調節し、圧力容器1内の水位を炉心2上端より上方で、且つ主蒸気管ノズル等の上限目標値より下方に保つことが可能な原子炉隔離時冷却装置を実現することができる。
つまり、原子炉の外部電源及び非常用電源が喪失した場合において、原子炉隔離時冷却装置による圧力容器1内への注水時に、無電源で圧力容器1内の水位を適正に保つことによって、原子炉隔離時冷却装置の蒸気タービン4への溢水を防止できるので原子炉の信頼性が向上し、炉心溶融防止によって原子炉の安全性が向上する。
また、圧力容器1内の水位を適正に保つことによって、注水の過不足が防止され、限られた注水用の貯水量に対して長期の注水が可能となるので、原子炉の安全性が向上する。
また、弁10やオリフィスの挿入によって、圧力回収装置8の水の使用量を低減するとともに、水頭の形成が容易になる効果が得られる。流体継手9による弁7を閉じる向きの力と、弁7を開方向に戻す復座機構48の動作によって、圧力容器1の水位が上昇して圧力回収装置8に水が流入した場合に流量調節弁7が閉じられ、圧力容器1の水位が低下し圧力回収装置8の水が排出された場合に流量調節弁7が開かれる操作が、自動的、且つ連続的に可能となり、圧力容器1内の水位が一定範囲内に維持され原子炉の信頼性が向上する。
なお、圧力回収装置8と流体継手9とを合わせて圧力回収装置と総称することも可能である。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について、図1、図4、図5を参照して詳細に説明する。本発明の実施例2に係る原子炉隔離時冷却装置の全体構成は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
図4は、本発明の実施例2に係る圧力回収装置8の構造を説明する断面図であり、図1の構成で圧力回収装置8に動圧回収装置である衝動型水車のペルトン水車を用いた場合である。図4の(A)は、圧力回収装置8及び流体継手9の断面図を示し、図4の(B)は、圧力回収装置8を説明するための断面図である。
給水流路32には、ペルトン水車のランナー44のバケット45に衝突する噴流W1を生成するための射出ノズル46とニードル47が取り付けられる。ペルトン水車型の圧力回収装置8は、水圧を噴流の動圧に変換して動力を回収する方式であるため、水圧を確保するためには射出ノズル46とニードル47の圧力損失がプロペラ水車型やフランシス水車型より大きくなる。このため、図1に示す弁10、あるいは実施例1で説明したように弁10に代わるオリフィスで与える圧力損失は低くても良い。
図5は、本発明の実施例2の変形例に係る圧力回収装置8の構造を説明する断面図である。図5の例は、図4に示したペルトン水車型の圧力回収装置8において、射出ノズル46を水車本体から距離Lだけ離した給水流路32の上流部に取り付ける例である。
距離Lは、噴流W1の拡大がバケット45の幅より狭くなる範囲で、射出ノズル46から蒸気が噴出する場合に給水流路32で流れの乱れと拡散で蒸気の運動量が減少する長さに設定する。
この場合、ニードル47の寸法、形状も蒸気の乱れと拡散を促進するように設定すると、水の場合と蒸気の場合で動圧の差が拡大する効果が期待される。本実施例の水車用のランナー44の寸法とバケット45の枚数では、蒸気がバケット45に衝突したときに動圧を動力に変換する効率は低いが、図5に示すように射出ノズル46を水車本体から離して取り付けることによって、さらに蒸気の動圧が低減され、水車が流量調節弁7の開閉操作に与える蒸気と水の場合の動力差が大きくなり、弁の開閉の信頼性が向上する。
ペルトン水車の圧力回収装置8では、原子炉隔離時冷却装置の作用は、プロペラ水車用いた場合と同じであるが、ペルトン水車は特に、プロペラ水車より効率は劣るが、流量の変化に対して効率の変動が少ないため、動作の確実性が高まる効果が得られる。
以上に説明した本実施例2によれば、実施例1の効果に加えて、原子炉隔離時冷却装置の動作の確実性が高まるため、原子炉の信頼性と安全性が向上する。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について、図6、図7を参照して詳細に説明する。図6は、本発明の実施例3に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。
図1に示した実施例1における原子炉隔離時冷却装置の概略構成図において、水車を用いた圧力回収装置8、流体継手9に代えて、給水流路32に流入する水の水頭圧を直接利用する水頭圧回収装置である圧力回収装置63が配置されている。
さらに、図1における流量調節弁駆動軸14に代えて、弁駆動軸62が配置され、排水流路36の弁10に代えて弁(圧力損失を生じる流動抵抗体)55が配置され、流量調整弁7に代えて流量調整弁52が配置されている。
図7は、実施例3に係わる圧力回収装置63の構造を説明する断面図である。図7において、圧力回収装置63は、シリンダー56とピストン54とを備え、ピストン54には流量調節弁52の流量調節弁駆動軸62が接合されている。
図7において、流量調節弁52は弁駆動軸62の前後動によって流量調節弁52の開度が変化する例を示すが、弁駆動軸62の前後動を回転に変えて、回転により弁開度を変化させる構成としてもよい。本実施例3では、シリンダー56内面とピストン54とで囲まれる空間の一部に給水流路32が接続される。また、同空間の他の部分に弁55を介して排水流路36が接続される。弁55は、圧力回収装置63で回収される水頭圧が、流量調節弁52の開度調整に必要な軸駆動力になるように、予め開度が設定される。予め開度が定められるため、弁55の代わりにオリフィスを用いても良い。
本実施例3は、原子炉圧力容器1の水位が図6の取水口32Pを越えると、給水流路32から圧力回収装置63のシリンダー56への冷却水流入が始まり、ピストン54が水頭圧で押されて流量調節弁52の駆動軸62が流量調節弁52を閉める方向に移動する。流量調節弁52が徐々に閉まり、図6の蒸気タービン4への蒸気流量が減少して、ポンプ5による原子炉圧力容器1内への給水流量が低下する。水位は、レベルH2に達する。この時、ばね機構等で構成される流量調節弁復座機構53では、流量調整弁52の開方向への力が蓄積される。
原子炉圧力容器1への給水流量の減少によって、原子炉圧力容器1の水位が低下し、これにともなって、水位が図6のレベルH1以下になると、原子炉圧力容器1内の給水流路32の取入口における水面が切れて(水面が取入口より下方となり)、圧力回収装置63のシリンダー56への冷却水流入が停止するとともに、シリンダー56内の水は排水流路36から排出される。水位は、レベルH1まで低下する。
その結果、シリンダー56の圧力が低下し、流量調節弁復座機構53に蓄積されたばね等の復元力によってピストン54が流量調整弁52を開とする方向へ移動していく。流量調節弁52が開くことによって、再び蒸気が蒸気タービン4に流入し、原子炉圧力容器1へのポンプ5による給水流量が増加して、原子炉圧力容器1の水位が上昇する。以上の動作が繰り返されることによって、原子炉圧力容器1内の水位をH1からH2の間に保ち、炉心2の冷却に必要な給水流量が保たれた状態が継続する。
以上の本実施例3によれば、実施例1と同様な効果を得ることができる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について、図8、図9を参照して詳細に説明する。図8は、本発明の実施例4に係る原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成図である。実施例4は、図1に示した実施例1の原子炉隔離時冷却装置の全体概略構成において、原子炉圧力容器1内の給水流路32の取入口を鉛直下向きに下げて、数10センチメートルの長さの取水管67を取り付けている。実施例4の他の構成は、実施例1と同等となっている。
なお、図8は、図1に示した構成に取水管67を取り付けているが、実施例2、実施例3に、取水管67を取り付ける構成も実施例4に含まれるものである。
図8において、原子炉圧力容器1内の水位の上昇に伴って、水位が取水管67の上端を越えたところで圧力回収装置8への給水が始まる一方で、原子炉圧力容器1内の水位の下降時に、サイホン効果によって取水管67の下端(レベルH3)にまで水位が低下するまで、圧力回収装置8への給水が継続する。
弁10や図4、図5に示した射出ノズル46での圧力損失が大きいほど、給水流路32での圧力勾配が減少するため、このサイホン効果は顕著になる。
図9は、本発明の実施例4における取水管67の取水口の断面図である。取水管67の水の取入口に、図9に示すように、円管状の環状バッフル68(図9の(A))、あるいは円錐状の環状バッフル69(図9の(B))を取り付ける。環状バッフル68、及び環状バッフル69の上面には、バッフル内外の均圧化のためのガス抜き孔70が形成される。これによって、取水時の原子炉圧力容器1内の液面の揺動が環状バッフル68、あるいは環状バッフル69に抑制され、取水管67の水取り込み口の水面はほぼ一定となる。
したがって、取水管67に取り込まれた水に蒸気が混入し難くなり、取水管67への水の流入が安定する。
以上に説明した取水管67や環状バッフル68、69を用いることによって、原子炉圧力容器1内の水位変動による圧力回収装置8の水車の起動変動が抑制されるとともに、図6、図7に示したピストン54の頻繁な前後動が抑制されて、原子炉隔離時冷却装置の信頼性が向上する。
本発明の実施例4によれば、実施例1と同様な効果を得ることができる他、原子炉隔離時冷却装置の信頼性がより向上するとともに、原子炉の安全性がさらに向上する。
(実施例5)
次に、本発明の実施例5について、図10、図11を参照して詳細に説明する。図10、図11は、本発明の実施例5に係る原子炉隔離時冷却装置の概略構成図である。実施例5は、図8に示した原子炉隔離時冷却装置の構成において、圧力回収装置8より上流側であり、自動弁25の下流側の給水流路32に、バッファタンク71を取り付けている。
原子炉圧力容器1内の水位の上昇にともなって、取水管67の上端を越えたところで圧力回収装置8への給水が始まる一方で、原子炉圧力容器1内の水位の下降時に、サイホン効果によって取水管67の下端(レベルH3)に水位が低下するまで圧力回収装置8への給水が継続するが、取水管67の下端以下に水位が低下すると圧力回収装置8への給水が停止する。
この圧力回収装置8への給水開始時と給水停止時には、原子炉圧力容器1内における液面の変動で給水流路32への水の流入が断続的になる。このため、圧力回収装置8の起動・停止が断続的になって、蒸気タービン4の回転が不安定になる可能性がある。
実施例4の環状バッフル68、69によって、給水流路32への断続的な水の流入は改善されるが、さらに断続的に流入した水を給水流路32の流路断面積より大の流路断面積を有するバッファタンク71に貯水する。
バッファタンク71の下流側の給水流路32の圧力損失でバッファタンク71内には水位が形成されるため、給水流路32に断続的に流入する水がバッファタンク71からは連続的に圧力回収装置8に送られることになる。
これによって、圧力回収装置8の起動・停止が確実に切り替わり、蒸気タービン4の不安定な回転が防止される。
さらに、図11は、図10に示した実施例5の変形例であり、バッファタンク71と主蒸気管3とが、蒸気抜き流路72で連通される構成である。図示しないが蒸気抜き流路72は、全交流電源が断たれ、さらに非常用バッテリー等の制御電源も失われた場合に、弁が開となるノーマル・オープン型の弁を取り付け、通常運転時には主蒸気管3と連通しない構造とする。
給水流路32を通ってバッファタンク71に断続的に水が流入する際に、蒸気や非凝縮性ガスが混入する可能性がある。これらの気体は浮力で水中を上昇するため、流路の閉塞や逆流の原因となる可能性がある。
図11に示した原子炉隔離時冷却装置では、バッファタンク71に流入した蒸気や非凝縮性ガスなどの気体が蒸気抜き流路72によって主蒸気管3に抜かれるため、流路の閉塞や逆流の発生を防止することができる。蒸気抜き流路72は、圧力容器1内の給水流路32の取水位置より上方の空間部に接続しても良い。
以上に説明した本実施例5によれば、実施例4と同等な効果が得られる他、原子炉隔離時冷却装置の信頼性が向上し、原子炉の安全性が向上する。
なお、動圧回収装置を水車型制御装置とする場合は、プロペラ水車、または、フランシス水車、または、斜流水車、または、ペルトン水車、または、揚水水車、または、クロスフロー水車を用いることができる。
また、水頭圧回収装置はシリンダーとピストンで構成される。シリンダー内に導かれた水の水頭でピストンが押され、ピストンに接続された流量調節弁駆動軸が弁を閉じる方向に移動する。
また、水圧回収装置と貯水プール空間の間に、圧力損失を与えるための弁やオリフィスを挿入しても良い。また、流体継手には、トルクコンバータを用いても良い。
好ましくは、流量調節弁駆動軸に、無負荷時に弁を開方向に戻すばね等を用いた復座装置取り付けると良い。さらに、該水圧回収装置を有する流路の圧力容器側入口に、流路入口より下方に取り入れ口を有する立ち下げ流路を取り付けると良い。
1・・・原子炉圧力容器、2・・・炉心、3・・・主蒸気管、3N・・・主蒸気管ノズル、4・・・蒸気タービン、5・・・ポンプ、6・・・貯水プール、7・・・流量調節弁、8、63・・・圧力回収装置、9・・・流体継手、10、11・・・弁、13・・・流体継手駆動軸、14、62・・・流量調節弁駆動軸、15・・・作動油、16・・・主蒸気隔離弁、17・・・主蒸気逃がし安全弁、18・・・逃がし安全弁排気流路、21、23、24、25、26、27・・・自動弁、31・・・タービン給気流路、32・・・給水流路、32P・・・取水口、33・・・ポンプ注水流路、34・・・タービン排気流路、35・・・ポンプ給水流路、36・・・排水流路、41・・・間隙、42、44、58・・・ランナー、43、57・・・ベーン、45・・・バケット、46・・・射出ノズル、47・・・ニードル、48・・・復座機構、49・・・出力側羽根車、50・・・入力側羽根車、51・・・ガイドベーン、52・・・流量調節弁、53・・・流量調節弁復座機構、54・・・ピストン、55・・・弁、56・・・シリンダー、59・・・ケーシング、60・・・シャフト、61・・・吸出管、67・・・取水管、68、69・・・環状バッフル、70・・・ガス抜き孔、71・・・バッファタンク、72・・・蒸気抜き流路、H1・・・ポンプ注水停止水位、H2・・・ポンプ注水開始水位、H3・・・ポンプ注水停止水位、W1・・・噴流

Claims (14)

  1. 炉心を内包する原子炉圧力容器に接続される主蒸気管から蒸気を蒸気タービンに供給するタービン給気流路と、
    上記タービン給気流路に配置され、上記蒸気タービンの上流側に配置され、上記蒸気タービンに供給される蒸気を調整する流量調整弁と、
    水を貯留し、上記原子炉圧力容器内より低圧の低圧空間を有する貯水プールと、
    上記蒸気タービンにより駆動され、上記貯水プールに貯留された水を上記原子炉圧力容器内に供給するポンプと、
    上記蒸気タービンと上記貯留プールとを接続し、上記主蒸気管と上記貯水プールとを上記蒸気タービンを介して連通するタービン排気流路と、
    上記原子炉圧力容器内に配置される主蒸気管ノズルより下方であって、かつ、上記炉心の上端より上方の空間に位置される取水口を有する給水流路と、
    上記給水流路から上記原子炉圧力容器内の水が供給され、供給された水の動圧または水頭圧を動力に変換し、上記流量調整弁を開方向又は閉方向に駆動する圧力回収装置と、
    上記圧力回収装置と上記貯水プールとの間に接続され、上記圧力回収装置から排出された水を上記貯水プールに供給する排水流路と、
    を備えることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  2. 請求項1に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記圧力回収装置と上記流量調節弁とを接続する流量調節弁駆動軸をさらに備え、上記圧力回収装置は上記流量調節弁駆動軸を介して上記流量調節弁を開方向又は閉方向に駆動することを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  3. 請求項2に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記圧力回収装置は回転軸を有し、水の動圧を回転力に変換する動圧回収装置であり、上記圧力回収装置は、上記回転軸の回転を、流体を介して伝達する流体継手を有し、上記流体継手により上記流量調節弁駆動軸を駆動し、上記流量調整弁を開方向又は閉方向に駆動することを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  4. 請求項2記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記圧力回収装置は、水の水頭圧を駆動面の圧力に変換する水頭圧回収装置であり、上記圧力回収装置の駆動面が上記流量調節弁駆動軸に連接され、水の水頭圧で上記流量調節弁駆動軸を駆動することを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  5. 請求項4に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記排水流路に、圧力損失を生じる流動抵抗体が配置されることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  6. 請求項3に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記動圧回収装置である圧力回収装置は水車型制御装置であることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  7. 請求項6に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記水車型制御装置は、フランシス水車、斜流水車、ペルトン水車、揚水水車、及びクロスフロー水車のうちのいずれか一つの水車を用いることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  8. 請求項4に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記水頭圧回収装置は、シリンダーとピストンとを備え、上記シリンダー内の水頭圧を上記ピストンで上記流量調節弁駆動軸を駆動する力に変換することを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  9. 請求項7に記載に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記動圧回収装置である圧力回収装置の内部には、駆動流体である水の入口から出口までを上記水車を迂回する間隙が形成されていることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  10. 請求項2に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記流量調節弁駆動軸が、上記流量調節弁を開方向に駆動する力を発生する復座機構をさらに備え、上記圧力回収装置への水の供給の低下にともなって上記復座機構により、上記流量調節弁が開方向に駆動されることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  11. 請求項10に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記復座機構は、ばね機構を有し、該ばね機構が上記圧力回収装置による上記流量調節弁を閉方向に駆動する力を蓄積し、上記ばね機構が上記圧力回収装置への水の供給の低下にともなって、上記流量調節弁を開方向に駆動することを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  12. 請求項1に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記圧力回収装置の上流側の上記給水流路に配置され、上記給水流路の流路断面積より大の流路断面積を有するバッファタンクを、さらに備えることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  13. 請求項12に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記バッファタンクと上記主蒸気管を連通する蒸気抜き流路をさらに備えることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
  14. 請求項12に記載に記載の原子炉隔離時冷却装置において、
    上記バッファタンクと、上記圧力容器内の上記取水口の位置より上方の空間を連通する蒸気抜き流路をさらに備えることを特徴とする原子炉隔離時冷却装置。
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